(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177532
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】水性皮膚化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20221124BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20221124BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20221124BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/86
A61K8/73
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083862
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124349
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 圭啓
(72)【発明者】
【氏名】長坂 祐理子
(72)【発明者】
【氏名】林 伸二
(72)【発明者】
【氏名】松藤 孝志
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC371
4C083AC372
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC582
4C083AC682
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD212
4C083AD242
4C083AD352
4C083AD391
4C083AD392
4C083AD411
4C083AD412
4C083CC02
4C083CC05
4C083DD31
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
(57)【要約】
【課題】塗布時の伸びの良さとさっぱりとした保湿性に優れ、汗や皮脂で肌がべたつきやすい夏場でも浸透感を感じることができる水性皮膚化粧料の提供。
【解決手段】下記の成分(A)を0.1~10質量%、成分(B)を0.1~6質量%、成分(C)を0.05~5質量%含有することを特徴とする水性皮膚化粧料。
(A)炭素数2~12のジカルボン酸と炭素数1~10の一価アルコールとのジカルボン酸ジエステル
(B)下記式[I]で表されるアルキレンオキシド誘導体
MG-[ O(EO)x(PO)y-(BO)z]4 ・・・式[I]
(式中の各記号は請求項1に記載のとおりである。)
(C)プロテオグリカン
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の成分(A)を0.1~10質量%、成分(B)を0.1~6質量%、成分(C)を0.05~5質量%含有することを特徴とする水性皮膚化粧料。
(A)炭素数2~12のジカルボン酸と炭素数1~10の一価アルコールとのジカルボン酸ジエステル
(B)下記式[I]で表されるアルキレンオキシド誘導体
MG-[ O(EO)x(PO)y-(BO)z]4 ・・・式[I]
(式中、MGはメチルグルコシドから水酸基を除いた残基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基であり、xおよびyはそれぞれEOおよびPOの平均付加モル数であり、0≦x≦20、1≦y≦10である。xが0でない場合、EOとPOがランダム付加し、EOとPOとの合計質量に対するPOの質量比が10~45質量%である。BOはオキシブチレン基であり、zはBOの平均付加モル数であり、0≦z≦4である。)
(C)プロテオグリカン
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布時の伸びの良さとさっぱりとした保湿性に優れ、汗や皮脂で肌がべたつきやすい夏場でも浸透感を感じることができる水性皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚化粧料は、肌に水分や保湿成分を供給し、乾燥や肌荒れを防ぐ目的で使用される。特に冬場は乾燥による肌トラブルが起こりやすいので、保湿性の高い化粧料が好まれやすい。一方、夏場は乾燥が起こりにくいものの、汗や皮脂でべたつきやすいため、高保湿よりも比較的さっぱりとした使用感が好まれやすい。しかし近年の夏場は、紫外線やクーラー、過剰な皮脂分泌により肌のバリア機能が低下し、肌内部の水分量が不足する現象(インナードライ)により、夏場でも乾燥肌になることが知られている。そのため、乾燥を防ぐ高い保湿性と、べたつかないさっぱりとした使用感の両立が求められている。
【0003】
皮膚化粧料の保湿性を高める方法として、多価アルコールや水溶性高分子、アミノ酸などの保湿剤を配合することが挙げられるが、保湿剤を配合すると、べたつきやヌルつきが出る、肌なじみが悪くなるなどの課題があった。また、保湿剤による被膜感があると、高い保湿感を感じやすくなるが、夏場のべたついた肌にとっては不快に感じることがあった。
被膜感とは逆に、浸透感が感じられる化粧料は、残り感が少なくさっぱりとした感触になりやすい、肌に染み込む感覚により肌内部を保湿している実感が得られやすいなどの利点がある。しかし、十分な保湿感が得られない、肌へのなじみが早くて塗布時の伸びが悪いなどの課題があった。特に夏場においては、朝に汗ばんだ顔を水のみで洗顔したことで皮脂が十分に取り切れていなかったり、お風呂上りに大量に汗をかいたりした時の肌では、十分な浸透感が得られにいという課題があった。
【0004】
特許文献1には、二塩基酸を含む混合脂肪酸、グリセリンのオリゴエステル、トラネキサム酸およびその誘導体、2価アルコールを組み合わせた皮膚外用剤が、保湿感を与えつつ、さっぱり感を与える効果を有することが開示されている。しかし、この皮膚外用剤は塗布時の伸びの良さと浸透感の面では不十分だった。
【0005】
特許文献2には、揮発性オイル、特定の融点を持つ極性油脂、25℃で固体の高級アルコールまたは高級脂肪酸、疎水性粉体を含有する水中油型の乳化組成物が、保湿感と肌への伸びの良さ、べたつきの無さに優れることが開示されている。しかし、この乳化組成物は浸透感の面で不十分だった。
【0006】
特許文献3には、水溶性増粘剤を含有し、乳化粒子径や硬度などが調整された水中油型乳化化粧料が、さっぱり感と肌への伸びの良さ、浸透感に優れることが開示されている。しかし、この乳化化粧料は保湿感と夏場の汗ばんだ肌での浸透感の面では不十分だった。
【0007】
以上のように、塗布時の伸びの良さとさっぱりとした保湿性に優れ、汗や皮脂で肌がべたつきやすい夏場でも浸透感を感じることができる水性皮膚化粧料が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2015-218135号公報
【特許文献2】特開2013-199442号公報
【特許文献3】特開2009-102281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、塗布時の伸びの良さとさっぱりとした保湿性に優れ、汗や皮脂で肌がべたつきやすい夏場でも浸透感を感じることができる水性皮膚化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記の水性皮膚化粧料により上記課題が解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
即ち、本発明は、下記の成分(A)を0.1~10質量%、成分(B)を0.1~6質量%、成分(C)を0.05~5質量%含有することを特徴とする水性皮膚化粧料である。
(A)炭素数2~12のジカルボン酸と炭素数1~10の一価アルコールとのジカルボン酸ジエステル
(B)下記式[I]で表されるアルキレンオキシド誘導体
MG-[ O(EO)x(PO)y-(BO)z]4 ・・・式[I]
(式中、MGはメチルグルコシドから水酸基を除いた残基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基であり、xおよびyはそれぞれEOおよびPOの平均付加モル数であり、0≦x≦20、1≦y≦10である。xが0でない場合、EOとPOがランダム付加し、EOとPOとの合計質量に対するPOの質量比が10~45質量%である。BOはオキシブチレン基であり、zはBOの平均付加モル数であり、0≦z≦4である。)
(C)プロテオグリカン
【発明の効果】
【0012】
本発明の水性皮膚化粧料は、塗布時の伸びの良さとさっぱりとした保湿性に優れ、汗や皮脂で肌がべたつきやすい夏場でも浸透感を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。
なお、本明細書において記号「~」を用いて規定された数値範囲は「~」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2~5」は2以上かつ5以下を表す。また、
【0014】
本発明の水性皮膚化粧料は、(A)ジカルボン酸ジエステル、(B)式[I]で表されるアルキレンオキシド誘導体、および(C)プロテオグリカンを含有する。以下、各成分について説明する。
【0015】
<成分(A):ジカルボン酸ジエステル>
本発明に用いられる成分(A)は、炭素数2~12のジカルボン酸と炭素数1~10の一価アルコールとのジカルボン酸ジエステルである。
ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられ、コハク酸などの炭素数4~10のジカルボン酸が好ましい。
一価アルコールとしては、例えば、エタノール、エトキシエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ノナノール、デカノールなどが挙げられ、エトキシエタノールなどの炭素数2~6の一価アルコールが好ましい。
【0016】
ジカルボン酸ジエステルとしては、例えば、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエトキシエチルなどが挙げられる。これらのうち1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、さっぱりとした保湿感、浸透感の観点から、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、コハク酸ジエトキシエチルが好ましく、伸びの良さの観点から、コハク酸ジエトキシエチルがより好ましい。
【0017】
成分(A)として市販品を用いることができ、例えば、コハク酸ジエトキシエチルとしてはクローダジャパン(株)製「クロダモル DES-LQ-(JP)」等が挙げられる。
【0018】
本発明の水性皮膚化粧料における成分(A)の含有量は、組成物全量中、0.1~10質量%であり、好ましくは0.3~5質量%、より好ましくは0.5~2.5質量%である。成分(A)の含有量が少なすぎると、伸びの良さ、保湿性、浸透感が十分に得られないことがあり、含有量が多すぎると、安定性や使用感が低下することがある。
【0019】
<成分(B):アルキレンオキシド誘導体>
本発明に用いられる成分(B)は、下記式[I]で表されるアルキレンオキシド誘導体である。
MG-[ O(EO)x(PO)y-(BO)z]4 ・・・式[I]
式中、MGはメチルグルコシドから水酸基を除いた残基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基であり、xおよびyはそれぞれEOおよびPOの平均付加モル数であり、0≦x≦20、1≦y≦10である。xが0でない場合、EOとPOがランダム付加し、EOとPOとの合計質量に対するPOの質量比が10~45質量%である。BOはオキシブチレン基であり、zはBOの平均付加モル数であり、0≦z≦4である。
好ましくは0≦x≦10、3≦y≦7、0≦z≦1であり、更に、さっぱりとした保湿感、水洗後の浸透感の点では、x=0、4≦y≦6、z=0が好ましい。
【0020】
成分(B)として市販品を用いることができ、例えば、「マクビオブライドMG-20P」(日油(株)製、式[I]中、x=0、y=5、z=0)や、「マクビオブライドMG-10E」(日油(株)製、式[I]中、x=2.5、y=0、z=0)等が挙げられる。
【0021】
本発明の水性皮膚化粧料における成分(B)の含有量は、組成物全量中、0.1~6質量%であり、好ましくは0.3~5質量%であり、より好ましくは0.5~4質量%である。成分(B)の含有量が少なすぎると、保湿感や浸透感が十分に得られないことがあり、多すぎると、伸びの良さ、さっぱり感、高温での安定性が低下することがある。
【0022】
<成分(C):プロテオグリカン>
本発明に用いられる(C)成分は、プロテオグリカンである。
プロテオグリカンは、特殊な構造を有する糖とタンパク質の複合体であり、動物性および植物性のプロテオグリカンが存在する。本発明において成分(C)としては、動物性プロテオグリカン、植物性プロテオグリカンのいずれも用いることができるが、製造コストや、近年の植物性原料が好まれる傾向を考慮すると、植物性プロテオグリカンを用いることが好ましい。
【0023】
植物性プロテオグリカンとしては、マメ科ネムノキ亜科のアカシア(Acacia)属に属するアラビアゴムノキ(Acacia senegal Willdenow)、またはその同属近縁植物から得られるアラビアゴムを原料とするものが好ましく用いられる。植物性プロテオグリカンの市販品としては、例えば「アラビックコールSS」(重量平均分子量:約20万、三栄薬品貿易(株)製)が挙げられる。また、プロテオグリカンの水溶液として市販されている製品を用いることもでき、例えば「フィトプロテオグリカン(登録商標)」(重量平均分子量:約120万、日油(株)製)が挙げられる。
本発明の水性皮膚化粧料には、上記プロテオグリカンの1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】
プロテオグリカンの重量平均分子量は、10万~350万が好ましく、より好ましくは15万~200万、更に好ましくは50万~200万、特に好ましくは100万~150万である。
【0025】
本発明の水性皮膚化粧料における成分(C)の含有量は、組成物全量中、0.05~5質量%であり、好ましくは0.1~4質量%であり、より好ましくは0.5~2質量%である。成分(C)の含有量が少なすぎると、十分な保湿感が得られないことがあり、多すぎると、べたつきが生じたり、安定性が低下したりすることがある。
【0026】
<水>
本発明の水性皮膚化粧料は、上記成分(A)~(C)に加え、通常、水を含有する。
水としては、化粧品用または医薬品用等として一般的に用いられる水を用いることができ、例えば、イオン交換水、精製水、注射用水等を用いることが好ましい。
本発明の水性皮膚化粧料における水の含有量は、上記成分(A)~(C)、更に必要に応じて後述する他の成分を加えた後、全量を100質量%とする量として設定されるが、通常、75~99.75質量%であり、好ましくは79~99質量%であり、より好ましくは75~97質量%である。
【0027】
<他の成分>
本発明の水性皮膚化粧料には、上記成分(A)~(C)および水に加え、必要に応じて、本発明の特徴を損なわない範囲で、化粧料または医薬品に常用されている他の成分を配合することも可能である。他の成分としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、保湿剤、金属イオン封鎖剤、増粘剤、色素、防腐剤、pH調整剤、香料などが挙げられる。また、必要に応じて、親水性の有機溶剤が配合されていてもよく、かかる有機溶剤として、例えば、エタノール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等を用いることができる。
【0028】
本発明の水性皮膚化粧料における上記他の成分の含有量は、目的に応じて、化粧品等において通常用いられる量に準じて設定され得るが、通常25質量%以下であり、好ましくは0.1~20質量%であり、より好ましくは0.5~15質量%である。
【0029】
本発明の水性皮膚化粧料は、常法により製造することができ、例えば、上記成分(A)~(C)、必要に応じて他の成分を水および/または有機溶剤に混合し、均一に溶解または分散させて調製することができる。
【0030】
<用途>
本発明の水性皮膚化粧料は、顔面のみならず、身体の各部位にも適用することができるが、さっぱりとした保湿性に優れ、汗や皮脂で肌がべたつきやすい夏場でも浸透感を感じることができるという効果を有するので、本発明による効果を実感しやすい点から、顔面に適用することが好ましい。
【実施例0031】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
成分(A)~(C)、成分(B’)、成分(C’)、防腐剤、精製水を用いて、表1(実施例1~4)、表2(比較例1~5)に示す組成で水性皮膚化粧料を調製し、下記(1)~(3)の方法により評価を行った。表1および表2に配合成分について示す。
なお、下記成分としては市販の製品を用いた。各成分の配合量は配合した製品中に含まれる有効成分(目的成分)又は固形分の含有量から換算した値である。水を用いて全量を100質量%に調整するに際しては、製品中に含まれる水も用いた。
【0032】
成分(A)
「クロダモル DES-LQ-(JP)」(クローダジャパン(株)製)
成分(B-1)
「マクビオブライドMG-20P」(日油(株)製)
成分(B-2)
「マクビオブライドMG-10E」(日油(株)製)
成分(B’-1)
「ジグリセリン801」(阪本薬品工業(株)製)
成分(B’-2)
「PEG#4000」(日油(株)製)
成分(C)
「フィトプロテオグリカン」(日油(株)製)
成分(C’)
「ヒアルロン酸液HA-LQH1P」(キユーピー(株)製)
【0033】
<評価方法>
(1)塗布時の伸びの良さ、(2)さっぱりとした保湿感、(3)水洗後の浸透感についてそれぞれ評価を行い、下記判断基準にて4段階に判定した。
【0034】
(1)塗布時の伸びの良さ
20名の女性(23~55才)をパネラーとし、顔に水性皮膚化粧料(以下単に「皮膚化粧料」とも言う。)を塗布した時の伸びの良さを評価した。
(評価基準)
2点:塗布時の伸びが良いと感じた。
1点:塗布時の伸びがやや良いと感じた。
0点:塗布時の伸びが悪いと感じた。
(判定基準)
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が30点以上:塗布時の伸びが良い皮膚化粧料である。
○:合計点が20点以上、30点未満:塗布時の伸びがやや良い皮膚化粧料である。
△:合計点が10点以上、20点未満:塗布時の伸びがやや悪い皮膚化粧料である。
×:合計点が10点未満:塗布時の伸びが悪い皮膚化粧料である。
【0035】
(2)さっぱりとした保湿感
20名の女性(23~55才)をパネラーとし、顔に皮膚化粧料を塗布した後のさっぱりとした保湿感を評価した。
(評価基準)
2点:さっぱりとした保湿感を感じた。
1点:ややさっぱりとした保湿感を感じた。
0点:さっぱりとした保湿感を感じなかった。
(判定基準)
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が30点以上:さっぱりとした保湿性のある皮膚化粧料である。
○:合計点が20点以上、30点未満:ややさっぱりとした保湿性のある皮膚化粧料である。
△:合計点が10点以上、20点未満:さっぱりとした保湿性があまりない皮膚化粧料である。
×:合計点が10点未満:さっぱりとした保湿性が全くない皮膚化粧料である。
【0036】
(3)水で洗顔直後の浸透感
20名の女性(23~55才)をパネラーとし、室温30℃、湿度60%の部屋に30分滞在してもらい、顔を軽く水洗いした後に、皮膚化粧料を塗布した時の浸透感を評価した。
(評価基準)
2点:浸透感を感じた。
1点:やや浸透感を感じた。
0点:浸透感を感じなかった。
(判定基準)
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が30点以上:水洗後でも十分に浸透感を感じられる皮膚化粧料である。
○:合計点が20点以上、30点未満:水洗後でも浸透感を感じられる皮膚化粧料である。
△:合計点が10点以上、20点未満:水洗後、あまり浸透感を感じられない皮膚化粧料である。
×:合計点が10点未満:水洗後、全く浸透感を感じられない皮膚化粧料である。
【0037】
【0038】
【0039】
実施例については、いずれのサンプルにおいても、塗布時の伸び、さっぱりとした保湿感に優れ、汗ばんだ顔を水洗した後でも十分に浸透感を感じることができた。
一方、比較例1~5については、十分な効果は得られなかった。
すなわち、比較例1では、成分(B)と異なる成分を使用したため、保湿感はあるがべたつきがあり、さっぱりとした仕上がりにならなかった。
比較例2でも、成分(B)とは異なる成分を使用したため、やや被膜感が強く、浸透感の面で不十分だった。
比較例3では、成分(C)が含まれていないため、保湿感の面で不十分だった。
比較例4では、成分(A)が含まれていないため、さっぱりとした保湿感、浸透感の面で不十分だった。
比較例5では、成分(C)とは異なる成分を使用したため、浸透感の面で不十分だった。
【0040】
以下に、本発明に係る水性皮膚化粧料の製剤例を例示する。なお、BGは1,3-ブチレングリコール、PEGはポリエチレングリコール、DPGはジプロピレングリコールである。
[製剤例1]浸透化粧水(質量%)
「フィトプロテオグリカン」(日油(株)製):0.95
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(20P.O.):1.0
コハク酸ジエトキシエチル:1.0
BG:17.0
エチルヘキシルグリセリン:0.15
カプリル酸グリセリル:0.15
防腐剤:適量
pH調整剤:適量
水:残量
香料:適量
【0041】
[製剤例2]浸透乳液(質量%)
「フィトプロテオグリカン」(日油(株)製):0.1
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(20P.O.):1.0
コハク酸ジエトキシエチル:3.0
スクワラン:1.0
ミツロウ:1.0
グリコシルトレハロース:0.47
PEG-32:1.0
BG:5.0
DPG:5.0
ペンチレングリコール:2.0
キサンタンガム:0.08
カルボマー:0.14
加水分解水添デンプン:0.27
アルギニン:0.1
ポリソルベート80:0.3
ベヘニルアルコール:0.8
ステアリン酸グリセリル:0.75
ステアリン酸PEG-75:0.3
フェノキシエタノール:0.3
アラントイン:0.1
pH調整剤:適量
水:残量
香料:適量
【0042】
製剤例1および2についても実施例と同様に、(1)塗布時の伸びの良さ、(2)さっぱりとした保湿感、(3)水洗後の浸透感についてそれぞれ評価を行ったところ、良好な判定結果が得られた。