(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177330
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
H01S 5/042 20060101AFI20221124BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
H01S5/042 630
H05K1/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019173043
(22)【出願日】2019-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】ホアン ニャット タン
【テーマコード(参考)】
5E338
5F173
【Fターム(参考)】
5E338AA02
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB75
5E338CC01
5E338CC04
5E338CC06
5E338CD11
5E338CD32
5E338EE11
5F173SA17
5F173SE02
5F173SG09
5F173SJ13
5F173SJ16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】レーザダイオードの発光効率を向上させることができる駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置A1は、複数の電子部品と、回路基板とを備えている。複数の電子部品は、レーザダイオードLDに駆動電流を供給し、回路基板に実装されている。複数の電子部品は、スイッチング素子Q1と、複数のシャント抵抗R1と、コンデンサC1とを含む。スイッチング素子は、導通状態と遮断状態とが切り替わる。複数のシャント抵抗は、互いに並列に接続され、かつ、各々がレーザダイオードのアノードに直列に接続されている。コンデンサは、レーザダイオードのカソードとスイッチング素子との間に接続されている。複数のシャント抵抗は、x方向に並んでおり、x方向に隣り合う2つのシャント抵抗は、x方向における離間距離が複数のシャント抵抗のいずれかのx方向の寸法以上である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザダイオードに駆動電流を供給する複数の電子部品と、
前記複数の電子部品が実装された回路基板と、
を備えており、
前記複数の電子部品は、導通状態と遮断状態とが切り替わるスイッチング素子と、互い並列に接続され、かつ、各々が前記レーザダイオードのアノードに直列に接続された複数の抵抗器と、前記レーザダイオードのカソードと前記スイッチング素子との間に接続されたコンデンサとを含んでおり、
前記複数の抵抗器は、前記回路基板の厚さ方向に直交する第1方向に並んでおり、
前記複数の抵抗器のうち前記第1方向に隣り合う2つの抵抗器は、前記第1方向における離間距離が前記複数の抵抗器のいずれかの前記第1方向の寸法以上である、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記スイッチング素子は、第1端子、第2端子および第3端子を有するトランジスタであり、前記第3端子に入力される制御信号に応じて、前記導通状態と前記遮断状態とが切り替わる、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記複数の抵抗器のいずれかの各第1端は、前記レーザダイオードのアノードに接続され、
前記複数の抵抗器のいずれかの各第2端は、基準電位に接地され、
前記コンデンサの第1端は、前記レーザダイオードのカソードに接続され、
前記コンデンサの第2端は、前記スイッチング素子の前記第1端子に接続され、
前記スイッチング素子の前記第2端子は、前記基準電位に接地されている、
請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記複数の電子部品は、前記制御信号を生成するドライブ回路をさらに含んでおり、
前記ドライブ回路と前記スイッチング素子とは、前記第1方向に並んでいる、
請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記複数の電子部品は、前記ドライブ回路と前記第3端子との間に接続される電流値設定素子をさらに含んでおり、
前記電流値設定素子は、前記回路基板上において、前記ドライブ回路と前記スイッチング素子との間に配置されている、
請求項4に記載の駆動装置。
【請求項6】
電源電圧が供給される入力端子をさらに備えており、
前記コンデンサは、前記入力端子に接続され、前記スイッチング素子が前記遮断状態のときに、前記電源電圧が印加される、
請求項3ないし請求項5のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記回路基板は、前記厚さ方向に見て、前記隣り合う2つの抵抗器の間には、ランドパターンが形成されている、
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記複数の抵抗器によって抵抗器群が形成され、
前記コンデンサと前記抵抗器群とは、前記厚さ方向および前記第1方向に直交する第2方向に並んでいる、
請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記回路基板には、前記レーザダイオードを実装する実装領域を含み、
前記実装領域は、前記第1方向に見て、前記コンデンサと前記抵抗器群との間に位置しており、かつ、前記コンデンサと前記抵抗器群とにそれぞれ隣接する、
請求項8に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記実装領域には、前記レーザダイオードのアノードを接続するアノード接続部、および、前記レーザダイオードのカソードを接続するカソード接続部を含み、
前記アノード接続部と前記カソード接続部とは、前記厚さ方向に見て、前記第2方向に並んでいる、
請求項9に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記コンデンサと並列に接続され、かつ、前記抵抗器群と前記第2方向に並ぶ1以上の追加のコンデンサをさらに備えており、
前記コンデンサと前記追加のコンデンサとによって、コンデンサ群が形成されている、
請求項8ないし請求項10のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記スイッチング素子は、前記第2方向において、前記コンデンサ群よりも前記抵抗器群が位置する側と反対側に配置されており、かつ、前記コンデンサ群に隣接する、
請求項11に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記複数の抵抗器は、第1抵抗器および第2抵抗器を含んでおり、
前記第1抵抗器は、前記複数の抵抗器のうち前記第1方向の最も一方側に配置され、
前記第2抵抗器は、前記複数の抵抗器のうち前記第1方向の最も他方側に配置され、
前記コンデンサ群の前記第1方向の一方側の端縁は、前記第2方向に見て、前記第1抵抗器に重なり、前記コンデンサ群の前記第1方向の他方側の端縁は、前記第2方向に見て、前記第2抵抗器に重なる、
請求項11または請求項12に記載の駆動装置。
【請求項14】
前記複数の電子部品は、前記第1抵抗器および前記第2抵抗器と並列に接続された第3抵抗器をさらに含んでおり、
前記第3抵抗器は、前記第1方向において、前記第1抵抗器と前記第2抵抗器との間に配置されている、
請求項13に記載の駆動装置。
【請求項15】
前記回路基板は、前記厚さ方向に積層され、かつ、互いに絶縁された第1配線層および第2配線層を含んでおり、
前記第1配線層には、前記複数の電子部品が実装され、
前記第2配線層は、基準電位に接地されている、
請求項8ないし請求項14のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項16】
前記回路基板は、前記厚さ方向に見て、複数の貫通電極が集合した集合領域を含んでおり、
前記複数の貫通電極は、前記第1配線層と前記第2配線層との間に形成された絶縁層を貫通し、かつ、前記第1配線層と前記第2配線層とを導通させ、
前記集合領域は、前記第2方向において、前記抵抗器群よりも、前記コンデンサが位置する側と反対側に配置されている、
請求項15に記載の駆動装置。
【請求項17】
前記回路基板は、前記厚さ方向において、前記第2配線層よりも前記第1配線層と反対側に配置され、かつ、電源パターンが形成された第3配線層をさらに含んでいる、
請求項15または請求項16に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザダイオードの駆動制御を行う駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学ドライブの光ピックアップ、コピー機やプリンターなどのOA機器、光ファイバーを用いた通信機器、および、光学式測距装置などに、レーザダイオードが利用されている。レーザダイオードの駆動(発光)には、レーザダイオードに駆動電流を供給する駆動装置が用いられる。たとえば、特許文献1には、従来のレーザダイオードの駆動装置(駆動回路)が開示されている。特許文献1に記載の駆動装置においては、レーザダイオードに直列に接続された抵抗器を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
抵抗器がレーザダイオードに直列に接続されている駆動装置において、レーザダイオードに駆動電流が流れると、抵抗器にもこの駆動電流が流れる。このとき、抵抗器の寄生インダクタンスによって、レーザダイオードの駆動電流が低下する。特に、レーザダイオードを大電流・短パルスで駆動させるほど、寄生インダクタンスによる駆動電流の低下は顕著となる。故に、従来の駆動装置において、レーザダイオードを効率良く発光させる上で、未だ改善の余地があった。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みて考え出されたものであり、その目的は、レーザダイオードの発光効率を向上させることができる駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の駆動装置は、レーザダイオードに駆動電流を供給する複数の電子部品と、前記複数の電子部品が実装された回路基板と、を備えており、前記複数の電子部品は、導通状態と遮断状態とが切り替わるスイッチング素子と、互い並列に接続され、かつ、各々が前記レーザダイオードのアノードに直列に接続された複数の抵抗器と、前記レーザダイオードのカソードと前記スイッチング素子との間に接続されたコンデンサとを含んでおり、前記複数の抵抗器は、前記回路基板の厚さ方向に直交する第1方向に並んでおり、前記複数の抵抗器のうち前記第1方向に隣り合う2つの抵抗器は、前記第1方向における離間距離が前記複数の抵抗器のいずれかの前記第1方向の寸法以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の駆動装置によれば、レーザダイオードの発光効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】駆動装置のモジュール構成を示す平面図であり、部品レイアウトおよびランドパターンを示している。
【
図6】回路基板の配線層(第1層)を示す平面図である。
【
図7】回路基板の配線層(第2層)を示す平面図である。
【
図8】回路基板の配線層(第3層)を示す平面図である。
【
図9】回路基板の配線層(第4層)を示す平面図である。
【
図11】シャント抵抗に印加される電圧の時間変化を示した図である。
【
図12】変形例にかかる駆動装置を示す平面図(レイアウト図)である。
【
図14】変形例にかかる駆動装置を示す平面図(レイアウト図)である。
【
図16】変形例にかかる駆動装置を示す平面図(レイアウト図)である。
【
図18】変形例にかかる駆動装置を示す平面図(レイアウト図)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の駆動装置の好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。以下の説明において、同一あるいは類似の構成要素については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0010】
図1~
図10は、本実施形態にかかる駆動装置A1を示している。駆動装置A1は、レーザダイオードLDの駆動(レーザ光の照射)を制御する。駆動装置A1は、レーザダイオードLDに駆動電流を供給することで、レーザダイオードLDを発光させる。
【0011】
レーザダイオードLDは、いわゆるTO-Canパッケージ型のレーザモジュールに内蔵されていてもよいし、面実装型のレーザモジュールに内蔵されていてもよい。レーザモジュールのパッケージ構造は、これらに限定されない。TO-Canパッケージ型のレーザモジュールでは、レーザダイオードLDの他、フォトダイオードが内蔵されているものとするが、フォトダイオードが内蔵されていなくてもよい。TO-Canパッケージ型のレーザモジュールにおいては、3つのリード端子を備えており、レーザダイオードLDのアノードに導通するリード端子と、フォトダイオードのカソードに導通するリード端子と、レーザダイオードLDのカソードおよびフォトダイオードのアノードに導通するリード端子とがある。なお、フォトダイオードの接続(アノードとカソードとの接続)は反対であってもよい。TO-Canパッケージ型のレーザモジュールにおいては、リード端子の数が、3つではなく、2つであったり、4つであったりしてもよい。
【0012】
まず、駆動装置A1の回路構成例について、
図1を参照して、説明する。
図1は、駆動装置A1を示す回路構成図である。
図1に示すように、駆動装置A1は、その回路構成において、スイッチング素子Q1、複数のコンデンサC1、複数のシャント抵抗R1、帰還ダイオードD1、ドライブ回路DR、2つの抵抗器R2、パルス生成回路PG、複数のコネクタ端子T1~T3、接続端子T4、および、2つの電源部PS1,PS2を備えている。
図1においては、駆動装置A1によって駆動制御されるレーザダイオードLDを含めている。
【0013】
スイッチング素子Q1は、
図1に示すように、たとえばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)である。スイッチング素子Q1は、MOSFETに限定されず、その他のトランジスタであってもよい。スイッチング素子Q1は、半導体材料から構成される。当該半導体材料は、たとえばGaN(窒化ガリウム)である。当該半導体材料は、GaNに限定されず、Si(ケイ素)、SiC(炭化ケイ素)、GaAs(ヒ化ガリウム)、あるいは、Ga
2O
3(酸化ガリウム)などであってもよい。
【0014】
スイッチング素子Q1は、
図1に示すように、ドレインが各コンデンサC1に接続され、ソースが接地端GNDに接続され、ゲートがドライブ回路DRに接続されている。接地端GNDは、基準電位を与える。スイッチング素子Q1は、ドライブ回路DRからゲートに駆動信号が入力され、当該駆動信号に応じて、導通状態と遮断状態とが切り替わる。以下において、導通状態と遮断状態とが切り替わる動作を「スイッチング動作」という場合がある。導通状態は、ドレイン-ソース間に電流が流れる状態であり、遮断状態は、ドレイン-ソース間に電流が流れない状態である。駆動信号は、たとえばオン信号とオフ信号とが交互に切り替わるパルス波である。スイッチング素子Q1は、たとえば、駆動信号がオン信号の時に、導通状態となり、駆動信号がオフ信号の時に、遮断状態となる。スイッチング素子Q1の、ドレインが特許請求の範囲に記載の「第1端子」、ソースが特許請求の範囲に記載の「第2端子」、ゲートが特許請求の範囲に記載の「第3端子」に相当する。
【0015】
複数のコンデンサC1は、
図1に示すように、互いに並列に接続されている。各コンデンサC1は、第1端C11がレーザダイオードLDのカソードに接続され、第2端C12がスイッチング素子Q1のドレインに接続されている。また、各コンデンサC1の第1端C11は、帰還ダイオードD1のアノードにも接続されている。各コンデンサC1(第2端C12)は、電源部PS1に接続されており、電源部PS1から電源電圧VLDが印加される。本実施形態では、10個のコンデンサC1が並列接続された場合を説明するが、コンデンサC1の数は、これに限定されない。各コンデンサC1が、特許請求の範囲に記載の「コンデンサ」に相当する。
【0016】
複数のシャント抵抗R1は、
図1に示すように、互いに並列に接続されている。各シャント抵抗R1は、第1端R11が帰還ダイオードD1のカソードおよびレーザダイオードLDのアノードに接続され、第2端R12が接地端GNDに接続されている。本実施形態では、3つのシャント抵抗R1が並列接続された場合を説明するが、シャント抵抗R1の数は、これに限定されない。複数のシャント抵抗R1は、レーザダイオードLDの駆動電流をモニターするために接続されている。シャント抵抗R1によってモニターする電流値は、コネクタ端子T3から検出可能である。シャント抵抗R1が、特許請求の範囲に記載の「抵抗器」に相当する。
【0017】
帰還ダイオードD1は、
図1に示すように、アノードがレーザダイオードLDのカソードに接続され、カソードがレーザダイオードLDのアノードに接続されている。また、帰還ダイオードD1は、アノードが各コンデンサC1の第1端C11に接続され、カソードが各シャント抵抗R1の第1端R11に接続されている。帰還ダイオードD1は、
図1に示すように、アノードが各コンデンサC1の第1端C11とレーザダイオードLDのカソードとの接続点に接続されており、カソードが各シャント抵抗R1の第1端R11とレーザダイオードLDのアノードの接続点に接続されている。
図1に示す例示においては、帰還ダイオードD1として、PN接合のダイオード(たとえばファーストリカバリダイオード)を用いているが、ショットキーバリアダイオードを用いてもよい。
【0018】
パルス生成回路PGは、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を制御するためのパルス信号を生成する。パルス生成回路PGは、コネクタ端子T1から制御信号が入力され、当該制御信号に基づき、パルス信号を生成する。パルス生成回路PGは、生成したパルス信号をドライブ回路DRに出力する。本実施形態におけるパルス信号は、たとえば、周波数が10kHz、デューティ比が0.005%である矩形波である。また、このパルス信号は、パルス幅が5nsecであり、パルスの立上り時間が1nsecである。駆動装置A1においては、レーザダイオードLDを5nsec以下で駆動させるパルス信号が生成される。なお、上記パルス信号の各パラメータは一例であって、これに限定されない。
【0019】
ドライブ回路DRは、スイッチング素子Q1を駆動させる(スイッチング動作させる)ための駆動信号を生成する。ドライブ回路DRは、パルス生成回路PGからパルス信号が入力され、当該パルス信号に基づき、駆動信号を生成する。駆動信号は、たとえば、パルス信号をスイッチング素子Q1の駆動に必要な電圧まで昇圧した信号である。ドライブ回路DRは、ドライブIC9を含んでおり、駆動信号はこのドライブIC9により生成される。
【0020】
2つの抵抗器R2はそれぞれ、
図1に示すように、ドライブIC9とスイッチング素子Q1のゲートとの間に接続されている。ドライブICから出力される駆動信号は、いずれかの抵抗器R2を介して、スイッチング素子Q1のゲートに入力される。各抵抗器R2は、いわゆるゲート抵抗である。各抵抗器R2の抵抗値に応じて、スイッチング素子Q1に入力される電流値が設定される。また、各抵抗器R2は、スイッチング素子Q1のスイッチング速度を制御する。抵抗器R2が、特許請求の範囲に記載の「電流値設定素子」に相当する。
【0021】
コネクタ端子T1は、電源電圧VLDの入力端子である。コネクタ端子T1には、駆動装置A1の外部に設けられた直流電源(外部電源)が接続され、この外部電源から電源電圧VLDが供給される。電源電圧VLDは、レーザダイオードLDの駆動に利用され、たとえば3V以上100V以下である。また、コネクタ端子T1は、制御信号の入力端子でもある。コネクタ端子T1は、たとえばプラグ型の端子である。
【0022】
各コネクタ端子T2,T3は、たとえば同軸ケーブルが接続されうるジャック型の端子である。
【0023】
接続端子T4は、レーザモジュール(レーザダイオードLD)を接続するための端子である。
【0024】
電源部PS1は、
図1に示すように、コネクタ端子T1と複数のコンデンサC1との間に接続される。電源部PS1は、電解コンデンサC2、逆流防止ダイオードD3、リアクトルL1、2つの充電抵抗R3などを含んでいる。電解コンデンサC2は、いわゆるバイパスコンデンサであって、入力される電圧(電源電圧VLD)を安定させる。逆流防止ダイオードD3は、各コンデンサC1側から外部電源(コネクタ端子T1)側に電流が流れることを防止する。リアクトルL1は、入力される電圧を昇圧する。各充電抵抗R3は、外部電源(コネクタ端子T1)側から各コンデンサC1に向かう電流の電流量を調整する。これらは、適宜必要に応じて接続すればよい。
【0025】
電源部PS2は、動作電圧V1を発生させる。動作電圧V1は、主にパルス生成回路PGを構成する各電子部品の駆動に利用される。動作電圧V1は、たとえば3.3Vであるが、これに限定されない。
【0026】
その他、駆動装置A1は、その回路構成において、
図1に示すように、複数のテストポイントTP1~TP6および複数のグラウンドポイントGP1~GP4を備えている。各テストポイントTP1~TP6は、信号検出用の端子である。各グラウンドポイントGP1~GP4は、基準電位に接地される端子である。
【0027】
次に、駆動装置A1によるレーザダイオードLDの駆動制御(発光動作)について、
図2および
図3を参照して、説明する。
図2および
図3は、
図1に示す駆動装置A1の回路構成から、レーザダイオードLDの発光動作における主要な電子部品を抜粋した図である。
図2および
図3においては、複数のコンデンサC1および複数のシャント抵抗R1をそれぞれ1つずつ示している。また、
図2および
図3に示す直流電源は、
図1に示すコネクタ端子T1に接続された外部電源と、電源部PS1とに相当する。
図2は、スイッチング素子Q1が遮断状態であるときを示しており、
図3は、スイッチング素子Q1が導通状態であるときを示している。
【0028】
スイッチング素子Q1を遮断状態にすると、
図2に示すように、直流電源から各コンデンサC1に電流が流れる(破線で示す電流経路参照)。この電流により、各コンデンサC1の第2端C12に電荷がたまり、各コンデンサC1が充電される。このとき、直流電源の電源電圧がVLDとすると、各コンデンサC1の第2端C12の電位は、電源電圧VLDとなる。なお、各コンデンサC1が満充電になると、この電流は流れなくなる。スイッチング素子Q1が遮断状態のとき、レーザダイオードLDには電流が流れず、レーザダイオードLDは発光しない。
【0029】
一方、スイッチング素子Q1を導通状態にすると、
図3に示すように、スイッチング素子Q1を介して、各コンデンサC1の第2端C12が接地端GNDに導通する。これにより、各コンデンサC1に蓄積された電荷がスイッチング素子Q1に流れ込み、各コンデンサC1からスイッチング素子Q1を介して接地端GNDに電流が流れる。そして、接地端GNDから、各シャント抵抗R1を介して、レーザダイオードLDに順方向電流が流れ、レーザダイオードLDが発光する(破線で示す電流経路LP参照)。なお、各コンデンサC1が完全に放電されると、この電流が流れなくなり、レーザダイオードLDは発光しなくなる。
【0030】
次に、駆動装置A1のモジュール構成について、
図4~
図11を参照して説明する。説明の便宜上、
図4~
図11において、互いに直交する3つの方向を、x方向、y方向、z方向と定義する。z方向は、駆動装置A1の厚さ方向である。x方向は、駆動装置A1の平面図(
図4参照)における左右方向である。y方向は、駆動装置A1の平面図(
図4参照)における上下方向である。また、説明の便宜上、x方向の一方をx1方向、x方向の他方をx2方向とする。同様に、y方向の一方をy1方向、y方向の他方をy2方向、z方向の一方をz1方向、z方向の他方をz2方向とする。x方向が、特許請求の範囲に記載の「第1方向」に相当し、y方向が、特許請求の範囲に記載の「第2方向」に相当する。
【0031】
駆動装置A1は、そのモジュール構成において、回路基板10と、複数の電子部品と、複数の端子と、を備えている。複数の電子部品および複数の端子は、
図1に示す回路構成における複数の電子部品および複数の端子に対応しており、回路基板10に実装されている。
【0032】
図4は、回路基板10上の部品レイアウトおよびランドパターンを示している。
図4においては、複数の電子部品および複数の端子を想像線(二点鎖線)で示している。
図5は、
図4の一部を拡大した図であって、要部を抜き出している。
図4および
図5に示す例示では、駆動装置A1は、
図1に示す回路構成の接続端子T4として、2つのソケット端子T41,T42およびパッド端子T43を設けている。なお、接続端子T4として、2つのソケット端子T41,T42およびパッド端子T43のすべてを設ける必要はなく、いずれか1つを設けていればよい。
【0033】
まず、駆動装置A1のモジュール構成における回路基板10について、説明する。
【0034】
回路基板10は、
図4に示すように、平面視において、略矩形状である。回路基板10の厚さ方向は、z方向と一致する。回路基板10は、たとえば、x方向の寸法が70.0mmであり、y方向の寸法が45.0mmである。回路基板10の平面視寸法は、これに限定されず、適宜変更されうる。
【0035】
回路基板10は、たとえば積層基板であり、z方向において、互いに絶縁層を介して積層された複数の配線層Ly1~Ly4を含んでいる。
図6~
図9はそれぞれ、各配線層Ly1~Ly4を示す平面図である。
図6~
図9に示すように、配線層Ly1は配線パターン21で形成され、配線層Ly2は配線パターン22で形成され、配線層Ly3は配線パターン23で形成され、配線層Ly4は配線パターン24で形成されている。
図6~
図9において、各配線パターン21~24を黒色で塗りつぶしている。
【0036】
配線層Ly1は、回路基板10における第1層であり、最上層である。配線層Ly1上に、各電子部品が搭載される。配線層Ly1の上面には、たとえばはんだ層が形成されており、このはんだ層は、部分的にレジスト膜(図示略)で覆われている。このレジスト膜から露出したはんだ層が、
図4に示すランドパターンとなる。このランドパターンは、
図5に示すように、5つの抵抗用ランド20を含んでいる。5つの抵抗用ランド20はそれぞれ、各シャント抵抗R1が接合されうる。配線層Ly4は、回路基板10における第4層であり、最下層である。配線層Ly4の下面には、たとえば、はんだ層が形成されており、このはんだ層は、部分的にレジスト膜(図示略)で覆われている。各配線層Ly2,Ly3は、回路基板10における中間層である。配線層Ly2は、回路基板10における第2層であり、配線層Ly3は、回路基板10における第3層である。配線層Ly2は、z方向において、配線層Ly1と配線層Ly3とに挟まれており、配線層Ly3は、z方向において、配線層Ly2と配線層Ly4とに挟まれている。配線層Ly1が特許請求の範囲に記載の「第1配線層」に相当し、配線層Ly2が特許請求の範囲に記載の「第2配線層」に相当し、配線層Ly3が特許請求の範囲に記載の「第3配線層」に相当する。
【0037】
配線パターン22(配線層Ly2)は、基準電位に接地されるGND(グラウンド)パターンである。配線パターン22は、
図7に示すように、ベタパターンである。配線パターン23(配線層Ly3)は、電源パターンである。配線パターン23は、
図8に示すように、複数の領域に分割されており、各領域で印加される電圧の値が異なる。配線パターン24(配線層Ly4)は、主に、基準電位に接地されるGNDパターンである。ただし、配線パターン24の一部(
図9のパターン241)は、電源パターンである。
【0038】
回路基板10において、複数の配線層Ly1~Ly4の各厚さ(z方向寸法)は、たとえば115μm程度である。駆動装置A1と異なる駆動装置では、一般的に、配線層の厚さがたとえば350μmや700μmであるので、駆動装置A1における各配線層Ly1~Ly4の厚さは薄い。なお、複数の配線層Ly1~Ly4のうち、配線層Ly1のみ、厚さが115μm程度で、他の配線層Ly2~Ly4の厚さは、一般的な350μmや700μm程度であってもよい。
【0039】
図4に示すように、回路基板10には、複数の貫通電極30が形成されている。複数の貫通電極30は、回路基板10をz方向に貫通する。複数の配線層Ly1~Ly4(複数の配線パターン21~24)は、複数の貫通電極30によって互いに導通する。
図4においては、複数の貫通電極30の一部のみに符号を付けている。
【0040】
図4に示すように、回路基板10は、平面視において、複数の貫通電極30が密に配置された2つの集合領域AG1,AG2を含んでいる。各集合領域AG1,AG2に配置された各貫通電極30は、少なくとも配線層Ly1と配線層Ly2とを導通させ、配線層Ly3には導通していない。各集合領域AG1,AG2に配置された各貫通電極30は、さらに配線層Ly4に導通していてもよいし、配線層Ly4に導通していなくてもよい。ただし、配線層Ly4はGNDパターンであり、配線層Ly4に導通しているほうが好ましい。集合領域AG1は、シャント抵抗群R0よりもy2方向に位置し、シャント抵抗群R0に隣接する。集合領域AG2は、スイッチング素子Q1よりもy1方向に位置し、スイッチング素子Q1に隣接する。集合領域AG1が、特許請求の範囲に記載の「集合領域」に相当する。
【0041】
図4および
図6~
図9に示すように、回路基板10には、平面視における四隅にそれぞれ貫通孔HLが形成されている。各貫通孔HLは、回路基板10をz方向に貫通している。各貫通孔HLは、駆動装置A1を支持部材に固定するために設けられており、ボルトなどの締結具などが挿通されうる。各貫通孔HLは、平面視における中央が、回路基板10の四隅のそれぞれから、たとえばx方向に3.5mm、y方向に3.5mmの位置にそれぞれ重なるように配置されている。
【0042】
図4および
図5に示すように、回路基板10は、平面視において、2つの実装領域M1,M2を含んでいる。各実装領域M1,M2には、レーザモジュール(レーザダイオードLD)が実装されうる。本実施形態においては、各実装領域M1,M2には、各ソケット端子T41,T42が取り付けられており、各ソケット端子T41,T42を介して、TO-Canパッケージ型のレーザモジュールが実装される。
【0043】
図5に示すように、各実装領域M1,M2には、3つの端子接続部Ma,Mb,Mcを含んでいる。各端子接続部Ma,Mb,Mcは、TO-Canパッケージ型のレーザモジュールの各リード端子が接続される。端子接続部Maには、レーザダイオードLDのアノードに導通するリード端子が接続される。端子接続部Mbには、フォトダイオードのカソードに導通するリード端子が接続される。端子接続部Mcには、レーザダイオードLDのカソードおよびフォトダイオードのアノードに導通するリードが接続される。
図5に示す例示においては、実装領域M1の各端子接続部Ma,Mb,Mcと実装領域M2の各端子接続部Ma,Mb,Mcとは、平面視寸法が異なっているが、同じであってもよい。端子接続部Maが特許請求の範囲に記載の「アノード接続部」に相当し、端子接続部Mcが特許請求の範囲に記載の「カソード接続部」に相当する。TO-Canパッケージ型のレーザモジュールにおいて、リード端子の数が4つの場合、各実装領域M1,M2は、4つの端子接続部を含んでいる。また、リード端子の数が2つの場合、各実装領域M1,M2は、2つの端子接続部を含む構成であってもよいし、3つ以上の端子接続部を含む構成であってもよい。
【0044】
図5に示すように、各実装領域M1,M2において、端子接続部Maと端子接続部Mcとは、y方向に並んでおり、端子接続部Maは端子接続部Mcよりもy1方向に位置する。つまり、レーザモジュールがソケット端子T41を介して実装領域M1に実装された場合、レーザダイオードLDのアノードに導通するリード端子と、レーザダイオードLDのカソードに導通するリード端子とが、y方向に並び、レーザダイオードLDのアノードに導通するリード端子が、レーザダイオードLDのカソードに導通するリード端子よりもy1方向に位置することになる。このことは、レーザモジュールがソケット端子T42を介して実装領域M2に実装された場合も同様である。
【0045】
図5に示すように、各実装領域M1,M2において、端子接続部Mbと端子接続部Mcとは、x方向に並んでおり、端子接続部Mcは、端子接続部Mbよりもx1方向に位置する。反対に、端子接続部Mcが、端子接続部Mbよりもx2方向に位置していてもよい。
【0046】
次いで、駆動装置A1のモジュール構成における複数の電子部品および複数の端子について、説明する。
【0047】
複数のコンデンサC1は、
図4および
図5に示すように、x方向に並んで配置されている。各コンデンサC1は、2つの端子(第1端C11および第2端C12)がy方向に並んでいる。駆動装置A1においては、第2端C12が第1端C11よりもy2方向に位置する。複数のコンデンサC1の第1端C11同士は、配線層Ly1の配線パターン21によって、互いに導通しており、複数のコンデンサC1の第2端C12同士は、配線層Ly1の配線パターン21によって、互いに導通している。各コンデンサC1は、たとえばチップタイプであるが、リードタイプであってもよい。複数のコンデンサC1は、容量が略同じであり、平面視寸法も略同じである。駆動装置A1のモジュール構成において、複数のコンデンサC1によって、コンデンサ群C0が形成される。
【0048】
複数のシャント抵抗R1は、
図4および
図5に示すように、x方向に並んで配置されている。各シャント抵抗R1は、2つの端子(第1端R11および第2端R12)がy方向に並んでいる。駆動装置A1においては、第1端R11が第2端R12よりもy2方向に位置する。複数のシャント抵抗R1の第1端R11同士は、配線層Ly1の配線パターン21によって、互いに導通しており、複数のシャント抵抗R1の第2端R12同士は、配線層Ly1の配線パターン21によって、互いに導通している。各シャント抵抗R1は、たとえばチップタイプであるが、リードタイプであってもよい。複数のシャント抵抗R1は、抵抗値が略同じであり、平面視寸法も略同じである。各シャント抵抗R1は、たとえば、x方向寸法(
図5の寸法Dx)が3.2mmであり、y方向寸法(
図5の寸法Dy)が6.4mmである。各シャント抵抗R1の平面視寸法はこれに限定されず、一般的に抵抗値が大きいほど、平面視面積は大きくなる。駆動装置A1のモジュール構成において、複数のシャント抵抗R1によって、シャント抵抗群R0が形成される。シャント抵抗群R0が、特許請求の範囲に記載の「抵抗器群」に相当する。
【0049】
図5に示すように、シャント抵抗群R0において、x方向に隣り合う2つのシャント抵抗R1の離間距離SD1は、所定の大きさ以上である。駆動装置A1では、この所定の大きさは、1つのシャント抵抗R1のx方向寸法Dxである。つまり、x方向に隣り合う2つのシャント抵抗R1の間には、各シャント抵抗R1と同じ大きさのシャント抵抗が1つ配置可能である。駆動装置A1では、上記離間距離SD1は、たとえば5.0mm程度である。
図5に示す例示では、シャント抵抗群R0におけるx方向両端に配置された2つシャント抵抗R1の間に、3つのシャント抵抗R1が配置可能な領域があり、この領域のx方向中央に1つのシャント抵抗R1が配置されている。
【0050】
図5に示すように、駆動装置A1では、3つのシャント抵抗R1の下、および、x方向に隣り合う2つのシャント抵抗R1の間にはそれぞれ、抵抗用ランド20が形成されている。よって、回路基板10には、x方向に並ぶ5つの抵抗用ランド20が形成され、このうちの、x方向両端の抵抗用ランド20とx方向中央の抵抗用ランド20とにシャント抵抗R1が実装されている。このようにして、離間距離SD1を、1つのシャント抵抗R1のx方向寸法Dx以上にしている。
【0051】
図4および
図5に示すように、コンデンサ群C0とシャント抵抗群R0とは、y方向に並んでいる。y方向において、コンデンサ群C0とシャント抵抗群R0との間には、各実装領域M1,M2(各ソケット端子T41,T42)が配置されている。また、
図5に示すように、コンデンサ群C0のx1方向側の端縁は、y方向に見て、シャント抵抗群R0のうち最もx1方向に配置されたシャント抵抗R1に重なり、コンデンサ群C0のx2方向側の端縁は、y方向に見て、シャント抵抗群R0のうち最もx2方向に配置されたシャント抵抗R1に重なる。
【0052】
スイッチング素子Q1は、
図4に示すように、y方向において、コンデンサ群C0と並んでいる。
図4に示す例示においては、スイッチング素子Q1は、y方向において、コンデンサ群C0に隣接している。スイッチング素子Q1は、y方向において、コンデンサ群C0を基準に、シャント抵抗群R0とは反対側に位置する。つまり、スイッチング素子Q1は、コンデンサ群C0よりもy2方向に位置する。スイッチング素子Q1は、y方向に見て、コンデンサ群C0のx方向中央に重なる。これにより、スイッチング素子Q1から各コンデンサC1への導通経路の差が小さくなる。
【0053】
スイッチング素子Q1は、駆動装置A1のモジュール構成において、
図10に示すように、z方向下面に複数の電極Q11,Q12,Q13が形成されている。複数の電極Q11は、スイッチング素子Q1におけるゲート電極である。複数の電極Q12は、スイッチング素子Q1におけるドレイン電極である。複数の電極Q13は、スイッチング素子Q1におけるソース電極である。スイッチング素子Q1が回路基板10に実装された状態においては、平面視において、複数の電極Q11(ゲート電極)がx1方向側の端縁に沿って配置されている。これは、ドライブIC9が、スイッチング素子Q1よりもx1方向側に位置しており、ドライブIC9と複数の電極Q11との距離を短くするためのである。各電極Q11,Q12,Q13の配置は、
図10に示す例示に限定されない。
【0054】
各抵抗器R2は、x方向において、ドライブIC9とスイッチング素子Q1との間に配置され、かつ、これらに隣接している。これにより、ドライブIC9(ドライブ回路DR)から出力され、抵抗器R2を介して、スイッチング素子Q1のゲートに入力される駆動信号の伝達経路が直線的になる。ドライブIC9とスイッチング素子Q1と各抵抗器R2とは、x方向に見て、重なる。
【0055】
2つのソケット端子T41,T42はそれぞれ、TO-Canパッケージ型(3端子)のレーザモジュールを接続するための端子である。接続するレーザモジュールがTO-Canパッケージ型の場合、ソケット端子T41あるいはソケット端子T42のいずれかにレーザモジュールが接続される。各ソケット端子T41,T42は、TO-Canパッケージ型のレーザモジュールの各リード端子を挿通可能である。2つのソケット端子T41,T42は、互いに大きさが異なっており、接続するレーザモジュールの大きさにあわせて、いずれかが選択される。2つのソケット端子T41,T42の大きさは、互いに異なるものに限定されず、同じであってもよい。ソケット端子T41のy1方向の隣には、帰還ダイオードD1が配置されている。
図4および
図5に示すように、ソケット端子T41は、実装領域M1に取り付けられており、ソケット端子T42は、実装領域M2に取り付けられている。
【0056】
パッド端子T43は、面実装型のレーザモジュールを接続するための端子である。パッド端子T43は、
図4および
図5に示すように、互い離間した2つのランドパターンを含む。接続するレーザモジュールが面実装型の場合、パッド端子T43の各ランドパターンにレーザモジュールが接続される。パッド端子T43は、
図4に示すように、平面視において、回路基板10の端縁に沿って配置されている。パッド端子T43は、y2方向のランドパターンにレーザダイオードのカソードが接続され、y1方向のランドパターンに、レーザダイオードのアノードが接続される。なお、パッド端子T43に、TO-Canパッケージ型のレーザモジュールを接続することも可能である。たとえば、TO-Canパッケージ型のレーザモジュールにおいて、レーザダイオードLDのアノードおよびカソードの各リード端子を、はんだなどによって、直接パッド端子T43にそれぞれ接合することで、パッド端子T43にTO-Canパッケージ型のレーザモジュールを接続できる。
【0057】
図4に示すように、スイッチング素子Q1、ドライブ回路DR、コンデンサ群C0(複数のコンデンサC1)、シャント抵抗群R0(複数のシャント抵抗R1)、帰還ダイオードD1、ソケット端子T41,T42、および、パッド端子T43は、x方向において、回路基板10の中央よりも一方側に配置されている。
【0058】
複数の電子部品および複数の端子は、回路基板10に実装されることで、各配線パターン21~24によって、適宜導通接続され、
図1に示す回路構成となる。
【0059】
以上のように構成された駆動装置A1の作用・効果は、次の通りである。
【0060】
駆動装置A1は、複数のシャント抵抗R1を備えている。複数のシャント抵抗R1は、互い並列に接続され、かつ、各々がレーザダイオードLDに直列に接続されている。この構成によると、複数のシャント抵抗R1が、互いに並列に接続されているので、レーザダイオードLDに供給される駆動電流は、各シャント抵抗R1に分割される。特に、各シャント抵抗R1の抵抗値が同じである場合、駆動電流は、各シャント抵抗R1に均等に分割される。これにより、1つのシャント抵抗R1に流れる電流が低減されるため、各シャント抵抗R1に寄生インダクタンス成分による電流低下が抑制される。つまり、駆動装置A1は、レーザダイオードLDを効率良く発光させることができる。
【0061】
駆動装置A1では、複数のシャント抵抗R1は、x方向に並んでおり、x方向に隣り合う2つのシャント抵抗R1の離間距離SD1は、各シャント抵抗R1のx方向寸法Dx以上である。この構成によると、x方向に隣り合う2つのシャント抵抗R1における相互インダクタンスを低減できる。これにより、駆動装置A1におけるインダクタンス成分を低減できる。したがって、駆動装置A1は、レーザダイオードLDへの駆動電流の低下を抑制でき、レーザダイオードLDを効率良く発光させることができる。隣り合う2つのシャント抵抗R1に発生する相互インダクタンスMは、M=2L(ln(2L/d)-1)×10
-7で算出される。この式において、Lは、各シャント抵抗R1の長さ(
図5のy方向寸法Dyに相当)、dは、隣り合う2つのシャント抵抗R1の離間距離(
図5の離間距離SD1に相当)である。また、この式においては、各シャント抵抗R1の寄生インダクタンスをそれぞれ1nHとしている。この式から、離間距離d(離間距離SD1)が大きいほど、相互インダクタンスMが小さくなることが分かる。さらに、相互インダクタンスMを0に抑えるためには、上記式に基づいて、ln(2L/d)-1≦0となる離間距離dにするとよい。つまり、離間距離dは、d≧(2L/e)≒0.74×Lにすることが好ましい。eは、ネイビア数であり、e=2.718・・・である。
【0062】
図11は、各シャント抵抗R1に印加される電圧(シャント抵抗電圧)の時間変化をシミュレーションした結果を示している。
図11の実線は、駆動装置A1、つまり、x方向に隣り合う2つのシャント抵抗R1の間を各シャント抵抗R1のx方向寸法Dx以上にした場合の結果である。
図11の破線は、駆動装置A1と異なる駆動装置(以下、「比較用駆動装置」という)であって、x方向に隣り合う2つのシャント抵抗R1の間にも各シャント抵抗R1と同様のシャント抵抗を実装した場合の結果である。なお、
図11に示す各シミュレーション結果は、簡略化したものであり、厳密に示したものではない。
【0063】
比較用駆動装置では、
図11の破線において、期間Ta’の波形に示すように、シャント抵抗電圧が数回振動している。一方、駆動装置A1では、
図11の実線において、期間Taの波形に示すように、シャント抵抗電圧の振動が抑制されている。これらの振動は、駆動装置A1および比較用駆動装置における各インダクタンスによって発生するものであり、インダクタンス値が高いほど、振動回数が多くなる。したがって、駆動装置A1は、比較用駆動装置よりも、シャント抵抗電圧の振動が抑制されているため、インダクタンス成分が低減されている。また、この振動は、たとえばレーザダイオードLDの発光時のちらつきの原因であるため、駆動装置A1は、このちらつきを抑制できる。さらに、駆動装置A1における、1つ目の波の立上りから立下りまでの期間Tb(
図11の実線の波形参照)は、比較用駆動装置における1つ目の波の立上りから立下りまでの期間Tb’(
図11の破線の波形参照)よりも短い。つまり、駆動装置A1におけるシャント電圧の変動周期が、比較用駆動装置におけるシャント電圧の変動周期よりも小さくなっている(共振周波数が大きくなっている)。これは、駆動装置A1のインダクタンス成分が、比較用駆動装置のインダクタンス成分よりも低減されているからである。よって、インダクタンス成分を低減させることで、レーザダイオードLDの駆動電流を、短パルス化かつ大電流化させることができる。
【0064】
駆動装置A1は、その回路構成(
図1~
図3参照)において、直流電源と、レーザダイオードLDとの間に各コンデンサC1が接続されている。この構成によると、直流電源からの電源電圧が、直接レーザダイオードLDに印加されない。したがって、レーザダイオードLDにかかる負荷が低減され、レーザダイオードLDの故障が抑制される。
【0065】
駆動装置A1では、複数のコンデンサC1、ソケット端子T41(あるいはソケット端子T42)、および、複数のシャント抵抗R1がy方向にこの順で並んでいる。この構成によると、各シャント抵抗R1から、レーザダイオードLDを介して、各コンデンサC1に流れる駆動電流の導通経路を、直線状にできる。これにより、スイッチング素子Q1が導通状態であるときの電流経路LP(
図3参照)における配線の寄生インダクタンスを低減できる。つまり、駆動装置A1におけるインダクタンス成分を低減できるので、駆動装置A1は、レーザダイオードLDへの駆動電流の低下を抑制でき、レーザダイオードLDを効率良く発光させることができる。
【0066】
駆動装置A1では、回路基板10には、レーザモジュール(レーザダイオードLD)を実装する実装領域M1がある。実装領域M1は、レーザダイオードLDのアノードに接続される端子接続部MaおよびレーザダイオードLDのカソードに接続される端子接続部Mcを含んでいる。端子接続部Maと端子接続部Mcとは、y方向に並んでおり、y方向において、端子接続部Mcがコンデンサ群C0側に、端子接続部Maがシャント抵抗群R0側に配置されている。この構成によると、各シャント抵抗R1から、レーザダイオードLDを介して、各コンデンサC1に流れる駆動電流の導通経路をさらに直線状にできる。これにより、スイッチング素子Q1が導通状態であるときの電流経路LP(
図3参照)における配線の寄生インダクタンスを低減できる。したがって、駆動装置A1におけるインダクタンス成分を低減できるので、駆動装置A1は、レーザダイオードLDの発光効率を向上させることができる。また、実装領域M2においても同様である。
【0067】
駆動装置A1では、スイッチング素子Q1とドライブIC9とがx方向に並んでおり、スイッチング素子Q1とドライブIC9との間には、抵抗器R2のみが配置されている。この構成によると、ドライブIC9とスイッチング素子Q1との距離を短くできるので、ドライブIC9から出力され、スイッチング素子Q1に入力される駆動信号の伝達時間を短くできる。この駆動信号の伝達の短縮は、スイッチング動作の応答性を向上させる。つまり、駆動装置A1は、スイッチング素子Q1のスイッチング動作の応答性を向上できる。なお、よりスイッチング素子Q1のスイッチング特性(スイッチング速度)の向上が要求される場合においては、各抵抗器R2を設けず、ドライブIC9とスイッチング素子Q1とを隣接させて、ドライブIC9とスイッチング素子Q1との距離をさらに短くしてもよい。
【0068】
駆動装置A1では、回路基板10は、複数の貫通電極30が密に配置された集合領域AG1,AG2を含んでいる。集合領域AG1,AG2に配置された複数の貫通電極30は、配線層Ly1の配線パターン21と配線層Ly2の配線パターン22とに導通する。この構成によると、配線層Ly1と配線層Ly2との導電性が良好となる。特に、集合領域AG1の複数の貫通電極30は、各シャント抵抗R1の一端(第2端R12)と、GNDパターン(配線パターン22)とを導通させ、集合領域AG2の複数の貫通電極30は、スイッチング素子Q1のソースと、GNDパターン(配線パターン22)とを導通させている。したがって、各シャント抵抗R1の一端およびスイッチング素子Q1のソースの、基準電位(GND)への接地が強化され、駆動装置A1における各信号の品質改善(たとえばノイズ低減など)、および、上記シャント抵抗電圧の振動(基準電位の揺れ)の低減を図ることができる。
【0069】
駆動装置A1では、回路基板10は、複数の配線層Ly1~Ly4を含んでいる。複数の配線層Ly1~Ly4は、z方向寸法(厚さ)が一般的な厚さ(700μm程度)よりも薄い。この構成によると、複数の貫通電極30のz方向寸法が小さくなる。よって、各貫通電極30の寄生インダクタンスを低減できる。たとえば、配線層Ly1から集合領域AG1に配置された複数の貫通電極30を介して、配線層Ly2を通り、そして、集合領域AG2に配置された複数の貫通電極30によって、配線層Ly1に戻ってくる電流経路(
図3の電流経路LPに相当)を短くできるので、この電流経路における配線の寄生インダクタンスを低減できる。
【0070】
本実施形態では、各実装領域M1,M2には、各ソケット端子T41,T42が取り付けられている場合を示したが、これに限定されず、各ソケット端子T41,T42を取り付けなくてもよい。この場合、TO-Canパッケージ型のレーザモジュールは、たとえばはんだ付けなどによって、各実装領域M1,M2に直接実装される。
【0071】
本実施形態では、3つのシャント抵抗R1が配置された場合を示したが、シャント抵抗R1の数はこれに限定されない。たとえば、
図12に示すように、2つのシャント抵抗R1が配置された構成であってもよい。
図12に示す例示においては、5つの抵抗用ランド20のうち、x方向両端に位置する抵抗用ランド20に、シャント抵抗R1がそれぞれ1つずつ接合されている。
図12に示す駆動装置の回路構成は、
図13で示される。
図13においては、
図1に示す回路構成の一部を抜粋している。また、
図14に示すように、2つのシャント抵抗R1が配置された構成であってもよい。
図14に示す例示においては、5つの抵抗用ランド20のうち、x方向中央に位置する抵抗用ランド20の両隣の抵抗用ランド20に、シャント抵抗R1がそれぞれ1つずつ接合されている。
図14に示す駆動装置の回路構成は、
図15で示される。
図15においては、
図1に示す回路構成の一部を抜粋している。
図12および
図14の各レイアウト図は、
図5に対応する。ただし、シャント抵抗R1が2つの場合、シャント抵抗R1が3つの場合に比べて、各シャント抵抗R1の寄生インダクタンスによる電流低下を抑制する効果が小さくなるが、回路基板10上の実装面積を小さくすることが可能となる。シャント抵抗R1の数は、駆動装置A1に要求される仕様に応じて、適宜決められる。
【0072】
本実施形態では、平面視において、x方向に隣り合う2つのシャント抵抗R1の間に、抵抗用ランド20が配置された場合を示したが、これに限定されない。たとえば、
図16に示すように、x方向に隣り合う2つのシャント抵抗R1の間に、抵抗用ランド20が配置されない構成であってもよい。
図16に示す駆動装置の回路構成は、
図17で示される。
図17においては、
図1に示す回路構成の一部を抜粋している。また、
図18に示すように、x方向の隣り合う2つのシャント抵抗R1の間の抵抗用ランド20の代わりに、ベタパターン29が配置された構成であってもよい。この場合、このベタパターン29を、マイクロストリップラインやコプレーナ線路として設計してもよい。
図18に示す駆動装置の回路構成は、
図19で示される。
図19においては、
図1に示す回路構成の一部を抜粋している。
図16および
図18の各レイアウト図は、
図5に対応する。
【0073】
本開示にかかる駆動装置は、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示の駆動装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、本開示にかかる駆動装置は、以下の付記に関する実施形態を含む。
[付記1]
レーザダイオードに駆動電流を供給する複数の電子部品と、
前記複数の電子部品が実装された回路基板と、
を備えており、
前記複数の電子部品は、導通状態と遮断状態とが切り替わるスイッチング素子と、互い並列に接続され、かつ、各々が前記レーザダイオードのアノードに直列に接続された複数の抵抗器と、前記レーザダイオードのカソードと前記スイッチング素子との間に接続されたコンデンサとを含んでおり、
前記複数の抵抗器は、前記回路基板の厚さ方向に直交する第1方向に並んでおり、
前記複数の抵抗器のうち前記第1方向に隣り合う2つの抵抗器は、前記第1方向における離間距離が前記複数の抵抗器のいずれかの前記第1方向の寸法以上である、ことを特徴とする駆動装置。
[付記2]
前記スイッチング素子は、第1端子、第2端子および第3端子を有するトランジスタであり、前記第3端子に入力される制御信号に応じて、前記導通状態と前記遮断状態とが切り替わる、付記1に記載の駆動装置。
[付記3]
前記複数の抵抗器のいずれかの各第1端は、前記レーザダイオードのアノードに接続され、
前記複数の抵抗器のいずれかの各第2端は、基準電位に接地され、
前記コンデンサの第1端は、前記レーザダイオードのカソードに接続され、
前記コンデンサの第2端は、前記スイッチング素子の前記第1端子に接続され、
前記スイッチング素子の前記第2端子は、前記基準電位に接地されている、付記2に記載の駆動装置。
[付記4]
前記複数の電子部品は、前記制御信号を生成するドライブ回路をさらに含んでおり、
前記ドライブ回路と前記スイッチング素子とは、前記第1方向に並んでいる、付記3に記載の駆動装置。
[付記5]
前記複数の電子部品は、前記ドライブ回路と前記第3端子との間に接続される電流値設定素子をさらに含んでおり、
前記電流値設定素子は、前記回路基板上において、前記ドライブ回路と前記スイッチング素子との間に配置されている、付記4に記載の駆動装置。
[付記6]
電源電圧が供給される入力端子をさらに備えており、
前記コンデンサは、前記入力端子に接続され、前記スイッチング素子が前記遮断状態のときに、前記電源電圧が印加される、付記3ないし付記5のいずれかに記載の駆動装置。
[付記7]
前記回路基板は、前記厚さ方向に見て、前記隣り合う2つの抵抗器の間には、ランドパターンが形成されている、付記1ないし付記6のいずれかに記載の駆動装置。
[付記8]
前記複数の抵抗器によって抵抗器群が形成され、
前記コンデンサと前記抵抗器群とは、前記厚さ方向および前記第1方向に直交する第2方向に並んでいる、付記1ないし付記7のいずれかに記載の駆動装置。
[付記9]
前記回路基板には、前記レーザダイオードを実装する実装領域を含み、
前記実装領域は、前記第1方向に見て、前記コンデンサと前記抵抗器群との間に位置しており、かつ、前記コンデンサと前記抵抗器群とにそれぞれ隣接する、付記8に記載の駆動装置。
[付記10]
前記実装領域には、前記レーザダイオードのアノードを接続するアノード接続部、および、前記レーザダイオードのカソードを接続するカソード接続部を含み、
前記アノード接続部と前記カソード接続部とは、前記厚さ方向に見て、前記第2方向に並んでいる、付記9に記載の駆動装置。
[付記11]
前記コンデンサと並列に接続され、かつ、前記抵抗器群と前記第2方向に並ぶ1以上の追加のコンデンサをさらに備えており、
前記コンデンサと前記追加のコンデンサとによって、コンデンサ群が形成されている、付記8ないし付記10のいずれかに記載の駆動装置。
[付記12]
前記スイッチング素子は、前記第2方向において、前記コンデンサ群よりも前記抵抗器群が位置する側と反対側に配置されており、かつ、前記コンデンサ群に隣接する、付記11に記載の駆動装置。
[付記13]
前記複数の抵抗器は、第1抵抗器および第2抵抗器を含んでおり、
前記第1抵抗器は、前記複数の抵抗器のうち前記第1方向の最も一方側に配置され、
前記第2抵抗器は、前記複数の抵抗器のうち前記第1方向の最も他方側に配置され、
前記コンデンサ群の前記第1方向の一方側の端縁は、前記第2方向に見て、前記第1抵抗器に重なり、前記コンデンサ群の前記第1方向の他方側の端縁は、前記第2方向に見て、前記第2抵抗器に重なる、付記11または付記12に記載の駆動装置。
[付記14]
前記複数の電子部品は、前記第1抵抗器および前記第2抵抗器と並列に接続された第3抵抗器をさらに含んでおり、
前記第3抵抗器は、前記第1方向において、前記第1抵抗器と前記第2抵抗器との間に配置されている、付記13に記載の駆動装置。
[付記15]
前記回路基板は、前記厚さ方向に積層され、かつ、互いに絶縁された第1配線層および第2配線層を含んでおり、
前記第1配線層には、前記複数の電子部品が実装され、
前記第2配線層は、基準電位に接地されている、付記8ないし付記14のいずれかに記載の駆動装置。
[付記16]
前記回路基板は、前記厚さ方向に見て、複数の貫通電極が集合した集合領域を含んでおり、
前記複数の貫通電極は、前記第1配線層と前記第2配線層との間に形成された絶縁層を貫通し、かつ、前記第1配線層と前記第2配線層とを導通させ、
前記集合領域は、前記第2方向において、前記抵抗器群よりも、前記コンデンサが位置する側と反対側に配置されている、付記15に記載の駆動装置。
[付記17]
前記回路基板は、前記厚さ方向において、前記第2配線層よりも前記第1配線層と反対側に配置され、かつ、電源パターンが形成された第3配線層をさらに含んでいる、付記15または付記16に記載の駆動装置。
【符号の説明】
【0074】
A1 :駆動装置
LD :レーザダイオード
R0 :シャント抵抗群
R1 :シャント抵抗
R11 :第1端
R12 :第2端
C0 :コンデンサ群
C1 :コンデンサ
C11 :第1端
C12 :第2端
D1 :帰還ダイオード
Q1 :スイッチング素子
Q11,Q12,Q13:電極
DR :ドライブ回路
9 :ドライブIC
R2 :抵抗器
GND :接地端
PG :パルス生成回路
PS1 :電源部
C2 :電解コンデンサ
L1 :リアクトル
D3 :逆流防止ダイオード
R3 :充電抵抗
PS2 :電源部
T1~T3:コネクタ端子
T4 :接続端子
T41,T42:ソケット端子
T43 :パッド端子
LP :電流経路
10 :回路基板
Ly1~Ly4:配線層
20 :抵抗用ランド
21~24:配線パターン
29 :ベタパターン
30 :貫通電極
241 :パターン
HL :貫通孔
AG1,AG2:集合領域
M1,M2:実装領域
Ma,Mb,Mc:端子接続部