IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

特開2022-177267認証システム、認証方法、及び、プログラム
<>
  • 特開-認証システム、認証方法、及び、プログラム 図1
  • 特開-認証システム、認証方法、及び、プログラム 図2
  • 特開-認証システム、認証方法、及び、プログラム 図3
  • 特開-認証システム、認証方法、及び、プログラム 図4
  • 特開-認証システム、認証方法、及び、プログラム 図5
  • 特開-認証システム、認証方法、及び、プログラム 図6
  • 特開-認証システム、認証方法、及び、プログラム 図7
  • 特開-認証システム、認証方法、及び、プログラム 図8
  • 特開-認証システム、認証方法、及び、プログラム 図9
  • 特開-認証システム、認証方法、及び、プログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177267
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】認証システム、認証方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/18 20220101AFI20221122BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20221122BHJP
   G06V 40/19 20220101ALI20221122BHJP
【FI】
G06V40/18
G06T7/00 510D
G06V40/19
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155783
(22)【出願日】2022-09-29
(62)【分割の表示】P 2020547741の分割
【原出願日】2018-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】蝶野 慶一
(72)【発明者】
【氏名】塚田 正人
(72)【発明者】
【氏名】舟山 知里
(72)【発明者】
【氏名】赤司 竜一
(72)【発明者】
【氏名】荻野 有加
(72)【発明者】
【氏名】柴田 剛志
(72)【発明者】
【氏名】谷内田 尚司
(72)【発明者】
【氏名】今井 浩
(72)【発明者】
【氏名】北川 恵美
(72)【発明者】
【氏名】吉田 康彦
(72)【発明者】
【氏名】森 祐輔
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の人物が繰り返し生体認証の対象になる場合の、生体認証のための演算量の増加を抑制できる認証システムを提供する。
【解決手段】認証システム11は、第1撮影装置が撮影した映像に含まれる対象を追跡する追跡部102と、追跡されている前記対象から、生体認証の候補を検出する検出部104と、追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われたか判定する判定部105と、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われていないと判定した場合、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置が撮影した前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて、前記生体認証の候補に対する生体認証を行う認証部106と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1撮影装置の撮影結果に基づき対象を追跡する追跡手段と、
追跡されている前記対象から、虹彩認証の候補を検出する検出手段と、
追跡されている前記対象に対して行われた虹彩認証の記録に基づいて、前記虹彩認証の候補に対して虹彩認証が行われたか判定する判定手段と、
前記第1撮影装置の撮影結果と前記判定手段の判定結果に基づき、追跡されている前記対象と、当該対象に対して虹彩認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、前記第1撮影装置の撮影範囲を表す出力画像を生成する生成手段と、
生成された前記出力画像を出力する出力手段と、
を備える認証システム。
【請求項2】
前記第1撮影装置の撮影結果に基づき、前記第1撮影装置の前記撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置が、前記第1撮影装置の撮影結果に基づいて検出された虹彩を撮影できる対象を検出する検出手段と、
前記検出手段が虹彩を撮影できる対象を検出し、前記虹彩認証の候補に対して虹彩認証が行われていないと判定された場合に、前記第2撮影装置によって撮影された虹彩の画像に基づいて虹彩認証を行う認証手段と、
を備える請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記検出手段は、対象の瞳の大きさに基づいて、検出した前記対象が、前記第2撮影装置で虹彩を撮影できる範囲にいるか否かを判定する
請求項2に記載の認証システム。
【請求項4】
前記第2撮影装置は、前記第1撮影装置の撮影結果に基づき、前記対象の虹彩の位置を検出し、虹彩の位置が画像の中心に来るよう撮影の範囲を変更することで前記対象の虹彩を撮影する
請求項2又は3のいずれか一項に記載の認証システム。
【請求項5】
前記対象の顔の向き又は視線の向きを推定し、推定された向きと前記第2撮影装置との光軸とがなす角度が所定角度以下である場合、前記第2撮影装置に撮影させる制御手段を更に有する
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の認証システム。
【請求項6】
前記対象の瞳の位置に基づき前記第2撮影装置の前記撮影範囲を変更させ、前記対象の瞳の大きさに基づき前記第2撮影装置の焦点距離を変更させる制御手段を更に有する
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の認証システム。
【請求項7】
前記検出手段は、前記第1撮影装置によって撮像された映像から、追跡されている前記対象の特徴を抽出し、前記第2撮影装置によって撮像された画像から前記虹彩認証の候補の特徴を検出し、追跡されている前記対象の抽出された前記特徴と、前記虹彩認証の候補の抽出された前記特徴とに基づいて、追跡されている前記対象から、前記虹彩認証の候補に該当する対象を検出する
請求項2乃至6のいずれか一項に記載の認証システム。
【請求項8】
第1撮影装置の撮影結果に基づき対象を追跡し、
追跡されている前記対象から、虹彩認証の候補を検出し、
追跡されている前記対象に対して行われた虹彩認証の記録に基づいて、前記虹彩認証の候補に対して虹彩認証が行われたか判定し、
前記第1撮影装置の撮影結果と前記判定の結果に基づき、追跡されている前記対象と、当該対象に対して虹彩認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、前記第1撮影装置の撮影範囲を表す出力画像を生成し、
生成された前記出力画像を出力する、
認証方法。
【請求項9】
第1撮影装置の撮影結果に基づき対象を追跡する追跡処理と、
追跡されている前記対象から、虹彩認証の候補を検出する検出処理と、
追跡されている前記対象に対して行われた虹彩認証の記録に基づいて、前記虹彩認証の候補に対して虹彩認証が行われたか判定する判定処理と、
前記第1撮影装置の撮影結果と前記判定処理の判定結果に基づき、追跡されている前記対象と、当該対象に対して虹彩認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、前記第1撮影装置の撮影範囲を表す出力画像を生成する生成処理と、
生成された前記出力画像を出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証の技術に関し、特に、虹彩認証の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、監視空間の制限エリア内に、認証されていない侵入者が侵入してから、所定時間が経過した場合に、異常状態を判定する認証装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-046639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生体認証の中で、虹彩認証は、比較的多くの演算が必要な処理である。虹彩認証の回数が増加した場合、必要な演算の量も増加し、虹彩認証を行うシステムの負荷も増加する。特許文献1に記載されている技術は、人物が繰り返し虹彩認証の対象になる場合の、虹彩認証のための演算量の増加を抑制できない。
【0005】
本発明の目的の1つは、対象が繰り返し生体認証の対象になる場合の、生体認証のための演算量の増加を抑制できる認証システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る認証システムは、第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡する追跡手段と、追跡されている前記対象から、生体認証の候補を検出する検出手段と、追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われたか判定する判定手段と、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われていないと判定された場合、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて、前記生体認証の候補に対する生体認証を行う認証手段と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る認証システムは、第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡する追跡手段と、追跡されている前記対象のうち、生体認証の候補に対する生体認証を、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて行う認証手段と、追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、追跡されている前記対象と、当該対象に対して生体認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、前記第1撮影装置の前記撮影範囲を表す出力画像を生成する生成手段と、生成された前記出力画像を出力する出力手段と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る認証方法は、第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡し、追跡されている前記対象から、生体認証の候補を検出し、追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われたか判定し、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われていないと判定された場合、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて、前記生体認証の候補に対する生体認証を行う。
【0009】
本発明の一態様に係る認証方法は、第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡し、追跡されている前記対象のうち、生体認証の候補に対する生体認証を、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて行い、追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、追跡されている前記対象と、当該対象に対して生体認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、前記第1撮影装置の前記撮影範囲を表す出力画像を生成し、生成された前記出力画像を出力する。
【0010】
本発明の一態様に係る記憶媒体は、第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡する追跡処理と、追跡されている前記対象から、生体認証の候補を検出する検出処理と、追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われたか判定する判定処理と、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われていないと判定された場合、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて、前記生体認証の候補に対する生体認証を行う認証処理と、をコンピュータに実行させるプログラムを記憶する。
【0011】
本発明の一態様に係る記憶媒体は、第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡する追跡処理と、追跡されている前記対象のうち、生体認証の候補に対する生体認証を、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて行う認証処理と、追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、追跡されている前記対象と、当該対象に対して生体認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、前記第1撮影装置の前記撮影範囲を表す出力画像を生成する生成処理と、生成された前記出力画像を出力する出力処理と、をコンピュータに実行させるプログラムを記憶する。
【0012】
本発明の一態様は、上述の記憶媒体に格納されているプログラムの各々によっても実現される。
【発明の効果】
【0013】
本発明には、対象が繰り返し認証の対象になる場合の、認証のための演算量の増加を抑制できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る認証システムの構成を表すブロック図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態に係る撮影装置が設置される環境を模式的に示す図である。
図3図3は、出力画像の一例を模式的に表す図である。
図4図4は、出力画像の一例を模式的に表す図である。
図5図5は、本発明の第1の実施形態に係る認証システムの動作の例を表すフローチャートである。
図6図6は、本発明の第2の実施形態に係る認証システムの構成の例を表すブロック図である。
図7図7は、本発明の第2の実施形態の認証システムの動作の例を表すフローチャートである。
図8図8は、本発明の第3の実施形態に係る認証システムの構成の例を表すブロック図である。
図9図9は、本発明の第3の実施形態に係る認証システムの動作の例を表すフローチャートである。
図10図10は、本発明の実施形態に係る認証システム及び認証装置を実現できるコンピュータのハードウェア構成の例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
<構成>
まず、本発明の第1の実施形態に係る認証システムの構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る認証システムの構成を表すブロック図である。
【0018】
<認証システム10>
図1に示す例では、認証システム10は、認証装置100と、広域カメラ200と、認証カメラ300と、表示装置400とを含む。
【0019】
図2は、本実施形態の撮影装置、すなわち、認証システム10の広域カメラ200及び複数の認証カメラ300が設置される環境を模式的に示す図である。図2に示す例では、1台の広域カメラ200と、3台の認証カメラ300とが設置されている。1台の広域カメラ200及び3台の認証カメラ300は、認証装置100と接続されている。認証装置100の設置場所は限定されない。
【0020】
<認証装置100>
認証装置100は、取得部101と、追跡部102と、記憶部103と、検出部104と、判定部105と、認証部106と、生成部107と、出力部108と、制御部109とを含む。認証装置100は、広域カメラ200、認証カメラ300、及び、表示装置400と通信可能に接続されている。
【0021】
<カメラ>
広域カメラ200及び認証カメラ300は、例えば、部屋などの空間に設置されていてよい。広域カメラ200は、第1撮影装置とも表記される。認証カメラ300は、第2撮影装置とも表記される。
【0022】
認証カメラ300は、虹彩認証の対象を撮影するカメラである。認証カメラ300は、虹彩認証の対象を撮影し、撮影した画像を認証装置100に送信する。認証カメラ300が撮影し出力する画像は、静止画像であってもよい。認証カメラが撮影し出力する画像は、動画像(すなわち、映像)であってもよい。認証カメラ300は、例えば、歩行する人物の顔を撮影できる高さに設置されていてよい。認証カメラの焦点距離は、認証カメラ300が設置される環境において人物の虹彩を撮影できるように予め調整されていてもよい。認証カメラ300は、ズームを行う機能を備えていてよい。認証カメラ300は、例えば、広角側の焦点距離で人物を撮影し、撮影された人物の虹彩の位置を検出し、虹彩の位置が画像の中心に来るよう撮影の方向を変更し、ズームし、人物の虹彩を撮影するよう構成されていてもよい。複数の認証カメラが、例えば異なる場所に設置されていてもよい。複数の認証カメラ300は、認証装置100に、通信可能に接続されている。以下では、1台の認証カメラ300が設置され、認証装置100に接続されている場合について説明する。複数の認証カメラ300が設置され、認証装置100に接続されている場合、認証装置100は、1台の認証カメラ300に関連する処理と同等の処理を、別々に、複数の認証カメラ300について行ってよい。
【0023】
認証カメラ300は、例えば認証装置100からの指示に従って、撮影可能な範囲にいる人物の虹彩を撮影するよう構成されていてよい。認証カメラ300は、虹彩を撮影する指示を受信すると、自律的に、広角側の焦点距離で人物を撮影し、撮影された人物の虹彩の位置を検出し、虹彩の位置が画像の中心に来るよう撮影の方向を変更し、ズームし、人物の虹彩を撮影するよう構成されていてもよい。認証カメラ300は、方向を変更する指示、ズームする指示、及び、撮影する指示などを受信すると、受信した指示に従って動作するよう構成されていてもよい。その場合、認証装置100は、認証カメラ300によって撮影された映像に基づいて、カメラの方向の変更を表す値、ズームの量を表す値等を算出し、認証カメラ300に、方向を変更する指示、ズームする指示、及び、撮影する指示などを送信してよい。
【0024】
広域カメラ200は、認証カメラ300が撮影する範囲を含む範囲を撮影するよう設置されたカメラである。広域カメラ200は、広域カメラ200及び認証カメラ300が設置される空間全体を撮影するように設置されていてもよい。広域カメラ200の焦点距離は、広域カメラ200が設置されている場所から、広域カメラ200及び認証カメラ300が設置される空間全体を撮影できるように設定されていてもよい。広域カメラ200は、撮影によって得られる映像を、例えば、認証装置100の取得部101に送信する。
【0025】
広域カメラ200の認証カメラ300との間の位置関係は、予め測定され、既知であってよい。例えば、広域カメラ200が撮影する映像において、認証カメラ300が虹彩を撮影できる人物の位置の範囲に対応する領域が、予め特定されていてよい。言い換えると、広域カメラ200が撮影する映像において、人物がどこにいれば認証カメラ300がその人物の虹彩を撮影できるか、予め特定されていてよい。例えば後述される検出部104が、広域カメラ200及び認証カメラ300の位置、方向、焦点距離等のパラメータに基づいて、広域カメラ200が撮影する映像における、認証カメラ300が虹彩を撮影できる人物の位置の範囲に対応する領域を特定してもよい。
【0026】
<表示装置400>
表示装置400は、例えば、ディスプレイや、端末装置等の、受信した画像等を表示する機能を備える装置である。表示装置400が可搬端末装置である場合、広域カメラ200は、その可搬端末装置に搭載されたカメラであってもよい。
【0027】
<取得部101>
取得部101は、広域カメラ200から、広域カメラ200が撮影した映像を受け取る。取得部101は、さらに、認証カメラ300から、認証カメラ300が撮影した画像を受け取る。取得部101は、広域カメラ200から受け取った映像を、追跡部102と、検出部104とに送出する。取得部101は、広域カメラ200から受け取った映像を、生成部107に送出してもよい。取得部101は、認証カメラ300から受け取った画像を、認証部106に送出してもよい。取得部101は、認証カメラ300から受け取った画像を、さらに、検出部104に送出してもよい。
【0028】
<追跡部102>
追跡部102は、取得部101から受け取った映像(以下、広域映像と表記する)から人物を抽出し、抽出した人物を追跡する。言い換えると、追跡部102は、映像の複数のフレームの各々において人物の領域を抽出し、隣接するフレーム間で対応する人物の領域を特定し、映像において同一の人物の領域の変遷を追跡する。追跡部102は、既存の様々な人物を追跡する方法のいずれかを使用して、広域映像において人物を追跡してよい。
【0029】
追跡部102は、追跡している人物に識別子(以下、追跡識別子とも表記)を割り当ててよい。そして、追跡部102は、例えば、映像のフレームにおいて人物が抽出された領域の位置と、フレームの番号と、人物の識別子とを互いに関連付けてよい。追跡部102は、追跡されている人物の情報(以下、追跡情報とも表記)、すなわち、互いに関連付けられた、人物が抽出された領域の位置と、フレームの番号と、人物の識別子とを、記憶部103に格納してよい。追跡識別子は、追跡されている人物を区別できるように割り当てられる。追跡部102は、広域カメラ200によって撮影された映像、すなわち、上述の広域映像から、追跡されている人物ではない人物が新たに検出された場合、検出された人物に、例えば、後述される記憶部103に格納されている追跡情報に含まれない追跡識別子を割り当ててよい。
【0030】
追跡部102は、最後に検出されてから所定時間が経過した人物の追跡情報を、記憶部103から削除してもよい。
【0031】
追跡部102は、追跡されている人物の情報、すなわち、追跡情報を、検出部104に送出する。
【0032】
<記憶部103>
記憶部103は、追跡情報、すなわち、フレーム毎の、人物が抽出された領域の位置と、抽出された人物の識別子とを記憶する。具体的には、記憶部103は、追跡部102によって格納された、互いに関連付けられている、人物が抽出された領域の位置と、フレームの番号と、人物の識別子(すなわち、追跡識別子)とを、追跡情報として記憶していてよい。
【0033】
記憶部103は、さらに、追跡されている人物に対して後述の認証部106によって行われた、虹彩認証の情報(以下、認証記録情報とも表記)を記憶する。認証記録情報は、例えば、追跡されている人物の追跡識別子と、追跡識別子と関連付けられている、その追跡識別子が示す人物に対して行われた虹彩認証の結果を表す情報とを含んでいてもよい。虹彩認証の結果を表す情報は、例えば、虹彩認証が行われたが人物を特定できなかったことを表す情報、及び、虹彩認証が行われ人物を特定できたことを表す情報のいずれかであってもよい。虹彩認証の結果を表す情報が、虹彩認証が行われ人物を特定できたことを表す情報である場合、追跡識別子は、虹彩認証によって特定された、登録されている人物を表す情報に関連付けられていてよい。登録されている人物を表す情報は、例えば、登録されている人物の識別子(以下、登録識別子と表記)であってよい。虹彩認証の結果を表す情報が、登録識別子であってもよい。認証記録情報は、例えば、虹彩認証が行われた日時を含んでいてもよい。認証記録情報は、後述の認証部106によって格納される。
【0034】
本実施形態では、認証記録情報に追跡識別子が含まれていない場合、認証記録情報は、その追跡識別子が示す人物に対する虹彩認証が実施されていないことを表す。
【0035】
記憶部103は、互いに関連付けられている、人物の登録識別子と、虹彩認証に使用される情報(例えば、人物の虹彩の画像から抽出された特徴量)とを含む情報(以下、登録情報と表記)記憶する。登録情報は、例えば、認証システム10のオペレータなどの操作によって、予め記憶部103に格納される。上述の、登録されている人物は、登録識別子と虹彩認証に使用される情報とが記憶部103に予め格納されている人物を指す登録情報は、人物の情報(例えば、氏名、所属、地位などのプロフィール情報)や他の情報を含んでいてもよい。
【0036】
<検出部104>
検出部104は、取得部101から、広域カメラ200によって撮影された映像を受け取る。検出部104は、取得部101から、認証カメラ300によって撮影された映像を受け取ってもよい。取得部101は、追跡部102から、追跡されている人物の情報を受け取る。追跡されている人物の情報は、例えば、広域カメラ200によって撮影された映像における、追跡されている人物の位置の情報(例えば、追跡されている人物の領域を特定する座標等)及びその人物の識別子(すなわち、上述の追跡識別子)である。
【0037】
検出部104は、追跡されている人物の中から、認証カメラ300が虹彩を撮影できる範囲にいる人物である候補人物を検出する。具体的には、検出部104は、広域カメラ200によって撮影された映像における、追跡されている人物の位置に基づいて、人物が存在する空間における人物の位置を推定してもよい。検出部104は、推定した人物の上述の空間における位置と、認証カメラ300が設置されている位置との間の距離が、所定距離以下である場合に、その人物が、認証カメラ300が虹彩を撮影できる範囲にいる人物(すなわち候補人物)であると判定してもよい。
【0038】
検出部104は、認証カメラ300の映像から人物を検出し、検出した人物が、認証カメラ300が虹彩を撮影できる範囲にいるか否かを判定してもよい。検出部104は、例えば、認証カメラ300が撮影した映像において、検出した人物の顔のサイズを算出し、顔のサイズに基づいて、検出した人物が、認証カメラ300が虹彩を撮影できる範囲にいるか否かを判定してもよい。具体的には、検出部104は、人物の顔のサイズが、認証カメラ300の焦点距離に応じた所定顔サイズよりも大きい場合に、検出した人物が、認証カメラ300が虹彩を撮影できる範囲にいると認定してもよい。検出部104は、例えば、認証カメラ300が撮影した映像において、検出した人物の瞳のサイズを算出し、算出した瞳のサイズに基づいて、検出した人物が、認証カメラ300が虹彩を撮影できる範囲にいるか否かを判定してもよい。具体的には、検出部104は、人物の瞳のサイズが、認証カメラ300の焦点距離に応じた所定瞳サイズよりも大きい場合に、検出した人物が、認証カメラ300が虹彩を撮影できる範囲にいると認定してもよい。これらの場合、検出部104は、取得部101を介して、映像を撮影した際の認証カメラ300の焦点距離の情報を取得しておく。認証カメラ300の焦点距離の情報は、例えば、認証カメラ300から送られる映像のデータに含まれていてもよい。
【0039】
認証カメラ300の映像から検出された人物が、認証カメラ300が虹彩を撮影できる範囲にいると判定された場合、検出部104は、認証カメラ300の映像から検出された人物に該当する、広域カメラ200の映像において追跡されている人物を特定する。検出部104は、例えば、人物の服装、人物の形状、人物の位置、及び、人物の向き等の人物の特徴に基づいて、認証カメラ300の映像から検出された人物に該当する、追跡されている人物を特定してよい。
【0040】
具体的には、検出部104は、認証カメラ300の映像における人物と、広域カメラ200の映像における、追跡されている人物とから、人物の特徴を検出してよい。検出部104は、検出された、一致する人物の特徴が所定基準を満たす場合、認証カメラ300の映像における人物が、追跡されている人物に該当すると判定してよい。検出部104は、例えば、双方の映像の人物から検出された特徴に対する、一致する特徴の割合が、所定値より大きい場合に、一致する人物の特徴が所定基準を満たすと認定してもよい。人物の特徴には、それぞれ、重みが付与されていてもよい。検出部104は、例えば、一致する特徴の重みの和をスコアとして算出し、算出されたスコアが所定値を超える場合に、一致する人物の特徴が所定基準を満たすと認定してもよい。
【0041】
人物の服装は、例えば、着衣の色や種類などであってもよい。人物の服装に、眼鏡、帽子、スカーフ、マフラー、手袋、ステッキ、傘、バッグなどの装備品の有無、種類、形状、色などが含まれていてもよい。人物の形状は、例えば、体型、髪型、髪の色などである。人物の位置は、例えば、認証カメラによって複数の人物が撮影されている場合の、撮影されている複数の人物の中における、人物の配置(例えば、右から2番目等)であってもよい。人物の位置は、例えば、認証カメラ300の映像において、右側であるか、左側であるかを表していてもよい。人物の向きは、認証カメラ300に対して、人物の顔が向いている方向であってもよい。人物の向きは、認証カメラ300に対して、人物の体が向いている方向であってもよい。
【0042】
認証カメラ300の映像から検出された人物に該当する、追跡されている人物を特定した場合、検出部104は、特定された、追跡されている人物の追跡識別子を、判定部105に送出する。検出部104は、さらに、認証カメラ300によって撮影された映像を、例えば判定部105を介して、認証部106に送出する。検出部104は、認証カメラ300によって撮影された映像を、判定部105に送出してよい。そして、判定部105が、後述のように、検出部104から映像を受け取り、受け取った映像を認証部106に送出してよい。
【0043】
例えば検出部104が判定部105を介して認証部106に送出する、認証カメラ300によって撮影された映像を、虹彩認証用画像とも表記する。検出部104は、認証カメラ300によって撮影されている映像から、虹彩認証に適したフレームを抽出し、抽出したフレームの画像データを、虹彩認証用画像として、判定部105に送出してもよい。検出部104は、例えば、瞳のサイズが所定サイズよりも大きく、瞳の領域の鮮明さが所定基準を満たすフレームを抽出し、抽出したフレームを判定部105に送出してよい。検出部104は、瞳の領域にエッジ検出フィルタを適用することによって検出されたエッジの量に基づいて、瞳の領域の鮮明さを判定してもよい。検出部104は、瞳の領域の鮮明さを、画像の鮮明さを評価する既存の様々な方法や、画像の所定領域にピントがあっているか否かを判定する既存の様々な方法のいずれかによって評価してもよい。
【0044】
認証カメラ300によって、虹彩認証に適した映像が得られていない場合、検出部104は、制御部109に対して、虹彩の映像を取得するように認証カメラ300を制御する指示を送ってもよい。
【0045】
なお、後述されるように、認証カメラ300によって、虹彩認証に適した映像が得られていない場合に、判定部105が、制御部109に対して、虹彩の映像を取得するように認証カメラ300を制御する指示を送るよう構成されていてもよい。検出部104は、認証カメラ300によって、虹彩認証に適した映像が得られていない場合に、制御部109に対して、虹彩の映像を取得するように認証カメラ300を制御する指示を送るよう構成されていなくてもよい。さらに、認証カメラ300によって、虹彩認証に適した映像が得られていない場合、検出部104は、判定部105に(具体的には、判定部105を介して認証部106に)、虹彩認証用画像を送出しなくてよい。検出部104は、認証カメラ300によって、虹彩認証に適した映像が得られていない場合、虹彩認証用画像を判定部105に送出しなくてよい。検出部104は、例えば、虹彩認証用画像を送出しないことを表す情報を、判定部105に送出してもよい。
【0046】
<判定部105>
判定部105は、検出部104から、追跡識別子を受け取る。判定部105は、さらに、検出部104から、虹彩認証用画像を受け取ってもよい。判定部105は、制御部109から、虹彩認証用画像を受け取ってもよい。判定部105は、受け取った追跡識別子と、追跡されている人物に対して行われた虹彩認証の記録(すなわち、上述の認証記録情報)に基づいて、候補人物に対して虹彩認証が行われたか判定する。具体的には、判定部105は、認証記録情報に、受け取った追跡識別子が含まれているか否かを判定してよい。そして、判定部105は、認証記録情報に、受け取った追跡識別子が含まれている場合、追跡されている人物に対して虹彩認証が行われたと判定してよい。判定部105は、認証記録情報に、受け取った追跡識別子が含まれていない場合、追跡されている人物に対して虹彩認証が行われていないと判定してよい。
【0047】
判定部105は、認証記録情報が、追跡識別子が示す人物に対する虹彩認証が行われたが人物を特定できなかったことを表している場合、追跡されている人物に対して虹彩認証が成功していないと判定してもよい。
【0048】
追跡されている人物に対して虹彩認証が行われていないと判定した場合、判定部105は、虹彩認証用画像と、追跡識別子とを、認証部106に送出する。追跡されている人物に対して虹彩認証が成功していないと判定した場合も、判定部105は、虹彩認証用画像と、追跡識別子とを、認証部106に送出してもよい。
【0049】
追跡されている人物に対して虹彩認証が行われたと判定した場合、判定部105は、虹彩認証用画像と、追跡識別子とを、認証部106に送出しなくてよい。追跡されている人物に対する虹彩認証によって、その人物に該当する、登録されている人物を特定できている場合に、判定部105は、虹彩認証用画像と、追跡識別子とを、認証部106に送出しなくてもよい。虹彩認証用画像と、追跡識別子とを、認証部106に送出しない場合、判定部105は、生成部107に対して、出力画像を生成する指示を送信してよい。この場合、後述の認証部106による虹彩認証は、行われない(言い換えると、スキップされる)。
【0050】
なお、判定部105は、最後に虹彩認証が行われてから所定時間以上の時間が経過している場合、追跡されている人物に虹彩認証が行われたか否かに関わらず、虹彩認証用画像と、追跡識別子とを、認証部106に送出してもよい。
【0051】
追跡されている人物に対して虹彩認証が行われている場合、追跡されている人物の、虹彩認証に適した映像は得られていなくてもよい。従って、追跡されている人物に対して虹彩認証が行われているか否かを判定する前に、虹彩認証に適した映像は得られていなくてもよい。
【0052】
例えば、検出部104が虹彩認証用画像を送出しない場合、及び、検出部104から虹彩認証用画像を送出しないことを表す情報を受け取った場合、判定部105は、虹彩認証に適した映像が得られていないと判定してよい。追跡されている人物に対して虹彩認証が行われていないと判定され、認証カメラ300によって、虹彩認証に適した映像が得られていない場合、判定部105が、制御部109に対して、虹彩の映像を取得するように認証カメラ300を制御する指示を送ってもよい。判定部105がこのように構成されている場合、検出部104は、制御部109に対して、虹彩の映像を取得するように認証カメラ300を制御する指示を送るよう構成されていなくてよい。この場合、判定部105は、検出部104ではなく、制御部109から、虹彩認証に適した虹彩認証用画像を受け取ってよい。
【0053】
<認証部106>
認証部106は、判定部105から、虹彩認証用画像と、追跡識別子とを受け取る。判定部105から、虹彩認証用画像と、追跡識別子とを受け取った場合、すなわち、追跡されている人物に対して虹彩認証が行われていないと判定された場合、認証部106は、受け取った虹彩認証用画像を使用して虹彩認証を行う。虹彩認証用画像は、上述のように、認証カメラ300によって撮影された映像(言い換えると、映像の少なくとも一部)である。認証部106は、取得部101から、虹彩認証用画像として使用する映像を受け取ってもよい。その場合、取得部101は、認証カメラ300から受け取った映像を、認証部106に送出してもよい。なお、図1において、取得部101から認証部106への映像の送信を表す線は、簡単のため省略されている。
【0054】
認証部106は、受け取った虹彩認証用画像から、虹彩の領域を検出し、検出した虹彩の領域から特徴量(すなわち、虹彩の特徴量)を抽出する。認証部106は、抽出した虹彩の特徴量と、記憶部103に格納されている、登録された人物の虹彩の特徴量とを比較する。認証部106が虹彩の特徴量を比較するために使用する方法は、既存の様々な方法のいずれかであってよい。すなわち、認証部106は、既存の様々な虹彩認証方法のいずれかを使用して、虹彩認証を行ってよい。認証部106が抽出する虹彩の特徴量及び登録されている虹彩の特徴量は、認証部106が使用する虹彩認証方法に応じて定まる特徴量であってよい。
【0055】
認証部106は、行った虹彩認証の結果に応じて、例えば以下で説明するように、認証記録情報を更新する。言い換えると、認証部106は、虹彩認証の結果を、認証記録情報に追加することによって、認証記録情報を更新する。認証部106は、更新情報を更新する際、虹彩認証の結果に、虹彩認証が行われた日時を関連付け、虹彩認証の結果と虹彩認証が行われた日時とを、認証記録情報に追加してもよい。
【0056】
虹彩認証によって、追跡されている人物に該当する、登録されている人物を特定できた場合、認証部106は、受け取った追跡識別子に、上述の、虹彩認証が行われ人物を特定できたことを表す情報を関連付ける。そして、認証部106は、互いに関連付けられた、受け取った追跡識別子と虹彩認証が行われ人物を特定できたことを表す情報とを、記憶部103に、認証記録情報として格納する。この場合、認証部106は、互いに関連付けられた、受け取った追跡識別子と虹彩認証が行われ人物を特定できたことを表す情報とを、虹彩認証の結果として、記憶部103に格納されている認証記録情報に追加してよい。虹彩認証が行われ人物を特定できたことを表す情報は、上述のように、追跡されている人物に該当する、登録されている人物の登録識別子であってよい。
【0057】
虹彩認証によって、追跡されている人物に該当する、登録されている人物を特定できなかった場合、認証部106は、受け取った追跡識別子に、上述の、虹彩認証が行われたが人物を特定できなかったことを表す情報を関連付ける。虹彩認証が行われたが人物を特定できなかったことを表す情報は、例えば、特定できない人物を示すように設定された(又は、誰も示さないように設定された)登録識別子であってもよい。この場合、認証部106は、互いに関連付けられた、受け取った追跡識別子と虹彩認証が行われたが人物を特定できなかったことを表す情報とを、記憶部103に、認証記録情報として格納する。この場合、認証部106は、互いに関連付けられた、受け取った追跡識別子と虹彩認証が行われたが人物を特定できなかったことを表す情報とを、虹彩認証の結果として、記憶部103に格納されている認証記録情報に追加してよい。
【0058】
なお、認証部106は、虹彩認証が行われてから所定時間が経過した、虹彩認証の結果を、認証記録情報から削除してもよい。
【0059】
認証記録情報を更新した後、認証部106は、生成部107に対して、出力画像を生成する指示を送信してよい。
【0060】
<生成部107>
生成部107は、判定部105及び認証部106から、出力画像を生成する指示を受信する。生成部107は、判定部105又は認証部106から、出力画像を生成する指示を受信した場合、以下で詳しく説明するように、出力画像を生成する。具体的には、生成部107は、例えば以下で詳しく説明するような、追跡されている人物と、その人物に対して虹彩認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、広域カメラ200の撮影範囲を表す出力画像を生成する。
【0061】
生成部107は、広域カメラ200の撮影範囲を表す画像として、広域カメラ200によって撮影された映像を使用してもよい。生成部107は、広域カメラ200の撮影範囲を表す画像として、広域カメラ200の撮影範囲の形状を表す図形を使用してもよい。撮影範囲の形状を表す図形は、撮影範囲の空間(例えば部屋等)を、真上から見下ろした図であってもよい。範囲を表す画像として、広域カメラ200の撮影範囲の形状を表す図形を使用してもよい。撮影範囲の形状を表す図形は、撮影範囲の空間を、斜め上から見た図であってもよい。
【0062】
生成部107は、広域カメラ200によって撮影された映像に、上述のマークが重畳された画像を、出力画像として生成してもよい。生成部107は、虹彩認証が行われた人物を示すマークに、その人物の情報を付加してもよい。
【0063】
マークは、例えば、検出された人物を囲む矩形などの図形や、検出された人物の領域を示す、矢印やチェックマークなどの図形や、名前を表す文字であってもよい。マークは、例えば、色及び明るさの少なくともいずれかを変更した、検出された人物の領域であってもよい。マークは、点滅していてもよい。マークの色や大きさが、時間の経過に応じて変化してもよい。
【0064】
生成部107は、虹彩認証が行われた人物と、虹彩認証が行われていない人物とを、判別できるように、虹彩認証が行われた人物を示すマークとして、虹彩認証が行われていない人物を示すマークと区別できるマークを使用する。生成部107は、虹彩認証によって該当する登録されている人物が特定された人物を示すマークとして、虹彩認証によって該当する登録されている人物が特定されなかった人物を示すマークと区別できるマークを使用してよい。以下、虹彩認証が行われていない人物を示すマークを、未認証マークと表記する。虹彩認証が行われた人物を示すマークを、認証マークと表記する。虹彩認証によって該当する登録されている人物が特定された人物を示すマークを、特定マークと表記する。虹彩認証によって該当する登録されている人物が特定されなかった人物を示すマークを、非特定マークと表記する。認証マークは、特定マークと非特定マークとを含む。
【0065】
未認証マーク、特定マーク、及び、非特定マークは、色、線の太さ、大きさ、形状、付加されている文字又は文字列の少なくともいずれかにおいて異なっていてもよい。未認証マーク、特定マーク、及び、非特定マークは、点滅の頻度、点滅のパターン、色や大きさの変化のパターンにおいて異なっていてもよい。
【0066】
点滅するマーク、色や大きさが変化するマークなど、時間の経過に応じて変化するマークを出力画像に重畳する場合、生成部107は、マークが変化するように見えるよう、出力画像の連続するフレーム間で、同じ人物を示すマークの色や大きさを変化させる。動画像のフレーム間隔より長い時間、人物の位置等の人物の状態が変化しない画像に、変化するマークを重畳する場合、生成部107は、同一のフレームが連続する動画像に、同様にして変化するマークを重畳してよい。
【0067】
図3は、出力画像の一例を模式的に表す図である。図3に示す例は、2人の人物が存在する長方形の部屋を上方から見下ろした画像を表す。左上の円は、虹彩認証が行われ、虹彩認証によって、名前が「A」であることが特定された人物を表す。右下の円は、虹彩認証が行われていない人物を表す。
【0068】
図4は、出力画像の一例を模式的に表す図である。図4に示す例は、2人の人物が存在する長方形の部屋を、斜め上から広域カメラ200によって撮影した映像に、マークを重畳した画像の状態を表す。図4の左側の、矩形によって囲まれた人物は、虹彩認証が行われていない人物を表す。図4の右側の、頭上にチェックマークが表示されている人物は、虹彩認証が行われた人物を表す。
【0069】
生成部107は、生成した出力画像を、出力部108に送出する。
【0070】
<出力部108>
出力部108は、生成部107から出力画像を受け取り、受け取った出力画像を、例えば、表示装置400に出力する。
【0071】
<制御部109>
制御部109は、検出部104から、虹彩の映像を取得するように認証カメラ300を制御する指示を受け取ってもよい。制御部109は、判定部105から、虹彩の映像を取得するように認証カメラ300を制御する指示を受け取ってもよい。虹彩の映像を取得するように認証カメラ300を制御する指示を受け取った場合、制御部109は、認証カメラ300に、撮影を指示してもよい。制御部109は、取得部101から、認証カメラ300が撮影した画像を受け取ってもよい。制御部109は、取得部101から受け取った、認証カメラ300が撮影した画像が、虹彩認証に適しているか否かを判定する。制御部109が、虹彩認証に適しているか否かを判定するために使用する判定方法は、上述の、検出部104が、虹彩認証に適しているか否かを判定するために使用する判定方法と同じでよい。
【0072】
取得部101から受け取った、認証カメラ300が撮影した画像が、虹彩認証に適していない場合、制御部109は、認証カメラ300が、候補人物の虹彩を撮影するよう、認証カメラ300を制御する。
【0073】
具体的には、制御部109は、認証カメラ300によって撮影される候補人物の顔が、認証カメラ300の方を向くまで待機してもよい。認証カメラ300によって撮影される候補人物の視線が、認証カメラ300の方を向くまで待機してもよい。さらに具体的には、制御部109は、認証カメラ300によって撮影される映像において、候補人物の顔の向き又は視線の向きを推定する。例えば推定された向きと、認証カメラ300の光軸とがなす角度が、所定角度以下である場合、制御部109は、候補人物の顔(又は視線)が、認証カメラ300の方を向いたと認定してよい。制御部109は、認証カメラ300によって撮影される映像において、瞳の領域を検出し、瞳の外周の形状を楕円によって近似してもよい。そして、得られた楕円の離心率が所定値以下である場合、制御部109は、候補人物の顔(又は視線)が、認証カメラ300の方を向いたと認定してよい。
【0074】
候補人物の顔(又は視線)が、認証カメラ300の方を向いた場合、制御部109は、まだ瞳の領域を検出していなければ瞳の領域を検出する。制御部109は、さらに、認証カメラ300によって撮影された映像における瞳の領域の位置が、撮影された映像の中心又は中心付近になるように、認証カメラ300の方向を制御する。具体的には、制御部109は、映像における検出された瞳の位置と、認証カメラ300のパラメータとに基づいて、撮影された映像における瞳の領域の位置を映像の中心に移動させるための、認証カメラ300の回転を推定する。制御部109は、推定した回転を行う指示を、認証カメラ300に送信する。認証カメラ300は、受け取った指示に従って、方向を変更する。
【0075】
制御部109は、さらに、瞳の領域のサイズ(例えば長径)が、所定サイズより大きいか判定する。制御部109は、瞳の領域のサイズと、認証カメラ300のパラメータとに基づいて、撮影された映像における瞳の領域のサイズが所定サイズより大きくなるための、認証カメラ300の焦点距離を推定する。制御部109は、焦点距離を推定した焦点距離に変更する指示を、認証カメラ300に送信する。認証カメラ300は、受け取った指示に従って、焦点距離を変更する。
【0076】
判定部105から、虹彩の映像を取得するように認証カメラ300を制御する指示を受け取った場合は、制御部109は、指示を送信した後に取得部101によって取得された、認証カメラ300によって撮影された画像を、取得部101から受け取る。制御部109は、受け取った画像が虹彩認証に適しているか否かを判定する。受け取った画像が虹彩認証に適していると判定した場合、制御部109は、受け取った画像を、虹彩認証用画像として、判定部105に送出する。
【0077】
受け取った画像が虹彩認証に適していないと判定した場合、制御部109は、再度、回転と焦点距離とを推定し、推定した回転を行う指示と、焦点距離を推定した焦点距離に変更する指示とを、認証カメラ300に送信してもよい。制御部109は、受け取った画像のピントが合っているか否かを判定してもよい。受け取った画像のピントが合っていないと判定した場合、制御部109は、合焦をやり直す指示を、認証カメラ300に送信してもよい。認証カメラ300は、受け取った指示に従って、合焦をやり直してもよい。
【0078】
<動作>
次に、本実施形態の認証システム10の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0079】
図5は、本実施形態の認証システム10の動作の例を表すフローチャートである。認証システム10は、例えば、認証システム10のオペレータの操作によって、図5に示す動作を開始してよい。認証システム10は、例えば認証システム10のオペレータの操作によって、動作を終了する指示が行われるまで、図5に示す動作を繰り返してよい。
【0080】
図5に示す動作では、まず、取得部101が、広域カメラ200から広域カメラ200が撮影した映像を取得する(ステップS101)。取得部101は、さらに、認証カメラ300から認証カメラ300が撮影した映像を取得してもよい。
【0081】
次に、追跡部102が、広域カメラ200から受け取った、広域カメラ200が撮影した映像において、映像に含まれる人物を追跡する(ステップS102)。
【0082】
検出部104は、例えば、広域カメラ200及び認証カメラのパラメータや位置関係に基づいて、上述の候補人物を検出する(ステップS103)。検出部104は、広域カメラ200の映像及び認証カメラ300の映像に基づいて、候補人物を検出してもよい。
【0083】
候補人物が検出されない場合(ステップS104においてNO)、認証システム10は、次に、ステップS111の動作を行う。候補人物が検出された場合(ステップS104においてYES)、判定部105は、候補人物の虹彩認証が既に行われたか判定する(ステップS105)。
【0084】
ステップS103において、複数の候補人物が検出された場合、認証システム10は、検出された複数の候補人物毎に、ステップS105からステップS110までの動作を行えばよい。
【0085】
候補人物の虹彩認証が行われている場合(ステップS106においてYES)、認証システム10は、次に、ステップS111の動作を行う。候補人物の虹彩認証が行われていない場合(ステップS106においてNO)、制御部109は、認証カメラ300に撮影を指示してもよい(ステップS107)。ステップS101において、虹彩認証に適した、虹彩認証用の画像が既に取得されている場合、認証システム10は、ステップS107及びステップS108の動作を行わなくてよい。その場合、例えば、検出部104が、虹彩認証用の画像を、判定部105を介して認証部106に向けて送出する。
【0086】
取得部101は、認証カメラ300から、虹彩認証用の画像を取得する(ステップS108)。ステップS108において、例えば制御部109は、認証カメラ300によって撮影された画像が虹彩認証に適しているか否かを判定してもよい。認証カメラ300によって撮影された画像が虹彩認証に適していないと判定された場合、制御部109は、虹彩認証に適した画像が撮影されるように、認証カメラ300を制御してもよい。この場合、制御部109が、虹彩認証に適している虹彩認証用の画像を、例えば判定部105を介して、認証部106に向けて送出してもよい。
【0087】
次に、認証部106は、候補人物の虹彩認証を行う(ステップS109)。認証部106は、虹彩認証の結果を記憶部103に格納する(ステップS110)。言い換えると、認証部106は、虹彩認証の結果によって、虹彩認証の記録(すなわち、上述の認証記録情報)を更新する。
【0088】
次に、生成部107が、追跡情報と虹彩認証の記録とに基づいて、出力画像を生成する(ステップS111)。そして、出力部108が、生成された出力画像を出力する(ステップS112)。
【0089】
<効果>
以上で説明した本実施形態には、人物等の対象が繰り返し虹彩認証等の生体認証の対象になる場合の、生体認証のための演算量の増加を抑制できるという効果がある。その理由は、判定部105が、虹彩認証を行う候補であり、追跡されている人物である候補人物に対して、既に虹彩認証が行われているか否かを判定するからである。そして、認証部106が、候補人物に対して虹彩認証が行われている場合に、その候補人物に対する虹彩認証を行わないからである。従って、同一の人物が繰り返し虹彩認証の対象になる場合に、繰り返し虹彩認証を行わなくてよいので、虹彩認証のための演算量の増加を抑制できる。
【0090】
<変形例>
以上で説明した本実施形態では、認証が虹彩認証であり、認証の対象が人物である。本実施形態は、認証が、顔認証や歩容認証など、カメラによって撮影された映像を使用して行える様々な認証に適用できる。認証の方法は、既存の様々な方法のいずれかであってよい。また、認証の対象は、必ずしも人物でなくてもよい。認証の対象は、例えば、フェンスによって囲まれた牧場などのスペースにいる動物であってもよい。その場合の認証の方法は、認証の対象に適した方法であってよい。例えば、認証の対象が牛である場合、鼻にある凹凸のパターンである、鼻紋を使用して認証を行ってよい。また、認証の対象が、毛皮に固体特有の文様がある動物である場合、認証は、毛皮の固体特有の文様の一致度に基づく認証であってもよい。
【0091】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0092】
<構成>
本実施形態に係る認証システム11の構成について説明する。図6は、本実施形態に係る認証システム11の構成の例を表すブロック図である。
【0093】
図6に示すように、本実施形態の認証システム11は、追跡部102と、検出部104と、判定部105と、認証部106と、を備える。
【0094】
追跡部102は、第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡する。検出部104は、追跡されている前記対象から、生体認証の候補を検出する。判定部105は、追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われたか判定する。認証部106は、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われていないと判定された場合、第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて、前記生体認証の候補に対する生体認証を行う。第2撮影装置の撮影範囲は、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部である。本実施形態の第1撮影装置は、第1の実施形態の広域カメラ200に相当する。本実施形態の第2撮影装置は、第1の実施形態の認証カメラ300に相当する。
【0095】
本実施形態では、対象は、例えば、人物である。認証部位は、認証に使用する部位である。部位とは、例えば、体の一部である。認証部位は、例えば、虹彩である。認証は、例えば、生体認証である。生体認証は、例えば、虹彩認証である。ただし、本実施形態は、これらに限られない。
【0096】
<動作>
次に、本実施形態に係る認証システム11の動作について説明する。以下では、対象が人物であり、認証部位が虹彩であり、認証が虹彩認証である場合について説明する。図7は、本実施形態の認証システム11の動作の例を表すフローチャートである。認証システム11は、例えばオペレータの操作によって、図7に示す動作を開始してよい。認証システム11は、例えばオペレータが動作を終了する指示を行うまで、図7に示す動作を繰り返してもよい。
【0097】
図7に示す動作では、追跡部102が、第1撮影装置(例えば広域カメラ200)によって撮影された映像において、人物を追跡する(ステップS201)。次に、検出部104が、候補人物を検出する(ステップS202)。候補人物が検出されない場合(ステップS203においてNO)、認証システム11は、図7に示す動作を終了する。
【0098】
候補人物が検出された場合(ステップS203においてYES)、判定部105は、追跡されている人物に対して行われた虹彩認証の記録に基づいて、検出された候補人物に対して虹彩認証が行われたか判定する(ステップS204)。候補人物に対して虹彩認証が行われた場合、言い換えると、候補人物の虹彩認証が行われた場合(ステップS205においてYES)、認証システム11は、図7に示す動作を終了する。
【0099】
候補人物に対して虹彩認証が行われていない場合、言い換えると、候補人物の虹彩認証が行われていない場合(ステップS205においてNO)、認証部106は、第2撮影装置(例えば認証カメラ300)によって撮影された映像を使用して、候補人物の虹彩認証を行う(ステップS206)。
【0100】
<効果>
本実施形態には、第1の実施形態の効果と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同様である。
【0101】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0102】
<構成>
まず、本実施形態の構成について説明する。図8は、本実施形態に係る認証システム12の構成の例を表すブロック図である。
【0103】
本実施形態に係る認証システム12は、追跡部102と、認証部106と、生成部107と、出力部108と、を備える。
【0104】
追跡部102は、第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡する。認証部106は、追跡されている前記対象のうち、生体認証の候補に対する生体認証を、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて行う。生成部107は、追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、追跡されている前記対象と、当該対象に対して生体認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、前記第1撮影装置の前記撮影範囲を表す出力画像を生成する。出力部108は、生成された前記出力画像を出力する。本実施形態の第1撮影装置は、第1の実施形態の広域カメラ200に相当する。本実施形態の第2撮影装置は、第1の実施形態の認証カメラに相当する。
【0105】
本実施形態では、対象は、例えば、人物である。認証部位は、認証に使用する部位である。部位とは、例えば、体の一部である。認証部位は、例えば、虹彩である。認証は、例えば、生体認証である。生体認証は、例えば、虹彩認証である。ただし、本実施形態は、これらに限られない。
【0106】
<動作>
次に、本実施形態の動作について説明する。以下では、対象が人物であり、認証部位が虹彩であり、認証が虹彩認証である場合について説明する。図9は、本実施形態に係る認証システム12の動作の例を表すフローチャートである。認証システム12は、例えばオペレータの操作によって、図9に示す動作を開始してよい。認証システム12は、例えばオペレータが動作を終了する指示を行うまで、図9に示す動作を繰り返してもよい。
【0107】
図9に示す動作では、追跡部102が、第1撮影装置(例えば広域カメラ200)によって撮影された映像において、人物を追跡する(ステップS301)。虹彩を撮影できる範囲に人物がいない場合(ステップS302においてNO)、認証システム12は、次に、ステップS304の動作を行う。
【0108】
虹彩を撮影できる範囲に人物がいる場合(ステップS302においてYES)、認証部106は、第2撮影装置(例えば認証カメラ300)によって撮影された映像を使用して、候補人物の虹彩認証を行う(ステップS303)。認証システム12は、次に、ステップS304の動作を行う。
【0109】
生成部107は、追跡されている前記人物に対して行われた虹彩認証の記録に基づいて、追跡されている人物と、その人物に対して虹彩認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、第1撮影装置の撮影範囲を表す出力画像を生成する(ステップS304)。生成部107は、第1の実施形態の生成部107と同様の出力画像を生成してよい。
【0110】
出力部108は、生成された出力画像を、例えば、表示装置等に出力する(ステップS305)。そして、認証システム12は、図7に示す動作を終了する。
【0111】
<効果>
本実施形態には、虹彩認証などの生体認証が行われていない人物を容易に把握することができると言う効果がある。その理由は、生成部107が、追跡中の人物を示し、その人物に対して虹彩認証が行われたか否かを示すマークが重畳された、第1撮影装置の撮影範囲を表す出力画像を生成するからである。そして、出力部108が、生成された出力画像を出力するからである。
【0112】
<他の実施形態>
第1の実施形態の認証システム10の認証装置100、第2の実施形態の認証システム11、及び、第3の実施形態の認証システム12は、メモリにロードされたプログラムを実行するプロセッサを含むコンピュータによって実現できる。第1の実施形態の認証システム10の認証装置100、第2の実施形態の認証システム11、及び、第3の実施形態の認証システム12は、例えば回路等の専用のハードウェアによっても実現できる。第1の実施形態の認証システム10の認証装置100、第2の実施形態の認証システム11、及び、第3の実施形態の認証システム12は、上述のコンピュータと専用のハードウェアとの組み合わせによっても実現できる。上述のコンピュータは通信可能に接続された、複数のコンピュータであってもよい。上述の専用のハードウェアは、通信可能に接続された複数の回路であってもよい。
【0113】
図10は、認証システム10の認証装置100、認証システム11、認証システム12を実現できるコンピュータ1000のハードウェア構成の例を表すブロック図である。
【0114】
コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、I/O(Input/Output)インタフェース1004とを含む。また、コンピュータ1000は、記憶媒体1005にアクセスすることができる。メモリ1002と記憶装置1003は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶装置である。記憶媒体1005は、例えば、RAM、ハードディスクなどの記憶装置、ROM(Read Only Memory)、可搬記憶媒体である。記憶装置1003が記憶媒体1005であってもよい。プロセッサ1001は、メモリ1002と、記憶装置1003に対して、データやプログラムの読み出しと書き込みを行うことができる。プロセッサ1001は、I/Oインタフェース1004を介して、例えば、広域カメラ200、認証カメラ300、及び、表示装置400にアクセスすることができる。プロセッサ1001は、記憶媒体1005にアクセスすることができる。記憶媒体1005には、コンピュータ1000を、上述の実施形態に係る認証装置及び認証システムのいずれかとして動作させるプログラムが格納されている。
【0115】
プロセッサ1001は、記憶媒体1005から読み出したプログラムをメモリ1002にロードし、メモリ1002にロードされたプログラムを実行する。それにより、コンピュータ1000は、上述の実施形態に係る認証装置及び認証システムのいずれかとして動作する。
【0116】
具体的には、取得部101、追跡部102、検出部104、判定部105、認証部106、生成部107、出力部108は、例えば、メモリ1002にロードされたプログラムを実行するプロセッサ1001によって実現される。記憶部103は、例えば、メモリ1002や記憶装置1003によって実現される。取得部101、追跡部102、記憶部103、検出部104、判定部105、認証部106、生成部107、出力部108の一部又は全部は、回路等の専用のハードウェアによっても実現できる。
【0117】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0118】
(付記1)
第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡する追跡手段と、
追跡されている前記対象から、生体認証の候補を検出する検出手段と、
追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われたか判定する判定手段と、
前記生体認証の候補に対して生体認証が行われていないと判定された場合、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて、前記生体認証の候補に対する生体認証を行う認証手段と、
を備える認証システム。
【0119】
(付記2)
前記認証手段は、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われたと判定された場合、前記生体認証の候補に対する生体認証を行わない
付記1に記載の認証システム。
【0120】
(付記3)
前記生体認証の候補に対して生体認証が行われていないと判定された場合、前記生体認証の候補の前記認証部位を撮影するように前記第2撮影装置を制御する制御手段
をさらに備える付記1又は2に記載の認証システム。
【0121】
(付記4)
追跡されている前記対象と、当該対象に対して生体認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、前記第1撮影装置の前記撮影範囲を表す出力画像を生成する生成手段と、
生成された前記出力画像を出力する出力手段と、
をさらに備える付記1乃至3のいずれか一項に記載の認証システム。
【0122】
(付記5)
前記生成手段は、前記第1撮影装置によって撮影された映像に、前記マークが重畳することによって、前記出力画像を生成する
付記4に記載の認証システム。
【0123】
(付記6)
前記生成手段は、生体認証が行われた前記対象を示す前記マークとして、当該対象の情報が付加された前記マークを前記出力画像に重畳する、
付記4又は5に記載の認証システム。
【0124】
(付記7)
前記第1撮影装置と、
前記第2撮影装置と、
を含む、付記1乃至6のいずれか一項に記載の認証システム。
【0125】
(付記8)
第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡する追跡手段と、
追跡されている前記対象のうち、生体認証の候補に対する生体認証を、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて行う認証手段と、
追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、追跡されている前記対象と、当該対象に対して生体認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、前記第1撮影装置の前記撮影範囲を表す出力画像を生成する生成手段と、
生成された前記出力画像を出力する出力手段と、
を備える認証システム。
【0126】
(付記9)
前記認証部位は虹彩であり、前記生体認証は虹彩認証である
付記1乃至8のいずれか1項に記載の認証システム。
【0127】
(付記10)
第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡し、
追跡されている前記対象から、生体認証の候補を検出し、
追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われたか判定し、
前記生体認証の候補に対して生体認証が行われていないと判定された場合、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて、前記生体認証の候補に対する生体認証を行う、
認証方法。
【0128】
(付記11)
前記生体認証の候補に対して生体認証が行われたと判定された場合、前記生体認証の候補に対する生体認証を行わない
付記10に記載の認証方法。
【0129】
(付記12)
前記生体認証の候補に対して生体認証が行われていないと判定された場合、前記生体認証の候補の前記認証部位を撮影するように前記第2撮影装置を制御する
付記10又は11に記載の認証方法。
【0130】
(付記13)
追跡されている前記対象と、当該対象に対して生体認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、前記第1撮影装置の前記撮影範囲を表す出力画像を生成し、
生成された前記出力画像を出力する、
付記10乃至12のいずれか一項に記載の認証方法。
【0131】
(付記14)
前記第1撮影装置によって撮影された映像に、前記マークが重畳することによって、前記出力画像を生成する
付記13に記載の認証方法。
【0132】
(付記15)
生体認証が行われた前記対象を示す前記マークとして、当該対象の情報が付加された前記マークを前記出力画像に重畳する、
付記13又は14に記載の認証方法。
【0133】
(付記16)
第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡し、
追跡されている前記対象のうち、生体認証の候補に対する生体認証を、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて行い、
追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、追跡されている前記対象と、当該対象に対して生体認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、前記第1撮影装置の前記撮影範囲を表す出力画像を生成し、
生成された前記出力画像を出力する、
認証方法。
【0134】
(付記17)
前記認証部位は虹彩であり、前記生体認証は虹彩認証である
付記10乃至16のいずれか1項に記載の認証方法。
【0135】
(付記18)
第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡する追跡処理と、
追跡されている前記対象から、生体認証の候補を検出する検出処理と、
追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われたか判定する判定処理と、
前記生体認証の候補に対して生体認証が行われていないと判定された場合、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて、前記生体認証の候補に対する生体認証を行う認証処理と、
をコンピュータに実行させるプログラムを記憶する記憶媒体。
【0136】
(付記19)
前記認証処理は、前記生体認証の候補に対して生体認証が行われたと判定された場合、前記生体認証の候補に対する生体認証を行わない
付記18に記載の記憶媒体。
【0137】
(付記20)
前記生体認証の候補に対して生体認証が行われていないと判定された場合、前記生体認証の候補の前記認証部位を撮影するように前記第2撮影装置を制御する制御処理
をさらにコンピュータに実行させるプログラムを記憶する付記18又は19に記載の記憶媒体。
【0138】
(付記21)
追跡されている前記対象と、当該対象に対して生体認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、前記第1撮影装置の前記撮影範囲を表す出力画像を生成する生成処理と、
生成された前記出力画像を出力する出力処理と、
をさらにコンピュータに実行させるプログラムを記憶する付記18乃至20のいずれか一項に記載の記憶媒体。
【0139】
(付記22)
前記生成処理は、前記第1撮影装置によって撮影された映像に、前記マークが重畳することによって、前記出力画像を生成する
付記21に記載の記憶媒体。
【0140】
(付記23)
前記生成処理は、生体認証が行われた前記対象を示す前記マークとして、当該対象の情報が付加された前記マークを前記出力画像に重畳する、
付記21又は22に記載の記憶媒体。
【0141】
(付記24)
第1撮影装置によって撮影された映像に含まれる対象を追跡する追跡処理と、
追跡されている前記対象のうち、生体認証の候補に対する生体認証を、前記第1撮影装置の撮影範囲の一部が撮影範囲である第2撮影装置によって撮影された前記生体認証の候補の認証部位の映像に基づいて行う認証処理と、
追跡されている前記対象に対して行われた生体認証の記録に基づいて、追跡されている前記対象と、当該対象に対して生体認証が行われたか否かと、を示すマークが重畳された、前記第1撮影装置の前記撮影範囲を表す出力画像を生成する生成処理と、
生成された前記出力画像を出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させるプログラムを記憶する記憶媒体。
【0142】
(付記25)
前記認証部位は虹彩であり、前記生体認証は虹彩認証である
付記18乃至24のいずれか1項に記載の記憶媒体。
【0143】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0144】
10 認証システム
11 認証システム
12 認証システム
100 認証装置
101 取得部
102 追跡部
103 記憶部
104 検出部
105 判定部
106 認証部
107 生成部
108 出力部
109 制御部
200 広域カメラ
300 認証カメラ
400 表示装置
1000 コンピュータ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 記憶装置
1004 I/Oインタフェース
1005 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10