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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177348
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】管理システム、及び管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20221124BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20221124BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083536
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】松田 耕
(72)【発明者】
【氏名】志村 真人
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】工事現場の空間を適切に予約することが可能となる管理システム及び管理プログラムを提供する事を目的とする。
【解決手段】少なくとも工事現場の空間を予約するためのサーバ装置2であり、工事現場を示す図面情報であって、工事現場での工事の進捗に対応する図面情報を格納する下図関連情報DB221と、下図関連情報DB221に格納されている図面情報に基づいて、少なくとも、工事現場の空間を予約するための予約処理を行う管理部231と、を備え、図面情報は、工事現場の所定位置を基準にして工事現場を所定縮尺で示しており、管理部231は、工事現場で用いられる対象物の画像情報を、図面情報の所定縮尺に対応する縮尺で図面情報に重畳して表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事現場の空間を予約するための管理システムであり、
前記工事現場を示す図面情報であって、前記工事現場での工事の進捗に対応する前記図面情報を格納する図面情報格納手段と、
前記図面情報格納手段に格納されている前記図面情報に基づいて、少なくとも、前記工事現場の空間を予約するための予約処理を行う管理手段と、
を備える管理システム。
【請求項2】
前記管理手段は、前記管理システムのユーザの属性に基づいて、前記予約処理によって行われた前記工事現場の空間の予約の内容を示す予約内容情報に対する当該ユーザによる編集を、許可又は禁止する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記図面情報は、前記工事現場の所定位置を基準にして前記工事現場を所定縮尺で示しており、
前記管理手段は、前記工事現場で用いられる対象物又は前記工事現場の予約された空間を示す画像情報を、前記図面情報の前記所定縮尺に対応する縮尺で前記図面情報に重畳して表示する、
請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記管理手段は、前記図面情報に重畳して表示される前記対象物の前記画像情報に基づいて、前記対象物の動線に関して確認させるための処理、又は、前記対象物の動線に関する情報を反映する処理を行う、
請求項3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記予約処理によって行われた前記工事現場の空間の予約の内容を示す予約内容情報を蓄積する予約情報格納手段、を備える、
請求項1から4の何れか一項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記管理手段は、前記予約情報格納手段に格納されている前記予約内容情報に基づいて、前記工事現場での工事を管理するための指標となる管理指標情報を出力する、
請求項5に記載の管理システム。
【請求項7】
前記管理手段は、所定の作業に関して前記工事現場の第1空間を予約する場合、前記所定の作業に関して前記第1空間と関連する1個以上の第2空間も連動して予約する、
請求項1から6の何れか一項に記載の管理システム。
【請求項8】
前記管理手段は、前記予約処理を行うことにより前記工事現場の空間の予約期間を定め、
前記管理手段は、前記工事現場での工事に関する工程の予定期間が変更された場合、当該変更された前記予定期間に基づいて、前記予約期間を変更する、
請求項1から7の何れか一項に記載の管理システム。
【請求項9】
工事現場の空間を予約するための管理プログラムであり、
コンピュータを、
前記工事現場を示す図面情報であって、前記工事現場での工事の進捗に対応する前記図面情報を格納する図面情報格納手段に格納されている前記図面情報に基づいて、少なくとも、前記工事現場の空間を予約するための予約処理を行う管理手段、
として機能させる管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、及び管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工事現場の搬入作業のために、当該工事現場の棟又は階を予約する技術が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-157206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、工事現場において、工事の進捗に応じて新しい空間が生じたり、空間の形態が変化したりするような状況下でも、工事現場の空間を適切に予約するための技術が要望されていた。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みなされたもので、工事現場の空間を適切に予約することが可能となる管理システム及び管理プログラムを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の管理システムは、工事現場の空間を予約するための管理システムであり、前記工事現場を示す図面情報であって、前記工事現場での工事の進捗に対応する前記図面情報を格納する図面情報格納手段と、前記図面情報格納手段に格納されている前記図面情報に基づいて、少なくとも、前記工事現場の空間を予約するための予約処理を行う管理手段と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の管理システムは、請求項1に記載の管理システムにおいて、前記管理手段は、前記管理システムのユーザの属性に基づいて、前記予約処理によって行われた前記工事現場の空間の予約の内容を示す予約内容情報に対する当該ユーザによる編集を、許可又は禁止する。
【0008】
請求項3に記載の管理システムは、請求項1又は2に記載の管理システムにおいて、前記図面情報は、前記工事現場の所定位置を基準にして前記工事現場を所定縮尺で示しており、前記管理手段は、前記工事現場で用いられる対象物又は前記工事現場の予約された空間を示す画像情報を、前記図面情報の前記所定縮尺に対応する縮尺で前記図面情報に重畳して表示する。
【0009】
請求項4に記載の管理システムは、請求項3に記載の管理システムにおいて、前記図面情報に重畳して表示される前記対象物の前記画像情報に基づいて、前記対象物の動線に関して確認させるための処理、又は、前記対象物の動線に関する情報を反映する処理を行う。
【0010】
請求項5に記載の管理システムは、請求項1から4の何れか一項に記載の管理システムにおいて、前記予約処理によって行われた前記工事現場の空間の予約の内容を示す予約内容情報を蓄積する予約情報格納手段、を備える。
【0011】
請求項6に記載の管理システムは、請求項5に記載の管理システムにおいて、前記管理手段は、前記予約情報格納手段に格納されている前記予約内容情報に基づいて、前記工事現場での工事を管理するための指標となる管理指標情報を出力する。
【0012】
請求項7に記載の管理システムは、請求項1から6の何れか一項に記載の管理システムにおいて、前記管理手段は、所定の作業に関して前記工事現場の第1空間を予約する場合、前記所定の作業に関して前記第1空間と関連する1個以上の第2空間も連動して予約する。
【0013】
請求項8に記載の管理システムは、請求項1から7の何れか一項に記載の管理システムにおいて、前記管理手段は、前記予約処理を行うことにより前記工事現場の空間の予約期間を定め、前記管理手段は、前記工事現場での工事に関する工程の予定期間が変更された場合、当該変更された前記予定期間に基づいて、前記予約期間を変更する。
【0014】
請求項9に記載の管理プログラムは、工事現場の空間を予約するための管理プログラムであり、コンピュータを、前記工事現場を示す図面情報であって、前記工事現場での工事の進捗に対応する前記図面情報を格納する図面情報格納手段に格納されている前記図面情報に基づいて、少なくとも、前記工事現場の空間を予約するための予約処理を行う管理手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の管理システム、及び請求項9に記載の管理プログラムによれば、工事現場での工事の進捗に対応する図面情報に基づいて予約処理を行うことにより、例えば、工事の進捗に応じて新しい空間が生じたり、空間の形態が変化したりするような状況下でも、工事現場の空間を適切に予約することが可能となる。
【0016】
請求項2に記載の管理システムによれば、管理システムのユーザの属性に基づいて、予約内容情報に対する編集を許可又は禁止することにより、例えば、予約内容情報を適切に編集することが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の管理システムによれば、図面情報は工事現場の所定位置を基準にして工事現場を所定縮尺で示していることにより、例えば、工事の進捗に応じて新たな図面情報に変更して適用する場合であっても、当該新たな図面情報を変更前の図面情報の各位置と合致させることができ、工事現場の空間を適切に予約することが可能となる。また、工事現場で用いられる対象物又は工事現場の予約された空間を示す画像情報を、図面情報の所定縮尺に対応する縮尺で当該図面情報に重畳して表示することにより、例えば、実際の工事現場内での対象物又は予約された空間のサイズ等を把握することが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の管理システムによれば、対象物の動線に関して確認させるための処理、又は、対象物の動線に関する情報を反映する処理を行うことにより、例えば、工事現場の状況を適切に確認させたり、当該状況を適切に反映したりすることが可能となる。
【0019】
請求項5に記載の管理システムによれば、予約内容情報を蓄積することにより、例えば、蓄積された予約内容情報を利用して、工事現場の空間の利用効率を向上させることが可能となる。
【0020】
請求項6に記載の管理システムによれば、工事を管理するための指標となる管理指標情報を出力することにより、例えば、工事現場の空間の利用効率を更に向上させることが可能となる。
【0021】
請求項7に記載の管理システムによれば、所定の作業に関して工事現場の第1空間を予約する場合、当該所定の作業に関して第1空間と関連する1個以上の第2空間も連動して予約することにより、例えば、第2空間を予約する手間を低減したり、あるいは、第2空間の予約漏れを防止したりすることが可能となる。
【0022】
請求項8に記載の管理システムによれば、工事現場での工事に関する工程の予定期間が変更された場合、当該変更された予定期間に基づいて予約期間を変更することにより、例えば、工事現場の空間の予約期間を、工事に関する工程と連動させることが可能となり、工程の予定期間の変更に応じて空間の予約期間を変更する手間を低減したり、あるいは、当該変更漏れを防止したりすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施の形態に係る情報処理システムを機能概念的に示すブロック図である。
図2】下図関連情報を例示した図である。
図3】下図情報を例示した図である。
図4】下図情報を例示した図である。
図5】予約関連情報を例示した図である。
図6】対象物等関連情を例示した図である。
図7】図面登録用画面を例示した図である。
図8】図面登録用画面を例示した図である。
図9】予約処理のフローチャートである。
図10】予約入力用画面の表示例である。
図11】予約入力用画面の表示例である。
図12】予約入力用画面の表示例である。
図13】予約閲覧用画面の表示例である。
図14】予約閲覧用画面の表示例である。
図15】他の予約関連情報を例示した図である。
図16】他の予約入力用画面の表示例である。
図17】予約閲覧用画面の表示例である。
図18】予約閲覧用画面の表示例である。
図19】予約閲覧用画面の表示例である。
図20】予約閲覧用画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る管理システム及び管理プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0025】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、管理システム及び管理プログラムに関する。本発明に係る管理システムは、工事現場の空間を予約するためのシステムであり、例えば、図面情報を用いて予約するシステムである。
【0026】
「図面情報」とは、工事現場を示す図面の情報であって、工事現場での工事の進捗に対応する図面の情報であり、例えば、平面図、立面図、断面図、及び斜視図等の任意の二次元図面、あるいは、三次元図面を示す情報等を含む概念である。
【0027】
また、「図面情報」とは、例えば、紙面の図面をスキャンして取り込んだ任意の形式の画像データ(一例としては、JPEG形式、PNG形式、TIF形式等のデータ)等を含む概念であり、また、PDF形式のデータ等を含む概念であり、また、いわゆるBIM(Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング))の技術に基づいて生成されたモデルから生成される図面等を含む概念である。
【0028】
「工事現場での工事の進捗に対応する図面」とは、例えば、工事現場での工事の各工程又は各作業に対応する図面を示す概念であるものと解釈してもよい。
【0029】
「工程」とは、例えば、工事の過程を複数の段階に分けて分業を行う際の各段階に対応する概念であり、建築分野におけるいわゆる工程表で特定される対象を示す概念であるものと解釈してもよい。「作業」とは、例えば、各工程に属する仕事を示す概念であるものと解釈してもよい。
【0030】
そして、以下の実施の形態においては、「図面情報」として工事現場の各階に相当する平面図に対応する図面を示す情報を用いる場合について説明する。また、工事における順次行われる「工程」の予定期間(つまり、工程が予定される期間)が予め定められていることとして説明する。
【0031】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0032】
(構成)
まず、図1は、本実施の形態に係る情報処理システムを機能概念的に示すブロック図である。情報処理システム100は、例えば、端末装置1、及びサーバ装置2を備え、これらの各装置が相互に通信可能となっている。なお、情報処理システム100においては、各種ユーザ(職長、職員等)に携帯される複数の端末装置1が含まれている。
【0033】
(構成‐端末装置)
図1の端末装置1は、ユーザによって携帯される装置であり、例えば、タブレット端末であり、一例としては、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、記録部14、及び制御部15を備える。
【0034】
通信部11は、外部機器(例えば、サーバ装置2)との間で通信を行う通信手段である。タッチパッド12は、ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。ディスプレイ13は、各種の画像を表示する画像表示手段であり、例えば、上記のタッチパッド12と当該ディスプレイ13とがタッチパネルとして一体形成されている。記録部14は、プログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。制御部15は、端末装置1を制御する制御手段であり、例えば、CPU、RAM、及びROM等の内部メモリ等を用いて構成されている。
【0035】
(構成‐サーバ装置)
サーバ装置2は、前述の管理システムであり、例えば、通信部21、記録部22、及び制御部23を備える。
【0036】
(構成‐サーバ装置‐通信部)
図1の通信部21は、外部機器(例えば、端末装置1)との間で通信を行う通信手段である。
【0037】
(構成‐情報処理システム-サーバ装置-記録部)
図1の記録部22は、サーバ装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。この記録部22は、例えば、下図関連情報データベース221(以下、データベースを「DB」と称する)、予約関連情報DB222、対象物等関連情報DB223を備える。
【0038】
(構成‐サーバ装置-記録部-下図関連情報DB)
図1の下図関連情報DB221は、前述の図面情報を格納する図面情報格納手段であり、下図関連情報を格納する格納手段である。
【0039】
図2は、下図関連情報を例示した図である。「下図関連情報」とは、前述の図面情報及び当該図面情報に関連する情報を含む概念であり、例えば、図2に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0040】
項目「下図ID」の情報は、下図情報を一意に識別するための下図識別情報(以下では、「識別情報」を「ID」とも称する)である(図2では、「ID011」等)。
【0041】
項目「下図情報」の情報は、図面情報であって、工事現場を示す図面を示す下図情報である。図3及び図4は、下図情報を例示した図である。なお、図3は、情報処理システム100が適用される工事現場における1階部分に対応する平面図が図示されており、工事現場の敷地の境界が実線で図示されており、また、工事中の各建物又は各区画が破線で図示されており、また、通り芯を示す情報(図面中の「X1」、「X2」、「Y1」、「Y2」等のテキスト情報、及び当該テキスト情報から延びている通り芯を示す直線)等が図示されている。なお、通り芯を示す情報としては、説明の便宜上、一部の情報のみが例示されている。また、図4は、情報処理システム100が適用される工事現場における2階部分に対応する平面図が図示されており、基本的には図3と同様な情報が図示されているが、2階部分には駐車場が存在しないので、当該駐車場が図示されていない状態となっている。
【0042】
本実施の形態では、工事現場を示す図面の画像情報を、図2の下図情報として用いることとし、例えば、図3及び図4の下図情報を示す「B011.jpg」及び「B021.jpg」等が格納されている。
【0043】
項目「階数情報」の情報は、下図情報が示す図面(つまり、「下図」)に図示されている階数を示す階数情報である(図2では、「1階」等)。項目「対象期間情報」の情報は、工事現場で行われる工事の各工程の予定期間を示す対象期間情報である(図2では、2020年1月1日から2020年2月29日までの期間を示す「2020年1月1日-2020年2月29日」等)。図2の例では、1個の工程が「2020年1月1日-2020年2月29日」に予定されており、次の工程が「2020年3月1日-2020年4月30日」に予定されていること等が示されている。
【0044】
項目「下図位置基準情報」は、下図における各位置と当該下図に示されている工事現場とを相互に関連付けるための基準となる下図位置基準情報である。図2では、下図の画像上の位置(例えばピクセル(つまり、画素))と、当該位置を示す三次元座標とが相互に関連付けられた情報が格納されている。図2では、ピクセルについては、「P11」等と便宜上図示されている。ここで用いる三次元座標としては、相互に直交するX軸-Y軸-Z軸を基準とした座標系を用い、また、座標における「1」が工事現場での実際の距離ある1mmに対応するように設定されている場合について説明する。また、通り芯における「X1」通り及び「Y1」通りの交点に対応する位置(所定位置)を原点「0,0,0」に設定する場合について説明する。
【0045】
すなわち、例えば、図2の「P11-(0,0,0),P12-(350000,0,0)」については、例えば、下図の「P11」に対応する位置が通り芯における「X1」通り及び「Y1」通りの交点に対応する位置(本実施の形態では、原点)であることが示されており、及び下図の「P12」に対応する位置が「P11」の位置(つまり、原点)を基準にして、X軸方向において「350000」mmだけ離れた位置であることが示されている。このような下図位置基準情報を適用することにより、下図に基づいて、実際の工事現場の寸法等を把握することが可能となる。
【0046】
そして、このような図2の下図関連情報の最上段の情報については、例えば、「ID011」が識別する下図情報が図3の「B011.jpg」であり、当該「B011.jpg」は「1階」を示しており、当該下図情報が関連付けられている工程が「2020年1月1日-2020年2月29日」に予定されていること(つまり、「2020年1月1日-2020年2月29日」に予定されている工程に関連付けられている下図情報が「B011.jpg」であること)が示されており、当該下図情報の下図位置基準情報が「P11-(0,0,0),P12-(350000,0,0)」であることが示されている。
【0047】
なお、この下図関連情報については、後述する下図登録処理を実行することにより格納される。
【0048】
(構成‐サーバ装置-記録部-予約関連情報DB)
図1の予約関連情報DB222は、予約関連情報を格納する格納手段である。
【0049】
図5は、予約関連情報を例示した図である。「予約関連情報」とは、工事現場の空間の予約の内容を示す予約内容情報であり、例えば、図5に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0050】
項目「予約ID」の情報は、予約関連情報を一意に識別する予約IDである(図5では、「ID901」等)。項目「予約名情報」の情報は、予約を特定するための名称を示す予約名情報である(図5では、「鉄筋ヤード」等)。項目「予約会社情報」の情報は、予約したユーザ(例えば職長)が所属する会社を示す予約会社情報である(図5では、「A建設」等)。
項目「予約者情報」の情報は、予約したユーザ(例えば職長)を示す予約者情報である(図5では、氏名を示す情報が用いられるが、便宜上の記載である「AA AA」等が図示されている)。
【0051】
項目「予約空間特定情報」の情報は、予約した空間を特定するための予約空間特定情報であり、例えば、項目「階数情報」と項目「位置特定情報」を含む。項目「階数情報」の情報は、予約した空間の階数を示す階数情報である(図5では、「1階」等)。項目「位置特定情報」の情報は、予約した空間の位置及び範囲を示す位置特定情報である。この位置特定情報としては、例えば、後述するように、図3等の下図情報において、領域(つまり、範囲)を指定することにより予約の対象とする空間を定めることを前提とし、指定した領域を示す座標の集合(例えば、矩形の領域を指定する場合は、各頂点に対応する座標の集合等)を用いることとし、図5では、便宜上「Ar1」等と図示されている。なお、予約の対象となる空間の鉛直方向の広がりについては、階数情報で特定可能である点を考慮して、ここで用いられる座標としては、前述のX軸-Y軸-Z軸を基準とした座標系における、X軸-Y軸の座標を用いてもよい。
【0052】
項目「予約期間情報」の情報は、予約されて占有されることが予定されている期間を示す予約期間情報である(図5では、2020年1月20日から2020年2月20日までの期間を示す「2020年1月20日-2020年2月20日」等)。
【0053】
そして、このような図2の予約関連情報の最上段の情報については、例えば、「ID901」が識別する予約関連情報において、「A建設」の「AA AA」が「鉄筋ヤード」という予約の名称で、「1階」の「Ar1」が示す空間を、2020年1月20日から2020年2月20日までの期間予約していること等が示されている。
【0054】
なお、この予約関連情報については、後述する予約処理を実行することにより格納される。
【0055】
(構成‐サーバ装置-記録部-対象物等関連情報DB)
図1の対象物等関連情報DB223は、対象物等関連情報を格納する格納手段である。
【0056】
図6は、対象物等関連情を例示した図である。「対象物等関連情報」とは、工事現場で用いられる対象物(例えば、トラック又は重機等の工事用車両、あるいは、機材等)、工事現場の各種領域又は移動路(例えば、立入禁止となっている領域、トラック又は重機等の移動路、作業員の移動路等)を示す情報であり、例えば、図6に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0057】
項目「対象物等ID」の情報は、対象物等関連情報を一意に識別する対象物等IDである(図6では、「ID501」等)。項目「種別情報」の情報は、対象物等の種類を示す種別情報である(図6では、「立入禁止領域」等)。項目「名称情報」の情報は、対象物等を特定するための名称を示す名称情報である(図6では、「立入禁止エリア」等)。項目「設置期間情報」の情報は、対象物等が設けられる期間を示す設置期間情報である(図6では、「2020年1月1日-2020年3月31日」等)。
【0058】
項目「対象物等特定情報」の情報は、対象物等を特定するための対象物等特定情報である。図6では対象物等の種類に応じた情報が対象物等特定情報として格納されている。例えば、「立入禁止領域」については、図5の階数情報及び位置特定情報と同様な情報が格納されており、すなわち、立入禁止となっている空間の階数及び位置及び範囲を示す情報が格納されている(図6では、「1階,Ar21」等)。また、「工事用車両」については、当該工事用車両(つまり、トラック又は重機等)のサイズを示す情報(図6では、縦、横、及び高さサイズを示す便宜上の記載である「S11」)、当該工事用車両の駐車位置を示す情報(図6では、「(X1,Y1,0)」)、及び当該工事用車両の正面が向けられている方向を示す情報(図6では、前述の座標系のX軸又はY軸を基準とした情報であり+Y方向を示す「+Y」)が格納されている。また、「工事用車両動線」については、工事用車両の移動路(つまり、動線)の位置を示す情報(図6では、階数及び位置を示す座標の集合である「1階,Ar31」)が格納されている。また、「作業員動線」については、作業員の移動路(つまり、動線)の位置を示す情報として、工事用車両動線と同様な情報が格納されている。
【0059】
なお、この対象物等関連情報については、後述する対象物等登録処理を実行することにより格納される。
【0060】
(構成‐サーバ装置-制御部)
図1の制御部23は、サーバ装置2を制御する制御手段であり、機能概念的には、例えば、管理部231を備える。管理部231とは、下図関連情報DB221に格納されている図面情報に基づいて、少なくとも、工事現場の空間を予約するための予約処理を行う管理手段である。なお、この制御部23の各部によって行われる処理については、後述する。
【0061】
(処理)
続いて、本実施の形態に係る情報処理システム100によって実行される処理について説明する。例えば、下図登録処理、予約処理、対象物等登録処理、及び閲覧処理について説明する。
【0062】
(処理‐下図登録処理)
下図登録処理について説明する。下図登録処理とは、下図を登録する処理であり、例えば、図2の下図関連情報を格納する処理である。ここでは、図3及び図4の下図情報は、例えば、「2020年1月1日-2020年2月29日」が予定期間となっている工程の下図を示すこととし、この下図情報に関する各情報を格納する場合を例示して説明する。
【0063】
図7及び図8は、図面登録用画面を例示した図である。「図面登録用画面」とは、下図情報等を登録(つまり、格納)するための画面である。
【0064】
まず、ユーザ(例えば職員)が所定の操作を行った場合に(例えば、下図情報が予めスキャンされたり、あるいは、BIMモデルから生成されたりして、所定のデータベースに格納されていることとし、当該下図情報をダウンロードして表示するための操作を行った場合に)、当該ユーザが携帯する端末装置1の制御部15は、図面登録用画面をディスプレイ13に表示する。
【0065】
ここでは、例えば、図3の「B011.jpg」の下図情報をダウンロードして表示するための操作を行った場合を例示して説明する。この場合、図7に示す当該「B011.jpg」の下図情報を表示する図面登録用画面を表示する。
【0066】
次に、ユーザは、タッチパッド12を介して、図7の図面登録用画面に表示されている下図情報が示す階数として「1階」を入力し、また、当該下図情報に対応する工程の予定期間として「2020年1月1日-2020年2月29日」を入力する。また、ユーザは、図8に示すように、タッチパッド12を介して、点P1(つまり、「X1」通り及び「Y1」通りの交点に対応する位置である原点)をタップして指定し、当該指定した点P1の座標として「0,0,0」を入力し、また、点P2をタップして指定し、当該指定した点P2の座標として「350000,0,0」を入力する。そして、ユーザは、当該入力等された情報をサーバ装置2に送信するための操作(例えば、不図示の「登録」ボタンをタップする操作等)を行う。
【0067】
この場合、端末装置1の制御部15は、図面登録用画面に表示されている下図情報である「B011.jpg」、ユーザに入力された階数を示す情報である「1階」、予定期間を示す情報である「2020年1月1日-2020年2月29日」、及びタップして指定された点P1、P2を示すピクセルを示す情報と入力された座標である「0,0,0」、「350000,0,0」をサーバ装置2に送信する。
【0068】
一方、サーバ装置2の制御部23は、端末装置1から送信された情報を受信した上で、一意となる下図IDを生成し、生成した下図ID、及び受信した各情報に基づいて、図2の下図関連情報を格納する。ここでは、例えば、図2の最上段の情報を格納する。
【0069】
そして、上述の処理を適宜のタイミングで繰り返し行うことにより、図2の各情報が格納されることになる。これにて、下図登録処理を終了する。
【0070】
(処理‐予約処理)
予約処理について説明する。図9は、予約処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。予約処理は、工事現場の空間を予約するための処理であり、例えば、サーバ装置2によって実行される処理であり、図5の予約関連情報を格納するための処理である。
【0071】
ここでは、例えば、ユーザ(例えば職長)が、自己の端末装置1のタッチパッド12を介して、予約処理を開始するための所定操作(例えば、予約処理を開始するためのボタンをタップする操作等)を行った場合に、端末装置1の制御部15は、予約処理開始信号をサーバ装置2に送信し、当該サーバ装置2が予約処理開始信号を受信した場合に処理を開始することして、当該処理が開始されたところから説明する。
【0072】
===SA1===
図9のSA1においてサーバ装置2の管理部231は、予約入力用画面を表示する。図10図12は、予約入力用画面の表示例である。「予約入力用画面」とは、空間を予約するための情報を入力するための画面であり、例えば、第1入力表示欄A11、及び第2入力表示欄A12を有する。第1入力表示欄A11は、各種テキスト情報を入力し、当該入力したテキスト情報が表示される欄である。第2入力表示欄A12は、下図情報が表示される欄であり、当該表示された下図情報を利用して予約の対象となる領域を示す情報を入力するための欄である。
【0073】
サーバ装置2の管理部231は、図10の予約入力用画面を表示するための画面情報を生成して端末装置1に送信することにより、当該端末装置1のディスプレイ13に、図10の予約入力用画面を表示する。
【0074】
一方、ユーザが、タッチパッド12を介して、図11の第1入力表示欄A11に示すように、「日付」の入力欄(なお、各入力欄は、図面中では矩形で示されている欄である)に、自己が予約して占有を希望する空間である予約対象空間の予約期間に対応する日付(例えば予約開始日)として「2020年1月20日」を入力し、また、「階数」の入力欄に、予約対象空間の階数として「1階」を入力した上で、不図示の「図面表示」ボタンをタップした場合に、端末装置1は、当該入力された「2020年1月20日」及び「1階」を含む図面情報要求信号をサーバ装置2に送信する。
【0075】
サーバ装置2の管理部231は、図面情報要求信号を受信した場合に、図2の下図関連情報を参照し、図面情報要求信号に含まれている各情報に関連付けられている下図情報をと特定する。ここでは、例えば、図2において、「2020年1月20日」を含む「2020年1月1日-2020年2月29日」に関連付けられており、且つ、「1階」に関連付けられている「下図情報」=「B011.jpg」を特定する。この後に、当該管理部231は、特定した「下図情報」=「B011.jpg」を端末装置1に送信することにより、図11に示すように、第2入力表示欄A12に「下図情報」=「B011.jpg」(つまり、図3の下図情報)を表示する。
【0076】
===SA2===
図9のSA2においてサーバ装置2の管理部231は、予約に関する各種情報を取得する。概略的には、ユーザが、タッチパッド12を介して、予約入力用画面に情報を入力した場合に、端末装置1の制御部15は、当該入力された情報をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2の管理部231が、当該送信された情報を受信して当該受信した情報と、SA1で受信した図面情報要求信号に含まれている階数を示す情報を取得する。
【0077】
ここでは、例えば、ユーザが、図11の予約入力用画面において、図12に示すように、第1入力表示欄A11の「予約名」、「予約会社名」、「予約者名」、「占有開始」、「占有終了」の入力欄に「鉄筋ヤード」、「A建設」、「AA AA」、「2020年1月20日」、「2020年2月20日」を入力し、また、第2入力表示欄A12の領域901を指定することにより入力した場合、入力された「鉄筋ヤード」、「A建設」、「AA AA」、「2020年1月20日」、「2020年2月20日」、領域901を示す座標の集合である「Ar1」をサーバ装置2に送信する。
【0078】
一方、サーバ装置2の管理部231は、これらの「鉄筋ヤード」、「A建設」、「AA AA」、「2020年1月20日」、「2020年2月20日」、「Ar1」を受信して取得し、また、SA1で受信した図面情報要求信号に含まれている階数を示す情報である「1階」を取得する。
【0079】
===SA3===
図9のSA3においてサーバ装置2の管理部231は、SA2で取得した各種情報に基づいて、予約関連情報を格納する。ここでは、例えば、予約関連情報DB222で一意となる予約IDである「ID901」を生成し、生成した「ID901」、SA2で取得した「鉄筋ヤード」、「A建設」、「AA AA」、「1階」、「Ar1」を、図5の予約ID、予約名情報、予約会社情報、予約者情報、階数情報、及び位置特定情報として格納し、また、SA2で取得した「2020年1月20日」から当該取得した「2020年2月20日」までの期間を示す「2020年1月20日-2020年2月20日」を予約期間情報として格納する。これにて、予約処理を終了する。
【0080】
(処理‐対象物等登録処理)
対象物等登録処理について説明する。対象物等登録処理は、図6の対象物等関連情報を格納するための処理である。
【0081】
ユーザ(例えば職員)が自己の端末装置1を介して、図6の対象物等関連情報の内の対象物ID以外の情報を入力してサーバ装置2に送信した場合に、サーバ装置2の制御部23は、一意となる対象物等IDを生成し、生成した対象部ID、及び端末装置1から受信した情報に基づいて、対象物等特定情報を格納する。なお、ここでの具体的な処理は任意であり、例えば、図12の予約入力用画面と同様な画面を表示して、ユーザによって当該画面に入力された情報に基づいて格納するように構成してもよい。
【0082】
(処理‐閲覧処理)
閲覧処理について説明する。閲覧処理は、図5の予約関連情報を表示するための処理であり、予約閲覧用画面を表示する処理である。図13及び図14は、予約閲覧用画面の表示例である。「予約閲覧用画面」とは、予約関連情報を表示するための画面であり、例えば、表示条件入力欄A21、及び情報表示欄A22を有する。表示条件入力欄A21は、情報表示欄A22に表示する情報を選択するための条件を入力する欄であり、図13及び図14では不図示となっているが、例えば、階数、日付、予約会社名、又は予約者名等のうちの1個以上の情報を入力することが可能となっている。情報表示欄A22は、予約関連情報を表示するための欄である。
【0083】
ここでは、例えば、ユーザ(例えば職員又は職長)が、自己の端末装置1のタッチパッド12を介して、閲覧処理を開始するための所定操作(例えば、閲覧処理を開始するためのボタンをタップする操作等)を行った場合に、端末装置1の制御部15は、閲覧処理開始信号をサーバ装置2に送信し、当該サーバ装置2が閲覧処理開始信号を受信した場合に処理を開始することして、当該処理が開始されたところから説明する。
【0084】
サーバ装置2の制御部23は、図13の予約閲覧用画面(詳細には情報表示欄A22に何らの情報も表示されていない予約閲覧用画面)を表示するための画面情報を生成して端末装置1に送信することにより、当該端末装置1のディスプレイ13に、予約閲覧用画面を表示する。
【0085】
ここでは、例えば、2020年2月10日の予約を閲覧する場合について説明する。この場合、ユーザが、タッチパッド12を介して、表示条件入力欄A21に、閲覧のために表示する情報の条件として「階数」=「1階」及び「日付」=「2020年2月10日」を入力し、不図示の「表示」ボタンをタップした場合に、端末装置1の制御部15は、当該「階数」=「1階」及び「日付」=「2020年2月10日」を含む表示条件通知信号をサーバ装置2に送信する。
【0086】
サーバ装置2の制御部23は、表示条件通知信号を受信した場合に、当該受信した表示条件通知信号に含まれている情報に合致する情報を含む予約閲覧用画面を表示するための画面情報を生成して端末装置1に送信することにより、当該端末装置1のディスプレイ13に、予約閲覧用画面を表示する。具体的には、以下の第1処理~第4処理を実行する。
【0087】
===第1処理===
ここでは、例えば、「階数」=「1階」及び「日付」=「2020年2月10日」を含む表示条件通知信号を受信した場合、まず、図2の下図関連情報を参照して、前述の「階数」=「1階」と同じ階数情報が関連付けられており、且つ、前述の「日付」=「2020年2月10日」を含む対象期間情報が関連付けられている「下図情報」=「B011.jpg」を特定する(以下、「第1処理」とも称する)。
【0088】
===第2処理===
次に、図5の予約関連情報を参照して、前述の「階数」=「1階」と同じ階数情報が関連付けられており、且つ、前述の「日付」=「2020年2月10日」を含む予約期間情報が関連付けられている「予約ID」=「ID901」及び「ID902」を特定する(以下、「第2処理」とも称する)。
【0089】
===第3処理===
次に、図6の対象物等関連情報を参照して、前述の「階数」=「1階」と同じ階数を示す対象物等特定情報が関連付けられており、且つ、前述の「日付」=「2020年2月10日」を含む設置期間情報が関連付けられている対象物等IDを特定する(以下、「第3処理」とも称する)。
【0090】
なお、ここで特定する対象物等IDは、全ての種別情報に関連付けられている情報を特定するように構成してもよいし、あるいは、ユーザからの入力に基づいて予め定められた一部の種別情報に関連付けられている情報を特定するように構成してもよいが、例えば、「種別情報」=「立入禁止領域」に関連付けられている情報を特定するように構成されている場合について最初に詳細に説明し、「種別情報」=「立入禁止領域」及び「工事用車両」に関連付けられている情報を特定するように構成されている場合について次に概略のみ説明する。
【0091】
「種別情報」=「立入禁止領域」に関連付けられている情報を特定するように構成されている場合、「第3処理」では、図6の「対象物等ID」=「ID501」を特定する。
【0092】
===第4処理===
次に、図5の予約関連情報を参照して、「第2処理」で特定した「予約ID」=「ID901」及び「ID902」に関連付けられている各情報を取得し、また、図6の対象物等関連情報を参照して、「第3処理」で特定した「対象物等ID」=「ID501」に関連付けられている各情報を取得した上で、「第1処理」で特定した「下図情報」=「B011.jpg」が示す下図に対して、当該取得した各情報によって特定される情報を重畳することにより、例えば図13に示す予約閲覧用画面を表示するための画面情報を生成し、当該生成した画面情報を端末装置1に送信することにより表示する(以下、「第4処理」とも称する)。
【0093】
詳細には、図13に示すように、図5の「ID901」に関連付けられている「Ar1」が示す位置及び範囲を矩形の領域で示し、且つ、当該「ID901」に関連付けられている「鉄筋ヤード」を当該矩形の領域にテキスト情報として表示される予約空間表示用画像G901(つまり、画像情報であり、予約された空間の位置及び範囲等を示す図形の画像)、図5の「ID902」に関連付けられている「Ar2」が示す位置及び範囲を矩形の領域で示し、且つ、当該「ID902」に関連付けられている「柱地組」を当該矩形の領域にテキスト情報として表示される予約空間表示用画像G902(つまり、画像情報であり、予約された空間の位置及び範囲等を示す図形の画像)、図6の「ID501」に関連付けられている「Ar21」が示す位置を矩形で示し、且つ、当該「ID501」に関連付けられている「立入禁止エリア」を当該矩形の領域にテキスト情報として表示される対象物等関連表示用画像G903(つまり、立入禁止領域に設定されている位置及び範囲等を示す図形の画像)を、図2の「下図情報」=「B011.jpg」の下図に対して重畳して表示する予約閲覧用画面を表示するための画面情報を生成し、当該生成した画面情報を端末装置1に送信することにより表示する。
【0094】
なお、「第3処理」において、「種別情報」=「立入禁止領域」及び「工事用車両」に関連付けられている情報を特定するように構成されている場合、当該「第3処理」では、図6の「対象物等ID」=「ID501」に加えて「ID502」も特定する。
【0095】
この場合の「第4処理」は前述の場合と同様であるが、図14に示すように、この「対象物等ID」=「ID502」に関しては、図6の「ID502」に関連付けられている「(X1,Y1,0)」が示す位置に、図6の「+Y」が示す向きに向けて、図6の「S11」が示すサイズにて、「下図情報」=「B011.jpg」の縮尺に対応する縮尺で重畳して表示される対象物等関連表示用画像G904(つまり、画像情報であり、駐車位置に駐車している状態のトラックを示す図形の画像)を重畳して表示する予約閲覧用画面を表示するための画面情報を生成し、当該生成した画面情報を端末装置1に送信することにより表示する。なお、図14の対象物等関連表示用画像G904については、全体形状が説明の便宜上矩形で図示されているが、トラックの平面図に対応する図形の画像であり、且つ、図14の図面上側に向けられている方向が正面側を示すものとする。
【0096】
なお、ここでは、前述したように、図2の下図位置基準情報において、下図上の2点にピクセルの座標として工事現場での実際の距離に対応する情報が用いられているので、図14の予約閲覧用画面の対象物等関連表示用画像G904のサイズを視認することにより、当該対象物等関連表示用画像G904が示すトラックの、周囲に対する相対的なサイズを確認することが可能となる。
【0097】
また、ここでは、例えば、公知のマウスオーバーの如き技術を適用して、予約空間表示用画像G901、G902に対して、図5の予約関連情報における任意の情報を関連付けることにより、予約閲覧用画面における予約空間表示用画像をタップした場合に、図5の予約関連情報の内の任意情報(例えば、予約会社情報、予約者情報、予約期間情報等)が表示されるように構成してもよい。なお、対象物等関連表示用画像G903、G904についても同様に構成してもよい。
【0098】
そして、ユーザは、自己の端末装置1に表示されている図13又は図14等の予約閲覧用画面を視認することにより、「2020年2月10日」の「1階」の空間の予約状況を確認することが可能となる。これにて、閲覧処理を終了する。
【0099】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、工事現場での工事の進捗に対応する図面情報に基づいて予約処理を行うことにより、例えば、工事の進捗に応じて新しい空間が生じたり、空間の形態が変化したりするような状況下でも、工事現場の空間を適切に予約することが可能となる。
【0100】
また、図面情報は工事現場の所定位置を基準にして工事現場を所定縮尺で示していることにより、例えば、工事の進捗に応じて新たな図面情報に変更して適用する場合であっても、当該新たな図面情報を変更前の図面情報の各位置と合致させることができ、工事現場の空間を適切に予約することが可能となる。また、工事現場で用いられる対象物又は工事現場の予約された空間を示す画像情報を、図面情報の所定縮尺に対応する縮尺で当該図面情報に重畳して表示することにより、例えば、実際の工事現場内での対象物又は予約された空間のサイズ等を把握することが可能となる。
【0101】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0102】
(調整について)
また、図9の予約処理において、相互に異なるユーザである各職長が、相互に重複する空間を重複する期間に予約する場合も想定されるが、このような場合は、ユーザである職員が、各予約に関する情報を確認して調整した上で、相互に重複しないように、予約関連情報を格納するように構成してもよい。なお、このような調整を、サーバ装置2の管理部231が、所定の基準(例えば、職員によって予め定められた優先順位等)に基づいて自動的に行うように構成してもよい。
【0103】
(予約関連情報の編集について)
また、図5の予約関連情報の編集に関して、以下のように構成してもよい。具体的には、サーバ装置2の管理部231が、ユーザの属性に基づいて、予約処理によって行われた工事現場の空間の予約の内容を示す予約関連情報に対する当該ユーザによる編集を、許可又は禁止するように構成してもよい。「ユーザの属性」とは、ユーザの特徴又は性質を示す概念であり、例えば、ユーザが所属する会社又は部署、当該ユーザの職種等を示す概念である。
【0104】
ユーザの属性が、ユーザが所属する会社である場合は、以下のように構成してもよい。例えば、建築分野における元請会社に対応する「〇〇工務店」が存在し、図5の「A建設」及び「B建設」等が当該「〇〇工務店」の下請け会社である場合について説明する。そして、図1の記録部22に対して、ユーザを示す氏名情報と、当該ユーザが所属する会社を示す会社情報とが関連付けられているユーザ情報が格納されていることとする。
【0105】
ユーザが、自己の端末装置1に対して自己の氏名情報を入力した上でログインし、図5の予約関連情報の内の何れかの情報を選択して編集するための所定操作(例えば、図13又は図14等の予約閲覧用画面において、予約空間表示用画像をタップして選択した上で不図示の「編集」ボタンをタップする操作等)を行った場合に、端末装置1が、ログイン時に入力された氏名情報及び選択された予約空間表示用画像を示す情報を含む編集要求信号を、サーバ装置2に送信する。
【0106】
一方、サーバ装置2の管理部231は、端末装置1から編集要求信号を受信した場合に、当該受信した編集要求信号に含まれる氏名情報を取得し、記録部22に記録されているユーザ情報を参照して、当該取得した氏名情報と同じ氏名情報が関連付けられている会社情報を特定する。
【0107】
そして、特定した会社情報が「〇〇工務店」等の元請会社を示している場合、編集要求信号に含まれている予約空間表示用画像を示す情報に対応する予約関連情報が、何れの会社に所属する予約者によって予約された情報であっても(すなわち、何れの予約関連情報についても)、編集を許可する処理を行う。なお、ここでの編集を許可する処理としては、例えば、ユーザに対して編集するための情報(例えば、予約名情報又は予約期間情報等を一部変更するための情報等)を、端末装置1を介して入力させてサーバ装置2に送信されることにより、当該情報に基づいて編集する処理等を行ってもよい。
【0108】
一方、特定した会社情報が「A建設」又は「B建設」等の下請け会社を示している場合、編集要求信号に含まれている予約空間表示用画像を示す情報に対応する予約関連情報が、当該特定した会社情報に属する予約者によって行われた情報である場合(つまり、特定した会社情報と、編集要求信号に含まれている予約空間表示用画像を示す情報に対応する予約関連情報に含まれる予約会社情報が合致する場合)に、前述と同様にして、編集を許可する処理を行い、一方、当該特定した会社情報に属する予約者によって行われた情報でない場合(つまり、特定した会社情報と、編集要求信号に含まれている予約空間表示用画像を示す情報に対応する予約関連情報に含まれる予約会社情報が合致しない場合)に、編集を禁止するための処理を行う。なお、ここでの編集を禁止するための処理としては、例えば、端末装置1に対して「他の会社の予約内容は編集できません」等のメッセージを送信して表示することにより、編集が禁止されていることを通知する処理等を行ってもよい。
【0109】
このように構成することにより、ユーザの属性に基づいて、予約関連情報に対する編集を許可又は禁止することにより、例えば、予約関連情報を適切に編集することが可能となる。
【0110】
(空間の連動予約について)
また、複数の空間を連動して予約できるように構成してもよい。例えば、管理部231が、所定の作業に関して工事現場の第1空間を予約する場合、当該所定の作業に関して第1空間と関連する1個以上の第2空間も連動して予約するように構成してもよい。
【0111】
図15は、他の予約関連情報を例示した図であり、図16は、他の予約入力用画面の表示例である。例えば、図15に示すように、図5の各情報に対して項目「作業情報」の情報(つまり、予約された空間で行われる作業の内容を示す作業情報)を更に関連付け、図16の第1入力表示欄A11の右下に示される「作業」の入力欄に入力された作業名に対応する情報を、図15の作業情報に格納するように構成してもよい。
【0112】
なお、この場合、図16の「作業」の入力欄には、予め定められている複数個の作業名の内の1個の作業名が入力されるように、例えば、ユーザが当該入力欄をタップした場合に、複数個の作業名をリスト表示し、当該リストの内からユーザがタップして選択した作業名が入力され、図15の作業情報として格納されるように構成してもよい。
【0113】
そして、1個の空間について作業を行う場合に、安全性確保等を含む任意の観点から他の空間も予約する必要がある所定作業として、「コンクリート打設」等が予め定められていることとする。ここでは、「コンクリート打設」については、少なくとも下の階も予約することが定められていることとする。
【0114】
例えば、ユーザが、図16の予約入力用画面において、「階数」の入力欄に「2階」を入力し、また、「作業」の入力欄に「コンクリート打設」を入力し、又は他の入力欄に図示の情報を入力し、また、第2入力表示欄A12の領域905を指定することにより入力した場合、サーバ装置2の管理部231は、実施の形態で説明した各処理を行うことにより、図15の「ID903」に関連付けられている情報を格納する。更に、サーバ装置2の管理部231は、図16の「作業」の入力欄に入力された作業名が、前述の所定作業である「コンクリート打設」であるので、ユーザから直接の情報入力は行われていないが、図16の領域905が示す領域の直下の階の領域に対応する空間も予約するために、図15の「ID904」に関連付けられている情報(「ID904」及び「1階」以外は、「ID903」に関連付けられている情報と同じ情報)も自動的に格納する。
【0115】
なお、この例では、図15の「2階」及び「Ar5」で示される空間が「第1空間」に対応し、また、「1階」及び「Ar5」で示される空間が「第2空間」に対応するものと解釈」してもよい。
【0116】
また、ここでは、他の空間を自動的に予約する(つまり、「ID904」に関連付けられている情報を自動的に格納する)場合について説明したが、これに限らず、例えば、図16の「作業」の入力欄に入力された作業名が、前述の所定作業である場合、他の空間(例えば、直下の階の空間、又は、直上の階の空間、あるいは、その他の予め定められて規則に従って特定される空間)を入力させるための情報を表示し、ユーザから入力された情報に基づいて、他の空間を予約するように構成してもよい。
【0117】
このように構成した場合、例えば、第2空間を予約する手間を低減したり、あるいは、第2空間の予約漏れを防止したりすることが可能となる。
【0118】
(予約期間情報の変更について)
また、図5又は図15の予約期間情報については、図2の対象期間情報(つまり、工事現場で行われる工事の各工程の予定期間を示す情報)を考慮して、ユーザが入力して格納する場合がある。このような場合、予約期間情報を工程の予定期間と関連付ける必要性が生じることが想定される。このようなこと等を想定して、管理部231が、工事現場での工事に関する工程の予定期間が変更された場合、当該変更された予定期間に基づいて、図5又は図15の予約期間情報を変更するように構成してもよい。
【0119】
例えば、工程の予定期間を示す情報が記録部22に格納されていることとし、当該情報が変更されて、工程の予定期間における予定終了日が、所定の日数分(例えば、5日分)延期された場合、管理部231は、予約期間情報の終了の日付を当該所定の日数分延期してもよい。すなわち、図5又は図15の「2020年1月20日-2020年2月20日」については、予約期間情報の終了の日付を5日分延期することにより、「2020年1月20日-2020年2月25日」に変更して当該変更した情報を格納するように構成してもよい。
【0120】
このように構成した場合、例えば、工事現場の空間の予約期間を、工事に関する工程と連動させることが可能となり、工程の予定期間の変更に応じて空間の予約期間を変更する手間を低減したり、あるいは、当該変更漏れを防止したりすることが可能となる。
【0121】
(情報の蓄積について)
また、図5又は図15の予約関連情報を、図1の予約関連情報DB222から消去せずに蓄積し続けるように構成してもよい。なお、このように構成する場合の予約関連情報DB222が「予約情報格納手段」に対応するものと解釈してもよい。このように構成することにより、例えば、蓄積された予約関連情報を利用して、工事現場の空間の利用効率を向上させることが可能となる。
【0122】
また、このように予約関連情報を蓄積した場合、過去の予約関連情報を把握することが可能となるので、管理部231が、蓄積された予約関連情報に基づいて、管理指標情報を算出し、算出した管理指標情報を出力するように構成してもよい。「管理指標情報」とは、工事現場での工事を管理するための指標となる情報あり、例えば、空間歩掛を示す情報等である。なお、「空間歩掛」とは、工事に関する単位数量(例えば、鉄筋に関する工事については、当該工事で用いられる鉄筋1トン)あたりの当該工事のために予約された領域の面積及び予約された期間(つまり、予約された日数)を示す概念であり、すなわち、単位「m・日/ton」等が適用される概念である。
【0123】
具体的な実装手法は任意であるが、例えば、図15の予約名情報として、予約する空間各々で行われる工事各々について予め定められた名称を格納することとし、また、作業情報において当該工事の作業で利用する資機材の量(例えば、配筋については鉄筋の総重量、コンクリート打設についてはコンクリートの総重量等)を追加で格納するように構成する。そして、管理部231は、蓄積された予約関連情報において、図15の位置特定情報に基づいて予約されている空間に対応する面積を算出し、また、予約期間情報に基づいて予約されている日数を算出した上で、(「算出した面積」×「算出した日数」)÷「作業情報に格納されている資機材の量」の演算を行い、演算結果を空間歩掛(つまり、管理指標情報)とし、当該空間歩掛を端末装置1に送信して当該端末装置1を介して表示出力したり、あるいは、他のコンピュータを介して表示出力したりしてもよい。
【0124】
このように構成することにより、例えば、工事現場の空間の利用効率を更に向上させることが可能となる。
【0125】
なお、「空間歩掛」については、工事に関する単位数量(例えば、鉄筋に関する工事については、当該工事で用いられる鉄筋1トン)あたりの当該工事のために予約された空間の体積及び予約された期間(つまり、予約された日数)を示す概念であり、すなわち、単位「m・日/ton」等が適用される概念であることとしてもよい。この場合、管理部231は、蓄積された予約関連情報において、図15の位置特定情報に基づいて予約されている空間に対応する体積を算出しし、また、予約期間情報に基づいて予約されている日数を算出した上で、(「算出した体積」×「算出した日数」)÷「作業情報に格納されている資機材の量」の演算を行い、演算結果を空間歩掛(つまり、管理指標情報)として出力してもよい。
【0126】
また、「管理指標情報」として、空間利用率を用いてもよい。「空間利用率」とは、どれだけ空間に余裕があるかを評価するための概念であり、例えば、「予約された面積」÷「施工済み延床面積」の演算によって算出される概念等を含む。なお、この空間利用率については、例えば、階別に算出して相互に比較するように構成してもよい。この空間利用率を用いることにより、例えば、工事に関するプロジェクトが適切に遂行できる最適の空間利用率を確認することが可能となる。
【0127】
なお、この概念の実装手法は任意であり、例えば、施工済み延床面積を示す情報が、適宜のタイミングでサーバ装置2の記録部22に記録されるように構成した上で、管理部231が、当該情報及び蓄積された図15の予約関連情報に基づいて空間利用率を算出して出力するように構成してもよい。
【0128】
また、「管理指標情報」として、空間錯綜度を用いてもよい。「空間錯綜度」とは、どれだけ空間利用が錯綜しているかを評価するための概念であり、例えば、「空間の予約主体が変更した面積」÷(「施工済み延べ床面積」×「予約された日数」)の演算によって算出される概念等を含む。この空間錯綜度を用いることにより、例えば、敷地が狭い工事のプロジェクトほど空間錯綜度が上がることや、あるいは、空間錯綜度が施工効率に影響すること等の確認を行うことが可能となる。
【0129】
なお、この概念の実装手法は任意であり、例えば、前述の空間利用率の場合と同様に構成してもよい。
【0130】
また、「管理指標情報」として、空間優先度を用いてもよい。「空間優先度」とは、前述の「(調整について)」で説明したように、予約される空間が相互に重複した場合にどの予約を優先すべきかを評価するための概念であり、例えば、「職員が変更した後の予約面積」÷「職長の予約面積」の演算によって算出される概念等を含む。この空間優先度を用いることにより、例えば、この空間優先度のデータを蓄積して、経験の比較的浅い職員に対して優先すべき空間を提示したり、自動的に空間を調整したりできる。なお、「予約面積」については、例えば、予約空間を平面視した場合の面積(つまり、予約空間を鉛直上方から下方に向かって見た場合の面積)に対応するものと解釈してもよい。
【0131】
また、「管理指標情報」として、空間要求実現度を用いてもよい。「空間要求実現度」とは、職長の要求の実現度合いを評価するための概念であり、例えば、「確定面積(占有日経過後の面積)」÷「予約面積」の演算によって算出される概念等を含む。この空間要求実現度を用いることにより、例えば、この空間要求実現度のデータを蓄積して、要求が通りやすい面積を提示したり、自動的に空間を調整したりできる。
【0132】
また、蓄積された予約関連情報の利用例は、ここで説明した例に限らず、工事現場の空間の利用効率を向上させるために、他の利用例を適用してもよい。例えば、前述の「(調整について)」で説明したように、相互に重複する空間を相互に重複する期間に予約した場合の調整を自動的に行うために、蓄積された予約関連情報を用いてもよい。
【0133】
(情報の表示について(その1))
また、閲覧処理では、図13及び図14に示すように、予約空間表示用画像G901、G902に加えて、対象物等関連表示用画像G903、G904を表示するように構成したが、この構成を任意に変更してもよい。例えば、対象物等関連表示用画像G904のみを表示するように構成してもよいし、あるいは、図6の対象物等関連情報における工事用車両動線に対応する位置を示す画像を表示してもよい。
【0134】
図17は、予約閲覧用画面の表示例である。具体的には、サーバ装置2の管理部231が、図6の対象物等関連情報に基づいて、閲覧処理で図13又は図14の対象物等関連表示用画像G903、G904を表示する場合の処理と同様の処理を行うことにより、図6の「ID503」に関連付けられているトラックAの移動路(ここでは、工事現場の敷地の境界に対する出入口である「ゲート」から駐車位置に至る移動路である動線)の位置を示す画像として、図17の対象物等関連表示用画像G905を表示するように構成してもよい。
【0135】
(情報の表示について(その2))
サーバ装置2の管理部231が、以下の第1処理~第2処理を実行するように構成してもよい。図18図20は、予約閲覧用画面の表示例である。
【0136】
===第1処理===
「第1処理」は、動線に関して確認させるための処理であり、例えば、工事用車両が動線に沿って移動した場合に、工事中の各建物又は各区画に接触せずに移動可能であるか否かを確認させるための処理である。
【0137】
処理については、管理部231が、図18に示すように、対象物等関連表示用画像G904(つまり、工事用車両のサイズに対応するサイズの画像情報)を、図17の対象物等関連表示用画像G905が示す動線に沿ってゲートから駐車位置まで移動させた場合に、当該対象物等関連表示用画像G904が、移動中に下図情報において破線で示されている工事中の各建物又は各区画に重畳するか否かに基いて、工事用車両が工事中の各建物又は各区画に接触せずに移動可能であるか否かを判定するように構成してもよい。移動中に重畳する場合に、工事中の各建物又は各区画に接触せずに移動することは可能ではない(つまり、不可能である)ものと判定し、一方、移動中に重畳しない場合に、工事中の各建物又は各区画に接触せずに移動することは可能であるものと判定する。そして、これらの判定結果を予約閲覧用画面に表示して出力することにより、ユーザに確認させるように構成してもよい。
【0138】
例えば、図18に示す場合、「駐車場」の角の部分で対象物等関連表示用画像G904が重畳することになるので、工事中の各建物又は各区画に接触せずに移動することは可能ではないものと判定し、当該重畳された「駐車場」の角の部分をハイライト表示等することにより、工事用車両が接触する可能性がある部分を当該ハイライト表示と共にメッセージにて通知してもよい。
【0139】
又は、管理部231が、前述の判定を行わずに、図18に示すように、対象物等関連表示用画像G904の移動の軌跡を示す画像を表示することにより確認させるように構成してもよい。なお、この対象物等関連表示用画像G904の移動の軌跡を示す画像としては任意の画像を用いてもよく、例えば、図19に示すように、対象物等関連表示用画像G904の最も外側の部分の軌跡を示す曲線の画像を用いてもよい。
【0140】
===第2処理===
「第2処理」は、対象物の動線に関する情報を反映する処理であり、例えば、対象物の動線に関する情報に基づいて下図情報等を修正する処理である。
【0141】
処理については、前述の「第1処理」において、対象物等関連表示用画像G904が、移動中に下図情報において破線で示されている工事中の各建物又は各区画に重畳した場合に、管理部231が、当該重畳した部分を特定し、当該特定した部分が工事中の各建物又は各区画外となるように、下図情報において工事中の各建物又は各区画の外形を一部修正し、修正後の下図情報を図2の下図関連情報に格納する。
【0142】
例えば、図18又は図19に示す場合、「駐車場」の角の部分で対象物等関連表示用画像G904が移動中に重畳することになるので、図20に示すように、当該角の部分を「駐車場」から削除する修正(つまり、角の部分を面取りする修正)を下図情報において行い、修正後の下図情報を図2の下図関連情報に格納することにより、当該下図情報を更新する。
【0143】
(情報の表示について(その3))
また、上述の「(情報の表示について(その1))」及び「(情報の表示について(その2))」で説明した構成を任意に応用してもよい。例えば、図17の対象物等関連表示用画像G905については、ユーザが、予約閲覧用画面において動線に対応する位置を指定する操作を、タッチパッド12を介して行った場合に、サーバ装置2の管理部231が、当該指定された位置に対象物等関連表示用画像G905を表示するように構成してもよい。また、図18及び図19の対象物等関連表示用画像G904の移動の軌跡を示す画像についても同様に、ユーザが、予約閲覧用画面において対象物等関連表示用画像G904を動線に沿って移動させる操作を、タッチパッド12を介して行った場合に、サーバ装置2の管理部231が、当該操作に基づいて、軌跡を示す画像を表示するように構成してもよい。
【0144】
(情報の表示について(その4))
また、上述の「(情報の表示について(その2))」で説明した「第2処理」の構成を任意に応用してもよい。例えば、対象物等関連表示用画像G904を動線に沿って移動させる際に、予約空間表示用画像G901、G902の角の部分に重畳した場合に、図20の例の場合と同様に、当該予約空間表示用画像の当該角の部分を削除する修正(つまり、角の部分を面取りする修正)を行い、当該修正後の空間の範囲を示す情報を図5又は図15の位置特定情報として格納するように構成してもよい。なお、この場合、当該修正を行う前に、ユーザに対して修正の要否を問い合わせる処理を行い、当該問い合わせ結果に基づいて修正するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0145】
1 端末装置
2 サーバ装置
11 通信部
12 タッチパッド
13 ディスプレイ
14 記録部
15 制御部
21 通信部
22 記録部
23 制御部
100 情報処理システム
221 下図関連情報DB
222 予約関連情報DB
223 対象物等関連情報DB
231 管理部
901 領域
905 領域
A11 第1入力表示欄
A12 第2入力表示欄
A21 表示条件入力欄
A22 情報表示欄
G901 予約空間表示用画像
G902 予約空間表示用画像
G903 対象物等関連表示用画像
G904 対象物等関連表示用画像
G905 対象物等関連表示用画像
P1 点
P2 点
図1
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