(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177378
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01W 1/00 20060101AFI20221124BHJP
【FI】
G01W1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083583
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000232221
【氏名又は名称】日本電気航空宇宙システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】一井 重能
(57)【要約】
【課題】 表示領域の視認性が高くすることができ、表示状態の変更の操作性を向上することができる情報処理装置等を提供することを目的とする。
【解決手段】 画面に表示する情報の表示状態を変更するための第1の操作モードでの、入力部による入力を検出する検出手段と、所定のイベントに応じて、操作モードを、前記第1の操作モードから第2の操作モードに切り替え、前記情報の表示状態を、前記第2の操作モードでの前記入力の検出に応じて制御する制御手段と、を備える情報処理装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面に表示する情報の表示状態を変更するための第1の操作モードでの、入力部による入力を検出する検出手段と、
所定のイベントに応じて、操作モードを、前記第1の操作モードから第2の操作モードに切り替え、前記情報の表示状態を、前記第2の操作モードでの前記入力の検出に応じて制御する制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報は、異なる高度での気象状態を示す複数の気象図を含み、表示する高度を変更することが可能な気象図であり、
前記操作モードが前記第2の操作モードである場合、前記制御手段が、前記入力に応じた高度での気象状態を表す気象図に表示状態を変更する
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報は、異なる時刻での気象状態を示す複数の気象図を含み、表示する時刻を変更することが可能な気象図であり、
前記操作モードが前記第2の操作モードである場合、前記制御手段が、前記入力に応じた時刻での気象状態を表す気象図に表示状態を変更する
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記操作モードが第2の操作モードである場合、
前記検出手段が上または下の入力を検出すると、画面に表示する情報の第1の変数を変更し、
前記検出手段が左または右の入力を検出すると、画面に表示する情報の第2の変数を変更する
ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記操作モードを第2の操作モードに切り替える前記所定のイベントは、気象図を表示するための入力が行われることである
ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記操作モードを第2の操作モードに切り替える前記所定のイベントは、画面上で操作モードの切り替えを選択する入力である
ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記操作モードが前記第2の操作モードである場合、前記切り替えを選択する入力が行われると、前記制御手段は、前記操作モードを第1の操作モードに切り替える
ことを特徴とする、請求項5または6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記入力を行う入力手段
をさらに備える請求項1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
画面に表示する情報の表示状態を変更するための第1の操作モードでの、入力部による入力を検出し、
所定のイベントに応じて、操作モードを、前記第1の操作モードから第2の操作モードに切り替え、
前記情報の表示状態を、前記第2の操作モードでの前記入力の検出に応じて制御する
情報処理方法。
【請求項10】
画面に表示する情報の表示状態を変更するための第1の操作モードでの、入力部による入力を検出する処理と、
所定のイベントに応じて、操作モードを、前記第1の操作モードから第2の操作モードに切り替える処理と、
前記情報の表示状態を、前記第2の操作モードでの前記入力の検出に応じて制御する制御処理と、
をコンピュータに行わせる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示する情報の表示状態を変更する制御を行う情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置を操作する技術において、画面に表示する情報の表示状態を変更する情報処理装置が知られている。
【0003】
情報処理装置の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されたカーソル制御装置は、トラックボールマウスを備える。表示制御手段は、データ記憶領域内の一部の領域のデータを表示手段に表示させる。トラックボールマウスの操作に伴い画面上でカーソルを画面の端に動かした場合、表示制御手段によって表示された一部の領域が、データ記憶領域の全体の領域の中の何れの位置にあるかを示す画像を、カーソルの表示位置で表示させる。
【0004】
また、特許文献2に記載された航空調査システムは、調査データを二次元および三次元画像として表示し、トラックボールを含む入力部の操作、あるいは目の動きの検出によって異なる高度の画像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-049454号公報
【特許文献2】特開2012-047866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、マウスなどの操作に応じて、ディスプレイの画面上の情報の表示状態を変更する方法を切り替える要求がある。例えば、マウスを操作して、画像の表示領域を移動させながら、異なる時刻の画像を画面上に表示させることがある。一例として、画面に表示された気象図をユーザが参照する際、多数の地域の気象図、多数の時刻の気象図、多数の高度の気象図を参照することについて説明する。一般に、気象図を表示した画面において、表示する地域の変更は、トラックボールマウスなどのポインティングデバイスを用いてカーソルをドラッグしながら移動させることで行う。一方、異なる時刻または異なる高度の気象図に表示を変更する場合、画面上に異なる高度の画像あるいは異なる時刻の画像を表示させるための、複数のスライダーまたは複数のボタンを有するメニューを表示する必要がある。このため、画面上にスライダーまたはボタンの表示領域が必要になり、その分、気象図の画像の表示領域が狭まり、視認性が低下する。また、表示状態を変更する場合、画面上に表示されたスライダーまたはメニューの表示領域上にカーソルを動かし、スライダーを操作しながら、または、メニュー上の複数のボタンを操作しながら、表示状態を変更する必要がある。
【0007】
このように、情報の表示状態を変更する場合に、画面上の操作のための複数のスライダーまたは複数のボタンを有するメニュー等を表示する表示領域が必要になり、視認性が低下するという課題がある。また、スライダーまたはメニューなどの表示領域、すなわち画面上の特定の領域にカーソルを動かした後に、その特定の領域内でカーソルを操作することが必要になり、操作性が低下するという課題がある。
【0008】
特許文献1の場合、上述の課題について開示されていない。また、その課題を解決する手段についても記載されていない。特許文献2の場合、二次元および三次元の画像を表示し、高度の異なる画像に表示状態を変更することが開示されているが、そのための入力部の具体的な操作は開示されていない。したがって、特許文献2においても、上述の課題およびその課題を解決する手段について記載されていない。
【0009】
本開示は、上記課題を解決し、画面の表示の視認性を高めることができ、表示状態の変更の操作性を向上することができる情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様における情報処理装置は、画面に表示する情報の表示状態を変更するための第1の操作モードでの、入力部による入力を検出する検出手段と、所定のイベントに応じて、操作モードを、前記第1の操作モードから第2の操作モードに切り替え、前記情報の表示状態を、前記第2の操作モードでの前記入力の検出に応じて制御する制御手段と、を備える。
【0011】
本開示の一態様における情報処理方法は、画面に表示する情報の表示状態を変更するための第1の操作モードでの、入力部による入力を検出し、所定のイベントに応じて、操作モードを、前記第1の操作モードから第2の操作モードに切り替え、前記情報の表示状態を、前記第2の操作モードでの前記入力の検出に応じて制御する。
【0012】
本開示の一態様における情報処理プログラムは、コンピュータに、画面に表示する情報の表示状態を変更するための第1の操作モードでの、入力部による入力を検出する処理と、所定のイベントに応じて、操作モードを、前記第1の操作モードから第2の操作モードに切り替える処理と、前記情報の表示状態を、前記第2の操作モードでの前記入力の検出に応じて制御する制御処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明による効果の一例は、表示状態を変更する操作の操作性を向上できることである。また、画面上に、表示状態を変更するためのボタンやスライダー等の表示の必要がなくなるため、表示領域の視認性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、第一の実施形態の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第一の実施形態における情報処理装置の表示状態の変更を行う動作のフローチャートである。
【
図3】
図3は、第二の実施形態の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第二の実施形態における入力と、入力に対応する表示状態の変更内容を示す制御基準データの一例を示す表である。
【
図5】
図5は、第二の実施形態における情報処理装置の表示状態の変更を行う動作のフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明における情報処理装置をコンピュータ装置とその周辺装置で実現したハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
図1は、第一の実施形態における情報処理装置100の構成を示すブロック図である。
図1を参照すると、情報処理装置100は、検出部101と制御部102と、を備える。また、入力部103は、情報処理装置100内にあってもよいし、情報処理装置100とは別に存在し、有線通信または無線通信により情報処理装置100と通信可能に接続されていてもよい。
【0017】
次に、第一の実施形態における情報処理装置100の構成について詳しく説明する。
【0018】
検出部101は、画面に表示する情報の表示状態を変更するための入力部103の入力を検出する。
【0019】
制御部102は、検出部101が検出した入力に応じて、画面に表示する情報の表示状態を制御する。表示状態を制御される情報は、本装置内に記憶される情報、または、有線通信または無線通信によって受信する情報であってよい。以降、入力部103による入力と、入力に応じて行われる表示状態の制御との組み合わせの設定を、操作モードと呼ぶ。
【0020】
入力部103は、例えば、トラックボールマウスや、タッチパネル、カメラなどであり、ユーザが入力を行う際に使用する。例えば、入力部103としてカメラを使用し、検出部101がカメラから視線の動きを検出し、視線の動きを表す情報を入力として、制御部102が画面に表示する情報の表示状態を変更する制御を行うことが可能である。あるいは、入力部103にカメラが用いられる場合、検出部101は指の動きの画像から指の動きを検出する。
【0021】
次に制御部102について説明する。例えば、入力部103として、マウスを用いられる場合について説明する。図示しないディスプレイの画面上には、マウスによる操作ポイントを示すためのカーソルが表示され、画面上のボタンやアイコンなどをクリックすることにより、対象を選択する操作(操作A)を行う。また、ドラッグアンドドロップによって対象または表示領域を移動させる操作(操作B)や、マウスホイールを指で上方向または下方向に回転させる(マウスホイールを上または下に動かす)ことにより、画面をスクロール、または拡大および縮小する操作(操作C)を行う。あるいは、様々なメニューのボタンやスライダーを操作して画面に表示する情報の表示状態を変更してもよい(操作D)。このような、操作A乃至Dによる操作制御を、第1の操作モードとする。もちろん、第1の操作モードは、操作A乃至Dによる操作制御に限定されない。また、第1の操作モードにおける操作は、マウスによる操作に限定されず、前述の非接触入力での操作モードや、タッチパネルを使用した操作モード等であってもよい。
【0022】
制御部102は、所定のイベントが行われたとき、操作モードを第1の操作モードから第2の操作モードに切り替え、画面に表示する情報の表示状態を、第2の操作モードでの入力の検出に応じて制御する。入力の検出とは、検出部101による検出である。
【0023】
所定のイベントは、例えば、画面上の小さな領域に表示される操作モード切り替えボタンを選択することである。この場合、操作モードの切り替えボタンを選択する毎に、第1の操作モードと第2の操作モードの切り替えができるようにしてもよい。あるいは、所定のイベントは、マウスの右クリックによって一時的に表示されるポップアップメニューから操作モードを切り替えるメニューを選択することであってもよい。また、所定のイベントは、表示状態の変更を行いたい情報の上にカーソルがあることや、表示状態の変更を行いたい対象の情報が表示されたことを検出することであってもよいが、これに限られない。
【0024】
第2の操作モードは、第1の操作モードによる操作制御とは、一部またはすべて異なる操作制御を行うことができる。例えば、検出部101が検出する入力に対して、制御部102が行う、情報の表示状態を変更する制御の内容が、第1の操作モードと第2の操作モードでの操作制御として、制御部102においてそれぞれ設定されている。第2の操作モードにおいて、制御部102では、表示状態を変更するための複数のスライダーや複数のボタンを有するメニューを画面上に表示させることなく、表示状態を変更する制御を、行う。また、入力部103での入力に対する表示状態の変更の内容は、1つまたは複数設定することができる。例えば、入力部103として使用されるトラックボールマウスのトラックボールを上や下に動かす入力を検出部101が検出すると、制御部102が、画面に表示する情報の第1の変数を変更した情報を表示する制御を行う。あるいは、トラックボールを左または右に動かす入力を検出部101が検出すると、制御部102が、画面に表示する情報の第2の変数を変更した情報を表示する制御を行う。第1の変数は、例えば、表示する気象図の高度であり、第2の変数は、例えば、表示する気象図の時刻であり、表示する情報に合わせて設定されてよい。
【0025】
また、操作モードは第1の操作モードと第2の操作モードに限られず、3つ以上の操作モードが設定されていてもよい。
【0026】
以上のように構成された情報処理装置100の動作について、
図2のフローチャートを参照して説明する。
【0027】
図2は、第一の実施形態における情報処理装置100での画面に表示する情報の表示状態の変更を行う動作の概要を示すフローチャートである。尚、このフローチャートによる処理は、情報処理装置100を構成するハードウェアのCPUによるプログラム制御に基づいて、実行されても良い。
【0028】
図2に示すように、まず、制御部102は、操作モードを第1の操作モードから第2の操作モードに切り替える所定のイベントが行われたことを検知する(ステップS101)。
【0029】
次に、制御部102は、操作モードを第1の操作モードから第2の操作モードに変更する(ステップS102)。
【0030】
次に、検出部101は、入力部103の入力を検出する(ステップS103)。
【0031】
次に、制御部102は、検出部101が検出した入力に応じて、第2の操作モードとして設定された所定の表示状態の変更を行う制御をする(ステップS104)。
【0032】
ステップS103およびS104の一例として、気象図の表示状態を検出部101が検出した入力に応じて第2の操作モードで制御する場合について説明する。ステップS103において、ユーザが、入力部103としてトラックボールマウスを使用し、トラックボールマウスのトラックボールを上方向に回転させる(以下、トラックボールを上に動かす、と称する)操作を行うと、検出部101は当該操作による入力を検出する。また、トラックボールマウスのトラックボールを下方向に回転させる(以下、トラックボールを下に動かす、と称する)操作を行うと、検出部101は当該操作による入力を検出する。ステップS104において、制御部102は、第2の操作モードで、検出部101が検出した入力に対応して気象図の表示状態の制御を行う。この場合、トラックボールを上に動かす操作に応じて、気象図の高度を上げ、トラックボールを下に動かす操作に応じて、気象図の高度を下げることにより、トラックボールの動きに応じた高度での気象状態を示す気象図を表示するよう、表示状態を変更する。なお、この制御部102の制御は一例であり、これに限られない。
【0033】
また、ステップS101とステップS102の操作モードの切り替えは複数回行われてもよく、ステップS103とステップS104の入力と制御も繰り返されてよい。これにより、操作モードは第1の操作モードと第2の操作モードに限られず、3つ以上の操作モードの設定が可能となる。
【0034】
以上で、情報処理装置100は、画面に表示する情報の表示状態の変更を行う動作を終了する。
【0035】
次に、本開示の第1の実施形態の効果について説明する。
【0036】
上述した本実施形態における情報処理装置において、制御部102が、所定のイベントに応じて操作モードを第1の操作モードから第2の操作モードに切り替え、第2の操作モードでの、入力の検出に対応した表示状態の変更を行う制御をする。したがって、第2の操作モードでは、第1の操作モードで不可能な操作の設定が可能である。例えば、トラックボールの動きだけで表示状態を変更する操作、すなわち、トラックボールの動きに応じた高度での気象状態を示す気象図またはトラックボールの動きに応じた時刻での気象状態を示す気象図を表示することが可能になる。この結果、ユーザが複数のスライダーや複数のボタンを有するメニューを用いた入力を行う必要がなくなり、操作性を向上することができる。また、画面上に、情報の表示状態の変更のための複数のスライダーや複数のボタンを有するメニューを表示する表示領域が不要になるため、情報の表示領域を広げることができ、視認性を高めることができる。
【0037】
[第2の実施形態]
次に、本開示の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0038】
第2の実施形態では、本開示の具体的な例として、画面に表示し、表示状態を変更する対象の情報が気象図である場合を説明する。本実施形態において、気象図は、異なる高度での気象状態を示す複数の気象図、および、異なる時刻での気象状態を示す複数の気象図、すなわち過去および現在の各時点での気象図と未来の各時点での予想気象図を表示することが可能な情報である。この情報は、制御部102が、内部で生成してもよいし、図示しない気象データベースから取得してもよい。
【0039】
図3は、本開示の第2の実施形態に係る情報処理装置200の構成を示すブロック図である。
【0040】
図3を参照すると、本実施形態における情報処理装置200は、第1の実施形態のそれと比べて、検出部101の代わりに検出部201、制御部202の代わりに制御部、入力部103の代わりにトラックボールマウス203を備え、さらに表示部204を備える。また、トラックボールマウス203と、表示部204は、情報処理装置200内にあってもよいし、情報処理装置200とは別に存在し、有線通信または無線通信により情報処理装置200と通信可能に接続されていてもよい。
【0041】
検出部201は、トラックボールマウス203の入力を検出する。
【0042】
制御部202は、所定のイベントに応じて操作モードを切り替える。さらに、検出部201が検出したトラックボールマウス203の入力に応じて、操作モードに応じて気象図の表示状態を変更する。操作モードの切り替えの契機となるイベントは、例えば、気象図がウェブサイトやアプリによって表示されることを制御部202が検知することである、とする。所定のイベントが検知されると、制御部202は、操作モードを第1の操作モードから第2の操作モードに切り替える。あるいは、所定のイベントは、気象図を表示するための入力が行われたことを検出部201が検出し、その検出を制御部202が判断することであってもよい。
【0043】
また、所定のイベントは、例えば、トラックボールマウス203を右クリックしてコンテキストメニューを表示し、操作モードの切り替えを選択したことを検出部201が検出すると、制御部202は操作モードを切り替える。切り替え前の操作モードが第1の操作モードであれば第2の操作モードに切り替え、切り替え前の操作モードが第2の操作モードであれば第1の操作モードに切り替えられるようにしてもよい。また、トラックボールマウス203を右クリックしてコンテキストメニューを表示することなどにより、気象図の表示を終了することを選択したことを検出部201が検出すると、制御部202が、気象図の表示を終了するとともに、操作モードを第2の操作モードから第1の操作モードに切り替えるようにしてもよい。
【0044】
次に、
図4を参照して本実施形態における第1の操作モードおよび第2の操作モードの例について、説明する。なお、第1の操作モードおよび第2の操作モードの入力と表示状態の変更内容の対応は
図4の内容に限られない。
【0045】
本実施形態の第1の操作モードでは、
図4に示す制御基準データに基づいて、制御部202が表示状態を変更する制御を行う。まず、地図上でドラッグの入力を検出部201が検出すると、制御部202がドラッグした方向に気象図の表示領域の緯度および経度を変更する。また、マウスホイールを上または下に動かす入力を検出部201が検出すると、制御部202が、マウスホイールの回転量に応じた所定の倍率で拡大した気象図に表示状態を変更する。さらに、気象図を表示する画面上に表示されている、表示する気象図の高度を変更するためのボタンまたはスライダーを操作する入力を検出部201が検出すると、制御部202が、現在表示している気象図と同じ表示領域で、異なる高度の気象状態を示す気象図に表示状態を変更する。同様に、画面上に表示されている、表示する時刻を変更するためのボタンまたはスライダーを操作する入力を検出部201が検出すると、制御部202が、現在表示している気象図と同じ表示領域で、異なる時刻の気象状態を示す気象図、すなわち過去の気象図や未来の予想気象図に表示状態を変更する。
【0046】
また、第2の操作モードにおいても、
図4に示す制御基準データに基づいて、制御部202が表示状態を変更する制御を行う。マウスのドラッグの入力およびマウスホイールを動かす入力とその表示状態の変更内容については、この例では第1の操作モードと同様であるため省略する。第2の操作モードにおいては、まず、トラックボールを上または下に動かすことにより、高度を変更した気象図に表示状態を変更する。トラックボールを上に動かす入力を検出部201が検出すると、制御部202が、トラックボールの回転量に応じて所定量高度を上げた気象図に表示状態を変更する。同様に、トラックボールを下に動かす入力を検出部201が検出すると、制御部202が、トラックボールの回転量に応じて所定量高度を下げた気象図に表示状態を変更する。次に、トラックボールを左または右に動かすことにより、時刻を変更した気象図に表示状態を変更する。トラックボールを左に動かす入力を検出部201が検出すると、制御部202が、トラックボールの回転量に応じて所定量時刻を戻した過去の気象図に表示状態を変更する。同様に、トラックボールを右に動かす入力を検出部201が検出すると、制御部202が、トラックボールの回転量に応じて所定量時刻を進めた未来の予想気象図に表示状態を変更する。この第2の操作モードは一例であり、例えば、上に動かす入力に応じて気象図の高度を下げ、下に動かす入力に応じて表示する気象図の高度を上げるように設定されてもよく、上述の内容に限られない。また、ユーザが自身の好みに応じて操作モードの制御基準データを変更できるようにしてもよい。
【0047】
以上、表示する情報が気象図であり、入力部としてトラックボールマウスを使用する場合の第1の操作モードおよび第2の操作モードの入力と表示状態の変更内容の対応の設定について説明した。
【0048】
第2の操作モードを、表示する情報や入力部を変更して、適宜第2の操作モードの入力と表示状態の変更内容の対応の設定を変更することができる。例えば、表示する情報が気象図であり、入力部としてタッチパネルを用いるとき、トラックボールマウスを上下または左右に動かす入力に代えて、タッチパネルにおいて2本指で上下または左右に動かす入力を検出部201が検出することで、入力に応じて所定の高度または時刻が異なる気象図に表示状態を変更してもよい。また、例えば、表示する情報が画像および動画の編集を行う画面であるとき、編集する対象の画像および動画の明るさを、トラックボールマウスの上下またはタッチパネルの2本指で上下に動かすことによって変更するよう設定してもよい。
【0049】
次に、情報処理装置200の動作について
図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0050】
図5に示すように、まず、制御部202は、気象図の表示が行われたことを、操作モードを切り替えるための所定のイベントとして、検知する(ステップS201)。なお、所定のイベントは、前述したイベントのうち少なくとも一つであってもよい。
【0051】
次に、制御部202は、操作モードを第1の操作モードから第2の操作モードに変更する(ステップS202)。
【0052】
次に、検出部201は、トラックボールマウス203の入力を検出する(ステップS203)。
【0053】
次に、制御部202は、検出部201が検出した入力に応じて、第2の操作モードで設定された、気象図の表示状態の所定の変更を行う制御を行う(ステップS204)。
【0054】
以上で、情報処理装置200は、気象図の表示状態の変更を行う動作を終了する。
【0055】
次に、本開示の第2の実施形態の効果について説明する。
【0056】
上述した本実施形態における情報処理装置において、制御部202が、所定のイベントに応じて操作モードを第1の操作モードから第2の操作モードに切り替え、第2の操作モードでの、入力の検出に対応した表示状態の変更を行う制御をする。したがって、第2の操作モードでは、第1の操作モードで不可能な操作の設定が可能である。例えば、トラックボールの動きだけで表示状態を変更する操作、すなわち、トラックボールの動きに応じた高度での気象状態を示す気象図またはトラックボールの動きに応じた時刻での気象状態を示す気象図を表示することが可能になる。この結果、ユーザが複数のスライダーや複数のボタンを有するメニューを用いた入力を行う必要がなくなり、操作性を向上することができる。また、画面上に、情報の表示状態の変更のための複数のスライダーや複数のボタンを有するメニューを表示する表示領域が不要になるため、情報の表示領域を広げることができ、視認性を高めることができる。
【0057】
[コンピュータによるハードウェア構成]
以上説明した、本開示の各実施形態における各構成要素は、機能的なブロックであらわされており、その機能をハードウェア的に実現することはもちろん、プログラム制御に基づくコンピュータ装置、ファームウェアで実現することができる。
【0058】
図6は、本開示の各実施形態における情報処理装置100および情報処理装置200を、プロセッサを含むコンピュータ装置10で実現したハードウェア構成の一例を示す図である。
図6に示されるように、コンピュータ装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、プログラムを格納するハードディスク等の記憶装置13、入力装置および出力装置接続用の入出力I/F(Interface)14、およびネットワーク接続用の通信I/F(Interface)15を含む。
【0059】
CPU11は、オペレーティングシステムを動作させて本発明の情報処理装置の全体を制御する。また、CPU11は、例えばドライブ装置などに装着された記憶媒体からメモリ12にプログラムやデータを読み出す。また、CPU11は、例えば第一の実施の形態における検出部101、制御部102の一部として機能し、プログラムに基づいて処理または命令を実行する。
【0060】
記憶装置13は、例えば光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、または半導体メモリ等である。記憶装置の一部の記憶媒体は、不揮発性記憶装置であり、そこにプログラムを記録する。また、プログラムは、通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからダウンロードされてもよい。
【0061】
入出力I/F(Interface)14に接続される入力装置は、例えばマウスやキーボード、内蔵のキーボタンなどで実現され、入力操作に用いられる。入力装置は、マウスやキーボード、内蔵のキーボタンに限らず、例えばタッチパネルや、カメラでもよい。
【0062】
同様に入出力I/F(Interface)14に接続される出力装置は、例えばディスプレイで実現され、出力を確認するために用いられる。
【0063】
以上のように、本開示の各実施形態の情報処理装置は、
図6に示されるコンピュータ・ハードウェアによって実現される。ただし、各情報処理装置が備える各部の実現手段は、以上説明した構成に限定されない。また、各情報処理装置は、物理的に結合した一つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した二つ以上の装置を有線または無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。例えば、入力装置および出力装置は、コンピュータ装置10とネットワークを経由して接続されていてもよい。
【0064】
以上、各実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しえる様々な変更をすることができる。
【0065】
例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0066】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0067】
(付記1) 画面に表示する情報の表示状態を変更するための第1の操作モードでの、入力部による入力を検出する検出手段と、
所定のイベントに応じて、操作モードを、前記第1の操作モードから第2の操作モードに切り替え、前記情報の表示状態を、前記第2の操作モードでの前記入力の検出に応じて制御する制御手段と、
を備える情報処理装置。
【0068】
(付記2) 前記情報を表示する表示手段
をさらに備える、付記1に記載の情報処理装置。
【0069】
(付記3) 前記情報を受信する受信手段
をさらに備える、付記1または2に記載の情報処理装置。
【0070】
(付記4) 前記情報は、異なる高度での気象状態を示す複数の気象図を含み、表示する高度を変更することが可能な気象図であり、
前記操作モードが前記第2の操作モードである場合、前記制御手段が、前記入力に応じた高度での気象状態を表す気象図に表示状態を変更する
ことを特徴とする、付記1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【0071】
(付記5) 前記情報は、異なる時刻での気象状態を示す複数の気象図を含み、表示する時刻を変更することが可能な気象図であり、
前記操作モードが前記第2の操作モードである場合、前記制御手段が、前記入力に応じた時刻での気象状態を表す気象図に表示状態を変更する
ことを特徴とする、付記1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【0072】
(付記6) 前記制御手段は、前記操作モードが第2の操作モードである場合、
前記検出手段が上または下の入力を検出すると、画面に表示する情報の第1の変数を変更し、
前記検出手段が左または右の入力を検出すると、画面に表示する情報の第2の変数を変更する
ことを特徴とする、付記1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
【0073】
(付記7) 前記操作モードを第2の操作モードに切り替える前記所定のイベントは、気象図を表示するための入力が行われることである
ことを特徴とする、付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【0074】
(付記8) 前記操作モードを第2の操作モードに切り替える前記所定のイベントは、画面上で操作モードの切り替えを選択する入力である
ことを特徴とする、付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【0075】
(付記9) 前記制御手段は、前記操作モードが前記第2の操作モードに設定されている場合、前記切り替えを選択する入力が行われると、前記制御手段は、前記操作モードを第1の操作モードに切り替える
ことを特徴とする、付記7または8に記載の情報処理装置。
【0076】
(付記10) 前記入力を行う入力手段
をさらに備える付記1乃至9のいずれかに記載の情報処理装置。
【0077】
(付記11) 前記入力手段は、トラックボールマウスである
ことを特徴とする、付記10に記載の情報処理装置。
【0078】
(付記12) 前記入力を行う入力手段は、タッチパネルである
ことを特徴とする、付記10または11に記載の情報処理装置。
【0079】
(付記13) 前記入力手段はカメラであり、
前記検出手段は、前記カメラによりユーザの視線の動きを検出する
ことを特徴とする、付記10乃至12のいずれかに記載の情報処理装置、
(付記14) 画面に表示する情報の表示状態を変更するための第1の操作モードでの、入力部による入力を検出し、
所定のイベントに応じて、操作モードを、前記第1の操作モードから第2の操作モードに切り替え、
前記情報の表示状態を、前記第2の操作モードでの前記入力の検出に応じて制御する
情報処理方法。
【0080】
(付記15) 画面に表示する情報の表示状態を変更するための第1の操作モードでの、入力部による入力を検出する処理と、
所定のイベントに応じて、操作モードを、前記第1の操作モードから第2の操作モードに切り替える処理と、
前記情報の表示状態を、前記第2の操作モードでの前記入力の検出に応じて制御する制御処理と、
をコンピュータに行わせる情報処理プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本開示は、表示する情報の表示状態を変更する情報処理技術に適用できる。
【符号の説明】
【0082】
10 コンピュータ装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 入出力I/F
15 通信I/F
100 情報処理装置
101 検出部
102 制御部
103 入力部
200 情報処理装置
201 検出部
202 制御部
203 トラックボールマウス
204 表示部