IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社フジマシンの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177533
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】固定装置及び固定装置の解除方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 37/053 20060101AFI20221124BHJP
   B23Q 3/06 20060101ALI20221124BHJP
   B23Q 3/18 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
B23K37/053 F
B23Q3/06 304F
B23Q3/18 C
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083864
(22)【出願日】2021-05-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】303022466
【氏名又は名称】株式会社フジマシン
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】芦 川 能 成
【テーマコード(参考)】
3C016
【Fターム(参考)】
3C016CA07
3C016CC04
3C016CE03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】対象物から固定装置を容易に離脱できる固定装置及び解除方法を提供する。
【解決手段】対象物に当接する当接部材1、2と、当接部材1、2の一端を支持する第1の部材4と、当接部材1、2の他端を支持する第2の部材5と、当接部材1の一方の端面を支持し、第2の部材5へ向かってスライド可能なスライド部材6と、スライド部材6に当接し、第1の部材4に配設された進退自在な移動部材Mと、当接部材1の他方の端面を支持し、貫通孔7aを有する第2の部材5に配設された支持部材7と、連通通路5a及び貫通孔7aを介して当接部材1の他方の端面に当接する棒状部材とを有し、第2の部材5には、貫通孔7aに連通する連通通路5aを有し、スライド部材6の先端に第1の係合面6Aが、当接部材1の一方の端面に第1の係合部1Aが、支持部材7の先端に第2の係合面7Bが、当接部材1の他方の端面に第2の係合部1Bが形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、
前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、
この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、
この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、
前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、
前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材と、
前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持すると共に、貫通孔を有した支持部材と、
連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接する棒状部材とを有し、
前記第2の部材には、前記貫通孔に連通する前記連通通路を有し、
前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、
前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、
この固定を解除するには、前記移動部材を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記棒状部材を前記連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接して、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除する
ことを特徴とする固定装置。
【請求項2】
対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、
前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、
この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、
この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、
前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、
前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材と、
前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持すると共に、貫通孔を有した支持部材と、
一端を前記第2の部材に当接し、中途を前記支持部材の外側に位置させ、他端を前記一つの当接部材の他方の端面に当接した弾性部材とを有し、
前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、
前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、
この固定を解除するには、前記移動部材を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、収縮した前記弾性部材材により、前記一つの当接部材の他方の端面が押されて、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除する
ことを特徴とする固定装置。
【請求項3】
対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、
前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、
この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、
この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、
前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、
前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材と、
前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持すると共に、貫通孔を有した支持部材と、
一端が弾性部材に当接し、他端が連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接する棒状部材とを有し、
前記第2の部材には、前記貫通孔に連通する前記連通通路を有し、
前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、
前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、
この固定を解除するには、収縮した前記弾性部材により、前記棒状部材が前記一つの当接部材の他方の端面を押して、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除する
ことを特徴とする固定装置。
【請求項4】
対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、
前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、
この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、
この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部の他端を支持する第2の部材と、
前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、
前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記一つの当接部材の前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材とを有し、
第1の弾性部材は、前記第1の当接部材と前記第2の当接部材に接続され、
第2の弾性部材は、前記第3の当接部材と前記第1の当接部材に接続され、
前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、
前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定を固定し、
この固定を解除するには、前記移動部材を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、変形した前記弾性部材により、前記一つの当接部材が元の位置へと移動して、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除する
ことを特徴とする固定装置。
【請求項5】
移動部材は、雄ネジ部を有し、
第1の部材にスライド部材が通る通路と、前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有している
ことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の固定装置。
【請求項6】
第1の部材は、スライド部材が通る通路を有する第1の分割部材と、移動部材の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有する第2の分割部材とを有する
ことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の固定装置。
【請求項7】
第1の分割部材は、移動部材が当接するスライド部材の端部が通る端部通路を有する第1’の分割部材と、前記端部通路に連通し、一つの当接部材の一方の端面に臨む通路を備えた第1”の分割部材とを有する
ことを特徴とする請求項6記載の固定装置。
【請求項8】
対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、
前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、
この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、
この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部の他端を支持する第2の部材と、
前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、
前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記一つの当接部材の前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材と、
前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持すると共に、貫通孔を有した支持部材と、
連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接する棒状部材とを有し、
前記第2の部材には、前記貫通孔に連通する前記連通通路を有し、
前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、
前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、
この固定を解除するには、前記移動部材を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記棒状部材を前記連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接して、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除する
ことを特徴とする固定装置の解除方法。
【請求項9】
対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、
前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、
この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、
この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、
前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、
前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記一つの当接部材の前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材と、
前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持する支持部材とを有し、
前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、
前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、
この固定を解除するには、前記移動部材を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除する
ことを特徴とする固定装置の解除方法。
【請求項10】
対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、
前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、
この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、
この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、
前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、
前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材と、
前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持する支持部材とを有し、
前記スライド部材は、長手方向に長い胴部と、この胴部に接続され、外方に張り出す頭部とを有し、前記頭部は、外方に露出し、前記一つの当接部材の一方の端面から遠い側の端部であると共に、前記胴部に向かう傾斜面を有し、
前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、
前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、
この固定を解除するには、前記移動部材を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記傾斜面にくさび状部材を打ち込んで、前記スライド部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除する
ことを特徴とする固定装置の解除方法。
【請求項11】
対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、
前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、
この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、
この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、
前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を先端で支持すると共に、前記第2の部材に対してスライド可能に進退する進退手段と、
前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持すると共に、貫通孔を有した支持部材と、
連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接する棒状部材とを有し、
前記第2の部材には、前記貫通孔に連通する前記連通通路を有し、
前記進退手段の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、
前記進退手段が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、
この固定を解除するには、前記進退手段の先端を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記棒状部材を前記連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接して、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除する
ことを特徴とする固定装置。
【請求項12】
対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、
前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、
この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、
この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、
前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を先端で支持すると共に、前記第2の部材に対してスライド可能に進退する進退手段と、
前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持する支持部材とを有し、
前記進退手段の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、
前記進退手段が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、
この固定を解除するには、前記進退手段の先端を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除する
ことを特徴とする固定装置の解除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定装置及び固定装置の解除方法に係り、特に、対象物から固定装置を容易に離脱することができる固定装置及び固定装置の解除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パイプ(1)の内径を基準にして当該パイプを位置決めする位置決め装置(10)において、パイプの内周面(2)に当接可能な芯材(11)と、この芯材を支持すると共に、パイプの内周面に当接可能なベース部材(12)と、芯材の端面(16B)へ向かって進退可能にベース部材に配設されたねじを有したスライド部材(13)とを有し、このスライド部材に傾斜面(22)が、芯材に作用面(17B)がそれぞれ形成され、スライド部材が進退してその傾斜面が芯材の作用面に係合することにより、芯材(11)がベース部材(12)に対し接離するよう構成されたものがある(特許文献参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-322280
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献記載のものにあっては、パイプ(1)を位置決め装置(10)に固定し、パイプ(1)に溶接すると、パイプ(1)を位置決め装置(10)から取り出そうとした時、パイプ(1)の熱変形により、スライド部材のねじに損傷が生じ、スライド部材が進退できず、パイプ(1)を位置決め装置(10)から離脱できず、取り出せないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を除去するようにした固定装置及び固定装置の解除方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の固定装置は、対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材と、前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持すると共に、貫通孔を有した支持部材と、連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接する棒状部材とを有し、前記第2の部材には、前記貫通孔に連通する前記連通通路を有し、前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、この固定を解除するには、前記移動部材を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記棒状部材を前記連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接して、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除するものである。
【0007】
また、請求項2記載の固定装置は、対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材と、前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持すると共に、貫通孔を有した支持部材と、一端を前記第2の部材に当接し、中途を前記支持部材の外側に位置させ、他端を前記一つの当接部材の他方の端面に当接した弾性部材とを有し、前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、この固定を解除するには、前記移動部材を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、収縮した前記弾性部材材により、前記一つの当接部材の他方の端面が押されて、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除するものである。
【0008】
また、請求項3記載の固定装置は、対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材と、前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持すると共に、貫通孔を有した支持部材と、一端が弾性部材に当接し、他端が連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接する棒状部材とを有し、前記第2の部材には、前記貫通孔に連通する前記連通通路を有し、前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、この固定を解除するには、収縮した前記弾性部材により、前記棒状部材が前記一つの当接部材の他方の端面を押して、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除するものである。
【0009】
また、請求項4記載の固定装置は、対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部の他端を支持する第2の部材と、前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記一つの当接部材の前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材とを有し、第1の弾性部材は、前記第1の当接部材と前記第2の当接部材に接続され、第2の弾性部材は、前記第3の当接部材と前記第1の当接部材に接続され、前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定を固定し、この固定を解除するには、前記移動部材を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、変形した前記弾性部材により、前記一つの当接部材が元の位置へと移動して、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除するものである。
【0010】
また、請求項5記載の固定装置は、請求項1~4の何れかに記載の固定装置において、移動部材は、雄ネジ部を有し、第1の部材にスライド部材が通る通路と、前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有しているものである。
【0011】
また、請求項6記載の固定装置は、請求項1~4の何れかに記載の固定装置において、第1の部材は、スライド部材が通る通路を有する第1の分割部材と、移動部材の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有する第2の分割部材とを有するものである。
【0012】
また、請求項7記載の固定装置は、請求項6記載の固定装置において、第1の分割部材は、移動部材が当接するスライド部材の端部が通る端部通路を有する第1’の分割部材と、前記端部通路に連通し、一つの当接部材の一方の端面に臨む通路を備えた第1”の分割部材とを有するものである。
【0013】
また、請求項8記載の固定装置の解除方法は、対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部の他端を支持する第2の部材と、前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記一つの当接部材の前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材と、前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持すると共に、貫通孔を有した支持部材と、連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接する棒状部材とを有し、前記第2の部材には、前記貫通孔に連通する前記連通通路を有し、前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、この固定を解除するには、前記移動部材を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記棒状部材を前記連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接して、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除するものである。
【0014】
また、請求項9記載の固定装置の解除方法は、対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記一つの当接部材の前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材と、前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持する支持部材とを有し、前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、この固定を解除するには、前記移動部材を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除するものである。
【0015】
また、請求項10記載の固定装置の解除方法は、対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を支持すると共に、前記第2の部材へ向かってスライド可能なスライド部材と、前記第1の部材に配設され、前記スライド部材に当接し、前記第2の部材へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材と、前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持する支持部材とを有し、前記スライド部材は、長手方向に長い胴部と、この胴部に接続され、外方に張り出す頭部とを有し、前記頭部は、外方に露出し、前記一つの当接部材の一方の端面から遠い側の端部であると共に、前記胴部に向かう傾斜面を有し、前記スライド部材の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、前記移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、この固定を解除するには、前記移動部材を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記傾斜面にくさび状部材を打ち込んで、前記スライド部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除するものである。
【0016】
また、請求項11記載の固定装置は、対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を先端で支持すると共に、前記第2の部材に対してスライド可能に進退する進退手段と、前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持すると共に、貫通孔を有した支持部材と、連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接する棒状部材とを有し、前記第2の部材には、前記貫通孔に連通する前記連通通路を有し、前記進退手段の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、前記進退手段が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、この固定を解除するには、前記進退手段の先端を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記棒状部材を前記連通通路及び前記貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面に当接して、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除するものである。
【0017】
また、請求項12記載の固定装置の解除方法は、対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を先端で支持すると共に、前記第2の部材に対してスライド可能に進退する進退手段と、前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持する支持部材とを有し、前記進退手段の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、前記進退手段が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、この固定を解除するには、前記進退手段の先端を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除するものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の固定装置によれば、スライド部材の先端に第1の係合面が、一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材が対象物に当接して、前記対象物を固定することができ、
また、固定装置による対象物の固定を解除するには、移動部材を一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、この移動は、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、スムーズに行うことができる。
この移動によっても、一つの当接部材が第2の部材から第1の部材へ移動しない場合、棒状部材を連通通路及び貫通孔を介して一つの当接部材の他方の端面に当接して押すことにより、一つの当接部材を第2の部材から第1の部材の方向に移動させて、一つの当接部材と対象物Wとの当接状態を解除することができる。
【0019】
また、請求項2記載の固定装置によれば、スライド部材の先端に第1の係合面が、一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材が対象物に当接して、前記対象物を固定することができ、その際、弾性部材は収縮している。
また、固定装置による対象物の固定を解除するには、移動部材を一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、この移動は、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、スムーズに行うことができ、それに伴い、収縮した弾性部材の解放により、前記一つの当接部材の他方の端面が押されて、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除することができる。
【0020】
また、請求項3記載の固定装置によれば、スライド部材の先端に第1の係合面が、一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材が対象物に当接して、前記対象物を固定することができ、その際、弾性部材は収縮している。
また、固定装置による対象物の固定を解除するには、移動部材を一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、この移動は、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、スムーズに行うことができ、それに伴い、収縮した弾性部材の解放により、前記一つの当接部材の他方の端面が押されて、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除することができる。
【0021】
また、請求項4記載の固定装置によれば、スライド部材の先端に第1の係合面が、一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、移動部材により前記スライド部材が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材が対象物に当接して、前記対象物を固定することができ、その際、第1、第2の弾性部材は変形している。
また、固定装置による対象物の固定を解除するには、移動部材を一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、この移動は、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、スムーズに行うことができ、それに伴い、収縮した第1、第2の弾性部材の解放により、一つの当接部材が元の位置へと移動して、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除することができる。
【0022】
また、請求項8記載の固定装置の解除方法によれば、移動部材によりスライド部材が移動して第1の係合面が第1の係合部に、第2の係合面が第2の係合部に、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材が対象物に当接して、対象物を固定したものにあって、この固定装置による対象物の固定を解除するには、移動部材を一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、この移動は、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、スムーズに行うことができる。
この移動によっても、一つの当接部材が第2の部材から第1の部材へ移動しない場合にあっても、棒状部材を連通通路及び貫通孔を介して一つの当接部材の他方の端面に当接して押すことにより、一つの当接部材を第2の部材から第1の部材の方向に移動させて、一つの当接部材と対象物との当接状態を解除することができる。
【0023】
また、請求項9記載の固定装置の解除方法によれば、移動部材によりスライド部材が移動して第1の係合面が第1の係合部に、第2の係合面が第2の係合部に、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材が対象物に当接して、対象物を固定したものにあって、この固定装置による対象物の固定を解除するには、移動部材を一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、この移動は、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、スムーズに行うことができる。
この移動によって、一つの当接部材の第2の部材から第1の部材への移動方向の規制を解除できるため、一つの当接部材を第2の部材から第1の部材の方向に移動させて、一つの当接部材と対象物との当接状態を解除することができる。
【0024】
また、請求項10記載の固定装置の解除方法によれば、移動部材によりスライド部材が移動して第1の係合面が第1の係合部に、第2の係合面が第2の係合部に、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材が対象物に当接して、対象物を固定したものにあって、この固定装置による対象物の固定を解除するには、移動部材を一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、この移動は、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、スムーズに行うことができる。
この移動によっても、一つの当接部材が第2の部材から第1の部材へ移動しない場合にあっても、スライド部材の傾斜面にくさび状部材を打ち込んで、前記スライド部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除することができる。
【0025】
また、請求項11記載の固定装置によれば、進退手段の先端に第1の係合面が、一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、進退手段の先端が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材が対象物に当接して、前記対象物を固定することができ、この固定装置による対象物の固定を解除するには、進退手段を一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、この移動は、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、スムーズに行うことができる。
この移動によっても、一つの当接部材が第2の部材から第1の部材へ移動しない場合にあっても、棒状部材を連通通路及び貫通孔を介して一つの当接部材の他方の端面に当接して押すことにより、一つの当接部材を第2の部材から第1の部材の方向に移動させて、一つの当接部材と対象物との当接状態を解除することができる。
【0026】
また、請求項12記載の固定装置の解除方法によれば、進退手段により進退手段の先端が移動して第1の係合面が第1の係合部に、第2の係合面が第2の係合部に、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材が対象物に当接して、対象物を固定したものにあって、この固定を解除するには、進退手段の先端を一つの当接部材の一方の端面から離間するようにスライドして移動させ、前記一つの当接部材と対象物との当接状態を解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本願発明の一実施例の固定装置の概略的図である。
図2図2(a)は、図1の1-1線による概略的断面図であり、図2(b)は、図1の2-2線による概略的断面図である。
図3図3は、図1の第1の部材と異なる他の実施例の概略的図である。
図4図4は、図3の第1の部材と異なる他の実施例の概略的図である。
図5図5は、図1記載の固定装置を使用した使用例を用いた実施例を分解して示す概略的図である。
図6図6は、図5記載のワーク1とワーク2をセットし、ワーク2へ固定装置を挿入される前の状態を示した概略的図である。
図7図7は、図6記載のワーク1へ固定装置を挿入された状態を示した概略的図である。
図8図8は、図7を別の角度から図示した概略的図である。
図9図9は、図8の概略的平面図である。
図10図10は、図9の固定装置をワーク1に固定した状態の概略的図である。
図11図11は、図10の固定装置をワーク1から解除した状態の概略的図である。
図12図12は、図1の固定装置と異なる他の実施例の固定装置の概略的図である。
図13図13は、図12の固定装置と異なる他の実施例の固定装置の概略的図である。
図14図14(a)は、図12の固定装置と異なる他の実施例の固定装置の概略的図である。
図15図15(a)は、図14(a)の1-1線による概略的断面図で、図14の固定装置を対象物の内周に当接する前の状態の概略的図であり、図15(b)は、図15(a)の固定装置を対象物の内周に当接した状態の概略的図であり、図15(c)は、図14の固定装置を対象物の外周に当接する前の状態の概略的図であり、図15(d)は、図15(c)の固定装置を対象物の外周に当接した状態の概略的図である。
図16図16(a)は、図1の固定装置を対象物に装着する前の概略的図であり、図16(b)は、図16(a)の固定装置を対象物に装着しても、対象物が長手方向に長く棒状部材が短いために、固定装置を対象物から離脱できない状態を示す概略的図である。
図17図17(a)は、図14の固定装置と異なる他の実施例の固定装置の概略的図で、図17(b)は、図17(a)の固定装置をくさび状部材を打ち込んで、スライド部材を第2の部品から第1の部品の方向へ移動する状態を示した概略的図である。
図18図18は、図17の固定装置と異なる他の実施例の固定装置の概略的図で、進退手段の先端を一つの当接部材の一方の面に向かって移動した状態を示している。
図19図19は、図18の進退手段の先端を一つの当接部材の一方の面から離れるように移動した状態の概略的図である。
図20図20(a)は、図1の固定装置を対象物の内周に当接する前の状態の概略的図であり、図20(b)は、図20(a)の概略的断面図である。
図21図21(a)は、図20の固定装置を対象物の内周に当接した状態の概略的図であり、図21(b)は、図21(a)の概略的断面図である。
図22図22(a)は、図1の固定装置を対象物の外周に当接する前の状態の概略的図であり、図22(b)は、図22(a)の概略的断面図である。
図23図23(a)は、図22の固定装置を対象物の外周に当接した状態の概略的図であり、図23(b)は、図23(a)の概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の一実施例の固定装置及び固定装置の解除方法を図面(図1乃至図23)を参照して説明する。
【0029】
図1図11
図1(a)に示すDは固定装置で、固定装置Dは、対象物W1(図5図11)に当接して対象物W1の固定を行うもので、対象物W1は、例えば、断面が円であるパイプ(ワーク1W1)で、パイプを固定装置Dで固定し、例えば、パイプ(ワーク1W1)とワーク2W2を溶接して接続する場合に使用されるものである。対象物W1の当接は、例えば、対象物W1の内壁の場合(図20図21)もあれば、対象物W1の外壁の場合(図22図23)もある。
【0030】
対象物W1に当接する当接部材は、少なくとも、第1、第2、第3の当接部材1、2、3である。
4は、第1、第2、第3の当接部材1、2、3の一端を支持する第1の部材で、5は、第1の部材4に対向すると共に、第1、第2、第3の当接部材1、2、3の他端を支持する第2の部材である。この第2の部材5には、貫通孔7aに連通する連通通路5aを有している。なお、第2、第3の当接部材2、3の両端は、第1、2の部材4,5を介して、図示しないねじで支持されている。
【0031】
また、6は、複数の当接部材1、2、3の内の一つの当接部材1(例えば、当接部材2、3の外径より大の当接部材1)の一方の端面を支持すると共に、第2の部材5へ向かってスライド可能(摺動可能)に第1の部材4に配設されたスライド部材である。
【0032】
第1の部材4は、図1に示すように、一部品でも良く(一部品の場合、第1の部材4にスライド部材6が通る通路4aと、雄ネジ部MBに螺合する雌ネジ部4bを有している。)。
【0033】
また、第1の部材4は、図3に示すように、二部品でも良く。二部品の場合、第1の部材4は、スライド部材6が通る通路4aを有する第1の分割部材41と、雌ネジ部4bを有する第2の分割部材42とを有する。
【0034】
また、第1の部材4は、図4に示すように、三部品でも良い。三部品の場合、第1の分割部材41は、移動部材6が当接するスライド部材6の端部が通る端部通路4cを有する第1’の分割部材41’と、端部通路4cに連通し、一つの当接部材1の一方の端面に臨む通路4aを備えた第1”の分割部材41”と二部品を有し、二部品に加え、雌ネジ部4bを有する第2の分割部材42の一部品の合計三部品である。
【0035】
また、Mは、第1の部材4に配設され、スライド部材6に当接、非当接し、当接した場合、第2の部材5へ向かって一つの当接部材1の一方の端面を押す方向に移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材(移動部材は、例えば、ネジであり、ネジ以外には、手動、エアー、油圧で移動させるることができる。)で、
7は、第2の部材5に配設され、一つの当接部材1の他方の端面を支持すると共に、貫通孔7aを有した支持部材で、
図3に示す8は、連通通路5a及び貫通孔7aを介して一つの当接部材1の他方の端面に当接する棒状部材である。
【0036】
そして、スライド部材6の先端に第1の係合面6Aが、一つの当接部材1の一方の端面に第1の係合部1Aが、支持部材7の先端に第2の係合面7Bが、一つの当接部材1の他方の端面に第2の係合部1Bが、それぞれ形成され、移動部材Mによりスライド部材6が移動して第1の係合面6Aが第1の係合部1Aに、第2の係合面7Bが第2の係合部1Bに、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材1、2、3が対象物W1に当接して、対象物W1を固定することなる(対象物W1を内接する場合は、図20図21、対象物W1を外接する場合は、図22図23)。
【0037】
対象物W1を固定した後、例えば、対象物W1に溶接作業を行う。溶接作業後、固定装置Dによる対象物W1の固定を解除する場合、溶接作業により対象物W1が熱変形し、対象物W1を固定装置Dから容易に離脱できない場合がある。そのため、先ず、移動部材Mを使用して、移動部材Mが一つの当接部材1の一方の端面から離間するように移動させる。この移動は、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物W1の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、スムーズに行うことができる。
この移動部材Mの移動によって、一つの当接部材1の第2の部材5から第1の部材4への移動方向の規制を解除できる。この解除によっても、一つの当接部材1が第2の部材5から第1の部材4へ移動しない場合、棒状部材8を連通通路5a及び貫通孔7aを介して一つの当接部材1の他方の端面に当接して押すことにより、一つの当接部材1を第2の部材5から第1の部材4の方向に移動させて、一つの当接部材1と対象物W1との当接状態を解除することができる。
【0038】
従って、上述した固定装置D(固定装置の解除方法)によれば、移動部材Mによりスライド部材6が移動して第1の係合面6Aが第1の係合部1Aに、第2の係合面7Bが第2の係合部7Bに、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材1、2、3が対象物W1に当接して、対象物W1を固定したものにあって、この固定を解除するには、移動部材Mを一つの当接部材1の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、棒状部材8を連通通路5a及び貫通孔7aを介して一つの当接部材1の他方の端面に当接して押すことにより、一つの当接部材1を第2の部材5から第1の部材4の方向に移動させて、一つの当接部材1と対象物W1との当接状態を解除することができる。
【0039】
次に、図5乃至図11を参照して、以下説明する。
対象物(ワーク1は、例えば、パイプ)W1とワーク2W2を溶接するために、固定装置Dを使用してワーク1W1を固定する場合について説明する。
Zは、ワーク1W1、ワーク2W2、第1部位Z1、第2部位Z2、第3部位Z3を有する支持装置で、支持装置Zは、ワーク2W2の孔にワーク1W1を嵌め込んだものを
第2部位Z2と第3部位Z3との間に立設させる(図6参照)。
第1部位Z1の孔Z1a、ワーク1W1の孔内に固定装置Dを挿入する(図7乃至図9参照)。
挿入後、移動部材Mによりスライド部材6が移動して第1の係合面6Aが第1の係合部1Aに、第2の係合面7Aが第2の係合部1Bに、それぞれ係合することにより、複数の当接部材1、2、3が対象物W1の穴の内周に当接する(図10図20図21参照)。
当接後、図示しないが、ワーク1W1とワーク2W2を溶接する。ワーク1W1とワーク2W2を溶接した後、ワーク1W1から固定装置Dを解除しなければならない。
ワーク1W1の熱変形により、そのままでは、固定装置Dを除去できないが、下記に述べるように、一つの当接部材1と対象物(ワーク1は、例えば、パイプ)W1の穴の内周との当接状態を解除して行うものである(図11参照)。
即ち、移動部材Mを一つの当接部材1の一方の端面から離間するように移動させ、この移動は、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物W1の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、スムーズに行うことができる。
この移動によっても、一つの当接部材1が第2の部材5から第1の部材4へ移動しない場合、棒状部材8を連通通路5a及び貫通孔7aを介して一つの当接部材1の他方の端面に当接して押すことにより、一つの当接部材1を第2の部材5から第1の部材4の方向に移動させて、一つの当接部材1と対象物W1との当接状態を解除することができる。
【0040】
上述した実施例においては、棒状部材8を用いたが、本願発明は、これに限らず、図12に示す弾性部材10を用いても良い。なお、図12には、固定装置Dの中央から右側が省略されているが、図12の中央から省略された右側は、図1の固定装置Dの中央から右側と同様な構成である。
【0041】
即ち、この場合の固定装置Dは、対象物W1に当接して対象物W1の固定を行う固定装置Dであって、対象物W1に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図12において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)と、この第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図12において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)の一端を支持する第1の部材(第1の部材は、図12において、図示されていないが、図1記載の第1の部材4と同様なものである。)と、この第1の部材(図示せず)に対向すると共に、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図12において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)の他端を支持する第2の部材5と、第1の部材4に配設され、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図12において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)の内の一つの当接部材1の一方の端面を支持すると共に、第2の部材5へ向かってスライド可能なスライド部材(スライド部材は、図12において、図示されていないが、図1記載のスライド部材6と同様なものである。)と、第1の部材(第1の部材は、図12において、図示されていないが、図1記載の第1の部材4と同様なものである。)に配設され、スライド部材(図示せず)に当接し、第2の部材5へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材(移動部材は、図12において、図示されていないが、図1記載の移動部材Mと同様なものである。)と、第2の部材5に配設され、一つの当接部材1の他方の端面を支持すると共に、貫通孔7aを有した支持部材7と、一端を第2の部材5に当接し、中途を支持部材7の外側に位置させ、他端を一つの当接部材1の他方の端面に当接した弾性部材10とを有している。
【0042】
そして、上述の実施例と同様に、スライド部材(図示せず)の先端に第1の係合面(第1の係合面は、図12において、図示されていないが、図1記載の第1の係合面6Aと同様なものである。)が、一つの当接部材1の一方の端面に第1の係合部(第1の係合部は、図12において、図示されていないが、図1記載の第1の係合部1Aと同様なものである。)が、支持部材7の先端に第2の係合面7Bが、一つの当接部材1の他方の端面に第2の係合部1Bが、それぞれ形成され、移動部材(移動部材は、図13には図示されていないが、例えば、図1記載の移動部材Mである。)によりスライド部材(図示せず)が移動して第1の係合面(図示せず)が第1の係合部(図示せず)に、第2の係合面7Bが第2の係合部1Bに、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図12において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)が対象物W1に当接して、対象物W1を固定することなる。
【0043】
従って、上述の固定装置Dによれば、スライド部材(図示せず)の先端に第1の係合面(図示せず)が、一つの当接部材1の一方の端面に第1の係合部(図示せず)が、支持部材7の先端に第2の係合面7Bが、一つの当接部材1の他方の端面に第2の係合部1Bが、それぞれ形成され、移動部材(図示せず)によりスライド部材(図示せず)が移動して第1の係合面(図示せず)が第1の係合部(図示せず)に、第2の係合面7Bが第2の係合部1Bに、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図12において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)が対象物W1に当接して、対象物W1を固定することができ、その際、弾性部材10は収縮されている。
また、対象物W1を固定した後、対象物W1に溶接作業を行う。溶接作業後、固定装置Dによる対象物W1の固定を解除する場合、溶接作業により対象物W1が熱変形し、対象物W1を固定装置Dから容易に離脱できない場合がある。そのため、先ず、移動部材(移動部材は、図12には図示されていないが、例えば、図1記載の移動部材Mである。)を使用して、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物W1の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、一つの当接部材1の一方の端面から離間するように移動部材(図示せず)によりスライド部材(図示せず)が移動して第1の係合面(図示せず)を移動させることができる。この移動に伴い、圧縮され変形した弾性部材10が解放されるため、この弾性部材10により、一つの当接部材1の他方の端面が押されて、一つの当接部材1を第2の部材5から第1の部材(図示せず)の方向に移動させて、一つの当接部材1と対象物W1との当接状態を解除することができる。
【0044】
また、上述した実施例においては、弾性部材10を用いたが、本願発明は、これに限らず、図13に示す棒状部材8’、弾性部材10’を用いても良い。なお、図13には、固定装置Dの中央から右側の図示が省略されているが、図13の中央から省略された右側は、図1の固定装置Dの中央から右側と同様な構成である。
【0045】
即ち、この場合の固定装置Dは、対象物W1に当接して対象物W1の固定を行う固定装置Dであって、対象物W1に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図13において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)と、この第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図13において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)の一端を支持する第1の部材(第1の部材は、図12において、図示されていないが、図1記載の第1の部材4と同様なものである。)と、この第1の部材(図示せず)に対向すると共に、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図13において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)の他端を支持する第2の部材5と、第1の部材(図示せず)に配設され、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図13において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)の内の一つの当接部材1の一方の端面を支持すると共に、第2の部材5へ向かってスライド可能なスライド部材(スライド部材は、図13において、図示されていないが、図1記載のスライド部材6と同様なものである。)と、第1の部材(図示せず)に配設され、スライド部材(図示せず)に当接し、第2の部材5へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材(移動部材は、図13には図示されていないが、例えば、図1記載の移動部材Mである。)と、第2の部材5に配設され、一つの当接部材1の他方の端面を支持すると共に、貫通孔7aを有した支持部材7と、一端が弾性部材10’に当接し、他端が連通通路5a及び貫通孔7aを介して一つの当接部材1の他方の端面に当接する棒状部材8’とを有している。なお、第2の部材5には、貫通孔7aに連通する連通通路5aを有している。
【0046】
そして、上述の実施例と同様に、スライド部材(図示せず)の先端に第1の係合面(図示せず)が、一つの当接部材1の一方の端面に第1の係合部(図示せず)が、支持部材7の先端に第2の係合面7Bが、一つの当接部材1の他方の端面に第2の係合部1Bが、それぞれ形成され、移動部材(移動部材は、図13には図示されていないが、例えば、図1記載の移動部材Mである。)によりスライド部材(図示せず)が移動して第1の係合面(図示せず)が第1の係合部(図示せず)に、第2の係合面7Bが第2の係合部1Bに、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材1、2、が対象物W1に当接して、対象物W1を固定することとなる。
【0047】
従って、上述の固定装置Dによれば、スライド部材(図示せず)の先端に第1の係合面(図示せず)が、一つの当接部材1の一方の端面に第1の係合部(図示せず)が、支持部材7の先端に第2の係合面7Bが、一つの当接部材1の他方の端面に第2の係合部1Bが、それぞれ形成され、移動部材(移動部材は、図13には図示されていないが、例えば、図1記載の移動部材Mである。)によりスライド部材6が移動して第1の係合面(図示せず)が第1の係合部(図示せず)に、第2の係合面7Bが第2の係合部1Bに、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図13において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)が対象物W1に当接して、対象物W1を固定することができ、その際、弾性部材10’は収縮されている。
また、対象物W1を固定した後、対象物W1に溶接作業を行う。溶接作業後、固定装置Dによる対象物W1の固定を解除する場合、溶接作業により対象物W1が熱変形し、対象物W1を固定装置Dから容易に離脱できない場合がある。そのため、先ず、移動部材(移動部材は、図13には図示されていないが、例えば、図1記載の移動部材Mである。)を使用して、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物W1の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、一つの当接部材1の一方の端面から離間するように移動させることができる。この移動に伴い、圧縮され変形した弾性部材10’が解放されるため、この弾性部材10’により、棒状部材8’により一つの当接部材1の他方の端面が押されて、一つの当接部材1を第2の部材5から第1の部材4の方向に移動させて、一つの当接部材1と対象物W1との当接状態を解除することができる。
【0048】
また、上述した実施例においては、棒状部材8’、弾性部材10’を用いたが、本願発明は、これに限らず、図14図15に示す第1、第2の弾性部材10”、10”’を用いても良い。
【0049】
即ち、この場合の固定装置Dは、対象物W1に当接して対象物W1の固定を行う固定装置Dであって、対象物W1に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材1、2、3と、この第1、第2、第3の当接部材1、2、3の一端を支持する第1の部材4と、この第1の部材4に対向すると共に、第1、第2、第3の当接部1、2、3の他端を支持する第2の部材5と、第1の部材4に配設され、第1、第2、第3の当接部材1、2、3の内の一つの当接部材1の一方の端面を支持すると共に、第2の部材5へ向かってスライド可能なスライド部材6と、第1の部材4に配設され、スライド部材6に当接し、第2の部材5へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材Mとを有している。
【0050】
なお、第1の弾性部材10”は、第1の当接部材1と第2の当接部材2に接続され、第2の弾性部材10”’は、第1の当接部材1と第3の当接部材3に接続されている。
【0051】
そして、上述の実施例と同様に、スライド部材6の先端に第1の係合面6Aが、一つの当接部材1の一方の端面に第1の係合部1Aが、支持部材7の先端に第2の係合面7Bが、一つの当接部材1の他方の端面に第2の係合部1Bが、それぞれ形成され、移動部材Mによりスライド部材6が移動して第1の係合面6Aが第1の係合部1Aに、第2の係合面7Bが第2の係合部1Bに、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材1、2、3が対象物W1に当接して、対象物W1を固定することなる。
また、図15(a)(b)は、対象物W1の内周を、図15(c)(d)は、対象物W1の外周を、当接する状態をそれぞれ示している。
なお、図15(c)(d)は、第2の当接部材2、第3の当接部材3の上位に第1の当接部材1が位置しているが、望ましくは、第2の当接部材2、第3の当接部材3の下位に第1の当接部材1が位置しているのが良い(図22図23参照)
【0052】
従って、上述の固定装置Dによれば、スライド部材6の先端に第1の係合面6Aが、一つの当接部材1の一方の端面に第1の係合部1Aが、支持部材7の先端に第2の係合面7Bが、一つの当接部材1の他方の端面に第2の係合部1Bが、それぞれ形成され、移動部材Mによりスライド部材6が移動して第1の係合面6Aが第1の係合部1Aに、第2の係合面7Bが第2の係合部1Bに、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材1、2、3が対象物W1に当接[内接の場合は、図15(a)(b)、外接の場合は、図15(c)(d)]して、対象物W1を固定することができ、その際、第1、第2の弾性部材10”、10”’は圧縮され変形している。
対象物W1を固定した後、対象物W1に溶接作業を行う。溶接作業後、固定装置Dによる対象物W1の固定を解除する場合、溶接作業により対象物W1が熱変形し、対象物W1を固定装置Dから容易に離脱できない場合がある。そのため、先ず、移動部材Mを使用して、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物W1の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、一つの当接部材1の一方の端面から離間するように移動させることができる。この移動に伴い、圧縮され変形した弾性部材10”、10”’が解放されるため、この弾性部材10”、10”’により、一つの当接部材1が元の位置へと移動して、一つの当接部材1と対象物W1との当接状態を解除することができる。
【0053】
次に、図16及び図17を参照して固定装置の解除方法について、説明する。
この固定装置Dは、上述と同様、対象物W1に当接して対象物W1の固定を行うものである。
【0054】
固定装置Dは、対象物W1に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図16図17において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)と、この第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図16図17において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)の一端を支持する第1の部材4と、この第1の部材4に対向すると共に、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図16図17において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)の他端を支持する第2の部材5と、第1の部材4に配設され、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図16図17において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)の内の一つの当接部材1の一方の端面を支持すると共に、第2の部材5へ向かってスライド可能なスライド部材6と、第1の部材4に配設され、スライド部材6に当接し、第2の部材5へ向かって移動し、該移動状態を保持する進退自在な移動部材Mと、第2の部材5に配設され、一つの当接部材1の他方の端面を支持する支持部材7とを有している。
【0055】
スライド部材6は、長手方向に長い胴部61と、この胴部61に接続され、外方に張り出す頭部62とを有し、頭部62は、外方に露出し、一つの当接部材1の一方の端面から遠い側の端部であると共に、胴部61に向かう傾斜面62Kを有している。
【0056】
そして、上述の実施例と同様に、スライド部材6の先端に第1の係合面6Aが、一つの当接部材1の一方の端面に第1の係合部1Aが、支持部材7の先端に第2の係合面7Bが、一つの当接部材1の他方の端面に第2の係合部1Bが、それぞれ形成され、移動部材Mによりスライド部材6が移動して第1の係合面6Aが第1の係合部1Aに、第2の係合面7Bが第2の係合部1Bに、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材1、2、が対象物W1に当接して、対象物W1を固定することなる。
【0057】
対象物W1を固定した後、対象物W1に溶接作業を行う。溶接作業後、固定装置Dによる対象物W1の固定を解除する場合、溶接作業により対象物W1が熱変形し、対象物W1を固定装置Dから容易に離脱できない場合がある。そのため、先ず、移動部材Mを使用して、一つの当接部材1の一方の端面から離間するように移動させる。
【0058】
移動後、傾斜面62Kにくさび状部材100を打ち込んで、スライド部材6を第2の部材5から第1の部材4の方向に移動させて、一つの当接部材1と対象物W1との当接状態を解除することができる。なお、打ち込んだくさび状部材100を傾斜面62Kから取り除く。
【0059】
なお、図17記載の固定装置Dは、図16(a)(b)に示すように、対象物W1のパイプのように、長い場合、図1記載の棒状部材8では、一つの当接部材1の他方の端面に当接できない場合に、有効である。
【0060】
従って、上述の固定装置Dによれば、移動部材Mによりスライド部材6が移動して第1の係合面6Aが第1の係合部1Aに、第2の係合面7Bが第2の係合部1Bに、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図16図17において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)が対象物W1に当接して、対象物W1を固定したものにあって、固定装置Dによる対象物W1の固定を解除するには、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物W1の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がない分、移動部材Mを一つの当接部材1の一方の端面から離間するように移動でき、移動後、スライド部材6の傾斜面62Kにくさび状部材100を打ち込んで、スライド部材6を第2の部材5から第1の部材4の方向に移動させて、一つの当接部材1と対象物W1との当接状態を解除することができる。
【0061】
次に、図18及び図19を参照して固定装置(固定装置の解除方法)について、説明する。この固定装置Dは、上述と同様、対象物W1に当接して対象物W1の固定を行うものである。
【0062】
固定装置Dは、対象物W1に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図18図19において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)と、この第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図18図19において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)の一端を支持する第1の部材4と、この第1の部材4に対向すると共に、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図18図19において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)の他端を支持する第2の部材5と、第1の部材4に配設され、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図18図19において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)の内の一つの当接部材1の一方の端面を先端で支持すると共に、第2の部材5に対してスライド可能に進退する進退手段10(進退手段10の駆動源は、例えば、エアー、油圧であり、進退手段10の先端は、一つの当接部材1の一方の端面に臨むようになっている。)と、第2の部材5に配設され、一つの当接部材1の他方の端面を支持すると共に、貫通孔7aを有した支持部材7と、連通通路5a及び貫通孔7aを介して一つの当接部材1の他方の端面に当接する棒状部材8とを有している。第2の部材5には、貫通孔7aに連通する連通通路5aを有している。
【0063】
そして、進退手段10の先端に第1の係合面10Aが、一つの当接部材1の一方の端面に第1の係合部1Aが、支持部材7の先端に第2の係合面7Bが、一つの当接部材1の他方の端面に第2の係合部1Bが、それぞれ形成され、進退手段10が移動(例えば、図19の状態から図18の状態)して第1の係合面10Aが第1の係合部1Aに、第2の係合面7Bが第2の係合部1Bに、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図18図19において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)が対象物W1に当接して、固定する。
【0064】
固定後、この固定を解除する際、対象物W1に溶接等の作業により、固定装置Dから対象物W1が離脱しにくくなった場合、進退手段10の先端を一つの当接部材1の一方の端面から離間するようにスライドして移動(図18の状態から図19の状態に移動)させて、一つの当接部材1と対象物W1との当接状態を解除する。
これでも解除できない場合、つまり、進退手段10の先端を一つの当接部材1の一方の端面から離間するように移動(図18の状態から図19の状態に移動)させ、移動後、棒状部材8を使用して、棒状部材8を連通通路5a及び貫通孔7aを介して一つの当接部材1の他方の端面を押すことにより、一つの当接部材1を第2の部材5から第1の部材4の方向に移動させて、一つの当接部材1と対象物W1との当接状態を解除することができる。
【0065】
従って、上述の固定装置D(固定装置の解除方法)によれば、進退手段10により進退手段10の先端が移動して第1の係合面10Aが第1の係合部1Aに、第2の係合面7Bが第2の係合部1Bに、それぞれ係合することにより、第1、第2、第3の当接部材1、2、(第3の当接部材は、図18図19において、図示されていないが、図2(a)記載の第3の当接部材3と同様なものである。)が対象物W1に当接して、対象物W1を固定したものにあって、従来のようにスライド部材にねじが形成されていないため、対象物W1の変形(例えば、熱変形)によるねじの損傷がないため、進退手段10の先端を一つの当接部材1の一方の端面から離間するようにスライドして移動させることができ、移動後、棒状部材8を連通通路5a及び貫通孔7aを介して一つの当接部材1の他方の端面を押すことにより、一つの当接部材1を第2の部材5から第1の部材4の方向に移動させて、一つの当接部材1と対象物W1との当接状態を解除することができる。
【符号の説明】
【0066】
D 固定装置
W1 対象物(ワーク1は、例えば、パイプ)
1 当接部材(一つの当接部材)
2 当接部材
3 当接部材
4 第1の部材
5 第2の部材
6 スライド部材
M 移動部材
7 支持部材
8 棒状部材
1A 第1の係合部
1B 第2の係合部
6A 第1の係合面
7B 第2の係合面
5a 連通通路
7a 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2021-09-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項12
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項12】
対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、
前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、
この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、
この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、
前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を先端で支持すると共に、前記第2の部材に対してスライド可能に進退する進退手段と、
前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持する支持部材とを有し、
前記進退手段の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、
前記進退手段が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、
この固定を解除するには、前記進退手段の先端を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除できない場合、棒状部材を前記支持部材に設けた貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面を押すことにより、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除する
ことを特徴とする固定装置の解除方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
また、請求項12記載の固定装置の解除方法は、対象物に当接して前記対象物の固定を行う固定装置であって、前記対象物に当接する少なくとも、第1、第2、第3の当接部材と、この第1、第2、第3の当接部材の一端を支持する第1の部材と、この第1の部材に対向すると共に、前記第1、第2、第3の当接部材の他端を支持する第2の部材と、前記第1の部材に配設され、前記第1、第2、第3の当接部材の内の一つの当接部材の一方の端面を先端で支持すると共に、前記第2の部材に対してスライド可能に進退する進退手段と、前記第2の部材に配設され、前記一つの当接部材の他方の端面を支持する支持部材とを有し、前記進退手段の先端に第1の係合面が、前記一つの当接部材の一方の端面に第1の係合部が、前記支持部材の先端に第2の係合面が、前記一つの当接部材の他方の端面に第2の係合部が、それぞれ形成され、前記進退手段が移動して前記第1の係合面が前記第1の係合部に、前記第2の係合面が前記第2の係合部に、それぞれ係合することにより、前記第1、第2、第3の当接部材が前記対象物に当接して、前記対象物を固定し、この固定を解除するには、前記進退手段の先端を前記一つの当接部材の一方の端面から離間するように移動させ、移動後、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除できない場合、棒状部材を前記支持部材に設けた貫通孔を介して前記一つの当接部材の他方の端面を押すことにより、前記一つの当接部材を前記第2の部材から前記第1の部材の方向に移動させて、前記一つの当接部材と前記対象物との当接状態を解除するものである。