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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177483
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】配送システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20221124BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
B65G61/00 500
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083761
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】518131791
【氏名又は名称】株式会社アルファグループホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(74)【代理人】
【識別番号】100217467
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴崎 一磨
(72)【発明者】
【氏名】谷村 幸弘
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】 配送事業体の自由度を高めつつ、配送案件を効率的に管理することが可能な配送システムを提供すること。
【解決手段】 配送事業体サーバとしての内部サーバ1および外部サーバ2と、携帯端末3と、を備える配送システムA1であって、配送事業体サーバから携帯端末3に、配送者識別情報D2を用いて送信依頼メールD3が送信され、送信依頼メールD3は、受領書情報D4を送信する受領書情報送信状態に、携帯端末3を設定する情報が含まれており、配送者62が、携帯端末3に備えられた撮像部37によって、受取人7による受け取り確認が完了した受領書Rcを撮影し、且つ、受領書Rcの画像データIrを含む受領書情報D4が、受領書情報送信状態にある携帯端末3から配送事業体サーバに送信される。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送依頼者および配送物の情報を含む配送案件情報、前記配送物を配送する配送者を識別する配送者識別情報、および前記配送物を受領した受取人の受け取り確認情報を含む受領書情報、が入力される配送事業体サーバと、
前記配送者が携帯し且つ前記受領書情報を送信する携帯端末と、を備える配送システムであって、
前記配送依頼者から配送事業体への配送案件依頼に対応した前記配送案件情報が、前記配送事業体サーバに入力され、且つ
前記配送案件の前記配送物を配送する前記配送者の前記配送者識別情報が、前記配送事業体サーバに入力されると、
前記配送事業体サーバから前記携帯端末に、前記配送者識別情報を用いて送信依頼連絡が送信され、
前記送信依頼連絡は、前記受領書情報を送信する受領書情報送信状態に、前記携帯端末を設定する情報が含まれており、
前記配送者が、前記携帯端末に備えられた撮像部によって、前記受取人による受け取り確認が完了した受領書を撮影し、且つ、当該受領書の画像データを含む前記受領書情報が、前記受領書情報送信状態にある前記携帯端末から前記配送事業体サーバに送信される、配送システム。
【請求項2】
前記配送者識別情報は、携帯電話番号であり、
前記送信依頼連絡は、ショートメールまたはEメールである、請求項1に記載の配送システム。
【請求項3】
前記携帯端末による前記受領書の撮影は、前記受領書情報送信状態にある前記携帯端末によって行われる、請求項1または2に記載の配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
配送依頼者から依頼された荷物の配送を担う配送事業体では、配送案件を管理する配送システムが利用されている。特許文献1には、従来の配送システムの一例が開示されている。同文献に開示された配送システムにおいては、配送者が携帯するスマートフォンで送り状のバーコードを読み取ることを、配送案件の管理に利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6413041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配送業界においては、配送案件を遂行する配送事業体が、複数の階層構造となるケースが一般的に存在する。たとえば、配送依頼者から、元請け企業が配送案件を受注し、一次下請け企業および二次下請け企業へと配送案件が依頼され、二次下請け企業の配送者が実際の配送を担うといった形態となる。この場合、元請け企業、一次下請け企業、および配送者は、それぞれの企業規模や保有する配送システムの構成が顕著に異なる場合が多く、配送事業体に含まれる元請け企業、一次下請け企業、および配送者のすべてに関わる配送システムの構築は、困難である。また、配送事業体の具体的な構造や配送依頼者との関係等によって、様々なフォーマットの送り状を扱うことがある。この場合、それぞれに異なるフォーマットの送り状に統一的なバーコードを付することは、配送事業体を構成する会社を制限したり、配送依頼者に何らかの限定を与えたりすることに繋がり、配送事業体の自由度を狭めてしまうことが懸念される。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、配送事業体の自由度を高めつつ、配送案件を効率的に管理することが可能な配送システムを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される配送システムは、配送依頼者および配送物の情報を含む配送案件情報、前記配送物を配送する配送者を識別する配送者識別情報、および前記配送物を受領した受取人の受け取り確認情報を含む受領書情報、が入力される配送事業体サーバと、前記配送者が携帯し且つ前記受領書情報を送信する携帯端末と、を備える配送システムであって、前記配送依頼者から配送事業体への配送案件依頼に対応した前記配送案件情報が、前記配送事業体サーバに入力され、且つ前記配送案件の前記配送物を配送する前記配送者の前記配送者識別情報が、前記配送事業体サーバに入力されると、前記配送事業体サーバから前記携帯端末に、前記配送者識別情報を用いて送信依頼連絡が送信され、前記送信依頼連絡は、前記受領書情報を送信する受領書情報送信状態に、前記携帯端末を設定する情報が含まれており、前記配送者が、前記携帯端末に備えられた撮像部によって、前記受取人による受け取り確認が完了した受領書を撮影し、且つ、当該受領書の画像データを含む前記受領書情報が、前記受領書情報送信状態にある前記携帯端末から前記配送事業体サーバに送信される。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記携帯端末識別情報は、携帯電話番号であり、前記送信依頼連絡は、ショートメールまたはEメールである。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記携帯端末による前記受領書の撮影は、前記受領書情報送信状態にある前記携帯端末によって行われる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、配送事業体の自由度を高めつつ、配送案件を効率的に管理することができる。
【0010】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る配送システムの一例を示すシステム構成図である。
図2】本発明に係る配送システムの一例の動作を示すシーケンスダイアグラムである。
図3】本発明に係る配送システムの一例の動作を示すシーケンスダイアグラムである。
図4】本発明に係る配送システムの一例において携帯端末による受領書の撮影を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0013】
図1図4は、本発明に係る配送システムの一例を示している。本実施形態の配送システムA1は、図2および図3に示すように、配送依頼者5から依頼された配送案件を配送事業体6が遂行し、受取人7に荷物が配送される。配送事業体6は、配送案件を遂行する事業体であり、単独の企業によって構成されていてもよいし、複数の企業および会社によって構成されていてもよい。また、配送事業体6に配送案件を依頼する配送依頼者5が、さらに上流側に位置する別の配送依頼者から配送案件を依頼された企業および会社等であってもよい。
【0014】
以降の説明においては、元請け企業60、一次下請け企業61および二次下請け企業62によって構成された配送事業体6を例に説明する。また、二次下請け企業62の従業員あるいは二次下請け企業62の個人事業主が実際に荷物を配送する動作を説明する部分では、配送者62と記載する。
【0015】
図1図3に示すように、本実施形態の配送システムA1は、内部サーバ1、外部サーバ2および携帯端末3を備える。なお、図2および図3においては、配送システムA1を構成する機器装置である内部サーバ1、外部サーバ2および携帯端末3の位置づけを示す直線を実線で示し、その余の配送システムA1の動作を担う企業体、会社等の位置づけを示す直線を点線で示している。
【0016】
内部サーバ1および外部サーバ2は、本発明における配送事業体サーバを構成している。本発明の配送事業体サーバの具体的な構成は何ら限定されない。単一のサーバによって構成されてもよいし、配送事業体6内に設置されたサーバ機器、クラウド上に構築されたサーバシステム等、これらのいずれかあるいは適宜組み合わされた構成であってもよい。以降の説明においては、配送事業体サーバが、内部サーバ1および外部サーバ2によって構成されている場合を例に説明する。
【0017】
内部サーバ1は、元請け企業60内に設置されたサーバ機器によって構成されている。内部サーバ1は、たとえば制御部11、表示部12、操作部13、記憶部14、通信部15および電源部16を有する。制御部11は、たとえばCPUである。表示部12は、たとえば液晶ディスプレイである。操作部13は、たとえばキーボードである。記憶部14は、たとえば半導体メモリあるいはハードディスク等である。通信部15は、所定のプロトコルに準拠した双方向通信を行うものであり、図示された例においては、有線通信を行う。電源部16は、内部サーバ1内の各部に動作電力を供給するものである。
【0018】
外部サーバ2は、元請け企業60外のサーバシステム会社に設置されたサーバ機器、あるいはクラウド上に構築されたサーバシステムである。外部サーバ2は、たとえば制御部21、表示部22、操作部23、記憶部24、通信部25および電源部26を有する。制御部21、表示部22、操作部23、記憶部24、通信部25および電源部26の構成は、たとえば制御部11、表示部12、操作部13、記憶部14、通信部15および電源部16と同様である。なお、外部サーバ2の具体的態様によっては、いずれかの構成要素を有さない構成であってもよい。
【0019】
携帯端末3は、配送者62が携帯する端末であり、具体的には、スマートフォン、タブレット端末等である。携帯端末3は、制御部31、表示部32、操作部33、記憶部34、通信部35および電源部36を有する。制御部31は、たとえばCPUである。表示部32は、たとえば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。操作部33は、たとえば、表示部32とともにタッチディスプレイとして構成されている。記憶部34は、たとえば半導体メモリである。通信部35は、所定のプロトコルに準拠した双方向の無線通信を行うものである。電源部36は、携帯端末3内の各部に動作電力を供給するものである。撮像部37は、受光素子を有し、光電変換機能により撮影対象物の画像データを生成する。
【0020】
次に、配送システムA1の動作について、図2図4を参照しつつ以下に説明する。
【0021】
まず、配送依頼者5が配送事業体6に配送案件を依頼し、配送依頼者5から配送事業体6に配送案件情報D1が送られる(ステップS01)。配送案件情報D1は、配送する荷物の情報、配送先となる受取人7の情報、等を含み、さらに配送代金に関わる情報を含んでもよい。配送案件情報D1を送る手法は限定されず、メール等の電子的手段のほか、電話による口頭連絡、FAX、郵便等の種々の手法を自在に採用できる。配送事業体6では、元請け企業60が配送依頼者5から配送案件を受注する窓口を務めている(ステップS02)。元請け企業60の担当者は、配送案件情報D1を内部サーバ1に入力する(ステップS03)。この入力により、制御部11が配送案件情報D1を記憶部14に記憶させる。元請け企業60は、当該配送案件を遂行する配送体制を決定する(ステップS04)。元請け企業60は、配送案件を担う一次下請け企業61に配送案件を依頼し、配送案件情報D1を送信する(ステップS05)。
【0022】
一次下請け企業61は、配送案件を受注すると(ステップS06)、当該配送案件を遂行する配送体制を決定する(ステップS07)。一次下請け企業61は、配送案件を担う二次下請け企業62に配送案件を依頼し、配送案件情報D1を送信する(ステップS08)。
【0023】
二次下請け企業62は、配送案件を受注すると(ステップS09)、配送者を決定する(ステップS10)。本例では、二次下請け企業62の個人事業主が、配送者62を務める。配送者62は、元請け企業60に配送を担う者が配送者62であることを連絡する(ステップS11)。この際、配送者62は、配送者識別情報D2を元請け企業60に送る。配送者識別情報D2は、元請け企業60と配送者62との間で、この後に説明する情報の送受を直接行うことを可能とする情報である。配送者識別情報D2は、何ら限定されず、携帯電話番号、Eメールアドレスや、IM(インスタントメッセンジャー)およびSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のID等を適宜選択可能である。以降の説明においては、配送者識別情報D2が携帯電話番号を含む場合を例に説明する。配送者識別情報D2を送る手段は、配送案件情報D1を送る手段と同様、特に限定されない。
【0024】
配送者識別情報D2を受けた元請け企業60は、配送者識別情報D2の内容を確認し、(ステップS12)、内部サーバ1および外部サーバ2の少なくともいずれかまたは双方に、配送者識別情報D2を入力する(ステップS13)。次に、元請け企業60は、配送者62に受領書情報の送付を依頼する旨の連絡を行う(ステップS14)。この連絡では、元請け企業60が、内部サーバ1および外部サーバ2のいずれかに送付依頼指令を操作入力することにより、この指令をうけた内部サーバ1および外部サーバ2のいずれかが、配送者識別情報D2を用いて送信依頼メールD3を送信する(ステップS15)。
【0025】
送信依頼メールD3は、本発明の送信依頼連絡の一例である。送信依頼メールD3は、たとえば配送者識別情報D2に含まれる携帯電話番号を送信先とするショートメールが好ましい。ショートメールは、SMS(ショートメッセージサービス)によって送受信されるテキスト情報のメールである。本発明の送信依頼連絡の他の例としては、Eメール、IM(インスタントメッセンジャー)によるメッセージ、あるいはSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)によるデータ送信、等が挙げられる。
【0026】
送信された送信依頼メールD3は、配送者62が携帯する携帯端末3によって受信される(ステップS16)。配送者62は、ステップS08,S09で得られた配送案件情報D1に基づいて、配送業務を遂行する(ステップS17)。配送者62が荷物を受取人7に配送すると、受取人7は、受け取った荷物を確認する(ステップS18)。そして、配送者62から提示された受領書に受領確認のサインを行う(ステップS19)。受領確認のサインの具体的な手法は何ら限定されず、自筆でもよいし、捺印でもよい。図4に示す例においては、受領書Rcの「受領確認」欄に捺印が施されている。この確認済みの受領書を配送者62が受け取る(ステップS20)。
【0027】
配送者62は、携帯端末3を操作して、受領書情報送信画面を表示させる(ステップS21)。受領書情報送信画面を表示させた状態は、本発明における受領書情報送信状態の一例である。送信依頼メールD3には、携帯端末3を受領書情報送信状態に設定する情報が含まれている。この情報としては、たとえばURLまたは短縮URLが挙げられる。たとえば携帯端末3の表示部32に送信依頼メールD3を表示させ、所定のURLを配送者62がタッチ(操作部33の操作に相当)すると、通信部35が外部サーバ2と通信する。外部サーバ2内では、前記URLに対応して、携帯端末3等の端末機器に表示させる受領書情報送信画面が構築されており、たとえばWebアプリとして構成されている。図4は、携帯端末3の表示部32に受領書情報送信画面を表示させた状態の一例である。
【0028】
配送者62は、受領書情報送信画面のガイダンス等にしたがい、受領確認がされた受領書Rcを撮像部37によって撮影する(ステップS22)。携帯端末3の制御部31は、Webアプリとしての受領書情報送信画面の仕様にしたがい、受領書情報を作成する(ステップS23)。受領書情報には、図4に示す受領書Rcの撮影によって得られた受領書画像Irが画像データとして含まれる。この画像データは、受領書画像Irの形状等をそのまま表すものであり、バーコード情報の取り込みやオーサリング処理等のデータ変換処理によって得られるデータとは異なる。ただし、この後の送信負荷や保存容量負荷の低減を目的として、ステップS23以降のいずれかのタイミングで、画素数の削減等の低サイズ化処理を施してもよい。
【0029】
たとえば図4に示す送信アイコンに配送者62がタッチすると、携帯端末3から外部サーバ2に受領書情報D4が送信される(ステップS24)。外部サーバ2では、受領書情報D4を受信すると(ステップS25)、制御部31が受領書情報D4の情報を記憶部34に記憶させる。そして、外部サーバ2は、たとえば元請け企業60に受領書情報D4を受信した旨を報知する(ステップS26)。この報知は、たとえば元請け企業60の担当者宛にEメールを送信してもよいし、当該担当者のパソコン画面に報知メッセージを表示させてもよい。報知を受けた元請け企業60の担当者は(ステップS27)、外部サーバ2に保存された受領書情報D4を確認する(ステップS28)。適正な配送がなされ、適正な受領確認が得られたことを確認すると、当該担当者は、受領書情報D4の登録を行う(ステップS29)。たとえば当該担当者の登録指令により、外部サーバ2の制御部21が、記憶部24に記憶された受領書情報D4を通信部25から内部サーバ1に転送する(ステップS30)。受領書情報D4を受信した内部サーバ1では、制御部11が受領書情報D4を記憶部14に記憶させる。これにより、ステップS03で記憶部14に記憶された配送案件情報D1と受領書情報D4との対応付けがなされ、当該配送案件の配送業務が完了した状態となる。
【0030】
この後は、元請け企業60が、請求処理を行う(ステップS31)。元請け企業60から請求書が配送依頼者5に送られる。配送依頼者5は、受け取った請求書に基づいて支払い処理を行う(ステップS32)。ステップS31において請求書を送る手法は限定されず、Eメール等の電子的手段のほか、電話による口頭連絡、FAX、郵便等の種々の手法を自在に採用できる。ただし、ステップS32を速やかに実行する観点から、Eメール等の電子的手段やFAX等が好ましい。
【0031】
次に、配送システムA1の作用について説明する。
【0032】
本実施形態によれば、配送案件を依頼された配送事業体6において、実際に荷物を配送する配送者62の配送者識別情報D2が、配送事業体サーバ(内部サーバ1および外部サーバ2のいずれか、または双方)に登録される(ステップS11~13)。配送事業体サーバからは、配送者62の携帯端末3に送信依頼メールD3が直接送信される(ステップS15)。そして、配送者62が配送を完了し、受取人7から受領確認を受けると、受領書Rcを撮影した受領書画像Irを含む受領書情報D4が、配送者62の携帯端末3から外部サーバ2に直接送信される。このため、配送事業体サーバ(内部サーバ1、外部サーバ2)と配送者62の携帯端末3との間で、受領確認を遠隔で且つ迅速に完了することができる。受領書画像Irは、受領書Rcを撮影したそのままの画像データを適用可能であるため、受領書Rcに特定のバーコードを付する等の特別な方策が不要であり、様々なフォーマットの受領書を自在に扱うことが可能である。これにより、配送事業体6を単独の企業で構成することに囚われず、様々な企業、会社および個人によって、多種多様な配送事業体6の形態を構築することが可能となる。また、受取人7による受領書サイン(ステップS19)が完了した後に、受領書情報D4が送信されると(ステップS25)、ステップS31の請求処理を遅滞なく実行可能である。したがって、配送システムA1によれば、配送事業体の自由度を高めつつ、配送案件を効率的に管理することができる。
【0033】
携帯端末3の具体例としてのスマートフォンやタブレット端末には、携帯電話通信網を利用するための携帯電話番号が付与されていることが一般的である。この携帯電話番号を配送者識別情報D2として用いることにより、配送者62が属する組織(二次下請け企業62やそれ以外の事業体)に関わらず、配送者識別情報D2を画一的に決定することができる。これは、配送事業体6の形態の自由度をより高めるのに好ましい。
【0034】
図3および図4に示すように、撮像部37による受領書Rcの撮影は、受領書情報送信画面(Webアプリ)が表示された携帯端末3(受領書情報送信状態にある携帯端末3)によって行われる。受領書情報送信画面の表示は、送信依頼メールD3に含まれるURL等のタッチ等によって配送者62が容易に実行可能である。したがって、受取人7への荷物の受け渡しにおいて、受領書Rcの受領(ステップS20)から受領書情報D4の送信(ステップS24)までの操作を、配送者62がシームレス且つ迅速に行うことができる。これは、たとえば元請け企業60には属さない多様な配送者62が配送を行う場合に、個々の配送者62がスムーズに受領確認処理を完了可能であるという利点がある。
【0035】
本発明に係る配送システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る配送システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0036】
1 :内部サーバ
2 :外部サーバ
3 :携帯端末
5 :配送依頼者
6 :配送事業体
7 :受取人
37 :撮像部
60 :元請け企業
61 :一次下請け企業
62 :二次下請け企業(配送者)
A1 :配送システム
D1 :配送案件情報
D2 :配送者識別情報
D3 :送信依頼メール
D4 :受領書情報
Ir :受領書画像
Rc :受領書
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-01-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送依頼者および配送物の情報を含む配送案件情報、前記配送物を配送する配送者を識別する配送者識別情報、および前記配送物を受領した受取人の受け取り確認情報を含む受領書情報、が入力される配送事業体サーバと、
前記配送者が携帯し且つ前記受領書情報を送信する携帯端末と、を備える配送システムであって、
前記配送者識別情報は、携帯電話番号であり、
前記配送依頼者から配送事業体への配送案件依頼に対応した前記配送案件情報が、前記配送事業体サーバに入力され、且つ
前記配送案件の前記配送物を配送する前記配送者の前記配送者識別情報が、前記配送事業体サーバに入力されると、
前記配送事業体サーバから前記携帯端末に、前記配送者識別情報を用いて送信依頼連絡が送信され、
前記送信依頼連絡は、前記受領書情報を送信する受領書情報送信状態に、前記携帯端末を設定する情報としてのURLまたは短縮URLが含まれた、ショートメールまたはEメールであり、
前記送信依頼連絡に含まれる前記URLまたは前記短縮URLにアクセスする操作を前記配送者が行うことにより、前記携帯端末には前記配送案件情報に紐付けられた受領書情報送信画面が表示され、
受領書情報送信画面が表示された後、前記配送者が、前記受領書情報送信状態にある前記携帯端末に備えられた撮像部によって、前記受取人による受け取り確認が完了した受領書の全体を撮影すること、および送信操作を行うこと、のみによって、当該受領書の全体の画像データを含む前記受領書情報が、前記受領書情報送信状態にある前記携帯端末から前記配送事業体サーバに送信される、配送システム。