(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177577
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】分岐水栓及び分岐水栓が配設された台
(51)【国際特許分類】
F16L 41/02 20060101AFI20221124BHJP
E03C 1/02 20060101ALI20221124BHJP
A47K 1/00 20060101ALI20221124BHJP
A47B 77/00 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
F16L41/02
E03C1/02
A47K1/00 A
A47B77/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083941
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】中島 一彰
(72)【発明者】
【氏名】加茂 拡
【テーマコード(参考)】
2D060
3B260
3H019
【Fターム(参考)】
2D060AA01
2D060AB05
2D060AC00
3B260CA00
3H019BA04
3H019BB01
3H019BC05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ボディをスマートにして省スペース化を図ることができる、分岐水栓及び分岐水栓が配設された台を提供する。
【解決手段】この発明にかかる分岐水栓は、分岐水栓ボディ12と、前記分岐水栓ボディの前面に配設された複数の開閉ハンドル14とを備え、前記分岐水栓ボディ12は、全体形状が小さく、流通口と、前記流通口とは離れた位置に形成された第1流通口及び第2流通口とを有し、開閉ハンドルに取り付けられた弁機構の近傍に分岐流路が形成され、前記開閉ハンドル14は、分岐水栓ボディ12の前面において横方向に配設され、分岐水栓ボディ12の手前側に向けて伸びる細長い形状であり、複数の開閉ハンドル14の間の間隔は、その間に指が入る間隔よりも若干広く、前記分岐水栓ボディ12の手前側より前記開閉ハンドルを回転させることができるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分岐水栓ボディと、
前記分岐水栓ボディの前面に配設された複数の開閉ハンドルとを備え、
前記分岐水栓ボディは、全体形状が小さく、流通口と、前記流通口とは離れた位置に形成された第1流通口及び第2流通口とを有し、
開閉ハンドルに取り付けられた弁機構の近傍に分岐流路が形成され、前記分岐流路は、弁領域を介して第1流通口及び第2流通口と流路接続され、かつ流通口と流路接続され、
前記開閉ハンドルは、分岐水栓ボディの前面において横方向に配設され 、分岐水栓ボディの手前側に向けて伸びる細長い形状であり、
複数の開閉ハンドルの間の間隔は、その間に指が入る間隔よりも若干広く、
前記分岐水栓ボディの手前側より前記開閉ハンドルを指で把持して、前記開閉ハンドルを回転させることができるように構成されたことを特徴とする、分岐水栓。
【請求項2】
前記分岐水栓ボディは、上下方向に向けて、流通口並びに第1流通口及び第2流通口を構成する流通口管が突き出し設けられた、請求項1に記載の分岐水栓。
【請求項3】
前記分岐水栓ボディは、前記複数の開閉ハンドルが取り付けられた弁機構を取り付ける弁領域の間に、分岐流路が形成され、前記弁領域の左右に第1吐出流路及び第2吐出流路が形成され、前記分岐流路並びに第1吐出流路及び第2吐出流路が開閉ハンドルの近傍に形成された、請求項1または2に記載の分岐水栓。
【請求項4】
前記分岐水栓ボディは、
開閉ハンドルを挟んで左右に分かれて、第1流通口と第2流通口とが形成され、
又は、開閉ハンドルの向こう側において左右に分かれて、第1流通口と第2流通口とが形成され、
開閉ハンドルの下部に、流通口が形成され、第1流通口及び第2流通口並びに流通口が開閉ハンドルの近傍に形成された、
請求項1ないし3のいずれかに記載の分岐水栓。
【請求項5】
前記複数の開閉ハンドルは、複数の流通口の間において、配設された、請求項1ないし4のいずれかに記載の分岐水栓。
【請求項6】
前記弁機構を構成する栓棒は、開閉ハンドルを取り付けるハンドル取り付け部が形成され、開閉ハンドル取り付け部の下方に弁を有するリフト部に取り付けられるリフト取り付け部が形成され、前記リフト取り付け部の直径は、前記ハンドル取り付け部の直径に近い長さで、開閉ハンドルの外形の幅より短く、開閉ハンドルの回転により軽く栓棒を回すことができるように構成されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の分岐水栓。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の分岐水栓が、洗面所の洗面台または台所の流し台の等の台の下部の空間内に配設され、
前記分岐水栓ボディは、前記開閉ハンドルが前記台の手前側に向けて伸びるように、かつ、複数の開閉ハンドルが台の幅方向に並ぶように、前記台の空間内に配設されたことを特徴とする、分岐水栓が配設された台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、分岐水栓及び分岐水栓が配設された台に関し、特に、例えば、台所の流し台などの台の下部のスペースに配設される分岐水栓及び分岐水栓が配設された台に関する。
【背景技術】
【0002】
台所の流し台の天板の下のスペースには、給水、給湯、排水の配管や電気配線を設置するための棚が設けられている。それゆえに、上下方向のスペースが少なくなり、食洗器や浄水器に給湯・給水する配管が折れ曲がった状態になりやすい。
そこで、台所や洗面のシンクの下キャビネットにおいて配管の分岐を構成するときに、大きいスペースを取らないで分岐を行うことができる分岐水栓の構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された分岐水栓においても、分岐水栓の本体であるボディが比較的大きく、コンセントや独立した止水栓を有しているために、省スペース化を図ることが困難である。
それゆえに、この発明の主たる目的は、ボディをスマートにして省スペース化を図ることができる、分岐水栓及び分岐水栓が配設された台を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明にかかる分岐水栓は、分岐水栓ボディと、前記分岐水栓ボディの前面に配設された複数の開閉ハンドルとを備え、前記分岐水栓ボディは、全体形状が小さく、流通口と、前記流通口とは離れた位置に形成された第1流通口及び第2流通口とを有し、開閉ハンドルに取り付けられた弁機構の近傍に分岐流路が形成され、前記分岐流路は、弁領域を介して第1流通口及び第2流通口と流路接続され、かつ流通口と流路接続され、前記開閉ハンドルは、分岐水栓ボディの前面において横方向に配設され 、分岐水栓ボディの手前側に向けて伸びる細長い形状であり、複数の開閉ハンドルの間の間隔は、その間に指が入る間隔よりも若干広く、前記分岐水栓ボディの手前側より前記開閉ハンドルを指で把持して、前記開閉ハンドルを回転させることができるように構成されたことを特徴とする、分岐水栓である。
この発明の請求項2にかかる前記分岐水栓ボディは、上下方向に向けて、流通口並びに第1流通口及び第2流通口を構成する流通口管が突き出し設けられた、請求項1に記載の分岐水栓である。
この発明の請求項3にかかる前記分岐水栓ボディは、前記複数の開閉ハンドルが取り付けられた弁機構を取り付ける弁領域の間に、分岐流路が形成され、前記弁領域の左右に第1吐出流路及び第2吐出流路が形成され、前記分岐流路並びに第1吐出流路及び第2吐出流路が開閉ハンドルの近傍に形成された、請求項1または2に記載の分岐水栓である。
この発明の請求項4にかかる前記分岐水栓ボディは、開閉ハンドルを挟んで左右に分かれて、第1流通口と第2流通口とが形成され、又は、開閉ハンドルの向こう側において左右に分かれて、第1流通口と第2流通口とが形成され、開閉ハンドルの下部に、流通口が形成され、第1流通口及び第2流通口並びに流通口が開閉ハンドルの近傍に形成された、請求項1ないし3のいずれかに記載の分岐水栓である。
この発明の請求項5にかかる前記複数の開閉ハンドルは、複数の流通口の間において、配設された、請求項1ないし4のいずれかに記載の分岐水栓である。
この発明の請求項6にかかる前記弁機構を構成する栓棒は、開閉ハンドルを取り付けるハンドル取り付け部が形成され、開閉ハンドル取り付け部の下方に弁を有するリフト部に取り付けられるリフト取り付け部が形成され、前記リフト取り付け部の直径は、前記ハンドル取り付け部の直径に近い長さで、開閉ハンドルの外形の幅より短く、開閉ハンドルの回転により軽く栓棒を回すことができるように構成されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の分岐水栓である。
この発明にかかる分岐水栓が配設された台は、請求項7にかかる請求項1ないし6のいずれかに記載の分岐水栓が、洗面所の洗面台または台所の流し台の等の台の下部の空間内に配設され、前記分岐水栓ボディは、前記開閉ハンドルが前記台の手前側に向けて伸びるように、かつ、複数の開閉ハンドルが台の幅方向に並ぶように、前記台の空間内に配設されたことを特徴とする、分岐水栓が配設された台である。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、ボディをスマートにして省スペース化を図ることができる、分岐水栓及び分岐水栓が配設された台を提供することができる。
【0007】
この発明の上記の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施の形態である分岐水栓の正面図解図である。
【
図3A】
図1図示分岐水栓の一部を断面とした正面図解図である。
【
図4】
図1図示分岐水栓ボディの断面図解図であり、(A)は
図1B1-B
1断面図解図であり、(B)は
図1B2-B
2断面図解図である。
【
図5A】
図1図示分岐水栓ボディの図解図であり、(A)は正面図解図であり、(B)は、底面図解図である。
【
図5B】図面1図示分岐水栓ボディの図解図であり、(A)は背面図解図であり、(B)は右側面図解図である。
【
図6A】
図1図示分岐水栓ボディの断面図解図であり、(A)は
図1A1-A
1断面図解図であり、(B)は、
図1A2-A
2断面図解図である。
【
図6B】
図1図示分岐水栓ボディの断面図解図であり、(A)は
図1A3-A
3断面図解図であり、(B)は
図1B1-B
1断面図解図であり、(C)は
図1B2-B
2断面図解図である。
【
図7】
図1図示分岐水栓を分解した状態を示す一部を断面とした正面図解図である。
【
図8】
図1図示分岐水栓の分岐水栓ボディに弁機構を取り付けた状態を示す断面図解図であり、(A)は開栓した状態の図であり、(B)は閉栓した状態の図である。
【
図9】
図1図示弁機構の図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は正面図解図であり、(C)は断面図解図である。
【
図10】
図1図示弁機構の分解した状態を示す一部を断面とした正面図解図であり、(A)は第1の実施の形態にかかる図解図であり、(B)は第1の実施の形態の変形例の図解図である。
【
図11】本発明の第2の実施の形態である分岐水栓の一部を断面とした正面図解図である。
【
図12】
図11図示分岐水栓の図解図であり、(A)は正面縦断面図であり、(B)は正面図解図である。
【
図15A】
図11図示分岐水栓の分岐水栓ボディの図解図であり、(A)は正面図解図であり、(B)は底面図解図である。
【
図15B】
図11図示分岐水栓ボディの図解図であり、(A)は背面図解図であり、(B)は右側面図解図である。
【
図16B】図面11図示分岐水栓ボディの断面図解図であり、(A)は
図11A3-A
3断面図解図であり、(B)は
図11B1-B
1断面図解図であり、(C)は
図11B2-B
2断面図解図である。
【
図17】本発明の第3の実施の形態である分岐水栓の図解図であり、(A)は正面図解図であり、(B)は背面図解図である。
【
図18】
図17図示分岐水栓の一部を断面とした正面図解図である。
【
図21A】
図17図示分岐水栓の分岐水栓ボディの図解図であり、(A)は正面図解図であり、(B)は底面図解図である。
【
図21B】
図17図示分岐水栓の分岐水栓ボディの図解図であり、(A)は背面図解図であり、(B)は右側面図解図である。
【
図22B】図面17図示分岐水栓ボディの断面図解図であり、(A)は
図17A3-A
3断面図解図であり、(B)は
図17B1-B
1断面図解図であり、(C)は
図17B2-B
2断面図解図である。
【
図23】
図17図示分岐水栓を分解した状態を示す一部を断面とした正面図解図である。
【
図24】本発明に係る分岐水栓の利用方法を示す正面図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(定義)
以下の説明において、使用される方向を、
図1ないし
図3に従い、次のように定義する。
分岐水栓ボディ及び開閉ハンドルを正面に捉える側を手前側(正面側、前側)と言い、手前側の反対側を向こう側(背面側、後ろ側)と言う。正面から見て二つの開閉ハンドルが並んだ方向において、右側を右側とし、正面から見て二つの開閉ハンドルが並んだ方向において左側を左側と言う。
また、二つの開閉ハンドルが並んだ方向と交差(直交)する方向を上下方向といい、上下方向において、上側を上側と言い、下側を下側と言う。
なお、弁機構及び開閉ハンドルの説明においては、開閉ハンドルを取り付けた栓棒側を上側と言い、駒弁を取り付けた側を下側と言う。
【0010】
この発明の分岐水栓10は、分岐水栓ボディ12と、前記分岐水栓ボディ12の前面に配設された複数の開閉ハンドル14とを備えており、分岐水栓ボディ12がスマートになって、流し台等の台300の天板の下部の空間302を有効利用して省スペース化を図ることができるように構成されている。
開閉ハンドル14は、接近して横配置されているので省スペース化に資するとともに、前面から操作できるので操作性が良いように構成されている。
【0011】
前記分岐水栓ボディ12は、全体形状が小さいブロック状体であり、水又は湯を分岐水栓ボディ12の内部に形成された通水通路16に供給する供給口を構成する流通口18と、前記流通口18とは離れた位置に形成された第1流通口20及び第2流通口22とを有している。
【0012】
前記分岐水栓ボディ12は、前記流通口18に流路接続された通水流路16が穿設されており、更に、弁領域24を介して、別の第1流通口20及び第2流通口22に流路接続された通水流路16が穿設されている。
前記分岐水栓ボディ12の通水流路16は、開閉ハンドル14を挟んで左右に分かれて、第1流通口20及び第2流通口22に流路接続するように形成され、開閉ハンドル14の下部に形成された、流通口18に流路接続するように形成されている。
【0013】
通水流路16は、流通口18に流路接続された、分岐流路26と、弁領域24を介して、第1流通口20と流路接続された第1吐出流路28及び第2流通口22と流路接続された第2吐出流路30とを有している。
分岐流路26は、弁領域24に取り付けられた弁機構100の近傍に形成され、前記第1吐出流路28及び第2吐出流路30は、弁機構100の近傍に形成されている。
【0014】
前記分岐水栓ボディ12は、開閉ハンドル14の向こう側において左右に分かれて、第1流通口20及び第2流通口22が形成され、且つ、開閉ハンドル14の向こう側において、開閉ハンドル14を構成する第1開閉ハンドル14Aと第2開閉ハンドル14Bとの間の下部に、流通口18が形成されている。
【0015】
前記分岐水栓ボディ14は、下方向に向くように、流通口18に第3の流通口管36が突き出し設けられ、且つ上方向を向くように、第1流通口20に第1の流通口管32が突き出し設けられるとともに第2流通口22に第2の流通口管34が突き出し設けられている。
而して、第3の流通口管36は、給水、給湯パイプを下方向から直線的に伸ばして、流通口18の第3の流通口管36に連結できる。
そして、第1の流通口管32及び通水管34は、それらから上方に向けて直線的に伸ばしたパイプにより、水栓、浄水器、湯沸かし器、食器洗い器などを適宜接続して利用し得る。
【0016】
前記開閉ハンドル14は、分岐水栓ボディ12の前面において、複数個が横方向に配設されている。
この開閉ハンドル14は 、分岐水栓ボディ12の手前側に向けて伸びる細長い形状である。
複数の開閉ハンドル14の間の間隔は、その間に指が入る間隔よりも若干広く、前記分岐水栓ボディ12の手前側より前記開閉ハンドル14を指で把持して、前記開閉ハンドル14を回転させることができるように構成されている。
開閉ハンドル14は、接近して横配置されているので省スペース化に資するとともに、前面から操作できるので操作性が良いように構成されている。
【0017】
前記複数の開閉ハンドル14が取り付けられた弁機構100を取り付ける弁領域24の向こう側において、弁領域24を構成する第1弁領域24Aと第2弁領域24Bとの間に、分岐流路26が形成されており、該分岐流路26は、弁機構100を取り付ける弁領域24の手前側において左右に分かれて形成された第1吐出流路28及び第2吐出流路30に、流路が接続されている。
【0018】
前記複数の開閉ハンドル14は、第1吐出流路28を形成する第1流通口20に接続される第1の流通口管32と第2吐出流路30を構成する第2流通口22に接続される第2の流通口管34との間において、配設されている。
【0019】
開閉ハンドル14は弁機構100に取り付けられ、弁機構100は分岐水栓ボディ12の弁領域24に取付けられている。
前記弁機構100を構成する栓棒102は、開閉ハンドル14を取り付けるハンドル取り付け部104が形成され、開閉ハンドル取り付け部104の向こう側において弁190を有するリフト部150に取り付けられるリフト取り付け部116が形成され、前記リフト取り付け部116の直径は、前記ハンドル取り付け部104の直径に近い長さで、開閉ハンドル200の外形の幅より短く、開閉ハンドル200の回転により軽く栓棒102を回すことができるように構成され、弁機構100をスマートにするように構成されている。
リフト取り付け部116の直径は、従来のリフト取り付け部116の直径と比して、相当短い。
この実施の形態においては、半分以下の長さである。
【0020】
前記分岐水栓10は、洗面所の洗面台または台所の流し台の等の台300の下部の空間302内に配設されるように構成されている。
前記分岐水栓ボディ12は、前記開閉ハンドル14が前記台300の手前側に向けて伸びるように、かつ、複数の開閉ハンドル14が台300の幅方向に並ぶように、前記台300の空間302内に配設されるように構成されている。
【0021】
(第1の実施の形態)
次に、本発明にかかる第1の実施の形態である分岐水栓10について、主として、
図1ないし
図10に基づいて説明する。
【0022】
この発明にかかる第1の実施の形態である分岐水栓10は、洗面所の洗面台や台所の流し台(シンク)等の台300の下部の空間(スペース)内に配設されるものであり、給水・給湯の供給口である流通口18に対し、二つに分かれた吐出流路(第1吐出流路28及び第2吐出流路30)が形成され、その吐出流路には、パイプ(配管)等により水栓、浄水器、湯沸かし器、食器洗い器などを適宜接続して利用し得るように構成されている。
【0023】
この分岐水栓10は、横長のスマートな分岐水栓ボディ12と、分岐水栓ボディ12の前面において、横に並んで配設された、複数の開閉ハンドル14とを備えている。
開閉ハンドル14は、分岐水栓ボディ12より正面に向けて伸びるように構成され、開閉ハンドル14を構成する第1開閉ハンドル14Aと第2開閉ハンドル14Bとの間は接近しているが、前面からそれらの間に指を入れて操作できるように構成されている。
【0024】
(分岐水栓ボディ)
第1の実施の形態の分岐水栓10の分岐水栓ボディ12は、横断面略Tの字型の鋳造成形された金属製またはプラスチック製の中空体であり、その中に通水通路16が形成されている。
前記分岐水栓ボディ12は、全体形状が小さいブロック状体であり、水又は湯を分岐水栓ボディ12の内部に形成された通水通路16に供給する供給口を構成する流通口18と、前記流通口18とは離れた位置に形成された第1流通口20及び第2流通口22とを有している。
【0025】
(通水通路)
前記分岐水栓ボディ12は、前記流通口18に流路接続された通水流路16が穿設されており、更に、弁領域24を介して、別に第1流通口20及び第2流通口22に流路接続された通水流路16が穿設されている。
前記分岐水栓ボディ12の通水流路16は、開閉ハンドル14を挟んで左右に分かれて、第1流通口20及び第2流通口22に流路接続するように形成され、且つ開閉ハンドル14の下部に形成された、流通口18に流路接続するように形成されている。
通水流路16は、流通口18に流路接続された分岐流路26と、弁領域24を介して、第1流通口20に流路接続された第1吐出流路28及び第2流通口22に流路接続された第2吐出流路30とを有している。
【0026】
前記分岐流路26は、平面視横長の中空部分(第1の中空部分50A)と、前記横長の中空部分(第1の中空部分50A)の中央において手前側に向けて拡がる平面視U字状の中空部分(第2の中空部分50B)とにより構成されている。
第1吐出流路28は、分岐流路26の第1の中空部分50Aと重なるように、分岐流路26の手前側において形成された第3の中空部分52Aと、分岐流路26の右側に伸びる第4の中空部分52Bとにより構成されている。
第2吐出流路30は、分岐流路26の第1の中空部分50Aと重なるように、分岐流路26の手前側において形成された第5の中空部分54Aと、分岐流路26の左側に伸びる第6の中空部分54Bとにより構成されている。
第3の中空部分52Aと第5の中空部分54Aとは、第2の中空部分50Bを間に挟んで隣接している。
【0027】
分岐流路26は、平面視略Tの字型で側面視略L字型の空洞である。分岐流路26は、流通口18から上昇してきた水を貯留する空洞が手前側から向こう側にかけて形成されている。
分岐流路26は、前記複数の開閉ハンドル14が取り付けられた複数の弁機構100を取り付ける弁領域24の向こう側において複数の弁領域24を構成する第1弁領域24Aと第2弁領域24Bの間に形成されており、所定の間隔をおいて分かれて取り付けられた第1開閉ハンドル14Aと第2開閉ハンドル14Bとの間に亘って伸びている空洞(第1の中空部分50A及び第2の中空部分50B)である。
【0028】
該分岐流路26は、弁機構100を取り付ける弁領域24の手前側において左右に分かれて形成された第1吐出流路28及び第2吐出流路30に、流路接続されている。
分岐流路26は、左右一対の弁機構100が取り付けられた左右一対の弁領域24の近傍に形成され、前記第1吐出流路28及び第2吐出流路30は、左右一対の弁機構100が取り付けられた第1弁領域24A及び第2弁領域24Bの近傍に左右に分かれて形成されている。
【0029】
第1吐出流路28は、流通口18ののびる方向とは直交する方向にのびる空洞(第3の中空部分52A及び第4の中空部分52B)であり、弁領域24を構成する右側の第1の弁領域24Aの手前側から右方向に向けてのびている。
第2吐出流路30は、流通口18ののびる方向とは直交する方向にのびる空洞(第5の中空部分54A及び第6の中空部分54B)であり、弁領域24を構成する左側の第2の弁領域24Bの手前側から左方向に向けてのびている。
【0030】
分岐水栓ボディ12に形成された通水通路16は、二つの領域に分かれている。
分岐流路26は、弁機構100が取り付けられた弁領域24の向こう側でその近傍に形成され、前記第1吐出流路28及び第2吐出流路30は、弁機構100が取り付けられた弁領域24の手前側でその近傍に形成されている。
一方の右側の第1吐出流路28は、分岐流路26の右端の上部に左端が位置する左端の部分より右方向に曲がりくねって伸びる横長の中空部分で構成され、第1流通口20に連通され、又、他方の左側の第2吐出流路30は、分岐流路26の左端の上部に右端が位置する右端の部分より左方向に曲がりくねって伸びる横長の中空部分で構成され、第2流通口22に連通されている。
【0031】
分岐流路26は、弁機構100の栓棒102ののびる方向と直交する方向にのびている。
第1吐出流路28及び第2吐出流路30は、弁機構100の栓棒102ののびる方向と直交する方向にのびている。
分岐流路26の右端と第1吐出流路28の左端及び第1流通口20とは、右側の弁領域24によって流路接続されており、又、分岐流路26の左端と第2吐出流路30の右端及び第2流通口22とは、左側の弁領域24によって流路接続されている。
【0032】
弁領域24は、分岐流路26と第1吐出流路28とを分離する右側の第1境界壁80A及び分岐流路26と第1吐出流路28とを分離する左側の第2境界壁80Bに、形成されている。
第1吐出流路28は、弁機構100を固定する第3境界壁82Aと、分岐流路26と第1吐出流路28との間に形成された第4境界壁84A及びそれらの境界壁より伸びた第1流通口壁86A間に形成され、弁領域24から流れ込んだ水を右方向に流すように構成されている。
第2吐出流路30は、弁機構100を固定する第5境界壁82Bと、分岐流路26と第2吐出流路30との間に形成された第6境界壁84B及びそれらの境界壁より伸びた第2流通口壁86B間に形成され、弁領域24から流れ込んだ水を左方向に流すように構成されている。
第1吐出流路28と第2吐出流路30との間は、第1境界壁80A及び第2境界壁80B並びに第3境界壁82A及び第5境界壁82Bにより閉塞されている。
【0033】
第1吐出流路28及び第1流通口20と第2吐出流路30及び第2流通口22とは、分岐流路26を間にして左右に分かれており、同じ高さ位置において、並列されている。
分岐流路26と、第1吐出流路28及び第1流通口20並びに第2吐出流路30及び第2流通口22とは、平行に並列されている。
流通口18は、第1吐出流路28及び第1流通口20と第2吐出流路30及び第2流通口22ののびる方向に、直行する方向にのびている。流通口18は、分岐流路26ののびる方向と直交する方向にのびている。
【0034】
分岐流路26の奥行き(手前側から向こう側にかけて)の長さは、第1吐出流路28及び第2吐出流路30の奥行き(手前側から向こう側にかけて)の長さと略同じであり、分岐水栓ボディ12がスマートになるように構成されている。
分岐流路26の高さは、第1吐出流路28及び第2吐出流路30の高さと略同じであり、分岐水栓ボディ12がスマートになるように構成されている。
【0035】
(弁領域)
分岐水栓ボディ12は、弁領域24の手前側に弁機構取り付け部60が形成されている。
弁機構取り付け部60は、第1吐出流路28の弁領域24の手前側に形成された第1の弁機構取り付け部60A及び第2吐出流路30の手前側に形成された第2の弁機構取り付け部60Bとを備えている。
弁機構100は、第1の弁機構取り付け部60A及び第2の弁機構取り付け部60Bに弁機構100を差し込み、第1の弁機構取り付け部60A及び第2の弁機構取り付け部60Bの口縁部に、弁機構100を着座させて固定するように構成されている。
【0036】
左右に分かれた弁領域24の弁機構取り付け部60は、同一の構造であり、左右対称に形成されている。
弁領域24は、分岐流路26と第1吐出流路28との間に形成された第1の弁座部70及び分岐水流26と第2吐出流路30との間に形成された第2の弁座部72とを有している。
第1の弁座部70及び第2の弁座部72は、弁機構100の駒弁190を嵌入する弁嵌入孔74が穿ち設けられ、その弁嵌入孔74の手前側の開口部の周辺に、パッキン押圧部76が形成されている。
パッキン押圧部76は、円環状のパッキン170の形状に対応した平面視円形状であり、その手前側面にパッキン170に喰い込む凸条78が突き出し設けられている。凸条78も、円環状のパッキン170の形状に対応した底面視円環状の凸条である。
【0037】
(流通口管)
第1吐出流路28に続く第1流通口20には、第1の流通口管32が取り付けられている。
この実施の形態においては、第1流通口20に第1の流通口管32を構成する第1流通口管部材40が取り付けられて、第1吐出流路28の右端に第1流路44A及び第2流路44Bが形成されるように構成されている。
第2吐出流路30に続く第2流通口22には、第2の流通口管34が取り付けられている。
この実施の形態においては、第2流通口22に第2の流通口管34を構成する第2流通口管部材42が取り付けられて、第2吐出流路30の左端に第1流路46A及び第2流路46Bが形成されるように構成されている。
【0038】
第1流通口管部材40を分岐水栓ボディ12の第1流通口20に取り付ける方法は、抜け止め部品48を、第1の流通口管32及び第2の流通口管34を分岐水栓ボディ12の第1流通口20に取り付ける部分において、第1の流通口管32及び第2の流通口管34と分岐水栓ボディ12との間に掛け渡し固定することが一つの方法である。
この実施の形態においては、分岐水栓ボディ12の第1流通口20及び第2流通口22の部分に抜け止め部品48を構成するネジのねじ軸を差し込むネジ孔を形成し、第1の流通口管32及び第2の流通口管34の分岐水栓ボディ12への差し込み部分に形成された分岐水栓ボディ12のネジ孔と、前記第1の流通口管32及び第2の流通口管34の差し込み部分に形成された凹み部との間に、前記抜け止め部品48を構成するネジのねじ軸を差し込み、分岐水栓ボディ12のネジ孔に抜け止め部品48を構成するねじ軸を螺着することにより固定されている。
【0039】
第1の流通口管32は、Lの字型の第1流通口管部材40により構成されている。この実施の形態においては、第1流通口管部材40は、第1吐出流路28に連通する第1流路44Aを備えた第1管部材40Aと、パイプが取り付けられて連通する第2流路44Bを備えた第2管部材40Bとが連結されて形成されている。
第1管部材40Aと第2管部材40Bは、Lの字型に連設され、流通口管部材40は、内部にLの字型の流路(第1流路44A及び第2流路44B)が形成されている。
第2の流通口管34は、前記第1の流通口管32と同一の形態であり、Lの型の流通口管部材42により構成されている。この実施の形態においては、流通口管部材42は、第2吐出流路30に連通する第1流路46Aを備えた第1管部材42Aと、パイプが取り付けられて連通する第2流路46Bを備えた第2管部材42Bとが連結されて形成されている。
第1管部材42Aと第2管部材42Bは、Lの字型に連設され、流通口管部材42は、内部にL字型の流路(第1流路46A及び第2流路46B)が形成されている。
【0040】
第1流通口20は、開閉ハンドル14の右側において、横方向に向けて開口するように構成されており、第1流通口20に取り付けられる第1流通口管部材40の第1流路44A及び第2流路44Bは、第1流通口20とLの字状に並んで伸びるように構成されている。
第2流通口22は、開閉ハンドル14の左側において、横方向に向けて開口するように構成されており、第2流通口22に取り付けられる第2流通口管部材42の第1流路46A及び第2流路46Bは、第2流通口22とLの状に並んで伸びるように構成されている。
第1流通口管部材40の第1流路44Aは、第1開閉ハンドル14Aの右側において、横方向に向けて伸び、第2流路44Bは、上方に向けて伸びている。
一方、流通口管部材42の第1流路46Aは、第2開閉ハンドル14Bの左側において、横方向に向けて伸び、第2流路46Bは、上方向に向けて伸びている。
【0041】
第1流通口管部材40は、第1吐出流路28と第1流路44A及び第2流路44Bとの間が繋がるように、略L字型に穿設された流路が形成されている。
第2流通口管部材42は、第2吐出流路30と第1流路46A及び第2流路46Bとの間が繋がるように、略L字型に穿設された流路が形成されている。
【0042】
第1管部材40Aは、第1流通口20に取付けられる部位には、Oリングが嵌装されており、水密性が保たれるように構成されている。
Oリングは、第1管部材40Aと第1流通口20との間で弾性変形して、これらの間を液密にシールする。
第1管部材42Aは、第2流通口22に取付けられる部位には、Oリングが嵌装されており、水密性が保たれるように構成されている。
Oリングは、第1管部材42Aと第2流通口22との間で弾性変形して、これらの間を液密にシールする。
第2管部材40Bは、第1管部材40Aの上向き開口部に取付けられる部位には、Oリングが嵌装されており、水密性が保たれるように構成されている。
第2管部材42Bは、第1管部材42Aの上向き開口部に取付けられる部位には、Oリングが嵌装されており、水密性が保たれるように構成されている。
【0043】
この実施の形態においては、第1の流通口管32は、第1流通口20の右端から若干離れた位置から上方に向けて突き出し設けられており、第2の流通口管34は、第2流通口22の左端から若干離れた位置から上方に向けて突き出し設けられている。
第1の流通口管32と開閉ハンドル14を構成する第1開閉ハンドル14Aとの間は、第1開閉ハンドル14Aを指で回すことができる間隔をおいて、配設されている。
第2の流通口管34と開閉ハンドル14を構成する第2開閉ハンドル14Bとの間は、第2開閉ハンドル14Bを指で回すことができる間隔をおいて、配設されている。
それゆえに、第1開閉ハンドル14Aと第1流通口20との間及び第2開閉ハンドル14Bと第2流通口22との間の長さ(幅方向における)は、前記条件を充たすような長さに設定されている。
【0044】
第1の実施の形態においては、分岐水栓ボディ12の幅は、一対の開閉ハンドル14の幅、すなわち第1開閉ハンドル14Aの右端と第2開閉ハンドル14Bの左端と間の幅より若干長い幅であり、分岐水栓10の幅は、分岐水栓ボディ12の左右端に、流通口管部材40及び流通口管部材42が付加された幅を備えている。
【0045】
(弁機構)
弁機構100は、栓棒102と胴部120とリフト部150と駒弁190とを備え、胴部120の空洞部分に栓棒102が取り付けられ、栓棒102の下にリフト部150が移動自在に取り付けられて、栓体が形成されている。なお、弁機構の説明においては、栓棒102側を上と言い、駒弁190側を下という。
【0046】
栓棒102は、ハンドル取り付け部104にネジ穴106が穿設され、ハンドル取り付け部104の下部には胴部取り付け部114が形成されている。
胴部取り付け部114の下部分には、リフト取り付け部116が形成されている。
ハンドル取り付け部104は、中空棒状体であり、その中央にはネジ穴106が形成され、その外周にはハンドル取り付けネジ108が形成されている。
取り付け部114の下部に延設されたリフト取り付け部116は、前記ハンドル取り付け部104及び胴部取り付け部114の太さよりも細い棒状体であり、その外周には、雄ねじ部118が形成されている。
【0047】
前記弁機構100を構成する栓棒102は、開閉ハンドル14を取り付けるハンドル取り付け部104が形成され、開閉ハンドル取り付け部104の下方に弁190を有するリフト部150に取り付けられるリフト取り付け部116が形成され、前記リフト取り付け部116の直径は、前記ハンドル取り付け部104の直径に近い長さで、開閉ハンドル200の外形の幅より短く、開閉ハンドル200の回転により軽く栓棒102を回すことができるように構成され、弁機構100をスマートにするように構成されている。
リフト取り付け部116の直径は、従来のリフト取り付け部116の直径と比して、相当短い。
この実施の形態においては、半分以下の長さである。
これによって、開閉ハンドル14の径も小さくすることができる。従って、並んで配設された第1開閉ハンドル14Aと第2開閉ハンドル14Bとの間の幅を小さくすることができる。而して、分岐水栓10の分岐水栓ボディ12をコンパクトにすることができる。
【0048】
胴部120は、その中央に形成された中空部には、栓棒102の胴部取り付け部114が固定されている。
胴部取り付け部114と胴部120との間にはシール部(凹み部)112が形成されている。
栓棒102は、胴部120の中央に形成された中空部に嵌め込まれて、ネジ穴106の下方に形成された抜け止めピン止め部110に嵌められた抜け止めピン172に、胴部120の栓棒取り付け部122の上部に当接させて、胴部120に取り付けられている。
胴部取り付け部114と栓棒取り付け部122との間に形成されたシール部(凹み部)112には、Oリング174が挟持されて、水密性が保たれている。
【0049】
栓棒102のリフト取り付け部116には、リフト部150が取り付けられている。
この実施の形態においては、栓棒102は、栓棒102のリフト取り付け部116の雄ねじ部118に、リフト部150の栓棒取り付け部152の内部に形成された雌ネジ部156が噛み合わされて、リフト部150が取り付けられている。
【0050】
栓棒102の胴部取り付け部114と胴部120の栓棒取り付け部122との間には、第1リフト移動空間部160が形成されている。
リフト部150の栓棒取り付け部152には、第2リフト移動空間部162が形成されている。
従って、ハンドルが回されて栓棒102が回転することによって、第1リフト移動空間部160及び第2リフト移動空間部162の中をリフト部150が上下動することができる。
【0051】
リフト部150は、弁体取り付け部154に形成されたパッキン取り付け部158にパッキン170が固定されている。
従って、栓棒12と密着することができる。
【0052】
リフト部150の弁体取り付け部154には、駒弁190が取り付けられている。
駒弁190は、栓棒12と密着することができるように、弾力性を備えたゴムなどにより形成されている。
【0053】
(開閉ハンドル)
開閉ハンドル200は、開閉ハンドルアダプター220に頭部202が被せられ、胴部120と連結されている。
頭部202は、断面略円形状で、その外周面に滑り止め形成されている。
なお、開閉ハンドルの説明においては、開閉ハンドル200の先端側を上と言い、分岐水栓ボディ12に取付けられる側を下という。
【0054】
開閉ハンドルアダプター220は、断面略U字型の空洞からなるアダプター取り付け部204が形成されており、アダプター取り付け部204は、上部の幅狭の空洞部に、開閉ハンドルアダプター220の取り付け弾力部224が嵌め込まれており、取り付け弾力部224の弾力性によって頭部202に固定されている。
【0055】
開閉ハンドル200は、開閉ハンドルアダプター220に形成された空洞部からなる栓棒取り付け部228に、弁機構100の栓棒102が差し込まれて固定されている。
開閉ハンドルアダプター220の取り付け嵌挿部222は、栓棒102のハンドル取り付け部104の外周に形成されたセレーションに合う凹条が形成されている。ゆえに、開閉ハンドル200を周方向に回転させたとき、栓棒102のハンドル取り付け部104のセレーションと取り付け嵌挿部222の凹条とが噛み合わされて、回り止めとなる。
開閉ハンドル200は、
図10で示すように、開閉ハンドル200の栓ネジ取り付け部206にネジ棒210を差し込み、栓棒102のネジ穴106にそのネジ棒210を螺着して固定してもよく、又、開閉ハンドルアダプター220にネジ棒210を差し込み、栓棒102のネジ穴106にそのネジ棒210を螺着して固定してもよい。
【0056】
開閉ハンドル200の拡開部208は、弁機構100が分岐水栓ボディ12に取り付けられたとき、第1吐出流路28及び第2吐出流路30の近傍まで伸びるようにされている。
【0057】
第1の実施の形態においては、
図25において示すように、横方向に二つ並んだ、第1開閉ハンドル14Aの中心と第2開閉ハンドル14Bの中心との間の距離(L1)は、35mm以上、50mm以下である。
第1の流通口管32の上端と第3の流通口管36の下端との間の距離(L2)は、55mm以上、60mm以下である。
第1管部材40Aの右端と第1管部材42Aの左端との間の距離(L3)は、110mm以上、120mm以下である。
第3の流通口管36の下端と開閉ハンドル14の下端との間の距離(L4)は、20mm以上、27mm以下である。
【0058】
第1の実施の形態においては、
図24において示すように、前記開閉ハンドル14は、下方向に向けて突き出し設けられた第3の流通口管36に、下から上方に向けて伸びる、給水・給湯を供給するパイプ(配管)304が取り付けられると共に、上方向を向いて突き出し設けられた第1の流通口管32に、例えば、台300の上部に取り付けられた給水栓に連結するパイプ(配管)306が上方に向けて延びるように取り付けられ、且つ上方向を向いて突き出し設けられた第2の流通口管34に、例えば台300の上部に取り付けられた給湯器に連結するパイプ(配管)308が上方に向けて延びるように取り付けられている。
【0059】
(第2の実施の形態)
次に、本発明にかかる第2の実施の形態である分岐水栓10について、主として、
図11ないし
図16に基づいて説明する。
【0060】
第2の実施の形態である分岐水栓10は、前記第1の実施の形態である分岐水栓とは、分岐水栓ボディ12の構造が異なり、第1流通口管部材40及び第2流通口管部材42が付設されていない点において異なる。
なお、第2の実施の形態の分岐水栓10の説明において、
図3ないし
図10図示の第1の実施の形態である分岐水栓10と共通の構成要件・要素については、同じ符号を付して、共通の構成要件・要素についての説明を省略することがある。
以下、第2の実施の形態の分岐水栓10の特徴がある構成要件・要素を中心に説明する。
【0061】
この発明にかかる第2の実施の形態である分岐水栓10は、洗面所の洗面台や台所の流し台(シンク)等の台300の下部の空間(スペース)内に配設されるものであり、給水・給湯の供給口である流通口18に対し、二つに分かれた吐出流路(第1吐出流路28及び第2吐出流路30)が形成され、その吐出流路には、パイプ(配管)等により水栓、浄水器、湯沸かし器、食器洗い器などを適宜接続して利用し得るように構成されている。
【0062】
この分岐水栓10は、横長のスマートな分岐水栓ボディ12と、分岐水栓ボディ12の前面において、横に並んで配設された、複数の開閉ハンドル14とを備えている。
開閉ハンドル14は、分岐水栓ボディ12より正面に向けて伸びるように構成され、開閉ハンドル14を構成する第1開閉ハンドル14Aと第2開閉ハンドル14Bとの間は接近しているが、前面からそれらの間に指を入れて操作できるように構成されている。
【0063】
(分岐水栓ボディ)
第2の実施の形態の分岐水栓10の分岐水栓ボディ12は、横断面略Tの字型の鋳造成形された金属製またはプラスチック製の中空体であり、その中に通水通路16が形成されている。
前記分岐水栓ボディ12は、全体形状が小さいブロック状体であり、水又は湯を分岐水栓ボディ12の内部に形成された通水通路16に供給する供給口を構成する流通口18と、前記流通口18とは離れた位置に形成された第1流通口20及び第2流通口22とを有している。
【0064】
(通水通路)
前記分岐水栓ボディ12は、前記流通口18に流路接続された通水流路16が穿設されており、更に、弁領域24を介して、別の第1流通口20及び第2流通口22に流路接続された通水流路16が穿設されている。
前記分岐水栓ボディ12の通水流路16は、開閉ハンドル14の下部に形成された流通口18に流路接続するように形成され、且つ、開閉ハンドル14の向こう側において流通口18に流路接続された通水流路16より左右に分かれて、第1流通口20及び第2流通口22に流路接続するように形成されている。
【0065】
前記分岐水栓ボディ12に形成された通水通路16は、二つの領域に分かれている。
通水流路16は、流通口18に流路接続された分岐流路26と、弁領域24を介して、第1流通口20と流路接続された第1吐出流路28及び第2流通口22と流路接続された第2吐出流路30とを有している。
分岐流路26は、弁機構100が取り付けられた弁領域24の向こう側でその近傍に形成され、前記第1吐出流路28及び第2吐出流路30は、弁機構100が取り付けられた弁領域24の手前側でその近傍に形成されている。
【0066】
前記分岐流路26は、平面視横長の中空部分(第1の中空部分50A)と、前記横長の中空部分(第1の中空部分50A)の中央において手前側に向けて拡がる平面視略Uの字形の中空部分(第2の中空部分50B)とにより構成されている。
第1吐出流路28は、分岐流路26の第1の中空部分50Aと重なるように、分岐流路26の手前側において形成された第3の中空部分52Aと、分岐流路26の右側に拡がる第4の中空部分52Bとにより構成されている。第4の中空部分52Bは、その右端が、閉塞部90により塞がれている。
第2吐出流路30は、分岐流路26の第1の中空部分50Aと重なるように、分岐流路26の手前側において形成された第5の中空部分54Aと、分岐流路26の左側に拡がる第6の中空部分54Bとにより構成されている。第6の中空部分54Bは、その左端が、閉塞部90により塞がれている。
第3の中空部分52Aと第5の中空部分54Aとは、第2の中空部分50Bをその間に挟んで、隣接している。
【0067】
分岐流路26は、平面視略Tの字型で側面視略L字型の空洞である。分岐流路26は、流通口18から上昇してきた水を貯留する空洞が手前側から向こう側にかけて形成されている。
分岐流路26は、前記複数の開閉ハンドル14が取り付けられた複数の弁機構100を取り付ける弁領域24の向こう側において複数の弁領域24を構成する第1弁領域24Aと第2弁領域24Bの間に形成されており、所定の間隔をおいて分かれて取り付けられた第1開閉ハンドル14Aと第2開閉ハンドル14Bとの間に亘って伸びている空洞(第1の中空部分50A及び第2の中空部分50B)である。
該分岐流路26は、弁機構100を取り付ける弁領域24の手前側において左右に分かれて形成された第1吐出流路28及び第2吐出流路30に、流路接続されている。
分岐流路26は、左右一対の弁機構100が取り付けられた左右一対の弁領域24の近傍に形成され、前記第1吐出流路28及び第2吐出流路30は、左右一対の弁機構100が取り付けられた第1弁領域24A及び第2弁領域24Bの近傍に左右に分かれて形成されている。
【0068】
第1吐出流路28は、流通口18ののびる方向とは平行にのびる空洞(第3の中空部分52A及び第4の中空部分52B)であり、弁領域24を構成する右側の第1の弁領域24Aの向こう側において上方向に向けてのびている。
第2吐出流路30は、流通口18ののびる方向と平行に方向にのびる空洞(第5の中空部分54A及び第6の中空部分54B)であり、弁領域24を構成する左側の第2の弁領域24Bの手前側において上方向に向けてのびている。
第1吐出流路28及び第1流通口20と第2吐出流路30及び第2流通口22とは、分岐流路26を間にして左右に分かれており、同じ高さ位置において、並列されている。
分岐流路26と、第1吐出流路28及び第1流通口20並びに第2吐出流路30及び第2流通口22とは、平行に並列されている。
流通口18は、第1吐出流路28及び第1流通口20と第2吐出流路30及び第2流通口22ののびる方向と略々平行にのびている。
流通口18は、分岐流路26ののびる方向と直交する方向にのびている。
【0069】
分岐流路26は、左右一対の弁機構100が取り付けられた左右一対の弁領域24の近傍に形成され、前記第1吐出流路28及び第2吐出流路30は、左右一対の弁機構100が取り付けられた第1弁領域24A及び第2弁領域24Bの近傍に左右に分かれて形成されている。
分岐流路26は、弁機構100の栓棒102ののびる方向と直交する方向にのびている。
第1吐出流路28及び第2吐出流路30は、弁機構100の栓棒102ののびる方向と直交する方向にのびている。
分岐流路26の右端と第1吐出流路28の左端及び第1流通口20とは、右側の弁領域24によって流路接続されており、又、分岐流路26の左端と第2吐出流路30の右端及び第2流通口22とは、左側の弁領域24によって流路接続されている。
【0070】
弁領域24は、分岐流路26と第1吐出流路28とを分離する右側の第1境界壁80A及び分岐流路26と第1吐出流路28とを分離する左側の第2境界壁80Bに、形成されている。
第1吐出流路28は、弁機構100を固定する第3境界壁82Aと、分岐流路26と第1吐出流路28との間に形成された第4境界壁84A及び閉塞部90間に形成され、弁領域24から流れ込んだ水を上方向に流すように構成されている。
第2吐出流路30は、弁機構100を固定する第5境界壁82Bと、分岐流路26と第2吐出流路30との間に形成された第6境界壁84B及び閉塞部90間に形成され、弁領域24から流れ込んだ水を上方向に流すように構成されている。
第1吐出流路28と第2吐出流路30との間は、第1境界壁80A及び第2境界壁80B並びに第3境界壁82A及び第5境界壁82Bにより閉塞されている。
【0071】
第1吐出流路28は、開閉ハンドル14の向こう側において、前後及び左右に拡がる第1流路44Aと、第1流路44Aと交差して上方向にのびる第2流路44Bとを備えている。
第2吐出流路30は、開閉ハンドル14の向こう側において、前後及び左右に拡がる第1流路46Aと、第1流路46Aと交差して上方向にのびる第2流路46Bとを備えている。
第1吐出流路28は、第1開閉ハンドル14Aの向こう側に形成されており、第1開閉ハンドル14Aより上下方向における上に向けて突出された第1の流通口管32に流路接続されている。
第2吐出流路30は、第2開閉ハンドル14Bの向こう側に形成されており、第2開閉ハンドル14Bより上下方向における上に向けて突出された第2の流通口管34に流路接続されている。
前記第1の流通口管32の第2流路44Bは、第1開閉ハンドル14Aの向こう側において、上方に向けて伸びており、前記第2の流通口管34の第2流路46Bは、第2開閉ハンドル14Bの向こう側において、上方に向けて伸びている。
【0072】
第1の流通口管32は、分岐水栓ボディ12における第1開閉ハンドル14Aの向こう側において、弁領域24(第1弁領域24A)より上に向けて伸びている筒状の管部であり、その外周には雄ねじが形成されている。
第2の流通口管34は、分岐水栓ボディ12における第2開閉ハンドル14Bの向こう側において、弁領域24(第2弁領域24B)より上に向けて伸びている筒状の管部であり、その外周には雄ねじが形成されている。
この第2の実施の形態においては、第1の流通口管32及び第2の流通口管34は、分岐水栓ボディ12と一体的に形成されている。
第1の流通口管32及び第2の流通口管34は、雄ねじのねじ山が形成されている上端に袋ナット(図示せず)を介して、給水栓などの備品に連結するパイプ(配管)が接続される。
【0073】
(流通口管)
第1の流通口管32は、分岐水栓ボディ12において開閉ハンドル14の向こう側に配設された第1吐出流路28に連続して形成された口管部により構成されている。
第1吐出流路28は、分岐流路26に連通する第1流路44Aとパイプが取り付けられて連通する第2流路44Bとが形成されており、全体が分岐水栓ボディ12の内部において曲がりくねった流路(第1流路44A及び第2流路44B)が形成されている。
第2の流通口管34は、前記第1の流通口管32と同様に、分岐水栓ボディ12において開閉ハンドル14の向こう側に配設された第2吐出流路30に連続して形成された口管部により構成されている。
第2吐出流路30は、分岐流路26に連通する第1流路46Aとパイプが取り付けられて連通する第2流路46Bとが形成されており、全体が分岐水栓ボディ12の内部において曲がりくねった流路(第1流路46A及び第2流路46B)が形成されている。
【0074】
第2の実施の形態においては、分岐水栓ボディ12の幅は、一対の開閉ハンドル14(第1開閉ハンドル14A及び第2開閉ハンドル14B)の幅より若干長い幅であり、第1吐出流路28の右端及び第2吐出流路30の左端は、閉塞部90により塞がれている。
【0075】
(第3の実施の形態)
次に、本発明にかかる第3の実施の形態である分岐水栓10について、主として、
図17ないし
図23に基づいて説明する。
第3の実施の形態である分岐水栓10は、左側が前記第1の実施の形態である分岐水栓と同じ構成を備え、右側第2の実施の形態である分岐水栓と同じ構造を備えている。
すなわち、第3の実施の形態である分岐水栓10は、第1の実施の形態である分岐水栓とは分岐水栓ボディ12の構造が異なり、第1流通口20に、第1流通口管部材40が付設されておらず、第2の実施の形態の構造を備えている点において異なる。
【0076】
なお、第1及び第2の実施の形態の変形例である第3の実施の形態である分岐水栓10の説明において、
図3ないし9図示の第1の実施の形態である分岐水栓10と共通の構成要件・要素及び
図10ないし16図示の第2の実施の形態である分岐水栓と共通の構成要件・要素については、同じ符号を付して、共通の構成要件・要素についての説明を省略することがある。
以下、第1及び第2の実施の形態の変形例である分岐水栓の特徴ある構成要件・要素を中心に説明する。
【0077】
この発明にかかる第3の実施の形態である分岐水栓10は、洗面所の洗面台や台所の流し台(シンク)等の台300の下部の空間(スペース)内に配設されるものであり、給水・給湯の供給口である流通口18に対し、二つに分かれた吐出流路(第1吐出流路28及び第2吐出流路30)が形成され、その吐出流路には、パイプ(配管)等により水栓、浄水器、湯沸かし器、食器洗い器などを適宜接続して利用し得るように構成されている。
【0078】
この分岐水栓10は、横長のスマートな分岐水栓ボディ12と、分岐水栓ボディ12の前面において、横に並んで配設された、複数の開閉ハンドル14とを備えている。
開閉ハンドル14は、分岐水栓ボディ12より正面に向けて伸びるように構成され、開閉ハンドル14を構成する第1開閉ハンドル14Aと第2開閉ハンドル14Bとの間は接近しているが、前面からそれらの間に指を入れて操作できるように構成されている。
【0079】
(分岐水栓ボディ)
第3の実施の形態の分岐水栓10の分岐水栓ボディ12は、横断面略Tの字型の鋳造成形された金属製またはプラスチック製の中空体であり、その中に通水通路16が形成されている。
前記分岐水栓ボディ12は、全体形状が小さいブロック状体であり、水又は湯を分岐水栓ボディ12の内部に形成された通水通路16に供給する供給口を構成する流通口18と、前記流通口18とは離れた位置に形成された第1流通口20及び第2流通口22とを有している。
【0080】
(通水通路)
前記分岐水栓ボディ12は、前記流通口18に流路接続された通水流路16が穿設されており、更に、弁領域24を介して、別に第1流通口20及び第2流通口22に流路接続された通水流路16が穿設されている。
前記分岐水栓ボディ12の通水流路16は、開閉ハンドル14を挟んで左右に分かれて、第1流通口20及び第2流通口22に流路接続するように形成され、且つ開閉ハンドル14の下部に形成された、流通口18に流路接続するように形成されている。
通水流路16は、流通口18に流路接続された分岐流路26と、弁領域24を介して、第1流通口20に流路接続された第1吐出流路28及び第2流通口22に流路接続された第2吐出流路30とを有している。
【0081】
前記分岐流路26は、平面視横長の中空部分(第1の中空部分50A)と、前記横長の中空部分(第1の中空部分50A)の中央において手前側に向けて拡がる平面視U字状の中空部分(第2の中空部分50B)とにより構成されている。
第1吐出流路28は、分岐流路26の第1の中空部分50Aと重なるように、分岐流路26の手前側において形成された第3の中空部分52Aと、分岐流路26の右側に拡がる第4の中空部分52Bとにより構成されている。第4の中空部分52Bは、その右端が、閉塞部90により塞がれている。
第2吐出流路30は、分岐流路26の第1の中空部分50Aと重なるように、分岐流路26の手前側において形成された第5の中空部分54Aと、分岐流路26の左側に伸びる第6の中空部分54Bとにより構成されている。
第3の中空部分52Aと第5の中空部分54Aとは、第2の中空部分50Bを間に挟んで隣接している。
【0082】
分岐流路26は、平面視略Tの字型で側面視略L字型の空洞である。分岐流路26は、流通口18から上昇してきた水を貯留する空洞が手前側から向こう側にかけて形成されている。
分岐流路26は、前記複数の開閉ハンドル14が取り付けられた複数の弁機構100を取り付ける弁領域24の向こう側において複数の弁領域24を構成する第1弁領域24Aと第2弁領域24Bの間に形成されており、所定の間隔をおいて分かれて取り付けられた第1開閉ハンドル14Aと第2開閉ハンドル14Bとの間に亘って伸びている空洞(第1の中空部分50A及び第2の中空部分50B)である。
【0083】
該分岐流路26は、弁機構100を取り付ける弁領域24の手前側において左右に分かれて形成された第1吐出流路28及び第2吐出流路30に、流路接続されている。
分岐流路26は、左右一対の弁機構100が取り付けられた左右一対の弁領域24の近傍に形成され、前記第1吐出流路28及び第2吐出流路30は、左右一対の弁機構100が取り付けられた第1弁領域24A及び第2弁領域24Bの近傍に左右に分かれて形成されている。
【0084】
第1吐出流路28は、流通口18ののびる方向とは平行にのびる空洞(第3の中空部分52A及び第4の中空部分52B)であり、弁領域24を構成する右側の第1の弁領域24Aの手前側において上方向に向けてのびている。
第2吐出流路30は、流通口18ののびる方向とは直交する方向にのびる空洞(第5の中空部分54A及び第6の中空部分54B)であり、弁領域24を構成する左側の第2の弁領域24Bの手前側から左方向に向けてのびている。
【0085】
分岐水栓ボディ12に形成された通水通路16は、二つの領域に分かれている。
分岐流路26は、弁機構100が取り付けられた弁領域24の向こう側でその近傍に形成され、前記第1吐出流路28及び第2吐出流路30は、弁機構100が取り付けられた弁領域24の手前側でその近傍に形成されている。
一方の右側の第1吐出流路28は、分岐流路26の右端の上部に左端が位置する左端の部分より曲がりくねって伸びる縦長の中空部分で構成され、第1流通口20に連通され、又、他方の左側の第2吐出流路30は、分岐流路26の左端の上部に右端が位置する右端の部分より左方向に曲がりくねって伸びる横長の中空部分で構成され、第2流通口22に連通されている。
【0086】
分岐流路26は、弁機構100の栓棒102ののびる方向と直交する方向にのびている。
第1吐出流路28及び第2吐出流路30は、弁機構100の栓棒102ののびる方向と直交する方向にのびている。
分岐流路26の右端と第1吐出流路28の左端及び第1流通口20とは、右側の弁領域24によって流路接続されており、又、分岐流路26の左端と第2吐出流路30の右端及び第2流通口22とは、左側の弁領域24によって流路接続されている。
【0087】
弁領域24は、分岐流路26と第1吐出流路28とを分離する右側の第1境界壁80A及び分岐流路26と第1吐出流路28とを分離する左側の第2境界壁80Bに、形成されている。
第1吐出流路28は、弁機構100を固定する第3境界壁82Aと、分岐流路26と第1吐出流路28との間に形成された第4境界壁84A及び閉塞部90間に形成され、弁領域24から流れ込んだ水を上方向に流すように構成されている。
第2吐出流路30は、弁機構100を固定する第5境界壁82Bと、分岐流路26と第2吐出流路30との間に形成された第6境界壁84B及びそれらの境界壁より伸びた第2流通口壁86B間に形成され、弁領域24から流れ込んだ水を左方向に流すように構成されている。
第1吐出流路28と第2吐出流路30との間は、第1境界壁80A及び第2境界壁80B並びに第3境界壁82A及び第5境界壁82Bにより閉塞されている。
【0088】
第1吐出流路28及び第1流通口20と第2吐出流路30及び第2流通口22とは、分岐流路26を間にして左右に分かれており、同じ高さ位置において、並列されている。
分岐流路26と、第1吐出流路28及び第1流通口20並びに第2吐出流路30及び第2流通口22とは、平行に並列されている。
流通口18は、第1吐出流路28及び第1流通口20ののびる方向と略々平行にのびている。
流通口18は、第2吐出流路30及び第2流通口22ののびる方向に、直行する方向にのびている。
流通口18は、分岐流路26ののびる方向と直交する方向にのびている。
【0089】
第1吐出流路28は、開閉ハンドル14の向こう側において、前後及び左右に拡がる第1流路44Aと、第1流路44Aと交差して上方向にのびる第2流路44Bとを備えている。
第1吐出流路28は、第1開閉ハンドル14Aの向こう側に形成されており、第1開閉ハンドル14Aより上下方向における上に向けて突出された第1の流通口管32に流路接続されている。
前記第1の流通口管32の第2流路44Bは、第1開閉ハンドル14Aの向こう側において、上方に向けて伸びている。
【0090】
第1の流通口管32は、分岐水栓ボディ12における第1開閉ハンドル14Aの向こう側において、弁領域24(第1弁領域24A)より上に向けて伸びている筒状の管部であり、その外周には雄ねじが形成されている。
この第3の実施の形態においては、第1の流通口管32は、分岐水栓ボディ12と一体的に形成されている。
第1の流通口管32は、雄ねじのねじ山が形成されている上端に袋ナット(図示せず)を介して、給水栓などの備品に連結するパイプ(配管)が接続される。
【0091】
分岐流路26の奥行き(手前側から向こう側にかけて)の長さは、第1吐出流路28及び第2吐出流路30の奥行き(手前側から向こう側にかけて)の長さと略同じであり、分岐水栓ボディ12がスマートになるように構成されている。
分岐流路26の高さは、第1吐出流路28及び第2吐出流路30の高さと略同じであり、分岐水栓ボディ12がスマートになるように構成されている。
【0092】
(弁領域)
分岐水栓ボディ12は、弁領域24の手前側に弁機構取り付け部60が形成されている。
弁機構取り付け部60は、第1吐出流路28の弁領域24の手前側に形成された第1の弁機構取り付け部60A及び第2吐出流路30の手前側に形成された第2の弁機構取り付け部60Bとを備えている。
弁機構100は、第1の弁機構取り付け部60A及び第2の弁機構取り付け部60Bに弁機構100を差し込み、第1の弁機構取り付け部60A及び第2の弁機構取り付け部60Bの口縁部に、弁機構100を着座させて固定するように構成されている。
【0093】
左右に分かれた弁領域24の弁機構取り付け部60は、同一の構造であり、左右対称に形成されている。
弁領域24は、分岐流路26と第1吐出流路28との間に形成された第1の弁座部70及び分岐水流26と第2吐出流路30との間に形成された第2の弁座部72とを有している。
第1の弁座部70及び第2の弁座部72は、弁機構100の駒弁190を嵌入する弁嵌入孔74が穿ち設けられ、その弁嵌入孔74の手前側の開口部の周辺に、パッキン押圧部76が形成されている。
パッキン押圧部76は、円環状のパッキン170の形状に対応した平面視円形状であり、その手前側面にパッキン170に喰い込む凸条78が突き出し設けられている。凸条78も、円環状のパッキン170の形状に対応した底面視円環状の凸条である。
【0094】
(流通口管)
第1吐出流路28に続く第1流通口20には、第1の流通口管32が形成されている。
第1の流通口管32は、分岐水栓ボディ12において開閉ハンドル14の向こう側に配設された第1吐出流路28に連続して形成された口管部により構成されている。
第1吐出流路28は、分岐流路26に連通する第1流路44Aとパイプが取り付けられて連通する第2流路44Bとが形成されており、全体が分岐水栓ボディ12の内部において曲がりくねった流路(第1流路44A及び第2流路44B)が形成されている。
第2吐出流路30に続く第2流通口22には、第2の流通口管34が取り付けられている。
この実施の形態においては、第2流通口22に第2の流通口管34を構成する第2流通口管部材42が取り付けられて、第2吐出流路30の左端に第1流路46A及び第2流路46Bが形成されるように構成されている。
【0095】
この実施の形態においては、分岐水栓ボディ12の第2流通口22の部分に抜け止め部品48を構成するネジのねじ軸を差し込むネジ孔を形成し、第2の流通口管34の分岐水栓ボディ12への差し込み部分に形成された分岐水栓ボディ12のネジ孔と、前記第2の流通口管34の差し込み部分に形成された凹み部との間に、前記抜け止め部品48を構成するネジのねじ軸を差し込み、分岐水栓ボディ12のネジ孔に抜け止め部品48を構成するねじ軸を螺着することにより固定されている。
【0096】
第2の流通口管34は、Lの型の流通口管部材42により構成されている。この実施の形態においては、流通口管部材42は、第2吐出流路30に連通する第1流路46Aを備えた第1管部材42Aと、パイプが取り付けられて連通する第2流路46Bを備えた第2管部材42Bとが連結されて形成されている。
第1管部材42Aと第2管部材42Bは、Lの字型に連設され、流通口管部材42は、内部にL字型の流路(第1流路46A及び第2流路46B)が形成されている。
【0097】
第2流通口22は、開閉ハンドル14の左側において、横方向に向けて開口するように構成されており、第2流通口22に取り付けられる第2流通口管部材42の第1流路46A及び第2流路46Bは、第2流通口22とLの状に並んで伸びるように構成されている。
流通口管部材42の第1流路46Aは、第2開閉ハンドル14Bの左側において、横方向に向けて伸び、第2流路46Bは、上方向に向けて伸びている。
【0098】
第2流通口管部材42は、第2吐出流路30と第1流路46A及び第2流路46Bとの間が繋がるように、略L字型に穿設された流路が形成されている。
【0099】
第1管部材42Aは、第2流通口22に取付けられる部位には、Oリングが嵌装されており、水密性が保たれるように構成されている。
Oリングは、第1管部材42Aと第2流通口22との間で弾性変形して、これらの間を液密にシールする。
第2管部材42Bは、第1管部材42Aの上向き開口部に取付けられる部位には、Oリングが嵌装されており、水密性が保たれるように構成されている。
【0100】
この実施の形態においては、第1の流通口管32は、第1流通口20の右端から若干離れた位置から上方に向けて突き出し設けられており、第2の流通口管34は、第2流通口22の左端から若干離れた位置から上方に向けて突き出し設けられている。
第1の流通口管32と開閉ハンドル14を構成する第1開閉ハンドル14Aとの間は、第1開閉ハンドル14Aを指で回すことができる間隔をおいて、配設されている。
第2の流通口管34と開閉ハンドル14を構成する第2開閉ハンドル14Bとの間は、第2開閉ハンドル14Bを指で回すことができる間隔をおいて、配設されている。
それゆえに、第1開閉ハンドル14Aと第1流通口20との間及び第2開閉ハンドル14Bと第2流通口22との間の長さ(幅方向における)は、前記条件を充たすような長さに設定されている。
【0101】
第3の実施の形態においては、分岐水栓ボディ12の幅は、一対の開閉ハンドル14の幅、すなわち第1開閉ハンドル14Aの右端と第2開閉ハンドル14Bの左端と間の幅より若干長い幅であり、分岐水栓10の幅は、分岐水栓ボディ12の左右端に、流通口管部材40及び流通口管部材42が付加された幅を備えている。
【0102】
(弁機構)
弁機構100は、前記第1の実施の形態の弁機構と同じであり、栓棒102と胴部120とリフト部150と駒弁190とを備え、胴部120の空洞部分に栓棒102が取り付けられ、栓棒102の下にリフト部150が移動自在に取り付けられて、栓体が形成されている。なお、弁機構の詳細な説明については、省略する。
【0103】
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明にかかる分岐水栓は、台以外、分岐水栓が用いられる種々のスペースに利用可能である。
【符号の説明】
【0105】
10 分岐水栓
12 分岐水栓ボディ
14 開閉ハンドル
14A 第1開閉ハンドル
14B 第2開閉ハンドル
16 通水通路
18 流通口
20 第1流通口
22 第2流通口
24 弁領域
24A 第1弁領域
24B 第2弁領域
26 分岐流路
28 第1吐出流路
30 第2吐出流路
32 第1の流通口管
34 第2の流通口管
36 第3の流通口管
40 第1流通口管部材
40A 第1管部材
40B 第2管部材
42 第2流通口管部材
42A 第1管部材
42B 第2管部材
44A 第1流路
44B 第2流路
46A 第1流路
46B 第2流路
48 抜け止め部品
50A 第1の中空部分
50B 第2の中空部分
52A 第3の中空部分
52B 第4の中空部分
54A 第5の中空部分
54B 第6の中空部分
60 弁機構取り付け部
60A 第1の弁機構取り付け部
60B 第2の弁機構取り付け部
70 第1の弁座部
72 第2の弁座部
74 弁嵌入孔
76 パッキン押圧部
78 凸条
80A 第1境界壁
80B 第2境界壁
82A 第3境界壁
82B 第5境界壁
84A 第4境界壁
84B 第6境界壁
86A 第1流通口壁
86B 第2流通口壁
90 閉塞部
100 弁機構
102 栓棒
104 ハンドル取り付け部
106 ネジ穴
108 ハンドル取り付けネジ
110 抜け止めピン止め部
112 シール部(凹み部)
114 胴部取り付け部
116 リフト取り付け部
118 雄ねじ部
120 胴部
122 栓棒取り付け部
124 ボディ固定部
126 リフト取り付け部
128 Oリング取り付け部
150 リフト部
152 栓棒取り付け部
154 弁体取り付け部
156 雌ネジ部
158 パッキン取り付け部
160 第1リフト移動空間部
162 第2リフト移動空間部
170 パッキン
172 抜け止めピン
174 Oリング
176 Oリング
190 駒弁
200 開閉ハンドル
202 頭部
204 アダプター取り付け部
206 栓ネジ取り付け部
208 拡開部
210 ネジ棒
220 開閉ハンドルアダプター
222 取り付け嵌挿部
224 取り付け弾力部
226 スリット
228 栓棒取り付け部
300 台
302 空間
304 パイプ(配管)
306 パイプ(配管)
308 パイプ(配管)