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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177400
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/00 20060101AFI20221124BHJP
   G09F 13/16 20060101ALI20221124BHJP
   G09F 13/18 20060101ALI20221124BHJP
   G09F 19/12 20060101ALI20221124BHJP
   G03B 35/18 20210101ALI20221124BHJP
   H01H 9/16 20060101ALI20221124BHJP
   H01H 13/02 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
G09F13/00 R
G09F13/16 F
G09F13/18 N
G09F19/12 Z
G03B35/18
H01H9/16 C
H01H13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083615
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】湯座 慎吾
【テーマコード(参考)】
2H059
5C096
5G052
5G206
【Fターム(参考)】
2H059AA35
2H059AC00
5C096AA11
5C096AA22
5C096BA02
5C096BA06
5C096BB23
5C096BB49
5C096BC05
5C096BC12
5C096CA15
5C096CA22
5C096CB05
5C096CC06
5C096CD02
5C096CD23
5C096CD33
5C096CE07
5C096FA18
5G052AA23
5G052AA24
5G052AA35
5G052BB01
5G052JA02
5G052JA08
5G052JB02
5G052JC10
5G206AS10H
5G206AS10Q
5G206AS35Q
5G206QS03
5G206RS36
5G206RS40
(57)【要約】
【課題】 入力確定を知らせることが可能であり、かつ薄型化を図ることが可能な入力装置を提供する。
【解決手段】 本発明の入力装置100は、空中像260を表示する表示部200Aと、空中像260に関するユーザー操作を検出する検出部300とを含む。表示部200Aは、ハーフミラー240と再帰反射板250との間に配された導光板220と導光板220を照射する光源230を含み、入射された光に応答して導光板220に形成された光拡散面222の空中像260を表示する。表示部200Aは、空中像260に関するユーザー操作が検出されたとき、光源230をオフし、入力確定をユーザーに知らせる。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームスプリッターと再帰反射部材との間に配された導光板、および前記導光板を照射する光源を含み、入射された光に応答して前記導光板に形成された光拡散面の空中像を表示する表示手段と、
前記空中像に関するユーザー操作を検出する検出手段とを含み、
前記表示手段は、前記検出手段の検出結果に基づき前記光源のオン/オフを切り替える、入力装置。
【請求項2】
前記検出手段は、ユーザー操作として前記表示手段の押下を検出する、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記表示手段の押下を検出するための開閉スイッチを含む、請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記表示手段は、ユーザー操作が検出されたとき、前記光源をオフし、前記空中像を非表示にする、請求項1ないし3いずれか1つに記載の入力装置。
【請求項5】
前記導光板は、積層された第1および第2の導光板を含み、前記光源は、第1および第2の導光板に対応する第1および第2の光源を含み、
前記表示手段は、前記検出手段の検出結果に基づき第1および第2の光源の一方をオンし、他方をオフする、請求項1ないし3いずれか1つに記載の入力装置。
【請求項6】
前記第2の導光板は、前記第1の導光板よりも前記ビームスプリッターから離れており、
前記表示手段は、第1の光源をオフし、第2の光源をオンし、前記第2の導光板による第2の空中像に関するユーザー操作が検出された場合、第2の光源をオフし、第1の光源をオンし、前記第1の導光板による第1の空中像を表示する、請求項1に記載の入力装置。
【請求項7】
前記第1の導光板に対応する第1の空中像は、前記第2の導光板による第2の空中像よりも小さい、請求項6に記載の入力装置。
【請求項8】
前記第1の光源が出射する光の色は、前記第2の光源が出射する光の色と異なる、請求項6に記載の入力装置。
【請求項9】
前記表示手段はさらに、電気的に焦点距離を変更可能なレンズを含み、
前記表示手段は、前記検出手段の検出結果に基づき前記レンズの焦点距離を変化させる、請求項1ないし3いずれか1つに記載の入力装置。
【請求項10】
前記表示手段は、ユーザー操作が検出されたとき、空中像の大きさまたは表示位置を変化させる、請求項9に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関し、特に再帰反射により空中像を表示して入力操作を行うことができる入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
再帰反射を用いた空中表示(Aerial Imaging by Retro-Reflection:AIRR)が知られている(例えば、特許文献1、2、3)。例えば、特許文献3の空中映像表示装置は、装置の小型化を図るため、ビームスプリッターに対しディスプレイおよび再帰反射部材を平行に配置し、ディスプレイ上に偏向光学素子を配置する構造を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-107165号公報
【特許文献2】特開2018-81138号公報
【特許文献3】特開2019-101055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非接触ボタンは、エレベータなどに求められる入力機能として急速に拡大している。図1は、エレベータに設けられた入力装置10の一例であり、階数を入力するためのボタン12や扉の開閉を入力するためのボタン14が搭載されている。ボタン12、14に小型化した非接触センサーを内蔵することで、ボタン12、14に手を近接させたりかざしたりするユーザーの動作が検出される。また、再帰反射を利用してボタン12、14の上方に空中像16を表示させた場合には、空中像16への手の接近や手をかざしたユーザーの動作が非接触センサーにより検出される。
【0005】
非接触センサーによりユーザーの入力動作を検出する場合、ユーザーは、非接触で入力することができる反面、空中像16に手をかざした時に入力が確定したか否かを知ることができないという課題がある。また、ボタンの空中像を表示させる場合、入力装置の薄型化を図ることが求められる。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決し、入力確定を知らせることが可能であり、かつ薄型化を図ることが可能な入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る入力装置は、ビームスプリッターと再帰反射部材との間に配された導光板、および前記導光板を照射する光源を含み、入射された光に応答して前記導光板に形成された光拡散面の空中像を表示する表示手段と、前記空中像に関するユーザー操作を検出する検出手段とを含み、前記表示手段は、前記検出手段の検出結果に基づき前記光源のオン/オフを切り替える。
【0008】
ある態様では、前記検出手段は、ユーザー操作として前記表示手段の押下を検出する。ある態様では、前記検出手段は、前記表示手段の押下を検出するための開閉スイッチを含む。ある態様では、前記表示手段は、ユーザー操作が検出されたとき、前記光源をオフし、前記空中像を非表示にする。ある態様では、前記導光板は、積層された第1および第2の導光板を含み、前記光源は、第1および第2の導光板に対応する第1および第2の光源を含み、前記表示手段は、前記検出手段の検出結果に基づき第1および第2の光源の一方をオンし、他方をオフする。ある態様では、前記第2の導光板は、前記第1の導光板よりも前記ビームスプリッターから離れており、前記表示手段は、第1の光源をオフし、第2の光源をオンし、前記第2の導光板による第2の空中像に関するユーザー操作が検出された場合、第2の光源をオフし、第1の光源をオンし、前記第1の導光板による第1の空中像を表示する。ある態様では、前記第1の導光板に対応する第1の空中像は、前記第2の導光板による第2の空中像よりも小さい。ある態様では、前記第1の光源が出射する光の色は、前記第2の光源が出射する光の色と異なる。ある態様では、前記表示手段はさらに、電気的に焦点距離を変更可能なレンズを含み、前記表示手段は、前記検出手段の検出結果に基づき前記レンズの焦点距離を変化させる。ある態様では、前記表示手段は、ユーザー操作が検出されたとき、空中像の大きさまたは表示位置を変化させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示手段は、検出手段の検出結果に基づき光源のオン/オフを切り替えるようにしたので、ユーザーは、空中像の表示により入力確定を知ることができる。また、表示手段の押下を検出することで、入力装置の薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来のエレベータに搭載された入力装置の一例を示す図である。
図2】本発明の第1の実施例に係る入力装置の構成を示す概略断面図である。
図3】本発明の第2の実施例に係る入力装置の構成を示す概略断面図である。
図4】本発明の第3の実施例に係る入力装置の構成を示す概略断面図である。
図5】本発明の第4の実施例に係る入力装置の構成を示す概略断面図である。
図6】本発明の変形例に係る入力装置の構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態について説明する。本発明の入力装置は、再帰反射を利用して空中像を表示する機能とユーザー操作を検出する機能とを一体型にした入力デバイスである。なお、以下の実施例の説明で参照される図面は、発明の理解を容易にするために誇大した表示を含んでおり、実際の製品の形状やスケールをそのまま表したものではないことに留意すべきである。
【実施例0012】
次に、本発明の実施例について詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施例に係る入力装置の構成を示す概略断面図である。本実施例の入力装置100は、空中像を表示する機能を備えた表示部200と、当該表示部200により表示された空中像に関するユーザー操作を検出する機能を備えた検出部300とを備えて構成される。
【0013】
表示部200は、例えば、内部に空間が形成された矩形状のハウジング210内に、導光板220、光源230、ハーフミラー240および再帰反射板250を含んで構成される。
【0014】
導光板220は、平坦な上面、平坦な底面および上面と底面とを接続する側面とを備えた透明な板状またはフィルム状の光学部材である。導光板220は、公知のものを用いることができ、例えば、ガラス、アクリル製のプラスチック、ポリカーボネート樹脂、あるいはシクロオレフィン系樹脂などから構成される。導光板220の底部または底面には、光拡散面222が形成される。光拡散面222は、例えば、導光板220の底面をレーザー加工や印刷加工することにより形成される。光拡散面222は、空中像を生成するための原画像である意匠を形成する。意匠は、例えば、図1に示すような入力ボタン12の階数を表す数字である。
【0015】
導光板220の側部には光源230が配置される。光源230は、特に限定されないが、例えば、発光ダイオードやレーザーダイオードなどが用いられる。光源230は、一定の出射角(または放射角)を持つ光を導光板220の側部に向けて出射し、導光板220の内部を一様に照射する。導光板220内の光拡散面222は、入射された光を上方に拡散または散乱させる。
【0016】
導光板220の上面側にハーフミラー240が配置される。ハーフミラー240は、入射光を反射光と透過光に分離する透明な光学部材である。ハーフミラー240は、例えば、平板状のガラスまたはプラスチック等の基板の表面や裏面に誘電体多層膜や反射防止膜などを形成して構成される。ここでは、反射光量と透過光量とが等しいハーフミラー240を例示するが、光源230の輝度や空中像の輝度に応じて反射光量と透過光量との比が異なるビームスプリッターを用いてもよい。
【0017】
導光板220の底面に接するように再帰反射板250が取り付けられる。再帰反射板250は、入射光と同じ方向に光を反射する光学部材であり、その構成は特に限定されないが、例えば、三角錐型再帰反射素子、フルキューブコーナー型再帰反射素子などのプリズム型再帰反射素子やビーズ型再帰反射素子によって構成される。
【0018】
導光板220の側部から入射した光は、光拡散面222で上方に拡散または散乱され、この拡散または散乱した光の一部がハーフミラー240で反射され、その反射光が再帰反射板250に入射される。再帰反射板250に入射した光は、入射した光と同じ方向に反射され、その一部がハーフミラー240を透過し再び結像する。その結果、ユーザーの視点からは、表示部200から浮かび上がった空中像260が観察される。
【0019】
表示部200の底面側に検出部300が配置される。検出部300は、表示部200がユーザーによって操作されたとき、その操作を検出する。ある態様では、ユーザーは、表示部200によって表示された空中像260を視認し、入力を行うために表示部200を押下する。表示部200は、入力ボタンとして機能し、ユーザーが押下するとその位置を変化させる。検出部300は、表示部200の位置変化をユーザー操作として検出する。
【0020】
具体的な例として、検出部300は、物理的または機械的に接点を開閉するスイッチを含み、当該スイッチの接点は、表示部200のハウジング210の底面に接する突起310により開閉される。突起310は、例えば、バネ等の弾性部材によってハウジングの底面に弾性的に付勢され、この弾性力に抗して表示部200が押下されたとき、スイッチが開く/または閉じる。スイッチの開閉の結果は、図示しないコントローラ等に提供される。
【0021】
図2(A)は、表示部200により空中像260が表示され、ユーザーUによる表示部200の押下が行われていない状態を示している。このとき、突起部310は、検出部300から突出し、ハウジング210の底面を弾性的に付勢している。
【0022】
図2(B)は、ユーザーが空中像260を視認し、表示部200を押下した状態を示している。ユーザーUが表示部200を押下したことで表示部200が右方向に移動し、突起310がその移動によって内部に窪み、これによりスイッチの開閉が行われる。
【0023】
このように本実施例の入力装置100では、空中像260を視認して表示部200を押下できる状態を確保しつつ、表示部200と検出部300を一体化することで入力装置100の薄型化を可能にする。また、ユーザーUは、表示部200を物理的に押下することで入力が確定したことを知ることができる。
【0024】
なお、空中像を生成する表示部200は、図2に示す構成に限らず、例えば、ハーフミラー240を偏光ビームスプリッターに変え、導光板220と再帰反射板250との間にλ/4板を挿入するようにしてもよい。これにより、偏光を利用して空中像260を表示させることができる。
【0025】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図3は、第2の実施例に係る入力装置100Aの構成を示す図であり、図2と同一構成については同一参照番号を付している。本実施例では、検出部300は、ユーザー操作の検出結果を表示部200に提供し、表示部200は、その検出結果に応じて光源230のオン/オフを切り替える。
【0026】
検出部300は、第1の実施例のときと同様に、突起310の位置に応じて開閉するスイッチ320を含む。スイッチ320は、例えば、図3(A)に示すように、表示部200AがユーザーUによって押下されていないときに閉じ、図3(B)に示すように、表示部200AがユーザーUによって押下されたときに開くように構成される。スイッチ320が閉じられたとき、スイッチ320は、電圧信号Vdを表示装置200Aに提供し、スイッチ320が開かれたときGNDレベルの信号を表示部200Aに提供する。1つの例では、突起310を導電性材料から構成し、一方の突起310を電流経路の一部として利用してスイッチ320の開閉を表す信号を表示部200Aに提供するようにしてもよい。
【0027】
図3(A)に示すように、表示部200AがユーザーUによって押下されていないとき、表示部200Aは、電圧信号Vdに基づき光源230をオンし、空中像260を表示させる。一方、図3(B)に示すように、表示部200AがユーザーUによって押下されたとき、表示部200Aは、GNDレベルの信号に基づき光源230をオフし、空中像260を非表示にする。表示部200Aの押下と同期して空中像260を非表示にすることで、ユーザーは、入力が確定したことを視認することができる。
【0028】
このように本実施例によれば、ユーザー操作の検出結果に応じて光源230のオン/オフを切り替え、空中像260の表示/非表示を行うことで、ユーザーに入力確定を知らせることができる。また、表示部200Aの押下を検出するため(押下量は僅かであってもよいため)、入力装置の薄型化を図ることができる。
【0029】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。図4は、第3の実施例に係る入力装置100Bの構成を示す図であり、図2図3と同一構成については同一参照番号を付している。
【0030】
本実施例の表示部200Bは、積層された2つの導光板220、220Aを備える。2つの導光板220、220Aは、同一の構成であってもよいし、あるいは光拡散面220、222Aの意匠をそれぞれ異ならせるようにしてもよい。また、2つの導光板220、220Aに対応するように2つの光源230、230Aが設けられる。2つの光源230、230Aは、同一の構成であってもよいし、異なる波長(色)の光を出射するものであってもよい。
【0031】
導光板220の底面側に導光板220Aが配置され、その底面側に再帰反射板250が配置される。表示部200Bは、光源230、230Aのいずれか一方をオンし、これにより、導光板220、220Aのいずれかによる空中像260、260Aを表示させる。好ましい態様として、表示部200Bは、図4(A)に示すように、光源230をオフし、光源230Aをオンし、導光板220Aを照射する。導光板220Aの光拡散面222Aによって拡散または散乱された光は、導光板220を透過し、ハーフミラー240でその一部が反射され、その反射した光が導光板220を介して再帰反射板250に入射する。再帰反射板250は、入射光と同じ方向に光を反射し、この反射された光が導光板220A、220を透過し、透過した光の一部がハーフミラー240を透過する。こうして、導光板220Aによる空中像260Aが表示される。空中像260Aは、ハーフミラー240に関し線対称の位置に生成されるため、空中像260Aは、表示部200Bから比較的高く浮かび上がるように表示される。
【0032】
ユーザーUが空中像260Aを視認し、ユーザー操作として表示部200Bを押下すると、この押下が検出部300によって検出され、検出結果が表示部200Bに提供される。このときの様子を図4(B)に示す。表示部200Bは、検出部300によりユーザーの押下が検出されると、光源230をオンし、230Aをオフし、導光板220を照射する。導光板220の光拡散面222で拡散または散乱された光は、ハーフミラー240でその一部が反射され、その反射した光が導光板220、220Aを介して再帰反射板250に入射する。再帰反射板250は、入射光と同じ方向に光を反射し、この反射された光が導光板220A、200を透過し、透過した光の一部がハーフミラー240を透過する。こうして、導光板220による空中像260が表示される。空中像260は、空中像260Aよりも浮かび上がり距離が低くなる。
【0033】
このように本実施例によれば、ユーザーは、ユーザー操作と同期して空中像の表示位置が変化することを視認することで、入力確定を知ることができる。なお、導光板220の光拡散面222の大きさや形状を、導光板220Aの光拡散面222Aと異ならせるようにしてもよい。この場合、ユーザーは、空中像260の大きさや形状の変化により入力確定を知ることができる。さらに光源230と光源230Aの色を変えるようにしてもよい。この場合、ユーザーは、空中像260の色の変化により入力確定を知ることができる。
【0034】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。図5は、第4の実施例に係る入力装置100Cの構成を示す図であり、図2図3と同一構成については同一参照番号を付している。本実施例の表示部200Cは、第2の実施例のときの表示部200Aの構成に加えて、ハーフミラー240の前方に電子レンズ270を備える。電子レンズ270は、電気的に焦点距離を変化させることができる凹レンズまたは凸レンズである。例えば、電子レンズ270は、液晶レンズから構成される。また、ユーザー操作から電子レンズ270を保護するため、電子レンズ270の表面に保護ガラスなどを配置するようにしてもよい。
【0035】
検出部300は、前述した実施例のときと同様に、表示部200Cの押下を検出し、その検出結果を表示部200Cに提供する。表示部200Cは、検出結果に応じて電子レンズ270の焦点距離を変化させ、これにより空中像が表示される位置(ホバー量)や大きさ(サイズ)を変化させる。
【0036】
図5(A)は、ユーザーUによる押下が行われていない状態を示している。このとき、表示部200Cは、電子レンズ270の焦点距離を調整し、表示部200Cから比較的遠くに浮き上がるように空中像260を表示させる。
【0037】
図5(B)は、ユーザーUによる押下が行われた状態を示している。検出部300により表示部200Cの押下が検出されたことに応答して、表示部200Cは、電子レンズ270の焦点距離を調整し、表示部200Cから比較的近い位置にかつサイズが小さくなるように空中像260Cを表示させる。
【0038】
このように本実施例によれば、ユーザーは、ユーザー操作と同期して空中像のホバー量やサイズの変化を視認することで、入力確定を知ることができる。
【0039】
上記実施例では、検出部300として、突起310の移動により接点を開閉するスイッチ320を例示したが、検出部300は、必ずしもこのようなスイッチに限定されず他の構成のスイッチであってもよい。例えば、図6(A)に示すように、表示部200Dのハウジング210内に検出部300としてのスイッチ320を内蔵させ、ハウジング210の底面から突起310を突出させてもよい。この場合、表示部200Dが押下されていないとき、図6(A)に示すように、突起310が突出することでスイッチ320が開き、表示部200Dが押下されたとき、図6(B)に示すように、突起310が静止部材330に接触して窪むことでスイッチ320が閉じる。表示部200Dは、スイッチ320の開閉に応じて光源230のオン/オフを切り替える。このような構成により、入力装置100Dをより薄型にすることができる。
【0040】
本実施例の空間入力装置は、あらゆるユーザー入力に適用することができ、例えば、コンピュータ装置、車載用電子機器、銀行等のATM、駅等のチケットの購入機、エレベータの入力ボタンなどに適用することができる。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0042】
100、100A、100B、100C:入力装置
200、200A、200B、200C:表示部
210:ハウジング
220、220A:導光板
222、222A:光拡散面
230、230A:光源
240:ハーフミラー
250:再帰反射板
260、260A:空中像
270:電子レンズ
300:検出部
310:突起
320:スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6