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  • 特開-車載装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177512
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】車載装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20221124BHJP
【FI】
B60R11/02 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083821
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤村 武
(72)【発明者】
【氏名】篠塚 悠司
(72)【発明者】
【氏名】畑 宏司
(72)【発明者】
【氏名】森田 学
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BE03
(57)【要約】
【課題】再生音の音量を制御して消費電力を抑える場合でも、再生音の聞き取り難さを防止できる車載装置を提供すること。
【解決手段】車両2に搭載される車載装置において、音声信号を増幅する増幅器24を有した音声信号出力部12と、前記車両2における消費電力を抑える場合に、前記増幅器24に入力される前記音声信号の音声信号レベルDに応じた減少量で、前記増幅器24に入力される前記音声信号の音声信号レベルDを減少させる制御部10と、を備える構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置において、
音声信号を増幅する増幅器を有した音声信号出力部と、
前記車両における消費電力を抑える場合に、前記増幅器に入力される前記音声信号の音声信号レベルに応じた減少量で、前記増幅器に入力される前記音声信号の音声信号レベルを減少させる制御部と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記音声信号の音声信号レベルが低いほど、当該音声信号レベルの減少量を小さくする、
ことを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
外部機器が接続されるコネクタ部と、
前記コネクタ部に接続された前記外部機器に電力を供給する外部機器用電源回路と、を備え、
前記制御部は、
前記外部機器に供給される電力、及び、前記増幅器に入力される前記音声信号の音声信号レベルに応じた減少量で、前記増幅器に入力する前記音声信号の音声信号レベルを減少させる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記外部機器に供給される電力の第1期間長における平均値、及び、前記音声信号の音声信号レベルの第2期間長における平均値に応じた減少量で、前記音声信号の音声信号レベルを減少させる
ことを特徴とする請求項3に記載の車載装置。
【請求項5】
前記車両の状態を示す車両情報に基づいて、当該車両における消費電力を抑える必要があるか否かを判定する消費電力抑制判定部を備え、
前記制御部は、
前記消費電力抑制判定部によって前記消費電力を抑える必要があると判定された場合に、前記増幅器に入力される前記音声信号の音声信号レベルを減少させる
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両における消費電力を低減する手法として、車載装置が車室内に出力する再生音の音量を消音、又は、ある低い一定の音量に制限する各種の技術が知られている(例えば、特許文献1から5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-111913号公報
【特許文献2】特開平05-063129号公報
【特許文献3】特開2019-016966号公報
【特許文献4】米国特許第6108426号明細書
【特許文献5】特開2020-167535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、音量が消音、又は、ある低い一定の音量に制限されるため、再生音が聴感で聞き取りに難いといった問題がある。
【0005】
本発明は、再生音の音量を制御して消費電力を抑える場合でも、再生音の聞き取り難さを防止できる車載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、車両に搭載される車載装置において、音声信号を増幅する増幅器を有した音声信号出力部と、前記車両における消費電力を抑える場合に、前記増幅器に入力される前記音声信号の音声信号レベルに応じた減少量で、前記増幅器に入力される前記音声信号の音声信号レベルを減少させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、再生音の音量を制御して消費電力を抑える場合でも、再生音の聞き取り難さを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るオーディオ装置の機能的構成を示すブロック図である。
図2】制御部の機能的構成を示すブロック図である。
図3】判定用データを模式的に示す図である。
図4】消費電力抑制処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るオーディオ装置1の機能的構成を示すブロック図である。
オーディオ装置1は、自動車などの車両2に搭載される車載装置の一態様であり、車室内に音声を出力する音声出力機能を有しており、また、車両2における消費電力を抑制する機能を備えている。
かかるオーディオ装置1は、図1に示すように、オーディオ装置1の各部を制御する制御部10と、車両2に設けられた1又は複数のスピーカ装置4に第1の音声信号A1を出力する音声信号出力部12と、1又は複数(図示例は複数)の外部機器6が接続される外部機器接続部14と、を備え、車両2が備える電源8から供給される電力Bによって動作する。
【0010】
制御部10は、コンピュータの機能を有した制御IC20を備えている。具体的には、制御IC20は、プログラムを実行するプロセッサと、当該プログラムを含む各種データを記憶するメモリデバイスと、音声信号出力部12や外部機器接続部14との間で信号を送受するインターフェース回路と、を含み、プロセッサがプログラムを実行することで、各種の機能を実現する集積回路である。
【0011】
音声信号出力部12は、車両2に設けられた1又は複数(図示例では複数)の音源ソース機器9から出力される音源信号Cに基づいて上記第1の音声信号A1を生成し、当該第1の音声信号A1をスピーカ装置4に出力する。これにより、音源信号Cの再生音がスピーカ装置4から車室内に出力される。
音源ソース機器9は、例えば、光ディスクや半導体メモリなどの記録媒体に記録されている音源信号Cを読み取る記録媒体読取装置や、音源信号Cを含むラジオ放送やテレビ放送、インターネット放送を受信する受信装置などである。
なお、オーディオ装置1が音源ソース機器9を内蔵してもよい。
【0012】
本実施形態の音声信号出力部12は、図1に示すように、DSP(Digital Signal Processor)22と、増幅器24と、を備えている。
DSP22は、音源ソース機器9の音源信号Cに対して各種の信号処理を実行し、アナログ形式の第2の音声信号A2を出力する音声信号処理回路の一例であり、この第2の音声信号A2が増幅器24に入力される。DSP22による信号処理は、少なくとも音量調整処理を含んでいる。音量調整処理は、制御部10から出力された音量制御指示Eに基づいて、DSP22が第2の音声信号A2の信号レベル(以下、音声信号レベルDという)を可変することで、再生音の音量を調整する処理である。
【0013】
増幅器24は、第2の音声信号A2を、その音声信号レベルDに応じて増幅することで、上記第1の音声信号A1を生成する電気回路であり、当該第1の音声信号A1がスピーカ装置4に入力される。これにより、音声信号レベルDに応じた音量の再生音がスピーカ装置4から出力される。
【0014】
外部機器接続部14は、外部機器6が物理的に接続される複数のコネクタを有するコネクタ部26と、それぞれの外部機器6の接続を管理するコントローラ28と、それぞれの外部機器6に電力を供給する外部機器用電源回路30と、を備えている。外部機器6は、例えば、車載カメラなどの車載型電子デバイス、又は、スマートフォンなどの可搬型の電子デバイスであり、外部機器6の接続数や種類は、車両2ごと、及びユーザごとに任意となっている。
【0015】
本実施形態の外部機器接続部14は、外部機器6に供給される電力を検出するために、当該外部機器6に外部機器用電源回路30から流れる電流(以下、外部機器消費電流という)を検出する外部機器消費電流検出機能を有している。具体的には、外部機器接続部14の外部機器用電源回路30は、外部機器消費電流を検出する電流検出器32を備え、この電流検出器32の検出による外部機器消費電流の検出値Fが制御IC20に入力されている。
【0016】
図2は、制御部10の機能的構成を示すブロック図である。
本実施形態の制御部10が実現する機能には、音量制御機能と、電力抑制機能と、が含まれている。
音量制御機能は、一般的なオーディオ装置が備える機能であり、制御部10が音量制御指示Eを音声信号出力部12に出力することで、再生音の音量を制御する機能である。音量制御指示Eは、音量の制御量(増減量)を指示する信号である。制御部10は、ユーザの音量設定や、車両2に設けられた1又は複数(図示例では複数)の音源ソース機器9ごとに予め設定された設定値などに基づいて、音量の制御量を決定する。
【0017】
電力抑制機能は、オーディオ装置1における消費電力を抑制する機能である。本実施形態の制御部10は、ユーザの使い方によって消費電力が比較的大きく変わる部位を監視し、この監視の結果に応じて、音声信号出力部12に再生音の音量を下げさせることで、消費電力が抑えられるようになっている。
本実施形態において、かかる部位は、ユーザが設定した音量設定に応じて消費電力が変わる音声信号出力部12と、ユーザが接続する外部機器6に応じて消費電力が変わる外部機器接続部14との2つである。
制御部10は、かかる電力抑制機能を実現するために、図2に示すように、音声信号レベル検出部40と、音声信号レベル監視部42と、外部機器消費電流監視部44と、消費電力抑制判定部45と、音量制御部46と、判定用データ記憶部48と、を備えている。
【0018】
音声信号レベル検出部40は、DSP22から出力された(すなわち、増幅器24に入力される)音声信号レベルDを検出するものである。本実施形態では、図1に示すように、第2の音声信号A2の電圧を検出する電圧検出回路50(例えばADコンバータなど)を制御IC20が備えており、音声信号レベル検出部40は、当該電圧検出回路50による電圧の検出値に基づいて音声信号レベルDを検出する。なお、オーディオ装置1において、電圧検出回路50は、制御IC20と別に設けられてもよい。
【0019】
音声信号レベル監視部42は、音声信号レベルDを音声信号レベル検出部40から逐次に取得し、当該音声信号レベルDをメモリデバイスに記憶することで、音声信号レベルDを監視する。
【0020】
外部機器消費電流監視部44は、外部機器消費電流の検出値Fを外部機器接続部14(本実施形態では、外部機器用電源回路30)から逐次に取得することで、外部機器6への電力供給によって流れる消費電流を監視する。
【0021】
消費電力抑制判定部45は、オーディオ装置1における消費電力抑制の要否を車両情報に基づいて判定する。車両情報は、車両2の状態を示す情報であり、車両2が搭載するバッテリの消費電力が増えることを特定可能な情報を少なくとも含んでいる。かかる情報は、例えば、車両2が、駐停車や信号待ちなどの間にエンジンを停止させた状態(いわゆる、アイドルストップの状態)であることを示す情報である。車両2がアイドルスオップの状態である場合、各種の車載装置は、車両2に搭載されているバッテリの電力を消費して動作するため、バッテリの消費電力が増え、当該バッテリの消耗が早くなる。そこで、車両2がアイドルストップの状態の場合には、当該バッテリの消耗を遅らせるために、オーディオ装置1における消費電力を抑制し、バッテリの消費電力を抑える必要が生じることとなる。
【0022】
音量制御部46は、消費電力抑制が必要な場合に、音量の減少を指示する音量制御指示EをDSP22に入力することで、増幅器24へ入力される音声信号レベルDを低下させる。これにより、増幅器24での信号増幅による消費電流が下がり、当該オーディオ装置1による車両2の消費電力が抑えられる。
【0023】
本実施形態の音量制御部46は、消費電力抑制が必要な場合、音量の減少量を、音声信号レベル監視部42の監視結果G1、及び外部機器消費電流監視部44の監視結果G2に基づいて決定する。
より具体的には、音量制御部46は、音声信号レベルDが大きいほど、(すなわち増幅器24での信号増幅による消費電力が大きいほど)、また、外部機器消費電流量が大きいほど、音量制御指示Eによって指示する音声信号レベルDの減少量を大きくする。これにより、増幅器24での信号増幅による消費電力、及び、外部機器6によって消費される消費電力が大きいほど、音声信号レベルDが大きく下げられ、オーディオ装置1の消費電力が有効に抑えられる。
【0024】
この場合において、音量制御部46は、音声信号レベルDが低いほど、音量制御指示Eによって指示する音声信号レベルDの減少量を小さくする。
これにより、再生音の音量が小さい場合には、音声信号レベルDが過度に低められることがなく、聴感で聞き取り難いなどの問題が発生することが防止される。
【0025】
判定用データ記憶部48は、判定用データ60を予め記憶するものである。
判定用データ60は、音声信号レベル監視部42の監視結果G1、及び外部機器消費電流監視部44の監視結果G2と、音声信号レベルDと、音量制御指示Eによって指示する音声信号レベルDの減少量と、の関係を規定するデータであり、消費電力抑制が必要な場合に音量制御部46によって参照される。
【0026】
図3は、判定用データ60を模式的に示す図である。
同図に示すように、判定用データ60には、音声信号レベルDの減少量の設定値として、音量制限H1から音量制限H5の5つが設定されている。音量制限H1は、音声信号レベルDの減少量がゼロであること(再生音の音量を制限しないこと)を規定した設定である。また、音量制限H2から音量制限H5はそれぞれ音声信号レベルDの減少量が「小」、「中」及び「大」であることを規定した設定値である。
そして、判定用データ60は、これら音量制限H1から音量制限H5の設定値と、音声信号レベル監視部42、及び外部機器消費電流監視部44の監視結果G1、G2と、音声信号レベルDと、の対応を規定している。具体的には、判定用データ60において、音声信号レベルDが低いほど、小さな減少量の設定値が対応付けられており、また、音声信号レベル監視部42、及び外部機器消費電流監視部44の監視結果G1、G2の合算値が大きいほど、大きな減少量の設定値が対応付けられている。
【0027】
本実施形態において、音声信号レベル監視部42の監視結果G1は、第1の所定期間長における音声信号レベルDの平均値であり、外部機器消費電流監視部44の監視結果G2は第2の所定期間長における外部機器消費電流の検出値Fの平均値である。第1の所定期間長、及び第2の所定期間長はそれぞれ任意であり、互いに同じでもよい。
【0028】
図4は、消費電力抑制処理のフローチャートである。
この処理は、オーディオ装置1に電力Bが車両2の側から供給されている間、当該オーディオ装置1が継続的に実行する処理である。
同図に示すように、オーディオ装置1は、音源ソース機器9から音源信号Cが音声信号出力部12に入力されると(ステップS1)、音声信号出力部12が音源信号Cに基づき第1の音声信号A1を生成し、当該第1の音声信号A1をスピーカ装置4に出力することで、車室内へ再生音を出力する。
より具体的には、音声信号出力部12において、DSP22が音源信号Cに基づいて第2の音声信号A2を出力し、この第2の音声信号A2が増幅器24、及び、制御部10(電圧検出回路50)に入力される。そして、当該増幅器24が音声信号レベルDに応じた増幅率で第2の音声信号A2を増幅して上記第1の音声信号A1を生成し、この第1の音声信号A1がスピーカ装置4に出力される。
【0029】
制御部10は、第2の音声信号A2が入力されると、音声信号レベル検出部40が音声信号レベルDを検出し、当該検出結果に基づいて音声信号レベルDを音声信号レベル監視部42がメモリデバイスに逐次に時系列的に記録することで、当該音声信号レベルを監視する(ステップS2)。この監視動作において、音声信号レベル監視部42は、第1の所定期間長ごとに音声信号レベルDの平均値を算出し、算出結果を監視結果G1として出力する。この監視結果G1が音量制御部46に入力される。
【0030】
一方、オーディオ装置1に外部機器6が接続されている場合には、外部機器接続部14の電流検出器32によって外部機器消費電流が検出される。外部機器接続部14が外部機器消費電流の検出値Fを継続的に出力し、かかる外部機器消費電流の検出値Fが制御部10に入力される。
【0031】
そして、制御部10の外部機器消費電流監視部44が、外部機器消費電流の検出値Fをメモリデバイスに逐次に時系列的に記録することで、外部機器消費電流を監視する(ステップS3)。この監視動作において、外部機器消費電流監視部44は、第2の所定期間長ごとに外部機器消費電流の検出値Fの平均値を算出し、算出結果を監視結果G2として出力する。この監視結果G2が音量制御部46に入力される。なお、外部機器消費電流が所定閾値を超えていない場合、電流制限要求信号、及び外部機器消費電流の検出値Fが制御部10に入力されない。このため、ステップS3の監視動作において、外部機器消費電流監視部44は、外部機器消費電流の検出値Fの平均値に代えて、電流制限要求信号が入力されていない旨を監視結果G2として出力する。
【0032】
なお、ステップS2及びステップS3の監視動作の順番は任意であり、また、これらの監視動作が並列的に行われてもよい。
【0033】
次いで、消費電力抑制判定部45が車両情報に基づいて電流制限の要否を判定する(ステップS4)。電流制限が不要と判定された場合(ステップS4:N)、音声信号レベルD、及び外部機器消費電流の監視を継続するために、処理手順をステップS2に戻す。
電流制限が必要と判定された場合(ステップS4:Y)、音量制御部46は、監視結果G1及び監視結果G2と、音声信号レベルDと、判定用データ60と、に基づいて、音量制御指示Eによって指示する音声信号レベルDの減少量を決定する(ステップS5)。より具体的には、音量制御部46は、判定用データ60を参照することで、監視結果G1及び監視結果G2と、音声信号レベルDと、に対応付けられた設定値を特定し、当該設定値に基づき、音声信号レベルDの減少量を決定する。そして、音量制御部46は、当該減少量を指示する音量制御指示Eを生成し、当該音量制御指示Eを音声信号出力部12に出力する(ステップS6)。
【0034】
音声信号出力部12は、音量制御指示Eが入力されると、DSP22が上記音量調整処理を実行することで、増幅器24に入力される音声信号レベルDを、音量制御指示Eによって指示された減少量に応じて下げる(ステップS7)。これにより、増幅器24での信号増幅による消費電力が抑えられる。
【0035】
そして、オーディオ装置1において、電流制限が不要と判定されるまで、上記ステップS2からステップS7の処理が繰り返し実行される。これにより、電流制限が必要な間、再生音の音量が段階的に下げられ、オーディオ装置1による消費電力が抑制される。
【0036】
本実施形態によれば次の効果を奏する。
【0037】
本実施形態のオーディオ装置1は、車両2に搭載される車載装置であって、第2の音声信号A2を増幅する増幅器24を有した音声信号出力部12と、車両2における消費電力を抑える場合に、増幅器24に入力される上記第2の音声信号A2の音声信号レベルDに応じた減少量で、上記増幅器24に入力される上記第2の音声信号A2の音声信号レベルDを減少させる制御部10と、を備える。
この構成によれば、車両2における消費電力を抑える場合には、制御部10は、第2の音声信号A2の音声信号レベルDに応じた減少量で当該音声信号レベルDを減少させるため、ある一定の低い音量に一律的に制限する場合に比べ、聴感で聞き取り難いなどの問題が発生することが防止される。
【0038】
本実施形態のオーディオ装置1において、制御部10は、第2の音声信号A2の音声信号レベルDが低いほど、当該音声信号レベルDの減少量を小さくする。
これにより、音声信号レベルDが過度に低められることがない。
【0039】
本実施形態のオーディオ装置1において、外部機器6が接続されるコネクタ部26と、このコネクタ部26に接続された外部機器6に電力を供給する外部機器用電源回路30と、を備えている。そして、制御部10は、外部機器6に供給される電力(外部機器消費電流)、及び、増幅器24に入力される第2の音声信号A2の音声信号レベルDに応じた減少量で、当該増幅器24に入力する第2の音声信号A2の音声信号レベルDを減少させる。
この構成によれば、車両2における消費電力を抑える場合、ユーザが接続した外部機器6による消費電力も踏まえて、第2の音声信号A2の音声信号レベルDが適切に下げられる。
【0040】
本実施形態のオーディオ装置1において、制御部10は、外部機器6に供給される電力(外部機器消費電流)の第1期間長における値(本実施形態では平均値)、及び、第2の音声信号A2の音声信号レベルDの第2期間長における値(本実施形態では平均値)に応じた減少量で、当該第2の音声信号A2の音声信号レベルDを減少させる。
この構成によれば、そのときどきの外部機器6への供給電力及び第2の音声信号A2の音声信号レベルDに基づいて音声信号レベルDの減少量を決定する構成に比べ、音声信号レベルDの減少量の変化を緩やかにすることができ、聴感での違和感を抑えることができる。
【0041】
本実施形態のオーディオ装置1は、車両2の状態を示す車両情報に基づいて、当該車両2における消費電力を抑える必要があるか否かを判定する消費電力抑制判定部45を備え、制御部10は、消費電力抑制判定部45によって消費電力を抑える必要があると判定された場合に、増幅器24に入力される第2の音声信号A2の音声信号レベルDを減少させる。
これにより、車両2の状態(本実施形態では、車両2に搭載されたバッテリの消費状態)に応じて適切にオーディオ装置1の消費電力を抑えることができる。
【0042】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0043】
例えば、図4の消費電力抑制処理において、ステップS7により、再生音の音量が下げられた後、ユーザが図示せぬ操作部によって音量を上げる操作を行った場合、制御部10は、当該消費電力抑制処理を終了してもよい。これにより、ユーザが正確に聴きたい再生音が出力されている場合に、ユーザが音量を上げる操作を何度も繰り返す、といった事態を防止できる。
【0044】
また例えば、図1及び図2に示す機能ブロックは、本願発明を理解容易にするために、オーディオ装置1、及び、制御部10の構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、各構成要素は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
また、図2に示す制御部10の各構成要素の処理は、1つのハードウェア(本実施形態では制御IC12)で実行されてもよいし、複数のハードウェアにより実行されてもよい。また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0045】
本発明が適用される車載装置は、オーディオ装置1に限らず、音声出力機能を有する任意の車載型の装置であり、例えばナビゲーション装置でもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 オーディオ装置(車載装置)
2 車両
6 外部機器
8 電源
9 音源ソース機器
10 制御部
12 音声信号出力部
14 外部機器接続部
24 増幅器
26 コネクタ部
30 外部機器用電源回路
32 電流検出器
40 音声信号レベル検出部
42 音声信号レベル監視部
44 外部機器消費電流監視部
45 消費電力抑制判定部
46 音量制御部
48 判定用データ記憶部
50 電圧検出回路
60 判定用データ
A2 第2の音声信号(音声信号)
C 音源信号
D 音声信号レベル
E 音量制御指示
図1
図2
図3
図4