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  • 特開-バーベキューコンロ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177562
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】バーベキューコンロ
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/07 20060101AFI20221124BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
A47J37/07
A47J37/06 316
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083913
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】518441047
【氏名又は名称】株式会社ライズエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】特許業務法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】森山 竜志
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA04
4B040AA08
4B040AC02
4B040AC03
4B040AD04
4B040AE14
4B040CA03
4B040CA16
4B040CB07
4B040EA03
4B040EB06
4B040NA02
(57)【要約】
【課題】 食材の油分による煙や炎の発生を抑制しつつ、食材の炭火焼き効果を高めることができるバーベキューコンロを提供する。
【解決手段】 上部が開口する箱状の炭受け部材40と、食材が載置される部分に通気孔を有する板状の載置部材20とを備え、載置部材20を炭受け部材40の上方に支持して食材を炭火焼きすることができるバーベキューコンロ1であって、炭受け部材40の開口上方を覆うカバー部材50を更に備え、カバー部材50は、上下に隙間53をあけて同方向に傾斜する複数の傾斜部51,52を備えており、上方に位置する傾斜部51の下端部が、下方に位置する傾斜部52の上端部と平面視で重なり合うように構成されている。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口する箱状の炭受け部材と、食材が載置される部分に通気孔を有する板状の載置部材とを備え、前記載置部材を前記炭受け部材の上方に支持して食材を炭火焼きすることができるバーベキューコンロであって、
前記炭受け部材の開口上方を覆うカバー部材を更に備え、
前記カバー部材は、上下に隙間をあけて同方向に傾斜する複数の傾斜部を備えており、
上方に位置する前記傾斜部の下端部が、下方に位置する前記傾斜部の上端部と平面視で重なり合うバーベキューコンロ。
【請求項2】
前記傾斜部は、前記カバー部材の頂部の左右両側に設けられている請求項1に記載のバーベキューコンロ。
【請求項3】
前記炭受け部材を収容する箱状の水受け部材を更に備え、
前記カバー部材は、前記炭受け部材の開口周縁との間に隙間をあけて支持される請求項1に記載のバーベキューコンロ。
【請求項4】
前記水受け部材を収容する箱状の本体ケースを更に備え、
前記本体ケース、前記水受け部材および前記炭受け部材にそれぞれ形成された吸気部を介して、前記炭受け部材の内部に外気が導入される請求項1から3のいずれかに記載のバーベキューコンロ。
【請求項5】
前記載置部材は、ホーロー加工が施されている請求項1から4のいずれかに記載のバーベキューコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野外で好適に使用することができるバーベキューコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバーベキューコンロは、例えば特許文献1に開示されているように、炭などの燃料が収容される炭受けの上方に、肉や魚などの食材が載置される金網が、一対の脚体等により支持される構成が一般的である。ところが、この構成においては、金網の上で炭火により加熱された食材から出る油分が炭火に落下して、大量の煙や炎が発生するおそれがあった。
【0003】
このため、特許文献2には、炭受けの上方に配置される焼き物プレートの周縁部のみに貫通孔を形成することで、焼き物プレートに載置された食材から出る油分が、貫通孔から炭受けの周囲に落下する構成が開示されている。
【0004】
ところが、特許文献2の構成によれば、炭火から放射される遠赤外線が焼き物プレート上の食材に届き難くなるため、金網を使用する場合に比べて炭火焼きの効果が十分得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3218702号公報
【特許文献2】特開2007-185323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、食材の油分による煙や炎の発生を抑制しつつ、食材の炭火焼き効果を高めることができるバーベキューコンロの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の前記目的は、上部が開口する箱状の炭受け部材と、食材が載置される部分に通気孔を有する板状の載置部材とを備え、前記載置部材を前記炭受け部材の上方に支持して食材を炭火焼きすることができるバーベキューコンロであって、前記炭受け部材の開口上方を覆うカバー部材を更に備え、前記カバー部材は、上下に隙間をあけて同方向に傾斜する複数の傾斜部を備えており、上方に位置する前記傾斜部の下端部が、下方に位置する前記傾斜部の上端部と平面視で重なり合うバーベキューコンロにより達成される。
【0008】
このバーベキューコンロにおいて、前記傾斜部は、前記カバー部材の頂部の左右両側に設けられていることが好ましい。
【0009】
また、前記炭受け部材を収容する箱状の水受け部材を更に備えることが好ましく、前記カバー部材は、前記炭受け部材の開口周縁との間に隙間をあけて支持されることが好ましい。
【0010】
また、前記水受け部材を収容する箱状の本体ケースを更に備えることが好ましく、前記本体ケース、前記水受け部材および前記炭受け部材にそれぞれ形成された吸気部を介して、前記炭受け部材の内部に外気が導入されることが好ましい。
【0011】
前記載置部材は、ホーロー加工が施されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、食材の油分による煙や炎の発生を抑制しつつ、食材の炭火焼き効果を高めることができるバーベキューコンロを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るバーベキューコンロの正面図である。
図2図1に示すバーベキューコンロの側面図である。
図3図1に示すバーベキューコンロの平面図である。
図4図1のA-A断面図である。
図5図1に示すバーベキューコンロが備えるカバー部材の正面図である。
図6図5に示すカバー部材の側面図である。
図7図5に示すカバー部材の平面図である。
図8図1に示すバーベキューコンロの使用状態を示す断面図である。
図9図1に示すバーベキューコンロの収納状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るバーベキューコンロの正面図であり、図2および図3は、それぞれ図1に示すバーベキューコンロの側面図および平面図である。図1から図3に示すように、バーベキューコンロ1は、直方体の箱状に形成された本体ケース10を備えており、本体ケース10の上部開口に、肉や魚などの食材が載置される載置部材20が配置される。
【0015】
本体ケース10の下部には、折り畳み可能な一対の脚部11,11が設けられている。また、本体ケース10の長手方向両側には、一対の把持部12,12が設けられており、把持部12の上方における開口縁部には、調理器具等を載置可能な補助板13を着脱可能に取り付けることができる。本体ケース10の側壁下部には、長孔状の吸気部10aが全周にわたって複数形成されている。
【0016】
載置部材20は、食材が載置される部分の略全体に複数の通気孔20aが均一に形成されている。載置部材20は、例えば鋼板などの金属製の平板からなり、炭火の遠赤外線効果を高めるためにホーロー加工が施されていることが好ましい。載置部材20は、食材が載置される部分に通気孔を有する板状の部材でればよく、例えば、金網などの網板であってもよい。
【0017】
図4は、図1に示すバーベキューコンロのA-A断面図である。図4に示すように、本体ケース10の内部には、ステンレス等の金属材料からなる水受け部材30および炭受け部材40が収容されている。
【0018】
水受け部材30は、平面視矩形状の角筒状に形成された胴体31を備えており、胴体31の上部開口の周縁部にフランジ部32が設けられている。フランジ部32は、本体ケース10と胴体31との間に形成される隙間の上部を閉塞することで断熱用の空気層を形成すると共に、載置部材20の周縁部下面と当接して載置部材20を支持する。胴体31の下部には、底壁33が上げ底状に設けられている。底壁33の中央部には、炭受け部材40が貫通する開口33aが形成されている。胴体31の下部には、図8に示すように、複数の孔からなる吸気部31aが形成されている。
【0019】
炭受け部材40は、平面視矩形状の角筒状に形成された胴体41が支持台49に載置されて構成されており、胴体41の上部が開口する。支持台49は、上下に間隔をあけて配置された一対の支持板42,43を備えている。上側の支持板42は、下側の支持板43に対して、所定の間隔をあけてリベット44により保持されている。下側の支持板43は、左右両側に帯板状の起立部45,45を備えており、起立部45.45が本体ケース10の底面に載置される。起立部45,45の上端と、水受け部材30の上げ底状の底壁33との間には、通気用の隙間が形成される。胴体41の内部には、複数の開口46aを有する格子板46が設けられており、格子板46の上方に炭が保持される。胴体41の下部には、図8に示すように、複数の孔からなる吸気部41aが形成されている。
【0020】
また、本体ケース10の内部には、炭受け部材40の開口上方を覆うカバー部材50が設けられている。図5は、カバー部材50の正面図であり、図6および図7は、それぞれ図5に示すカバー部材50の側面図および平面図である。図5から図7に示すように、カバー部材50は、上下に隙間をあけて同方向に傾斜する帯板状の2つの傾斜部51,52を備えており、ステンレス等の金属材料により形成される。以下の説明においては、上方に配置された傾斜部51を第1の傾斜部とし、下方に配置された傾斜部を第2の傾斜部とする。
【0021】
第1の傾斜部51は、カバー部材50の頂部54の左右両側にそれぞれ設けられており、頂部54から下方に向けて傾斜する。また、第2の傾斜部52は、左右に配置された第1の傾斜部51,51の左右にそれぞれ設けられており、第1の傾斜部51との間に隙間53が形成されている。第1の傾斜部51の下端部は、第2の傾斜部52の上端部と平面視で重なり合うように配置され、第2の傾斜部52の下端部には、鉛直方向に垂下する帯板状の垂下部57が設けられている。
【0022】
第1の傾斜部51,51および第2の傾斜部52,52は、長手方向両端部が、それぞれ第1の端板55,55および第2の端板56,56によって支持されており、第2の端板56が第1の端板55に固定されている。第1の端板55および第2の端板56には、それぞれ通気孔55a,56aが形成されている。
【0023】
図4に示すように、本体ケース10の内壁面における長手方向両側には、水平に延びる帯状の係合部36がそれぞれ設けられており、図4では一方の係合部36のみが示されている。カバー部材50は、垂下部57の下端が係合部36の上縁に係合することで、炭受け部材40の上方に支持される。炭受け部材40の開口縁部とカバー部材50の内面との間には、通気用の隙間が形成されることが好ましい。
【0024】
上記の構成を備えるバーベキューコンロ1は、図8に断面図で示すように、炭受け部材40の格子板46に適量の炭Cを載置して着火することにより、本体ケース10、水受け部材30および炭受け部材40にそれぞれ形成された吸気部10a,31a,41aを介して、外気A1が炭受け部材40の内部に下方から導入される。一方、炭Cの燃焼ガスA2は、カバー部材50の隙間53、および、カバー部材50と炭受け部材49との隙間を介して上昇し、載置部材20の通気孔20aを通過することにより、載置部材20に載置された食材を炭火焼きすることができる。バーベキューコンロ1の使用後は、本体ケース10の内部に他の構成部材を収容することができ、図9に示すように、本体ケース10の開口に蓋体60を被せてバックル14で閉じて、一対の脚部11,11を折り畳むことにより、コンパクトに持ち運ぶことができる。
【0025】
本実施形態のバーベキューコンロ1は、炭受け部材40の開口上方を覆うカバー部材50を備えており、このカバー部材50が、同方向に傾斜する複数の傾斜部51,52を備え、上方に位置する傾斜部51の下端部が、下方に位置する傾斜部52の上端部と平面視で重なり合うように構成されているので、載置部材20に載置された食材の炭火焼きによって生じる油分を、傾斜部51,52に沿って水受け部材30内に確実に落下させることができる。これにより、炭受け部材40内に油分が落下するのを防止して、煙や炎の発生を抑制することができる。
【0026】
また、カバー部材50は、上下の傾斜部51,52の間に隙間53が形成されているので、食材が載置される載置部材20の中央部に炭Cの燃焼ガスA2を効果的に供給することができると共に、炭火の遠赤外線も、炭受け部材40およびカバー部材50の内面で反射して、カバー部材50の隙間53から外部に放射される。これにより、食材の炭火焼き効果を高めることができる。炭受け部材40およびカバー部材50は、遠赤外線を反射し易いように、本実施形態のようにステンレス等の光沢のある金属材料により形成することが好ましい。一方、食材が載置される載置部材20は、上記のようにホーロー加工が施されていることが好ましく、これによって、炭火の遠赤外線効果を高めることができる。
【0027】
炭火の燃焼ガスA2および遠赤外線は、カバー部材50の隙間53から放出されるだけでなく、炭受け部材40の開口縁部との隙間からも放出されて、水受け部材30の内部を載置部材20に向けて上昇するため、載置部材20の略全体に燃焼ガスA2および遠赤外線を効果的に供給することができる。
【0028】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態には限定されない。例えば、本実施形態のカバー部材50は、上下に配置される複数の傾斜部51,52が、カバー部材50の頂部54の左右両側に設けられた構成にすることで、構成のコンパクト化を図っているが、各傾斜部が、左右方向の一方端から他方端に向けて傾斜する構成であってもよい。
【0029】
傾斜部51,52の数は3つ以上であってもよく、本実施形態と同様に、各傾斜部の間に隙間を形成すると共に一部を平面視で重複させることにより、食材の油分による煙や炎の発生を抑制しつつ、載置部材20の全体に対して炭火の燃焼ガスおよび遠赤外線をより均一に供給することができる。
【0030】
本実施形態のカバー部材50は、本体ケース10の内壁面に支持されているが、炭受け部材40に支持される構成であってもよく、炭受け部材40の開口縁部とカバー部材50との間にスペーサ等を適宜介在させることで、これらの間に隙間を形成することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 バーベキューコンロ
10 本体ケース
10a 吸気部
20 載置部材
20a 通気孔
30 水受け部材
31a 吸気部
40 炭受け部材
41a 吸気部
50 カバー部材
51,52 傾斜部
53 隙間
54 頂部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9