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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177511
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】事業承継支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221124BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083819
(22)【出願日】2021-05-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)二ホン継業バンクのウェブサイト(https://keigyo.jp/)での公開,令和2年7月7日
(71)【出願人】
【識別番号】518054250
【氏名又は名称】ココホレジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100220892
【弁理士】
【氏名又は名称】舘 佳耶
(74)【代理人】
【識別番号】100205589
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 和将
(74)【代理人】
【識別番号】100194478
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 文彦
(72)【発明者】
【氏名】淺井 克俊
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC17
(57)【要約】
【課題】
後継求人者と後継希望者の負担を軽減できるだけでなく、地域団体単位で利用することができ、地域の活性化を図ることもできる事業承継支援システムを提供する。
【解決手段】
後継者を探している後継求人者1と、後継者になる意思がある後継希望者2とのマッチングを、インターネット上で地域団体を介して行う事業承継支援システムを、後継求人者1の求人情報を蓄積する求人データベース11と、地域団体3ごとの管理情報を蓄積する管理データベース12と、求人データベース11及び管理データベース12を用いた各種処理を行う処理実行部13とを有するサーバー10を備えたものとし、地域団体3ごとに独立したプラットフォームで求人情報を紹介及び管理できるようにした。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後継者を探している後継求人者と、後継者になる意思がある後継希望者とのマッチングを、インターネット上で地域団体を介して行う事業承継支援システムであって、
後継求人者の求人情報を蓄積する求人データベースと、
地域団体ごとの管理情報を蓄積する管理データベースと、
求人データベース及び管理データベースを用いた各種処理を行う処理実行部と
を有するサーバーを備え、
地域団体ごとに独立したプラットフォームで求人情報を紹介及び管理できるようにしたことを特徴とする事業継承支援システム。
【請求項2】
求人データベースに蓄積されるそれぞれの求人情報に承継パターンが含まれることによって、後継希望者が承継パターンに基づいて求人情報を閲覧できるようにするとともに、
承継パターンとして、少なくとも、後継ぎ求人、弟子・インターン、副業・兼業又は事業譲渡のうち2つ以上が用意された請求項1記載の事業承継支援システム。
【請求項3】
後継求人者と地域団体、地域団体と後継希望者、又は、後継希望者と後継求人者との間でメッセージの遣り取りを可能とするメッセージ機能が前記サーバーに設けられた請求項1又は2記載の意事業承継支援システム。
【請求項4】
請求項1~3いずれか記載の事業承継支援システムにおける処理実行部に係る処理を前記サーバーに実行させるプログラム。
【請求項5】
請求項1~3いずれか記載の事業承継支援システムを用いた事業承継支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後継者を探している後継求人者と、後継者になる意思がある後継希望者とのマッチングを、インターネット上で地域団体を介して行う事業承継支援システムと、この事業承継支援システムを実行するためのプログラムと、この事業承継支援システムを用いた事業承継支援方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、後継者不足に頭を悩ませる事業者が増えてきている。後継者不足に関わる問題は、小規模な事業者(個人店や、職人や、農家等)において特に深刻となっている。というのも、小規模な事業者は、後継者を外部から引っ張ってくることが難しいため、自身の子供等に事業を継がせることができなかった場合には、廃業が現実味を帯びてくるからである。このような事業者が外部で後継者を探そうとすると、人材あっせん業者やコンサルティング業者等の外部機関を使うことになる。しかし、小規模な事業者の後継者探しを得意とする外部機関の数自体が少なく、外部機関を使用したとしても適切な後継者が見つかるとは限らない。にもかかわらず、外部機関に支払う仲介手数料は、高額であることが多い。このため、外部機関の使用を躊躇する事業者も多い。このような実状に鑑みてか、これまでには、インターネット等を利用した事業承継支援システムもいくつか提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、事業者間の事業承継の際に、引渡事業者の引渡事業者情報及び引受事業者の引受事業者情報に基づいて引渡事業者と引受事業者とを適合させる事業承継支援システムが開示されている。この事業承継支援システムは、引渡事業者情報及び引受事業者情報が入力されるデータベースと、データベースに入力された引渡事業者情報及び引受事業者情報に基づいて引渡事業者と引受事業者との適合性を判定する適合性判定手段と、適合性判定手段による判定結果に基づいて引渡事業者と引受事業者との面談が成立した旨の適合性一致情報を生成する適合性一致情報生成手段と、適合性一致情報生成手段で生成された適合性一致情報に基づいて引渡事業者及び引受事業者に対する課金情報を生成する課金情報生成手段と、を有する事業承継支援プログラムによって実行される。特許文献1には、上記の構成を採用することによって、事業承継の際の費用を抑えることが可能になる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-071551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の事業承継支援システムは、後継者を探している事業者(同文献における「引渡事業者」のこと。本明細書においては「後継求人者」と呼ぶ。)が費用を負担することには変わらない。加えて、事業承継支援システムを運営する業者に対して後継求人者が積極的にアクセスし、どのような求人情報を掲載してほしいのかについても積極的に伝える必要がある。このため、後継求人者に金銭負担や労力負担がかかる。
【0006】
また、特許文献1の事業承継支援システムは、後継者になる意思がある人(同文献における「引受事業者」のこと。本明細書においては「後継希望者」と呼ぶ。)からも費用を徴収する。加えて、後継希望者が、自身に関する情報を予め登録しておく必要がある。このため、後継希望者にも金銭負担や労力負担がかかる。
【0007】
さらに、特許文献1の事業承継支援システムは、地域活性化のツールとしては使用しにくいものとなっている。すなわち、過疎化に悩んでいる地方自治体等は、後継者問題を抱える地域内の事業者(後継求人者)に、後継希望者を紹介することで、地域の活性化を図ろうとするところもある。しかし、特許文献1の事業承継支援システムは、後継求人者単位で利用するものとなっており、地方自治体等の地域団体単位で利用できるものとはなっていない。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、後継求人者と後継希望者の負担を軽減できるだけでなく、地域団体単位で利用することができ、地域の活性化を図ることもできる事業承継支援システムを提供するものである。また、この事業承継支援システムをコンピュータに実行させるプログラムを提供することも本発明の目的である。さらに、この事業承継支援システムを用いた事業承継支援方法を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、
後継者を探している後継求人者と、後継者になる意思がある後継希望者とのマッチングを、インターネット上で地域団体を介して行う事業承継支援システムであって、
後継求人者の求人情報を蓄積する求人データベースと、
地域団体ごとの管理情報を蓄積する管理データベースと、
求人データベース及び管理データベースを用いた各種処理を行う処理実行部と
を有するサーバーを備え、
地域団体ごとに独立したプラットフォームで求人情報を紹介及び管理できるようにしたことを特徴とする事業継承支援システム
を提供することによって解決される。
【0010】
このように、地域団体(地方自治体、商工会、協同組合又はまちづくり団体等)単位で事業承継支援システムを利用できるようにすることで、例えば、地域団体がその地域内の後継求人者を募り、その後継求人者の求人情報を求人データベースに登録するといった利用方法が可能になる。このため、後継求人者の労力負担を軽減することができるだけでなく、事業承継支援システムの利用を地域の活性化に繋げることも可能になる。また、事業承継支援システムの利用料は、地域団体単位でサブスクリプションにより回収するといったことも可能になる。このため、後継求人者や後継希望者の費用負担を軽減することもできる。
【0011】
本発明の事業承継支援システムにおいては、
求人データベースに蓄積されるそれぞれの求人情報に承継パターンが含まれることによって、後継希望者が承継パターンに基づいて求人情報を閲覧できるようにするとともに、
承継パターンとして、少なくとも、後継ぎ求人、弟子・インターン、副業・兼業又は事業譲渡のうち少なくとも2つ以上が用意されていることが好ましい。承継パターンとしては、後継ぎ求人、弟子・インターン、副業・兼業及び事業譲渡の全てを用意することもできる。
【0012】
これにより、後継求人者は、自らが希望する承継パターンを明らかにした上で後継者を求めることができる一方、後継希望者は、自らが希望する承継パターンに適合する後継求人者を探すことが可能になる。このため、後継求人者と後継希望者とのミスマッチが生じにくくすることができる。
【0013】
本発明の事業承継支援システムにおいては、後継求人者と地域団体、地域団体と後継希望者、又は、後継希望者と後継求人者との間でメッセージの遣り取りを可能とするメッセージ機能を、前記サーバーに設けることが好ましい。
【0014】
これにより、後継希望者は、自らが候補に選んだ後継求人者に関する不明点等を、地域団体や後継求人者に直接質問することができる。このため、後継求人者と後継希望者とのミスマッチがより生じにくくすることができる。また、地域団体と後継希望者との間や、後継希望者と後継求人者との間でも、メッセージを遣り取りしたい場合もあり得るところ、そのような要求を満たすことも可能になる。
【0015】
本発明の事業承継支援システムは、上記の処理実行部に係る処理を前記サーバーに実行させるプログラムを前記サーバーに実装することで実現することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によって、後継求人者と後継希望者の負担を軽減できるだけでなく、地域団体単位で利用することができ、地域の活性化を図ることもできる事業承継支援システムを提供することが可能になる。また、この事業承継支援システムをコンピュータに実行させるプログラムを提供することも可能になる。さらに、この事業承継支援システムを用いた事業承継支援方法を提供することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の事業承継支援システムの概要を説明する図である。
図2】本発明の事業承継支援システムのネットワーク概念図である。
図3】本発明の事業承継支援システムを運用するサーバーのブロック図である。
図4】本発明の事業承継支援システムのウェブページ(トップページ)の一例を示した図である。
図5】本発明の事業承継支援システムで用いるウェブページの検索項目選択部Pに設置されるプルダウンメニューの一例を示した図である。
図6】本発明の事業承継支援システムで用いるウェブページにおいて、地域を特定して検索を行った状態を示した図である。
図7】本発明の事業承継支援システムで用いるウェブページにおいて、個別案件紹介ページを表示させた状態を示した図である。
図8】本発明の事業承継支援システムのウェブページで、お問い合わせ一覧を表示した状態を示した図である。
図9】本発明の事業承継支援システムのウェブページで、地域団体が後継希望者とメッセージの遣り取りをしている様子を示した図である。
図10】本発明の事業承継支援システムのウェブページにおいて、業種を特定して求人情報を検索している様子を示した図である。
図11】本発明の事業承継支援システムのウェブページにおいて、継ぎ方を特定して求人情報を検索している様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の事業承継支援システムの好適な実施形態について、図面を用いてより具体的に説明する。以下で述べる内容は、飽くまで一例に過ぎず、本発明の事業承継支援システムに係る技術的範囲は、以下で述べる構成に限定されない。本発明の事業承継支援システムは、発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更を施すことが可能である。図1は、本発明の事業承継支援システムの概要を説明する図である。図2は、本発明の事業承継支援システムのネットワーク概念図である。図3は、本発明の事業承継支援システムを運用するサーバーのブロック図である。
【0019】
本発明の事業承継支援システムは、図1に示すように、後継求人者1と後継希望者2との間に、地域団体3と事業承継支援業者4とが入り、後継求人者1と後継希望者2とのマッチングを行うことを目的とするものとなっている。この事業承継支援システムは、事業承継支援業者4によって運営される。
【0020】
事業承継支援業者4は、図2に示すように、インターネットに接続されたサーバー10を保有している。このサーバー10は、図3に示すように、求人データベース11と、管理データベース12と、処理実行部13とを有している。求人データベース11は、後継求人者1(図1)の求人情報を蓄積していくためのものであり、管理データベース12は、地域団体3(図1)の管理情報を地域団体3ごとに蓄積していくためのものである。
【0021】
処理実行部13は、求人データベース11及び管理データベース12を用いた各種処理を行い、その処理を反映させたウェブページを、サーバー10にアクセスした利用者(後継希望者2や地域団体3)の端末2a,3a(図2)のウェブブラウザ上に表示する。そのウェブページを介して利用者から何らかの要求があった場合には、処理実行部13は、その要求に合った処理を実行し、ウェブブラウザ上の表示内容を変更する。この処理実行部13は、コンピュータプログラムとしてサーバー10に実装される。
【0022】
後継求人者(図1)は、後継者を探している事業者である。後継求人者1は、法人と自然人の種別を問わない。後継求人者1は、大企業や中企業であってもよいが、本発明の事業承継支援システムでは、中小企業や小規模企業や個人事業主等を主なターゲットとしている。後継求人者1の業種としては、飲食業や、宿泊業や、製造業や、農業や、林業や、漁業等が例示される。
【0023】
また、後継希望者2(図1)は、後継者になる意思がある人のことをいう。後継希望者2としては、Uターン就職希望者や、Iターン就職希望者等が例示される。後継希望者2は、1名である場合もあるし、夫婦等、複数名である場合もある。さらに、地域団体3(図1)は、地域単位での活動を行っている団体のことをいう。地域団体3としては、市町村等の地方自治体のほか、地域の商工会や、銀行や信用金庫等の金融機関や、協同組合(農業協同組合、森林組合又は漁業協同組合等)や、各種のまちづくり団体等が例示される。
【0024】
本発明の事業承継支援システムの利用を希望する地域団体3(図1)は、事業承継支援業者4(図1)と予め、その旨の契約を行っておく。このとき、事業承継支援システムの利用料も決定される。事業承継支援システムの利用料の支払い方式としては、それを支払うと事業承継支援システムを一定期間(1ヶ月間、3ヶ月間、半年間、1年間又は3年間等)にわたって利用できるようになるサブスクリプション方式と、利用件数(例えば取り扱い案件の件数等)に応じて課金される重量方式等が例示される。本実施形態においては、サブスクリプション方式を採用している。
【0025】
地域団体3と事業承継支援業者4との間で契約が締結されると、事業承継支援業者4は、サーバー10(図2)上に、その地域団体用のプラットフォームを開設する。具体的には、図3に示すように、サーバー10の管理データベース12に、その地域団体用の管理データD(nは1以上の整数)を設定するとともに、求人データベース11に、その地域団体用の求人データスペースSを確保する。また、事業承継支援業者4は、その地域団体3に対し、IDとパスワードを発行する。このIDとパスワードは、地域団体3がインターネットを経由してサーバー10にアクセスする際の照合に使用される。これにより、地域団体3は、事業承継支援システムを利用できる状態となる。
【0026】
事業承継支援システムを利用できる状態となった地域団体3は、その地域における後継者不足に悩んでいそうな事業者(後継求人者1の候補)に対し、本発明の事業承継支援システムへの応募情報を提供する。その応募情報を受け取った事業者(後継求人者1)は、事業承継支援システムへの求人情報の掲載を希望する場合には、その地域団体3に対して掲載を申し込む。パソコンやインターネットの利用に不慣れな後継求人者が多いことを考慮し、地域団体3と後継求人者1との間の手続きは、パソコンやインターネットを利用しない形(電話やファクシミリや郵便等)でも行えるようにしておくことが好ましい。
【0027】
事業者(後継求人者1)からの申し込みがあると、地域団体3は、その後継求人者1やその求人内容が応募条件を満たしているか否か等の所定の審査を行う。その審査に合格する後掲求人者1があった場合には、その旨を後掲求人者1及び事業承継支援業者4に伝える。その旨の連絡を受けた事業承継支援業者4は、地域団体3から提供された情報、及び、事業承継支援業者4から後継求人者1に追加で聞き取りを行った内容に基づき、求人データ(求人記事)を作成し、その求人データを求人データベース11(図3)に登録する。求人データを構成する事項としては、承継パターン(後継ぎ求人、弟子・インターン、副業・兼業又は事業譲渡等のいずれに該当するか)のほか、後継求人者1の名称(法人名称や屋号名称等)、事業所所在地、事業内容、営業時間、事業規模(従業員数や資本金額等)、応募資格(年齢、性別又は各種免許の有無等)、各種条件等の書誌的事項が挙げられる。
【0028】
しかし、上記の書誌的事項のみでは、後継求人者1の事業の魅力等を十分に伝えにくい。このため、求人データには、後継求人者1への取材内容(代表者や従業員のインタビュー内容)や写真等を含めることが好ましい。この場合には、事業承継支援業者4や、事業承継支援業者4から委託を受けた業者が、後継求人者1を訪問取材又はオンライン取材することで、記事(求人データ)を作成してサーバー10にアップロードする。ただし、記事(求人データ)の作成や登録は、地域団体3が行ってもよいし、地域団体3から委託を受けた業者(ホームページ作成業者等)が行ってもよい。記事(求人データ)のアップロード(更新を含む。)は、オンラインで行うことができる。
【0029】
事業承継支援システムを利用する地域団体3が増加するにつれて、図3に示すように、管理データベース12に登録される管理データDが増加するとともに、求人データベース11に登録されるデータスペースSも増加していく。また、それぞれの地域団体3が取り扱う求人案件が増加するにつれて、各地域団体3の求人データスペースSに登録される求人データの件数も増加していく。後継希望者2(図2)は、自身のコンピュータ端末2a(パソコンやタブレット型コンピュータやスマートフォン等)を用いて、事業承継支援システムのウェブページにアクセスし、希望にあった求人がないか検索を行う。
【0030】
図4は、本発明の事業承継支援システムのウェブページ(トップページ)の一例を示した図である。事業承継支援システムのウェブページのデータは、サーバー10(図2)に保存されている。本実施形態において、トップページには、図4に示すように、タイトル表示部Pと、検索項目選択部Pと、新着情報表示部Pと、求人案件表示部Pと、会員登録ボタンPと、ログインボタンPと、その他ボタンPとが設けられている。その他ボタンPは、ウェブサイトの解説ページや、連載記事や、ウェブサイトに関するお問い合わせページ等へ移動するためのボタンとなっている。
【0031】
タイトル表示部Pは、事業承継支援システムのサービス名称等を表示するエリアである。本実施形態においては、このタイトル表示部Pに「二ホン/継業バンク」という文字を表示している。ウェブページが、図4に示す初期の表示状態から変わったときには、このタイトル表示部Pをクリックすることで、初期の表示状態へと戻すことができる仕様となっている。新着情報表示部Pは、直近に追加された求人案件等、新着情報が表示されるエリアである。新着情報表示部Pにおける所定箇所をクリックすると、クリックされた箇所の求人案件に対応するページ(後述する個別案件ページ)に移動する。
【0032】
また、求人案件表示部Pは、求人案件を表示するエリアとなっている。この求人案件表示部Pでは、それぞれの求人案件は、サムネイル画像と数行程度のテキスト(更新日付、紹介文及び地域名等)とを組み合わせた状態で表示されるようになっている。サムネイル画像の左上には、「後継ぎ求人」、「インターン・弟子」又は「事業譲渡」といった継ぎ方(承継パターン)が表示される。求人案件表示部Pにおける所定箇所(サムネイル画像やテキストが表示されたエリア)をクリックすると、クリックされた箇所の求人案件に対応するページ(後述する個別案件ページ)に移動する。
【0033】
求人案件の検索を行っていない初期状態においては、求人案件表示部Pをブランクとしてもよいが、本実施形態においては、初期状態においても、求人案件表示部Pに所定数の求人案件が表示されるようにしている。初期状態の求人案件表示部Pに表示する求人案件の選択基準は、特に限定されない。更新日付が近い順に表示したり、締切日付が近い順に表示したり、アクセス数が多い順に表示したり、ランダムに表示したりすることができる。
【0034】
検索項目選択部Pは、後継希望者2(図1)が自身に合った求人案件を検索する際に検索項目を選択するエリアとなっている。本実施形態においては、検索項目選択部Pに、地域選択部P2.1と、業種選択部P2.1と、継ぎ方選択部P3.1とを設けている。地域選択部P2.1、業種選択部P2.1及び継ぎ方選択部P3.1には、それぞれ「地域で探す」、「仕事で探す」及び「継ぎ方で探す」というテキストが表わされている。地域選択部P2.1、業種選択部P2.2及び継ぎ方選択部P2.3は、いずれもプルダウンメニューとなっており、それをクリックすると、それに対応した検索項目が下側に表示されるようになっている。
【0035】
図5は、本発明の事業承継支援システムで用いるウェブページの検索項目選択部Pに設置されるプルダウンメニューの一例を示した図である。図5(a)は、地域選択部P2.1をクリックした状態を、図5(b)は、業種選択部P2.1をクリックした状態を、図5(c)は、継ぎ方選択部P3.1をクリックした状態をそれぞれ示している。
【0036】
地域選択部P2.1は、求人データベース11(図3)に登録された複数の求人データ(求人案件)を地域でスクリーニングし、後継希望者2(図1)が選択した特定の地域の求人案件だけを抽出して表示させるものとなっている。本実施形態においては、図5(a)に示すように、地域選択部P2.1をクリックすると、複数の地域の名称がプルダウン表示され、その中から1つの地域を選んでクリックすると、クリックされた地域の求人案件のみが抽出されて表示されるようになっている。
【0037】
例えば、図5(a)に示すプルダウンメニューに表示された地域のなかから、「A県B市」を選択すると、図6に示すように、A県B市の求人案件が抽出されて求人案件表示部Pに表示される。図6は、本発明の事業承継支援システムで用いるウェブページにおいて、地域を特定して検索を行った状態を示した図である。
【0038】
このとき、タイトル表示部Pの表示が、「二ホン/継業バンク」(図4)から「A県B市/継業バンク」(図6)に切り替わる。また、地域選択部P2.1の表示が、「地域で検索」(図4)から「A県B市」(図6)に切り替わる。さらに、新着情報表示部P図4)が地域紹介文表示部Pに切り替わる。この地域紹介文表示部Pには、選択されたA県B市の紹介文が表示される。このように、タイトル表示部P等の表示を、選択された地域に対応したものとすることで、ウェブサイトの利用者(後継希望者2等)が、現在、どの地域の求人案件を検索しているのかを把握しやすくなっている。
【0039】
求人案件表示部Pにおける所定箇所(サムネイル画像やテキストが表示されたエリア)をクリックすると、クリックされた箇所の求人案件に対応するページが表示される。
例えば、図6の状態の求人案件表示部Pに表示された求人案件のうち、最初の求人案件(上側の段の左側に表示された求人案件)をクリックすると、図7に示すように、個別案件紹介ページに移動する。図7は、本発明の事業承継支援システムで用いるウェブページにおいて、個別案件紹介ページを表示させた状態を示した図である。
【0040】
個別案件紹介ページには、図7に示すように、個別案件表示部Pと、応募・問い合わせボタンP10とが設けられている。個別案件表示部Pには、その求人案件の書指摘事項(承継パターン、後継求人者1(図1)の名称、事業所所在地、事業内容、営業時間、事業規模、応募資格、各種条件等の書誌的事項に加えて、その後継求人者1が行っている事業の詳しい説明文が表示される。個別案件表示部Pには、写真等の画像のほか、音声データや動画を掲載することもできる。これらの書誌的事項や説明文や画像等は、求人データベース11(図3)に登録されたものが利用される。これにより、後継希望者2(図1)は、興味を持った求人案件について、詳しい情報を得ることができる。
【0041】
個別案件表示部Pの説明を読んだ後継希望者2が、その求人案件に応募したいと考えた場合や、その求人案件について不明点を問い合わせしたいと考えた場合には、応募・問い合わせボタンP10をクリックする。すると、その求人案件の応募・問い合わせページ(図示省略)に移動する。応募・問い合わせページには、求人希望者2の氏名や連絡先やコメント(応募の意思を表示する文章や、問い合わせの文章等)を入力するための入力フォームと、送信ボタンとが設けられている。所定箇所を入力した上で、送信ボタンをクリックすると、その内容がその求人案件を管理する地域団体3(本例の場合には、A県B市)に送信される。
【0042】
後継希望者2からの応募又は問い合わせを受け取った地域団体3は、後継求人者1にその旨を伝える。その後は、後継求人者1から後継希望者2から連絡を取り、面接等を経て、その後継希望者2を採用するか否かを後継求人者1が決定する。後継求人者1と後継希望者2との間の話し合いがある程度進むまでの間は、地域団体3が仲介する形で話を進めてもよい。この点、本実施形態においては、地域団体3と後継求人者1との間でメッセージの遣り取りを可能とするメッセージ機能をウェブページに組み込んでいる。
【0043】
上記のメッセージの遣り取りは、地域団体3と後継希望者2の双方がウェブサイトにログインした状態で所定のページ(例えば、地域団体3及び後継希望者2のそれぞれの管理ページ)を表示させると、行うことができるようになっている。ウェブサイトへのログインは、ログインボタンP図4)をクリックして、ログイン画面(図示省略)に移動し、IDとパスワードを打ち込むことで行うことができる。既に述べたように、地域団体3には、事業承継支援業者4(図1)と契約を締結したときに、IDとパスワードが発行されている。一方、後継希望者1は、ウェブサイトの会員登録ボタンP図4)をクリックして、会員登録画面(図示省略)に移動し、所定事項を記入すると、IDとパスワードを受け取ることができる。
【0044】
地域団体3と後継希望者2との間のメッセージの遣り取りは、例えば、以下の流れで行われる。図8は、本発明の事業承継支援システムのウェブページで、お問い合わせ一覧を表示した状態を示した図である。このページには、案件選択部P11が設けられている。地域団体3は、同時期に複数の求人案件を取り扱い、後継希望者2も、同時期に複数の求人案件に問い合わせをすることがあるところ、案件選択部P11には、そのときに取り扱っている求人案件の案件名がリスト表示されるようになっている。案件選択部P11に表示された案件名のうちいずれかをクリックすると、その案件名に対応した求人案件についてメッセージの遣り取りを行うページが表示される。
【0045】
図9は、本発明の事業承継支援システムのウェブページで、地域団体3(図1)が後継希望者2(図1)とメッセージの遣り取りをしている様子を示した図である。このページには、図9に示すように、メッセージ表示部P12と、メッセージ入力部P13と、ファイル添付ボタンP14と、送信ボタンP15とが設けられている。メッセージ入力部P13にメッセージ(質問や回答等)を入力した状態で送信ボタンP15をクリックすると、メッセージ入力部P13に入力されている内容が、メッセージ表示部P12に時系列で追加されていく。これにより、過去の質問内容や回答内容を確認することができる。
【0046】
メッセージ入力部P13にメッセージを入力する際には、各種ファイル(画像ファイルや動画ファイル等)を添付することも可能である。ファイルの添付は、ファイル添付ボタンP14をクリックして、希望のファイルを指定することで行うことができる。これにより、文章だけでは説明がしにくい内容でも、画像や動画等を用いて分かりやすく説明することが可能になる。
【0047】
また、会員登録を行った会員(後継希望者2等)には、さらなる特典を付与することもできる。例えば、過去に閲覧した求人案件の閲覧履歴を表示する機能(閲覧履歴表示機能)や、「お気に入り」登録した求人案件を固定的又は優先的に表示する機能(クリップ機能)等を利用できるようにすることができる。また、会員登録された人のうち、希望者には、メールマガジンを配信するといったことも可能である。
【0048】
再び、検索項目選択部P図4)の話に戻る。検索項目選択部Pにおける業種選択部P2.2は、求人データベース11(図3)に登録された複数の求人データ(求人案件)を業種(仕事内容等)でスクリーニングし、後継希望者2(図1)が選択した特定の業種の求人案件だけを抽出して表示させるものとなっている。具体的には、図5(b)に示すように、業種選択部P2.2をクリックすると、複数の業種がプルダウン表示され、その中から1つの業種を選んでクリックすると、クリックされた業種の求人案件が抽出されて表示されるようになっている。
【0049】
本実施形態においては、業種選択部P2.2をクリックすると、プルダウンメニューに、業種として、「飲食業」、「宿泊業」、「ものづくり」、「農業・林業」及び「その他」が表示されるようになっている。例えば、これらのなかから、「飲食業」を選択すると、図10に示すように、飲食業に関する求人案件のみが抽出されて求人案件表示部Pに表示される。図10は、本発明の事業承継支援システムで用いるウェブページにおいて、業種を特定して検索を行った状態を示した図である。
【0050】
このときには、業種選択部P2.2の表示が、「仕事で検索」(図4)から「飲食業」(図10)に切り替わる。このように、業種選択部P2.2の表示を、選択された業種に対応したものとすることで、ウェブサイトの利用者(後継希望者2等)が、現在、どの業種の求人案件を検索しているのかを把握しやすくなっている。地域選択部P2.1で地域を指定して検索を行った場合と同様、求人案件表示部Pにおける所定箇所(サムネイル画像やテキストが表示されたエリア)をクリックすると、クリックされた箇所の求人案件に対応するページが表示される。
【0051】
検索項目選択部Pにおける継ぎ方選択部P2.3は、求人データベース11(図3)に登録された複数の求人データ(求人案件)を継ぎ方(承継パターン)でスクリーニングし、後継希望者2(図1)が選択した特定の承継パターンの求人案件だけを抽出して表示させるものとなっている。具体的には、図5(c)に示すように、継ぎ方選択部P2.3をクリックすると、複数の継ぎ方がプルダウン表示され、その中から1つの継ぎ方を選んでクリックすると、クリックされた継ぎ方の求人案件が抽出されて表示されるようになっている。
【0052】
本実施形態においては、継ぎ方選択部P2.3をクリックすると、プルダウンメニューに、継ぎ方(承継パターン)として、「後継ぎ求人」、「インターン・弟子」及び「事業譲渡」が表示されるようになっている。継ぎ方(承継パターン)としては、上記で挙げたもののほか、「副業・兼業」等を用意することもできる。例えば、これらのなかから、「後継ぎ求人」を選択すると、図11に示すように、後継ぎ求人に関する求人案件のみが抽出されて求人案件表示部Pに表示される。図11は、本発明の事業承継支援システムで用いるウェブページにおいて、継ぎ方を特定して検索を行った状態を示した図である。
【0053】
このときには、継ぎ方選択部P2.3の表示が、「継ぎ方で検索」(図4)から「後継ぎ求人」(図11)に切り替わる。このように、継ぎ方選択部P2.3の表示を、選択された業種に対応したものとすることで、ウェブサイトの利用者(後継希望者2等)が、現在、どの継ぎ方の求人案件を検索しているのかを把握しやすくなっている。地域選択部P2.1で地域を指定して検索を行った場合や、業種選択部P2.2で業種を指定して検索を行った場合と同様、求人案件表示部Pにおける所定箇所(サムネイル画像やテキストが表示されたエリア)をクリックすると、クリックされた箇所の求人案件に対応するページが表示される。
【0054】
以上では、地域選択部P2.1、業種選択部P2.2及び継ぎ方選択部P2.3のうち、1つの選択部のみを使用して検索する場合を説明したが、これらの選択部の複数を組み合わせて検索することもできる。この場合には、地域選択部P2.1、業種選択部P2.2又は継ぎ方選択部P2.3で選択された項目がアンド条件で検索されて、その結果が求人案件表示部Pに表示される。
【0055】
地域選択部P2.1、業種選択部P2.2又は継ぎ方選択部P2.3で一旦選択した項目をキャンセルしたい場合には、図5に示すように、キャンセルしたい選択部をクリックしてプルダウンメニューを表示させ、その一番上側の項目(地域選択部P2.1図5(a))では「地域で探す」と記載された箇所、業種選択部P2.2図5(b))では「仕事で探す」と記載された箇所、継ぎ方選択部P2.3図5(c))では「継ぎ方で探す」と記載された箇所)をクリックする。これにより、その選択部を未選択の状態に戻すことができる。
【0056】
以上のように、本発明の事業承継支援システムは、後継希望者2が求人案件を直感的に検索した後、気に入った求人案件に容易に応募することができるものとなっている。また、本発明の事業承継支援システムでは、地域団体3ごとに独立したプラットフォームで求人情報を紹介及び管理できるため、その利用を地域の活性化に繋げやすい。また、後継求人者や後継希望者の負担を軽減することもできる。
【符号の説明】
【0057】
1 後継求人者
2 後継希望者
2a コンピュータ端末
3 地域団体
3a コンピュータ端末
4 事業承継支援業者
10 サーバー
11 求人データベース
12 管理データベース
13 処理実行部
~D 管理データ
タイトル表示部
検索項目選択部
2.1 地域選択部
2.2 業種選択部
2.3 継ぎ方選択部
新着情報表示部
求人案件表示部
会員登録ボタン
ログインボタン
その他ボタン
地域紹介文表示部
個別案件表示部
10 応募・問い合わせボタン
11 案件選択部
12 メッセージ表示部
13 メッセージ入力部
14 ファイル添付ボタン
15 送信ボタン
~S 求人データスペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11