(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177322
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】複雑なシステムにおける状態予測の説明のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
G05B23/02 T
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162285
(22)【出願日】2022-10-07
(62)【分割の表示】P 2020545103の分割
【原出願日】2019-01-30
(31)【優先権主張番号】15/906,702
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518009205
【氏名又は名称】ファルコンリー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FALKONRY INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ オルセン
(72)【発明者】
【氏名】ダン カーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ニコラス プリチャード
(72)【発明者】
【氏名】ニクンジ メータ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】状態タイプの非線形性及びまとまりのないグループ分けが存在する中でどの信号が複雑なマシンシステムの状態の判断にとって重要かを特定するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】本システムはシステム下位部品又は領域に対応する信号群の下位グループ分けを可能にする。信号の重要性の説明が得られて原因分析を助け、その特定の状態及び因果関係に対して本システムへの動作フィードバックが処方され実行される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の時系列信号を生成するセンサーを備えるマシンシステムのための制御方法であって、
所定の時間範囲の間の前記複数の時系列信号の各々からの第1の時系列信号を含むラベル付き点を受信するステップであって、前記第1の時系列信号の各々は少なくとも1つの特徴ベクトルに関連付けられ、各特徴ベクトルは1つ以上の信号特徴に対応する要素を含み、前記ラベル付き点は前記マシンシステムの複数の状態のうちの第1の状態を表す第1のラベルを有し、前記複数の時系列信号の各々は対応する信号投影部分空間を有する、ステップと、
前記マシンシステムの複数のモデル状態点の各々を前記各信号投影部分空間内に投影するステップであって、前記複数のモデル状態点の各々は前記複数の時系列信号の各々からの第2の時系列信号を含み、前記第2の時系列信号の各々は少なくとも1つの特徴ベクトルに関連付けられ、各特徴ベクトルは1つ以上の信号特徴に対応する要素を含み、前記モデル状態点は前記マシンシステムの前記複数の状態の一つを表す第2のラベルを有し、前記対応する信号投影部分空間において前記第2の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルを評価するステップを含む、ステップと、
前記ラベル付き点を各信号投影部分空間内に投影するステップであって、前記対応する信号投影部分空間において前記第1の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルを評価するステップを含む、ステップと、
前記ラベル付き点の分析近傍を前記信号投影部分空間内の前記ラベル付き点に最も近い、設定された数のモデル状態点に制限するステップと、
前記信号投影部分空間の各々について、前記分析近傍内の前記設定された数から、前記分析近傍内の前記ラベル付き点と同じラベルを有する前記分析近傍内のモデル状態点の第1割合を計算するステップと、
前記信号投影部分空間の各々について、前記複数のモデル状態点から、前記ラベル付き点と同じラベルを有する前記モデル内のモデル状態点の第2割合を計算するステップと、
前記第1の状態への各信号の寄与を、前記対応する信号投影部分空間について計算された前記第1割合と前記第2割合とから計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップと、
前記マシンシステムの動作を前記リストに基づいて適合させるステップと
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は複雑なシステムにおける状態予測の説明のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所、廃水処理工場、工場、飛行機、及び自動車は、目的を達成するために動作する複数の機械を含む複雑なシステムの例である。これらの複雑なシステムは時間とともに劣化する物理的な部品、故障する部品、及び不適正又は準最適に使用されている部品を含む。システム内の特定の部品の劣化、故障、又は不適正又は準最適な使用は、その特定の部品に依存するシステムの他の部品に影響する場合がある。
【0003】
部品がシステム内で動作する時、その部品は異なる複数の動作状態の間、異なる動作をするように構成されることがある。例えば、1つの機械は始動し、暖機運転し、動作し、クールダウンし、停止してよい。機械は始動状態時、ほとんど又は全く出力を生成しないように構成されることがある一方、機械は動作状態時、最大出力を生成するように構成されることがある。部品がいかに構成されるかに拘らず、部品はどんな稼動状態でも予期しない動きをすることがある。複雑なシステムでは、たとえシステムは全体としてその期間比較的効率的に動作しても、複数の部品が長い期間、予期しない動きをすることがある。
【0004】
システム内の様々な部品の動作は、部品の動作挙動のデータを測定し報告するセンサーを使用して監視されてもよい。センサー自体も劣化、故障、及び準最適な使用により影響され易く、この影響され易さは測定自体に関する不確実さとシステム内の部品の動きに関する不確実さを生じさせる。センサーは、測定値がある範囲を外れると警報を提供する特化されたトリガーを出力してもよい。特化されたトリガーは機械の動作及び保守を監督しシステムの全体的な健全さ及び効率を促進するように任命された保守技術者などの技術者により設定されてもよい。
【0005】
従って、システムの全体的な健全さ及び効率は、人である保守技術者の知識、技量、専門知識、及び正確さに高度に依存することがある。システムの全体的な健全さ及び効率はまた、センサー及びシステム内の部品の動きに関する不確実さの変動する度合に依存することがある。システムの複雑さを考えると、保守技術者に求められる正確な判断ができる人はしばしばごく少数であり、保守技術者によりなされた判断の正しさを検証するのに利用できる人は更に少ない。特定のシステムの出力は高いレベルで観察されてよいが、保守技術者がどれだけより良く実行できるかの知識は通常ほとんど又は全くない。
【0006】
また、幾つかの機械は、機械にある保守作業を実行する頻度を保守技術者に説明するマニュアル又は仕様書が付いている。多種多様なシステムと機械が使用されてよい変化する動作環境とのために、そのようなマニュアル又は仕様書は、特定の環境でそのような保守を実行するべき頻度をしばしば著しく過大に又は過小に見積もる。このような問題はしばしば検出が困難で、システムのサイズ及び複雑さが増加すると指数関数的に増加する非効率さをしばしば引き起こす。
【0007】
複雑なシステムの状態を時間に亘って分類できることは、非常に強力なツールであり、動作応答に影響することがある。特定の時間におけるシステムの状態が分かると、その状態に最も責任があるか又は関わっていそうなシステムの下位部品を見つけること、この状態を区別する一組の信号を見つけること、及びシステムがこの状態にある原因を見つけることなどの更なる情報があれば、システムの動作へのより効果的で効率的な介入につながる場合がある。
【0008】
しかし、多変量時系列ベース解析法を使用するのに困難がある。第1に、分類モデルは非線形である。従って、どの信号値がその結果を引き起こしたか直接にモデルから推定する簡単なやり方は存在しない。第2に、同じ部類(又は状態結果)が、信号記録の多くの異なる組合せを伴って発生する場合がある。例えば、「警告」状態の異なる複数の発生事例は、個々の信号パターンの多くの組合せと関連することがある。このため、集計分析を利用し「どの信号が最も多くの場合に状態Xと関連するか」を決めることがある従来の方法は、深刻に判断を誤らせる場合がある。第3に、信号(例えば、ロボットの継手又は設備の一部などの特定の下位部品に対応する信号)のグループ分けが重要であるが、指標を得るためにシステムの理解を必要とするかも知れない。最後に、分類分析は因果関係を意味しない相関関係を明らかにする。状態判断により著しく寄与する信号の特定は、原因分析を助けることがあるが、システム内の物理的機構のある程度の理解が因果関係推断に到達するのを可能にする場合がある。
【発明の概要】
【0009】
時間tにおける状態の「説明」は、その状態結果と強く関連する信号の特定である。通常、2つ以上の信号が状態値と強く関連することがある。モデル化時に使用される特徴からの関心のある信号の対応付けが行われる。良好な予測結果を生成するモデルは正確でない説明結果を生成することがあり、高品質の説明結果を得るために、作成されたモデルは説明のために独立に作られる。本システム及び方法は、信号記録及び任意の提供されたラベルに基づいて予測と説明それぞれの独立したモデルを作成する。本システム及び方法は、半管理されたシナリオ及び管理されてないシナリオで動作し、提供された信号(作られた複雑な特徴ではなく)を直接使った説明結果を提供し、それらの結果は使用される信号の選択又は選択された信号の過剰さに極度には敏感ではない(線形回帰のような手法のためでありうるので)。
【図面の簡単な説明】
【0010】
どんな特定の要素又は動作の説明も容易に特定するために、参照番号の最上位桁又は数桁はその要素が最初に図示された図番号を指す。
【
図1】信号分類及び説明システム100の実施形態を例示する。
【
図2】実施形態に係るフィードバック制御システム200を例示する。
【
図3】実施形態に係るシステム診断プロセス300を例示する。
【
図4】実施形態に係るラベル付き点を説明すること304を例示する。
【
図5】点を信号下位空間内に投影すること406、その点の周りの隣接クラスタを形成すること408、及び点ラベルをクラスタ内の隣接点のラベルと関連付けること410の実施形態を例示する。
【
図6】実施形態に係るラベル付き点説明600を例示する。
【
図7】実施形態に係る説明プロセス700を例示する。
【
図8】本発明の実施形態を取り込んでもよい計算装置800の一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
状態タイプの非線形性及びまとまりのないグループ分けが存在してもどの信号が各個別の判断結果にとって重要かを特定するシステム及び方法が開示される。本システムはシステム下位部品又は領域に対応する信号群の下位グループ分けを可能にする。次にシステム内の物理的機構のこの理解により因果関係推断に到達することがあり、その特定の状態及び因果関係に対するシステムへの動作フィードバックが処方され実行されてよい。例えば、因果関係推断は、システムの全体的な健全さ及び効率を促進するために、故障部品を修理するか又は特定された状態に他のやり方で対応するようにシステムの動作及び保守を監督する保守技術者に指図する動作フィードバックを提供できる。
【0012】
図1を参照すると、信号分類及び説明システム100は外部システム102及び信号データ処理システム110を備える。外部システム102は複雑なシステム104、信号データリポジトリ106、及び監視ディスプレイ108を更に備える。信号データ処理システム110は更に特徴特定論理112、クラスタ化論理114、ベクトル分類論理116、信号受信論理118、信号データモデル保守論理120、状態報告論理122、及び本開示の焦点である原因分析論理126を備える。
【0013】
複雑なシステム104は複雑な産業機械、例えば複雑な工場設備、商用車両、飛行機、又は複数のセンサーを利用して自身の状態を監視する任意の他の複雑な機械類を表してもよい。複雑なシステム104はまた、無線可能装着型装置などの活動追跡器として機能するように指定された複数種類のセンサーを含む複合センサーパッケージを表してもよい。
【0014】
複雑なシステム104は、複雑なシステム104に取り付けられた複数のセンサーから信号データのデータストリームを送る目的のために信号データリポジトリ106に通信可能に結合されてもよい。信号データのデータストリームは複数のセンサーにより集められた複数のデータ観察記録を表してもよい。複雑なシステム104上の複数のセンサーの目的は複雑なシステム104内の様々な箇所で発生する観察結果を記録することである。例えば、複雑なシステム104が風からエネルギーを生成する複数の風車から成る発電所にある場合、複数のセンサーは各個別の風車の回転速度を測定するセンサー、各風車により生成された電気量を測定するセンサー、及び発電所内の発電機により生成された電気の現在貯蔵レベルを測定するセンサーを含んでもよい。別の例では、複雑なシステム104は無線活動追跡器を表してもよい。この場合、複数のセンサーは装着者に発生している変化と動きに基づく位置の変化とを検出するように構成されてもよい。例えば、一組のセンサーはこれらに限定されないが全地球測位センサー(GPS)、3軸加速度計、3軸ジャイロスコープ、デジタル羅針盤、光学心拍数モニター、及び高度計を含んでもよい。更に別の例では、複雑なシステム104は商用アプリケーションなどの特定のアプリケーションを表してもよい。特定のアプリケーションは特定のコンピュータアプリケーションのためのログ出力などの出力を生成する1つ以上のコンピュータクラスを含んでもよい。ログ出力生成クラスを特定のコンピュータアプリケーション内で呼び出される複数のクラス及びオブジェクトの現在状態を報告する組み込み計器と考えてもよい。
【0015】
信号データリポジトリ106は、複雑なシステム104内の複数のセンサーにより生成された信号データを収集し、信号データ種類に基づいて信号データを記憶し、1つ以上の記憶されたプログラムを使用して収集された信号データの時系列を生成するように構成(即ち、プログラム)されたサーバーコンピュータであって、それらのプログラムを実行するサーバーコンピュータを表してもよい。信号データリポジトリ106はまた、信号データ値を監視の目的でユーザーに提示する目的のためにリアルタイムデータか又は記憶された信号データを監視ディスプレイ108に送ることができてもよい。信号データリポジトリ106はまた、信号データを集めて複数の期間に亘る信号値の変化を示す集計された統計を生成してもよい。信号データリポジトリ106特徴の実施形態は上述した特徴に限定されない。信号データリポジトリ106は任意の市販の監視プログラムを使用して実現されてもよく、市販の製品内の任意の監視するための特徴を利用してもよい。
【0016】
監視ディスプレイ108は信号データリポジトリ106から受信した信号データを表示するようにプログラムされたコンピュータ実行マシンを表す。監視ディスプレイ108は信号データ処理システム110からのデータ入力を直接受信できてもよい。
【0017】
信号データ処理システム110は信号データリポジトリ106から信号データのデータストリームを受信し受信した信号データに関する物理的状態を特定するように構成される。信号データ処理システム110は、データを信号データリポジトリ106に送り返すことで又はユーザーが入着する信号データに関する状態をより良く特定できるようにデータを監視ディスプレイ108に直接送ることで、特定された物理的状態を外部システム102に送るように更に構成される。
【0018】
信号データ処理システム110は、これらに限定されないが特徴特定論理112、クラスタ化論理114、ベクトル分類論理116、信号受信論理118、信号データモデル保守論理120、状態報告論理122、及び原因分析論理126を含む特別に構成された論理を備える。これらの要素のそれぞれは信号データ処理システム110内のRAMなどの主メモリの一組の1つ以上のページにロードされた実行可能な命令群から成る。この命令群は実行されると信号データ処理システム110に本書にそれらのモジュールに関して説明される機能又は動作を実行させる。例えば、特徴特定論理112は、命令群を含むRAM内の一組のページにロードされた実行可能な命令群であって、実行されると特徴特定を実行させる命令群から成ってもよい。特徴特定論理112は、複数の組の信号データを集めて1つ以上の特徴ベクトルにする命令群を提供してもよい。これらの特徴ベクトルは特定の時間範囲の間の1つ以上のセンサーからの複数組の信号データを表す。特徴特定論理112は複数の信号データ組からパターンを特定する命令群を提供する。パターンは異なる複数の信号に亘りかつ特定の期間に亘る変化に基づく。特徴特定論理112はまた、意味のあるパターンを特定するために複数組の信号データを評価するための最適時間窓サイズを決める命令群を提供してもよい。特徴特定論理112はその期間窓内の一組の信号データ点を低減して減少した次元数の特徴ベクトルを生成する命令群を提供してもよい。別の実施形態では、特徴特定論理112は信号データ組を集めて再帰型神経回路網を使用して特徴ベクトルを生成する命令群を提供する。特徴特定論理112はまた、複数の信号データ組とそれらの対応する特徴ベクトルとの対応付けを生成する命令群を提供してもよい。
【0019】
信号受信論理118は、複雑なシステム104に取り付けられた複数のセンサーからの観察されたデータ値を表す複数組の信号データを受信する命令群を提供する。特徴特定論理112は複数組の信号データを集め1つ以上の特徴ベクトルにする命令群を提供する。これらの特徴ベクトルは特定の時間範囲の間の1つ以上のセンサーからの複数組の信号データを表す。クラスタ化論理114は特徴ベクトルの1つ以上のクラスタを生成する命令群を提供し、各クラスタは特徴ベクトル群から同様に識別される属性によって決められる。ベクトル分類論理116は1つ以上の分類ラベルを表すフィードバック入力を受信する命令群を提供し、分類ラベルは以前観察されたセンサーデータに基づいて特徴ベクトルに割り当てられてもよい。フィードバックはサンプル事象と表現される。サンプル事象はサンプル特徴ベクトルの形態の信号データとサンプル特徴ベクトルの割り当てられた分類ラベルとを含む。分類ラベルは複雑なシステム104に発生した特に特定された状態を表してもよい。ベクトル分類論理116は特徴ベクトルの生成されたクラスタの分類ラベルを決める追加の命令群を提供する。特徴ベクトルの生成されたクラスタの分類ラベルを決めた後、ベクトル分類論理116は、特定された信号状態を規定する信号データモデルを関連するクラスタ、特徴ベクトル、及び分類ラベルに基づいて生成し記憶媒体に記憶する命令群を提供する。ベクトル分類論理116は、特定された信号状態を使用する以前生成された信号データモデルを関連するクラスタ、特徴ベクトル、及び分類ラベルに基づいて更新する追加の命令群を提供する。信号データモデル保守論理120は1つ以上の信号データモデルをデジタル記憶媒体内に保持する命令群を提供する。状態報告論理122は1つ以上の特徴ベクトルに関連付けられた特定された分類ラベルを外部システム102に送る命令群を提供する。
【0020】
図2を参照すると、フィードバック制御システム200は時系列信号124を生成する複雑なシステム104を含む。フィードバック制御システム200は時系列信号124から信号特徴を抽出し204、クラスタ化及び分類208を受けてクラスタ及びラベル210を生成する特徴ベクトル206を形成する論理を含み、クラスタ及びラベル210は、複雑なシステム104の動作を適合させるために状態を特定し説明する202に使用される。
【0021】
本開示の残りは原因分析論理126の様々な実施形態を説明する。
【0022】
図3を参照すると、システム診断プロセス300はラベル付き点を生成すること302、ラベル付き点を説明すること304、及び説明を返すこと306を含む。システム診断プロセス300は高レベル構造の原因分析論理126を提供する。
【0023】
図4を参照すると、ラベル付き点を説明すること304は、1つの実施形態では、点を選択すること402、第1信号を得ること404、その点を信号部分空間内に投影すること406、点の周りの隣接クラスタを形成すること408、及び点ラベルをクラスタ内の隣接点のラベルと関連付けること410を含む。これがシステムからの全ての時系列信号に対して繰り返される。ラベル付き点を説明すること304は、それらの信号を点ラベルとの相関強度により順に並べることで終了する412。
【0024】
図5はラベル付き点を信号部分空間に投影すること406、点の周りの隣接クラスタを形成すること408、及び点ラベルをクラスタ内の隣接点のラベルと関連付けること410の例を示す。
【0025】
第1特徴軸投影506は第1信号特徴軸F1上に生成され、第2特徴軸投影508は第2信号特徴軸F2上に生成される。また、説明点510(F1軸)の第1特徴投影がF1上の第1特徴近傍514の投影の真ん中に生成され、説明点512の第2特徴投影がF2上の第2特徴近傍516の投影の中に生成される。
【0026】
システムモデルデータ502は一組の値C(t)、Fi(t)であり、C(t)はラベルで、Fi(t)は評価される特徴ベクトル成分である。ここで、C(t)は丸又は四角として描かれている。これらの記号は、幾つかの実施形態では、関連するラベル、例えば「使用可能な」、「動作しない」、「警告」、「正常な」などに対応するシステム又は装置の状況又は状態を表す。2つの特徴F1及びF2が描かれているので、Fi(t)の値は2次元空間内の位置として描かれる。幾つかの実施形態では、2を超える数の特徴が評価されてもよい。この実施形態では、システムモデルデータ502は64個の値を有する。
【0027】
説明点504は値C(t’)、Fi(t’)を有する。説明点504のラベルC(t’)は丸で表され、システムモデルデータ502と同様に、それ自身の関連するラベルでシステムの状況又は状態を表す。説明点504はまた、2次元空間内でFi(t’)により位置が決められている。説明点504は分類モデルを利用して決められていてもよい。
【0028】
第1特徴軸投影506はシステムモデルデータ502及び説明点504の第1特徴軸F1上の投影である。F1上の記号群は、記号特徴軸F1上へのシステムモデルデータ502の64個の投影F1(t)と説明点504の投影F1(t’)とを表す。描かれているように、F1投影の幾つかは重なる。これらの重なる場合、簡単化のために1つの記号だけが描かれる。
【0029】
第2特徴軸投影508はシステムモデルデータ502及び説明点504の第2記号特徴軸F2上への投影である。F2上の記号群は、F2上へのシステムモデルデータ502の64個の投影値F2(t)と説明点504の投影されたF2(t’)の値とを表す。再び、F2上の記号の幾つかは重なる、この場合、1つだけの記号として描かれる。
【0030】
第1特徴近傍514は、説明点504の周りの制限された近傍から投影された第1特徴軸投影506の部分集合である。第1特徴近傍514は、説明点510の第1特徴投影及びシステムモデルデータ502内の値の数に基づいて第1特徴軸投影506から選択されてもよい。1つの実施形態では、値の数Nはシステムモデルデータ502内の値の総数の平方根である。ここで、Nは8に等しい。次に第1特徴近傍514は第1特徴軸投影506のうち説明点510の第1特徴投影に最も近いN(ここでは、8)個の点であってもよい。第1特徴軸投影506から第1特徴近傍514を決定するために距離関数を利用してもよい。そのルーチンは同じ値を持つ第1特徴軸投影506内の点を求めてランダム選択を利用してもよい。
【0031】
第2特徴近傍516は、説明点504の周りの制限された近傍から今度は軸F2上に投影された第2特徴軸投影508の部分集合である。
【0032】
第1特徴近傍514及び第2特徴近傍516が決定されると、距離はF1とF2の両方について決定されてよい。距離は先ず説明点504のC(t’)に等しい第1特徴近傍514及び第2特徴近傍516内のC(t)の割合を算出することで決定されてよい。この例では、第1特徴近傍514についての割合は100%で、第2特徴近傍516についての割合は50%である。次に、C(t)=C(t’)の全体の割合が算出される(ここでは50%)。最後に、各近傍と全体の割合の比が算出される(F1についてX=2、F2についてX=1)。
【0033】
図6を参照すると、ラベル付き点説明600プロセスは、ラベル付き点とラベル付き点がそれから得られた特徴化された信号とを受信すること602と、モデル訓練データを各特徴化された信号部分空間内に投影すること604と、ラベル付き点を各特徴化された信号部分空間内に投影すること606とを含む。
【0034】
ラベル付き点説明600は分析近傍を制限すること608、及び選択された信号の各特徴下位空間内のラベル付き点の隣接点を見つけること610により続く。
【0035】
その点の隣接点のラベルを決めること612及びその点と同じラベルを持つ隣接点の割合を決めること614で、既知の状態へのその点の寄与を見つけ出す。寄与は、モデル全体におけるそのラベルの密度に対する近傍内のそのラベルの相対的な密度を決めること616、ラベル付き点により表される状態へのその信号の寄与を決めること618、及び寄与によりそれらの信号を並べ替えること622で更に洗練されてもよい。その並べ替えでより高い信号がラベル付き点と関連する状態へのより可能性の高い寄与信号として表示されてもよい。1つの実施形態では、その並べ替えた信号の最も高い10%が表示されるが、他の実施形態では、他の範囲が表示されうる。
【0036】
より具体的には、信号寄与を見つけるための第1比率又は割合は(1)評価中の点の周りのモデルデータ点からなる制限された近傍内のその点と同じラベルを有する点の数である分子、及び(2)その制限された近傍内のモデルデータ点の総数である分母として形成されてもよい。信号寄与を見つけるための第2比率又は割合は(1)モデルデータ内のその点と同じラベルを有する点の数である分子、及び(2)その制限された近傍内のモデルデータ点の総数である分母として形成されてもよい。
【0037】
ラベル付き点に関連する状態への信号寄与は次に第1比率及び第2比率又は第1割合及び第2割合の比又は割合から計算されてもよい。
【0038】
このプロセスは、別の信号があるか調べ620、あれば、分析するため次の信号を選択すること626でモデル内の全ての信号に対して続く。
【0039】
次に信号寄与の順に並べたリストは、信号時系列がそれから得られた複雑なシステムを適合させるために、リストを表示し適用すること624で適用される。
【0040】
図7を参照すると、説明プロセス700はラベル付き点で始まる702。説明プロセス700は第1信号に対して分析するために信号投影空間を生成すること704及びその信号の特徴ベクトルを取り出すこと706で続く。これらのステップは各信号及び選択された信号に関連する各特徴ベクトルに対して繰り返される。
【0041】
説明プロセス700は特徴ベクトルの距離及び重要さをラベル付き点の隣接点に割り当てること708で続く。これはその信号に関連する各特徴ベクトルに対して繰り返される。
【0042】
説明プロセス700はラベル付き点の隣接点を特徴距離により並べること710、その点の周りの近傍の大きさを制限すること712、及びその点のラベルへの信号の寄与を計算すること714で続く。
【0043】
説明プロセス700をコンピュータシステム上で実行する論理例は下記のとおり。
【0044】
図8は本発明の実施形態を取り込んでもよい計算装置800の一例のブロック図である。
図8は本明細書に記載された手法プロセスの態様を実行するマシンシステムを単に例示し、請求項の範囲を限定しない。当業者は他の変形、部分変更、及び代替を認識するであろう。1つの実施形態では、計算装置800はモニター又はグラフィカル・ユーザーインターフェース802、データ処理システム820、通信ネットワークインターフェース812、入力装置808、出力装置806などを通常含む。
【0045】
図8に描かれているように、データ処理システム820は、バスサブシステム818を介して複数の周辺装置と通信する1つ以上のプロセッサ804を含んでもよい。これらの周辺装置は入力装置808、出力装置806、通信ネットワークインターフェース812、及び記憶サブシステム、例えば揮発性メモリ810及び不揮発性メモリ814を含んでもよい。
【0046】
揮発性メモリ810及び/又は不揮発性メモリ814はコンピュータ実行可能命令群を記憶し、従って、プロセッサ804に適用され実行されると本書に開示されたシステム状態説明及び制御プロセスの実施形態を実現する論理822を形成してよい。
【0047】
入力装置808は情報をデータ処理システム820に入力するための装置及び機構を含む。これらはモニター又はグラフィカル・ユーザーインターフェース802に取り込まれたキーボード、キーパッド、及びタッチスクリーン、音声認識システム、マイクロフォンなどの音声入力装置、及び他の種類の入力装置を含んでよい。様々な実施形態では、入力装置808はコンピュータマウス、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティック、無線リモート、製図タブレット、音声コマンドシステム、視標追跡システムなどとして具現化されてもよい。入力装置808はモニター又はグラフィカル・ユーザーインターフェース802上に現れる対象物、アイコン、制御領域、テキストなどをユーザーがボタンのクリックなどのコマンドにより選択するのを通常許す。
【0048】
出力装置806はデータ処理システム820からの情報を出力するための装置及び機構を含む。これらはモニター又はグラフィカル・ユーザーインターフェース802、当技術で周知のスピーカー、プリンター、赤外線LEDなどを含んでもよい。
【0049】
通信ネットワークインターフェース812は通信ネットワーク(例えば、通信ネットワーク816)及びデータ処理システム820の外部の装置へのインターフェースを提供する。通信ネットワークインターフェース812は他のシステムとの間でデータを送受信するためのインターフェースとして働いてもよい。通信ネットワークインターフェース812の実施形態はEthernet(登録商標)インターフェース、モデム(電話、衛星、ケーブル、ISDN)、(非同期)デジタル加入者回線(DSL)、FireWire(登録商標)、USB、無線通信インターフェース、例えばBlueTooth(登録商標)又はWiFi(登録商標)、近距離通信無線インターフェース、セルラーインターフェースなどを含んでもよい。
【0050】
通信ネットワークインターフェース812はアンテナ、又はケーブルなどを介して通信ネットワーク816に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、通信ネットワークインターフェース812はデータ処理システム820の回路基板上に物理的に一体化されるか又は、幾つかの場合、「ソフトモデム」などのソフトウェア又はファームウェアで実現されてもよい。
【0051】
計算装置800はHTTP、TCP/IP、RTP/RTSP、IPX、UDPなどのプロトコルを使用してネットワークを通じた通信を可能にする論理を含んでもよい。
【0052】
揮発性メモリ810及び不揮発性メモリ814は、本書で説明したプロセスの様々な実施形態を実行するためにコンピュータ読取可能データ及び命令群を記憶するように構成された有形の媒体の例である。他の種類の有形媒体は取り外し可能メモリ(例えば、着脱可能USBメモリ装置、携帯装置SIMカード)、CD‐ROM、DVDなどの光学記憶媒体、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、持続性読み出し専用メモリ(ROM)、バッテリーバックアップされた揮発性メモリ、ネットワーク記憶装置などを含む。揮発性メモリ810及び不揮発性メモリ814は、開示されたプロセス及び本発明の範囲内に入るそれらの他の実施形態の機能を提供する基本プログラミング及びデータ構造を記憶するように構成されてもよい。
【0053】
本発明の実施形態を実現する論理822は揮発性メモリ810及び/又は不揮発性メモリ814に記憶されてよい。前記論理822は揮発性メモリ810及び/又は不揮発性メモリ814から読み出されプロセッサ804により実行されてよい。揮発性メモリ810及び不揮発性メモリ814はまた、論理822により使用されるデータを記憶するためのリポジトリを提供してもよい。
【0054】
揮発性メモリ810及び不揮発性メモリ814は、プログラム実行の間、命令群及びデータを記憶するための主ランダムアクセスメモリ(RAM)及び読み出し専用持続性命令群が記憶される読み出し専用メモリ(ROM)を含む複数のメモリを含んでもよい。揮発性メモリ810及び不揮発性メモリ814は、プログラム及びデータファイルの持続性(不揮発性)記憶を提供するファイル記憶サブシステムを含んでもよい。揮発性メモリ810及び不揮発性メモリ814は、取り外し可能フラッシュメモリなどの取り外し可能記憶システムを含んでもよい。
【0055】
バスサブシステム818はデータ処理システム820の様々な部品及びサブシステムが適宜互いに通信するのを可能にするための機構を提供する。通信ネットワークインターフェース812は概略的に単一バスとして描かれているが、バスサブシステム818の幾つかの実施形態は複数の異なるバスを利用してもよい。
【0056】
計算装置800はスマートフォン、卓上コンピュータ、ラップトップコンピュータ、ラック搭載コンピュータシステム、コンピュータサーバー、又はタブレットコンピュータ装置などの装置であってよいことは当業者には容易に明白であろう。当技術で一般に知られているように、計算装置800は複数のネットワーク計算装置の集合として実現されてもよい。また、計算装置800はそのタイプ及び性質は当技術で周知のオペレーティングシステム論理(不図示)を通常含むであろう。
【0057】
用語及び解釈
本明細書で使用する用語は関連する技術でのそれらの通常の意味又は文脈でのそれらの使用により示される意味を与えられるべきであるが、明確な定義が提供されれば、その意味が適用される。
【0058】
この文脈では「回路」は、少なくとも1つの個別電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムにより構成される汎用計算装置(例えば、少なくとも部分的に本書に記載のプロセス又は装置を実行するコンピュータプログラムにより構成される汎用コンピュータ、又は少なくとも部分的に本書に記載のプロセス又は装置を実行するコンピュータプログラムにより構成されるマイクロプロセッサ)を形成する回路、メモリ装置(例えば、複数の形態のランダムアクセスメモリ)を形成する回路、又は通信装置(例えば、モデム、通信スイッチ、又は光学電気機器)を形成する回路を指す。
【0059】
この文脈では「ファームウェア」は、読み出し専用メモリ又は媒体に記憶されたプロセッサ実行可能命令群として具現化されたソフトウェア論理を指す。
【0060】
この文脈では「ハードウェア」は、アナログ又はデジタル回路として具現化された論理を指す。
【0061】
この文脈では「論理」は、マシンメモリ回路、持続性マシン読み出し可能媒体、及び/又はその材料及び/又は材料エネルギー構成により制御及び/又は手順信号、及び/又は設定及び値(例えば、抵抗、インピーダンス、容量、インダクタンス、定格電流/電圧など)を含み装置の動作に影響するように適用されてよい回路を指す。磁気媒体、電子回路、電気及び光学メモリ(揮発性と不揮発性両方)、及びプロセッサ実行可能命令群で構成されたファームウェアは論理の例である。論理は具体的には純粋な信号又はソフトウェア自体を除外する(しかし、ソフトウェアを含みそれにより物体構成を形成するマシンメモリを除外しない)。
【0062】
この文脈では「ソフトウェア」は、マシンメモリ(例えば、リード/ライト揮発性又は不揮発性メモリ又は媒体)内のプロセッサ実行可能命令群として実現された論理を指す。
【0063】
本明細書では、「1つの実施形態」への言及は必ずしも同じ実施形態を指さないが、指す場合もある。文脈がそうでないと明らかに指示しない限り、説明及び請求項全体を通して、英単語「comprise」、「comprising」などは、排他的又は網羅的な意味ではなく、包含的な意味に、即ち、「これらに限定されないが~を含む」の意味で解釈されるべきである。単数又は複数を使用する英単語はまた、明らかに単一の物又は複数の物に限定されない限り、それぞれ単数又は複数を含む。また、「本書に」、「上記の」、「下記の」、及び同様の意味の言葉は、本開示で使用される時、本開示全体を指し、本開示のどんな特定部分も指さない。請求項が2つ以上の項目のリストを参照するのに英単語「or」を使用する時、その英単語はその英単語の次の解釈、そのリスト内の項目のいずれか、そのリスト内の項目の全て、そのリスト内の項目の任意の組合せ、の全てを包含する(明らかにどれか1つに限定されない限り)。本書に明らかに定義されていないどんな用語も当業者により通常理解されるそれらの従来の意味を有する。
【符号の説明】
【0064】
100 信号分類及び説明システム
102 外部システム
104 複雑なシステム
106 信号データリポジトリ
108 監視ディスプレイ
110 信号データ処理システム
112 特徴特定論理
114 クラスタ化論理
116 ベクトル分類論理
118 信号受信論理
120 信号データモデル保守論理
122 状態報告論理
124 時系列信号
126 原因分析論理
502 システムモデルデータ
504、510、512 説明点
506 第1特徴軸投影
508 第2特徴軸投影
514 第1特徴近傍
516 第2特徴近傍
【手続補正書】
【提出日】2022-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサー信号からマシンシステムの状態を説明する方法であって、
所定の時間範囲の間の複数の信号の各々からの第1の時系列信号を表す少なくとも1つの特徴ベクトル含むラベル付き点を受信するステップであって、各特徴ベクトルは1つ以上の信号特徴に対応する要素を含み、前記ラベル付き点は前記マシンシステムの複数の状態のうちの第1の状態を表す第1のラベルを有し、前記複数の信号の各々は対応する信号投影部分空間を有する、ステップと、
前記ラベル付き点を各信号投影部分空間内に投影するステップであって、前記複数の信号の各々について前記対応する信号投影部分空間における信号から、前記第1の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルを評価するステップを含む、ステップと、
モデルにおける複数のモデル状態点の各々を前記各信号投影部分空間内に投影するステップであって、前記複数のモデル状態点の各々は前記複数の時系列信号の各々からの第2の時系列信号を表す少なくとも1つの特徴ベクトル含み、前記各特徴ベクトルは1つ以上の信号特徴に対応する要素を含み、前記モデル状態点は前記マシンシステムの前記複数の状態の1つを表す第2のラベルを有し、前記対応する信号投影部分空間における信号から、前記第2の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルを評価するステップを含む、ステップと、
前記ラベル付き点の分析近傍を前記信号投影部分空間内の前記ラベル付き点に最も近い、設定された数のモデル状態点に制限するステップと、
前記第1の状態への前記複数の信号の各々の寄与を、前記対応する信号投影部分空間について前記分析近傍に基づき計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップと、
前記マシンシステムの動作を前記リストに基づいて適合させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップは、前記信号投影部分空間の各々について、前記分析近傍内のモデル状態点の前記設定された数から、前記分析近傍内の前記ラベル付き点と同じラベルを有する前記分析近傍内のモデル状態点の第1割合を計算するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップは、前記信号投影部分空間の各々について、前記複数のモデル状態点から、前記ラベル付き点と同じラベルを有する前記モデル内のモデル状態点の第2割合を計算するステップを含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップは、
前記第1割合が前記第2割合以下のとき、前記信号の寄与を(第1割合/第2割合)-1に設定し、
前記第1割合が前記第2割合より大きいとき、前記信号の寄与を(第1の割合-第2の割合)/(1-第2の割合)に設定するステップを含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記ラベル付き点を各信号投影部分空間内に投影するステップは、前記信号投影部分空間の1つ以上の特徴軸に沿って前記第1の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルを評価するステップを含み、
前記モデルにおける複数のモデル状態点の各々を前記各信号投影部分空間内に投影するステップは、前記1つ以上の特徴軸に沿って前記第2の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルを評価するステップを含み、
前記計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップは、前記1以上の特長軸の各特長軸における前記第1の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルおよび前記第2の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルの特徴要素を比較して、前記信号投影部分空間における前記ラベル付き点と前記モデル状態点との距離を計算するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記制限するステップは、前記モデル状態点を前記信号投影部分空間における前記ラベル付き点からの距離により並べ、および前記分析近傍を最も近い距離を持つ複数のモデル状態点に限定することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
信号の前記順に並べたリスト内のより高い信号が、前記ラベル付き点に関連付けられた前記第1の状態についてより可能性の高い寄与であることを示すことを表示させるステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記適合させるステップは、故障している部品を修理するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
1以上の持続性コンピュータ読取可能記憶媒体であって、プロセッサにより実行されると、1つ以上のプロセッサに、センサー信号からマシンシステムの状態を説明する方法を実行させる命令群を含み、前記方法は、
所定の時間範囲の間の複数の信号の各々からの第1の時系列信号を表す少なくとも1つの特徴ベクトル含むラベル付き点を受信するステップであって、各特徴ベクトルは1つ以上の信号特徴に対応する要素を含み、前記ラベル付き点は前記マシンシステムの複数の状態のうちの第1の状態を表す第1のラベルを有し、前記複数の信号の各々は対応する信号投影部分空間を有する、ステップと、
前記ラベル付き点を各信号投影部分空間内に投影するステップであって、前記複数の信号の各々について前記対応する信号投影部分空間における信号から、前記第1の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルを評価するステップを含む、ステップと、
モデルにおける複数のモデル状態点の各々を前記各信号投影部分空間内に投影するステップであって、前記複数のモデル状態点の各々は前記複数の時系列信号の各々からの第2の時系列信号を表す少なくとも1つの特徴ベクトル含み、前記各特徴ベクトルは1つ以上の信号特徴に対応する要素を含み、前記モデル状態点は前記マシンシステムの前記複数の状態の1つを表す第2のラベルを有し、前記対応する信号投影部分空間における信号から、前記第2の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルを評価するステップを含む、ステップと、
前記ラベル付き点の分析近傍を前記信号投影部分空間内の前記ラベル付き点に最も近い、設定された数のモデル状態点に制限するステップと、
前記第1の状態への前記複数の信号の各々の寄与を、前記対応する信号投影部分空間について前記分析近傍に基づき計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップと、
前記マシンシステムの動作を前記リストに基づいて適合させるステップと
を含む、コンピュータ読取可能記憶媒体。
【請求項10】
前記計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップは、前記信号投影部分空間の各々について、前記分析近傍内のモデル状態点の前記設定された数から、前記分析近傍内の前記ラベル付き点と同じラベルを有する前記分析近傍内のモデル状態点の第1割合を計算するステップを含む、請求項9記載のコンピュータ読取可能記憶媒体。
【請求項11】
前記計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップは、前記信号投影部分空間の各々について、前記複数のモデル状態点から、前記ラベル付き点と同じラベルを有する前記モデル内のモデル状態点の第2割合を計算するステップを含む、請求項10記載のコンピュータ読取可能記憶媒体。
【請求項12】
前記計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップは、
前記第1割合が前記第2割合以下のとき、前記信号の寄与を(第1割合/第2割合)-1に設定し、
前記第1割合が前記第2割合より大きいとき、前記信号の寄与を(第1の割合-第2の割合)/(1-第2の割合)に設定するステップを含む、請求項11記載のコンピュータ読取可能記憶媒体。
【請求項13】
前記ラベル付き点を各信号投影部分空間内に投影するステップは、前記信号投影部分空間の1つ以上の特徴軸に沿って前記第1の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルを評価するステップを含み、
前記モデルにおける複数のモデル状態点の各々を前記各信号投影部分空間内に投影するステップは、前記1つ以上の特徴軸に沿って前記第2の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルを評価するステップを含み、
前記計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップは、前記1以上の特長軸の各特長軸における前記第1の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルおよび前記第2の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルの特徴要素を比較して、前記信号投影部分空間における前記ラベル付き点と前記モデル状態点との距離を計算するステップを含む、請求項9記載のコンピュータ読取可能記憶媒体。
【請求項14】
前記制限するステップは、前記モデル状態点を前記信号投影部分空間における前記ラベル付き点からの距離により並べ、および前記分析近傍を最も近い距離を持つ複数のモデル状態点に限定することを含む、請求項9記載のコンピュータ読取可能記憶媒体。
【請求項15】
信号の前記順に並べたリスト内のより高い信号が、前記ラベル付き点に関連付けられた前記第1の状態についてより可能性の高い寄与であることを示すことを表示させるステップをさらに含む、請求項9記載のコンピュータ読取可能記憶媒体。
【請求項16】
前記適合させるステップは、故障している部品を修理するステップを含む、請求項9記載のコンピュータ読取可能記憶媒体。
【請求項17】
センサー信号からマシンシステムの状態を説明するシステムであって、
メモリと、
前記メモリに結合し、
所定の時間範囲の間の複数の信号の各々からの第1の時系列信号を表す少なくとも1つの特徴ベクトル含むラベル付き点を受信するステップであって、各特徴ベクトルは1つ以上の信号特徴に対応する要素を含み、前記ラベル付き点は前記マシンシステムの複数の状態のうちの第1の状態を表す第1のラベルを有し、前記複数の信号の各々は対応する信号投影部分空間を有する、ステップと、
前記ラベル付き点を各信号投影部分空間内に投影するステップであって、前記複数の信号の各々について前記対応する信号投影部分空間における信号から、前記第1の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルを評価するステップを含む、ステップと、
モデルにおける複数のモデル状態点の各々を前記各信号投影部分空間内に投影するステップであって、前記複数のモデル状態点の各々は前記複数の時系列信号の各々からの第2の時系列信号を表す少なくとも1つの特徴ベクトル含み、前記各特徴ベクトルは1つ以上の信号特徴に対応する要素を含み、前記モデル状態点は前記マシンシステムの前記複数の状態の1つを表す第2のラベルを有し、前記対応する信号投影部分空間における信号から、前記第2の時系列信号に関連付けられた少なくとも1つの特徴ベクトルを評価するステップを含む、ステップと、
前記ラベル付き点の分析近傍を前記信号投影部分空間内の前記ラベル付き点に最も近い、設定された数のモデル状態点に制限するステップと、
前記第1の状態への前記複数の信号の各々の寄与を、前記対応する信号投影部分空間について前記分析近傍に基づき計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップと、
前記マシンシステムの動作を前記リストに基づいて適合させるステップと
を実行させるよう構成された1つ以上のプロセッサと
を含む、システム。
【請求項18】
前記計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップは、前記信号投影部分空間の各々について、前記分析近傍内のモデル状態点の前記設定された数から、前記分析近傍内の前記ラベル付き点と同じラベルを有する前記分析近傍内のモデル状態点の第1割合を計算するステップを含む、請求項15記載のシステム。
【請求項19】
前記計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップは、前記信号投影部分空間の各々について、前記複数のモデル状態点から、前記ラベル付き点と同じラベルを有する前記モデル内のモデル状態点の第2割合を計算するステップを含む、請求項16記載のシステム。
【請求項20】
前記計算し、信号及び寄与のリストを形成するステップは、
前記第1割合が前記第2割合以下のとき、前記信号の寄与を(第1割合/第2割合)-1に設定し、
前記第1割合が前記第2割合より大きいとき、前記信号の寄与を(第1の割合-第2の割合)/(1-第2の割合)に設定するステップを含む、請求項17記載のシステム。