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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177345
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/16 20060101AFI20221124BHJP
   E06B 1/12 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
E06B1/16 Z
E06B1/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083533
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】金森 英晃
(72)【発明者】
【氏名】谷内 勝昭
(57)【要約】
【課題】 長尺部材の長手方向端部のシールの施工性の向上。
【解決手段】 長尺部材1と、長尺部材1の長手方向端部に取付けた端部塞ぎ材2とを備え、端部塞ぎ材2は、長尺部材1に呑み込まれる部分3を有し、その部分に長尺部材1の内壁4a,4b,4cとの隙間35をシールするための不定形シール材5を充填できるシール材充填部6を設けてある。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺部材と、長尺部材の長手方向端部に取付けた端部塞ぎ材とを備え、端部塞ぎ材は、長尺部材に呑み込まれる部分を有し、その部分に長尺部材の内壁との隙間をシールするための不定形シール材を充填できるシール材充填部を設けてあることを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
サッシの縦枠など、長尺部材の端部には端部塞ぎ材が設けられており、サッシ取付現場において長尺部材の小口と端部塞ぎ材との隙間を外側から湿式のシール材でシールする必要があり、施工性が悪かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、長尺部材の長手方向端部のシールの施工性の向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による建具は、長尺部材と、長尺部材の長手方向端部に取付けた端部塞ぎ材とを備え、端部塞ぎ材は、長尺部材に呑み込まれる部分を有し、その部分に長尺部材の内壁との隙間をシールするための不定形シール材を充填できるシール材充填部を設けてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明による建具は、長尺部材と、長尺部材の長手方向端部に取付けた端部塞ぎ材とを備え、端部塞ぎ材は、長尺部材に呑み込まれる部分を有し、その部分に長尺部材の内壁との隙間をシールするための不定形シール材を充填できるシール材充填部を設けてあるので、工場において端部塞ぎ材を長尺部材の長手方向端部に取付ける際に、シール材充填部に不定形シール材を充填して取付けることで、端部塞ぎ材の長尺部材に呑み込まれる部分と長尺部材の内壁との隙間をシールすることができるため、シールの施工性が向上すると共に、シール品質を安定化できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の建具の一実施形態を示す室外側正面図である。
図2】同建具の縦断面図である。
図3】同建具の横断面図である。
図4】(a)は縦枠の上端部を拡大して示す平面図であり、(b)は同側面図、(c)はA-A断面図である。
図5】方立の上端部の周辺を斜め下方から見た斜視図である。
図6】方立の上端部の周辺を斜め上方から見た斜視図である。
図7】(a)は縦枠の上端部に取付けられる端部塞ぎ材の平面図であり、(b)は同側面図、(c)は同室内側正面図、(d)は端部塞ぎ材に取付けられるシール材押圧部品の側面図、(e)は同室内側正面図である。
図8】(a)は方立端部カバーの平面図、(b)は同室内側正面図、(c)は同底面図、(d)は同側面図である。
図9】端部塞ぎ材の取付手順を示す縦断面図及び横断面図である。
図10】同建具の施工手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1~6は、本発明の建具の一実施形態を示している。本建具は、図1~3に示すように、躯体開口部17に取付けられた左右の窓枠9,9と、左右の窓枠9,9の隣接する縦枠1,1同士を連結する方立7とを備える連窓となっている。躯体(外壁)13は、ALC板よりなり、左右の窓枠9は、図2,3に示すように、躯体13にアンカー18で固定すると共に、躯体13と窓枠9との隙間にモルタル19を充填して取付けられている。建具と躯体13との隙間の室外側には、図1~3に示すように、湿式のシール材よりなる外周側止水材14が四周連続して設けてある。
【0008】
左右の窓枠9は、図1~3に示すように、アルミニウム合金の押出形材よりなる上枠12と下枠20と左右の縦枠1,1を縦勝ちの状態で枠組みして構成してある。左右の窓枠9には、ガラスパネル21が嵌め殺しの状態で取付けられている。
【0009】
上枠12及び下枠20は、図2に示すように、室外側見付壁22の外周側縁より室内側に向けてのびる外周側見込壁23と、外周側見込壁23の室内側端部より外周側に向けて突出する突出片24を有しており、突出片24に当接して躯体13の見込面と外周側見込壁23との隙間にバックアップ材25を配置し、その室外側に外周側止水材14が躯体13の見込面と外周側見込壁23の外面に接着して設けられている。
縦枠1も、図3に示すように、室外側見付壁26の外周側縁より室内側に向けてのびる外周側見込壁27と、外周側見込壁27の室内側端部より外周側に向けて突出する突出片28を有しており、突出片28に当接して躯体13の見込面と外周側見込壁27との隙間にバックアップ材25を配置し、その室外側に外周側止水材14が躯体13の見込面と外周側見込壁27の外面に接着して設けられている。
【0010】
本建具は、上枠12及び下枠20の外周側の外周側止水材14と縦枠1の外周側の外周側止水材14を連続させるために、縦枠1の上下端部に端部塞ぎ材2が取付けられている。端部塞ぎ材2は、薄い金属板をプレス加工して形成したものであって、図4,7に示すように、見付壁29と、外周側見込壁30と、内周側見込壁31と、外周側見込壁30と内周側見込壁31とを室内側で繋ぐ連結壁32と、内周側見込壁31の左右両側の縁部と連続して内周側に突出する一対の側壁33,33を有している。
見付壁29は、図4に示すように、縦枠1の外周側見込壁27と内周側見込壁34よりも側方に突出しており、上枠12及び下枠20の突出片24の室外側に位置し、バックアップ材25を受ける。
端部塞ぎ材2の見付壁29以外の部分は、縦枠1に呑み込まれる部分3となっており、外周側見込壁30と内周側見込壁31との間の空間が、縦枠1の内壁4a,4b,4cとの隙間35をシールするための不定形シール材5を充填できるシール材充填部6となっている。
外周側見込壁30は、図4に示すように、外面が縦枠1の長手方向端面1aと同面になるように配置され、外周側止水材14を受けている。これにより、上枠12及び下枠20の外周側の外周側止水材14と縦枠1の外周側の外周側止水材14を連続させている。外周側見込壁30の縁と縦枠1の内壁4a,4b,4cとの間には僅かな隙間35があり、その隙間35は、後述するようにシール材充填部6に保持させた不定形シール材5をシール材押圧部品36で押圧することにより、不定形シール材5が入り込んで塞がれている。
内周側見込壁31は、外周側見込壁30の内周側に離間して平行に設けられている。内周側見込壁31の縁と縦枠1の内壁4a,4b,4cとの間にも同様に僅かな隙間35があり、その隙間35は不定形シール材5が入り込んで塞がれている。
側壁33,33は、縦枠1の外周側見込壁27と内周側見込壁34に沿って設けてあり、その一部を切り起こして縦枠1の外周側見込壁27と内周側見込壁34に係止する爪37を形成してある。
連結壁32には、図7(c)に示すように、四角い窓状の開口部38が形成してあり、開口部38に室内側から箱状のシール材押圧部品36を挿入することで、シール材充填部6に保持させた不定形シール材5を押圧するようになっている。
【0011】
不定形シール材5は、建築現場で使用される一般的な湿式のシール材を使用してもよいが、粘土状のもの、例えば、エアコンの設置工事の際に壁に開けた孔と室外機からのびる配管との隙間を埋めるために用いられるパテ材(通称エアコンパテ)を使用することができる。
【0012】
次に、端部塞ぎ材2の取付手順を説明する。まず、図9(a)に示すように、シール材充填部6に不定形シール材5を保持させた上で、縦枠1の小口側から端部塞ぎ材2を縦枠1に呑み込ませて取付ける。次に、図9(b)に示すように、連結壁32に形成した開口部38に室内側からシール材押圧部品36押し入れて不定形シール材5を押圧する。すると、不定形シール材5が複数の方向(上下方向及び左右方向)に押し広げられ、図9(c)に示すように、縦枠1の内壁4a,4b,4cと端部塞ぎ材2の外周側見込壁30と内周側見込壁31と連結壁32とで囲まれた空間が不定形シール材5で満たされると共に、外周側見込壁30及び内周側見込壁31の縁と縦枠1の内壁4a,4b,4cとの隙間35(図4参照)に不定形シール材5が入り込んで隙間35がシールされる。これにより、縦枠1の端部からの雨水の浸入を確実に防ぐことができる。この端部塞ぎ材2を取付ける作業は、窓枠9を枠組みする前、又は枠組みした後に、工場にて行われる。
【0013】
このように本建具は、工場において端部塞ぎ材2を縦枠1の長手方向端部に取付ける際に、シール材充填部6に不定形シール材5を充填して取付け、室内側からシール材押圧部品36で不定形シール材5を押圧することにより、誰にでも簡単に端部塞ぎ材2の縦枠1に呑み込まれる部分3と縦枠1の内壁4a,4b,4cとの隙間をシールすることができ、シールの施工性が向上すると共に、シール品質を安定化できる。外側から湿式のシール材でシールする場合には、シール材を硬化させてからの出荷となるため多くの場所と時間が必要になるが、本実施形態は縦枠1に呑み込まれるシール材充填部6に保持した不定形シール材5を室内側から押圧して押し広げることで、端部塞ぎ材2と縦枠1の内壁4a,4b,4cとの隙間をシールするようにしたことで、シール材5が硬化するまで出荷を待つ必要がなく、待機時間と場所を大幅に削減できる。
【0014】
方立7は、図3に示すように、室外側見付壁39と、室外側見付壁39の室内側に設けた中空部40と、見込壁41と、室内側見付壁42を有している。室外側見付壁39の両側の縁部には、室内側に向けてタイト材43,43が長手方向に沿って全長に設けてあり、各タイト材43,43は左右の窓枠9,9の隣接する縦枠1,1の室外側見付壁26,26に圧接している。室内側見付壁42の両側の縁部には、縦枠1,1との係合部44,44が全長に設けてあり、室内側見付壁42の室内側には目板45がねじ止めして取付けてあり、方立7の係合部44,44と目板45とで縦枠1,1の室内側縁部を挟持して縦枠1,1同士を連結している。目板45は、室内側から目板カバー46を嵌合取付けして隠してある。
【0015】
図1~3と図5,6に示すように、方立7の上端部には方立端部カバー8が取付けてある。方立端部カバー8は、硬質樹脂で形成してあり、方立7の長手方向端面7aに当接する見込壁10と、見込壁10の室内側縁部より上方に立ち上げて設けられた外周側見付壁11と、見込壁10の室外側縁部より下方に垂下して設けられた内周側見付壁15を有している。
【0016】
見込壁10は、図5,6,8に示すように、方立7と左右の窓枠9,9の縦枠1,1との連結部を覆っており、且つ左右の窓枠9,9の縦枠1と上枠12との接合部47(図5,6参照)よりも側方にのびている。そして、外壁13との間を塞ぐ外周側止水材14が左右の窓枠9,9の上枠12の上面と方立端部カバー8の見込壁10の上面に連続して設けてある。これにより、方立7と縦枠1の間や縦枠1と上枠12の間に外周側から雨水が浸入するのを確実に防止することができる。
見込壁10の上面の外周側止水材14よりも室外側の部分48は、室外側が低くなるように傾斜している。見込壁10の下面には、図8に示すように、方立7の中空部40と嵌合する嵌合部49を有すると共に、嵌合部49の室内側に押圧片50を有している。方立端部カバー8は、嵌合部49を方立7の中空部40に上方から嵌め込み、見込壁10に形成された孔52から嵌合部49と押圧片50の間に上方からネジ51(図6参照)を捻じ込むと、押圧片50がネジ51に押されて中空部40の室内側の壁に押し付けられ、方立7の長手方向端面7aに当接した状態で固定されている。このように本方立端部カバー8は、方立7にタッピングホールが無くても方立7の端部に固定して取付けることができる。
【0017】
外周側見付壁11は、左右の窓枠9,9の上枠12の突出片24を繋いで、外周側止水材14のバックアップ材25を受けている。
【0018】
内周側見付壁15は、図5,8に示すように、方立7の室外側見付壁39と左右の窓枠9,9の縦枠1,1の室外側見付壁26,26と一定の距離をおいて対向するように形成してある。そして、内周側見付壁15の室内側において、内周側止水材16が左右の窓枠9,9の上枠12,12の室外側面と方立7の室外側面に連続して設けてある。これにより、方立7と縦枠1,1の間や縦枠1と上枠12の間に室外側から雨水が浸入するのを確実に防止することができる。すなわち本建具は、方立7による左右の窓枠9,9の連結部への外周側からの雨水の浸入と室外側からの雨水の浸入を防止することができる。
方立端部カバー8は、先に述べたように見込壁10が方立7の長手方向端面7aに当接した状態で方立7に固定されており、左右の窓枠9,9の縦枠1,1の長手方向端面1a,1aは見込壁10に突き当てられている。これにより、製作・施工誤差を吸収することができる。仮に、経年による建物や窓枠の動き等により、縦枠1の長手方向端面1aと見込壁10との間に隙間が生じたとしても、内周側止水材16があることで雨水の浸入を防止することができる。
【0019】
次に、本建具の施工手順を説明する。まず、図10(a)に示すように、一方の窓枠(ガラスパネル21を納めたもの)9を躯体の開口部17に室内側から取付ける。次に、図10(b)に示すように、方立7を取付ける。次に、図10(c)に示すように、もう一方の窓枠9を躯体の開口部17に室内側から取付ける。次に、図10(d)に示すように、方立7を中心に窓枠9,9を室外側に持ち出し、図10(e)に示すように、方立7の上端部に方立端部カバー8を取付け、上方からネジ51で固定する。次に、図10(f)に示すように、窓枠9,9を元の位置に戻し、アンカー18とモルタル19(図2,3参照)で窓枠9,9を躯体13に固定する。その後、建具と躯体13との隙間に室外側から外周側止水材14を四周連続して充填してシールする。また、方立端部カバー8の内周側見付壁15の室内側の溝に内周側止水材16を充填する。
【0020】
以上に述べたように本建具は、長尺部材(縦枠)1と、長尺部材1の長手方向端部に取付けた端部塞ぎ材2とを備え、端部塞ぎ材2は、長尺部材1に呑み込まれる部分3を有し、その部分に長尺部材1の内壁4a,4b,4cとの隙間35をシールするための不定形シール材5を充填できるシール材充填部6を設けてあるので、工場において端部塞ぎ材2を長尺部材1の長手方向端部に取付ける際に、シール材充填部6に不定形シール材5を充填して取付けることで、端部塞ぎ材2の長尺部材1に呑み込まれる部分3と長尺部材1の内壁4a,4b,4cとの隙間35をシールすることができるため、シールの施工性が向上すると共に、シール品質を安定化できる。本建具は、工場において長尺部材1と端部塞ぎ材2との隙間35をシールすることができ、シール材5が硬化するまで出荷を待つ必要がないため、待機時間と場所を大幅に削減できる。
端部塞ぎ材2は、長尺部材1の長手方向端面1aと略面一になる外周側見込壁30と、外周側見込壁30から長尺部材1の長手方向内側に離間して設けた内周側見込壁31とを有し、外周側見込壁30と内周側見込壁31との間をシール材充填部6としてあるので、不定形シール材5をシール材充填部6に容易に充填することができる上、端部塞ぎ材2を長尺部材1の長手方向端面1aと略面一の状態で取付けてシールすることができるので、長尺部材1の長手方向端部に雨水やゴミ等が溜まるのを防ぐことができる。
本建具は、シール材押圧部品36を有し、シール材押圧部品36をシール材充填部6に挿入して不定形シール材5を押し広げることにより、誰にでも簡単に端部塞ぎ材2の長尺部材1に呑み込まれる部分3と長尺部材1の内壁4a,4b,4cとの隙間35を確実にシールできる。
シール材充填部6は、不定形シール材5を押し広げるシール材押圧部品36を挿入するための開口部38を有するので、開口部38からシール材押圧部品36で不定形シール材5を押圧するだけでシールすることができ、シールの施工性が一層向上する。
しかも、シール材充填部6に充填した不定形シール材5を複数の方向に押し広げてあることで、シール品質をより一層安定化できる。
【0021】
また本建具は、方立7と方立端部カバー8とを備え、方立7は、左右の窓枠9,9の縦枠1,1同士を連結するものであり、方立端部カバー8は、方立7の長手方向端面7aに当接する見込壁10と、見込壁10の外周側に設けた外周側見付壁11を有し、見込壁10は、左右の窓枠9,9の縦枠1と上枠12との接合部47よりも側方にのびており、外壁13との隙間を塞ぐ外周側止水材14が左右の窓枠9,9の上枠12,12の上面と見込壁10の上面に連続して設けてあることで、方立7と縦枠1の間や縦枠1と上枠12の間に外周側から雨水が浸入するのを確実に防止することができ、止水性が向上する。すなわち本建具は、方立7とタイト材43の端面だけでなく、方立7による窓枠9,9同士の連結部において入水経路となる可能性がある箇所を方立端部カバー8により全て覆う構造としたことで、高い止水性能を発揮する。
【0022】
また本建具は、方立7と方立端部カバー8とを備え、方立7は、左右の窓枠9,9の縦枠1,1同士を連結するものであり、方立端部カバー8は、方立7の長手方向端面7aに当接する見込壁10と、見込壁10の内周側に設けた内周側見付壁15を有し、見込壁10は、左右の窓枠9,9の縦枠1と上枠12との接合部47よりも側方にのびており、内周側見付壁15の室内側において、内周側止水材16が左右の窓枠9,9の上枠12,12の室外側面と方立7の室外側面に連続して設けてあることで、方立7と縦枠1の間や縦枠1と上枠12の間に室外側から雨水が浸入するのを確実に防止することができ、止水性が向上する。またこのように内周側止水材16を設けることで、経年による建物や窓枠9の動き、タイト材43やシールの劣化による影響を受けにくくなり、優れた止水性能を長い間維持することができる。
【0023】
また本建具は、方立端部カバー8の見込壁10は方立7に固定してあり、見込壁10に左右の窓枠9,9の縦枠1,1の長手方向端面1a,1aを突き当てることで、製作・施工誤差を吸収することができる。
【0024】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。本発明の建具には、実施形態のような嵌め殺し窓の他、引違い窓、開き窓等、あらゆる窓種が含まれる。また、方立を介して連窓したものに限らず、単体の窓であってもよい。端部塞ぎ材の形状や材質は、適宜変更することができる。不定形シール材は、一般的な湿式のシール材であってもよいし、粘土状のものであってもよい。本発明は、縦枠に限らず、横枠や方立、無目等、建具のあらゆる長尺部材の端部の止水に用いることができる。
【符号の説明】
【0025】
1 縦枠(長尺部材)
2 端部塞ぎ材
3 長尺材に呑み込まれる部分
4a,4b,4c 長尺部材の内壁
5 不定形シール材
6 シール材充填部
7 方立
8 方立端部カバー
9 窓枠
10 見込壁
11 外周側見付壁
12 上枠
13 外壁(躯体)
14 外周側止水材
15 内周側見付壁
16 内周側止水材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10