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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177492
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】情報処理方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20221124BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20221124BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20221124BHJP
【FI】
G06T19/00 600
G06F3/01 510
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083779
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】泉 裕子
(72)【発明者】
【氏名】小西 一暢
(72)【発明者】
【氏名】浦部 弘章
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA09
5B050DA01
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA19
5B050FA02
5E555AA13
5E555AA27
5E555AA71
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC04
5E555BC17
5E555BE08
5E555BE17
5E555CA42
5E555CB66
5E555CC01
5E555DB32
5E555DB53
5E555DC21
5E555DC84
5E555EA22
5E555FA00
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】ユーザの身体的特徴に応じた設備モジュールを仮想的に提示することができる技術を提供する。
【解決手段】サーバ1は、ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される第1センシングデータに基づく身体的特徴を取得し、住宅設備、家電機器及び家具の少なくとも1つを含む設備モジュールに関するモジュールデータを取得し、設備モジュールを配置する空間の寸法と、空間における設備モジュールの配置位置とを示す空間情報を取得し、身体的特徴とモジュールデータと空間情報とに基づいて、空間に配置する第1設備モジュールを決定し、決定した第1設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトを生成し、第1モジュールオブジェクトを提示装置2に仮想的に提示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される第1センシングデータに基づく身体的特徴を取得し、
住宅設備、家電機器及び家具の少なくとも1つを含む設備モジュールに関するモジュールデータを取得し、
前記設備モジュールを配置する空間の寸法と、前記空間における前記設備モジュールの配置位置とを示す空間情報を取得し、
前記身体的特徴と前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記空間に配置する第1設備モジュールを決定し、
決定した前記第1設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトを生成し、
前記第1モジュールオブジェクトを提示装置に仮想的に提示させる、
情報処理方法。
【請求項2】
さらに、提示された前記第1モジュールオブジェクトに対する前記ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される第2センシングデータを取得し、
さらに、前記第2センシングデータから検出される動作又は姿勢に基づき前記身体的特徴を補正し、
前記第1設備モジュールの決定において、補正した前記身体的特徴と前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記第1設備モジュールを決定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
さらに、前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記空間に配置する第2設備モジュールを決定し、
さらに、決定した前記第2設備モジュールを仮想的に提示するための第2モジュールオブジェクトを生成し、
さらに、前記第2モジュールオブジェクトを前記提示装置に提示させ、
さらに、前記第2モジュールオブジェクトに対する前記ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される前記第1センシングデータを取得する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
さらに、決定した前記第2設備モジュールの形状と、前記身体的特徴とを比較し、
さらに、比較結果を前記ユーザに通知するための通知情報を生成し、
さらに、前記通知情報を前記提示装置に提示させる、
請求項3記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記第1モジュールオブジェクトの提示において、前記第1モジュールオブジェクトを拡張現実又は複合現実として提示させる、
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記設備モジュールには、金額、納品日数、ゴミ排出量及び前記空間への搬入方法が予め対応付けられており、
前記金額、前記納品日数、前記ゴミ排出量及び前記搬入方法のうちの前記ユーザが優先する優先事項が予め設定されており、
前記第1設備モジュールの決定において、前記身体的特徴と前記モジュールデータと前記空間情報と前記優先事項とに基づいて、前記第1設備モジュールを決定する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
さらに、前記ユーザの年齢を取得し、
さらに、所定年数経過後の経年変化した前記身体的特徴を予測し、
前記第1設備モジュールの決定において、予測した前記身体的特徴と前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記第1設備モジュールを決定する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記身体的特徴の取得において、前記空間を利用する複数のユーザの前記身体的特徴を取得し、複数の身体的特徴の論理積を算出し、
前記第1設備モジュールの決定において、算出した前記複数の身体的特徴の前記論理積と前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記第1設備モジュールを決定する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記身体的特徴の取得において、前記空間を利用する複数のユーザの前記身体的特徴を取得し、複数の身体的特徴の論理和を算出し、
前記第1設備モジュールの決定において、算出した前記複数の身体的特徴の前記論理和と前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記第1設備モジュールを決定する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される第1センシングデータに基づく身体的特徴を取得する第1取得部と、
住宅設備、家電機器及び家具の少なくとも1つを含む設備モジュールに関するモジュールデータを取得する第2取得部と、
前記設備モジュールを配置する空間の寸法と、前記空間における前記設備モジュールの配置位置とを示す空間情報を取得する第3取得部と、
前記身体的特徴と前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記空間に配置する第1設備モジュールを決定する決定部と、
決定した前記第1設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトを生成する生成部と、
前記第1モジュールオブジェクトを提示装置に仮想的に提示させる提示部と、
を備える情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空間内に配置される設備モジュールを仮想的に提示させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、実空間のセンシングに基づいて生成される仮想空間内に配置されるオブジェクトを適切に決定することが可能な情報処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献1の情報処理装置は、第1のユーザに関連し少なくとも1つの第1の実オブジェクトを含む第1の実空間のセンシング結果と、第2のユーザに関連し少なくとも1つの第2の実オブジェクトを含む第2の実空間のセンシング結果とに基づいて第1のユーザと第2のユーザの間のコミュニケーションのために生成される仮想空間内に配置される共有オブジェクトを、所定の基準に基づいて決定する決定部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/092384号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、ユーザの身体的特徴に応じた設備モジュールを仮想的に提示することが困難であり、更なる改善が必要とされていた。
【0006】
本開示は、上記の問題を解決するためになされたもので、ユーザの身体的特徴に応じた設備モジュールを仮想的に提示することができる技術を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る情報処理方法は、コンピュータが、ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される第1センシングデータに基づく身体的特徴を取得し、住宅設備、家電機器及び家具の少なくとも1つを含む設備モジュールに関するモジュールデータを取得し、前記設備モジュールを配置する空間の寸法と、前記空間における前記設備モジュールの配置位置とを示す空間情報を取得し、前記身体的特徴と前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記空間に配置する第1設備モジュールを決定し、決定した前記第1設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトを生成し、前記第1モジュールオブジェクトを提示装置に仮想的に提示させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザの身体的特徴に応じた設備モジュールを仮想的に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態1における画像提示システムの構成の一例を示す図である。
図2】本開示の実施の形態1におけるサーバの構成の一例を示す図である。
図3】本開示の実施の形態1における提示装置の構成の一例を示す図である。
図4】本開示の実施の形態1におけるサーバによる身体的特徴抽出処理について説明するためのフローチャートである。
図5】包丁で食べ物を切る動作に対応する身体的特徴について説明するための模式図である。
図6】フライパンで調理する動作に対応する身体的特徴について説明するための模式図である。
図7】高所に手を伸ばす動作に対応する身体的特徴について説明するための模式図である。
図8】本開示の実施の形態1におけるサーバによるオブジェクト提示処理について説明するための第1のフローチャートである。
図9】本開示の実施の形態1におけるサーバによるオブジェクト提示処理について説明するための第2のフローチャートである。
図10】本実施の形態1において、提示装置に表示される第1モジュールオブジェクトの一例を示す図である。
図11】本実施の形態1において、補正された身体的特徴に基づいて提示装置に表示される第1モジュールオブジェクトの一例を示す図である。
図12】本開示の実施の形態2におけるサーバの構成の一例を示す図である。
図13】本開示の実施の形態2におけるサーバによるオブジェクト提示処理について説明するための第1のフローチャートである。
図14】本開示の実施の形態2におけるサーバによるオブジェクト提示処理について説明するための第2のフローチャートである。
図15】本開示の実施の形態2におけるサーバによるオブジェクト提示処理について説明するための第3のフローチャートである。
図16】本実施の形態2において、提示装置に表示される第2モジュールオブジェクトを見ながらユーザによって行われる所定の動作の一例を示す図である。
図17】本実施の形態2において、提示装置に表示される第1モジュールオブジェクトの一例を示す図である。
図18】本実施の形態2の変形例において、提示装置に表示される第2モジュールオブジェクト及び通知情報の一例を示す図である。
図19】本実施の形態2の変形例において、提示装置に表示される第1モジュールオブジェクト及び通知情報の一例を示す図である。
図20】本実施の形態1,2の変形例1において、標準モジュールDBに記憶されるモジュールデータの一例を示す図である。
図21】本実施の形態1,2の変形例2において、提示装置に表示される第1モジュールオブジェクトの一例を示す図である。
図22】本実施の形態1,2の変形例3において、提示装置に表示される第1モジュールオブジェクトの一例を示す図である。
図23】本実施の形態1,2の変形例4において、提示装置に表示される第1モジュールオブジェクトの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
従来の情報処理装置は、第1の実空間の入力部から受信されるストリームに含まれる第1の実オブジェクトの3Dデータと、第2の実空間の入力部から受信されるストリームに含まれる第2の実オブジェクトの3Dデータとを、共有オブジェクトとして共有空間内にそれぞれ配置することにより、共有空間を生成し、生成した共有空間に基づいて自由視点のコンテンツを生成し、当該コンテンツを各実空間の出力部へそれぞれ送信している。
【0011】
上記のように、従来の情報処理装置では、第1の実空間及び第2の実空間に存在する第1の実オブジェクトに対応する第1の仮想オブジェクト及び第2の実オブジェクトに対応する第2の仮想オブジェクトが第1の実空間及び第2の実空間それぞれの出力部に提示されることが開示されているが、ユーザの身体的特徴に応じたオブジェクトが提示されることについては開示されていない。
【0012】
例えば、ユーザが家を新築又は改修する場合、ユーザは新築された家又は改修された家に実際には住んでいないため、事前に新たな住宅設備などの使用感を確認することができない。従来技術では、ユーザの身体的特徴に応じたオブジェクトが提示されることについては開示されていないため、ユーザの身体的特徴に応じた設備モジュールを仮想的に提示することが困難であった。
【0013】
以上の課題を解決するために、本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される第1センシングデータに基づく身体的特徴を取得し、住宅設備、家電機器及び家具の少なくとも1つを含む設備モジュールに関するモジュールデータを取得し、前記設備モジュールを配置する空間の寸法と、前記空間における前記設備モジュールの配置位置とを示す空間情報を取得し、前記身体的特徴と前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記空間に配置する第1設備モジュールを決定し、決定した前記第1設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトを生成し、前記第1モジュールオブジェクトを提示装置に仮想的に提示させる。
【0014】
この構成によれば、ユーザの身体的特徴に応じた第1設備モジュールが決定され、決定された第1設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトが提示装置に提示される。したがって、ユーザの身体的特徴に応じた設備モジュールを仮想的に提示することができる。また、ユーザは、実際に設備モジュールが空間内に配置される前に、仮想的に提示された設備モジュールの使用感を確認することができる。
【0015】
また、上記の情報処理方法において、さらに、提示された前記第1モジュールオブジェクトに対する前記ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される第2センシングデータを取得し、さらに、前記第2センシングデータから検出される動作又は姿勢に基づき前記身体的特徴を補正し、前記第1設備モジュールの決定において、補正した前記身体的特徴と前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記第1設備モジュールを決定してもよい。
【0016】
この構成によれば、仮想的に提示された第1モジュールオブジェクトを利用しているユーザの動作又は姿勢に基づき身体的特徴が補正され、補正された身体的特徴に応じて第1設備モジュールが決定されるので、ユーザの身体的特徴により適した設備モジュールを仮想的に提示することができる。
【0017】
また、上記の情報処理方法において、さらに、前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記空間に配置する第2設備モジュールを決定し、さらに、決定した前記第2設備モジュールを仮想的に提示するための第2モジュールオブジェクトを生成し、さらに、前記第2モジュールオブジェクトを前記提示装置に提示させ、さらに、前記第2モジュールオブジェクトに対する前記ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される前記第1センシングデータを取得してもよい。
【0018】
この構成によれば、まず、モジュールデータと空間情報とに基づいて、空間に配置する第2設備モジュールが決定され、決定された第2設備モジュールを仮想的に提示するための第2モジュールオブジェクトが提示装置に提示される。この第2設備モジュールは、ユーザの身体的特徴を考慮したものではない。続いて、第2モジュールオブジェクトに対するユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される第1センシングデータが取得され、第1センシングデータに基づく身体的特徴が取得される。身体的特徴に応じた第1設備モジュールが決定され、決定された第1設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトが提示装置に提示される。この第1設備モジュールは、ユーザの身体的特徴を考慮したものである。
【0019】
したがって、ユーザの身体的特徴を考慮していない第2設備モジュールを表す第2モジュールオブジェクトが仮想的に提示され、第2モジュールオブジェクトを利用しているユーザの動作又は姿勢に基づき身体的特徴が取得され、ユーザの身体的特徴に応じた第1設備モジュールを表す第1モジュールオブジェクトが仮想的に提示される。これにより、ユーザの身体的特徴に適した設備モジュールを仮想的に提示することができる。
【0020】
また、上記の情報処理方法において、さらに、決定した前記第2設備モジュールの形状と、前記身体的特徴とを比較し、さらに、比較結果を前記ユーザに通知するための通知情報を生成し、さらに、前記通知情報を前記提示装置に提示させてもよい。
【0021】
この構成によれば、第2設備モジュールの形状と身体的特徴との比較結果がユーザに通知されるので、第2設備モジュールの形状がユーザの身体的特徴に適しているか否かをユーザに通知することができる。
【0022】
また、上記の情報処理方法において、前記第1モジュールオブジェクトの提示において、前記第1モジュールオブジェクトを拡張現実又は複合現実として提示させてもよい。
【0023】
この構成によれば、実在する空間内に第1モジュールオブジェクトを拡張現実又は複合現実として提示することができる。
【0024】
また、上記の情報処理方法において、前記設備モジュールには、金額、納品日数、ゴミ排出量及び前記空間への搬入方法が予め対応付けられており、前記金額、前記納品日数、前記ゴミ排出量及び前記搬入方法のうちの前記ユーザが優先する優先事項が予め設定されており、前記第1設備モジュールの決定において、前記身体的特徴と前記モジュールデータと前記空間情報と前記優先事項とに基づいて、前記第1設備モジュールを決定してもよい。
【0025】
この構成によれば、金額、納品日数、ゴミ排出量及び搬入方法のうちのユーザが優先する優先事項を考慮して第1設備モジュールが決定されるので、ユーザの優先事項に合った第1設備モジュールを提示することができる。
【0026】
また、上記の情報処理方法において、さらに、前記ユーザの年齢を取得し、さらに、所定年数経過後の経年変化した前記身体的特徴を予測し、前記第1設備モジュールの決定において、予測した前記身体的特徴と前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記第1設備モジュールを決定してもよい。
【0027】
この構成によれば、所定年数経過後の経年変化した身体的特徴が予測され、予測された身体的特徴に応じて第1設備モジュールが決定されるので、ユーザの将来の身体的特徴に応じた設備モジュールを提示することができる。
【0028】
また、上記の情報処理方法において、前記身体的特徴の取得において、前記空間を利用する複数のユーザの前記身体的特徴を取得し、複数の身体的特徴の論理積を算出し、前記第1設備モジュールの決定において、算出した前記複数の身体的特徴の前記論理積と前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記第1設備モジュールを決定してもよい。
【0029】
この構成によれば、空間を利用する複数のユーザのそれぞれの身体的特徴の論理積に応じた第1設備モジュールが決定されるので、複数のユーザの身体的特徴の重複する部分に応じた設備モジュールを提示することができる。
【0030】
また、上記の情報処理方法において、前記身体的特徴の取得において、前記空間を利用する複数のユーザの前記身体的特徴を取得し、複数の身体的特徴の論理和を算出し、前記第1設備モジュールの決定において、算出した前記複数の身体的特徴の前記論理和と前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記第1設備モジュールを決定してもよい。
【0031】
この構成によれば、空間を利用する複数のユーザのそれぞれの身体的特徴の論理和に応じた第1設備モジュールが決定されるので、複数のユーザの身体的特徴の全体範囲に応じた設備モジュールを提示することができる。
【0032】
また、本開示は、以上のような特徴的な処理を実行する情報処理方法として実現することができるだけでなく、情報処理方法が実行する特徴的な方法に対応する特徴的な構成を備える情報処理システムなどとして実現することもできる。したがって、以下の他の態様でも、上記の情報処理方法と同様の効果を奏することができる。
【0033】
本開示の他の態様に係る情報処理システムは、ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される第1センシングデータに基づく身体的特徴を取得する第1取得部と、住宅設備、家電機器及び家具の少なくとも1つを含む設備モジュールに関するモジュールデータを取得する第2取得部と、前記設備モジュールを配置する空間の寸法と、前記空間における前記設備モジュールの配置位置とを示す空間情報を取得する第3取得部と、前記身体的特徴と前記モジュールデータと前記空間情報とに基づいて、前記空間に配置する第1設備モジュールを決定する決定部と、決定した前記第1設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトを生成する生成部と、前記第1モジュールオブジェクトを提示装置に仮想的に提示させる提示部と、を備える。
【0034】
以下添付図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1における画像提示システムの構成の一例を示す図である。図1に示す画像提示システムは、サーバ1、提示装置2及びカメラ3を備える。
【0036】
サーバ1は、ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される第1センシングデータに基づく身体的特徴を取得し、住宅設備、家電機器及び家具の少なくとも1つを含む設備モジュールに関するモジュールデータを取得し、設備モジュールを配置する空間の寸法と、空間における設備モジュールの配置位置とを示す空間情報を取得し、身体的特徴とモジュールデータと空間情報とに基づいて、空間に配置する第1設備モジュールを決定し、決定した第1設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトを生成し、第1モジュールオブジェクトを提示装置2に仮想的に提示させる。サーバ1は、情報処理システムの一例である。
【0037】
サーバ1は、提示装置2及びカメラ3のそれぞれとネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク4は、例えばインターネットである。なお、サーバ1の構成については、図2を用いて説明する。
【0038】
提示装置2は、例えば、MR(Mixed Reality)デバイスであり、設備モジュール(第1設備モジュール)を表した第1モジュールオブジェクトを仮想的に提示する。MRデバイスは、例えば、ユーザの頭部に装着される光学透過型のヘッドマウントディスプレイである。なお、MRデバイスは、ビデオ透過型のヘッドマウントディスプレイであってもよい。提示装置2の構成については、図3を用いて説明する。
【0039】
なお、提示装置2は、ディスプレイを有する表示機器であれば良く、例えば、AR(Augmented Reality)デバイス、スマートフォン、又はタブレット型コンピュータであってもよい。
【0040】
カメラ3は、ユーザがいる空間(部屋)を俯瞰する位置に配置され、ユーザの動作又は姿勢を撮像する。カメラ3は、ユーザの動作又は姿勢をセンシングして第1センシングデータを取得する。また、カメラ3は、提示された第1モジュールオブジェクトに対するユーザの動作又は姿勢をセンシングして第2センシングデータを取得する。第1センシングデータ及び第2センシングデータは、ユーザの動作又は姿勢を撮像することによって得られた動画像データである。カメラ3は、ユーザの動作又は姿勢を撮像することによって得られた動画像データをサーバ1へ送信する。
【0041】
なお、カメラ3は、スマートフォン又はタブレット型コンピュータなどのカメラ付きの端末であってもよい。
【0042】
図2は、本開示の実施の形態1におけるサーバ1の構成の一例を示す図である。
【0043】
図2に示すサーバ1は、プロセッサ11、メモリ12及び通信部13を備える。
【0044】
プロセッサ11は、例えば、CPU(中央演算処理装置)である。プロセッサ11により、動作検出部101、身体的特徴抽出部102、最適モジュール決定部103、オブジェクト生成部104及び価格情報生成部105が実現される。
【0045】
メモリ12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の各種情報を記憶可能な記憶装置である。メモリ12により、身体的特徴DB(データベース)121、標準モジュールDB122、建築情報記憶部123及びモジュール価格DB124が実現される。
【0046】
通信部13は、カメラ3によって送信された動画像データを受信する。動画像データは、ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される第1センシングデータである。また、動画像データは、提示された第1モジュールオブジェクトに対するユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される第2センシングデータである。
【0047】
すなわち、通信部13は、ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される動画像データ(第1センシングデータ)を取得する。また、通信部13は、提示された第1モジュールオブジェクトに対するユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される動画像データ(第2センシングデータ)を取得する。
【0048】
動作検出部101は、通信部13によって受信された動画像データからユーザによって行われた所定の動作を検出する。所定の動作は、例えば、家事に関する動作である。所定の動作は、例えば、ユーザが包丁で食べ物を切る動作、ユーザがフライパンで調理する動作、ユーザが鍋を覗く動作、ユーザが高所に手を伸ばす動作、及びユーザがしゃがむ動作を含む。動作検出部101は、画像認識処理により、ユーザが複数の動作のうちのいずれの動作を行っているかを検出する。
【0049】
なお、本実施の形態1では、動作検出部101は、カメラ3によって得られた動画像データからユーザの動作を検出しているが、本開示は特にこれに限定されず、ユーザに装着されたセンサによって得られたセンシングデータからユーザの動作を検出してもよい。ユーザに装着されるセンサは、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ及び地磁気センサである。
【0050】
身体的特徴抽出部102は、通信部13によって取得された動画像データからユーザの骨格を示す骨格データを抽出する。骨格データは、ユーザの関節等を示す複数の特徴点の座標と、各特徴点を繋ぐ直線とで表される。身体的特徴抽出部102は、2次元画像データから人の特徴点の座標を検出するソフトウエア(例えば、OpenPose又は3D-pose-baseline)を利用してもよい。
【0051】
ここで、2次元画像データから骨格データを抽出する処理について説明する。
【0052】
身体的特徴抽出部102は、所定の動作を行っているユーザの画像を含む2次元画像データから骨格データを抽出する。骨格データは、頭を示す特徴点、両肩の中央を示す特徴点、右肩を示す特徴点、右肘を示す特徴点、右手を示す特徴点、左肩を示す特徴点、左肘を示す特徴点、左手を示す特徴点、腰を示す特徴点、右股関節を示す特徴点、右膝関節を示す特徴点、右足首関節を示す特徴点、右つま先を示す特徴点、左股関節を示す特徴点、左膝関節を示す特徴点、左足首関節を示す特徴点、及び左つま先を示す特徴点を含む。
【0053】
動画像データは、複数の2次元画像データで構成される。身体的特徴抽出部102は、動画像データを構成する複数の2次元画像データのそれぞれから時系列の骨格データを抽出する。なお、身体的特徴抽出部102は、全フレームの2次元画像データから骨格データを抽出してもよいし、所定フレーム毎の2次元画像データから骨格データを抽出してもよい。
【0054】
身体的特徴抽出部102は、動作検出部101によって検出された所定の動作に対応するユーザの身体的特徴を抽出する。検出された動作が、ユーザが包丁で食べ物を切る動作である場合、身体的特徴抽出部102は、肘の関節角度及び包丁を持つ手の特徴点から床までの距離を身体的特徴として抽出する。また、検出された動作が、ユーザがフライパンで調理する動作である場合、身体的特徴抽出部102は、肘の関節角度及び肘の特徴点とフライパンを持つ手の特徴点とを繋ぐ直線の中点から床までの距離を身体的特徴として抽出する。また、検出された動作が、ユーザが鍋を覗く動作である場合、身体的特徴抽出部102は、腰を曲げる角度を身体的特徴として抽出する。また、検出された動作が、ユーザが高所に手を伸ばす動作である場合、身体的特徴抽出部102は、高所に伸ばした方の腕の肩関節角度及び高所に伸ばした手の特徴点から床までの距離を身体的特徴として抽出する。また、検出された動作が、ユーザがしゃがむ動作である場合、身体的特徴抽出部102は、頭の特徴点から床までの距離を身体的特徴として抽出する。
【0055】
身体的特徴抽出部102は、動作検出部101によって検出された所定の動作と、抽出した身体的特徴とを対応付けて身体的特徴DB121に記憶する。
【0056】
身体的特徴DB121は、動作検出部101によって検出された所定の動作と、身体的特徴抽出部102によって抽出された身体的特徴とを対応付けて記憶している。身体的特徴DB121は、ユーザが包丁で食べ物を切る動作と、肘の関節角度及び床から包丁を持つ手の特徴点までの距離とを対応付けている。また、身体的特徴DB121は、ユーザがフライパンで調理する動作と、肘の関節角度及び床からフライパンを持つ手の特徴点までの距離とを対応付けている。また、身体的特徴DB121は、ユーザが鍋を覗く動作と、腰を曲げる角度とを対応付けている。また、身体的特徴DB121は、ユーザが高所に手を伸ばす動作と、高所に伸ばした方の腕の肩関節角度及び床から高所に伸ばした手の特徴点までの距離とを対応付けている。また、身体的特徴DB121は、ユーザがしゃがむ動作と、床から頭の特徴点までの距離とを対応付けている。
【0057】
また、身体的特徴抽出部102は、動画像データ(第2センシングデータ)から検出される動作又は姿勢に基づき身体的特徴を補正する。
【0058】
なお、身体的特徴抽出部102は、ユーザの動作を撮像することにより得られた動画像データを、機械学習により生成された識別モデルに入力することにより、識別モデルから出力される身体的特徴を取得してもよい。
【0059】
標準モジュールDB122は、住宅設備、家電機器及び家具の少なくとも1つを含む設備モジュールに関するモジュールデータを予め記憶する。標準モジュールDB122は、種々の設備モジュールと、当該設備モジュールの寸法とを対応付けて記憶している。また、サイズが調整可能な設備モジュールの寸法は、上限値及び下限値を含んでもよい。
【0060】
建築情報記憶部123は、設備モジュールを配置する空間の寸法と、空間における設備モジュールの配置位置とを示す建築情報を記憶している。設備モジュールを配置する空間は、例えば、ユーザが新築する家又はユーザが改修する家の部屋である。なお、設備モジュールを配置する空間は、住宅だけでなく、施設又はオフィスであってもよい。
【0061】
モジュール価格DB124は、種々の設備モジュールと、当該設備モジュールの価格とを対応付けて予め記憶している。
【0062】
最適モジュール決定部103は、ユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される第1センシングデータに基づく身体的特徴を取得する。最適モジュール決定部103は、ユーザの身体的特徴を身体的特徴DB121から読み出す。
【0063】
また、最適モジュール決定部103は、住宅設備、家電機器及び家具の少なくとも1つを含む設備モジュールを配置する空間の寸法と、空間における設備モジュールの配置位置とを示す建築情報(空間情報)を取得する。最適モジュール決定部103は、設備モジュールを配置する部屋(空間)の建築情報を建築情報記憶部123から読み出す。
【0064】
また、最適モジュール決定部103は、住宅設備、家電機器及び家具の少なくとも1つを含む設備モジュールに関するモジュールデータを取得する。最適モジュール決定部103は、建築情報に基づき、部屋(空間)に配置する設備モジュールに関するモジュールデータを標準モジュールDB122から読み出す。
【0065】
また、最適モジュール決定部103は、身体的特徴とモジュールデータと建築情報(空間情報)とに基づいて、部屋(空間)に配置する設備モジュール(第1設備モジュール)を決定する。最適モジュール決定部103は、建築情報から、部屋に配置する設備モジュールの種類を特定する。最適モジュール決定部103は、特定した設備モジュールの種類から、利用する身体的特徴を取得する。最適モジュール決定部103は、身体的特徴に応じた設備モジュールの寸法を決定する。なお、メモリ12は、身体的特徴に応じた設備モジュールの寸法を予め記憶している。最適モジュール決定部103は、モジュールデータを参照し、決定した寸法の設備モジュールを選択する。
【0066】
例えば、建築情報から特定した設備モジュールの種類が吊り戸棚である場合、最適モジュール決定部103は、ユーザが高所に手を伸ばす動作に対応付けられている身体的特徴を取得する。このとき、身体的特徴は、高所に伸ばした方の腕の肩関節角度及び床から高所に伸ばした手の特徴点までの距離である。最適モジュール決定部103は、肩関節角度及び距離に応じた吊り戸棚の寸法を決定する。最適モジュール決定部103は、モジュールデータを参照し、決定した寸法の吊り戸棚を選択する。
【0067】
なお、最適モジュール決定部103は、1つの設備モジュール(第1設備モジュール)を決定するのではなく、複数の設備モジュール(第1設備モジュール)を決定してもよい。
【0068】
また、最適モジュール決定部103は、身体的特徴抽出部102によって補正された身体的特徴とモジュールデータと建築情報(空間情報)とに基づいて、部屋(空間)に配置する設備モジュールを決定する。
【0069】
オブジェクト生成部104は、最適モジュール決定部103によって決定された設備モジュール(第1設備モジュール)を仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトを生成する。第1モジュールオブジェクトは、2次元又は3次元で表される。設備モジュールに対応するモジュールオブジェクトは、標準モジュールDB122に予め記憶されている。
【0070】
通信部13は、提示装置2によって送信された姿勢情報を受信する。姿勢情報は、例えば、加速度、角速度、方位、深度データ及び画像データである。姿勢情報により、ユーザがいる空間を認識することが可能となる。オブジェクト生成部104は、建築情報及び姿勢情報に基づき、ユーザの視点から見える第1モジュールオブジェクトを生成する。オブジェクト生成部104は、例えば、60fps、30fps又は24fps等の所定のフレームレートで第1モジュールオブジェクトを生成する。
【0071】
通信部13は、オブジェクト生成部104によって生成された第1モジュールオブジェクトを提示装置2へ送信する。これにより、通信部13は、第1モジュールオブジェクトを提示装置2に仮想的に提示させる。
【0072】
価格情報生成部105は、提示した設備モジュールの見積価格をユーザに提示する場合、モジュール価格DB124を参照し、提示した設備モジュールの見積価格を示す価格情報を生成する。価格情報生成部105は、複数の設備モジュールが提示された場合、全ての設備モジュールの見積価格を示す価格情報を生成する。
【0073】
通信部13は、価格情報生成部105によって生成された価格情報を提示装置2へ送信する。
【0074】
図3は、本開示の実施の形態1における提示装置2の構成の一例を示す図である。
【0075】
図3に示す提示装置2は、プロセッサ21、カメラ22、センサ23、通信部24及び表示部25を備える。
【0076】
カメラ22は、提示装置2の周囲を撮像する。より具体的には、カメラ22は、ユーザの視線方向を撮像する。
【0077】
センサ23は、提示装置2の姿勢を検出する。センサ23は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、及び深度センサを含む。加速度センサは、提示装置2の加速度を検出する。ジャイロセンサは、提示装置2の角速度を検出する。地磁気センサは、提示装置2の方位を検出する。深度センサは、提示装置2の周囲の深度データを検出する。より具体的には、深度センサは、ユーザの視線方向の深度データを検出する。
【0078】
表示部25は、透過型ディスプレイであり、ユーザが見ている実空間に種々の視覚情報を重畳して表示する。
【0079】
プロセッサ21は、例えば、CPUである。プロセッサ21により、動作指示部210、姿勢情報取得部211及びオブジェクト提示制御部212が実現される。
【0080】
動作指示部210は、ユーザに対して複数の動作のうちの所定の動作を行うよう指示するための動作指示画像を表示部25に表示させる。動作指示部210は、包丁で食べ物を切る動作、フライパンで調理する動作、鍋を覗く動作、高所に手を伸ばす動作、及びしゃがむ動作を順にユーザに行わせる。動作指示部210は、ユーザに包丁で食べ物を切るように促す動作指示画像、ユーザにフライパンで調理するように促す動作指示画像、ユーザに鍋を覗くように促す動作指示画像、ユーザに高所に手を伸ばすように促す動作指示画像、及びユーザにしゃがむように促す動作指示画像を表示部25に表示させる。なお、ユーザは、実際に、包丁で食べ物を切ったり、フライパンで調理したりする必要はなく、仮想的に、包丁で食べ物を切るまねをしたり、フライパンで調理するまねをしてもよい。
【0081】
姿勢情報取得部211は、カメラ22から画像データを取得する。姿勢情報取得部211は、センサ23から、加速度、角速度、方位及び深度データを取得する。姿勢情報取得部211は、例えば、加速度、角速度、方位、深度データ及び画像データを含む姿勢情報を取得する。姿勢情報取得部211は、通信部24を介して姿勢情報をサーバ1へ送信する。
【0082】
通信部24は、姿勢情報取得部211によって取得された姿勢情報をサーバ1へ送信する。通信部24は、サーバ1によって送信された第1モジュールオブジェクトを受信する。
【0083】
オブジェクト提示制御部212は、通信部24によって受信された第1モジュールオブジェクトを表示部25に表示させる。表示部25は、透過型ディスプレイであり、ユーザが見ている実空間に第1モジュールオブジェクトを重畳して表示する。なお、オブジェクト提示制御部212は、例えば、60fps、30fps又は24fps等の所定のフレームレートで第1モジュールオブジェクトを表示する。これにより、ユーザに対して違和感のない設備モジュールを提示することができる。
【0084】
続いて、本開示の実施の形態1におけるサーバ1による身体的特徴抽出処理について説明する。
【0085】
図4は、本開示の実施の形態1におけるサーバ1による身体的特徴抽出処理について説明するためのフローチャートである。
【0086】
まず、ステップS1において、通信部13は、所定の動作を行っているユーザを撮像することにより得られた動画像データをカメラ3から取得する。提示装置2は、ユーザに対して複数の動作のうちの所定の動作を行うように指示する。ユーザは、提示装置2による指示に従って所定の動作を行う。例えば、ユーザは、包丁で食べ物を切る動作、フライパンで調理する動作、鍋を覗く動作、高所に手を伸ばす動作、及びしゃがむ動作を行う。
【0087】
なお、ユーザに行わせる所定の動作は上記に限定されない。設備モジュールの種類に応じて、ユーザに行わせる動作は異なり、抽出される身体的特徴も異なる。上記の動作は、キッチンに配置する設備モジュールを決定するための動作である。浴室などの他の空間に配置する設備モジュールを決定する場合には、ユーザに対して体を洗う動作などの他の動作を行わせてもよい。
【0088】
次に、ステップS2において、動作検出部101は、通信部13によって受信された動画像データからユーザによって行われた所定の動作を検出する。動作検出部101は、包丁で食べ物を切る動作、フライパンで調理する動作、鍋を覗く動作、高所に手を伸ばす動作、及びしゃがむ動作のうちのいずれの動作をユーザが行ったかを検出する。
【0089】
次に、ステップS3において、身体的特徴抽出部102は、動作検出部101によって検出された動作に対応するユーザの身体的特徴を抽出する。
【0090】
次に、ステップS4において、身体的特徴抽出部102は、動作検出部101によって検出された動作に対応付けて、抽出した身体的特徴を身体的特徴DB121に記憶する。
【0091】
次に、ステップS5において、動作検出部101は、所定の空間に対応する全ての動作が検出されたか否かを判断する。ここで、所定の空間に対応する全ての動作が検出されていないと判断された場合(ステップS5でNO)、ステップS1に処理が戻り、通信部13は、複数の動作のうちの別の動作を行ったユーザを撮像することにより得られた動画像データを取得する。
【0092】
一方、所定の空間に対応する全ての動作が検出されたと判断された場合(ステップS5でYES)、身体的特徴抽出処理が終了する。
【0093】
図5は、包丁で食べ物を切る動作に対応する身体的特徴について説明するための模式図である。
【0094】
図5では、提示装置2を装着したユーザU1が包丁で食べ物を切る動作を行っている。この場合、身体的特徴抽出部102は、右肘を示す特徴点42と右手を示す特徴点43とを繋ぐ直線と、右肘を示す特徴点42から水平に伸ばした直線とがなす角度を右肘の関節角度X1として抽出する。また、身体的特徴抽出部102は、包丁を持つ右手を示す特徴点43から床までの距離Y1を抽出する。そして、身体的特徴抽出部102は、右肘の関節角度X1及び距離Y1を、ユーザU1が包丁で食べ物を切る動作に対応付けて身体的特徴DB121に記憶する。
【0095】
図6は、フライパンで調理する動作に対応する身体的特徴について説明するための模式図である。
【0096】
図6では、提示装置2を装着したユーザU1がフライパンで調理する動作を行っている。この場合、身体的特徴抽出部102は、右肘を示す特徴点42と右手を示す特徴点43とを繋ぐ直線と、右肘を示す特徴点42から水平に伸ばした直線とがなす角度を右肘の関節角度X1として抽出する。また、身体的特徴抽出部102は、右肘を示す特徴点42と右手を示す特徴点43とを繋ぐ直線の中点から床までの距離Y2を抽出する。そして、身体的特徴抽出部102は、右肘の関節角度X1及び距離Y2を、ユーザU1がフライパンで調理する動作に対応付けて身体的特徴DB121に記憶する。
【0097】
図7は、高所に手を伸ばす動作に対応する身体的特徴について説明するための模式図である。
【0098】
図7では、提示装置2を装着したユーザU1が高所に手を伸ばす動作を行っている。この場合、身体的特徴抽出部102は、右肩を示す特徴点41と右肘を示す特徴点42とを繋ぐ直線と、右肩を示す特徴点41から垂直に下ろした直線とがなす角度を右肩の関節角度X3として抽出する。また、身体的特徴抽出部102は、高所に伸ばした右手を示す特徴点43から床までの距離Y3を抽出する。そして、身体的特徴抽出部102は、右肩の関節角度X3及び距離Y3を、ユーザU1が高所に手を伸ばす動作に対応付けて身体的特徴DB121に記憶する。
【0099】
続いて、本開示の実施の形態1におけるサーバ1によるオブジェクト提示処理について説明する。
【0100】
図8は、本開示の実施の形態1におけるサーバ1によるオブジェクト提示処理について説明するための第1のフローチャートであり、図9は、本開示の実施の形態1におけるサーバ1によるオブジェクト提示処理について説明するための第2のフローチャートである。
【0101】
まず、ステップS11において、通信部13は、ユーザがいる空間内に配置する設備モジュールに対応するモジュールオブジェクトを提示するためのモジュールオブジェクト提示指示を提示装置2から受信する。提示装置2は、空間内に配置する設備モジュールを表すモジュールオブジェクトを複合現実又は拡張現実として表示するためのユーザによる指示を受け付ける。
【0102】
次に、ステップS12において、最適モジュール決定部103は、ユーザの身体的特徴を身体的特徴DB121から取得する。
【0103】
次に、ステップS13において、最適モジュール決定部103は、設備モジュールを配置する部屋の建築情報を建築情報記憶部123から取得する。
【0104】
次に、ステップS14において、最適モジュール決定部103は、建築情報に基づき、部屋に配置する設備モジュールに関するモジュールデータを標準モジュールDB122から取得する。
【0105】
次に、ステップS15において、最適モジュール決定部103は、身体的特徴とモジュールデータと建築情報とに基づいて、部屋に配置する設備モジュールを決定する。ここで、最適モジュール決定部103によって決定される設備モジュールは、ユーザの身体的特徴に合わせた最適な設備モジュールである。なお、最適モジュール決定部103は、1つの設備モジュールを決定するのではなく、複数の設備モジュールを決定してもよい。
【0106】
次に、ステップS16において、通信部13は、提示装置2によって送信された姿勢情報を受信する。
【0107】
次に、ステップS17において、オブジェクト生成部104は、最適モジュール決定部103によって決定された設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトを生成する。オブジェクト生成部104は、建築情報及び姿勢情報に基づき、ユーザの視点から見える第1モジュールオブジェクトを生成する。オブジェクト生成部104は、建築情報から、ユーザがいる空間を仮想3次元空間で表し、最適モジュール決定部103によって決定された設備モジュールを表す第1モジュールオブジェクトを仮想3次元空間内に配置する。そして、オブジェクト生成部104は、姿勢情報から、仮想3次元空間内におけるユーザの視点位置及び視線方向を特定し、ユーザの視野内に表示する第1モジュールオブジェクトを生成する。なお、オブジェクト生成部104は、最適モジュール決定部103によって複数の設備モジュールが決定された場合、複数の設備モジュールのそれぞれに対応する複数の第1モジュールオブジェクトを生成する。
【0108】
次に、ステップS18において、通信部13は、オブジェクト生成部104によって生成された第1モジュールオブジェクトを提示装置2へ送信する。提示装置2は、サーバ1によって送信された第1モジュールオブジェクトを受信し、受信した第1モジュールオブジェクトを表示する。
【0109】
図10は、本実施の形態1において、提示装置2に表示される第1モジュールオブジェクトの一例を示す図である。
【0110】
図10では、ユーザの身体的特徴に応じて決定された設備モジュールは、キッチンカウンターであり、キッチンカウンターを表す第1モジュールオブジェクト51が表示部25に表示されている。表示部25は、拡張現実空間に第1モジュールオブジェクト51を表示している。例えば、標準のキッチンカウンターの高さが90cmであり、ユーザの身体的特徴に応じて決定されたキッチンカウンターの高さが88cmである場合、床から88cmの位置に第1モジュールオブジェクト51が表示される。
【0111】
なお、本実施の形態1では、オブジェクト生成部104は、第1モジュールオブジェクト51だけでなく、第1モジュールオブジェクト51とともにユーザに提示するメッセージを生成してもよい。表示部25は、第1モジュールオブジェクト51とともにメッセージ52を表示してもよい。図10には、「おすすめのキッチンカウンターの高さは88cmです」というメッセージ52が表示されている。
【0112】
なお、オブジェクト生成部104は、第1モジュールオブジェクト51だけでなく、ユーザを仮想的に表すユーザオブジェクトを生成してもよい。表示部25は、第1モジュールオブジェクト51とともにユーザオブジェクトを表示してもよい。ユーザオブジェクトは、実際にユーザを撮像することによって得られた画像であっても、仮想的に生成された画像であってもよい。ユーザの身長に応じたユーザオブジェクトが表示される。このように、ユーザオブジェクトが表示されることにより、ユーザは、ユーザオブジェクトに対比させて設備モジュールを客観的に見ることができる。
【0113】
図8に戻って、次に、ステップS19において、通信部13は、表示された第1モジュールオブジェクトに対して所定の動作を行っているユーザを撮像することにより得られた動画像データをカメラ3から取得する。ユーザは、表示された第1モジュールオブジェクトに対して所定の動作を行う。例えば、ユーザは、包丁で食べ物を切る動作、フライパンで調理する動作、鍋を覗く動作、高所に手を伸ばす動作、及びしゃがむ動作を行う。例えば、第1モジュールオブジェクトがキッチンカウンターである場合、ユーザは、包丁で食べ物を切る動作、フライパンで調理する動作、及び鍋を覗く動作を行う。また、例えば、第1モジュールオブジェクトが吊り戸棚である場合、ユーザは、吊り戸棚に手を伸ばす動作を行う。
【0114】
なお、提示装置2は、ユーザに対して複数の動作のうちの所定の動作を行うように指示してもよい。提示装置2は、最適モジュール決定部103によって決定された設備モジュールに対応する動作を行うように指示してもよい。
【0115】
次に、ステップS20において、動作検出部101は、通信部13によって受信された動画像データからユーザによって行われた所定の動作を検出する。動作検出部101は、包丁で食べ物を切る動作、フライパンで調理する動作、鍋を覗く動作、高所に手を伸ばす動作、及びしゃがむ動作のうちのいずれの動作をユーザが行ったかを検出する。
【0116】
次に、ステップS21において、身体的特徴抽出部102は、動作検出部101によって検出された動作に対応するユーザの身体的特徴を抽出する。
【0117】
次に、ステップS22において、身体的特徴抽出部102は、抽出した所定の動作に対応する身体的特徴が、身体的特徴DB121に記憶されている所定の動作に対応する身体的特徴と同じであるか否かを判断する。ここで、抽出した所定の動作に対応する身体的特徴が、身体的特徴DB121に記憶されている所定の動作に対応する身体的特徴と同じではないと判断された場合(ステップS22でNO)、ステップS23において、身体的特徴抽出部102は、身体的特徴DB121に記憶されている所定の動作に対応する身体的特徴を、抽出した所定の動作に対応する身体的特徴に補正する。
【0118】
ステップS23の処理が行われた後、ステップS15において、最適モジュール決定部103は、補正された身体的特徴とモジュールデータと建築情報とに基づいて、部屋に配置する設備モジュールを決定する。これにより、表示された第1モジュールオブジェクトに対するユーザの動作に応じて、より最適な設備モジュールが決定される。
【0119】
図11は、本実施の形態1において、補正された身体的特徴に基づいて提示装置2に表示される第1モジュールオブジェクトの一例を示す図である。
【0120】
図11では、ユーザの身体的特徴に応じて決定された設備モジュールは、キッチンにおける吊り戸棚であり、吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト53が表示部25に表示されている。表示部25は、拡張現実空間に第1モジュールオブジェクト53を表示している。第1モジュールオブジェクト53は、補正された身体的特徴とモジュールデータと建築情報とに基づいて決定された吊り戸棚を表している。
【0121】
例えば、最初に身体的特徴に基づいて決定された設備モジュールが、天井からの高さが80cmである吊り戸棚であり、補正された身体的特徴に基づいて決定された設備モジュールが、天井からの高さが95cmである吊り戸棚である場合、オブジェクト生成部104は、天井からの高さが95cmである吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト53を生成する。
【0122】
なお、本実施の形態1では、オブジェクト生成部104は、第1モジュールオブジェクト53だけでなく、第1モジュールオブジェクト53とともにユーザに提示するメッセージを生成してもよい。表示部25は、第1モジュールオブジェクト53とともにメッセージ54を表示してもよい。図11には、「吊り戸棚を15cm下げることも可能です」というメッセージ54が表示されている。
【0123】
また、本実施の形態1では、サーバ1は、提示された第1モジュールオブジェクトに対するユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される動画像データを取得し、動画像データから検出される動作又は姿勢に基づき身体的特徴を補正しているが、本開示は特にこれに限定されない。サーバ1は、提示された第1モジュールオブジェクトに対するユーザの修正指示を受け付け、受け付けた修正指示に基づき身体的特徴を補正してもよい。例えば、ユーザは、提示された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクトに対して手を伸ばし、現在提示されている吊り戸棚の位置が高いと感じた場合、現在提示されている吊り戸棚の位置を下げる修正指示を提示装置2に入力してもよい。サーバ1は、受け付けた修正指示に基づき身体的特徴を補正してもよい。
【0124】
図9に戻って、抽出した所定の動作に対応する身体的特徴が、身体的特徴DB121に記憶されている所定の動作に対応する身体的特徴と同じであると判断された場合(ステップS22でYES)、ステップS24において、価格情報生成部105は、提示した設備モジュールの見積価格を提示するか否かを判断する。
【0125】
提示装置2は、提示された設備モジュールの見積価格を提示するか否かのユーザによる指示を受け付ける。例えば、提示装置2のプロセッサ21は、提示された設備モジュールの見積価格を提示するか否かのユーザによる指示を受け付けるためのボタンオブジェクトを表示部25に表示する。ボタンオブジェクトは、ユーザの視野内に拡張現実として表示される。表示されているボタンオブジェクトにユーザの指が重なった場合、提示された設備モジュールの見積価格を提示する指示が受け付けられる。提示された設備モジュールの見積価格を提示する指示が受け付けられた場合、提示装置2は、提示された設備モジュールの見積価格の提示を要求する見積価格提示要求をサーバ1へ送信する。
【0126】
価格情報生成部105は、通信部13によって見積価格提示要求が受信された場合、提示した設備モジュールの見積価格を提示すると判断する。また、価格情報生成部105は、通信部13によって見積価格提示要求が受信されない場合、提示した設備モジュールの見積価格を提示しないと判断する。
【0127】
ここで、提示した設備モジュールの見積価格を提示しないと判断された場合(ステップS24でNO)、ステップS16に処理が戻る。
【0128】
一方、提示した設備モジュールの見積価格を提示すると判断された場合(ステップS24でYES)、ステップS25において、価格情報生成部105は、モジュール価格DB124を参照し、提示した設備モジュールの見積価格を算出する。価格情報生成部105は、算出した見積価格を示す価格情報を生成する。
【0129】
次に、ステップS26において、通信部13は、価格情報生成部105によって生成された価格情報を提示装置2へ送信する。提示装置2の通信部24は、価格情報を受信する。提示装置2のプロセッサ21は、受信された価格情報を表示部25に表示する。例えば、価格情報は、表形式で表され、提示された設備モジュールの種類、寸法、数量、及び見積価格を含む。複数の設備モジュールが提示された場合、価格情報は、複数の設備モジュールそれぞれの種類、寸法、数量、及び見積価格を含む。
【0130】
このように、ユーザの身体的特徴に応じた設備モジュール(第1設備モジュール)が決定され、決定された設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトが提示装置2に提示される。したがって、ユーザの身体的特徴に応じた設備モジュールを仮想的に提示することができる。また、ユーザは、実際に設備モジュールが空間内に配置される前に、仮想的に提示された設備モジュールの使用感を確認することができる。
【0131】
なお、本実施の形態1では、提示装置2に第1モジュールオブジェクトが表示されるが、本開示は特にこれに限定されず、サーバ1は、部屋(空間)を俯瞰する位置に配置されたカメラ3によって撮像された画像に第1モジュールオブジェクトを重畳し、第1モジュールオブジェクトを重畳した画像を表示装置に表示させてもよい。この場合、カメラ3の空間内における位置及び撮像方向が建築情報に含まれることにより、カメラ3によって撮像された画像に第1モジュールオブジェクトを重畳することが可能となる。
【0132】
また、本実施の形態1では、提示装置2は、ユーザが見ている実空間に第1モジュールオブジェクトを重畳して表示させているが、本開示は特にこれに限定されず、空間全体を撮像した画像に第1モジュールオブジェクトを重畳して表示させてもよい。例えば、ユーザが、表示された第1モジュールオブジェクトの近くにいる場合、離れた位置から第1モジュールオブジェクトがどのように見えるのかがわからない。
【0133】
そこで、提示装置2は、ユーザがいる部屋全体を撮像した画像に第1モジュールオブジェクトを重畳し、第1モジュールオブジェクトを重畳した部屋全体を撮像した画像を表示させてもよい。部屋全体を撮像した画像は、部屋に配置されたカメラ3によって撮像することによって得られた画像であってもよいし、ユーザが携帯端末を用いて撮像することによって得られた画像であってもよい。サーバ1のメモリ12又は提示装置2のメモリは、部屋全体を撮像した画像を記憶してもよい。部屋全体を撮像した画像は、例えば、部屋の天井の角部分から見た画像、部屋の入口から見た画像、部屋の窓から見た画像、又は在室時にユーザが滞在する可能性が高い場所から見た画像である。在室時にユーザが滞在する可能性が高い場所は、例えば、部屋の中心、又は床暖房が設置されているエリアの中心である。
【0134】
また、提示装置2は、ユーザが見ている実空間に第1モジュールオブジェクトを重畳して表示させるとともに、第1モジュールオブジェクトを重畳した空間全体を撮像した画像を表示させてもよい。この場合、提示装置2は、第1モジュールオブジェクトを重畳した空間全体を撮像した画像を、ユーザの視界の一部に表示させてもよい。
【0135】
また、提示装置2は、ユーザが見ている実空間に第1モジュールオブジェクトを重畳して表示させる第1表示状態と、ユーザが見ている実空間に第1モジュールオブジェクトを重畳して表示させるとともに、第1モジュールオブジェクトを重畳した空間全体を撮像した画像を表示させる第2表示状態とを切り替えてもよい。提示装置2は、切り替えボタンを表示し、表示された切り替えボタンがユーザによりタッチされた場合、第1表示状態から第2表示状態へ切り替えてもよい。また、提示装置2は、ユーザが現在の位置から所定距離以上離れた場合、例えば、ユーザが現在の位置から3歩以上離れた場合、第1表示状態から第2表示状態へ切り替えてもよい。
【0136】
(実施の形態2)
実施の形態1では、予め記憶されている第1センシングデータに基づく身体的特徴が取得され、取得された身体的特徴を用いて空間に配置する第1設備モジュールが決定される。これに対し、実施の形態2では、最初に第2設備モジュールが決定され、決定された第2設備モジュールを表す第2モジュールオブジェクトが提示され、提示された第2モジュールオブジェクトに対するユーザの動作又は姿勢をセンシングして第1センシングデータが取得される。
【0137】
図12は、本開示の実施の形態2におけるサーバ1Aの構成の一例を示す図である。
【0138】
図12に示すサーバ1Aは、プロセッサ11A、メモリ12及び通信部13Aを備える。なお、本実施の形態2において、実施の形態1と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0139】
プロセッサ11Aは、例えば、CPUである。プロセッサ11Aにより、動作検出部101、身体的特徴抽出部102、最適モジュール決定部103、オブジェクト生成部104A、価格情報生成部105及び標準モジュール決定部106が実現される。
【0140】
標準モジュール決定部106は、モジュールデータと建築情報(空間情報)とに基づいて、部屋(空間)に配置する標準設備モジュール(第2設備モジュール)を決定する。標準モジュール決定部106は、建築情報から、部屋に配置する設備モジュールの種類及び寸法を特定する。標準モジュール決定部106は、モジュールデータを参照し、特定した設備モジュールの種類及び寸法に一致する標準設備モジュールを決定する。
【0141】
オブジェクト生成部104Aは、標準モジュール決定部106によって決定された標準設備モジュールを仮想的に提示するための第2モジュールオブジェクトを生成する。なお、第2モジュールオブジェクトは、実施の形態1における第1モジュールオブジェクトと同様の方法で生成される。
【0142】
通信部13Aは、オブジェクト生成部104によって生成された第2モジュールオブジェクトを提示装置2へ送信する。これにより、通信部13Aは、第2モジュールオブジェクトを提示装置2に仮想的に提示させる。
【0143】
通信部13Aは、提示された第2モジュールオブジェクトに対するユーザの動作又は姿勢をセンシングして取得される動画像データ(第1センシングデータ)を取得する。動作検出部101は、通信部13Aによって受信された動画像データ(第1センシングデータ)からユーザによって行われた所定の動作を検出する。
【0144】
続いて、本開示の実施の形態2におけるサーバ1Aによるオブジェクト提示処理について説明する。
【0145】
図13は、本開示の実施の形態2におけるサーバ1Aによるオブジェクト提示処理について説明するための第1のフローチャートであり、図14は、本開示の実施の形態2におけるサーバ1Aによるオブジェクト提示処理について説明するための第2のフローチャートであり、図15は、本開示の実施の形態2におけるサーバ1Aによるオブジェクト提示処理について説明するための第3のフローチャートである。
【0146】
まず、ステップS31において、通信部13Aは、ユーザがいる空間内に配置する設備モジュールに対応するモジュールオブジェクトを提示するためのモジュールオブジェクト提示指示を提示装置2から受信する。
【0147】
次に、ステップS32において、標準モジュール決定部106は、設備モジュールを配置する部屋の建築情報を建築情報記憶部123から取得する。
【0148】
次に、ステップS33において、標準モジュール決定部106は、建築情報に基づき、部屋に配置する設備モジュールに関するモジュールデータを標準モジュールDB122から取得する。
【0149】
次に、ステップS34において、標準モジュール決定部106は、モジュールデータと建築情報とに基づいて、部屋に配置する標準設備モジュールを決定する。ここで、標準モジュール決定部106によって決定される標準設備モジュールは、ユーザの身体的特徴に合わせた最適な設備モジュールではなく、建築情報により予め決められた寸法の設備モジュールである。なお、標準モジュール決定部106は、1つの標準設備モジュールを決定するのではなく、複数の標準設備モジュールを決定してもよい。
【0150】
次に、ステップS35において、通信部13Aは、提示装置2によって送信された姿勢情報を受信する。
【0151】
次に、ステップS36において、オブジェクト生成部104Aは、標準モジュール決定部106によって決定された標準設備モジュールを仮想的に提示するための第2モジュールオブジェクトを生成する。オブジェクト生成部104Aは、建築情報及び姿勢情報に基づき、ユーザの視点から見える第2モジュールオブジェクトを生成する。オブジェクト生成部104Aは、建築情報から、ユーザがいる空間を仮想3次元空間で表し、標準モジュール決定部106によって決定された標準設備モジュールを表す第2モジュールオブジェクトを仮想3次元空間内に配置する。そして、オブジェクト生成部104Aは、姿勢情報から、仮想3次元空間内におけるユーザの視点位置及び視線方向を特定し、ユーザの視野内に表示する第2モジュールオブジェクトを生成する。
【0152】
次に、ステップS37において、通信部13Aは、オブジェクト生成部104Aによって生成された第2モジュールオブジェクトを提示装置2へ送信する。提示装置2は、サーバ1Aによって送信された第2モジュールオブジェクトを受信し、受信した第2モジュールオブジェクトを表示する。
【0153】
次に、ステップS38において、通信部13Aは、表示された第2モジュールオブジェクトに対して所定の動作を行っているユーザを撮像することにより得られた動画像データをカメラ3から取得する。ユーザは、表示された第2モジュールオブジェクトに対して所定の動作を行う。例えば、ユーザは、包丁で食べ物を切る動作、フライパンで調理する動作、鍋を覗く動作、高所に手を伸ばす動作、及びしゃがむ動作を行う。例えば、第2モジュールオブジェクトがキッチンカウンターである場合、ユーザは、包丁で食べ物を切る動作、フライパンで調理する動作、及び鍋を覗く動作を行う。また、例えば、第2モジュールオブジェクトが吊り戸棚である場合、ユーザは、吊り戸棚に手を伸ばす動作を行う。
【0154】
なお、提示装置2は、ユーザに対して複数の動作のうちの所定の動作を行うように指示してもよい。提示装置2は、標準モジュール決定部106によって決定された標準設備モジュールに対応する動作を行うように指示してもよい。
【0155】
次に、ステップS39において、動作検出部101は、通信部13Aによって受信された動画像データからユーザによって行われた所定の動作を検出する。動作検出部101は、包丁で食べ物を切る動作、フライパンで調理する動作、鍋を覗く動作、高所に手を伸ばす動作、及びしゃがむ動作のうちのいずれの動作をユーザが行ったかを検出する。
【0156】
次に、ステップS40において、身体的特徴抽出部102は、動作検出部101によって検出された動作に対応するユーザの身体的特徴を抽出する。
【0157】
次に、ステップS41において、身体的特徴抽出部102は、動作検出部101によって検出された動作に対応付けて、抽出した身体的特徴を身体的特徴DB121に記憶する。
【0158】
次に、ステップS42において、動作検出部101は、提示した第2モジュールオブジェクトに対する全ての動作が検出されたか否かを判断する。ここで、第2モジュールオブジェクトに対する全ての動作が検出されていないと判断された場合(ステップS42でNO)、ステップS35に処理が戻り、通信部13Aは、第2モジュールオブジェクトに対する少なくとも1つの動作のうちの別の動作を行ったユーザを撮像することにより得られた動画像データを取得する。
【0159】
一方、第2モジュールオブジェクトに対する全ての動作が検出されたと判断された場合(ステップS42でYES)、ステップS43において、最適モジュール決定部103は、ユーザの身体的特徴を身体的特徴DB121から取得する。
【0160】
なお、図14及び図15に示すステップS43~ステップS57の処理は、図8及び図9に示すステップS12~ステップS26の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0161】
図16は、本実施の形態2において、提示装置2に表示される第2モジュールオブジェクトを見ながらユーザによって行われる所定の動作の一例を示す図である。
【0162】
図16では、標準設備モジュールは、キッチンにおける吊り戸棚であり、吊り戸棚を表す第2モジュールオブジェクト61が表示部25に表示されている。表示部25は、拡張現実空間に第2モジュールオブジェクト61を表示している。第2モジュールオブジェクト61は、ユーザの身体的特徴が考慮されていない吊り戸棚を表している。
【0163】
ユーザは、提示装置2に表示された第2モジュールオブジェクトを見ながら所定の動作を行う。例えば、第2モジュールオブジェクトが吊り戸棚であれば、ユーザは、吊り戸棚に手を伸ばす動作を行う。サーバ1Aは、ユーザの動作を撮像することにより得られた動画像データを取得し、取得した動画像データからユーザの動作を検出し、身体的特徴を抽出する。
【0164】
図17は、本実施の形態2において、提示装置2に表示される第1モジュールオブジェクトの一例を示す図である。
【0165】
図17では、ユーザの身体的特徴に応じて決定された設備モジュールは、キッチンにおける吊り戸棚であり、吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト62が表示部25に表示されている。表示部25は、拡張現実空間に第1モジュールオブジェクト62を表示している。第1モジュールオブジェクト62は、身体的特徴とモジュールデータと建築情報とに基づいて決定された吊り戸棚を表している。
【0166】
例えば、最初に決定された標準設備モジュールが、天井からの高さが80cmである吊り戸棚であり、身体的特徴に基づいて決定された設備モジュールが、天井からの高さが95cmである吊り戸棚である場合、オブジェクト生成部104Aは、天井からの高さが95cmである吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト62を生成する。
【0167】
なお、本実施の形態2では、オブジェクト生成部104Aは、第1モジュールオブジェクト62だけでなく、第1モジュールオブジェクト62とともにユーザに提示するメッセージを生成してもよい。表示部25は、第1モジュールオブジェクト62とともにメッセージ63を表示してもよい。図17には、「吊り戸棚を15cm下げることも可能です」というメッセージ63が表示されている。
【0168】
なお、本実施の形態2の変形例において、オブジェクト生成部104Aは、標準モジュール決定部106によって決定された標準設備モジュール(第2設備モジュール)の形状と、身体的特徴とを比較し、比較結果に基づいてユーザに通知するための通知情報を生成し、通知情報を提示装置2に提示させてもよい。
【0169】
図18は、本実施の形態2の変形例において、提示装置2に表示される第2モジュールオブジェクト及び通知情報の一例を示す図であり、図19は、本実施の形態2の変形例において、提示装置2に表示される第1モジュールオブジェクト及び通知情報の一例を示す図である。
【0170】
図18では、標準設備モジュールは、キッチンにおける吊り戸棚及び床であり、吊り戸棚を表す第2モジュールオブジェクト71と、床を表す第2モジュールオブジェクト72とが表示部25に表示されている。表示部25は、拡張現実空間に第2モジュールオブジェクト71,72を表示している。第2モジュールオブジェクト71,72は、ユーザの身体的特徴が考慮されていない吊り戸棚及び床を表している。
【0171】
ユーザは、提示装置2に表示された第2モジュールオブジェクトを見ながら所定の動作を行う。例えば、第2モジュールオブジェクト72が床であれば、ユーザは、足を上げる動作を行う。サーバ1Aは、ユーザの動作を撮像することにより得られた動画像データを取得し、取得した動画像データからユーザの動作を検出し、身体的特徴を抽出する。この場合、身体的特徴抽出部102は、ユーザが足を上げたときの床から足までの高さを抽出する。
【0172】
オブジェクト生成部104Aは、標準設備モジュールの段差の高さが、ユーザの足の上がる高さよりも高い場合、第2モジュールオブジェクトとともに、比較結果をユーザに通知するための通知情報を生成する。図18では、表示部25は、第2モジュールオブジェクト72とともに通知情報73を表示している。図18には、「あなたの身体ではひっかかるおそれのある段差が床にあります」という通知情報73が表示されている。
【0173】
図19では、標準設備モジュールは、キッチンにおける吊り戸棚及び床であり、吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト74と、床を表す第1モジュールオブジェクト75とが表示部25に表示されている。表示部25は、拡張現実空間に第1モジュールオブジェクト74,75を表示している。第1モジュールオブジェクト74,75は、ユーザの身体的特徴が考慮された吊り戸棚及び床を表している。第1モジュールオブジェクト74は、図18に示す第2モジュールオブジェクト71と同じ寸法である。
【0174】
最適モジュール決定部103は、段差がユーザの足の上がる高さよりも低い設備モジュールを決定する。オブジェクト生成部104Aは、第1モジュールオブジェクトとともに、比較結果をユーザに通知するための通知情報を生成する。図19では、表示部25は、第1モジュールオブジェクト75とともに通知情報76を表示している。図19には、「引っかからない段差の床に変更できます」という通知情報76が表示されている。
【0175】
また、本実施の形態1,2の変形例1において、設備モジュールには、金額、納品日数、ゴミ排出量及び空間への搬入方法が予め対応付けられ、金額、納品日数、ゴミ排出量及び搬入方法のうちのユーザが優先する優先事項が予め設定されていてもよい。そして、最適モジュール決定部103は、身体的特徴とモジュールデータと建築情報(空間情報)と優先事項とに基づいて、第1設備モジュールを決定してもよい。
【0176】
図20は、本実施の形態1,2の変形例1において、標準モジュールDB122に記憶されるモジュールデータの一例を示す図である。
【0177】
図20に示すように、標準モジュールDB122は、種々の設備モジュールと、当該設備モジュールの寸法、金額、納品日数、ゴミ排出量及び搬入方法とを対応付けて記憶している。寸法は、設備モジュールの幅、奥行き及び高さを表している。納品日数は、設備モジュールの納品に要する日数を表している。ゴミ排出量は、設備モジュールを設置する際に排出されるごみの量を表している。搬入方法は、設備モジュールを空間内に搬入する方法を表している。搬入方法には、通常搬入と特殊搬入とがある。通常搬入は、設備モジュールをそのまま建物の入り口から搬入することが可能であることを表している。特殊搬入は、設備モジュールをそのまま建物の入り口から搬入することが困難であり、設備モジュールを分解又は切断することにより搬入することを表している。
【0178】
金額、納品日数、ゴミ排出量及び搬入方法のうちのいずれを優先するのかを示す優先事項が予め設定されている。ユーザは、金額、納品日数、ゴミ排出量及び搬入方法のうちのいずれかを優先事項として設定する。金額が優先事項として設定されている場合、最適モジュール決定部103は、種類及び寸法が同じ複数の設備モジュールの中から最も安い設備モジュールを選択する。納品日数が優先事項として設定されている場合、最適モジュール決定部103は、種類及び寸法が同じ複数の設備モジュールの中から最も納品日数が短い設備モジュールを選択する。ゴミ排出量が優先事項として設定されている場合、最適モジュール決定部103は、種類及び寸法が同じ複数の設備モジュールの中から最もゴミ排出量が少ない設備モジュールを選択する。搬入方法が優先事項として設定されている場合、最適モジュール決定部103は、種類及び寸法が同じ複数の設備モジュールの中から搬入方法が通常搬入である設備モジュールを選択する。
【0179】
すなわち、種類及び寸法が同じ設備モジュールであっても、製造メーカ及び材質などの違いにより、金額、納品日数、ゴミ排出量及び搬入方法が異なる場合がある。そのため、金額、納品日数、ゴミ排出量及び搬入方法のうちのいずれを優先するのかが予めユーザにより設定されることにより、よりユーザの優先事項に合った設備モジュールを提示することができる。
【0180】
また、本実施の形態1,2の変形例2において、最適モジュール決定部103は、ユーザの年齢を取得し、所定年数経過後の経年変化したユーザの身体的特徴を予測してもよい。そして、最適モジュール決定部103は、予測した身体的特徴とモジュールデータと建築情報(空間情報)とに基づいて、第1設備モジュールを決定してもよい。例えば、経年変化により、ユーザの身長が縮んだり、関節の可動域が狭くなったりすることがある。そこで、本実施の形態1,2の変形例2では、所定年数経過後の経年変化したユーザの身体的特徴を考慮した設備モジュールが決定される。
【0181】
図21は、本実施の形態1,2の変形例2において、提示装置2に表示される第1モジュールオブジェクトの一例を示す図である。
【0182】
図21において、破線で示される第1モジュールオブジェクト81は、現在のユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表しており、実線で示される第1モジュールオブジェクト83は、20年後のユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表している。年齢と身体的特徴の一般的な平均値とは予め対応付けられている。提示装置2は、ユーザの現在の年齢の入力を受け付け、入力されたユーザの現在の年齢をサーバ1へ送信する。最適モジュール決定部103は、ユーザの現在の年齢から、20年後の年齢における身体的特徴の変化量を算出し、20年後のユーザの身体的特徴を予測する。最適モジュール決定部103は、現在の身体的特徴に基づいて設備モジュールを決定するとともに、20年後の身体的特徴に基づいて設備モジュールを決定する。そして、オブジェクト生成部104は、現在の身体的特徴に基づく設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトと、20年後の身体的特徴に基づく設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトとを生成する。
【0183】
表示部25は、現在のユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト81と、20年後のユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト83とを表示する。
【0184】
なお、オブジェクト生成部104は、第1モジュールオブジェクト81,83だけでなく、現在のユーザを仮想的に表すユーザオブジェクト82と、20年後のユーザを仮想的に表すユーザオブジェクト84とを生成してもよい。表示部25は、第1モジュールオブジェクト81,83とともにユーザオブジェクト82,84を表示してもよい。ユーザオブジェクト82は、実際にユーザを撮像することによって得られた画像であっても、仮想的に生成された画像であってもよい。ユーザの現在の身長及び20年後の予測される身長に応じたユーザオブジェクト82,84が表示される。
【0185】
このように、所定年数経過後の経年変化したユーザの身体的特徴に応じた設備モジュールを提示することができる。
【0186】
また、本実施の形態1,2の変形例3において、最適モジュール決定部103は、空間を利用する複数のユーザの身体的特徴を取得し、複数の身体的特徴の論理積を算出してもよい。そして、最適モジュール決定部103は、算出した複数の身体的特徴の論理積とモジュールデータと建築情報(空間情報)とに基づいて、第1設備モジュールを決定してもよい。例えば、家庭内において、キッチンは、父親、母親及び子供などの複数のユーザによって利用される。複数のユーザの身体的特徴はそれぞれ異なる可能性がある。そこで、最適モジュール決定部103は、複数の身体的特徴の論理積を算出し、算出した複数の身体的特徴の論理積を用いて設備モジュールを決定する。
【0187】
図22は、本実施の形態1,2の変形例3において、提示装置2に表示される第1モジュールオブジェクトの一例を示す図である。
【0188】
図22において、破線で示される第1モジュールオブジェクト93は、第1ユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表しており、一点鎖線で示される第1モジュールオブジェクト94は、第2ユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表しており、実線で示される第1モジュールオブジェクト95は、第1ユーザの身体的特徴と第2ユーザの身体的特徴との論理積に基づいて決定された吊り戸棚を表している。最適モジュール決定部103は、空間を利用する第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴を取得し、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理積を算出する。最適モジュール決定部103は、算出した論理積とモジュールデータと建築情報(空間情報)とに基づいて、設備モジュールを決定する。そして、オブジェクト生成部104は、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理積に基づく設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトを生成する。
【0189】
表示部25は、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理積に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト95を表示する。
【0190】
なお、オブジェクト生成部104は、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理積に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト95だけでなく、第1ユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト93及び第2ユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト94を生成してもよい。表示部25は、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理積に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト95だけでなく、第1ユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト93及び第2ユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト94を表示してもよい。
【0191】
なお、オブジェクト生成部104は、第1モジュールオブジェクト95だけでなく、主に空間内の設備モジュールを利用する第1ユーザを仮想的に表すユーザオブジェクト91と、第1ユーザとは異なる第2ユーザを仮想的に表すユーザオブジェクト92とを生成してもよい。表示部25は、第1モジュールオブジェクト95とともにユーザオブジェクト91,92を表示してもよい。ユーザオブジェクト91,92は、実際に第1ユーザ及び第2ユーザを撮像することによって得られた画像であっても、仮想的に生成された画像であってもよい。第1ユーザ及び第2ユーザの身長に応じたユーザオブジェクト91,92が表示される。
【0192】
また、最適モジュール決定部103は、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理積を、主に空間内の設備モジュールを利用する第1ユーザの身体的特徴により重み付けしてもよい。例えば、最適モジュール決定部103は、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理積を、主に空間内の設備モジュールを利用する第1ユーザの身体的特徴に応じて広げてもよい。
【0193】
また、本実施の形態1,2の変形例4において、最適モジュール決定部103は、空間を利用する複数のユーザの身体的特徴を取得し、複数の身体的特徴の論理和を算出してもよい。そして、最適モジュール決定部103は、算出した複数の身体的特徴の論理和とモジュールデータと建築情報(空間情報)とに基づいて、第1設備モジュールを決定してもよい。例えば、家庭内において、キッチンは、父親、母親及び子供などの複数のユーザによって利用される。複数のユーザの身体的特徴はそれぞれ異なる可能性がある。そこで、最適モジュール決定部103は、複数の身体的特徴の論理和を算出し、算出した複数の身体的特徴の論理和を用いて設備モジュールを決定する。
【0194】
図23は、本実施の形態1,2の変形例4において、提示装置2に表示される第1モジュールオブジェクトの一例を示す図である。
【0195】
図23において、破線で示される第1モジュールオブジェクト93は、第1ユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表しており、一点鎖線で示される第1モジュールオブジェクト94は、第2ユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表しており、実線で示される第1モジュールオブジェクト96は、第1ユーザの身体的特徴と第2ユーザの身体的特徴との論理和に基づいて決定された吊り戸棚を表している。最適モジュール決定部103は、空間を利用する第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴を取得し、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理和を算出する。最適モジュール決定部103は、算出した論理和とモジュールデータと建築情報(空間情報)とに基づいて、設備モジュールを決定する。そして、オブジェクト生成部104は、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理和に基づく設備モジュールを仮想的に提示するための第1モジュールオブジェクトを生成する。
【0196】
表示部25は、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理和に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト96を表示する。
【0197】
なお、オブジェクト生成部104は、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理和に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト96だけでなく、第1ユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト93及び第2ユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト94を生成してもよい。表示部25は、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理和に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト96だけでなく、第1ユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト93及び第2ユーザの身体的特徴に基づいて決定された吊り戸棚を表す第1モジュールオブジェクト94を表示してもよい。
【0198】
なお、オブジェクト生成部104は、第1モジュールオブジェクト96だけでなく、主に空間内の設備モジュールを利用する第1ユーザを仮想的に表すユーザオブジェクト91と、第1ユーザとは異なる第2ユーザを仮想的に表すユーザオブジェクト92とを生成してもよい。表示部25は、第1モジュールオブジェクト96とともにユーザオブジェクト91,92を表示してもよい。ユーザオブジェクト91,92は、実際に第1ユーザ及び第2ユーザを撮像することによって得られた画像であっても、仮想的に生成された画像であってもよい。第1ユーザ及び第2ユーザの身長に応じたユーザオブジェクト91,92が表示される。
【0199】
また、最適モジュール決定部103は、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理和を、主に空間内の設備モジュールを利用する第1ユーザの身体的特徴により重み付けしてもよい。例えば、最適モジュール決定部103は、第1ユーザの身体的特徴及び第2ユーザの身体的特徴の論理和を、主に空間内の設備モジュールを利用する第1ユーザの身体的特徴に応じて狭くしてもよい。
【0200】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。また、プログラムを記録媒体に記録して移送することにより、又はプログラムをネットワークを経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムによりプログラムが実施されてもよい。
【0201】
本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全ては典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0202】
また、本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0203】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。
【0204】
また、上記フローチャートに示す各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、同様の効果が得られる範囲で上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0205】
本開示に係る技術は、ユーザの身体的特徴に応じた設備モジュールを仮想的に提示することができるので、空間内に配置される設備モジュールを仮想的に提示させる技術として有用である。
【符号の説明】
【0206】
1,1A サーバ
2 提示装置
3 カメラ
4 ネットワーク
11,11A プロセッサ
12 メモリ
13,13A 通信部
21 プロセッサ
22 カメラ
23 センサ
24 通信部
25 表示部
101 動作検出部
102 身体的特徴抽出部
103 最適モジュール決定部
104,104A オブジェクト生成部
105 価格情報生成部
106 標準モジュール決定部
121 身体的特徴DB
122 標準モジュールDB
123 建築情報記憶部
124 モジュール価格DB
210 動作指示部
211 姿勢情報取得部
212 オブジェクト提示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23