IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ Nodesk株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-データ入力システム、及び表示装置 図1
  • 特開-データ入力システム、及び表示装置 図2
  • 特開-データ入力システム、及び表示装置 図3
  • 特開-データ入力システム、及び表示装置 図4
  • 特開-データ入力システム、及び表示装置 図5A
  • 特開-データ入力システム、及び表示装置 図5B
  • 特開-データ入力システム、及び表示装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177328
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】データ入力システム、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20221124BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20221124BHJP
   G06F 3/023 20060101ALI20221124BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20221124BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/0488
G06F3/023 460
G09G5/00 550C
G09G5/00 550X
G09G5/00 530H
G09G5/36 530Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019166282
(22)【出願日】2019-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】519331936
【氏名又は名称】Nodesk株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】阿品 翔悟
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 拓也
【テーマコード(参考)】
5B020
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5B020AA02
5B020AA03
5B020BB02
5B020CC06
5B020CC11
5B020DD04
5B020DD24
5B020DD29
5B020FF17
5B020FF53
5B020GG05
5C182AA02
5C182AA03
5C182AA31
5C182AB08
5C182AB34
5C182AB35
5C182AC02
5C182AC39
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA66
5C182BA75
5C182BC25
5C182BC26
5C182CA32
5C182CB13
5C182CB14
5C182DA18
5E555AA13
5E555AA22
5E555BA04
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA82
5E555BB04
5E555BC17
5E555BC19
5E555BE17
5E555CA12
5E555CA17
5E555CB14
5E555CB16
5E555CB19
5E555CB20
5E555CB44
5E555CB55
5E555CC19
5E555DA08
5E555DB12
5E555DB25
5E555DB41
5E555DC11
5E555DC26
5E555DC27
5E555DC31
5E555DC35
5E555DD01
5E555EA07
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】操作性を向上させたデータ入力システムを提供する。
【解決手段】データ入力システム1は、複数のデータに含まれる少なくとも1つのデータを含むデータグループの各々を、第1操作に対応付け、且つ、データグループに含まれる少なくとも1つのデータの各々を第2操作に対応付けて記憶する記憶部と、第1操作と第2操作を検知する検知部と、検知された第1操作に基づいてデータグループを特定し、検知された第2操作及び特定したデータグループに基づいて特定したデータを入力データとして判別する判別部と、データグループに含まれる少なくとも1つのデータの各々に対応するオブジェクトを含むオブジェクトグループを、第1基準位置に対して第1操作が指定する方向に配置されるように表示し、且つ、オブジェクトグループに含まれるオブジェクトの各々を、第2基準位置に対して第2操作が指定する方向に配置されるように表示する表示制御部とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータの各々に対応する複数のオブジェクトの表示を制御する表示制御部と、
操作を検知する検知部と、
前記複数のデータの各々を記憶する記憶部を参照して、前記検知部が検知した操作に基づいて、前記複数のデータから入力データを判別する判別部と、
を備えるデータ入力システムであって、
前記記憶部は、前記複数のデータに含まれる少なくとも1つのデータを含むデータグループの各々を第1操作に対応付け、且つ前記データグループに含まれる前記少なくとも1つのデータの各々を第2操作に対応付けて、記憶し、
前記判別部は、前記記憶部を参照して、前記検知部が検知した前記第1操作に基づいて前記データグループを特定し、且つ前記検知部が検知した前記第2操作及び前記特定した前記データグループに基づいて前記データを特定することにより、特定された前記データを入力データとして判別し、
前記表示制御部は、
前記データグループに含まれる前記少なくとも1つのデータの各々に対応するオブジェクトを含むオブジェクトグループを、第1基準位置に対して前記第1操作が指定する方向に配置されるように表示し、且つ、
前記オブジェクトグループに含まれる前記オブジェクトの各々を、第2基準位置に対して前記第2操作が指定する方向に配置されるように表示する、データ入力システム。
【請求項2】
前記判別部は、前記データグループが特定されていない場合、前記検知部が検知した操作を前記第1操作とみなして前記データグループを特定し、前記データグループが特定されている場合、前記検知部が検知した操作を前記第2操作とみなして前記データを特定する、請求項1に記載のデータ入力システム。
【請求項3】
前記判別部は、特定された前記データグループが含む前記データが1つである場合、当該1つの前記データを前記入力データとして判別する、請求項1又は2に記載のデータ入力システム。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記判別部が前記データグループを特定した場合、特定された前記データグループに対応する前記オブジェクトグループを強調表示する、請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ入力システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記判別部が前記データを特定した場合、特定された前記データに対応する前記オブジェクトを強調表示する、請求項1から4のいずれか一項に記載のデータ入力システム。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記判別部が特定した前記データが、入力データの種別を指定するための種別データである場合、前記オブジェクトを前記種別データが指定する種別に基づいて変更する、請求項1から5のいずれか一項に記載のデータ入力システム。
【請求項7】
複数のデータの各々に対応する複数のオブジェクトの表示を制御する表示制御部と、
操作を示す操作情報を取得する取得部と、
を備える表示装置であって、
前記表示制御部は、
前記複数のデータの各々に対応するオブジェクトを含むオブジェクトグループを、第1基準位置に対して第1操作情報が指定する方向に配置されるように表示し、且つ、
前記オブジェクトグループに含まれる前記オブジェクトの各々を、第2基準位置に対して第2操作情報が指定する方向に配置されるように表示する、表示装置。
【請求項8】
操作を検知する検知部と、
前記検知部が検知した前記操作に基づいて、前記複数のデータから入力データを判別する判別部と、
を備えるデータ入力システムであって、
前記判別部は、前記複数のデータに含まれる各データを第1操作及び第2操作に対応付けて記憶する記憶部を参照して、前記検知部が検知した第1操作及び第2操作に基づいて前記データを特定することにより、特定された前記データを前記入力データとして判別する、データ入力システム。
【請求項9】
操作を検知する検知部と、
前記複数のデータの各々を記憶する記憶部を参照して、前記検知部が検知した操作に基づいて、前記複数のデータから入力データを判別する判別部と、
を備えるデータ入力システムであって、
前記記憶部は、前記複数のデータに含まれる少なくとも1つのデータを含むデータグループの各々を第1操作に対応付け、且つ前記データグループに含まれる前記少なくとも1つのデータの各々を第2操作に対応付けて、記憶し、
前記判別部は、前記記憶部を参照して、前記検知部が検知した前記第1操作に基づいて前記データグループを特定し、前記検知部が検知した前記第2操作及び前記特定した前記データグループに基づいて前記データを特定することにより、特定された前記データを入力データとして判別する、データ入力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ入力システム、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)に拡張現実(augmented reality:AR)や仮想現実(virtual reality:VR)等の映像を投影して、3次元(3D)没入型環境を生成する技術が普及してきている。
【0003】
ユーザは、3D没入型環境等を得るためにHMDを装着すると、手元の視認性が損なわれ、文字入力を行うことが困難となる場合がある。この点につき、例えば特許文献1には、ユーザがペン型デバイス等を用いて行った手書き動作の移動軌跡を検出することによる空間手書き入力システムが記載されている。また、例えば特許文献2には、ユーザの指に装着される複数のリングと、リングの動きを画像認識するデジタルカメラを搭載したヘッドマウントディスプレイとを用いたハンドジェスチャーの認識方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-110249号公報
【特許文献2】特開2010-267220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば特許文献1のような手書き方式の場合、手書き文字が正しく認識されるように正確なストロークが要求される。また、例えば特許文献2のように指等の複数の異なる箇所の動きを検知することによる入力方式では、操作方法が複雑になってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、操作性を向上させたデータ入力システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るデータ入力システムは、複数のデータの各々に対応する複数のオブジェクトの表示を制御する表示制御部と、操作を検知する検知部と、複数のデータの各々を記憶する記憶部を参照して、検知部が検知した操作に基づいて、複数のデータから入力データを判別する判別部と、を備えるデータ入力システムであって、記憶部は、複数のデータに含まれる少なくとも1つのデータを含むデータグループの各々を、第1操作に対応付け、且つデータグループに含まれる少なくとも1つのデータの各々を第2操作に対応付けて、記憶し、判別部は、記憶部を参照して、検知部が検知した第1操作に基づいてデータグループを特定し、検知部が検知した第2操作及び特定したデータグループに基づいてデータを特定することにより、特定されたデータを入力データとして判別し、表示制御部は、データグループに含まれる少なくとも1つのデータの各々に対応するオブジェクトを含むオブジェクトグループを、第1基準位置に対して第1操作が指定する方向に配置されるように表示し、且つ、オブジェクトグループに含まれるオブジェクトの各々を、第2基準位置に対して第2操作が指定する方向に配置されるように表示する。
【0008】
この態様によれば、ユーザは、第1基準位置に対して所望のオブジェクトグループが配置された方向に第1操作を行うことにより所望のデータグループを指定することが可能となり、また、第2基準位置に対して所望のオブジェクトが配置された方向に第2操作を行うことにより所望のデータを指定することが可能となる。そのため、データ入力システムにおける操作性が向上する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、操作性を向上させたデータ入力システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るデータ入力システム1の概要について説明するための模式図である。
図2】本実施形態に係るデータ入力システム1の概要について説明するための他の模式図である。
図3】本実施形態に係るデータ入力システム1の概略構成の一例を示す図である。
図4】データテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図5A】ガイドの表示態様の一例を示す図である。
図5B】オブジェクトグループの表示態様の一例を示す図である。
図6】本実施形態に係るデータ入力システム1による動作フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0012】
(1)構成
(1-1)データ入力システム1
図1は、本実施形態に係るデータ入力システム1の概要を説明するための模式図である。図2は、本実施形態に係るデータ入力システム1の概要を説明するための他の模式図である。
【0013】
本実施形態に係るデータ入力システム1は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)装置10を装着したユーザが、ハンドヘルド(HH)装置20に対して行った操作に基づいて、文字等のデータを入力するシステムである。HMD装置10と、HH装置20とは、後述するように、互いに通信可能に接続される。図2に示すとおり、HMD装置10の画像出力部13には、例えば、文字等のデータを入力するための入力フレームFと、入力データの候補となるデータに対応するオブジェクトが含まれるガイドGとが表示される。
【0014】
ユーザは、HH装置20を保持した上で、HH装置20の操作部23を、例えば指等で操作(タップ操作やスワイプ操作等)する。HH装置20はユーザの操作を検知し、検知された操作の態様を識別するための操作情報をHMD装置10に送信する。
【0015】
HMD装置10は、入力データの候補となる複数のデータを、所定のグループ(データグループ)に分けた上で、所定の操作に対応付けて記憶している。HMD装置10は、HH装置20から受信した操作情報に基づいて、当該操作情報が示す操作に対応付けられたデータグループ及びデータを特定することにより、入力データを判別する。判別された入力データは、入力処理によって、例えば入力フレームFに入力される。
【0016】
(1-2)HMD装置10
図3は、本実施形態に係るデータ入力システム1の機能構成の一例を示す図である。HMD装置10は、ユーザの頭部の周囲に画像出力部が配置されるようにユーザによって装着されるデバイスであれば、例えば、ヘルメット型、グラス型、ゴーグル型等の任意の形状であってよい。図3に示すとおり、HMD装置10は、例えば、通信部11と、記憶部12と、画像出力部13と、処理部15とを備える。
【0017】
通信部11は、HMD装置10を任意の通信ネットワークに接続するための通信インターフェース回路を有する。通信部11は、例えば、HH装置20等から受信したデータを処理部15に供給する。通信部11は、処理部15から供給されたデータをHH装置20等に送信する。
【0018】
記憶部12は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置及び光ディスク装置のうちの少なくとも一つを有する。記憶部12は、処理部15による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ(所定の処理に係る一時的なデータを含む)等を記憶する。特に、記憶部12は、データとして、入力データの候補となる複数のデータを管理するための少なくとも一のデータテーブルや、各データに対応するオブジェクトを含むガイドを表示するための少なくとも一の表示データを記憶する。各種プログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部12にインストールされてもよい。
【0019】
図4は、記憶部12が記憶するデータテーブルのデータ構造の一例を示す図である。記憶部12は、入力するデータの種別に応じて、複数のデータテーブルを記憶してもよい。図4に示すデータテーブルは、一例として、英文字等を入力するための英文字用データテーブルである。記憶部12は、この他に、仮名文字等を入力するための仮名文字用データテーブル、数字等を入力するための数字用データテーブル、記号等を入力するための記号用データテーブル等を記憶してもよい。
【0020】
図4に示すとおり、第1列は第1操作を、第2列は第2操作を、第3列はデータを、それぞれ示している。ここで、第1操作は、例えば、データグループが特定されていない場合に、HH装置20によって検知される操作である。また、第2操作は、例えば、データグループが特定されてる場合に、HH装置20によって検知される操作である。
【0021】
データテーブルに含まれるデータは、少なくとも1つのデータを含むデータグループに属する。データテーブルにおけるデータグループの編成方法は、特に限定されず、例えば、英文字であればアルファベット順、仮名文字であれば五十音順のように、所定の標準によって規定された文字の順序の近しいもの同士を同一のデータグループに含めるように、データグループを編成してもよい。或いは、各データの使用頻度(一人又は複数人のユーザの使用頻度等)の近しいデータ同士を同一のデータグループに含めるように、データグループを編成してもよい。また、ユーザが任意にデータグループを編成可能としてもよい。データテーブルにおいて、各データグループは第1操作に対応付けられる。図4に示す例では、例えば、第1操作が「上スワイプ操作」であるデータグループには、英文字a、b、c、d、e、f、g、h、及びiの文字データが属する。また、第1操作が「左スワイプ操作」であるデータグループには、英文字j、k、l、m、n、o、p、q、及びrの文字データが属する。また、第1操作が「右スワイプ操作」であるデータグループには、英文字s、t、u、v、w、x、y、及びzの文字データが属する。また、第1操作が「左下スワイプ操作」であるデータグループには、「Space」の機能を指定するためのデータ(機能データ)の1つのみが属する。また、第1操作が「下スワイプ操作」であるデータグループには、入力データの種別(仮名文字、英文字、数字、及び記号)を指定するためのデータ(種別データ)、方向(上、下、左、及び右)を指定するためのデータ(方向指定データ)、及び「Enter」のが属する。また、第1操作が「右下スワイプ操作」であるデータグループには、「Back space」の機能データの1つのみが属する。なお、データテーブルにおいて、ハイフン(「-」)が表記された箇所については、対応するデータは無いものとする。
【0022】
データテーブルにおいて、各データは第2操作に対応付けられる。図4に示す例では、第1操作が「上スワイプ操作」であるデータグループでは、英文字a、b、c、d、e、f、g、h、及びiのデータはそれぞれ、第2操作としての左上スワイプ操作、上スワイプ操作、右上スワイプ操作、左スワイプ操作、タップ操作、右スワイプ操作、左下スワイプ操作、下スワイプ操作、及び右下スワイプ操作のそれぞれに対応付けられる。また、第1操作が「左スワイプ操作」であるデータグループでは、英文字j、k、l、m、n、o、p、q、及びrの文字データはそれぞれ、第2操作としての左上スワイプ操作、上スワイプ操作、右上スワイプ操作、左スワイプ操作、タップ操作、右スワイプ操作、左下スワイプ操作、下スワイプ操作、及び右下スワイプ操作のそれぞれに対応付けられる。
【0023】
また、第1操作が「右スワイプ操作」であるデータグループでは、英文字s、t、u、v、w、x、y、及びzの文字データはそれぞれ、第2操作としての左上スワイプ操作、上スワイプ操作、右上スワイプ操作、左スワイプ操作、タップ操作、右スワイプ操作、左下スワイプ操作、及び下スワイプ操作のそれぞれに対応付けられる。また、第1操作が「左下スワイプ操作」であるデータグループは、データとして、「Space」の機能データの1つのみを含む。
【0024】
また、第1操作が「下スワイプ操作」であるデータグループでは、第2操作として、仮名文字の種別データは左上スワイプ操作に、上の方向指定データは上スワイプ操作に、英文字の種別データは右上スワイプ操作に、左の方向指定データは左スワイプ操作に、「Enter」の機能データはタップ操作に、右の方向指定データは右スワイプ操作に、数字の種別データは左下スワイプ操作に、下の方向指定データは下スワイプ操作に、記号の種別データは右下スワイプ操作に、それぞれ対応付けられる。また、第1操作が「右下スワイプ操作」であるデータグループは、データとして、「Back space」の機能データの1つのみを含む。
【0025】
図3に戻り、画像出力部13は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のディスプレイであって、処理部15等から供給された表示データに基づいて種々の画像(動画を含む)を表示することが可能である。画像出力部13は、光透過型であってもよいし、非光透過型であってもよい。
【0026】
音声出力部14は、例えば、スピーカであって、処理部15等から供給された音声データに基づいて種々の音声を出力することが可能である。
【0027】
処理部15は、例えば、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を含むCPUであって、HMD装置10の全体的な動作を統括的に制御する。処理部15は、HMD装置10の各種処理が記憶部12に記憶されているプログラム等に基づいて適切な手順で実行されるように、通信部11、画像出力部13、及び音声出力部14等の動作を制御する。処理部15は、記憶部12に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。
【0028】
処理部15は、例えば、ペアリング部151、表示制御部152、判別部153、入力処理部154等を含む。
【0029】
ペアリング部151は、例えば、WiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の任意の無線通信規格によるペアリング処理として、HMD装置10をHH装置20と通信可能な状態に設定する。
【0030】
表示制御部152は、記憶部12に記憶された表示データ等に基づいて、画像出力部13に種々の画像を表示させる。特に、表示制御部152は、画像出力部13における、オブジェクトを含む所定のガイドGの表示を制御する。
【0031】
図5A及び図5Bを用いて、表示制御部152が画像出力部13に表示するガイドGの態様について説明する。図5Aは、ガイドの表示態様の一例を示す図である。図5Aには、一例として、英文字等を入力するための英文字用ガイドGが表示されている。この他に、表示制御部152は、仮名文字等を入力するための仮名文字用ガイド、数字等を入力するための数字用ガイド、及び記号等を入力するための記号用ガイド等を画像出力部13に表示してもよい。
【0032】
ガイドGは、上述した入力データの候補となる複数のデータの各々(例えば、英文字「a」の文字データ)を識別するためのオブジェクト(図5Aに示す例では、英文字「a」が表記された略矩形のオブジェクト)を含む。各オブジェクトは、少なくとも1つのオブジェクトを含むオブジェクトグループに含まれる。オブジェクトグループの形状は特に限定されないが、略矩形、略円形、略多角形、不定形、第1基準位置を略中心とする略円に含まれる略扇形等の任意の形状であってよい。また、オブジェクトの形状は特に限定されないが、略矩形、略円形、略多角形、不定形、第2基準位置を略中心とする略円に含まれる略扇形等の任意の形状であってよい。また、オブジェクトには、当該オブジェクトに対応するデータを示す表記が付されていてもよい。
【0033】
図5Aに示すとおり、ガイドGでは、オブジェクトグループAD2、AD4、AD5、AD7、及びAD8が、第1基準位置P1に対して特定の方向(方向を持たない「0方向」の場合も含み得る)に配置される。ここで、上述したオブジェクトグループAD2、AD4、AD5、AD7、及びAD8それぞれの第1基準位置P1に対する「特定の方向」は、例えば、データテーブルにおいて、当該オブジェクトグループに対応するデータグループに対応付けられた「第1操作」が指定する方向と同一であってよい。
【0034】
例えば、オブジェクトグループAD2に対応するデータグループは、図4に示すデータテーブルにおいては、「第1操作」としての「上スワイプ操作」に対応付けられている。したがって、図5Aに示すとおり、オブジェクトグループAD2は、第1基準位置P1に対して、当該「上スワイプ操作」が指定する方向である「上」に配置される。同様にして、オブジェクトグループAD4、AD5、AD6、AD7、及びAD8はそれぞれ、第1基準位置P1に対して「左」、「右」、「左下」、「下」、「右下」のそれぞれに配置される。
【0035】
なお、第1基準位置P1は、ガイドGの内部であれば、特にその位置は限定されないが、例えば、ガイドGの略中心に位置してもよい。
【0036】
図4に示すデータテーブルには「第1操作」が「0方向」、「左上」、及び「右上」であるデータグループは含まれていないため、これに対応して図5Aにおいても、第1基準位置P1に対して「0方向」、「左上」、及び「右上」のそれぞれに配置された領域AD0、AD1、AD3には、オブジェクトグループは配置されていない。しかしながら、データテーブルの構成に応じて、当該領域AD0、AD1、AD3にオブジェクトグループを配置してもよい。
【0037】
次に、図5Bを用いて、オブジェクトグループにおけるオブジェクトの表示態様について説明する。図5Bは、オブジェクトグループAD2の表示態様の一例を示す図である。説明の便宜上、図5Bにおいて、「e」の文字データに対応するオブジェクトBD0には、「e」の文字を示していない。なお、他のオブジェクトグループAD4、AD5、AD7も、図5Bと同様の表示態様を有してもよい。
【0038】
図5Bに示すとおり、オブジェクトグループAD2では、オブジェクトBD0~BD8が、第2基準位置P2に対して特定の方向(方向を持たない「0方向」の場合も含み得る)に配置される。ここで、オブジェクトBD0~BD8それぞれの第2基準位置P2に対する「特定の方向」は、例えば、データテーブルにおいて、当該オブジェクトに対応するデータに対応付けられた「第2操作」が指定する方向と同一であってよい。
【0039】
例えば、オブジェクトBD1(aの文字データに対応するオブジェクト)に対応するデータ(aの文字データ)は、図4に示すデータテーブルにおいては、「第2操作」としての「左上スワイプ操作」に対応付けられている。したがって、図5Bに示すとおり、aの文字データに対応するオブジェクトBD1は、第2基準位置P2に対して、当該「左上スワイプ操作」が指定する方向である「左上」に配置される。同様にして、b、c、d、e、f、g、h、及びiそれぞれに対応するオブジェクトBD2、BD3、BD4、BD0、BD5、BD6、BD7、及びBD8はそれぞれ、第2基準位置P2に対して「上」、「右上」、「左」、「0方向」、「右」、「左下」、「下」、及び「右下」のそれぞれに配置される。
【0040】
以上のとおり、データ入力システム1では、入力データの候補となる複数のデータのそれぞれに対応付けられたオブジェクトを含むガイドGが表示される。そのため、ユーザは、HH装置20を視認することなくデータを入力することが可能となる。また、ガイドGにおいて、オブジェクトグループが第1基準位置に対して配置される方向は、データテーブルにおいてデータグループに対応付けられた第1操作の方向に一致している。更に、ガイドGにおいて、オブジェクトが第2基準位置に対して配置される方向は、データテーブルにおいてデータに対応付けられた第2操作の方向に一致している。したがって、ユーザは、ガイドGを視認することにより、データグループ及びデータを指定するための操作の方向を直感的に把握することが可能となる。また、データテーブルにおいて、データグループ及びデータは、方向を指定する操作に対応付けられている。そのため、HH装置20の操作部23に基準となる位置を設ける必要がなくなり、ユーザは操作部23が有する操作領域の任意の箇所に対して操作を行うことが可能となる。
【0041】
なお、第2基準位置P2は、オブジェクトグループの内部であれば、特にその位置は限定されないが、例えば、オブジェクトグループの略中心に位置してもよい。
【0042】
図3に戻り、判別部153は、記憶部12等に記憶されたデータテーブルを参照して、HH装置20から受信した操作情報に基づき、データテーブルに含まれるデータから入力データを判別する。判別部153は、例えば、第1操作に基づいてデータグループを特定し、第2操作及び特定されたデータグループに基づいてデータを特定する。
【0043】
判別部153は、例えば、データグループが特定されているか否かに応じて、HH装置20から受信する操作情報が、第1操作であるか第2操作であるかを区別した上で、データグループ又はデータを特定する。具体的には、判別部153は、データグループが特定されていない場合、HH装置20から受信する操作情報は第1操作を示すものとして、データグループを特定する。また、判別部153は、データグループが特定されている場合、操作情報HH装置20から受信する操作情報は第2操作を示すものとして、データを特定する。
【0044】
なお、判別部153は、操作情報によって特定されたデータグループが、データテーブルにおいてデータを1つのみ含む場合は、当該操作情報が当該1つのデータを入力データとして判別してもよい。
【0045】
入力処理部154は、判別部153等によって判別された入力データに基づいて、当該入力データの入力処理を実行する。
【0046】
(1-3)HH装置20
HH装置20は、ユーザが片手又は両手で操作可能であればどのようなデバイスであってもよく、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の情報処理装置であってよい。図3に示すとおり、HH装置20は、例えば、通信部21と、記憶部22と、操作部23と、処理部24と、を備える。
【0047】
通信部21は、HH装置20を任意の通信ネットワークに接続するための通信インターフェース回路を有する。通信部21は、例えば、HMD装置10等から受信したデータを処理部24に供給する。通信部21は、処理部24から供給されたデータをHMD装置10等に送信する。
【0048】
記憶部22は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置及び光ディスク装置のうちの少なくとも一つを有する。記憶部22は、処理部24による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ(所定の処理に係る一時的なデータを含む)等を記憶する。各種プログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部22にインストールされてもよい。
【0049】
操作部23は、ユーザによる操作を受付可能であり、例えば、タッチパネルやキーボタン等であってよい。操作部23は、例えば、タッチパネル等で構成される場合、ユーザの操作に応じて接触位置や強度を示す操作信号を発生させ、当該操作信号を処理部24に供給する。また、操作部23は、例えば、キーボタン等で構成される場合、押下されたキーボタン等に応じた操作信号を発生させ、当該操作信号を処理部24に供給する。また、操作部23は、HH装置20自体を動かす操作に応じた操作信号を発生させ、当該操作信号を処理部24に供給してもよい。
【0050】
処理部24は、例えば、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を含むCPUであって、HH装置20の全体的な動作を統括的に制御する。処理部24は、HH装置20の各種処理が記憶部22に記憶されているプログラム等に基づいて適切な手順で実行されるように、通信部21、及び操作部23等の動作を制御する。処理部24は、記憶部22に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。処理部24は、例えば、ペアリング部241、検知部242等を含む。
【0051】
ペアリング部241は、例えば、WiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の任意の無線通信規格によるペアリング処理として、HMD装置10をHH装置20と通信可能な状態に設定する。
【0052】
検知部242は、ユーザが操作部23に対して行った操作を検知し、HMD装置10に操作情報を送信する。具体的には、操作部23から供給された操作信号に基づいて、ユーザによる操作の態様を識別するための操作情報を生成した上で、当該操作情報を、通信部21を介してHMD装置10に送信する。操作情報は、例えば、当該操作が特定の方向を指定する操作であるか否かを示す情報や、当該操作が指定する特定の方向を示す情報を含んでもよい。特定の方向を指定しない操作(非方向指定操作)は、例えば、タッチパネル等におけるタップ操作、特定のキーボタン等の押下操作、HH装置20自体のシェイク操作等を含んでもよい。また、特定の方向を指定する操作(方向指定操作)は、例えば、タッチパネル等におけるスワイプ操作、特定のキーボタン等の押下操作、HH装置20自体の特定方向へのシェイク操作等を含んでもよい。
【0053】
(2)フロー
次に、図6を用いて、データ入力システム1によるデータ入力処理の動作フローの一例を説明する。当該動作フローは、HMD装置10の記憶部12に記憶されたプログラム及びHH装置20に記憶されたプログラムに基づいて、主にHMD装置10の処理部15及びHH装置20の処理部24により、HMD装置10及びHH装置20の各要素と協働して実行される。
【0054】
(S101)
まず、HMD装置10及びHH装置20は、ペアリング部151及びペアリング部241によって所定のプロトコルに沿った信号を送受信することにより、互いに通信可能な状態に設定するペアリング処理を実行する。当該ペアリング処理により、HH装置20の検知部242は、ユーザによる操作部23に対する操作を検知して当該操作の態様を示す操作情報を生成し、生成した操作情報をHMD装置10に送信可能な状態となる。
【0055】
(S102)
次に、HMD装置10の表示制御部152は、画像出力部13に、例えば図2に示した入力フレーム及びガイドを表示する。このとき、表示制御部152は、記憶部12に記憶された複数のガイドのうち、予め設定された種別のガイドを画像出力部13に表示する。ガイドの種別の設定は、ユーザが任意に設定可能としてもよい。
【0056】
(S103)
次に、HMD装置10の判別部153は、HH装置20から操作情報を受信したか否かを判定する。上述したとおり、ユーザがHH装置20の操作部23を操作すると、HH装置20の検知部242が当該操作の態様を示す操作情報を生成し、生成した操作情報をHMD装置10に送信する。HMD装置10の判別部153は、操作情報を受信していないと判定した場合(S103;No)、ステップS103を繰り返して、操作情報を受信するまで待機する。また、判別部153は、操作情報を受信したと判定した場合(S103;Yes)、処理はステップS104に進む。
【0057】
(S104)
判別部153は、データグループが特定されているか否かを判定する。データグループが特定されていると判定された場合(S104;Yes)、処理はステップS108に進む。データグループが特定されていないと判定された場合(S104;No)、処理はステップS105に進む。
【0058】
(S105)
データグループが特定されていないと判定された場合(S104;No)、判別部153は、データテーブルを参照し、受信した操作情報を第1操作とみなして、当該操作情報に基づいてデータグループを特定する。図4に示したデータテーブルの例では、例えば受信した操作情報が「上スワイプ操作」である場合は、データテーブルにおいて第1操作が「上スワイプ操作」であるデータグループ(英文字a、b、c、d、e、f、g、h、及びiの文字データが属するデータグループ)が特定される。
【0059】
(S106)
次に、表示制御部152は、データグループが特定された場合、フィードバック表示として、特定されたデータグループに対応するオブジェクトグループを、強調表示する。強調表示の態様は、特に限定されないが、当該オブジェクトグループに枠等のオブジェクトを付す態様、当該オブジェクトグループの色を他のオブジェクトと異なる色とする態様、当該オブジェクトグループのサイズを変更する(大きく又は小さくする)態様、当該オブジェクトグループを動かす態様、当該オブジェクトグループ以外の少なくとも1つのオブジェクトグループ乃至少なくとも1つのオブジェクトを消す態様等、任意の態様であってよい。なお、処理部15は、当該強調表示に合わせた音声を音声出力部14に出力させてもよい。
【0060】
(S107)
次に、判別部153は、データテーブルを参照して、特定されたデータグループが含むデータが1つのみであるか又は複数であるかを判定する。特定されたデータグループが含むデータが1つのみであると判定された場合は、処理はステップS108に進む。特定されたデータグループが含むデータが複数であると判定された場合は、処理はステップS103に進む。
【0061】
(S108)
判別部153は、データテーブルを参照して、受信した操作情報を第2操作とみなして、当該操作情報に基づいてデータを特定する。これにより、判別部153は、特定されたデータを入力データとして判別する。図4に示したデータテーブルの例では、上述したとおり第1操作が「上スワイプ操作」であったとすると、例えば本ステップS108において受信した操作情報が「左下スワイプ操作」である場合は、データテーブルにおいて第1操作が「上スワイプ操作」であるデータグループのうち第2操作が「左下スワイプ操作」である英文字「a」の文字データが特定される。そして、特定された英文字「a」の文字データが入力データとして判別される。
【0062】
(S109)
次に、表示制御部152は、データが特定された場合、フィードバック表示として、特定されたデータに対応するオブジェクトを、強調表示する。強調表示の態様は、特に限定されないが、当該オブジェクトに枠等のオブジェクトを付す態様、当該オブジェクトの色を他のオブジェクトと異なる色とする態様、当該オブジェクトのサイズを変更する(大きく又は小さくする)態様、当該オブジェクトを動かす態様、当該オブジェクト以外の少なくとも1つのオブジェクトの表示を消す態様等、任意の態様であってよい。なお、処理部15は、当該強調表示に合わせた音声を音声出力部14に出力させてもよい。
【0063】
(S110)
次に、入力処理部154は、特定された入力データに基づいて、入力処理を実行する。例えば、入力データが文字データである場合は、当該文字データが指定する文字を入力する処理を実行する。また、入力データが方向データである場合は、当該方向データが指定する方向を入力する処理を実行する。また、入力データが機能データである場合は、当該機能データが指定する機能を入力する処理を実行する。なお、入力データが種別データである場合は、判別部153は、入力データの判別に用いるデータテーブルを、当該種別データが指定するデータテーブルに変更する。以降は、データを入力するためのモードが終了するまで、ステップS103からステップS110が繰り返される。
【0064】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0065】
1…データ入力システム、10…HMD装置、11…通信部、12…記憶部、13…画像出力部、14…音声出力部、15…処理部、151…ペアリング部、152…表示制御部、153…判別部、154…入力処理部、20…HH装置、21…通信部、22…記憶部、23…操作部、24…処理部、241…ペアリング部、242…検知部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6