(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177410
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 51/10 20060101AFI20221124BHJP
B65B 9/067 20120101ALI20221124BHJP
【FI】
B65B51/10 101
B65B9/067
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083636
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕和
【テーマコード(参考)】
3E050
3E094
【Fターム(参考)】
3E050AA01
3E050AA02
3E050AA08
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA04
3E050CA01
3E050CB01
3E050DB02
3E050DD03
3E050DE01
3E050DF01
3E050DF03
3E050DH03
3E050FA02
3E050FB02
3E050FB07
3E050GB05
3E094AA13
3E094BA12
3E094BA20
3E094CA10
3E094CA12
3E094DA07
3E094EA04
3E094FA22
3E094GA13
3E094HA08
3E094HA20
(57)【要約】
【課題】 シール部の異物の除去を十分に行い、シール不良を防止することが可能な包装機を提供する。
【解決手段】 連続して供給される帯状の包装材YA1を、その両側端縁部EPを重ねて筒状に形成する製袋器14と、状に形成された包装材YAの両側端縁部EPにシールを施すシール装置16と、異物の払い落とし手段50と、を有する包装機1であって、払い落とし手段50は、製袋器14とシール装置16の間に配置され、両側端縁部EPの間に少なくとも一部を挿入可能に構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して供給される帯状の包装材を、その両側端縁部を重ねて筒状に形成する製袋器と、
筒状に形成された前記包装材の前記両側端縁部にシールを施すシール装置と、
異物の払い落とし手段と、を有し、
前記払い落とし手段は、前記製袋器と前記シール装置の間に配置され、前記両側端縁部の間に少なくとも一部を挿入可能に構成される、
ことを特徴とする包装機。
【請求項2】
連続して供給される帯状の包装材を、その両側端縁部を重ねて筒状に形成する製袋器と、
筒状に形成された前記包装材の前記両側端縁部にシールを施すシール装置と、
異物の払い落とし手段と、を備え、
前記払い落とし手段は、前記両側端縁部の間に少なくとも一部を挿入可能に構成され、気体の通気孔を有する、
ことを特徴とする包装機。
【請求項3】
前記通気孔を介して前記両側端縁部を吸引する吸引手段を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の包装機。
【請求項4】
前記通気孔を介して少なくとも前記両側端縁部に気体を噴出する噴射供給手段を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の包装機。
【請求項5】
前記払い落とし手段は、少なくとも一部が前記両側端縁部の幅方向の略全体と接触または近接する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の包装機。
【請求項6】
前記払い落とし手段は、前記包装材の搬送方向上流側に前記両側端縁部に対向する角部を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール不良を防止する包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帯状フィルムをその両側端縁部が下方で重合するように筒状に形成する製袋器と、その筒状に形成されたフィルムの両側端縁部にシールを施すセンターシール装置を備えるピロー包装機(正ピロー包装機)で、特に製品屑が発生する製品(例えば乾燥麺など)を包装する場合において、フィルムの重合端に製品の一部が欠けて生じた異物やその他の異物が付着したままシールしてしまうことを抑制する技術が知られている。
【0003】
一例としては、両側端縁部が合わさる部分の直前に、平断面がY字状となる噛み込み防止ガイドを設ける横ピロー包装機が開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の従来技術では、フィルムの両側端縁部が合わされる部分に異物が入り込みそのまま製袋器内に進もうとした場合、その両側端縁部が合わされる部分の直前に配置された噛み込み防止ガイドに当たりそれ以上の前進が阻止されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の噛み込み防止ガイドは、両側端縁部に付着する異物の除去が十分に行えない問題があった。製袋器の上流側に噛み込み防止ガイドを配置する構成では、噛み込み防止ガイドの下流側のフィルムは筒状であるが、上流側のフィルムは帯状である。つまり、噛み込み防止ガイドは重ね合わされる以前(或る程度開放された状態の)両側端縁部に作用するが、そこに付着する異物と、噛み込み防止ガイドとの接触が不十分となる可能性があり、その場合異物の除去が確実に行えない問題がある。
【0006】
特に、包装する物品が例えば焼き菓子などの場合、搬送に伴い細かい屑が包装材の内側(物品側側)に付着する可能性が高い。また異物のサイズが小さい、あるいは水分が多いなどでフィルムから剥離しにくい場合には、掻き取り残しが生じてしまう。
【0007】
また、製袋器の上流側において異物の進入を規制できた場合でも、センターシール装置にフィルムが搬送されるまでの間に再び異物が落下して両側端縁部に付着すると、そのままセンターシールが行われ、シール不良が発生してしまう恐れもある。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、シール部の異物の除去を十分に行い、シール不良を防止することが可能な包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、連続して供給される帯状の包装材を、その両側端縁部を重ねて筒状に形成する製袋器と、筒状に形成された前記包装材の前記両側端縁部にシールを施すシール装置と、異物の払い落とし手段と、を有し、前記払い落とし手段は、前記製袋器と前記シール装置の間に配置され、前記両側端縁部の間に少なくとも一部を挿入可能に構成される、ことを特徴とする包装機に係るものである。
【0010】
また、連続して供給される帯状の包装材を、その両側端縁部を重ねて筒状に形成する製袋器と、筒状に形成された前記包装材の前記両側端縁部にシールを施すシール装置と、異物の払い落とし手段と、を備え、前記払い落とし手段は、前記両側端縁部の間に少なくとも一部を挿入可能に構成され、気体の通気孔を有する、ことを特徴とする包装機に係るものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シール部の異物の除去を十分に行い、シール不良を防止することが可能な包装機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る包装機の概略を示す正面図である。
【
図2】本実施形態に係る包装機の一部を抜き出して示す図であり、(A)正面図、(B)正面図、(C)側面図、(D)上面図である。
【
図3】本実施形態に係る払い落とし手段の変形例を示す図であり、(A)正面図、(B)~(F)上面図、(G)~(M)正面図である。
【
図4】本実施形態に係る払い落とし手段の変形例を示す図であり、(A)上面図、(B)正面図、(C)側面図、(D)~(G)正面図である。
【
図5】本実施形態に係る払い落とし手段の変形例を示す図であり、(A)正面図、(B)側面図、(C)側面図、(D)断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る包装機1について詳細に説明する。
図1は、包装機1の全体の概略を示す正面図であり、
図2は、包装機1の一部を抜き出して示す概略図であり、
図2(A)が製袋器14およびセンターシール装置16付近を示す正面図、同図(B)が同図(A)を更に拡大して示す正面図、同図(C)が同図(B)を上流方向から見た側面図、同図(D)は同図(B)の一部を抜き出して示す上面図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、本図及び以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
【0014】
図1に示す包装機1は、物品XA1が順次供給されることに合わせて、フィルム等の包装材YA1が連続して供給されて筒状に製袋され、所定ピッチ毎に包装材YA1の幅方向にシールとカットとが行われる、いわゆる横型製袋充填機である。
【0015】
包装機1は、連続して供給される樹脂フィルムや紙等の包装材YA1を利用して、前工程から順次供給される物品XA1を上流から下流に向けて搬送しながら包装する。
図1では、原反ロールYB1に近い側(
図1では左側)を上流とし、遠い側(
図1では右側)を下流とする。物品XA1は、例えば、焼き菓子など製品屑が発生しやすい食品である。
【0016】
<包装機>
図1を参照して、包装機1は、物品供給装置2と、包装材供給装置3と、包装機本体4と、制御ユニット(図示省略)と、などを備えている。なお、包装機1における各種方向の定義として、帯状に延びる包装材YA1の長手方向(センターシールが延びる方向)となる第一方向を搬送方向Tとし、包装材YA1の幅方向(横シール(トップシール、エンドシール)が延びる方向)となる第二方向を搬送幅方向Wとし、搬送方向T及び搬送幅方向Wに対して直角となる方向となる第三方向を搬送高さ方向Hとする。
【0017】
これら包装機1の各部は、制御ユニットによって統括的に制御される。制御ユニットは、CPU、RAM、及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
【0018】
物品供給装置2は、物品XA1を等間隔で搬送すると共に、当該物品XA1を下流の包装機本体4に順次搬送する。この物品供給装置2は、例えば、フィンガーコンベアから構成される。具体的に、物品供給装置2は、スリットを有する搬送面(符号省略)と、この搬送面上の物品XA1を側方からガイドするサイドガイド(図示省略)と、駆動用のスプロケット5と、従動用のスプロケット(図示省略)と、これらスプロケットに架け渡されて走行する環状のチェーン6と、このチェーン6に等間隔のピッチで取り付けられた複数のフィンガー7と、動力源となるサーボモーター(図示省略)などを備えている。
【0019】
駆動用のスプロケット5は、サーボモーターの駆動によって回転する。従動用のスプロケットは、チェーン6の走行によって、駆動用のスプロケットに連動して回転する。チェーン6は、駆動用のスプロケットの回転によって循環するように走行する。複数のフィンガー7は、スリットを介して搬送面の下方から上方に突出する。これら複数のフィンガー7は、チェーン6の走行によって、搬送面上を走行する。これにより、複数のフィンガー7は、搬送面上の物品XA1を押送して包装機本体4に送り出す。
【0020】
包装材供給装置3は、包装材YA1を下流の包装機本体4に連続して供給する。包装材供給装置3は、原反軸8と、サーボモーター(図示省略)と、ガイドローラ9などを備えている。原反軸8は、原反ロールYB1を回転自在に保持する。この原反軸8は、サーボモーターに動力が与えられて回転し、保持している原反ロールYB1を回転させる。これにより、原反ロールYB1から包装材YA1が繰り出される(引き伸ばされる)。ガイドローラ9は、原反ロールYB1の搬送方向を適宜変換して、包装機本体4側に案内し、製袋器14の供給口14aに導く。
【0021】
なお、原反ロールYB1から包装材YA1を繰り出す方法として、上述のような原反駆動式の方法を採用する代わりに、フィードローラを別途設け、当該フィードローラを動かして包装材YA1を引き出すフィードローラ駆動式の方法を採用してもよい。また、原反駆動式とフィードローラ駆動式の両方の方法を採用してもよい。
【0022】
包装機本体4は、物品供給装置2から供給される物品XA1を、包装材供給装置3から供給される包装材YA1で包装する。具体的な一例として、包装機本体4は、製袋器14と、ピンチローラ15と、センターシール装置16と、第一の搬送装置17と、上部抑え装置18と、トップシール装置(エンドシール装置)30と、第二の搬送装置20などを備えている。
【0023】
製袋器14は、包装材供給装置3から供給される包装材YA1を、その幅方向(搬送幅方向W)の両側端縁部EPが互いに重なるように筒状に製袋する(
図2(C)参照)。また、製袋器14は、物品供給装置2から供給される物品XA1を、筒状に製袋される包装材YA1に供給する。製袋器14は、ここでは一例として正ピロー型に製袋するものであり、斜め上方から物品XA1に合流するように連続して供給される包装材YA1を供給口14aにて受け入れ、物品XA1を搬送高さ方向Hの上方から包み込むように搬送方向に沿って折り曲げる。そして、製袋器14は、包装材YA1の幅方向(搬送幅方向W)の両側端縁部EPを互いに重ねて、この例では製袋器14の底面部141に設けたスリット(不図示)から下方に導出させ、筒状に製袋する。
【0024】
図2に示すように、ピンチローラ15は、製袋器14の底面部141のスリットから導出され、互いに重なる包装材YA1の両側端縁部EPを挟み込んで重合させ、当該両側端縁部EPに搬送力を付与する。
【0025】
センターシール装置16は、包装材YA1の搬送面を構成する左右一対の板部材161と、板部材161の下方に配置された一対のバーシーラー16aと、プレスローラ16bとを備え、製袋器14の下流において筒状に形成された包装材YA1にセンターシールを施す。左右一対の板部材161は、その対向面同士を所定距離おき、その上面を同一水平平面内に配置する。製袋器14によって物品XA1は搬送高さ方向Hの上方から包み込むように折り曲げられるとともに包装材YA1の両側端縁部EPが重ね合わされる。そして両側端縁部EPはその状態でセンターシール装置16の板部材161の対向面同士の間に形成される隙間内に進入する(
図2(C))。
【0026】
つまり両側端縁部EPは板部材161の下方に垂下・突出した状態となる。そして、一対のバーシーラー16aで板部材161の下方に垂下・突出した包装材YA1の両側端縁部EPを重合させた状態で挟んで加熱する。そして、センターシール装置16は引き続き、加熱された包装材YA1の両側端縁部EPをプレスローラ16bで圧着する。これにより、センターシール部CE1(
図2(A)参照)が形成される。つまり同図(A)において、プレスローラ16bより上流の両側端縁部EPは重ね合わせられているが接着はしておらず、プレスローラ16bより下流の両側端縁部EPは接着されてセンターシール部CE1となる。
【0027】
なお、センターシール装置16は一対のローラ、又は複数のローラでセンターシール部CE1を挟んで加熱する回転式のセンターシール装置でも良い。例えば、本実施形態のピンチローラ15が上流側ピンチローラで、プレスローラ16bが下流側ピンチローラであってもよい。そして、本実施形態の包装機1はセンターシール装置16の上流に異物の払い落とし手段50を有するが、これについては後述する。
【0028】
再び
図1を参照して第一の搬送装置17は、センターシールされた筒状の包装材YA1を、当該包装材YA1に包まれた物品XA1と共に、搬送面(符号省略)に載せてトップシール装置30に向けて搬送する。この第一の搬送装置17は、トップシール装置30のボックスモーションに合わせて、搬送面を搬送方向に伸縮させる。
【0029】
上部抑え装置18は、第一の搬送装置17の上方に配置されており、第一の搬送装置17に搬送される物品XA1を包装材YA1ごと上方から抑える。これにより、物品XA1は、水平状態を保持しながら搬送される。
【0030】
トップシール装置(トップシール手段、横シール手段、エンドシール手段)30は、物品XA1の長さに応じたカットピッチ毎に、包装材YA1の幅方向(搬送幅方向W、包装材YA1を横断する方向)にトップシール(エンドシール、横シール)とカットを行う。これにより、トップシール部TO1(
図1参照)が形成されるとともに、包装体(ピロー包装体)ZA1が製造される。すなわち、トップシール装置30は、センターシールされた包装材YA1に対し、所定の間隔(カットピッチ)で搬送幅方向Wにシールとカットを施す。
【0031】
トップシール装置30は、一例として、上下一対のトップシーラ30a,30bを有するいわゆるボックスモーションタイプのもので、筒状の包装材YA1を挟んで上下に配置された一対のトップシーラ30a,30bが、互いのシール面を対向させた状態を維持しながら所定の軌跡で移動し、物品の長さに応じたカットピッチ毎に、フィルムの幅方向にトップシールとカットを行う。トップシール装置30によってシール・カットするフィルム部位(トップシール部TO1)は、前後の物品XA1の間の所定位置である。なお、トップシール装置30は、ボックスモーション以外にも、回転式、又は直線往復動式のトップシール装置であってもよい。
【0032】
また、トップシール装置30は、筒状の包装材YA1にトップシールを施す前(或いはそれと同時)に、筒状の包装材YA1のトップシールされる部位近傍の、進行方向における両側方の所定の折り込み位置を、不図示のガゼット爪にて内方に押し込んで折り込み、折り込み部を形成する。
【0033】
第二の搬送装置20は、トップシール装置30より下流に設けられている。この第二の搬送装置20は、トップシール装置30で仕上がった包装体ZA1を、搬送面20aに載せて次工程に向けて搬送するベルトコンベアである。そして、第二の搬送装置20は、トップシール装置30のボックスモーションに合わせて、搬送面20aの搬送方向の長さを伸縮させる。
【0034】
<払い落とし手段>
引き続き
図2を参照して本実施形態の払い落とし手段50について説明する。同図(A)に示すように本実施形態の払い落とし手段50は、センターシール装置16の上流に設けられる。払い落とし手段50は好適にはセンターシール装置16の近傍に配置されることが望ましく、この例では、センターシール装置16の上流に設けられたピンチローラ15と、センターシール装置16の上流側端部16Tとの間で上流側端部16Tの直近に設けられる。また、払い落とし手段50は、製袋器14によって重ね合わされてセンターシールが施される前の包装材YA1の両側端縁部EPの間にその少なくとも一部(ここでは上端部50T)を挿入可能に構成される(
図2(C))。
【0035】
より詳細に、払い落とし手段50の外形状は、例えば搬送方向Tに延びる短辺と、搬送高さ方向Hに延びる長辺を有する細長矩形状の平板部材(搬送幅方向Wにある程度の厚みを有する)あるいは扁平の略直方体部材であり、中実材(内部にも材料が詰まった部材)でもよいし中空材(内部が空洞の部材)でもよい。ここでは一例として、払い落とし手段50が扁平の略直方体部材である場合について説明する。払い落とし手段50は、包装材YA1の両側端縁部EPの幅WE方向(
図2(B))の略全体と接触または近接する2つの側面51と、この例では上流側端面52と下流側端面53を有する。ここで、「両側端縁部EPの幅WE」とは、包装材YA1の搬送幅方向Wに沿う両側端縁部EPの長さ(製袋する以前の包装材YA1の搬送幅方向Wにおける両側端縁部EPの幅)をいい、
図2に示す例では図示上下方向の長さである。
【0036】
払い落とし手段50は、板部材161の下方に垂下・突出した包装材YA1の両側端縁部EPの間(重ね合わされた両側端縁部EPの間)にその上端部50Tが挟まれるように構成されるが、その状態で上端部50Tは板部材161から突出しないよう、板部材161よりもわずかに(例えば数mm)下方になるよう、センターシール装置16などに固定される。これにより、払い落とし手段50の上端部50T付近の2つの側面51は、その両外側に配置される包装材YA1の両側端縁部EPの幅WE方向の略全体と接触または近接する。なお払い落とし手段50は、包装機1の運転中(製袋中)は移動不可に固定されるが、包装材YA1の両側端センターシール部CE1(両側端縁部EP)の幅が調整可能な包装機1の場合は、上述した位置となるように払い落とし手段50の搬送高さ方向Hの位置も適宜調整可能とする。
【0037】
同図(D)は、払い落とし手段50の上面図である。払い落とし手段50は、その少なくとも一部が包装材YA1の両側端縁部EPの幅WE方向の略全体と接触または近接するように構成される。少なくとも一部とは例えば、2つの側面51(の一部)である。また、少なくとも一部とは、2つの側面51の上流側(図示側)端部に設けられた角部50Cである。
【0038】
この例では、払い落とし手段50は、包装材YA1の両側端縁部EPの幅WE方向の略全体と接触または近接する2つの側面51を少なくとも有する。またこの例では、払い落とし手段50は扁平の略直方体部材(細長矩形状の平板部材)であり、同図(D)に示すように上流側端端面52と側面51とでなす角が略90度となるように両者が連設され、角部50Cが構成されている。
【0039】
被包装物となる物品XA1が例えば焼き菓子など、包装中においても製品屑Dが発生しやすいものでは、包装材YA1の内側(製品側)に製品屑Dが付着しやすい。また特に、この例のように搬送高さ方向Hの上方から物品XA1を包む横型正ピロー方式の包装機1の場合には
図2(B)~同図(D)に示すように、製品屑Dが両側端縁部EPの特に内側(両側端縁部EP同士が対向している間)に付着する可能性が高くなる。両側端縁部EPの内側に製品屑Dが付着したままセンターシールが行われると、シール(密着)が不十分となったり、意図しない凹凸の発生によりシール時に噛み込みが生じる問題がある。
【0040】
ここで、例えば従来技術では、製袋器の上流側に噛み込み防止ガイドを配置して製品屑Dの進入を規制しているが、その噛み込み防止ガイドは重ね合わされる前の両側端縁部EPに作用することとなる。この場合、噛み込み防止ガイドの上流側では包装材YA1は重ね合わせ前の(開放されたような)状態となっているため、包装材YA1と噛み込み防止ガイドとの接触が不十分となる場合もあり、製品屑Dの除去が確実に行えない問題がある。
【0041】
本実施形態では、払い落とし手段50と、包装材YA1およびそれに付着する製品屑Dとを十分に近接(密着)させることが可能な構成を有する。一例として本実施形態の払い落とし手段50は、センターシール装置16の上流に設けられたピンチローラ15と、センターシール装置16の上流側端部16Tとの間、より詳細には、当該上流側端部16Tの直近に配置される。つまり、払い落とし手段50の上流側において包装材YA1は製袋器14によって重ね合わされて、ピンチローラ15で近接した状態で押さえられ、払い落とし手段50の下流側において包装材YA1はセンターシール装置16で挟まれ、シールされることになる。払い落とし手段50は、ピンチローラ15とセンターシール装置16の間の隙間が無い(十分に近接した)両側端縁部EPの間に、払い落とし手段51を配置された状態で相対的に移動する。そして、同図(D)に示すように払い落とし手段50の角部50cおよび又は側面51が、包装材YA1に接触あるいは近接し、両側端縁部EPの内側(間)に付着した製品屑Dをと直接的に接触してこれを外(上流側)に掻き出すようにして払い落とすことができる(同図(B)、同図(C))。つまり、従来技術と比較して、両側端縁部EPと払い落とし手段50とを十分に近接(密着)させることができ、両側端縁部EPの内面、及びそこに付着する製品屑Dと払い落とし手段50上流側端面52とを確実に接触させることができる。
【0042】
なお、払い落とし手段50の上流側端部に90度以下の(鋭角な)角部50Cが構成されるとより払い落とし(掻き落とし)の効果が高まる。
【0043】
さらに、製品屑Dが払い落とされた直後にセンターシールすることが可能となり、良好なセンターシールを行うことができる。
【0044】
このように、本実施形態の払い落とし手段50は、重ね合わされ、近接した(一旦密着した)両側端縁部EPの内側(間)に(例えば挿入されるなどして)直接的に作用し、製品屑Dを払い落とす(または掻き出す)ものであり、このような機能を有する手段であれば上記の例に限らない。
【0045】
<変形例>
図3および
図4を参照して、払い落とし手段50の他の例について説明する。
図3は、本実施形態の払い落とし手段50の設置状態における他の例を示す図であり、同図(A)が正面図、同図(B)~同図(F)は上面図、同図(G)~同図(M)が正面図である。いずれも、図示左側が搬送方向Tの上流側であり図示右側が搬送方向Tの下流である。つまり、包装材YA1は左から右へ搬送されるものする。
【0046】
図3(A)に示すように、払い落とし手段50の正面視の形状は矩形状に限らない。例えば、上流側端面52の正面視の形状が
図2(B)に示すような直線状の構成(上流側端面52が1つの平面で構成)ではなく、
図3(A)に示すように曲折した形状であってもよい。この例では、上流側端面52の正面視において上端部50T付近のみが(下方部分よりも)上流側方向(図示左方向)に突出するように曲折した形状(上流側端面52が複数の平面を連設した構成)となり、上端部50T付近が台形状に構成された場合を示している。台形状部分は、二点鎖線で示す両側端縁部EPの幅WE内に収まるように構成される。この図の例に限らず、上流側端面52の少なくとも一部が曲面で構成されていてもよい。
【0047】
また、払い落とし手段50は、その少なくとも一部が包装材YA1の両側端縁部EPの幅WE方向の略全体と接触または近接するように構成されていればよい。少なくとも一部とは例えば、2つの側面51(の一部)あるいは、2つの側面51の上流側(図示側)端部に設けられた角部50C(特に角度が90度以下)である。
【0048】
例えば、同図(B)~同図(F)に示すように、払い落とし手段50は、包装材YA1の搬送方向Tの下流側に鋭角部55を有するものであってもよい。つまり払い落とし手段50は、包装材YA1(両側端縁部EP)の間に配置される2つの側面51が、それらの下流側においてなす角が鋭角となるように連設されて鋭角部55が構成されるものであってもよい。この場合、それぞれの側面51は、搬送方向Tに沿って複数の面が並ぶように構成されてもよい。
【0049】
例えば、同図(B)に示す例では側面51のそれぞれが、搬送方向Tに沿って上流側に第1側面51aが、下流側に第2側面51bが並び、連設される例である。第1側面51aと第2側面51bは所定角度を成すように連設される。この例では2つの側面51において第1側面51a同士はほぼ平行に配置され、第2側面51bはそれぞれ、上面視において上流側より下流側が中心に位置するように傾斜する平面により構成される。これにより2つの第2側面51bによって鋭角部55が構成される。
【0050】
払い落とし手段50の下流側端部を鋭角部55とすることにより、二点鎖線で示す包装材YA1(両側端縁部EP)の下流方向を鋭角部55に沿って収束させることができる。両側端縁部EPは製袋器14によって重ね合わさせられるが払い落とし手段50がその内部を通過することで一旦その重なりが離間する。しかし払い落とし手段50の鋭角部55に沿って再び収束するよう案内され、重ね合わせられた状態でバーシーラー16aに進入可能となる。なお、この場合、第1側面51a同士はほぼ平行でなくてもよい。
【0051】
同図(C)は、同図(B)において上流側端面52の一部(払い落とし手段50の幅(厚み)方向の中心付近)が、側面51の上流側よりも下流側に位置するように形成し、製品屑Dの回収領域52aを創出する例である。この例では上面視において2つの平面をくの字状に配置して回収領域52aを創出させている。
【0052】
製品屑Dは角部50Cおよび又は側面51で包装材YA1の外側に払い落とされてもよいし、回収領域52aに回収されてもよい。上流側端面52は、回収領域52aを創出可能であれば任意の形状が選択できる。
【0053】
同図(D)は、2つの側面51がそれぞれ1つの平面で構成され、これらの下流側端部によって鋭角部55が構成される例である。それぞれの側面51は、上面視において上流側より下流側が中心に位置するように傾斜する平面により構成される。この場合、側面51が曲面で構成されてもよい。例えば、上面視において搬送方向Tを流れ方向とする流線形状に構成されてもよい。
【0054】
同図(E)は、同図(D)において上流側端面52を曲面で構成し、回収領域52aを創出させる例である。
【0055】
同図(F)は、同図(E)において、側面51と二点鎖線で示す包装材YA1(両側端縁部EP)の接触面積を低減する例である。ここでは、それぞれの側面51を、両側端縁部EPから離れるように湾曲する曲面の第1側面51aと、上面視において上流側より下流側が中心に位置するように傾斜する平面の第2側面51bにより構成する。この払い落とし手段50は、
図2、
図3(B)~同図(E)に示す構成と比較して包装材YA1との接触面積を低減できる。つまり、製品屑Dを払い落とす(掻き落とす)には、包装材YA1と払い落とし手段50とを十分に接触させる、あるいは、製品屑Dと確実に接触するように包装材YA1に近接させることが望ましいが、特に包装材YA1が軟弱な素材、あるいは摩擦に弱い材質などの場合には両者の接触、あるいは両者の間で製品屑Dが移動することにより包装材YAに傷が発生する恐れがある。
【0056】
同図(F)に示すように、払い落とし手段50と包装材YA1の接触面積を低減することで、製品屑Dは確実に払い落としつつも包装材YA1に傷が発生することを抑制し、美観を良好に仕上げることができる。なお、側面51と包装材YA1との接触面積を低減できる形状であればこの例に限らない。
【0057】
なお、少なくとも一部が製品屑Dに直接的に作用してこれを払い落とす(掻き落とす)構成であればよい。つまり、角部50が鈍角に構成され、主に角部50が包装材YA1に接触(近接)して製品屑Dに直接接触し、これを払い落とす構成であってもよい。
【0058】
図3(G)~同図(M)は、包装材YA1との近接(密着)が可能な払い落とし手段50のさらに他の例を示す正面図であり、二点鎖線は両側端縁部EPの下端部の位置を示す。払い落とし手段50は通気孔56を有するものであってもよい。通気孔56は、例えば、1つの側面51において1または複数設けられる。通気孔56は、例えば、これを介して両側端縁部EPを払い落とし手段50に吸い付ける吸引孔である。この場合、払い落とし手段50は中空の管状(扁平管状)部材であり、詳細な図示は省略するが、これに接続する配管61や吸引手段62を備える(
図2(A)参照)。吸引手段62は連続してあるいは間欠的に吸引を行い、それにより両側端縁部EPを払い落とし手段50に引き寄せる(吸い付ける)。両側端縁部EPは吸引していない状態よりも払い落とし手段50と十分に接触(密着)し、あるいは近接することにより、掻き取り(払い落とし)が効率的に行われる。
【0059】
同図(G)は通気孔56が(略)円形状で1つの側面51に単数(1つ)設けられる例であり、同図(H)は1つの側面51に複数設けられる例である。また同図(I)~同図(L)は、通気孔56が非円形(ここでは細長の楕円形状(長孔)、スリット状)であり、同図(I)が1つの側面51に単数設けられる例、同図(J),同図(K)が複数設けられる例である。通気孔56が複数設けられる場合、同図(H),同図(J)に示すように並列配置でもよいし、同図(K)に示すように千鳥状に(交互に)配置されてもよい。また、ランダム(非整列)で配置されてもよい。また、同図(L)は1つの通気孔56が曲折した長孔である例である。ここでは一例として「く」の字状に設けた場合を示しているが、ジグザグや波型の通気孔56であってもよい。また、同図(M)は楕円形状(長孔)の通気孔56の長軸を鉛直方向(搬送高さ方向H)から傾斜させたものである。
【0060】
いずれも、両側端縁部EPを十分に払い落とし手段50に引き寄せる(吸い付ける)ために、通気孔56は、両側端縁部EPの幅WE内に収まるように(両側端縁部EPの可端部(二点鎖線)から露出しないように)配置するとよい。ただし、吸引手段62による吸引量は、両側端縁部EPを十分に払い落とし手段50に引き寄せることができる程度で十分である。後の工程で(例えば、トップシール時などに)包装材YA1内のエアを抜く脱気工程がある場合には、払い落とし手段50における吸引でセンターシール前に包装材YA1内のエアが多少抜かれても問題はない。通気孔56はこれらの複数を組み合わせた構成であってもよい。また、この場合、払い落とし手段50の外形状(上面視形状)は製品屑Dの直接的な接触が有効に行われるよう、同図(B)~同図(F)に示すような形状を採用してもよい。
【0061】
図4を参照して払い落とし手段50のさらに他の例について説明する。同図(A)~同図(C)は他の例に係る一の払い落とし手段50を示す図であり、同図(A)が上面図、同図(B)がその正面図、同図(C)がその上流側から見た凹部57(後述)を含む断面図である。同図(D)が更に他の例に係る一の払い落とし手段50を示す正面図であり、同図(E)が更に他の例に係る一の払い落とし手段50を示す正面図であり、同図(F)が更に他の例に係る一の払い落とし手段50を示す正面図であり、同図(G)が他の例に係る一の払い落とし手段50を示す正面図である。
【0062】
図4(A)~同図(C)に示す払い落とし手段50は、上面視は
図3(E)と同様であり、下流側端部に鋭角部55を有している(同図(A))。そして側面51には、同図(B)、同図(C)に示すように凹部57が設けられ、その内部(例えば底面部)に通気孔56が設けられる。通気孔56は例えば吸引孔である(つまり不図示の吸引手段62を有する)。
【0063】
この場合も通気孔56を介した吸引により、同図(C)に二点鎖線で示すように、両側端縁部EPが払い落とし手段50に引き寄せ(吸い付け)られる。両側端縁部EPが払い落とし手段50と十分に接触(密着)し、あるいは近接して角部50Cにより製品屑Dの掻き取り(払い落とし)が効率的に行われる。
【0064】
この構成では両側端縁部EPと払い落とし手段50との接触面積を最小限にしつつ、両者を引き寄せることが可能となる。なお、この場合、凹部57以外の部分に通気孔(吸引孔)56を設けてもよい。
【0065】
さらに、上記の例では、製品屑Dは主に払い落とし手段50の外表面の一部(側面51や角部50Cなど)と直接的に接触することにより払い落とされる(掻き落とされる)構成として説明した。しかしこれに限らず、例えば
図3(G)~同図(M)、
図4(A)~同図(C)に示した通気孔56を有する構成において、吸引手段62によって製品屑Dを直接的に吸引し、回収する構成としてもよい。この場合、両側端縁部EPも払い落とし手段50に引き寄せられるが、吸引手段62は製品屑Dに直接作用(吸引)してこれを回収する。このため、上記の例よりも、両側端縁部EPと払い落とし手段50の密着性は低くなるようにすると、製品屑Dの吸引が良好に行える。つまり例えば、
図3(G)~同図(M)などの構成では、通気孔56の一部が両側端縁部EPから露出するように構成するとよい。
【0066】
また
図4(A)~同図(C)の構成は、両側端縁部EPに生じる傷などを回避するために、両側端縁部EPと払い落とし手段50の接触面積を低減する構成として説明したが、この構成であれば両者の密着性も緩和でき、製品屑Dの効率的な吸引、回収が可能となる。
【0067】
なお、製品屑Dを主に吸引して回収する構成においても、払い落とし手段50の外表面の一部(側面51や角部50Cなど)と直接的に接触することによる払い落としができる構成としてもよい。つまり払い落とし手段50は
図3(B)~同図(F)、
図4(A)~同図(C)に示すような外形状を有していてもよい。一方で、製品屑Dを主に吸引して回収する構成の場合、例えば側面51に通気孔(吸引孔)56が設けられていれば、外表面の一部が包装材YA1と接触しない形状であってもよく、例えば上面視において円形状や楕円形状などの外形状でもよい。
【0068】
さらに、製品屑Dを吸引により回収する構成の場合、通気孔(吸引孔)56は、上流側端面52、あるいは下流側端面53に設けられてもよく、これらを複数組み合わせてもよい。
【0069】
更に、例えば、例えば
図3(G)~同図(M)、
図4(A)~同図(C)に示した通気孔56を有する構成において、通気孔56は、気体(例えばエアや不活性ガスなど)を噴出する噴出孔であってもよい。この場合も払い落とし手段50は中空の管状(扁平管状)部材であり、これに接続する配管61や気体の噴射供給手段(気体のボンベ等を含む)63を備える(
図2(A)参照)。噴射供給手段63は連続してあるいは間欠的に気体の噴出を行い、それにより両側端縁部EPに付着した製品屑Dを吹き落とす(払い落とす)。なお、噴射供給手段63により製品屑Dを吹き落とす場合、製品屑Dが再び包装材YA1内に入り込まない様、
図4(D)に示すようにエア等の吹き出し方向を包装材YA1(両側端縁部EP)の外側(下向き且つ上流方向)に向けるように構成する。例えば、通気孔56の内壁を、側面51(部材)の厚み方向において同方向に傾斜するように形成して指向性を付与することで、包装材YA1の外側(下向き且つ上流方向)に噴射されるようにしてもよい。あるいは、払い落とし手段50の内部に更にノズルを設け、ノズルの噴射方向を包装材YA1の外側(下向き且つ上流方向)にしてもよい。また、
図4(E)に示すように、
図3(A)に示した台形状の上端部50Tを有する払い落とし手段50において、台形状の上流側端面52に通気孔56を設け、下向き且つ上流方向にエア等が噴射されるようにしてもよい。また、同図(F)に示すように、
図2に示した略矩形状(直方体形状)の払い落とし手段50の上流側端面52の上方に下向き且つ上流方向にエア等が噴射されるように通気孔56を設けてもよい。
【0070】
この場合、所定期間毎に所定時間エアなどを噴射するようにしてもよいし、常時噴射させるようにしてもよい。また、製品屑Dの累積の有無をセンサなどで感知し、累積している場合にはエアなどを噴射して製品屑Dを除去するようにしてもよい。この場合の払い落とし手段50は、本実施形態の全ての払い落とし手段50が適用可能である。さらに、
図4(E),同図(F)に示すような構成で、払い落とし手段の外表面、および/または回収領域52aに付着・累積した製品屑Dを吹き落とすようにしてもよい。
【0071】
また、
図4(G)に示すように吸引手段62によって、払い落とし手段50の外表面、および/または回収領域52a(
図3(C),同図(E)、同図(F))に付着・累積する製品屑Dを吸引して回収する構成であってもよい。
【0072】
払い落とし手段50の外表面、および/または回収領域52aに製品屑Dが付着したままであると、再び包装材YA1に付着する可能性があるが、吸引手段62または噴射供給手段63によってこれを払い落とすことで、包装材YA1への製品屑Dの再付着を防止できる。この場合、吸引手段62または噴射供給手段63のノズルを、例えば、払い落とし手段50の上流側端面52の近傍、または回収領域52aの鉛直方向下方に配置し、上流側端面52に沿って気体が吸引、または噴出されるように構成する。
【0073】
図5を参照して、吸引により製品屑Dを回収する更に他の例について説明する。同図(A)、同図(B)が他の例を示す一の払い落とし手段50を示す図であり、同図(A)が正面図、同図(B)が上流方向から見た側面図である。二点鎖線は、両側端縁部EPの下端部を示している。この例では、側面51と上流側端面52にそれぞれ複数の吸引用の通気孔(吸引孔)56を設ける。複数の通気孔(吸引孔)56は、その開口面積の総和が、両側端縁部EPに挿入されてこれらと対向する払い落とし手段50の側面51の面積と同程度となるような形状およびサイズに設けられる。この例では側面51と上流側端面52に設ける通気孔56は搬送高さH方向の位置をずらして配置しているが、一致させてもよい。
【0074】
同図(C)、同図(D)がさらに他の例を示す一の払い落とし手段50を示す図であり、同図(C)が上流方向から見た側面図、同図(D)が同図(C)のA-A線断面図である。この例では、吸引用の通気孔(吸引孔)56を上流側端面52にのみ設ける構成である。この場合、通気孔(吸引孔)56の開口部を同図(D)に示すようにテーパ状に形成すると望ましい。この例では通気孔56を矩形状に開口し、長辺56A部分をテーパ状に形成した場合を図示しているが、短辺56B部分も同様にテーパ状に形成すると望ましい。
【0075】
更に、包装機1は、一般的な包装機(例えば、製袋時にガスが積極的に充填されない包装機)であってもよいし、製袋時に連続してガスが充填されるガス充填包装機であってもよい。ガス充填包装機の場合、気体を噴出可能な払い落とし手段50は、筒状となった包装材YA1の内部空間内に不活性ガスを供給するガス供給装置のノズルと兼用してもよい。不活性ガスは例えば、その製品の日持ちを良くするなどの目的で包装体ZA1に充填されるものであり、包装体ZA1内に十分滞留するよう、下流側に向かって噴射することが望ましい。一方で、払い落とし手段50として使用する場合は、上述のように製品屑を包装材YA1の外部に排出する目的から上流側に向かって噴射することが望ましい。従ってこの場合気体の噴射方向を切り替え可能に構成すると望ましい。また、ノズルを二重構造としてもよい。また、目的に応じて噴出する気体を切り替え可能としてもよく、払い落とし手段50として使用する場合は例えば空気を噴出するようにしてもよい。
【0076】
また、例えば、製品屑を吸入可能な払い落とし手段50を、不活性ガスのガス供給装置のノズルと兼用してもよい。この場合例えば、まず払い落とし手段50として、包装材YA1を吸引するとともに製品屑を吸引、回収した後、不活性ガスを筒状の包装材YA1の内部空間に噴出するとよい。
【0077】
また、払い落とし手段50は、包装材YA1の搬送に同期して搬送方向T(上流又は下流)に移動可能に構成してもよいし、搬送高さ方向H(上下)に移動可能に構成してもよい。
【0078】
このように、本実施形態の払い落とし手段50は、重合された両側端縁部EPの間(内側)に挿入され、包装体ZA1としてみた場合の内側(シールされる予定の内側)方向から両側端縁部EP(および製品屑D)に作用して製品屑Dを払い落とすものである。払い落とし手段50の払い落としの方法としては、その外表面を両側端縁部EPに接触させ、製品屑Dを掻き落とす方法、吸引手段62により両側端縁部EP(および製品屑D)を吸引し回収する方法(払い落とし手段50の外形上は任意)、噴射供給手段63により両側端縁部EP(および製品屑D)に気体を噴射して吹き落とす方法(払い落とし手段50の外形上は任意)のいずれであってもよい。また、以上説明した複数の変形例は適宜組み合わせて実施できる。例えば、払い落とし手段50の外表面による製品屑Dの払い落とし(掻き落とし)と、製品屑Dの吸引あるいは気体の噴出による吹き落としを同時に行ってもよい。
【0079】
また、通気孔56設ける構成の場合(通気孔56を介して包装材YA1および/または製品屑Dを吸引する場合、エアなどを噴出する場合のいずれも)、払い落とし手段50は、センターシール装置16の上流側であれば、任意の位置に配置可能である。すなわち、払い落とし手段50は製袋器14の上流に配置してもよい。しかしながら、製品屑Dが両側端縁部EPに再度付着することを防止するために、ピンチローラ15とセンターシール装置16の間に配置すると望ましい。
【0080】
また、払い落とし手段50を包装材YA1の搬送経路の複数個所に配置してもよい。
【0081】
また、板部材161に、払い落とし手段50が干渉しないよう切り欠き部を設けてもよい。この場合、払い落とし手段50の上面54は、板部材161の搬送面よりも下方に位置させる。
【0082】
また、払い落とし手段50は、清掃可能なように着脱可能に配置するとよい。
【0083】
また、搬送方向Tに長い凹部57は、上流側が高く下流側が低くなるように、下流に向かって下り傾斜させて設けてもよい。
【0084】
以上、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 包装機
2 物品供給装置
3 包装材供給装置
4 包装機本体
5 スプロケット
6 チェーン
7 フィンガー
8 原反軸
9 ガイドローラ
14 製袋器
14a 供給口
15 ピンチローラ
16 センターシール装置
16T 上流側端部
16a バーシーラー
16b プレスローラ
17 第一の搬送装置
20 第二の搬送装置
30 トップシール装置(エンドシール装置)
50 払い落とし手段
50T 上端部
51 側面
51a 第1側面
51b 第2側面
52 上流側端面
53 下流側端面
54 上面
55 鋭角部
56 通気孔
57 凹部
61 配管
62 吸引手段
63 噴射供給手段
141 底面部
161 板部材
CE1 センターシール部
D 製品屑
EP 両側端縁部