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特開2022-177568制御ユニット、ロッカー装置、ロッカーシステムおよびロッカー装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177568
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】制御ユニット、ロッカー装置、ロッカーシステムおよびロッカー装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G07F 17/12 20060101AFI20221124BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20221124BHJP
   E05B 65/02 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
G07F17/12
E05B49/00 J
E05B49/00 Z
E05B65/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083920
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(72)【発明者】
【氏名】吉倉 貴慶
(72)【発明者】
【氏名】細谷 由利子
【テーマコード(参考)】
2E250
3E048
【Fターム(参考)】
2E250AA19
2E250DD06
2E250DD07
2E250FF11
2E250FF18
2E250FF28
3E048CA03
3E048CA17
3E048CA22
3E048DA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】荷物が預け入れられている対象ロッカーの扉をユーザが開くときの利便性を向上させることができる制御ユニット、ロッカー装置、ロッカーシステム、ロッカー装置の制御方法を提供する。
【解決手段】中央制御ユニット30は、複数のロッカー10のうち対象ロッカー10の扉12を開くための操作がユーザにより行われる操作部(例えば、操作表示部)と、対象ロッカー10の扉12を開くことが可能となるよう制御を行う制御部とを備えている。操作部が荷物の取り出し指示を受け付けると、制御部は、第1リーダを第1媒体から情報を読み取り可能状態とするとともに第2リーダを第2媒体から情報を読み取り可能状態とする。また、制御部は、第1リーダまたは第2リーダが第1媒体または第2媒体から情報を読み取ると、対象ロッカー10の扉12を開くことが可能となるよう制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッカー装置に用いられる制御ユニットであって、
第1の種類の媒体である第1媒体から情報を読み取るための第1リーダと、
前記第1媒体とは異なる種類の媒体である第2媒体から情報を読み取るための第2リーダと、
複数のロッカーのうち対象ロッカーの扉を開くための操作がユーザにより行われる操作部と、
前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行う制御部と、
を備え、
前記操作部が荷物の取り出し指示を受け付けると、前記制御部は、前記第1リーダを前記第1媒体から情報を読み取り可能状態とするとともに前記第2リーダを前記第2媒体から情報を読み取り可能状態とし、
前記制御部は、前記第1リーダまたは前記第2リーダが前記第1媒体または前記第2媒体から情報を読み取ると、読み取られた情報に基づいて前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行う、制御ユニット。
【請求項2】
前記第1リーダおよび前記第2リーダが前記読み取り可能状態となると、前記第1リーダおよび前記第2リーダが前記読み取り可能状態である旨をユーザに報知する報知手段を更に備えた、請求項1記載の制御ユニット。
【請求項3】
前記第1リーダおよび前記第2リーダのうち何れか一方のリーダにより前記第1媒体または前記第2媒体から情報が読み取られると、前記制御部は、他方のリーダの前記読み取り可能状態を解除して読み取り不能状態にする、請求項1または2記載の制御ユニット。
【請求項4】
表示部を更に備え、
前記制御部は、前記第1リーダおよび前記第2リーダのうち少なくとも一方のリーダが故障しているときに、当該リーダにより読み取られる媒体に関する情報の手入力を促す案内画面を前記表示部に表示させる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制御ユニット。
【請求項5】
前記第1リーダは前記第1媒体から情報を読み取ることにより決済処理を行うことが可能なリーダであり、前記第2リーダは決済処理において貨幣の投入が必要となるリーダである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御ユニット。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1リーダまたは前記第2リーダが前記第1媒体または前記第2媒体から情報が読み取られたときに前記ロッカーの利用に関して超過料金が発生していた場合は、前記第1リーダを前記読み取り可能状態にする、請求項5記載の制御ユニット。
【請求項7】
前記第2媒体はコードが印字された紙媒体であり、前記第2リーダは前記紙媒体に印字された前記コードをスキャニングすることにより読み取る、請求項5または6記載の制御ユニット。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の制御ユニットと、
複数の前記ロッカーと、
を備えた、ロッカー装置。
【請求項9】
複数のロッカーと、第1の種類の媒体である第1媒体から情報を読み取るための第1リーダと、前記第1媒体とは異なる種類の媒体である第2媒体から情報を読み取るための第2リーダと、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの扉を開くための操作がユーザにより行われる操作部とを備えたロッカー装置と、
前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行う制御装置と、
を備え、
前記操作部が荷物の取り出し指示を受け付けると、前記制御装置は、前記第1リーダを前記第1媒体から情報を読み取り可能状態とするとともに前記第2リーダを前記第2媒体から情報を読み取り可能状態とし、
前記制御装置は、前記第1リーダまたは前記第2リーダが前記第1媒体または前記第2媒体から情報を読み取ると、読み取られた情報に基づいて前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行う、ロッカーシステム。
【請求項10】
複数のロッカーと、第1の種類の媒体である第1媒体から情報を読み取るための第1リーダと、前記第1媒体とは異なる種類の媒体である第2媒体から情報を読み取るための第2リーダと、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの扉を開くための操作がユーザにより行われる操作部とを備えたロッカー装置の制御方法であって、
前記操作部が荷物の取り出し指示を受け付けると、前記第1リーダを前記第1媒体から情報を読み取り可能状態とするとともに前記第2リーダを前記第2媒体から情報を読み取り可能状態とする工程と、
前記第1リーダまたは前記第2リーダが前記第1媒体または前記第2媒体から情報を読み取ると、読み取られた情報に基づいて前記対象ロッカーの前記扉を開くことを可能とする工程と、
を備えた、ロッカー装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御ユニット、ロッカー装置、ロッカーシステムおよびロッカー装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、預け入れる荷物を収納するロッカーを複数備えたロッカー装置として、様々なタイプのものが知られている。例えば、特許文献1に開示されるようなロッカー装置には、預け入れる荷物を収納するロッカーが複数設けられており、それぞれのロッカーの前面に、ロッカー毎に独立して開閉可能な扉が設けられている。各ロッカーには、扉の施錠および解錠を行う施錠部が設けられている。また、特許文献1に開示されるようなロッカー装置には、例えばその中央に、各ロッカーの扉の開閉処理や精算処理等を集中して管理する中央制御ユニットが設けられている。
【0003】
特許文献1に開示されるロッカー装置では、ユーザがロッカーに預け入れた荷物を取り出す際に、中央に設置されている中央制御ユニットで、荷物が預け入れられている対象ロッカーの扉を開くための操作を行う。このような操作により対象ロッカーの扉が中央制御ユニットによって開けられる。また、ユーザは、中央制御ユニットで操作を行った後に対象ロッカーまで移動し、扉を開けることにより預け入れた荷物を対象ロッカーから取り出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-238646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなロッカー装置において、荷物が預け入れられている対象ロッカーの扉を開くためにユーザが中央制御ユニットにおいて操作を行う際の利便性の向上が望まれていた。
【0006】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、荷物が預け入れられている対象ロッカーの扉をユーザが開くときの利便性を向上させることができる制御ユニット、ロッカー装置、ロッカーシステム、ロッカー装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の制御ユニットは、ロッカー装置に用いられる制御ユニットであって、第1の種類の媒体である第1媒体から情報を読み取るための第1リーダと、前記第1媒体とは異なる種類の媒体である第2媒体から情報を読み取るための第2リーダと、複数のロッカーのうち対象ロッカーの扉を開くための操作がユーザにより行われる操作部と、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行う制御部と、を備え、前記操作部が荷物の取り出し指示を受け付けると、前記制御部は、前記第1リーダを前記第1媒体から情報を読み取り可能状態とするとともに前記第2リーダを前記第2媒体から情報を読み取り可能状態とし、前記制御部は、前記第1リーダまたは前記第2リーダが前記第1媒体または前記第2媒体から情報を読み取ると、読み取られた情報に基づいて前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行うことを特徴とする。
【0008】
本発明の制御ユニットは、前記第1リーダおよび前記第2リーダが前記読み取り可能状態となると、前記第1リーダおよび前記第2リーダが前記読み取り可能状態である旨をユーザに報知する報知手段を更に備えていてもよい。
【0009】
また、前記第1リーダおよび前記第2リーダのうち何れか一方のリーダにより前記第1媒体または前記第2媒体から情報が読み取られると、前記制御部は、他方のリーダの前記読み取り可能状態を解除して読み取り不能状態にしてもよい。
【0010】
また、本発明の制御ユニットは、表示部を更に備え、前記制御部は、前記第1リーダおよび前記第2リーダのうち少なくとも一方のリーダが故障しているときに、当該リーダにより読み取られる媒体に関する情報の手入力を促す案内画面を前記表示部に表示させてもよい。
【0011】
また、前記第1リーダは前記第1媒体から情報を読み取ることにより決済処理を行うことが可能なリーダであり、前記第2リーダは決済処理において貨幣の投入が必要となるリーダであってもよい。
【0012】
この場合、前記制御部は、前記第1リーダまたは前記第2リーダが前記第1媒体または前記第2媒体から情報が読み取られたときに前記ロッカーの利用に関して超過料金が発生していた場合は、前記第1リーダを前記読み取り可能状態にしてもよい。
【0013】
また、前記第2媒体はコードが印字された紙媒体であり、前記第2リーダは前記紙媒体に印字された前記コードをスキャニングすることにより読み取ってもよい。
【0014】
本発明のロッカー装置は、上述の制御ユニットと、複数の前記ロッカーと、を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明のロッカーシステムは、複数のロッカーと、第1の種類の媒体である第1媒体から情報を読み取るための第1リーダと、前記第1媒体とは異なる種類の媒体である第2媒体から情報を読み取るための第2リーダと、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの扉を開くための操作がユーザにより行われる操作部とを備えたロッカー装置と、前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行う制御装置と、を備え、前記操作部が荷物の取り出し指示を受け付けると、前記制御装置は、前記第1リーダを前記第1媒体から情報を読み取り可能状態とするとともに前記第2リーダを前記第2媒体から情報を読み取り可能状態とし、前記制御装置は、前記第1リーダまたは前記第2リーダが前記第1媒体または前記第2媒体から情報を読み取ると、読み取られた情報に基づいて前記対象ロッカーの前記扉を開くことが可能となるよう制御を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明のロッカー装置の制御方法は、複数のロッカーと、第1の種類の媒体である第1媒体から情報を読み取るための第1リーダと、前記第1媒体とは異なる種類の媒体である第2媒体から情報を読み取るための第2リーダと、複数の前記ロッカーのうち対象ロッカーの扉を開くための操作がユーザにより行われる操作部とを備えたロッカー装置の制御方法であって、前記操作部が荷物の取り出し指示を受け付けると、前記第1リーダを前記第1媒体から情報を読み取り可能状態とするとともに前記第2リーダを前記第2媒体から情報を読み取り可能状態とする工程と、前記第1リーダまたは前記第2リーダが前記第1媒体または前記第2媒体から情報を読み取ると、読み取られた情報に基づいて前記対象ロッカーの前記扉を開くことを可能とする工程と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の制御ユニット、ロッカー装置、ロッカーシステム、ロッカー装置の制御方法によれば、荷物が預け入れられている対象ロッカーの扉をユーザが開くときの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態によるロッカー装置の正面図である。
図2図1に示すロッカー装置における一列分のロッカーの構成を示す斜視図である。
図3図1に示すロッカー装置における中央制御ユニットの正面図である。
図4図3に示す中央制御ユニットにおけるコードリーダの構成を示す構成図である。
図5図3に示す中央制御ユニットにおけるICカードリーダの構成を示す構成図である。
図6図6に示す中央制御ユニットの機能ブロック図である。
図7図1等に示すロッカー装置におけるロッカーへの荷物の預け入れ動作を示すフローチャートである。
図8図1等に示すロッカー装置におけるロッカーからの荷物の取り出し動作を示すフローチャートである。
図9図3に示す中央制御ユニットの操作表示部に表示される待機画面を示す図である。
図10図3に示す中央制御ユニットのICカードリーダにより読み取られるICカードを概略的に示す図である。
図11図3に示す中央制御ユニットのプリンタにより印字されるロッカーご利用証明書を示す図である。
図12図3に示す中央制御ユニットの操作表示部に表示される画面を示す図である。
図13図3に示す中央制御ユニットの操作表示部に表示される画面を示す図である。
図14図3に示す中央制御ユニットの操作表示部に表示される画面を示す図である。
図15図3に示す中央制御ユニットの操作表示部に表示される画面を示す図である。
図16図3に示す中央制御ユニットの操作表示部に表示される画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図5は、本実施の形態に係るロッカー装置等の構成を示す正面図や斜視図である。また、図6は、図1等に示すロッカー装置の中央制御ユニットの機能ブロック図である。また、図7および図8は、図1等に示すロッカー装置におけるロッカーへの荷物の預け入れ動作およびロッカーからの荷物の取り出し動作をそれぞれ示すフローチャートである。また、図9および図12乃至図16は、図3に示す中央制御ユニットの操作表示部に表示される待機画面を示す図である。また、図10は、図3に示す中央制御ユニットのICカードリーダにより読み取られるICカードを概略的に示す図であり、図11は、図3に示す中央制御ユニットのプリンタにより印字されるロッカーご利用証明書を示す図である。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態によるロッカー装置1は、預け入れる荷物を収納するロッカー10を複数有するものである。具体的には、ロッカー装置1において例えば5段×10列の計50個のロッカー10からなるロッカー組合せ体が2組、中央制御ユニット30の両側に左右一対となるよう配置されている。なお、図1ではロッカー組合せ体の一部の図示が省略されている。
【0021】
図1および図2に示すように、各ロッカー10の前面には、ロッカー10毎に独立して開閉可能な扉12が設けられている。また、各ロッカー10における扉12の右側にはロッカー操作部20が設けられている。ロッカー操作部20の構成の詳細については後述する。また、ロッカー装置1において、左右一対の2組のロッカー組合せ体の間には中央制御ユニット30が設けられており、この中央制御ユニット30により、各ロッカー10における荷物の預け入れ動作や、荷物の取り出し動作、精算処理等が集中して管理されるようになっている。図3に示すように、中央制御ユニット30には、例えばタッチパネル等からなる操作表示部32や、ロッカー利用証明書等の各種レシートの印字を行うプリンタ38等が設けられている。このような中央制御ユニット30の構成の詳細については後述する。また、中央制御ユニット30の上方および下方にもそれぞれロッカー10が設けられているが、中央制御ユニット30の上方に配置されるロッカー10は、管理者用のメンテナンス工具や備品等を収納するための多目的ボックスとして使用されるようになっていてもよい。
【0022】
各ロッカー10には、扉12の施錠を行う施錠機構(図示せず)が設けられている。また、各ロッカー10に対応して設けられているロッカー操作部20は、その前面が長方形形状となっているケーシング21を有しており、このケーシング21の上下方向における中央部分には略長方形形状の開口22が形成されている。開口22の近傍におけるケーシング21の内部には、ユーザがロッカー10の扉12の仮施錠を行うための施錠レバー24が設けられている。施錠レバー24は開口22を貫通してケーシング21の内部から外側に突出するとともに、開口22に沿って上下方向に移動可能となっている。ロッカー操作部20では、施錠レバー24が上部位置にあるときを解錠位置とし、施錠レバー24が下部位置にあるときを施錠位置としている。また、ロッカー操作部20には、このロッカー操作部20に対応するロッカー10の使用状態を示すLEDランプ26が設けられている。
【0023】
図3に示すように、中央制御ユニット30の前面上部には操作表示部32、スピーカ34、コードリーダ36が設けられている。また、中央制御ユニット30の前面において操作表示部32の下方には左右一対のプリンタ38が設けられており、これらのプリンタ38の右側にはICカードリーダ40が設けられている。また、中央制御ユニット30の前面における中央部分には硬貨投入口42および紙幣出入口44が設けられており、ユーザはこれらの硬貨投入口42や紙幣出入口44に硬貨や紙幣を投入することができるようになっている。また、中央制御ユニット30の前面下部には硬貨返却口46が設けられており、釣銭としての硬貨がこの硬貨返却口46によりユーザに払い戻されるようになっている。また、中央制御ユニット30の前面下部にはメンテナンス錠48が設けられており、ロッカー装置1の管理者がメンテナンス鍵をこのメンテナンス錠48に差し込んで回すと、この管理者は中央制御ユニット30で管理モードを実行することができるようになる。
【0024】
図6に示すように、中央制御ユニット30の筐体内にはCPU等の制御部60が設けられており、操作表示部32、スピーカ34、コードリーダ36、プリンタ38、ICカードリーダ40等はそれぞれ制御部60に接続されている。制御部60は、中央制御ユニット30の各構成要素、および各ロッカー10に対応して設けられている施錠機構の制御を行うようになっている。図4は、コードリーダ36の構成を示す構成図である。図4に示すように、コードリーダ36は、プリンタ38により印字されるロッカーご利用証明書90(図11参照)のコード92を撮像するカメラ36aと、カメラ36aを囲むよう設けられた長方形の枠形状のLEDランプ36bとを有しており、カメラ36aによってコード92をスキャニングすることによりコードリーダ36はこのコード92に含まれる情報を読み取るようになっている。ここで、コードリーダ36がロッカーご利用証明書90のコード92を読み取り可能状態となったときにはLEDランプ36bが点灯するようになっている。
【0025】
また、図5は、ICカードリーダ40の構成を示す構成図である。図5に示すように、ICカードリーダ40は、電子マネー媒体等として用いられるICカード80(図10参照)のICタグ82に対して情報の読み書きを行うリーダライタ部40aと、ICカードリーダ40が読み取り可能状態であることを示すLEDランプ40bと、リーダライタ部40aを囲むよう設けられたLEDランプ40cとを有している。ICカードリーダ40は、電子マネーによる支払いが行われる場合に、ICカード80のICタグ82に記憶されている情報を読み取ったり、ICタグ82に情報を書き込んだりする。また、ICカード80には、目視確認用コード84として当該ICカード80の識別番号そのものや識別番号を複数桁の数字に変換したものが記載されている。ここで、ICカードリーダ40がICカード80を読み取り可能状態となったときにはLEDランプ40bが緑色で点灯するとともにLEDランプ40cが緑色で点滅し、正常に決済が終了したときにはLEDランプ40cが青色で点灯する。一方、残高不足等により正常に決済が終了しなかったときにはLEDランプ40cが赤色で点灯し、また、この場合には、残高不足等によりICカード80を利用できない旨のメッセージが操作表示部32に表示される。
【0026】
また、中央制御ユニット30の筐体内には、硬貨の処理を行う硬貨処理部50および紙幣の処理を行う紙幣処理部52がそれぞれ設けられている。硬貨投入口42に投入された硬貨は、硬貨処理部50において金種や真偽、正損等の識別が行われた後、この硬貨処理部50の硬貨収納領域に収納されるようになっている。また、この硬貨処理部50の硬貨収納領域から釣銭としての硬貨が硬貨返却口46に払い出されるようになっている。また、紙幣出入口44に投入された紙幣は、紙幣処理部52において金種や真偽、正損等の識別が行われた後、この紙幣処理部52の紙幣収納領域に収納されるようになっている。また、ユーザが紙幣出入口44に紙幣を投入した後、この紙幣の払い戻しを行う際には、この紙幣出入口44によりユーザに紙幣が払い戻されるようになる。また、紙幣処理部52の紙幣収納領域から釣銭としての紙幣が紙幣出入口44に払い出されるようになっている。図6に示すように、これらの硬貨処理部50や紙幣処理部52は制御部60に接続されており、硬貨処理部50や紙幣処理部52の動作は制御部60により制御されるようになっている。
【0027】
また、図6に示すように、制御部60には通信部62が接続されており、この通信部62により制御部60は外部装置としての制御装置64との間で様々な情報の送受信が可能となっている。ここで、制御装置64として、例えば管理事務所に設けられた管理コンピュータ等が用いられる。また、制御部60には記憶部66が接続されている。記憶部66には、各ロッカー10における荷物の収納状況(荷物を収納している状態にあるか否か)、荷物の預け入れ処理や精算処理の履歴等が記憶されるようになっている。
【0028】
次に、本実施の形態によるロッカー装置1において、ユーザがロッカー10への荷物の預け入れを行う際の動作について図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0029】
中央制御ユニット30が待機状態にあるときには、操作表示部32には図9に示される待機画面が表示されている。具体的には、荷物の預け入れ/取り出し動作の選択画面が操作表示部32に表示される(STEP101)。ユーザがロッカー装置1のロッカー10への荷物の預け入れを行う際に、このユーザはまず複数のロッカー10のうち施錠されていないある一つのロッカー10に預け入れたい荷物を収納し、ロッカー操作部20の施錠レバー24によりこのロッカー10の扉12の仮施錠を行う。具体的には、ユーザは、ロッカー装置1における複数のロッカー10のうちロッカー操作部20のLEDランプ26が点灯しているロッカー10の扉12を開け、預け入れたい荷物を収納する。預け入れたい荷物をロッカー10に収納した後、ユーザは施錠レバー24を下方に押し下げて施錠位置に移動させる。このことにより、このロッカー10の扉12は施錠機構により仮施錠状態となる。また、ロッカー10の扉12の仮施錠が行われると、ロッカー操作部20のLEDランプ26が点滅するようになる。
【0030】
ロッカー10の扉12の仮施錠が行われた後、ユーザは中央制御ユニット30に移動する。そして、図9に示すような操作表示部32に表示されている待機画面において、ユーザが「入れる」ボタンを押すことにより荷物の預け入れ動作を選択すると(STEP102の「YES」)、中央制御ユニット30の操作表示部32には複数のロッカー10を示す画面が表示されるとともに、「仮施錠した扉を選択してください」というメッセージが表示される。また、操作表示部32の表示画面において、仮施錠が行われたロッカー10は他のロッカー10と区別して表示される(STEP103)。中央制御ユニット30の操作表示部32に仮施錠が行われたロッカー10の選択画面が表示されているときに、ユーザにより、この選択画面における仮施錠が行われたロッカー10の箇所が押下されると、(STEP104の「YES」)、操作表示部32には、預入利用料金の支払い方法の選択を求める旨の選択画面が表示される。具体的には、「ICカード」および「現金」の2つのボタンが操作表示部32に表示される(STEP105)。
【0031】
中央制御ユニット30の操作表示部32に支払い方法の選択画面が表示されているときに、ユーザが操作表示部32において「ICカード」のボタンを押下することにより預入利用料金をICカード80で支払うことを選択した場合には、操作表示部32には、中央制御ユニット30のICカードリーダ40によるICカード80の読み取りを求める旨のメッセージが表示される(STEP106)。また、ICカードリーダ40が読み取り可能状態になり、LEDランプ40bが緑色で点灯するとともにLEDランプ40cが緑色で点滅する。そして、ユーザがICカード80をICカードリーダ40に近づけることにより、ICカードリーダ40によりICカード80の読み取りが行われると(STEP107の「YES」)、仮施錠状態にあるロッカー10の扉12が施錠機構により施錠状態(本施錠状態)となる(STEP108)。また、中央制御ユニット30の制御部60において今回の取引(具体的には、ロッカー10の利用)に関する鍵番号が発行され、ICカードリーダ40により読み取られたICカード80の識別番号と鍵番号との紐付けが行われる。また、制御部60において、利用されるロッカー10の番号と鍵番号との紐付けが行われる。互いに紐づけられたロッカー10の番号、鍵番号およびICカード80の識別番号は記憶部66に記憶される。その後、ロッカーご利用証明書90が中央制御ユニット30のプリンタ38により印字される(STEP109)。ここで、中央制御ユニット30で発行されるロッカーご利用証明書90には、利用開始日時、鍵となるICカード80の種類、施錠されたロッカー10の番号、預入利用料金の金額、ICカード80で支払った金額、ICカード80の残額、ICカード80の識別番号等が印字される。なお、預入利用料金をICカード80で支払うことが選択された場合には、ロッカーご利用証明書90には二次元コード等のコード92は印字されない。
【0032】
また、中央制御ユニット30の操作表示部32に支払い方法の選択画面が表示されているときに、ユーザが操作表示部32において「現金」のボタンを押下することにより預入利用料金を現金で支払うことを選択した場合には、操作表示部32には、仮施錠が行われたロッカー10の番号および預入利用料金の金額が表示されるとともに、預入利用料金の支払いを求める旨のメッセージが表示される(STEP110)。そして、ユーザが中央制御ユニット30の硬貨投入口42や紙幣出入口44に硬貨や紙幣を投入することによって現金による預入利用料金の支払いを行うと(STEP111の「YES」)、仮施錠状態にあるロッカー10の扉12が施錠機構により施錠状態(本施錠状態)となる(STEP112)。また、中央制御ユニット30の制御部60において今回の取引(具体的には、ロッカー10の利用)に関する鍵番号が発行され、利用されるロッカー10の番号と鍵番号との紐付けが行われる。互いに紐づけられたロッカー10の番号および鍵番号は記憶部66に記憶される。
【0033】
その後、ロッカーご利用証明書90が中央制御ユニット30のプリンタ38により印字される(STEP113)。預入利用料金を現金で支払うことが選択された場合には、中央制御ユニット30で発行されるロッカーご利用証明書90には、施錠されたロッカー10の番号および預入利用料金の金額が印字されるとともに、鍵番号に関する情報を機械読み取り可能に保持する例えば二次元コード等のコード92が印字される。このようなコード92に保持された鍵番号に関する情報は、中央制御ユニット30のコードリーダ36により読み取り可能となっており、このことにより制御部60は当該ロッカーご利用証明書90に係る鍵番号を取得することができるようになっている。また、ロッカーご利用証明書90に印字される二次元コード等のコード92には、ロッカー10の番号に関する情報およびロッカー装置1の設置場所に関する情報も保持されるようになる。また、ロッカーご利用証明書90には、目視確認用コード94として鍵番号そのものまたは鍵番号を複数桁(例えば、10桁)の数字に変換したものが印字される。
【0034】
また、図9に示すような操作表示部32の待機画面において、ユーザが「ICカード残高照会」ボタンを押下すると、操作表示部32には、中央制御ユニット30のICカードリーダ40によるICカード80の読み取りを求める旨のメッセージが表示される。また、ICカードリーダ40が読み取り可能状態になり、LEDランプ40bが緑色で点灯するとともにLEDランプ40cが緑色で点滅する。そして、ユーザがICカード80をICカードリーダ40に近づけることにより、ICカードリーダ40によりICカード80の読み取りが行われると、ICタグ82に記憶されている残高の金額が操作表示部32に表示される。
【0035】
次に、本実施の形態によるロッカー装置1において、ユーザがロッカー10から荷物の取り出しを行う際の動作について図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0036】
上述したように、中央制御ユニット30が待機状態にあるときには、操作表示部32には待機画面として荷物の預け入れ/取り出し動作の選択画面(図9参照)が表示される(STEP201)。ユーザがロッカー装置1のロッカー10から荷物の取り出しを行う際に、「取り出す」ボタンを押すことにより荷物の取り出し動作を選択すると(STEP202の「YES」)、コードリーダ36およびICカードリーダ40がそれぞれ読み取り可能状態になる(STEP203)。また、コードリーダ36のLEDランプ36bが点灯するとともにICカードリーダ40のLEDランプ40bが緑色で点灯し、LEDランプ40cが緑色で点滅する(STEP203)。また、図12に示すように、操作表示部32には、ロッカーご利用証明書90に印字されたコード92またはICカード80をコードリーダ36またはICカードリーダ40に読み取らせることを求める旨のメッセージが表示される(STEP204)。このことにより、ユーザは次の動作としてロッカーご利用証明書90のコード92をコードリーダ36のカメラ36aにより読み取らせるか、ICカード80のICタグ82をICカードリーダ40のリーダライタ部40aにより読み取らせることを認識することができるようになる。
【0037】
ユーザが荷物の預け入れ時に預入利用料金をICカード80で支払っていた場合は、ユーザはこのICカード80をICカードリーダ40により読み取らせる(STEP205の「YES」)。このことにより、制御部60において、ICカード80のICタグ82に記憶されていた、識別番号に紐付けられた鍵番号が取得される。また、ICカード80がICカードリーダ40により読み取られると、コードリーダ36およびICカードリーダ40がそれぞれ読み取り不能状態となる(STEP207)。また、コードリーダ36のLEDランプ36bおよびICカードリーダ40のLEDランプ40b、40cがそれぞれ消灯する(STEP207)。
【0038】
また、ユーザが荷物の預け入れ時に預入利用料金を現金で支払っていた場合は、ユーザはロッカーご利用証明書90に印字されたコード92をコードリーダ36に近づけることにより、コードリーダ36によるコード92の読み取りを行わせる(STEP206の「YES」)。このことにより、このコード92に含まれる鍵番号が制御部60により取得される。また、ロッカーご利用証明書90に印字されたコード92がコードリーダ36により読み取られると、コードリーダ36およびICカードリーダ40がそれぞれ読み取り不能状態となる(STEP207)。また、コードリーダ36のLEDランプ36bおよびICカードリーダ40のLEDランプ40b、40cがそれぞれ消灯する(STEP207)。
【0039】
その後、制御部60は、中央制御ユニット30の記憶部66に記憶されている情報に基づいて、取得された鍵番号に対応する、ユーザが荷物を預け入れたロッカー10の番号を特定する(STEP208)。ここで、所定の利用日数を超えてロッカー10に荷物が収納されることにより超過料金が発生している場合には(STEP209の「YES」)、中央制御ユニット30の操作表示部32に、超過料金が発生している旨のメッセージおよび超過料金の支払いを求める旨のメッセージがそれぞれ表示される(STEP210)。
【0040】
より詳細には、ユーザが荷物の預け入れ時に預入利用料金をICカード80で支払っていた場合は、ICカードリーダ40が読み取り可能状態になり、LEDランプ40bが緑色で点灯し、LEDランプ40cが緑色で点滅する。一方、コードリーダ36は読み取り不能状態が維持され、LEDランプ36bは消灯したままとなる。このことにより、ユーザはICカード80をICカードリーダ40により読み取らせることによって超過料金の支払いを行うことができるようになる。この場合、制御部60による売上管理において、荷物の預け入れ時にICカード80により支払われた預入利用料金と、荷物の取り出し時にICカード80により支払われた超過料金との合計が売上金となる。
【0041】
また、ユーザが荷物の預け入れ時に預入利用料金を現金で支払っていた場合は、ICカードリーダ40およびコードリーダ36は読み取り不能状態が維持され、コードリーダ36のLEDランプ36bおよびICカードリーダ40のLEDランプ40b、40cがそれぞれ消灯したままとなる。この場合は、ユーザが中央制御ユニット30の硬貨投入口42や紙幣出入口44に硬貨や紙幣を投入することによって超過料金の支払いを行うことができるようになる。この場合、制御部60による売上管理において、荷物の預け入れ時に現金により支払われた預入利用料金と、荷物の取り出し時に現金により支払われた超過料金との合計が売上金となる。なお、変形例に係る中央制御ユニットにおいて、ユーザが荷物の預け入れ時に預入利用料金を現金で支払っていた場合でも、ICカードリーダ40が読み取り可能状態になり、ユーザはICカード80をICカードリーダ40により読み取らせることによって超過料金の支払いを行うことができるようになっていてもよい。この場合、制御部60による売上管理において、荷物の預け入れ時に現金により支払われた預入利用料金と、荷物の取り出し時にICカード80により支払われた超過料金との合計が売上金となる。
【0042】
このようにして、超過料金が支払われると(STEP211の「YES」)、荷物が収納されたロッカー10の扉12の解錠が行われ、荷物が取り出し可能となる(STEP212)。また、超過料金が発生していない場合は(STEP209の「NO」)、そのまま荷物が収納されたロッカー10の扉12の解錠が行われ、荷物が取り出し可能となる(STEP212)。また、中央制御ユニット30の操作表示部32には、ロッカー10から荷物が取り出し可能となった旨のメッセージが表示される。その後、ユーザは中央制御ユニット30からロッカー10に移動し、このロッカー10の扉12を開くことにより、ロッカー10から荷物を取り出す。このようにして、本実施の形態によるロッカー装置1において、ユーザがロッカー10から荷物の取り出しを行う際の一連の動作が完了する。
【0043】
なお、操作表示部32の待機画面においてユーザが「取り出す」ボタンを押すことにより荷物の取り出し動作を選択し、コードリーダ36およびICカードリーダ40がそれぞれ読み取り可能状態になった後、所定の時間が経過してもコードリーダ36およびICカードリーダ40によりロッカーご利用証明書90のコード92およびICカード80の何れの読み取りも行われなかった場合は、操作表示部32は図9に示すような待機画面に戻り、コードリーダ36およびICカードリーダ40がそれぞれ読み取り不能状態となる。
【0044】
また、ユーザがロッカー10から荷物の取り出しを行う際に、ICカードリーダ40が故障していた場合には、操作表示部32に表示される待機画面においてユーザが「取り出す」ボタンを押すことにより荷物の取り出し動作を選択すると、コードリーダ36のみが読み取り可能状態になり、LEDランプ36bが点灯する。一方、ICカードリーダ40のLEDランプ40b、40cは消灯したままの状態が維持される。また、操作表示部32には図13に示す画面が表示される。具体的には、操作表示部32には、ICカードリーダ40が調整中である旨およびICカード80の番号の手入力を求める旨のメッセージが表示されるとともに、ICカード80の番号の入力を行うためのボタン100が表示される。ユーザが荷物の預け入れ時に預入利用料金をICカード80で支払っていた場合に、ユーザがボタン100を押すと、操作表示部32には図14に示すようなICカード80の番号の入力画面が表示される。そして、ICカード80に記載されている目視確認用コード84の番号(具体的には、ICカード80の識別番号そのものや識別番号を複数桁の数字に変換したもの)をユーザが操作表示部32に入力すると、ICカード80の識別番号に紐付けられた鍵番号が取得される。また、ICカード80の番号が操作表示部32に入力されると、コードリーダ36が読み取り不能状態となり、LEDランプ36bが消灯する。その後、取得された鍵番号に基づいて荷物が収納されたロッカー10の扉12の解錠が行われ、荷物が取り出し可能となり、中央制御ユニット30の操作表示部32には、ロッカー10から荷物が取り出し可能となった旨のメッセージが表示される。
【0045】
また、ユーザがロッカー10から荷物の取り出しを行う際に、コードリーダ36が故障していた場合には、操作表示部32に表示される待機画面においてユーザが「取り出す」ボタンを押すことにより荷物の取り出し動作を選択すると、ICカードリーダ40のみが読み取り可能状態になり、LEDランプ40bが緑色で点灯するとともにLEDランプ40cが緑色で点滅する。一方、コードリーダ36のLEDランプ36bは消灯したままの状態が維持される。また、操作表示部32には図15に示す画面が表示される。具体的には、操作表示部32には、コードリーダ36が調整中である旨およびロッカーご利用証明書90の目視確認用コード94の番号の入力を求める旨のメッセージが表示されるとともに、目視確認用コード94の番号の入力を行うためのボタン110が表示される。ユーザが荷物の預け入れ時に預入利用料金を現金で支払っていた場合に、ユーザがボタン110を押すと、操作表示部32には図16に示すようなロッカーご利用証明書90の目視確認用コード94の番号の入力画面が表示される。そして、目視確認用コード94の番号(具体的には、鍵番号そのものや鍵番号を複数桁の数字に変換したもの)をユーザが操作表示部32に入力すると、制御部60において鍵番号が取得される。また、ロッカーご利用証明書90の目視確認用コード94の番号が操作表示部32に入力されると、コードリーダ36が読み取り不能状態となり、LEDランプ36bが消灯する。その後、取得された鍵番号に基づいて荷物が収納されたロッカー10の扉12の解錠が行われ、荷物が取り出し可能となり、中央制御ユニット30の操作表示部32には、ロッカー10から荷物が取り出し可能となった旨のメッセージが表示される。
【0046】
以上のような構成からなる本実施の形態の中央制御ユニット30やロッカー装置1、このロッカー装置1の制御方法によれば、操作表示部32が荷物の取り出し指示を受け付けると、制御部60は、ICカードリーダ40(第1リーダ)をICカード80(第1媒体)から情報を読み取り可能状態とするとともにコードリーダ36(第2リーダ)をロッカーご利用証明書90(第2媒体)から情報を読み取り可能状態とし、制御部60は、ICカードリーダ40またはコードリーダ36がICカード80またはロッカーご利用証明書90から情報を読み取ると、読み取られた情報に基づいて対象となるロッカー10の扉12を開くことが可能となるよう制御を行う。このことにより、荷物が預け入れられているロッカー10の扉12をユーザが開くときの利便性を向上させることができる。
【0047】
より詳細には、従来のロッカー装置では、荷物が預け入れられている対象ロッカーの扉を開くための操作をユーザが中央制御ユニットで行うにあたり、中央制御ユニットの操作表示部の待機画面においてユーザが「荷物を取り出す」というボタンを押下すると、荷物の預け入れ時の預入利用料金の支払い方法の選択画面として「ICカード」および「現金」の2つのボタンが操作表示部に表示されていた。そして、「ICカード」のボタンをユーザが押すと、ICカードの読み取りを行うICカードリーダが有効化され、ICカードに記憶されている情報をICカードリーダにより読み取り可能な状態となっていた。その後、ユーザがICカードに記憶されている情報をICカードリーダにより読み取らせると、対象ロッカーの扉の解錠が行われていた。一方、「現金」のボタンをユーザが押すと、ロッカーご利用証明書に印字されたコードの読み取りを行うコードリーダが有効化され、ロッカーご利用証明書に印字されたコードにより示される情報をコードリーダにより読み取り可能な状態となっていた。その後、ロッカーご利用証明書に印字されたコードにより示される情報をコードリーダにより読み取らせると、対象ロッカーの扉の解錠が行われていた。
【0048】
しかしながら、従来のロッカー装置において、荷物の預け入れ時の預入利用料金の支払い方法の選択画面が中央制御ユニットの操作表示部に表示されたときに、ユーザが「ICカード」または「現金」のボタンを押す代わりに、ICカードやロッカーご利用証明書に印字されたコードをICカードリーダやコードリーダに翳す場合があった。この場合はICカードリーダやコードリーダが有効化されていないため、対象ロッカーの扉の解錠動作を行うことができなかった。このときに、ユーザはロッカー装置が故障したと勘違いしてしまい、管理会社等に連絡することにより対応に手間がかかるという問題があった。
【0049】
これに対し、本実施の形態の中央制御ユニット30やロッカー装置1、このロッカー装置1の制御方法によれば、操作表示部32が荷物の取り出し指示を受け付けると、ICカードリーダ40をICカード80から情報を読み取り可能状態とするとともにコードリーダ36をロッカーご利用証明書90から情報を読み取り可能状態とするため、上述した従来のロッカー装置の問題を解決することができる。
【0050】
また、本実施の形態の中央制御ユニット30やロッカー装置1によれば、ICカードリーダ40およびコードリーダ36が読み取り可能状態となると、ICカードリーダ40またはコードリーダ36が読み取り可能状態である旨をユーザに報知する報知手段(具体的には、操作表示部32やLEDランプ36b、40b、40c)を更に備えている。このことにより、ユーザは次の動作としてICカードリーダ40またはコードリーダ36によりICカード80またはロッカーご利用証明書90から情報を読み取らせることを認識することができる。
【0051】
また、本実施の形態の中央制御ユニット30やロッカー装置1によれば、ICカードリーダ40またはコードリーダ36によりICカード80またはロッカーご利用証明書90から情報が読み取られると、制御部60は、他方のリーダの読み取り可能状態を解除して読み取り不能状態にする。このことにより、ICカードリーダ40およびコードリーダ36の両方により情報が二重に取得されてしまうことを防止することができる。
【0052】
また、本実施の形態の中央制御ユニット30やロッカー装置1によれば、制御部60は、ICカードリーダ40およびコードリーダ36のうち少なくとも一方のリーダが故障しているときに、当該リーダにより読み取られる媒体に関する情報の手入力を促す案内画面を操作表示部32に表示させるようになっている。このことにより、一方のリーダが故障している場合でも、手入力された情報に基づいてロッカー10の扉12の解錠を行うことができる。
【0053】
また、本実施の形態の中央制御ユニット30やロッカー装置1によれば、ICカードリーダ40(第1リーダ)はICカード80(第1媒体)から情報を読み取ることにより決済処理を行うことが可能なリーダであり、コードリーダ36(第2リーダ)は決済処理において貨幣の投入が必要となるリーダである。また、制御部60は、ICカードリーダ40またはコードリーダ36がICカード80またはロッカーご利用証明書90から情報が読み取られたときにロッカー10の利用に関して超過料金が発生していた場合は、ICカードリーダ40を読み取り可能状態にする。この場合には、ユーザが荷物の預け入れ時に預入利用料金を現金で支払っていた場合でも、超過料金が発生していたときにユーザは現金が手元になくてもICカード80をICカードリーダ40により読み取らせることによって超過料金の支払いを行うことができるため、ユーザの利便性をより一層向上させることができる。この場合、制御部60による売上管理において、荷物の預け入れ時に現金により支払われた預入利用料金と、荷物の取り出し時にICカード80により支払われた超過料金との合計が売上金となる。
【0054】
また、本実施の形態の中央制御ユニット30やロッカー装置1によれば、ロッカーご利用証明書90(第2媒体)はコード92が印字された紙媒体であり、コードリーダ36(第2リーダ)は紙媒体に印字されたコード92をスキャニングすることにより読み取るようになっている。
【0055】
なお、本実施の形態による中央制御ユニット30やロッカー装置1、その制御方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0056】
例えば、上述したロッカー装置1の制御は、制御部60により行われるのではなく、ロッカー装置1とは別に設けられた制御装置64により遠隔で行われるようになっていてもよい。この場合、制御装置64は、中央制御ユニット30と信号の送受信を行いながら、操作表示部32が荷物の取り出し指示を受け付けると、ICカードリーダ40をICカード80から情報を読み取り可能状態とするとともにコードリーダ36をロッカーご利用証明書90から情報を読み取り可能状態とする。また、制御装置64は、中央制御ユニット30と信号の送受信を行いながら、ICカードリーダ40またはコードリーダ36がICカード80またはロッカーご利用証明書90から情報を読み取ると、読み取られた情報に基づいて対象となるロッカー10の扉12を開くことが可能となるよう制御を行う。この場合、ロッカー装置1および制御装置64により、本発明に係るロッカーシステムが構成される。
【0057】
また、上述したロッカー装置1では操作表示部32および制御部60が同じ中央制御ユニット30に設けられているが、操作表示部32および制御部60がそれぞれ別のユニットに設けられていてもよい。
【0058】
また、各ロッカー10における荷物の収納状況(荷物を収納している状態にあるか否か)、荷物預入処理や精算処理の履歴等がロッカー装置1に記憶部66に記憶される代わりに、これらの情報がロッカー装置1とは別に設けられた外部装置(例えば、外部のクラウド等)に記憶され、制御部60が外部装置からこれらの情報を受信することにより制御部60が様々な制御を行うようになっていてもよい。
【0059】
また、別の変形例に係るロッカー装置において、荷物の預け入れ動作においてユーザが預入利用料金をICカード80で支払うことを選択した場合に、このICカード80のICタグ82から読み取られたICカード80の識別番号そのものが制御部60において鍵番号として使用されてもよい。
【0060】
また、荷物の預け入れ動作において、ロッカー10の扉12が施錠された後、ロッカーご利用証明書90が中央制御ユニット30のプリンタ38により印字される代わりに、制御部60から通信部62により無線通信またはインターネット回線を介してユーザの携帯情報端末(例えば、スマートフォンやPCタブレット)に、ロッカー装置1の設置場所、利用開始日時、施錠されたロッカー10の番号、預入利用料金の金額等の情報が送信されるとともに、鍵番号に関する情報を機械読み取り可能に保持する例えば二次元コード等のコード92の情報が送信されてもよい。この場合は、中央制御ユニット30のコードリーダ36は、ユーザの携帯情報端末に表示されるコード92を読み取り可能となっている。このような態様でも、操作表示部32が荷物の取り出し指示を受け付けると、制御部60は、ICカードリーダ40をICカード80から情報を読み取り可能状態とするとともにコードリーダ36を携帯情報端末から情報を読み取り可能状態とし、制御部60は、ICカードリーダ40またはコードリーダ36がICカード80または携帯情報端末から情報を読み取ると、読み取られた情報に基づいて対象となるロッカー10の扉12を開くことが可能となるよう制御を行う。このことにより、荷物が預け入れられているロッカー10の扉12をユーザが開くときの利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 ロッカー装置
10 ロッカー
12 扉
20 ロッカー操作部
21 ケーシング
22 開口
24 施錠レバー
26 LEDランプ
30 中央制御ユニット
32 操作表示部
34 スピーカ
36 コードリーダ
36a カメラ
36b LEDランプ
38 プリンタ
40 ICカードリーダ
40a リーダライタ部
40b、40c LEDランプ
42 硬貨投入口
44 紙幣出入口
46 硬貨返却口
48 メンテナンス錠
50 硬貨処理部
52 紙幣処理部
60 制御部
62 通信部
64 制御装置
66 記憶部
80 ICカード
82 ICタグ
84 目視確認用コード
90 ロッカーご利用証明書
92 コード
94 目視確認用コード
100、110 ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16