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  • 特開-オイル潤滑構造 図1
  • 特開-オイル潤滑構造 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177422
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】オイル潤滑構造
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/04 20100101AFI20221124BHJP
【FI】
F16H57/04 J
F16H57/04 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083661
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507115377
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】武田 拓己
(72)【発明者】
【氏名】槙野 旭洋
(72)【発明者】
【氏名】木村 浩章
(72)【発明者】
【氏名】高木 清式
(72)【発明者】
【氏名】中屋敷 誠
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 弘一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊之
(72)【発明者】
【氏名】木村 豪
(72)【発明者】
【氏名】金丸 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 恭子
(72)【発明者】
【氏名】山本 佑介
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 武史
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 城
【テーマコード(参考)】
3J063
【Fターム(参考)】
3J063AA04
3J063AB02
3J063AC01
3J063BA11
3J063BB11
3J063BB23
3J063CA01
3J063CB05
3J063CB13
3J063CB60
3J063CD41
3J063XD03
3J063XD17
3J063XD32
3J063XD47
3J063XD54
3J063XD62
3J063XD72
3J063XD73
3J063XE37
3J063XF02
3J063XF12
3J063XF13
3J063XF14
(57)【要約】
【課題】適切なオイルの供給が可能なオイル潤滑構造を提供することを課題とする。
【解決手段】複数の歯を有するギヤと、内部に前記ギヤを収納し、かつオイルを貯留するケースと、前記ケースに設けられたリブと、を具備し、前記ギヤは回転することで、前記オイルをかき上げて前記ケースと前記リブとで区画される空間に前記オイルを供給し、前記ギヤの回転方向に沿って、前記リブの壁面と前記ギヤの前記歯との距離は小さくなるオイル潤滑構造。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の歯を有するギヤと、
内部に前記ギヤを収納し、かつオイルを貯留するケースと、
前記ケースに設けられたリブと、を具備し、
前記ギヤは回転することで、前記オイルをかき上げて前記ケースと前記リブとで区画される空間に前記オイルを供給し、
前記ギヤの回転方向に沿って、前記リブの壁面と前記ギヤの前記歯との距離は小さくなるオイル潤滑構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオイル潤滑構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の部品の潤滑にオイルが使用される。ギヤが回転することでオイルをかき上げる技術がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-108932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば低温においてはオイルの粘度が高くなり、ギヤに張り付く。このため適切なオイルの供給が困難になる。そこで、適切なオイルの供給が可能なオイル潤滑構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、複数の歯を有するギヤと、内部に前記ギヤを収納し、かつオイルを貯留するケースと、前記ケースに設けられたリブと、を具備し、前記ギヤは回転することで、前記オイルをかき上げて前記ケースと前記リブとで区画される空間に前記オイルを供給し、前記ギヤの回転方向に沿って、前記リブの壁面と前記ギヤの前記歯との距離は小さくなるオイル潤滑構造によって達成できる。
【発明の効果】
【0006】
適切なオイルの供給が可能なオイル潤滑構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1(a)はオイル潤滑構造を例示する断面図である。図1(b)はギヤの側面図である。
図2図2はリブ付近を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本実施形態のオイル潤滑構造について説明する。図1(a)はオイル潤滑構造100を例示する断面図である。図1(a)に示すように、オイル潤滑構造100は、ケース10、リブ12、およびギヤ20を有する。例えば電気自動車、ハイブリッド自動車などの車両が、オイル潤滑構造100を搭載する。
【0009】
ケース10は、内側の空洞にリブ12およびギヤ20を収容し、かつオイル11を貯留する。オイル11は、ケース10の底にたまる。リブ12はケース10の底面およびギヤ20よりも上側に位置し、ケース10の壁面から突出する。ケース10とリブ12とで区切られた空間は、サブタンク14として機能する。
【0010】
ギヤ20はリブ12よりも下側であって、ケース10の底面よりも上側に位置する。ギヤ20は例えばディファレンシャルリングギヤであり、外周面に複数の歯22を有する。歯22はギヤ20の径方向の外側に突出する。ギヤ20の外周のうち一部、例えば1/4以下の部分が、リブ12に対向する。ギヤ20の外周の他の部分は、ケース10内の空間に露出するか、ケース10の底にたまるオイル11内に浸かる。
【0011】
図1(b)はギヤ20の側面図である。図1(b)に示すように、ギヤ20はドライブシャフト30に連結されている。例えば不図示のモータなどの駆動力がギヤ20に伝達されることで、ギヤ20はドライブシャフト30を回転軸として回転する。ドライブシャフト30は、ギヤ20とともに回転する。ドライブシャフト30の外周面にはベアリング32が設けられている。ケース10に貯留されるオイル11は、ドライブシャフト30およびベアリング32の潤滑に用いられる。
【0012】
図1(a)に矢印Aで示す方向にギヤ20が回転することで、ギヤ20の歯22は、ケース10に貯留されているオイルをかき上げる。図1(a)に矢印Bで示すように、かき上げられたオイルは入口13を通じてサブタンク14に供給される。オイルは、サブタンク14から再びケース10の底に供給されてもよいし、図1(b)のベアリング32などの部品に供給されてもよい。
【0013】
ギヤ20にオイルが張り付くことで、オイルがギヤ20から剥がれにくくなり、ギヤ20によるオイルのかき上げが阻害される恐れがある。オイルの温度が高いほどオイルの粘度は低くなる。オイルの温度が低いほどオイルの粘度は高くなる。粘度が低い場合に比べて、オイルの粘度が高い場合にはオイルがギヤ20に張り付きやすくなる。
【0014】
図2はリブ12付近を拡大した図である。図2に示すように、リブ12のギヤ20側の面12aと、ギヤ20の歯22の先端側の面22aとは対向する。図2においてギヤ20の回転方向を矢印で示す。面12aと面22aとが対向する3つの位置をP1、P2およびP3とする。位置P1は、3つの位置の中で回転方向において最も前段の位置である。位置P2は、位置P1よりも回転方向の後段であり、位置P3よりも前段である。位置P3は、3つの位置の中で回転方向において最も後段の位置である。回転が進む方向に沿って、位置P1、P2およびP3がこの順番で並ぶ。
【0015】
位置P1における、ギヤ20の径方向でのリブ12の面12aと歯22の面22aとの間の距離をD1とする。位置P2における面12aと面22aとの間の距離D2は、距離D1よりも小さい。位置P3における面12aと面22aとの間の距離D3は、距離D2よりも小さい。すなわち、ギヤ20の回転方向に沿って、面12aと面22aとの間の距離は小さくなる。
【0016】
本実施形態によれば、ギヤ20の回転方向に沿って面12aと面22aとの間の距離が小さくなることで、ギヤ20に張り付いたオイルがギヤ20から剥離しやすくなる。剥離したオイルはギヤ20から下に落下し、ケース10の底にたまる。ギヤ20は、底のオイルをかき上げ、サブタンク14に供給する。この結果、ギヤ20の回転によって適切なオイルの供給が可能である。
【0017】
オイルの粘度が低い場合、粘度が高い場合に比べてオイルは張り付きにくい。したがって、ギヤ20はオイルをかき上げ、サブタンク14に供給することができる。オイルの粘度が高いほど、オイルはギヤ20に張り付きやすい。本実施形態によれば、ギヤ20が回転することで、ギヤ20に張り付いたオイルを剥離することができる。
【0018】
ギヤ20の回転方向に沿ってリブ12の厚さが大きくなることで、リブ12の面12aと歯22の面22aとの間の距離が小さくなってもよい。リブ12の厚さは一定であり、かつリブ12の面12aと歯22の面22aとの間の距離が小さくなってもよい。
【0019】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0020】
10 ケース
11 オイル
12 リブ
12a、22a 面
13 入口
14 サブタンク
20 ギヤ
22 歯
30 ドライブシャフト
32 ベアリング
100 オイル潤滑構造
図1
図2