(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177317
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】通信装置、制御装置、及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/15 20180101AFI20221122BHJP
H04W 4/24 20090101ALI20221122BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221122BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20221122BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20221122BHJP
【FI】
H04W76/15
H04W4/24
H04W72/04 111
H04W16/32
H04W24/10
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161321
(22)【出願日】2022-10-06
(62)【分割の表示】P 2020167810の分割
【原出願日】2017-05-02
(31)【優先権主張番号】P 2016105254
(32)【優先日】2016-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】田村 利之
(57)【要約】
【課題】UEが、Dual Connectivityを実行している場合においても、UEが使用しているベアラに応じた課金制御を行うことができる通信システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本開示にかかる通信システムは、通信装置(12)及び通信装置(13)毎に異なる無線ベアラを用いて通信装置(12)及び通信装置(13)と通信するように構成される通信端末(11)と、通信装置(12)に、無線ベアラ毎の通信量を計測させるか否かを判定するように構成される制御装置(14)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末、NR(New Radio)を提供するセカンダリー通信装置、及び制御装置を有する通信システムにおいてE-UTRA(Evolved UTRA (Universal Terrestrial Radio Access))を提供するマスター通信装置として動作する通信装置であって、
前記マスター通信装置として動作する前記通信装置及び前記セカンダリー通信装置に接続されている前記通信端末と無線通信を行う手段と、
前記セカンダリー通信装置の利用データ量に関する情報を保有する手段と、
前記セカンダリー通信装置に関連するRATタイプと、ベアラ情報と、前記利用データ量と、を含むメッセージを前記制御装置へ送信する手段と、を備える、通信装置。
【請求項2】
前記利用データ量は、アップリンクデータを示す第1の情報とダウンリンクデータを示す第2の情報とを含む、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記メッセージは、E-RAB ModificationメッセージもしくはUE Context Release Requestメッセージである、請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記利用データ量に関する情報は、前記制御装置からゲートウェイ装置へ報告される、請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記マスター通信装置は、周期的に前記利用データ量に関する情報を前記制御装置へ報告する、請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
通信端末、NR(New Radio)を提供するセカンダリー通信装置、及び制御装置を有する通信システムにおいてE-UTRA(Evolved UTRA (Universal Terrestrial Radio Access))を提供するマスター通信装置によって実行される通信方法であって、
前記マスター通信装置及び前記セカンダリー通信装置に接続されている前記通信端末と無線通信を行い、
前記セカンダリー通信装置に関連するベアラごとに利用データ量を保持し、
前記セカンダリー通信装置に関連するRATタイプを含む前記利用データ量を含むメッセージを前記制御装置へ送信する、通信方法。
【請求項7】
E-UTRA(Evolved UTRA (Universal Terrestrial Radio Access))を提供するマスター通信装置、NR(New Radio)を提供するセカンダリー通信装置、及び通信端末を有する通信システムにおける制御装置であって、
前記マスター通信装置から、前記セカンダリー通信装置に関連するベアラ情報と、RATタイプと、利用データ量と、を含むメッセージを受信する手段、を備える制御装置。
【請求項8】
前記利用データ量は、アップリンクデータを示す第1の情報とダウンリンクデータを示す第2の情報とを含む、請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記受信したメッセージは、E-RAB ModificationメッセージもしくはUE Context Release Requestメッセージである、請求項7又は8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御装置が前記セカンダリー通信装置に関連する前記利用データ量を受信した場合、前記受信した利用データ量を含むメッセージをゲートウェイ装置へ送信する手段をさらに備える、請求項7から9のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記手段は、前記マスター通信装置から、周期的に前記利用データ量の報告を受信する、請求項7から10のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項12】
E-UTRA(Evolved UTRA (Universal Terrestrial Radio Access))を提供するマスター通信装置、NR(New Radio)を提供するセカンダリー通信装置、及び通信端末を有する通信システムにおける制御装置によって実行される通信方法であって、
前記マスター通信装置から、前記セカンダリー通信装置に関連するベアラ情報と、RATタイプと、利用データ量と、を含むメッセージを受信する、通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は通信システム、制御装置、通信端末、通信装置、及び、通信方法に関し、特に複数の無線ベアラを用いて通信を行う通信システム、制御装置、通信端末、通信装置、及び、通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信システムの標準規格3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、通信端末UE(User Equipment)が広帯域かつ低遅延な通信を実行するための技術として、Dual Connectivityがある。Dual Connectivityとは、例えば、UEがLTE(Long Term Evolution)通信を行う第1基地局MeNB(Master evolved NodeB)及び第2基地局SeNB(Secondary eNB)と共に接続し、UEがMeNBに加えてSeNBとも通信を行う技術である。これにより、通信のスループットを向上することが可能となる。
【0003】
非特許文献1には、Dual Connectivityの手順として、UEが、MeNBと接続している状態において、UEと通信を行うeNBとして新たにSeNBを追加する処理の流れ等が示されている。
【0004】
その一方、移動体通信システムに比べてカバーするエリアは狭いが、高速通信を可能とする無線LAN(Local Area Network)通信において、近年、その利用可能なエリアが拡充されてきている。そのため、UEが、Dual Connectivityの技術を応用して、モバイル通信を行うeNBと、無線LAN通信を行うアクセスポイントAPと共に接続し、UEがeNBに加えてAPとも通信を行うことも検討されている。具体的には、非特許文献2に、その検討の背景、目的等が示されている。
【0005】
ここで、UEに適用される課金レートは、UEが使用している無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)を基準に決定される。例えば、UEが、Dual ConnectivityにおいてMeNB及びSeNBを用いたLTE通信を行っている場合、LTE通信時に定められる課金レートがUEに適用される。非特許文献3には、ポリシー制御及び課金制御を実行するためのPCC(Policy and Charging Control) Architectureの構成が示されている。
【0006】
非特許文献4(TS23.401)には、ゲートウェイ装置PGW(Packet Date Network Gateway)が、課金に関するパラメータとして、UE単位にRAT typeを管理することが示されている。RAT typeは、UEが現在使用しているRATを示すパラメータである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP TS 36.300 V13.3.0 (2016-03) 5.7節,10.1.2.8節
【非特許文献2】3GPP TSG RAN Meeting #67 (2015-03) RP-150510
【非特許文献3】3GPP TS 23.203 V13.7.0 (2016-03) 5節,A.4.2節
【非特許文献4】3GPP TS 23.401 V13.6.1 (2016-03) 5.7.4節
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1の10.1.2.8節に記載されているDual Connectivityを実行する場合、UEは、MeNB及びSeNBに共通な1つのRATを用いて通信を行う。この場合、非特許文献4に記載されているように、PGWは、課金パラメータとしてのRAT typeをUE単位に管理する。つまり、PGWは、UEとMeNBとの間の通信とUEとSeNBとの間の通信で共通のRATを用いているため、それらの通信を区別することができない。そのため、UEとMeNBとの間の通信及びUEとSeNBとの間の通信とに、異なる課金レートを適用することができないという問題がある。一例として、非特許文献1の5.7節に記載されているように、携帯事業者がライセンスされたスペクトラムを用いた通信と携帯事業者がライセンスされていないスペクトラムを用いた通信とでDual Connectivity(Licensed-Assisted Access (LAA))が形成される場合がある。この場合、これらの通信で異なる課金レートが適用される可能性もある。しかしながら、これらの通信が、同一のRAT typeを用いたDual Connnectivityである場合、それらの通信を区別することができないため、異なる課金レートを適用することができないという課題がある。
【0009】
さらに、非特許文献2に記載されるように、UEが、Dual Connectivityを実行する際に、モバイル通信を行うeNBと、無線LAN通信を行うアクセスポイントAPと通信を行う場合がある。この場合、UEは、同時に2種類のRATを用いて通信を行う。そのため、非特許文献4のようにPGWが、RAT typeをUE単位に管理する場合、PGWが、管理するRAT typeと、UEが実際に使用しているRATとが異なる可能性がある。その結果、UEが2種類以上のRATを用いて通信を行う場合は、実際の通信に応じた適正な課金制御を行う(課金レートを適用する)ことができないという問題がある。
【0010】
本開示の目的は、通信端末が通信に使用する無線ベアラに関する各種処理を行うことができる通信システム、制御装置、通信端末、通信装置、及び、通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の第1の態様にかかる通信システムは、複数の通信装置毎に異なる無線ベアラを用いて前記複数の通信装置と通信するように構成される通信端末と、前記通信装置に、無線ベアラ毎の通信量を計測させるか否かを判定するように構成される制御装置と、を備えるものである。
【0012】
本開示の第2の態様にかかる制御装置は、通信端末が複数の通信装置毎に異なる無線ベアラを用いて前記複数の通信装置と通信する場合に、前記複数の通信装置のうち少なくとも1つの通信装置に、無線ベアラ毎の通信量を計測させるか否かを判定する制御部を備えるものである。
【0013】
本開示の第3の態様にかかる通信端末は、複数の通信装置毎に異なる無線ベアラを用いて前記複数の通信することができるか否かを示すサポート情報を制御装置へ送信する送信部と、前記サポート情報、及び、自装置が複数の無線ベアラを用いて複数の通信装置と通信することが許可されているか否かを示す通信許可情報に基づいて、自装置が複数の無線ベアラを用いて複数の通信装置と通信するか否かが判定された判定結果を前記制御装置から受信する受信部と、前記判定結果に、複数の無線ベアラを用いて複数の通信装置と通信することを指示する情報が含まれる場合、複数の通信装置と複数の無線ベアラを設定する処理を実行する制御部と、を備えるものである。
【0014】
本開示の第4の態様にかかる通信方法は、通信端末が複数の通信装置毎に異なる無線ベアラを用いて前記複数の通信装置と通信する場合に、前記複数の通信装置のうち少なくとも1つの通信装置に、無線ベアラ毎の通信量を計測させるか否かを判定し、判定結果を前記通信装置へ送信するものである。
【発明の効果】
【0015】
本開示により、通信端末が通信に使用する無線ベアラに関する各種処理を行うことができる通信システム、制御装置、通信端末、通信装置、及び、通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態1にかかる通信システムの構成図である。
【
図2】実施の形態2にかかる通信システムの構成図である。
【
図4】実施の形態2にかかるMMEの構成図である。
【
図5】実施の形態2にかかるMeNBの構成図である。
【
図6】実施の形態2にかかるMeNB及びSeNBにおけるプロトコルスタックを示す図である。
【
図7】実施の形態2にかかるS1セットアップ処理の流れを示す図である。
【
図8】実施の形態2にかかるX2セットアップ処理の流れを示す図である。
【
図9】実施の形態2にかかるAttach処理の流れを示す図である。
【
図10】実施の形態2にかかるAttach処理の流れを示す図である。
【
図11】実施の形態2にかかるAccess Restriction Dataを示す図である。
【
図12】実施の形態2にかかるMeNBが、UEに関する無線ベアラ毎にカウントしたパケット量を報告する処理の流れを示す図である。
【
図13】実施の形態3にかかる複数PDN Connectivity確立処理の流れを示す図である。
【
図14】実施の形態3にかかる複数PDN Connectivity確立処理の流れを示す図である。
【
図15】実施の形態4にかかるE-UTRAN initiated E-RAB modification procedureを示す図である。
【
図16】実施の形態5にかかるS1 release procedureを示す図である。
【
図17】実施の形態5にかかるPDN GW initiated bearer deactivation procedureを示す図である。
【
図18】実施の形態5にかかるMME initiated bearer deactivation procedureを示す図である。
【
図19】実施の形態6にかかるX2 HO procedureを示す図である。
【
図20】実施の形態6にかかるX2 HO procedureを示す図である。
【
図21】実施の形態6にかかるX2 HO procedureを示す図である。
【
図22】実施の形態6にかかるS1 HO procedureを示す図である。
【
図23】実施の形態6にかかるS1 HO procedureを示す図である。
【
図24】実施の形態6にかかるS1 HO procedureを示す図である。
【
図25】実施の形態6にかかるS1 HO procedureを示す図である。
【
図26】実施の形態6にかかるS1 HO procedureを示す図である。
【
図27】それぞれの実施の形態におけるMeNBの構成図である。
【
図28】それぞれの実施の形態におけるUEの構成図である。
【
図29】それぞれの実施の形態におけるMMEの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。
図1を用いて本開示の実施の形態1にかかる通信システムの構成例について説明する。
図1の通信システムは、通信端末11、通信装置12、通信装置13、及び、制御装置14を有している。通信端末11、通信装置12、通信装置13、及び、制御装置14は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。
【0018】
通信端末11は、複数の通信装置毎に異なる無線ベアラを用いて複数の通信装置と通信するように構成される。通信端末11は、携帯電話端末、スマートフォン端末、タブレット型端末等であってもよい。また、通信端末11は、M2M(Machine to Machine)端末もしくはMTC(Machine Type Communication)端末等であってもよい。無線ベアラは、例えば、通信端末11と通信装置12との間、さらに、通信端末11と通信装置13との間におけるデータ通信経路である。通信端末11は、例えば、
図1に示すように、通信装置12及び通信装置13との間において、無線ベアラを設定してもよい。
図1の点線は、通信端末11と、通信装置12及び通信装置13との間に設定される無線ベアラ121、131を示している。
【0019】
通信装置12及び通信装置13は、例えば、モバイル通信において用いられる基地局であってもよい。もしくは、通信装置12及び通信装置13は、無線LAN通信において用いられるAP(Access Point)またはWT(Wireless LAN Termination)であってもよい。また、通信装置12が基地局であり、通信装置13がAPまたはWT(以下、WTで代表する)であってもよい。
【0020】
通信端末11は、1つのRATを用いて複数の無線ベアラを設定してもよい。例えば、通信端末11は、RATとしてLTEを用いて複数の無線ベアラを設定してもよい。もしくは、通信端末11は、複数のRATを用いて複数の無線ベアラを設定してもよい。例えば、通信端末11は、LTE及び3GPPにおいていわゆる3Gと規定されているRATを用いて複数の無線ベアラを設定してもよい。また、例えば、通信端末11は、3GPPにおいて規定されている無線通信方式と、無線LANとを用いて複数の無線ベアラを設定してもよい。
【0021】
制御装置14は、通信装置12に、無線ベアラ毎の通信量を計測させるか否かを判定するように構成される。制御装置14は、例えば、無線ベアラ毎の通信量の計測を指示する指示信号を通信装置12へ送信する。通信端末11が2以上の通信装置と通信する場合、制御装置14は、通信端末11が通信する2以上の通信装置へ指示信号を送信してもよい。もしくは、制御装置14は、2以上の通信装置のうち代表となる通信装置12へ指示信号を送信してもよい。代表となる通信装置12は、通信端末11と自装置12との間の無線ベアラ121の通信量を計測すると共に、通信装置11と他の通信装置13との間の無線ベアラ131の通信量を、自装置12で計測してもよいし、他の通信装置13から収集してもよい。具体的には、通信端末11と通信装置13との通信が通信装置12で集約される場合(Aggregationの場合)は、通信装置12が、無線ベアラ131の通信量も計測する。なお、その場合であっても、通信装置12は、通信装置13で計測された無線ベアラ131の通信量を通信装置13から収集してもよい。一方、通信端末11と通信装置13との通信が通信装置12で集約されない場合は、通信装置12は、通信装置13で計測された無線ベアラ131の通信量を通信装置13から収集する。
【0022】
以上説明したように、
図1の通信システムにおいては、制御装置14は、通信装置12に対して、無線ベアラ毎の通信量を計測させるか否かを判定する。さらに、通信装置12は、制御装置14において判定された結果に応じて、無線ベアラ毎の通信量を計測または収集する。これにより、例えば、通信事業者が通信端末11の通信量に応じた課金を行う場合、無線ベアラ毎の通信量に応じた課金を行うことができる。
【0023】
例えば、通信装置12が無線ベアラ毎の通信量を計測することによって、通信事業者は、無線ベアラ毎に異なるパケット単価を設定し、無線ベアラ毎に課金を行うことができる。
【0024】
(実施の形態2)
続いて、
図2を用いて本開示の実施の形態2にかかる通信システムの構成例について説明する。
図2の通信システムは、3GPPにおいて規定されている通信システムの構成図を示している。
図2の通信システムは、UE20、MeNB21、SeNB22、MME(Mobility Management Entity)23、HSS(Home Subscriber Server)24、SGW(Serving Gateway)25、PGW26、PCRF(Policy and Charging Rule Function)エンティティ27(以下、PCRF27とする)、AF(Application Function)エンティティ28(以下、AF28とする)、OFCS29(Offline Charging System)、及び、OCS(Online Charging System)30を有している。
【0025】
UE20は、
図1の通信端末11に相当する。UE20は、3GPPにおいて通信端末の総称として用いられる。MeNB21は、
図1の通信装置12に相当する。SeNB22は、
図1の通信装置13に相当する。MeNB21及びSeNB22は、UE20がDual Connectivityを行う際に用いられる基地局である。MME23は、
図1の制御装置14に相当する。MME23は、主に、UE20の移動管理、ベアラの設定要求、ベアラの設定指示、ベアラの削除要求、もしくは、ベアラの削除指示を行う装置である。
【0026】
SGW25は無線アクセスシステムと接続され、ユーザデータを無線アクセスシステムとPGW26の間で転送を行う装置である。PGW26は、外部ネットワーク(PDN:Packet Data Networkなど)への接続を行う。PCRF27は、MeNB21、SeNB22及びPGW26におけるQoS(Quality of Service)制御もしくは課金制御等のポリシー(課金体系)を決定する。
【0027】
AF28は、アプリケーションを提供する装置であり、UE20に対して提供するアプリケーションサービスに関する制御を行う。OCS30及びOFCS29は、UE20の課金契約に応じて課金制御等を行う。例えば、プリペイドサービスなどの課金契約の場合、常時通信量をモニタする能力を持つOCS30が課金処理を行う。一方、月極めの課金契約などの場合はOFCS29が課金処理を行う。
【0028】
続いて、
図3を用いて本開示の実施の形態2にかかるUE20の構成例について説明する。UE20は、送受信部41、送受信部42、及び、制御部(Controller)43を有する。送受信部41、送受信部42、及び、制御部43等のUE20を構成する構成要素は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるモジュールもしくはソフトウェアであってもよい。または、UE20を構成する構成要素は、チップもしくは回路等のハードウェアであってもよい。送受信部41及び送受信部42は、送信部(Transmitter)及び受信部(Receiver)とされてもよい。
【0029】
送受信部41は、MeNB21と通信を行う。送受信部41は、例えば、3GPPにおいて無線通信方式として定められているLTEを用いてMeNB21と無線通信を行ってもよい。送受信部42は、SeNB22と通信を行う。送受信部42も、LTEを用いてSeNB22と無線通信を行ってもよい。また、送受信部42は、LTEとは異なる無線通信方式を用いて、SeNB22と異なる通信装置と通信を行ってもよい。例えば、送受信部42は、無線LAN通信を用いて、WTと通信を行ってもよい。この場合、WTは、MeNB21と通信を行うことができる通信装置であるとする。つまり、送受信部42は、SeNB22またはWTを介してMeNB21と通信を行う。
【0030】
制御部43は、Dual Connectivityを用いる場合に、送信データを送受信部41及び送受信部42へ振り分ける制御を実行する。制御部43は、さらに、送信データの変調処理等を実行してもよい。また、制御部43は、送受信部41及び送受信部42から出力された受信データに関する復号処理を実行してもよい。
【0031】
続いて、
図4を用いて本開示の実施の形態2にかかるMME23の構成例について説明する。MME23は、基地局通信部51、SGW通信部52、HSS通信部53、及び、制御部54を有している。これらのMME23を構成する構成要素は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるモジュールもしくはソフトウェアであってもよい。または、これらのMME23を構成する構成要素は、チップもしくは回路等のハードウェアであってもよい。なお、通信部とは、送信部(Transmitter)及び受信部(Receiver)であってもよい。
【0032】
基地局通信部51は、MeNB21との間において制御信号の送受信を行う。基地局通信部51とMeNB21との間のリファレンスポイントは、S1-MMEと規定されている。また、基地局通信部51は、MeNB21を介してUE20との間においてNAS(Non Access Stratum)メッセージの送受信を行う。NASメッセージは、MeNB21において透過され、基地局通信部51とUE20との間において伝送される。
【0033】
SGW通信部52は、SGW25との間において制御信号の送受信を行う。SGW通信部52とSGW25との間のリファレンスポイントは、S11と規定されている。SGW通信部52は、SGW25を介してPGW26から送信された課金に関する情報等を受信する。
【0034】
HSS通信部53は、HSS24との間において制御信号の送受信を行う。HSS通信部53とHSS24との間のリファレンスポイントは、S6aと規定されている。HSS通信部53は、HSS24からUE20に関する加入者情報を受信する。加入者情報には、例えば、UE20がDual Connectivityを実施もしくは構成してよいか否かに関する情報が含まれる。
【0035】
制御部54は、MeNB21及びHSS24から送信された情報を用いて、MeNB21にDual Connectivityを実施させるか否かを判定する。さらに、制御部54は、MeNB21においてDual Connectivityを実施させる際に、MeNB21に対して、無線ベアラ毎の通信量を計測させるか否かを判定する。制御部54は、基地局通信部51を介して、判定結果を示す指示メッセージをMeNB21へ送信する。指示メッセージは、例えば、MeNB21に対してDual Connectivityの実施を指示するメッセージであってもよい。さらに、指示メッセージは、MeNB21に対して、Dual Connectivityを実施する際に、ベアラ毎の通信量を計測することを指示するメッセージであってもよい。また、制御部54は、SGW通信部52及びSGW25を介して、指示メッセージをPGW26へ送信してもよい。この指示メッセージにより、PGW26に、Dual Connectivityが実施されることと、MeNB21にて無線ベアラ毎の通信量が計測または収集されて、その通信量に関する課金情報を受け取ることとが知らされる。それにより、PGW26は、それ以降、自装置では通信量を計測しなくてよいことが分かる。また、PGW26は、その受け取った課金情報に基づいて課金処理を行うための準備が行える。
【0036】
続いて、
図5を用いて本開示の実施の形態2にかかるMeNB21の構成例について説明する。MeNB21は、UE通信部61、基地局通信部62、C-Plane通信部63、U-Plane通信部64、制御部65、及び、データ計測部66を有している。UE通信部61、基地局通信部62、C-Plane通信部63、U-Plane通信部64、制御部65、及び、データ計測部66等のMeNB21を構成する構成要素は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるモジュールもしくはソフトウェアであってもよい。または、MeNB21を構成する構成要素は、チップもしくは回路等のハードウェアであってもよい。なお、通信部とは、送信部(Transmitter)及び受信部(Receiver)であってもよい。
【0037】
UE通信部61は、UE20との間においてデータの送受信を行う。UE通信部61とUE20との間のリファレンスポイントは、LTE-Uuと規定されている。基地局通信部62は、SeNB22との間においてデータの送受信を行う。基地局通信部62とSeNB22との間のリファレンスポイントは、X2と規定されている。
【0038】
C-Plane通信部63は、MME23との間においてC(Control)-Planeデータの送受信を行う。C-Planeデータは、制御信号と言い換えられてもよい。U-Plane通信部64は、SGW25との間においてU(User)-Planeデータの送受信を行う。U-Planeデータは、ユーザデータと言い換えられてもよい。
【0039】
制御部65は、C-Plane通信部63を介してMME23へ、Dual Connectivityに関する情報を送信する。Dual Connectivityに関する情報は、例えば、MeNB21がDual Connectivityを実施することができるか否かを示す情報であってもよい。また、Dual Connectivityに関する情報は、MeNB21とともにDual Connectivityを実施するSeNBに関する情報であってもよい。
【0040】
また、制御部65は、MME23からDual Connectivityの実施を指示された場合、基地局通信部62を介してSeNB22を追加する制御を実施する。また、制御部65は、MME23から無線ベアラ毎の通信量の計測を指示された場合、データ計測部66へ、無線ベアラ毎の通信量の計測を指示するメッセージを出力する。また、制御部65は、C-Plane通信部63を介して、MME23へデータ計測部66における計測結果を送信する。
【0041】
データ計測部66は、無線ベアラ毎の通信量の計測を指示された場合、UE20とMeNB21との間の通信量を計測する。データ計測部66は、UE20との間において複数の無線ベアラが設定されている場合、無線ベアラ毎に通信量を計測する。さらに、データ計測部66は、UE20とSeNB22との間の無線ベアラ毎の通信量に関する情報をSeNB22から基地局通信部62を介して取得する。
【0042】
ここで、
図6を用いてMeNB21及びSeNB22におけるプロトコルスタックについて説明する。MeNB21及びSeNB22は、MAC(Medium Access Control)レイヤ、RLC(Radio Link Control)レイヤ、及び、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤによって構成される。UE20のPDCPレイヤと、MeNB21もしくはSeNB22のPDCPレイヤとの間において無線ベアラが設定される。
【0043】
ここで、MeNB21及びSeNB22において実施されるDual Connectivityの構成について説明する。MeNB21及びSeNB22において実施されるDual Connectivityとして、MCG(Master Cell Group) Bearer及びSCG(Secondary Cell Group) Bearerを用いる構成と、Split Bearerを用いる構成とがある。
【0044】
MCG Bearerは、MeNB21とSGW25との間において設定される通信ベアラである。MCG Bearerは、UE20とMeNB21との間において設定される無線ベアラと1対1に対応する。SCG Bearerは、SeNB22とSGW25との間、もしくは、SeNB22と他のSGWとの間において設定される通信ベアラである。他のSGWとは、SGW25とは異なるSGWである。MCG Bearer及びSCG Bearerを用いてDual Connectivityを行う場合、SCG Bearerは、UE20とSeNB22との間において設定される無線ベアラと1対1に対応する。
【0045】
Split Bearerは、MeNB21とSGW25との間において設定される通信ベアラである。Split Bearerは、UE20とMeNB21との間において直接設定される無線ベアラに対応付けられる。さらに、Split Bearerは、UE20とSeNB22を介してMeNB21との間において設定される無線ベアラに対応付けられる。言い換えると、MeNB21は、UE20とMeNB21との間に直接設定された無線ベアラを介して送信されたデータと、UE20とSeNB22を介してMeNB21との間に設定された無線ベアラを介して送信されたデータとを、Split Bearerを介してSGW25へ送信する。MeNB21は、UE20からSeNB22へ送信されたデータを、MeNB21とSeNB22との間のリファレンスポイントであるX2を介して受信する。Split Bearerを用いた通信を、アグリゲーション通信と称してもよい。
【0046】
続いて、
図7を用いて、MeNB21及びMME23との間におけるS1セットアップ処理の流れについて説明する。はじめに、MeNB21が起動される(S11)。例えば、MeNB21は、電源が投入されることによって起動される。
【0047】
次に、MeNB21は、MME23へS1 SETUP REQUESTメッセージを送信する(S12)。S1 SETUP REQUESTメッセージは、パラメータとして、DC Support、DC combination、DC Traffic count support indicationを含む。
【0048】
DC Supportは、MeNB21がDual Connectivityを構成することが可能か否かを示す情報である。DC combinationは、MeNB21がどの装置もしくはどのRATとDual Connectivityを構成するかを示す情報である。例えば、MeNB21は、SeNB22とDual Connectivityを構成してもよい。もしくは、MeNB21は、無線LAN通信を行うWTとDual Connectivityを構成してもよい。もしくは、MeNB21は、3GPPにおいて3Gとして規定されている無線通信方式を用いた通信を行う基地局とDual Connectivityを構成してもよい。もしくは、MeNB21は、3GPPにおいて今後5Gとして規定される可能性がある無線通信方式を用いた通信を行う基地局とDual Connectivityを構成してもよい。5Gとして規定される無線通信方式は、LTEよりも広い帯域幅を用いた高速通信及びLTEよりも短い通信遅延等を実現する方式であってもよい。
【0049】
DC Traffic count support indicationは、MeNB21が無線ベアラ毎に通信量を計測する機能をサポートするか否かを示す情報である。通信量は、例えば、パケット量(パケット数やデータボリュームなども含む。以下、これらをパケット量で代表する。)であってもよい。無線ベアラ毎に通信量を計測するとは、MeNB21がSplit Bearerを用いてDual Connectivityを構成する場合、MeNB21とUE20とが直接送受信するデータの通信量と、MeNB21がSeNB22を介してUE20と送受信するデータの通信量とを区別して計測することである。また、MeNB21がMCG Bearer及びSCG Bearerを用いてDual Connectivityを構成する場合、無線ベアラ毎に通信量を計測するとは、MeNB21がUE20と送受信するデータの通信量と、SeNB22がUE20と送受信するデータの通信量とを区別して計測することである。
【0050】
次に、MME23は、MeNB21へS1 SETUP RESPONSEメッセージを送信する(S13)。S1 SETUP RESPONSEメッセージは、パラメータとして、DC Traffic count support indicationを含む。S1 SETUP RESPONSEメッセージに含まれるDC Traffic count support indicationは、MME23が、MeNB21における無線ベアラ毎のパケット量のカウントに対応できるか否かを示す情報である。例えば、DC Traffic count support indicationは、MME23が、MeNB21から受信した無線ベアラ毎のパケット量に関する情報を、SGW25を介してPGW26へ課金情報として送信することができるか否かを示す情報であってもよい。
【0051】
ステップS12及びS13における処理を実行することによって、MeNB21及びMME23は、Dual Connectivityに関する情報を交換することができる。言い換えると、ステップS12及びS13における処理を実行することによって、MeNB21及びMME23は、Dual Connectivityに関する情報をネゴシエーションすることができる。
【0052】
続いて、
図8を用いてMeNB21及びSeNB22との間におけるX2セットアップ処理の流れについて説明する。X2セットアップ処理は、MeNB21が起動された後に実行される処理である。はじめに、MeNB21は、X2 SETUP REQUESTメッセージをSeNB22へ送信する(S21)。X2 SETUP REQUESTメッセージは、
図7のS1 SETUP REQUESTメッセージに含まれるパラメータと同様のパラメータを含む。
【0053】
次に、SeNB22は、X2 SETUP RESPONSEメッセージをMeNB21へ送信する(S22)。X2 SETUP RESPONSEメッセージは、パラメータとして、DC Support、DC combination、DC Traffic count support indicationを含む。X2 SETUP RESPONSEメッセージに含まれるDC Traffic count support indicationは、SeNB22が無線ベアラ毎にパケット量をカウントする機能をサポートするか否かを示す情報である。
【0054】
例えば、MeNB21及びSeNB22がDual Connectivityを構成する場合であって、さらに、SeNB22が、無線ベアラ毎にパケット量をカウントする機能をサポートしている場合について説明する。この場合、SeNB22は、SCG Bearerに対応付けられている無線ベアラにおいて送受信されたパケット量をMeNB21へ送信する。
【0055】
ステップS21及びS22における処理を実行することによって、MeNB21及びSeNB22は、Dual Connectivityに関する情報を交換することができる。言い換えると、ステップS21及びS22における処理を実行することによって、MeNB21及びSeNB22は、Dual Connectivityに関する情報をネゴシエーションすることができる。
【0056】
また、
図8においては、MeNB21がSeNB22へX2 SETUP REQUESTメッセージを送信する例について説明したが、SeNB22が、MeNB21へ、X2 SETUP REQUESTメッセージを送信してもよい。
【0057】
続いて、
図9及び
図10を用いてUE20に関するAttach処理の流れについて説明する。Attach処理は、UE20がコアネットワークを介してデータを送受信するために行われる処理である。
【0058】
はじめに、UE20は、MeNB21を介してMME23へAttach requestメッセージを送信する(S31)。Attach requestメッセージは、パラメータとしてDC Support、DC combinationを含む。Attach requestメッセージ含まれるDC Supportは、UE20がDual Connectivityを構成することが可能か否かを示す情報である。つまり、Attach requestメッセージ含まれるDC Supportは、UE20が、複数の無線ベアラを同時に使用して通信することができるか否かを示す情報である。また、Attach requestメッセージに含まれるDC combinationは、UE20が、どのRATを組合わせてDual Connectivityを構成することができるかを示す情報である。UE20は、同じRATを組合わせてDual Connectivityを構成してもよく、異なるRATを組合わせてDual Connectivityを構成してもよい。
【0059】
次に、MME23は、HSS24へUpdate Location requestメッセージを送信する(S32)。次に、HSS24は、MME23へUpdate Location Ackメッセージを送信する(S33)。Update Location Ackメッセージは、パラメータとしてAccess Restriction Data、DC not allowdを含む。Access Restriction Data、DC not allowdは、UE20の加入者情報としてHSS24において管理されている。
【0060】
DC not allowedは、UE20がDual Connectivityを構成することが許可されているかを示す情報である。例えば、DC not allowed情報は、フラグ情報として用いられてもよい。具体的には、DC not allowedに「1」が設定されている場合、UE20がDual Connectivityを構成することが許可されていることを示し、「0」が設定されている場合、UE20がDual Connectivityを構成することが許可されていないことを示してもよい。
【0061】
Access Restriction Dataは、UE20が使用することができないRATを示す情報である。ここで、
図11を用いてAccess Restriction Dataについて説明する。
図11は、Access Restriction Dataに設定されるビット位置と、使用が制限されるRATとが対応付けられていることを示している。例えば、Access Restriction Dataの0ビット目に1が設定された場合、UEは、UTRANを使用することができない。また、Access Restriction Dataの7ビット目に1が設定された場合、UEは、5Gとして規定された無線通信方式を使用することができない。
【0062】
図9に戻り、次に、MME23は、MeNB21及びUE20から送信されたDC Support、MeNB21から送信されたDC Traffic count support indicationに基づいて、MeNB21に無線ベアラ毎のパケット量をカウントさせるか否かを判定する(S34)。例えば、MME23は、MeNB21及びUE20が、Dual Connectivityを構成することが可能であり、さらに、MeNB21が無線ベアラ毎のパケット量をカウントする機能をサポートしている場合に、MeNB21に無線ベアラ毎のパケット量をカウントさせると判定する。例えば、MME23は、MeNB21及びUE20のいずれか一方がDual Connectivityを構成することができない場合、もしくは、MeNB21が無線ベアラ毎のパケット量をカウントする機能をサポートしていない場合、MeNB21に無線ベアラ毎のパケット量をカウントさせないと判定する。
【0063】
また、ステップS34において、MME23は、HSS24から送信されたDC not allowedにおいて、UE20がDual Connectivityを構成することが許可されていないことが示されている場合、MeNB21に無線ベアラ毎のパケット量をカウントさせないと判定してもよい。さらに、ステップS34において、MME23は、UE20及びMeNB21から送信されたDC combinationに示されているRATが、HSS24から送信されたAccess Restriction Dataにおいて使用が制限されていることが示されている場合、MeNB21に無線ベアラ毎のパケット量をカウントさせないと判定してもよい。
【0064】
次に、MME23は、SGW25へCreate Session Requestメッセージを送信する(S35)。MME23は、ステップS34における判定結果を示すDC Traffic count support indicationをCreate Session Requestメッセージに設定する。もしくは、MME23は、ステップS34においてMeNB21に無線ベアラ毎のパケット量をカウントさせないと判定した場合、Create Session Requestメッセージに、DC Traffic count support indicationを設定しなくてもよい。
【0065】
次に、SGW25は、ステップS35において受信したCreate Session RequestメッセージをPGW26へ送信する(S36)。次に、PGW26は、PCRF27との間において、UE20の通信品質に関するQoS交渉を行う(S37)。
【0066】
次に、PGW26は、SGW25へCreate Session Responseメッセージを送信する(S38)。Create Session Responseメッセージは、パラメータとしてDC Traffic count support indication、count rule、DC not allowedを含む。Create Session Responseメッセージに含まれるDC Traffic count support indicationは、PGW26が、MeNB21から送信された無線ベアラ毎のパケット量に関する情報を課金情報としてOFCS29及びOCS30へ出力することができるか否かを示す情報である。
【0067】
Create Session Responseメッセージに含まれるDC not allowedは、UE20がDual Connectivityを構成することを許可するか否かを示す情報である。例えば、PGW26は、UE20が接続するAPN(Access Point Name)に応じて、Dual Connectivityを構成することを許可するか否かを設定してもよい。言い換えると、UE20が接続するAPN毎に、Dual Connectivityを構成することを許可するか否かが予め定められていてもよい。Create Session Responseメッセージに含まれるcount ruleは、MeNB21が無線ベアラ毎のパケット量をカウントする際の詳細な条件を示す情報である。例えば、count ruleには、カウントする対象となるRATのRAT type、カウントする対象となるトラヒックのTraffic type、及び、カウントする期間を示すReport periodのうち少なくとも1つが含まれていてもよい。
【0068】
RAT typeとして例えば、LTEが指定された場合について説明する。この場合、MeNB21は、LTE及び無線LAN通信を用いてDual Connectivityを構成している場合、LTEにおいて送受信されたパケットの数のみをカウントする。一方、MeNB21は、LTE通信を行うSeNB22とDual Connectivityを構成する場合、無線ベアラ毎に送受信された全てのパケット量をカウントする。
【0069】
Traffic typeは、例えば、Downlinkユーザデータのみをカウントする、Uplinkユーザデータのみをカウントする、もしくは、Downlinkユーザデータ及びUplinkユーザデータの両方をカウントする、等を示す。Report periodは、例えば、毎時などの周期を指定されても良いし、パケット量をカウントする開始時刻と終了時刻とが示されていてもよい。
【0070】
次に、SGW25は、ステップS38において受信したCreate Session ResponseメッセージをMME23へ送信する(S39)。MME23は、HSS24から送信されたAccess Restriction Data及びDC not allowed、さらに、PGW26から受信したDC not allowedを用いて、UE20、MeNB21、及び、SeNB22においてDual Connectivityを活性とするか否か、つまり、Dual Connectivityを構成させるか否かを判定する(S40)。例えば、MME23は、HSS24から送信されたAccess Restriction Data及びDC not allowed、並びに、PGW26から送信されたDC not allowedのいずれかにおいてUE20がDual Connectivityを構成することを許可しないことが示されている場合、UE20、MeNB21、及び、SeNB22におけるDual Connectivityを不活性とすると判定してもよい。
【0071】
図10に移り、MME23は、MeNB21へ、ATTACH Acceptメッセージを含むInitial Context Setupメッセージを送信する(S41)。ATTACH Acceptメッセージは、MeNB21において透過され、UE20へ送信される。
【0072】
ATTACH Acceptメッセージは、パラメータとしてDC not allowedを含む。ATTACH Acceptメッセージに含まれるDC not allowedは、UE20がDual Connectivityを構成することを許可するか否かを示す情報である。Initial Context Setupメッセージは、ATTACH Acceptメッセージの他に、パラメータとしてDC Traffic count support indication、count rule、DC not allowedを含む。Initial Context Setupメッセージに含まれるDC not allowedは、MeNB21がDual Connectivityを構成することを許可するか否かを示す情報である。MME23は、DC not allowedにおいてMeNB21がDual Connectivityを構成することを許可することを示す場合、DC Traffic count support indicationによって、MeNB21に対して、無線ベアラ毎にパケット量をカウントするか否かを指示する。
【0073】
次に、MeNB21は、ステップS41において受信したInitial Context Setupメッセージにおいて、Dual Connectivityを構成することを許可することが示され、無線ベアラ毎にパケット量をカウントすることを指示された場合、count ruleに従って、パケット量のカウントを開始する(S42)。さらに、MeNB21は、SeNB22においてカウントされたパケット量を、SeNB22から受信してもよい。
【0074】
次に、MeNB21は、UE20へ、ATTACH Acceptメッセージを含むRRC Connection Reconfigurationメッセージを送信する(S43)。RRC Connection Reconfigurationメッセージに含まれるATTACH Acceptメッセージは、Initial Context Setupメッセージに含まれるATTACH Acceptメッセージと同様である。RRC Connection Reconfigurationメッセージは、ATTACH Acceptメッセージの他に、パラメータとして、DC not allowedを含む。
【0075】
次に、UE20は、MeNB21へ、RRC Connection Reconfiguration completeメッセージを送信する(S44)。次に、MeNB21は、MME23へ、Initial Context Setup Responseメッセージを送信する(S45)。Initial Context Setup Responseメッセージは、パラメータとしてDC Charging activatedを含む。DC Charging activatedは、MeNB21において、無線ベアラ毎にパケット量をカウントする動作を開始したことを通知するために用いられる。
【0076】
次に、MME23は、SGW25へModify Bearer Requestメッセージを送信する(S46)。Modify Bearer Requestメッセージは、ステップS45において取得したDC Charging activatedを含む。次に、SGW25は、PGW26へModify Bearer Requestメッセージを送信する(S47)。Modify Bearer Requestメッセージは、ステップS46において取得したDC Charging activatedを含む。
【0077】
PGW26は、DC Charging activatedを取得する前においては、UE毎に送受信されたパケット量をカウントしている。PGW26は、DC Charging activatedを取得した後においては、MeNB21において無線ベアラ毎のパケット量がカウントされていることを認識するため、UE毎に送受信されたパケット量のカウントを停止してもよい。もしくは、PGW26は、DC Charging activatedを取得した後であっても、UE毎に送受信されたパケット量のカウントを継続してもよい。
【0078】
次に、PGW26は、SGW25へ、Modify Bearer Responseメッセージを送信する(S48)。次に、SGW25は、MME23へ、Modify Bearer Responseメッセージを送信する(S49)。
【0079】
続いて、
図12を用いて、MeNB21が、UE20に関する無線ベアラ毎にカウントしたパケット量を報告する処理の流れについて説明する。はじめに、MeNB21は、count ruleに従い、SeNB22においてカウントされたパケット量に関する情報を収集するために、Traffic count report requestメッセージをSeNB22へ送信する(S51)。例えば、MeNB21は、count ruleにおいて定められたカウント期間が満了した場合に、Traffic count report requestメッセージをSeNB22へ送信してもよい。もしくは、MeNB21は、任意のタイミングに、Traffic count report requestメッセージをSeNB22へ送信してもよい。
【0080】
次に、SeNB22は、MeNB21へTraffic count reportメッセージを送信する(S52)。Traffic count reportメッセージは、パラメータとしてTraffic dataを含む。Traffic dataは、SeNB22において無線ベアラ毎にカウントされたパケット量に関する情報である。具体的には、Traffic dataは、カウントしたRATを示すRAT type、カウントしたパケット量を示すMeasured traffic、カウントした期間を示すMeasured periodを含んでもよい。
【0081】
Measured trafficは、Downlinkユーザデータにおけるパケット量と、Uplinkユーザデータにおけるパケット量とを区別して示してもよい。また、Measured periodは、例えば、カウントを開始した時間とカウントを終了した時間とを示してもよい。
【0082】
次に、MeNB21は、MME23へE-RAB MODIFICATION INDICATIONメッセージを送信する(S53)。E-RAB MODIFICATION INDICATIONメッセージは、MeNB21が、SeNB22から収集したTraffic dataとともに、MeNB21においてカウントしたパケット量に関する情報であるTraffic dataを含む。
【0083】
次に、MME23は、SGW25へ、Modify Bearer Requestメッセージを送信する(S54)。Modify Bearer Requestメッセージは、E-RAB MODIFICATION INDICATIONに含まれるTraffic dataと同様のTraffic dataを含む。次に、SGW25は、PGW26へ、Modify Bearer Requestメッセージを送信する(S55)。ステップS55におけるModify Bearer Requestメッセージに含まれるTraffic dataは、ステップS54におけるModify Bearer Requestメッセージに含まれるTraffic dataと同様である。
【0084】
次に、PGW26は、SGW25へModify Bearer Responseメッセージを送信する(S56)。次に、SGW25は、MME23へModify Bearer Responseメッセージを送信する(S57)。次に、MME23は、MeNB21へ、E-RAB MODIFICATION CONFIRMメッセージを送信する(S58)。
【0085】
PGW26は、ステップS55において、Dual Connectivityを構成するMeNB21及びSeNB22において、無線ベアラ毎にカウントされたパケット量に関する情報を受信する。これより、PGW26は、無線ベアラ毎にカウントされたパケット量に応じた課金チケット(CDR)を生成し、生成した課金チケットをOFCS29もしくはOCS30へ送信する。OFCS29もしくはOCS30は、無線ベアラ毎にカウントされたパケット量に対して、例えば、無線ベアラ毎に定められている課金レートに、パケット量を乗じることによって料金を算出してもよい。例えば、LTEもしくは5G等のモバイル通信を用いるRATは、無線LAN通信を用いるRATよりも高く設定する等であってもよい。
【0086】
また、
図12においては、ステップS51において、MeNB21がSeNB22に対して、Traffic dataの送信を要求するためにTraffic count report requestメッセージを送信する処理が示されている。これに対して、SeNB22が、Traffic count report requestメッセージを受信することなく、count ruleに従い、自律的にTraffic count reportメッセージをMeNB21へ送信してもよい。例えば、SeNB22は、count ruleに示されているReport periodが満了したタイミングに、Traffic count reportメッセージをMeNB21へ送信してもよい。
【0087】
また、Traffic dataを送信するために用いられるメッセージは、
図12に示されるメッセージに制限されない。
図12に示される、ステップS53以降のメッセージは、3GPPにおいて規定されているメッセージである。例えば、ステップS53以降のメッセージとして、現在3GPPにおいて規定されていない新たなメッセージが用いられてもよい。例えば、E-RAB MODIFICATION INDICATIONメッセージの代わりに、TRAFFIC REPORT INDICATIONメッセージとする新たなメッセージが用いられてもよい。また、E-RAB MODIFICATION CONFIRMメッセージの代わりに、TRAFFIC REPORT CONFIRMメッセージとする新たなメッセージが用いられてもよい。また、Modify Bearer Requestメッセージの代わりに、Traffic Report Requestメッセージとする新たなメッセージが用いられてもよい。また、Modify Bearer Responseメッセージの代わりに、Traffic Report Responseメッセージとする新たなメッセージが用いられてもよい。
【0088】
以上説明したように、本開示の実施の形態2にかかる通信システムを用いることによって、MeNB21において、無線ベアラ毎に送受信されたパケット量をカウントすることができる。また、PGW26は、MeNB21においてカウントされたパケット量に関する情報を用いて、課金情報を生成することができる。これより、PGW26は、MeNB21及びSeNB22においてDual Connectivityが構成されている場合であっても、無線ベアラ毎に課金を行うことができる。
【0089】
さらに、HSS24は、UE20の加入者情報として、Dual Connectivityを構成することを許可するか、さらに、Dual Connectivityにおいて使用を制限するRATに関する情報を加入者情報として保持する。これより、UE20が、加入者情報によって許容されていないRATを用いてDual Connectivityを構成することを防止することができる。例えば、UE20が、使用することができるRATが2G及び3Gに制限された安価な契約を締結している場合について説明する。この場合に、UE20が、Dual Connectivityを構成する際に、高価な契約を締結することによって使用することができる5G等のRATを用いることを防止することができる。
【0090】
(実施の形態3)
続いて、
図13及び
図14を用いて本開示の実施の形態3にかかる複数PDN Connectivity確立処理の流れについて説明する。
図13及び
図14は、UE20が、複数のPDNと接続する際の処理の流れを示している。
図13の処理が実行される前に、
図9及び
図10の処理が実行され、UE20は、PGW26とPDN Connectivityを確立しているとする。
【0091】
はじめに、UE20は、MeNB21を介してMME23へPDN Connectivity Requestメッセージを送信する(S61)。PDN Connectivity Requestメッセージは、UE20が接続するPDNを識別する情報であるAPNを含む。
【0092】
次に、MME23は、
図7におけるS1 Setup処理、
図8におけるX2 Setup処理、
図9及び
図10におけるAttach処理において取得した情報を用いて、新たに確立するPDN Connectivityを介したデータに関して、MeNB21に無線ベアラ毎のパケット量をカウントさせるか否かを判定する(S62)。Attach処理において取得した情報は、例えば、HSS24から取得したUE20に関するAccess Restriction Data及びUE20に関するDC not allowedを含む。さらに、S1 Setup処理、X2 Setup処理、Attach処理において取得した情報は、MeNB21及びUE20から送信されたDC Support、及び、MeNB21から送信されたDC Traffic count support indicationを含む。
【0093】
図13のステップS63乃至
図14のステップS68は、
図9のステップS35乃至ステップS40と同様であるため詳細な説明を省略する。ただし、
図13及び
図14においては、SGW25は、PGW26と異なるPGW26_1との間において、Create Session Requestメッセージ及びCreate Session Responseメッセージを送受信する。
【0094】
次に、MME23は、MeNB21へ、PDN Connectivity Acceptメッセージを含むBearer Setup Requestメッセージを送信する(S69)。PDN Connectivity Acceptメッセージは、MeNB21を透過し、UE20へ送信される。
【0095】
PDN Connectivity Acceptメッセージは、パラメータとしてDC not allowedを含む。PDN Connectivity Acceptメッセージに含まれるDC not allowedは、UE20がDual Connectivityを構成することを許可するか否かを示す情報である。Bearer Setup Requestメッセージは、PDN Connectivity Acceptメッセージの他に、パラメータとしてDC Traffic count support indication、count rule、DC not allowedを含む。Bearer Setup Requestメッセージに含まれるDC not allowedは、MeNB21がDual Connectivityを構成することを許可するか否かを示す情報である。MME23は、DC not allowedにおいてMeNB21がDual Connectivityを構成することを許可することを示す場合、DC Traffic count support indicationによって、MeNB21に対して、無線ベアラ毎にパケット量をカウントすることを指示する。
【0096】
ステップS70~S77は、
図10のステップS42~S49と同様であるため詳細な説明を省略する。ただし、ステップS71におけるRRC Connection Reconfigurationメッセージは、ATTACH Acceptメッセージの代わりにPDN Connectivity Acceptメッセージを含む。また、ステップS73においては、
図10におけるステップS45のInitial Context Setup Responseメッセージの代わりに、Bearer Setup Responseメッセージが送信される。
【0097】
以上説明したように、
図13及び
図14のPDN Connectivity確立処理を実行することによって、PDN Connectivity毎に、eNBに無線ベアラ毎のパケット量をカウントさせるか否かを判定することができる。
【0098】
(実施の形態4)
続いて、
図15を用いて、E-UTRAN initiated E-RAB modification procedureについて説明する。
図15は、3GPP TS 23.401 V13.6.1 (2016-03) 5.4.7節に記載されているE-UTRAN initiated E-RAB modification procedureを参照している。
図15は、MeNB21がDual Connectivityを実行する際に、SeNB22を追加する処理の流れを示している。
【0099】
はじめに、MeNB21は、SeNB22へSeNB Addition Requestメッセージを送信する(S81)。SeNB Addition Requestメッセージは、パラメータとして、count ruleを含む。
【0100】
次に、SeNB22は、MeNB21へSeNB Addition Request Acknowledgeメッセージを送信する(S82)。次に、MeNB21は、UE20へ、RRC Connection Reconfigurationメッセージを送信する(S83)。次に、UE20は、MeNB21へ、RRC Connection Reconfiguration completeメッセージを送信する(S84)。次に、SeNB22は、MeNB21へ、SeNB Addition Request Completeメッセージを送信する(S85)。ステップS81~S85における処理が実行されることによって、SeNB22が、Dual Connectivityを構成するeNBとして追加される。
【0101】
次に、MeNB21は、MME23へ、E-RAB Modification Indicationメッセージを送信する(S86)。E-RAB Modification Indicationメッセージは、パラメータとしてDC Charging activatedを含む。ステップS87~S90は、
図10のステップS46~S49と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0102】
次に、MME23は、MeNB21へ、E-RAB Modification Confirmメッセージを送信する(S91)。
【0103】
以上説明したように、
図15のE-UTRAN initiated E-RAB modification procedureを実行することによって、MeNB21は、SeNB22をDual Connectivityを構成するeNBとして追加した時に、DC Charging activatedをMME23へ送信することができる。
【0104】
一方、
図10においては、UE20のAttach処理において、MeNB21は、MME23へDC Charging activatedを送信する。つまり、
図15は、実際に無線ネットワークにおいて、Dual Connectivityが構成されてから、MeNB21が、無線ベアラ毎のパケット量をカウントすることが示されている。これより、
図15のE-UTRAN initiated E-RAB modification procedureを実行することによって、Dual Connectivityが構成される前までは、PGWがパケット量をカウントすることで課金処理を実行することができる。
【0105】
なお、
図15のE-UTRAN initiated E-RAB modification procedureを実行する場合、
図10のステップS45及び
図14のステップS73において、MeNB21は、送信するメッセージに、DC Charging activatedを含めないこととする。
【0106】
(実施の形態5)
続いて、
図16を用いて、実施の形態5にかかるS1 release procedureについて説明する。
図16は、UE20をIdle状態へ遷移させる際に実行される処理を示している。具体的には、
図16は、MeNB21とコアネットワークとの間におけるUE20に関する通信ベアラを解放する処理を示している。
【0107】
はじめに、MeNB21は、UE20のIdle状態への遷移に伴い、S1 release procedureを起動することを決定する(S101)。次に、MeNB21は、SeNB22へ、Traffic count report requestメッセージを送信する(S102)。MeNB21は、SeNB22においてカウントした無線ベアラ毎のパケット量に関するデータを送信させるために、Traffic count report requestメッセージをSeNB22へ送信する。
【0108】
次に、SeNB22は、Traffic count reportメッセージをMeNB21へ送信する(S103)。Traffic count reportメッセージは、SeNB22がカウントした無線ベアラ毎のパケット量に関するデータを示すTraffic dataを含む。
【0109】
次に、MeNB21は、MME23へS1 UE Context Release Requestメッセージを送信する(S104)。S1 UE Context Release Requestメッセージは、MeNB21が、SeNB22から収集したTraffic dataとともに、MeNB21においてカウントしたパケット量に関する情報であるTraffic dataを含む。
【0110】
次に、MME23は、SGW25へ、Release Access Bearers Requestメッセージを送信する(S105)。Modify Bearer Requestメッセージは、S1 UE Context Release Requestメッセージに含まれるTraffic dataと同様のTraffic dataを含む。次に、SGW25は、PGW26へ、Modify Bearer Requestメッセージを送信する(S106)。ステップS106におけるModify Bearer Requestメッセージに含まれるTraffic dataは、ステップS105におけるModify Bearer Requestメッセージに含まれるTraffic dataと同様である。
【0111】
次に、PGW26は、SGW25へModify Bearer Responseメッセージを送信する(S107)。次に、SGW25は、MME23へRelease Access Bearers Responseメッセージを送信する(S108)。次に、MME23は、MeNB21へ、S1 UE Context Release Commandメッセージを送信する(S109)。
【0112】
また、Traffic dataを送信するために用いられるメッセージは、
図16に示されるメッセージに制限されない。
図16に示される、ステップS104以降のメッセージは、3GPPにおいて規定されているメッセージである。例えば、ステップS104以降のメッセージとして、現在3GPPにおいて規定されていない新たなメッセージが用いられてもよい。例えば、Modify Bearer Requestメッセージの代わりに、Traffic Report Requestメッセージとする新たなメッセージが用いられてもよい。また、Modify Bearer Responseメッセージの代わりに、Traffic Report Responseメッセージとする新たなメッセージが用いられてもよい。
【0113】
続いて、
図17を用いて、実施の形態5にかかるPDN GW initiated bearer deactivation procedureについて説明する。
図17は、PGW26が、UE20に関する通信ベアラを削除することを決定した際に実行される処理を示している。この処理は、UE20がアクティブ状態で実行されてもかまわない。
【0114】
はじめに、PGW26は、SGW25へ、Delete Bearer Requestメッセージを送信する(S111)。Delete Bearer Requestメッセージは、UE20の識別情報を含む。次に、SGW25は、PGW26から送信されたDelete Bearer RequestメッセージをMME23へ送信する(S112)。次に、MME23は、SGW25から送信されたDelete Bearer RequestメッセージをMeNB21へ送信する(S113)。次に、MeNB21は、UE20へ、RRC Connection Reconfigurationメッセージを送信する(S114)。次に、UE20は、MeNB21へ、RRC Connection Reconfiguration completeメッセージを送信する(S115)。
【0115】
次に、MeNB21は、SeNB22へ、Traffic count report requestメッセージを送信する(S116)。MeNB21は、SeNB22においてカウントされた無線ベアラ毎のパケット量に関するデータを送信させるために、Traffic count report requestメッセージをSeNB22へ送信する。
【0116】
次に、SeNB22は、Traffic count reportメッセージをMeNB21へ送信する(S117)。Traffic count reportメッセージは、SeNB22がカウントした無線ベアラ毎のパケット量に関するデータを示すTraffic dataを含む。
【0117】
次に、MeNB21は、MME23へDeactive Bearer Responseメッセージを送信する(S118)。Deactive Bearer Responseメッセージは、MeNB21が、SeNB22から収集したTraffic dataとともに、MeNB21においてカウントしたパケット量に関する情報であるTraffic dataを含む。
【0118】
次に、MME23は、MeNB21から送信されたDeactive Bearer ResponseメッセージをSGW25へ送信する(S119)。さらに、SGW25は、MME23から送信されたDeactive Bearer ResponseメッセージをPGW26へ送信する(S120)。
【0119】
続いて、
図18を用いて、実施の形態5にかかるMME initiated bearer deactivation procedureについて説明する。
図18は、MME23が、UE20に関する通信ベアラを削除することを決定した際に実行される処理を示している。この処理は、UE20がアクティブ状態で実行されてもかまわない。
【0120】
はじめに、MME23は、SGW25へ、Delete Bearer Commandメッセージを送信する(S131)。Delete Bearer Commandメッセージは、UE20の識別情報を含む。次に、SGW25は、MME23から送信されたDelete Bearer CommandメッセージをPGW26へ送信する(S132)。
【0121】
ステップS133~S142は、
図17のステップS111~S120と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0122】
以上説明したように、
図16~
図18における処理を実行することによって、UE20に関する通信ベアラを解放する際に、MeNB21は、SeNB22においてカウントした無線ベアラ毎のパケット量に関するデータを収集することができる。
【0123】
(実施の形態6)
続いて、
図19を用いてX2 HO(Hand Over) procedureについて説明する。
図19は、MME23の変更を伴わないハンドオーバ処理の流れを示している。また、
図19は、ハンドオーバ先のeNBが、無線ベアラ毎にパケット量をカウントすることができる場合のハンドオーバ処理の流れを示している。
【0124】
はじめに、ハンドオーバ元であるSource eNBが、UE20のハンドオーバ処理を実行することを決定する(S151)。例えば、MeNB21がSource eNBであってもよい。この場合、まずMeNB21は、SeNB22との間で、
図12のステップS51、およびステップS52で示される手順を行う事でSeNB22で測定したTraffic dataを収集する。次に、Source eNBは、Target eNBへ、Handover Requestメッセージを送信する(S152)。Target eNBは、UE20の移動先の通信エリアを形成するeNBである。Handover Requestメッセージは、Count rule、Traffic data、及び、DC not allowedを含む。Count ruleは、Source eNBが、無線ベアラ毎にパケット量をカウントする際に適用していたCount ruleである。Traffic dataは、Source eNBが、無線ベアラ毎にカウントしたパケット量に関する情報である。DC not allowedは、UE20がDual Connectivityを構成することを許可されているか否かを示す情報である。
【0125】
次に、Target eNBは、Source eNBへ、Handover Request Ackメッセージを送信する(S153)。Handover Requestメッセージは、パラメータとしてDC Traffic count support indicationを含む。DC Traffic count support indicationは、Target eNBが、無線ベアラ毎にパケット量をカウントすることができることを示す情報である。
【0126】
次に、Source eNBは、UE20へ、RRC Connection Reconfigurationメッセージを送信する(S154)。次に、UE20は、Target eNBへ、RRC Connection Reconfiguration completeメッセージを送信する(S155)。
【0127】
次に、Target eNBは、UE20の接続先のeNBを切り替えるために、Path Switch RequestメッセージをMME23へ送信する(S156)。次に、MME23は、SGW25へ、Modify Bearer Requestメッセージを送信する(S157)。次に、SGW25は、MME23へ、Modify Bearer Responseメッセージを送信する(S158)。次に、MME23は、Target eNBへ、Path Swithc Request Ackメッセージを送信する(S159)。次に、Target eNBは、Source eNBへ、UE Context Releaseメッセージを送信する(S160)。
【0128】
図19の処理を実行することによって、Source eNBとTarget eNBとの間において、ハンドオーバ処理が完了する。また、
図19の処理を実行することによって、無線ベアラ毎にパケット量をカウントする処理が、Source eNBからTarget eNBへ引き継がれる。
【0129】
続いて、
図20及び
図21を用いて、X2 HO(Hand Over) procedureについて説明する。
図20及び
図21は、MME23の変更を伴わないハンドオーバ処理の流れを示している。また、
図20及び
図21は、ハンドオーバ先のeNBが、無線ベアラ毎にパケット量をカウントすることができない場合のハンドオーバ処理の流れを示している。
【0130】
ステップS171及びS172は、
図19のステップS151及びS152と同様であるため詳細な説明を省略する。次に、Target eNBは、Source eNBへ、Handover Request Ackメッセージを送信する(S173)。Handover Request Ackメッセージは、DC Traffic count support indicationを含まない、もしくは、DC Traffic count not support indicationを含む。Target eNBは、Handover Request Ackメッセージに、DC Traffic count support indicationを含まない、もしくは、DC Traffic count not support indicationを含むことによって、無線ベアラ毎にパケット量をカウントできないことをSource eNBへ通知する。
【0131】
次に、Source eNBは、MME23へ、E-RAB MODIFICATION INDICATIONメッセージを送信する(S174)。E-RAB MODIFICATION INDICATIONメッセージは、Traffic data及びDC Traffic count stopを含む。DC Traffic count stopは、Source eNBにおける無線ベアラ毎のパケット量のカウントを停止することを示す情報である。もしくは、DC Traffic count stopは、Source eNBにおける無線ベアラ毎のパケット量のカウントを停止したことを示す情報であってもよい。
【0132】
次に、MME23は、SGW25へ、Modify Bearer Requestメッセージを送信する(S175)。Modify Bearer Requestメッセージは、ステップS174において受信したE-RAB MODIFICATION INDICATIONメッセージに含まれていたTraffic data及びDC Traffic count stopを含む。次に、SGW25は、MME23から受信したModify Bearer RequestメッセージをPGW26へ送信する(S176)。
【0133】
次に、PGW26は、SGW25へ、Modify Bearer Responseメッセージを送信する(S177)。次に、SGW25は、PGW26から受信したModify Bearer ResponseメッセージをMME23へ送信する(S178)。次に、MME23は、Source eNBへ、E-RAB MODIFICATION CONFIRMメッセージを送信する(S179)。
【0134】
図21のステップS180~S186は、
図19のステップS154~S160と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0135】
図20及び
図21の処理を実行することによって、Target eNBが、無線ベアラ毎にパケット量をカウントすることができない場合、Source eNBは、MME23及びSGW25を介して、PGW26へ、無線ベアラ毎のパケット量のカウントを停止することを通知することができる。これより、PGW26は、UE20に関するパケット量をカウントする処理を開始することができる。言い換えると、PGW26は、UE20に関するパケット量をカウントする処理を、Source eNBから引き継ぐことができる。
【0136】
続いて、
図22及び
図23を用いてS1 HO procedureについて説明する。
図22及び
図23は、MME23の変更を伴うハンドオーバ処理の流れを示している。また、
図22及び
図23は、ハンドオーバ先のeNBが、無線ベアラ毎にパケット量をカウントすることができる場合のハンドオーバ処理の流れを示している。
【0137】
はじめに、ハンドオーバ元であるSource eNBが、UE20のハンドオーバ処理を実行することを決定する(S191)。例えば、MeNB21がSource eNBであってもよい。この場合、まずMeNB21は、SeNB22との間で、
図12のステップS51、およびステップS52で示される手順を行う事でSeNB22で測定したTraffic dataを収集する。次に、Source eNBは、Source MMEへ、Handover Requiredメッセージを送信する(S192)。Source MMEは、MME23であってもよい。Handover Requiredメッセージは、Source to Target transparent containerを含む。また、Source to Target transparent containerは、count rule及びTraffic dataを含む情報である。
【0138】
次に、Source MMEは、Target MMEへ、Forward Relocation Requestメッセージを送信する(S193)。Forward Relocation Requestメッセージは、Source to Target transparent containerを含む。Source MMEは、Source eNBから送信されたSource to Target transparent containerに、DC not allowedを追加する。Source MMEは、DC not allowedを追加したSource to Target transparent containerを含むForward Relocation Requestメッセージを送信する。Source MMEが追加したDC not allowedは、UE20がDual Connectivityを構成することができるか否かを示す情報である。Source MMEが追加したDC not allowedは、Source MMEが、HSS24から取得した加入者情報である。
【0139】
次に、Target MMEは、Target eNBへ、Handover Requestメッセージを送信する(S194)。Handover Requestメッセージは、Source MMEから送信されたSource to Target transparent containerを含む。次に、Target eNBは、Target MMEへ、Handover Request Acknowledgeメッセージを送信する(S195)。Handover Request Acknowledgeは、Traget to Source transparent containerを含む。また、Target to Source transparent containerは、DC Traffic count support indicationを含む。DC Traffic count supportは、Target eNBが、無線ベアラ毎にパケット量をカウントすることができることを示す情報である。
【0140】
次に、Target MMEは、Source MMEへ、Forward Relocation Responseメッセージを送信する(S196)。Forward Relocation Responseメッセージは、DC Traffic count support indication及びTarget to Source transparent containerを含む。DC Traffic count support indicationは、Target MMEが、Target eNBにおける無線ベアラ毎のパケット量のカウントに対応できるか否かを示す情報である。Target to Source transparent containerは、Target eNBから送信されたTarget to Source transparent containerと同様である。
【0141】
次に、Source MMEは、Source eNBへ、Handover Commandメッセージを送信する(S197)。Handover Commandメッセージは、DC Traffic count support indication及びTarget to Source transparent containerを含む。Target to Source transparent containerは、Target MMEから送信されたTarget to Source transparent containerと同様である。次に、Source eNBは、UE20へ、Handover Commandメッセージを送信する(S198)。
【0142】
図23に移り、次に、UE20は、Handover ConfirmメッセージをTarget eNBへ送信する(S199)。次に、Target eNBは、Handover NotifyメッセージをTarget MMEへ送信する(S200)。次に、Target MMEは、Source MMEへ、Forward Relocation Complete Notificationメッセージを送信する(S201)。次に、Source MMEは、Target MMEへ、Forward Relocation Complete Acknowledgeメッセージを送信する(S202)。
【0143】
次に、Target MMEは、SGW25へ、Modify Bearer Requestメッセージを送信する(S203)。次に、SGW25は、Target MMEへ、Modify Bearer Responseメッセージを送信する(S204)。次に、UE20、Target eNB、及び、Target MMEにおいて、TAU(Tracking Area Update) Procedureが実行される(S205)。
【0144】
次に、Source MMEは、Source eNBへ、UE Context Release Commandメッセージを送信する(S206)。次に、Source eNBは、Source MMEへ、UE Context Release Completeメッセージを送信する(S207)。
【0145】
続いて、
図24~
図26を用いて、S1 HO procedureについて説明する。
図24~
図26は、MME23の変更を伴うハンドオーバ処理の流れを示している。また、
図24~
図26は、ハンドオーバ先のeNBが、無線ベアラ毎にパケット量をカウントすることができない場合のハンドオーバ処理の流れを示している。
【0146】
ステップS211~S214は、
図22のステップS191~S194と同様であるため詳細な説明を省略する。次に、Target eNBは、Target MMEへ、Handover Request Acknowledgeメッセージを送信する(S215)。Handover Request Acknowledgeは、Traget to Source transparent containerを含む。また、Target to Source transparent containerは、DC Traffic count support indicationを含まない、もしくは、DC Traffic count not support indicationを含む。つまり、Target eNBは、Target MMEへ、無線ベアラ毎にパケット量をカウントすることができないことを通知する。
【0147】
次に、Target MMEは、Source MMEへ、Forward Relocation Responseメッセージを送信する(S216)。Forward Relocation Responseメッセージは、DC Traffic count support indicationを含まない、もしくは、DC Traffic count not support indicationを含む。さらに、Forward Relocation Responseメッセージは、Target to Source transparent containerを含む。DC Traffic count support indicationを含まない、もしくは、DC Traffic count not support indicationを含むことは、Target MMEが、Target eNBにおける無線ベアラ毎のパケット量のカウントに対応できないことを示す情報である。Target to Source transparent containerは、Target eNBから送信されたTarget to Source transparent containerと同様である。
【0148】
次に、Source MMEは、Source eNBへ、Handover Commandメッセージを送信する(S217)。Handover Commandメッセージは、DC Traffic count support indicationを含まない、もしくは、DC Traffic count not support indicationを含む。さらに、Handover Commandメッセージは、Target to Source transparent containerを含む。Handover Commandメッセージに含まれる情報は、ステップS216において受信した、Forward Relocation Responseメッセージに含まれる情報と同様である。
【0149】
ステップS218~S225は、
図20のステップS174~S179と実質的に同一である。ただし、
図25においては、MMEの変更を伴うハンドオーバ処理の流れを示している。そのため、
図25は、Source MMEとTarget MMEとの間において、Modify Bearer Requestメッセージ及びModify Bearer Responseメッセージが送受信されることを示している。
【0150】
図25のステップS226及び
図26のステップS227~S235は、
図22のステップS198及び
図23のステップS199~S207と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0151】
以上説明したように、実施の形態6にかかる処理を実行することによって、UE20に関するハンドオーバ処理が実行する際に、Source eNBがカウントしていた無線ベアラ毎のパケット量を、Target eNBへ引き継ぐことができる。また、Target eNBが、無線ベアラ毎のパケット量をカウントすることができない場合、PGW26が、UE20に関するパケット量のカウントを引き継ぐことができる。
【0152】
続いて以下では、上述の複数の実施形態で説明されたUE20、MeNB21、及びMME23の構成例について説明する。
図27は、MeNB21の構成例を示すブロック図である。
図27を参照すると、MeNB21は、RFトランシーバ1001、ネットワークインターフェース1003、プロセッサ1004、及びメモリ1005を含む。RFトランシーバ1001は、UEsと通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ1001は、複数のトランシーバを含んでもよい。RFトランシーバ1001は、アンテナ1002及びプロセッサ1004と結合される。RFトランシーバ1001は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をプロセッサ1004から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナ1002に供給する。また、RFトランシーバ1001は、アンテナ1002によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをプロセッサ1004に供給する。
【0153】
ネットワークインターフェース1003は、ネットワークノード(e.g., 他のeNBs、Mobility Management Entity (MME)、Serving Gateway(S-GW)、及びTSS又はITSサーバ)と通信するために使用される。ネットワークインターフェース1003は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0154】
プロセッサ1004は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理を含むデータプレーン処理とコントロールプレーン処理を行う。例えば、LTEおよびLTE-Advancedの場合、プロセッサ1004によるデジタルベースバンド信号処理は、PDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。さらに、プロセッサ1004による信号処理は、X2-Uインタフェース及びS1-UインタフェースでのGTP-U・UDP/IPレイヤの信号処理を含んでもよい。また、プロセッサ1004によるコントロールプレーン処理は、X2APプロトコル、S1-MMEプロトコルおよびRRCプロトコルの処理を含んでもよい。
【0155】
プロセッサ1004は、複数のプロセッサを含んでもよい。例えば、プロセッサ1004は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., DSP)、X2-Uインタフェース及びS1-UインタフェースでのGTP-U・UDP/IPレイヤの信号処理を行うプロセッサ(e.g., DSP)、及びコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., CPU又はMPU)を含んでもよい。
【0156】
メモリ1005は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1005は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。メモリ1005は、プロセッサ1004から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1004は、ネットワークインターフェース1003又は図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1005にアクセスしてもよい。
【0157】
メモリ1005は、上述の複数の実施形態で説明されたMeNB21による処理を行うための命令群およびデータを含むソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)を格納してもよい。いくつかの実装において、プロセッサ1004は、当該ソフトウェアモジュールをメモリ1005から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたMeNB21の処理を行うよう構成されてもよい。
【0158】
図28は、UE20の構成例を示すブロック図である。Radio Frequency(RF)トランシーバ1101は、MeNB21及びSeNB22と通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ1101により行われるアナログRF信号処理は、周波数アップコンバージョン、周波数ダウンコンバージョン、及び増幅を含む。RFトランシーバ1101は、アンテナ1102及びベースバンドプロセッサ1103と結合される。すなわち、RFトランシーバ1101は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をベースバンドプロセッサ1103から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナ1102に供給する。また、RFトランシーバ1101は、アンテナ1102によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをベースバンドプロセッサ1103に供給する。
【0159】
ベースバンドプロセッサ1103は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。デジタルベースバンド信号処理は、(a) データ圧縮/復元、(b) データのセグメンテーション/コンカテネーション、(c) 伝送フォーマット(伝送フレーム)の生成/分解、(d) 伝送路符号化/復号化、(e) 変調(シンボルマッピング)/復調、及び(f) Inverse Fast Fourier Transform(IFFT)によるOFDMシンボルデータ(ベースバンドOFDM信号)の生成などを含む。一方、コントロールプレーン処理は、レイヤ1(e.g., 送信電力制御)、レイヤ2(e.g., 無線リソース管理、及びhybrid automatic repeat request(HARQ)処理)、及びレイヤ3(e.g., アタッチ、モビリティ、及び通話管理に関するシグナリング)の通信管理を含む。
【0160】
例えば、LTEおよびLTE-Advancedの場合、ベースバンドプロセッサ1103によるデジタルベースバンド信号処理は、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤ、Radio Link Control(RLC)レイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。また、ベースバンドプロセッサ1103によるコントロールプレーン処理は、Non-Access Stratum(NAS)プロトコル、RRCプロトコル、及びMAC CEの処理を含んでもよい。
【0161】
ベースバンドプロセッサ1103は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., Digital Signal Processor(DSP))とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., Central Processing Unit(CPU)、又はMicro Processing Unit(MPU))を含んでもよい。この場合、コントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサは、後述するアプリケーションプロセッサ1104と共通化されてもよい。
【0162】
アプリケーションプロセッサ1104は、CPU、MPU、マイクロプロセッサ、又はプロセッサコアとも呼ばれる。アプリケーションプロセッサ1104は、複数のプロセッサ(複数のプロセッサコア)を含んでもよい。アプリケーションプロセッサ1104は、メモリ1106又は図示されていないメモリから読み出されたシステムソフトウェアプログラム(Operating System(OS))及び様々なアプリケーションプログラム(例えば、通話アプリケーション、WEBブラウザ、メーラ、カメラ操作アプリケーション、音楽再生アプリケーション)を実行することによって、UE20の各種機能を実現する。
【0163】
いくつかの実装において、
図29に破線(1105)で示されているように、ベースバンドプロセッサ1103及びアプリケーションプロセッサ1104は、1つのチップ上に集積されてもよい。言い換えると、ベースバンドプロセッサ1103及びアプリケーションプロセッサ1104は、1つのSystem on Chip(SoC)デバイス1105として実装されてもよい。SoCデバイスは、システムLarge Scale Integration(LSI)またはチップセットと呼ばれることもある。
【0164】
メモリ1106は、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリ又はこれらの組合せである。メモリ1106は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。例えば、メモリ1106は、ベースバンドプロセッサ1103、アプリケーションプロセッサ1104、及びSoC1105からアクセス可能な外部メモリデバイスを含んでもよい。メモリ1106は、ベースバンドプロセッサ1103内、アプリケーションプロセッサ1104内、又はSoC1105内に集積された内蔵メモリデバイスを含んでもよい。さらに、メモリ1106は、Universal Integrated Circuit Card(UICC)内のメモリを含んでもよい。
【0165】
メモリ1106は、上述の複数の実施形態で説明されたUE20による処理を行うための命令群およびデータを含むソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)を格納してもよい。いくつかの実装において、ベースバンドプロセッサ1103又はアプリケーションプロセッサ1104は、当該ソフトウェアモジュールをメモリ1106から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたUE20の処理を行うよう構成されてもよい。
【0166】
図29は、MME23の構成例を示すブロック図である。
図29を参照すると、MME23は、ネットワークインターフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワークインターフェース1201は、ネットワークノード(e.g., eNodeB130、MME、P-GW)と通信するために使用される。ネットワークインターフェース1201は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0167】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてシーケンス図及びフローチャートを用いて説明されたMME23の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0168】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0169】
図29の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明されたMME23の処理を行うことができる。
【0170】
図27~
図29を用いて説明したように、上述の実施形態におけるUE20、MeNB21、及びMME23が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
【0171】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0172】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0173】
以上、実施の形態を参照して本願開示を説明したが、本願開示は上記によって限定されるものではない。本願開示の構成や詳細には、開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0174】
この出願は、2016年5月26日に出願された日本出願特願2016-105254を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【0175】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
複数の通信装置毎に異なる無線ベアラを用いて前記複数の通信装置と通信するように構成される通信端末と、
前記通信装置に、無線ベアラ毎の通信量を計測させるか否かを判定するように構成される制御装置と、を備える通信システム。
(付記2)
前記制御装置は、
前記通信装置から、前記通信装置が無線ベアラ毎に通信量を計測することができるか否かに関するカウントサポート情報を受信する、付記1に記載の通信システム。
(付記3)
前記制御装置は、
前記カウントサポート情報と、前記通信端末が複数の無線ベアラを用いて複数の通信装置と通信することが許可されているか否かを示す通信許可情報とを用いて、前記通信装置に、無線ベアラ毎の通信量を計測させるか否かを判定する、付記2に記載の通信システム。
(付記4)
前記制御装置は、
課金システムと接続するゲートウェイ装置、及び、加入者情報管理装置から前記通信許可情報を受信する、付記3に記載の通信システム。
(付記5)
前記制御装置は、
前記通信装置から、無線ベアラ毎に通信量を計測する処理を開始することを示す開始情報を受信すると、前記開始情報を前記ゲートウェイ装置へ送信する、付記4に記載の通信システム。
(付記6)
前記制御装置は、
前記通信装置へ、前記カウントサポート情報を送信するとともに、カウントルール情報を送信する、付記2乃至5のいずれか1項に記載の通信システム。
(付記7)
前記通信装置は、
前記制御装置から無線ベアラ毎に通信量を計測することを指示する指示情報を受信すると、無線ベアラ毎に計測した通信量を含むトラヒック情報を前記制御装置へ送信する、付記1乃至6のいずれか1項に記載の通信システム。
(付記8)
前記制御装置は、
前記トラヒック情報を受信すると、課金システムと接続するゲートウェイ装置へ前記トラヒック情報を送信する、付記7に記載の通信システム。
(付記9)
通信端末が複数の通信装置毎に異なる無線ベアラを用いて前記複数の通信装置と通信する場合に、前記複数の通信装置のうち少なくとも1つの通信装置に、無線ベアラ毎の通信量を計測させるか否かを判定する制御部を備える、制御装置。
(付記10)
複数の通信装置毎に異なる無線ベアラを用いて前記複数の通信することができるか否かを示すサポート情報を制御装置へ送信する送信部と、
前記サポート情報、及び、自装置が複数の無線ベアラを用いて複数の通信装置と通信することが許可されているか否かを示す通信許可情報に基づいて、自装置が複数の無線ベアラを用いて複数の通信装置と通信するか否かが判定された判定結果を前記制御装置から受信する受信部と、
前記判定結果に、複数の無線ベアラを用いて複数の通信装置と通信することを指示する情報が含まれる場合、複数の通信装置と複数の無線ベアラを設定する処理を実行する制御部と、を備える通信端末。
(付記11)
通信端末が複数の通信装置毎に異なる無線ベアラを用いて前記複数の通信装置と通信する場合に、前記複数の通信装置のうち少なくとも1つの通信装置に、無線ベアラ毎の通信量を計測させるか否かを判定し、
判定結果を前記通信装置へ送信する、通信方法。
(付記12)
通信システムにおける通信方法であって、
通信端末と無線で通信する通信装置から制御装置に、前記通信端末の通信に用いられる無線ベアラに関する情報を送信する、通信方法。
(付記13)
前記無線ベアラに関する情報は、無線ベアラ毎に通信量を計測することをサポートするか否かを示す情報である、付記12に記載の通信方法。
(付記14)
前記制御装置は、前記無線ベアラに関する情報に基づいて、前記通信装置に、無線ベアラ毎に通信量を計測させるか否かを判定する、付記12または13に記載の通信方法。
(付記15)
前記制御装置は、前記無線ベアラに関する情報を、前記通信端末に関する通信の転送を行うゲートウェイ装置に送信する、付記12乃至14のいずれかに記載の通信方法。
(付記16)
通信システムであって、
通信端末と無線で通信する通信装置と、
制御装置とを備え、
前記通信装置から前記制御装置に、前記通信端末の通信に用いられる無線ベアラに関する情報を送信する、通信システム。
(付記17)
前記無線ベアラに関する情報は、無線ベアラ毎に通信量を計測することをサポートするか否かを示す情報である、付記16に記載の通信システム。
(付記18)
前記制御装置は、前記無線ベアラに関する情報に基づいて、前記通信装置に、無線ベアラ毎に通信量を計測させるか否かを判定する、付記16または17に記載の通信システム。
(付記19)
前記制御装置は、前記無線ベアラに関する情報を、前記通信端末に関する通信の転送を行うゲートウェイ装置に送信する、付記16乃至18のいずれかに記載の通信システム。
(付記20)
通信装置であって、
通信端末と無線で通信する手段と、
前記通信端末の通信に用いられる無線ベアラに関する情報を、制御装置に送信する手段とを備える、通信装置。
(付記21)
前記無線ベアラに関する情報は、無線ベアラ毎に通信量を計測することをサポートするか否かを示す情報である、付記20に記載の通信装置。
【符号の説明】
【0176】
11 通信端末
12 通信装置
13 通信装置
14 制御装置
20 UE
21 MeNB
22 SeNB
23 MME
24 HSS
25 SGW
26 PGW
27 PCRF
28 AF
29 OFCS
30 OCS
41 送受信部
42 送受信部
43 制御部
51 基地局通信部
52 SGW通信部
53 HSS通信部
54 制御部
61 UE通信部
62 基地局通信部
63 C-Plane通信部
64 U-Plane通信部
65 制御部
66 データ計測部