(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177593
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】電気掃除機の吸込口体およびそれを備えた電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/04 20060101AFI20221124BHJP
【FI】
A47L9/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083972
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】井上 輝久
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA06
3B061AD05
3B061AE02
(57)【要約】
【課題】吸引性能が向上する電気掃除機の吸込口体を提供すること。
【解決手段】吸込口本体と、吸込口本体の後部に設けられた接続部と、吸込口本体内に設けられた筒形連通部と、回転ブラシとを備え、吸込口本体は、回転ブラシカバーを有し、筒形連通部は、前方開口部と、後方開口部とを有し、前方開口部は、回転ブラシカバーと結合する上縁部を有し、回転ブラシカバーは、筒形連通部における前方開口部の上縁部と結合する後端縁を有し、回転ブラシカバーの後端縁と筒形連通部の前方開口部の上縁部との結合部に回転する回転ブラシが摺接することにより回転ブラシに付着したダストを掻き取るように構成した電気掃除機の吸込口体。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に吸込口を有し床面上を前後方向に移動する吸込口本体と、前記吸込口本体の前記吸込口よりも後部に設けられた接続部と、前記吸込口と前記接続部とを連通させるように前記吸込口本体内に設けられた筒形連通部と、左右方向の回転軸心を中心として回転可能に前記吸込口本体内の前記吸込口の近傍位置に設けられた回転ブラシと、床面上のダストを前記筒形連通部側へ掻き込む方向に前記回転ブラシを回転させる駆動モータとを備え、
前記吸込口本体は、前記底部を構成する下ケース部と、前記回転ブラシの周囲上部を覆うように前記下ケース部上に設けられた回転ブラシカバーとを有し、
前記筒形連通部は、前記吸込口側の前方開口部と、前記接続部側の後方開口部とを有し、
前記前方開口部は、前記回転ブラシカバーと結合する上縁部を有し、
前記回転ブラシカバーは、前記筒形連通部における前記前方開口部の前記上縁部と結合する後端縁を有し、
前記回転ブラシカバーの前記後端縁と前記筒形連通部の前記前方開口部の前記上縁部との結合部は、前記底部からの前記回転軸心の高さ位置と略等しい高さ位置に設けられており、
回転する前記回転ブラシが前記結合部に摺接することにより前記回転ブラシに付着したダストを掻き取るように構成した、ことを特徴とする電気掃除機の吸込口体。
【請求項2】
前記吸込口および前記回転ブラシカバーの後端縁は左右方向に延びており、
前記筒形連通部において、前記前方開口部は左右方向に延びると共に、前記後方開口部は円形であって左右方向の中間位置にかつ前記底部からの前記前方開口部の高さ位置よりも高い位置に設けられており、
前記筒形連通部は、前記前方開口部側に設けられた左右方向に延びる上流側連通部と、前記後方開口部側に設けられて前記上流側連通部と連通する円筒形の下流側連通部とを有しており、
前記上流側連通部は、前記前方開口部の前記上縁部から後方へ向かうにつれて上昇する方向に傾斜する前側傾斜内面部を有する、請求項1に記載の吸込口体。
【請求項3】
前記上流側連通部は、左側端部から前記中間位置に向かうにつれて上昇する左側傾斜内面部と、右側端部から前記中間位置に向かうにつれて上昇する右側傾斜内面部とを有する、請求項2に記載の吸込口体。
【請求項4】
前記前方開口部は、前記下ケース部と結合する下縁部をさらに有し、
前記筒形連通部は、前記前方開口部の前記上縁部と前記前側傾斜内面部とを含む前側部材と、前記前方開口部の前記下縁部と前記左側傾斜内面部と前記右側傾斜内面部と前記後方開口部とを含む後側部材との2部品からなる、請求項3に記載の吸込口体。
【請求項5】
前記上流側連通部における前記左側傾斜内面部の対応外面部分または前記右側傾斜内面部の対応外面部分に、前記駆動モータ載置用の平坦部が設けられている、請求項3~4のいずれか1つに記載の吸込口体。
【請求項6】
前記結合部は、前記回転ブラシカバーの前記後端縁を後方へ折り曲げるようにして形成された折り曲げ部を有しており、この折り曲げ部上に前記前方開口部の前記上縁部が結合している、請求項1~5のいずれか1つに記載の吸込口体。
【請求項7】
前記折り曲げ部は、鋭角または櫛歯状に形成されている、請求項6に記載の吸込口体。
【請求項8】
内蔵した電動送風機にて外部のダストを含む空気を吸引する掃除機本体と、前記掃除機本体と直接または延長管を介して接続される請求項1~7のいずれか1つに記載の吸込口体とを備えた、ことを特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機の吸込口体およびそれを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機の吸込口体として、特許文献1には、電動機にて回転する回転ブラシを備えると共に、回転ブラシ収納室の上面における回転ブラシの回転軸後方に対応する位置にリブが垂設されているものが提案されている。この吸込口体において、リブは、回転ブラシの最外径(周囲後部)に近接するように形成されており、回転ブラシのブラシ体に付着したダストが回転ブラシとともに回転しないようダストを落とす役割を担っている。また、リブの後方に後方開口部が設けられ、この後方開口部が集塵ケースの連通口と一致するようになっており、ダストが後方開口部を通って集塵ケース内に溜まるよう構成されている。また、リブ側は回転ブラシ収納室と連通する前方開口部となっており、前方開口部と後方開口部との間が連通路となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の吸込口体では、回転ブラシの回転軸心よりも高い位置にリブが設けられているため、連通路の前方開口部の高さが高くなり、床面上のダストを連通路を介して集塵ケースへ効率的に送りにくい構造となっている。
【0005】
本発明は、以上のような事情を考慮してなされた電気掃除機の吸込口体およびそれを備えた電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、底部に吸込口を有し床面上を前後方向に移動する吸込口本体と、前記吸込口本体の前記吸込口よりも後部に設けられた接続部と、前記吸込口と前記接続部とを連通させるように前記吸込口本体内に設けられた筒形連通部と、左右方向の回転軸心を中心として回転可能に前記吸込口本体内の前記吸込口の近傍位置に設けられた回転ブラシと、床面上のダストを前記連通部側へ掻き込む方向に前記回転ブラシを回転させる駆動モータとを備え、
前記吸込口本体は、前記底部を構成する下ケース部と、前記回転ブラシの周囲上部を覆うように前記下ケース部上に設けられた回転ブラシカバーとを有し、
前記筒形連通部は、前記吸込口側の前方開口部と、前記接続部側の後方開口部とを有し、
前記前方開口部は、前記回転ブラシカバーと結合する上縁部を有し、
前記回転ブラシカバーは、前記筒形連通部における前記前方開口部の前記上縁部と結合する後端縁を有し、
前記回転ブラシカバーの前記後端縁と前記筒形連通部の前記前方開口部の前記上縁部との結合部は、前記底部からの前記回転軸心の高さ位置と略等しい高さ位置に設けられており、
回転する前記回転ブラシが前記結合部に摺接することにより前記回転ブラシに付着したダストを掻き取るように構成した、電気掃除機の吸込口体を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電気掃除機の吸込口体によれば、回転ブラシのダスト掻き込み性能を維持しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の電気掃除機の第1実施形態を右側後方から視た斜視図である。
【
図2】第1実施形態の吸込口体の左側前方から視た斜視図である。
【
図3】第1実施形態の吸込口体の底部側から視た斜視図である。
【
図4】第1実施形態の吸込口体の上ケース部の後部カバーを取り外した状態の平面図である。
【
図5】第1実施形態の吸込口体の部分的な左側断面図である。
【
図6】第1実施形態の吸込口体における筒形連通部の左側前方から視た斜視図である。
【
図7】第1実施形態の吸込口体における筒形連通部の右側後方から視た斜視図である。
【
図10】
図6の筒形連通部の後側部材の正面図である。
【
図13】第1実施形態の吸込口本体の部分的な拡大左側断面図である。
【
図14】第2実施形態の吸込口体における結合部の拡大左側断面図である。
【
図15】第3実施形態の吸込口体における結合部の拡大左側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、本発明を限定するものと解されるべきではない。
【0010】
(第1実施形態)
図1は本発明の電気掃除機の第1実施形態を右側後方から視た斜視図である。なお、
図1において、使用時(清掃時)における使用者から視た電気掃除機の前後左右上下方向を矢印にて示しており、以下の電気掃除機の説明ではこの前後左右上下方向に基づく。
【0011】
〈電気掃除機の全体構成について〉
図1に示すように、第1実施形態の電気掃除機1は、掃除機本体10と、吸込口体60と、掃除機本体10と吸込口体60とを気密的に接続する延長管50とを備えたサイクロン方式のスティック型電気掃除機である。なお、延長管50を介さずに吸込口体60を直接掃除機本体10に接続してハンディ型の電気掃除機として使用することもできる。
【0012】
掃除機本体10は、駆動装置20と、駆動装置20に着脱可能に設けられた集塵装置30と、駆動装置20に着脱可能に設けられた電源としてのバッテリ40とを備える。
【0013】
駆動装置20は、図示しない電動送風機および制御基板等を収納する電気部品収納部21と、電気部品収納部21の後端に連設されたハンドル22と、ハンドル22の上部に設けられた操作スイッチ部23と、電気部品収納部21の下部に設けられたバッテリ装着部24と、電気部品収納部21の上部前端から前方へ突出するように連設されたパイプ部25とを備える。なお、パイプ部25の下端縁および電気部品収納部21の前端縁に沿って集塵装置30が着脱可能に装着される。なお、装着された集塵装置30の中心軸はパイプ部25の中心軸と平行となる。また、本実施形態において、集塵装置30とパイプ部25の位置関係は、パイプ部25が上方、集塵装置装着部26が下方となっているが、パイプ部25が下方、集塵装置装着部26が上方となる位置関係の構造であってもよい。
【0014】
集塵装置30は、集塵容器部31と、集塵容器部31に着脱可能に装着されるフィルタ部32とを備える。
集塵容器部31は、その内部にダストを含む空気を導入する導入路31aが周囲部に設けられている。
【0015】
この電気掃除機1によれば、操作スイッチ部23を操作して電動送風機を駆動することにより、吸込口体60の後述する吸込口62b(
図3参照)から内部に床面上のダストが空気と共に吸い込まれ、ダストを含む空気が延長管50を介して掃除機本体10の駆動装置20のパイプ部25内に流入する。パイプ部25内に流入したダストを含む空気は、集塵装置30の導入路31aから集塵容器部31内に流入し、比較的大きな第1のダストは空気中から遠心分離されて集塵容器部31内に溜まる。
【0016】
第1のダストよりも小さい第2のダストを含む空気は、集塵容器部31内からフィルタ部32内へ流入して捕捉される。フィルタ部32を通過してダストが除去された空気は、駆動装置20の電気部品収納部21内に流入し、電気部品収納部21の右側面に設けられた排気口21aから外部に排出される。
なお、電気掃除機1において、駆動装置20から吸込口体60までの間には電気配線系が設けられており、運転中はバッテリ40の電力を吸込口体60の後述する駆動モータ81に供給して駆動し、駆動モータ81によって回転ブラシ80が回転する(
図3と4参照)。なお、これについて詳しくは後述する。
【0017】
〈吸込口体の構成について〉
図2は第1実施形態の吸込口体の左側前方から視た斜視図であり、
図3は第1実施形態の吸込口体の底部側から視た斜視図である。また、
図4は第1実施形態の吸込口体の上ケース部の後部カバーを取り外した状態の平面図であり、
図5は第1実施形態の吸込口体の部分的な左側断面図である。なお、
図2~5において、使用時における使用者から視た吸込口体の前後左右上下方向を矢印にて示しており、以下の吸込口体の説明ではこの前後左右上下方向に基づく。なお、
図5は
図4のI-I線の矢視断面図でもあり、
図5では回転ブラシ80も配置された状態が図示されている。
【0018】
図1~5に示すように、吸込口体60は、底部62aに吸込口62bを有し床面上を前後方向に移動する吸込口本体61と、吸込口本体61の吸込口よりも後部に設けられた接続部90と、吸込口と接続部90とを連通させるように吸込口本体61内に設けられた筒形連通部70(
図4等参照)と、左右方向の回転軸心を中心として回転可能に吸込口本体61内の吸込口62bの近傍位置に設けられた回転ブラシ80と、床面上のダストを筒形連通部70側へ掻き込む方向に回転ブラシ80を回転させる駆動モータ81(
図4参照)とを備える。
【0019】
図1~5に示すように、吸込口本体61は、底部62aを構成する下ケース部62と、下ケース部62上に設けられた上ケース部65とを有する。
下ケース部62は、左右方向に延びる前部62cと、前部62cにおける後端の左右方向の中間部から後方に突出する後部62dとを有し、前部62cと後部62dにて底部62aを構成している(
図3~5参照)。
【0020】
下ケース部62の前部62cにおいて、略前半部分には左右方向に延びる吸込口62bが設けられると共に、略後半部分は駆動モータ81や筒形連通部70等が載置される載置部となっている(
図3~4参照)。
また、前部62cの前端にはバンパー62caが設けられると共に、前部62cの左右端縁にはバンパー62caから続く左側壁62cbと右側壁62cc(
図2~3参照)が設けられており、左側壁62cbと右側壁62ccの内側には回転ブラシ80の左右端部を支持する左右のリブ62e、62fが設けられている(
図11Aと
図12A参照)。
【0021】
ここで回転ブラシ80について説明すると、
図3と
図5に示すように、回転ブラシ80は、複数のブラシ80bを有するブラシ本体80aと、ブラシ本体80aの左右端部の回転軸心上に設けられたピンにベアリングを介して取り付けられた矩形ブロック状の一対の固定部(不図示)とを有しており、これら一対の固定部が前部62cの左右のリブ62e、62fに嵌め込まれる(
図11Aと
図12A参照)。本実施形態の場合、ブラシ本体80aは、ブラシ本体80aの周囲に複数の帯状のブラシ80bおよびゴムブレード80cが螺旋状に取り付けられて構成されている。
【0022】
また、下ケース部62の底部62aの下面において、吸込口62bの左右側には一対の起毛布62cgが設けられると共に、吸込口62bの後方近傍位置には起毛ブラシ62chが設けられている。これにより、床面清掃時に吸込口62bの左右側と後側が一対の起毛布62cgと起毛ブラシ62chによって囲まれ、それによって吸込口62bの前方の吸引力を高めるようにしている。
また、下ケース部62の後部62dの下面側には、左右方向の軸心を中心として回転可能に後部ローラ62daが設けられている(
図3参照)。
【0023】
上ケース部65は、回転ブラシ80の周囲上部を覆うように下ケース部62の前部62cの前半部分上に設けられた回転ブラシカバー66と、駆動モータ81や筒形連通部70等を覆うように下ケース部62の前部62cの後半部分上に設けられた後部カバー67とを有する。なお、回転ブラシカバー66と後部カバー67とはそれぞれ個別の部材となっている。
【0024】
図2と
図4と
図5に示すように、上ケース部65において、回転ブラシカバー66は、回転ブラシ80の上方に位置する湾曲板部66aと、湾曲板部66aの左端部に設けられた左側壁66bとを有し、湾曲板部66aの前端縁66aaがバンパー62caの内側に結合している。なお、吸込口本体61の右側壁全体は下ケース部62の右側壁62ccによって形成されている(
図3参照)。
【0025】
回転ブラシカバー66の湾曲板部66aは底部62aに対して垂直方向の後端縁66abを有し、後端縁66abの端部は後方へ折れ曲がった折り曲げ部66axを有している(
図5参照)。
また、湾曲板部66aは、後端縁66abよりも前方部分に円弧部66ayを有すると共に、円弧部分66ayにおける後端縁66ab側には左右方向に所定間隔で設けられた複数の係止孔66azを有している(
図4参照)。
【0026】
後部カバー67は、後述の筒形連通部70および後述の接続部90の関節部91を収納するために左右方向の中間部67aが盛り上がっており、その中間部67aは後方に開放している。また、後部カバー67の前端縁には、回転ブラシカバー66の複数の係止孔66azに係止する複数の係止爪67bが設けられている(
図5参照)。
【0027】
筒形連通部70は、吸込口本体61の回転ブラシカバー66の内部である回転ブラシ収納室66Rおよび吸込口62bと、接続部90の関節部91とを連通連結する部分である。筒形連通部70は、吸込口62b側の左右方向に長い前方開口部70aと、接続部90側の円筒形の後方開口部70bとを有する(
図5参照)。なお、筒形連通部70について詳しくは後述する。
【0028】
図1~5に示すように、接続部90は、前後方向の第1軸心P1を中心として回動可能に筒形連通部70の後方開口部70bと接続する前記関節部91と、左右方向の第2軸心P2を中心として回動可能に関節部91と接続するパイプ部92とを有する。
【0029】
関節部91は、第1部品91aと第2部品91bとを有してなる。
第1部品91aは、第1軸心P1を中心として回動可能に筒形連通部70の後方開口部70bに嵌り込む円筒部91aaを前側に有すると共に、パイプ部92の基端部92aの下部分を摺動可能に支持する凹曲摺動面部91abを後側に有する。
第2部品91bは、第1部品91aの円筒部91aaの後端と結合すると共に、パイプ部92の基端部92aの上側の凸曲面部92aaを摺動可能に押さえる凹曲摺動面部91baを有する。
【0030】
接続部90において、筒形連通部70に対して関節部91は第1軸心P1を中心として左右方向に約180°の範囲で回動可能であり、関節部91に対してパイプ部92は第2軸心P2を中心として前後方向に約90°の範囲(略水平状から略垂直状となる範囲)で回動可能である。
【0031】
〈筒形連通部の構成およびその周辺構造について〉
図6は第1実施形態の吸込口体における筒形連通部の左側前方から視た斜視図であり、
図7は第1実施形態の吸込口体における筒形連通部の右側後方から視た斜視図である。また、
図8は筒形連通部を分解した
図6対応図であり、
図9は筒形連通部を分解した
図7対応図であり、
図10は
図6の筒形連通部の後側部材の正面図である。なお、
図6、7および10において、使用時における吸込口体の前後左右上下方向に対応するよう筒形連通部の前後左右上下方向を矢印にて示している。また、
図8と9でも、
図6と7に対応するよう前後左右上下方向の矢印を示している。
【0032】
図5~9に示すように、筒形連通部70は、前側部材71と後側部材75との2部品からなる。
前側部材71と後側部材75とを複数のネジNにて組み立ててなる筒形連通部70において、前側部材71は前側に配置され、後側部材75は後側に配置される。
【0033】
図5~10に示すように、後側部材75は、左右方向に延びる部材であり、その左右中間部には円筒形の後方開口部70bが設けられている。後方開口部70bの軸心は第2軸心P上に配置される。
また、後側部材75は、後方へ凹状に窪んだ左右方向に延びる凹窪部75aと、凹窪部75aの左右方向の中間部上に連設された半円筒部75bとを、後方開口部70bの前側に有している。凹窪部75aの左右方向中間部は後方開口部70bの下部に連設され、半円筒部75bは後方開口部70bの上部に連設されている。
【0034】
また、
図8と10に示すように、後側部材75の凹窪部75aにおいて、その左端部側の内側上面には左右中間位置(後方開口部70b側)へ向かうにつれて上昇する左側傾斜内面部75aaが設けられると共に、右端部側の内側上面には左右中間位置(後方開口部70b側)へ向かうにつれて上昇する右側傾斜内面部75abが設けられている。
また、凹窪部75aにおける後方開口部70bの下部との接続部には、後方へ向かうにつれて第1軸心P1側に傾斜する中間傾斜内面部75acが設けられている。
【0035】
また、凹窪部75aの内側上面において、左側傾斜内面部75aaおよび右側傾斜内面部75abに隣接して一対の平行内面部75adが設けられ、一対の平行内面部75adと半円筒部75bとの間に一対の段差内面部75aeが設けられている。なお、一対の平行内面部75adは、後側部材75の左右方向に延びる下縁部75xと平行である。
さらに、凹窪部75aの前端上縁に沿って、後述の前側部材71のリブ71bが支持される支持リブ75yが設けられると共に、凹窪部75aの外側上面には複数(本実施形態では4つ)のボス部75zが設けられている。なお、支持リブ75yはリブ71bを載せる段状に形成されており、部分的にリブ71bを嵌め込む凹状に形成されてもよい。例えば、
図11B、
図12B、
図12Cにおいては、支持リブ75yはリブ71bを嵌め込む凹状に形成されている。
【0036】
図5~9に示すように、前側部材71は、前方から後側部材75の凹窪部75aの前端上縁側を覆う板状部材であり、後側部材75の複数(本実施形態では4つ)のボス部75zに対応する複数(本実施形態では4つ)のネジ挿通孔71aを有している。
また、前側部材71の後面には、ネジNにて前側部材71を後側部材75に組み付ける際に前記支持リブ75yにて支持される前記リブ71bが設けられている。このリブ71bは支持リブ75yに対応する形状に形成されている。
【0037】
図11Aは
図4のI-I線矢視断面図であり、
図11Bは
図4のII-II線矢視断面図であり、
図11Cは
図4のIII-III線矢視断面図である。また、
図12Aは
図4のIV-IV線矢視断面図であり、12Bは
図4のV-V線矢視断面図であり、
図12Cは
図4のVI-VI線矢視断面図である。また、
図13は第1実施形態の吸込口本体の部分的な拡大左側断面図である。なお、
図11Aと
図12Aと
図13において、使用時における使用者から視た吸込口体の前後上下方向を矢印にて示している。また、
図11A~
図12Cにおいては、回転ブラシ80を省略している。また、
図13においても回転ブラシ80を省略しているが、回転ブラシ80の回転軸心Qを便宜的に示している。
【0038】
図5~13に示すように、このように構成された前側部材71と後側部材75とが組み合わされてなる筒形連通部70において、前方開口部70aは、回転ブラシカバー66の後端縁66abと結合する上縁部70ax(前側部材71の下縁部)と、下ケース部62の底部62aと結合する下縁部75x(後側部材75の下縁部75x)とを有する(
図5、6、13参照)。
【0039】
また、筒形連通部70において、前方開口部70aは左右方向に延びると共に、後方開口部70bは円筒形であって左右方向の中間位置にかつ底部62aからの前方開口部70aの高さ位置よりも高い位置に設けられている(
図5~7参照)。
【0040】
また、筒形連通部70は、前方開口部70a側に設けられた左右方向に延びる上流側連通部70Aと、後方開口部70b側に設けられて上流側連通部70Aと連通する円筒形の下流側連通部70Bとを有している(
図11A~12C参照)。
上流側連通部70Aは、前側部材71と後側部材75の凹窪部75aとで囲まれたスペースであり、左側傾斜面部75aaおよび右側傾斜面部75ab等を有している(
図8参照)。
下流側連通部70Bは、後側部材75の凹窪部75aの中間傾斜面部75acと半円筒部75bと後方開口部70bとで囲まれたスペースである。
【0041】
上流側連通部70Aは、左右端側に左側傾斜面部75aaおよび右側傾斜面部75abを有しているため、左右端側(
図11Cと12C参照)から左右中間部に向かうにつれて
図11Bと12Bに示すように上下方向にスペースが徐々に広くなっている。そして、
図11Aと12Aに示すように、上流側連通部70Aは中間傾斜面部75acを有する左右中間部が最も広いスペースとなっており、上流側連通部70Aの最も広い左右中間部と下流側連通部70Bとが連通している。したがって、筒形連通部70の左右方向に延びる上流側連通部70Aから左右方向の中間位置にある下流側連通部70Bにダストを含む空気がスムーズに流れすい構造となっている(
図10参照)。
【0042】
さらに、前側部材71と後側部材75とを複数のネジNにて組み立ててなる筒形連通部70において、前側部材71の下端縁(前方開口部70aの上縁部70ax)が前方へ突出する方向に前側部材71を傾斜させるようになっている。より詳しくは、前側部材71において、前側部材71のリブ71bの下面と前側傾斜内面部71cとが成す角度は90°より大きくなるように設けられている(
図13参照)。このため、筒形連通部70の前側部材71のリブ71b側と後側部材75の支持リブ75y側との接合部分は、前側部材71の下端縁(前方開口部70aの上縁部70ax)が前方へ突出する方向に前側部材71を傾斜させるようになっている。これにより、上流側連通部70Aは、前方開口部70aの上縁部70axから後方へ向かうにつれて上昇する方向に傾斜する前側傾斜内面部71cを有する構造となっている(
図5と9参照)。この構造によれば、前側傾斜内面部71cが傾斜せず垂直である場合よりも、筒形連通部70の前方開口部70aから上流側連通部70A内に流入したダストを含む空気の乱流発生を抑えることができるため、前方開口部70aから後方開口部70bへダストを含む空気がよりスムーズに流れすい構造となっている。
【0043】
筒形連通部70において、前側部材71は前方開口部70aの上縁部70axと前側傾斜内面部71cとを含んで構成され、後側部材75は前方開口部70aの下縁部75xと左側傾斜内面部75aaと右側傾斜内面部75abと中間傾斜内面部75acと後方開口部70bとを含んで構成される。
【0044】
また、本実施形態の場合、筒形連通部70は、上流側連通部70Aにおける左側傾斜内面部75aaの対応外面部分に、駆動モータ載置用の凹み部75fが設けられている(
図7、9、10、11B参照)。そのため、
図10と
図11Bと
図12に示すように、筒形連通部70において、右側の上流側連通部70Aに比して左側の上流側連通部70Aは一部が狭くなっている。この構造により、吸込口体60の前部62cの前後方向の幅をコンパクトに維持しつつ、凹み部75fが湾曲していることで平坦面とすることに比して、筒形連通部70の内面の面積を大きくすることができるため、吸込み性能を極力低下させないようにすることできる。
図3と4に示すように、筒形連通部70の凹み部75fに固定された駆動モータ81は、その出力軸81aが筒形連通部70の左端部よりも左側方へ突出しており、出力軸81aと回転ブラシ80とが動力伝達機構にて連結されている。この動力伝達機構は、本実施形態ではプーリ・ベルト機構であるが、複数のギアを用いて構成してもよい。
なお、駆動モータ81および動力伝達機構を右側に設ける場合は、筒形連通部70の上流側連通部70Aにおける右側傾斜内面部75abの対応外面部分に駆動モータ載置用の凹み部を設ければよい。
【0045】
図5と13に示すように、本実施形態の吸込口体60によれば、回転ブラシカバー66の後端縁66abと、筒形連通部70の前方開口部70aの上縁部70axとの結合部は、底部62aからの回転ブラシ80の回転軸心Qの高さ位置と略等しい高さ位置に設けられている。本実施形態の場合、結合部を構成する回転ブラシカバー66の後端縁66abの折り曲げ部66axの下端面が、底部62aからの回転ブラシ80の回転軸心Qの高さ位置と略等しい高さ位置に設けられている。
【0046】
これにより、回転する回転ブラシ80の各ブラシ80bが、回転ブラシカバー66の後端縁66abの折り曲げ部66axの下端面に摺接し、各ブラシ80bに付着したダストを掻き取ることができる(
図5参照)。より詳しくは、回転する回転ブラシ80の後部側の周囲(周囲後部)に位置する各ブラシ80bの先端部が、回転ブラシカバー66の後端縁66abの折り曲げ部66axの下端面に摺接し、各ブラシ80bに付着したダストを掻き取ることができる。
【0047】
このとき、ブラシ80bの中に入り込んで除去しにくい繊維状ダストであっても、ブラシ80bが折り曲げ部66axの下端面に摺接したときにブラシ80bの毛の間の隙間が広がって繊維状ダストが吸引除去される。さらに、床面上のダストを掻いたブラシ80bが最も後方位置に移動したときに折り曲げ部66axと接触するため、遠心力と、吸込口62bから前方開口部70aへ向かう気流と、折り曲げ部66axとの接触による叩き効果とが合わさった相乗効果により、ダストがブラシ80bから効果的に除去される。
【0048】
また、
図5と13に示すように、各ブラシ80bの先端部は、回転ブラシカバー66の折り曲げ部66axの下端面における前後方向の前位置(角部)g1に摺接すればよいが、前位置g1から中間位置g2に亘る範囲に摺接してもよく、あるいは前位置g1から後位置g3に亘る範囲に摺接してもよい。
【0049】
回転ブラシ80の回転時、各ブラシ80bの先端部は回転ブラシカバー66の内面やバンパー62caの内面に軽く摺接してもよく、あるいは全く接触しなくてもよいが、ゴムブレード80cは吸込口本体61の構成部品に全く接触しないように径方向外方への突出寸法が短くされている。すなわち、ゴムブレード80cの径方向外方への突出寸法は、各ブラシ80bの径方向外方への突出寸法よりも短い。なお、ゴムブレード80cはフローリングを磨く部材として機能するものであるが、ゴムブレード80cを省略してもよい。
【0050】
(第2実施形態)
図14は第2実施形態の吸込口体における結合部の拡大左側断面図である。なお、
図14において、
図13中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
第2実施形態の吸込口体は、回転ブラシカバー166の構成が第1実施形態とは異なる以外は、第1実施形態と概ね同様に構成されている。以下、第2実施形態における第1実施形態とは異なる点を主に説明する。
【0051】
第2実施形態の場合、回転ブラシカバー166の後端縁166abの折り曲げ部166axは鋭角に形成されている。そのため、回転ブラシ80の回転時、ブラシ80bの先端部が折り曲げ部166axの鋭角部166akに摺接してダストが掻き取られる(
図5参照)。
【0052】
(第3実施形態)
図15は第3実施形態の吸込口体における結合部の拡大左側断面図である。なお、
図15において、
図13中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
第3実施形態の吸込口体は、回転ブラシカバー266の構成が第1実施形態とは異なる以外は、第1実施形態と概ね同様に構成されている。以下、第3実施形態における第1実施形態とは異なる点を主に説明する。
【0053】
第3実施形態の場合、回転ブラシカバー266の後端縁266abの折り曲げ部266axの下面は櫛歯状に形成されている。この場合、折り曲げ部266axの下面に沿って凸部266amと凹部266anとが交互に設けられて櫛歯部266arが構成されている。そのため、回転ブラシ80の回転時、ブラシ80bの先端部が折り曲げ部266axの櫛歯部266arに摺接してダストが掻き取られる。
【0054】
(第4実施形態)
第1実施形態では、回転ブラシカバー66の後端縁66abに折り曲げ部66axを設け、この折り曲げ部66ax上に筒形連通部70の前方開口部70aの上縁部70axが結合した結合部に、回転ブラシ80の周囲後部を摺接させるように構成した場合を例示したが、逆の構成でもよい。つまり、筒形連通部70の前方開口部70aの上縁部70axに前方へ突出する突出片を設け、この突出片上に回転ブラシカバー66の後端縁66abが結合した結合部に、回転ブラシ80の周囲後部を摺接させるように構成してもよい。なお、第2および第3実施形態についても同様である。
【0055】
(第5実施形態)
第1実施形態では、吸込口体60の接続部90が、第1軸心P1を中心として回動可能であり、かつ、第2軸心P2を中心として回動可能に構成されている場合を例示したが、接続部90は次のように構成されてもよい。
接続部90は、第1軸心P1を中心として回動せずに第2軸心P2のみを中心として回動してもよい。この場合、関節部91の第1部品91aと第2部品91bを一体化させてもよい。
また、接続部90は、第2軸心P2を中心として回動せずに第1軸心P1のみを中心として回動してもよい。この場合、関節部91の第2部品91bとパイプ部92の基端部92aを一体化させてもよい。
また、接続部90は、第1および第2軸心P1、P2を中心として回動せず所定傾斜角度で固定されていてもよい。この場合、関節部91を省略し、パイプ部92の基端部92aを直接筒形連通部70の後側部材75に連結固定してもよい。
【0056】
(他の実施形態)
第1~4実施形態では、スティック型の電気掃除機1を例示したが、第1~4実施形態の吸込口体は、キャニスター型電気掃除機またはアップライト型電気掃除機の吸込口体としても適用可能である。
【0057】
(まとめ)
以上に述べたように、
(1)本発明による電気掃除機の吸込口体は、底部に吸込口を有し床面上を前後方向に移動する吸込口本体と、前記吸込口本体の前記吸込口よりも後部に設けられた接続部と、前記吸込口と前記接続部とを連通させるように前記吸込口本体内に設けられた筒形連通部と、左右方向の回転軸心を中心として回転可能に前記吸込口本体内の前記吸込口の近傍位置に設けられた回転ブラシと、床面上のダストを前記筒形連通部側へ掻き込む方向に前記回転ブラシを回転させる駆動モータとを備え、
前記吸込口本体は、前記底部を構成する下ケース部と、前記回転ブラシの周囲上部を覆うように前記下ケース部上に設けられた回転ブラシカバーとを有し、
前記筒形連通部は、前記吸込口側の前方開口部と、前記接続部側の後方開口部とを有し、
前記前方開口部は、前記回転ブラシカバーと結合する上縁部を有し、
前記回転ブラシカバーは、前記筒形連通部における前記前方開口部の前記上縁部と結合する後端縁を有し、
前記回転ブラシカバーの前記後端縁と前記筒形連通部の前記前方開口部の前記上縁部との結合部は、前記底部からの前記回転軸心の高さ位置と略等しい高さ位置に設けられており、
回転する前記回転ブラシが前記結合部に摺接することにより前記回転ブラシに付着したダストを掻き取るように構成した、ことを特徴とする。
【0058】
この構成によれば、回転する前記回転ブラシが、回転ブラシカバーの後端縁と筒形連通部の前方開口部の上縁部との結合部に摺接する。この作用により、回転ブラシのブラシに付着したダストを掻き取りながら吸引除去することができるため、ブラシから外径方向に飛び出たダストだけではなく、ブラシの中に入り込んで除去しにくいダストも効率よく除去することができる。この結果、ブラシの中にダストが溜まりにくくなり、回転ブラシのダスト掻き込み性能の低下を抑制することができると共に、回転ブラシのメンテナンスの頻度を低減することができる。なお、特許文献1の吸込口体では、回転ブラシに付着したダストのうち、回転ブラシの最外径よりも外側に飛び出たダストはリブによって除去されても、ブラシの中に入り込んだダストはリブによって除去されにくい。したがって、ブラシの中にダストが溜まり、回転ブラシのダスト掻き込み性能が低下すると共に、掻き出し性能維持のための回転ブラシのメンテナンスを頻繁に行う必要があった。
また、結合部は、底部からの回転軸心の高さ位置と略等しい高さ位置に設けられている。このため、筒形連通部の前方開口部の高さを回転軸心の高さ以下にすることで前方開口部を吸込口に近づけやすい構造となり、床面上のダストを筒形連通部を介して接続部側へ効率よく送ることができる。それに加え、吸込口における回転ブラシの後方部分に比較的大きなダストを筒形連通部内へ取り込めるスペース(開口)を確保しやすい構造となる。なお、特許文献1の吸込口体では、回転ブラシの周囲下部の近傍に連通路の前方開口部の下縁部が位置しているため、吸込口における回転ブラシの後方部分にはスペース(開口)が設けられておらず、そのため比較的大きなダストを吸込口から連通路内へ吸引しにくい構造となっている。さらに、リブは垂直状であるため、前方開口部から連通路内に入り込む空気の乱流が生じやすく、そのため吸込効率が低下しやすい構造となっている。
【0059】
また、本発明による吸込口体は、次のように構成されてもよく、それらが適宜組み合わされてもよい。
(2)前記吸込口および前記回転ブラシカバーの後端縁は左右方向に延びており、
前記筒形連通部において、前記前方開口部は左右方向に延びると共に、前記後方開口部は円形であって左右方向の中間位置にかつ前記底部からの前記前方開口部の高さ位置よりも高い位置に設けられており、
前記筒形連通部は、前記前方開口部側に設けられた左右方向に延びる上流側連通部と、前記後方開口部側に設けられて前記上流側連通部と連通する円筒形の下流側連通部とを有しており、
前記上流側連通部は、前記前方開口部の前記上縁部から後方へ向かうにつれて上昇する方向に傾斜する前側傾斜内面部を有するものであってもよい。
この構成によれば、前方開口部から筒形連通部内に入り込む空気の乱流発生を前側傾斜内面部によって抑えながらスムーズに空気を後方開口部側へ流すことができるため、吸込効率を向上させることができる。
【0060】
(3)前記上流側連通部は、左側端部から前記中間位置に向かうにつれて上昇する左側傾斜内面部と、右側端部から前記中間位置に向かうにつれて上昇する右側傾斜内面部とを有するものであってもよい。
この構成によれば、前方開口部から筒形連通部内に入り込む空気の乱流発生を左側傾斜内面部および右側傾斜内面部によってさらに抑えながらスムーズに空気を後方開口部側へ流すことができるため、吸込効率を向上させることができる。
【0061】
(4)前記前方開口部は、前記下ケース部と結合する下縁部をさらに有し、前記筒形連通部は、前記前方開口部の前記上縁部と前記前側傾斜内面部とを含む前側部材と、前記前方開口部の前記下縁部と前記左側傾斜内面部と前記右側傾斜内面部と前記後方開口部とを含む後側部材との2部品からなるものであってもよい。
この構成によれば、複雑な形状の筒形連通部を容易に形成することができる。
【0062】
(5)前記上流側連通部における前記左側傾斜内面部の対応外面部分または前記右側傾斜内面部の対応外面部分に、前記駆動モータ載置用の平坦部が設けられてもよい。
この構成によれば、筒形連通部の平坦部に駆動モータを安定的に固定することができる。
【0063】
(6)前記結合部は、前記回転ブラシカバーの前記後端縁を後方へ折り曲げるようにして形成された折り曲げ部を有しており、この折り曲げ部上に前記前方開口部の前記上縁部が結合してもよい。
この構成によれば、回転ブラシカバーと筒形連通部との組み立てが容易となり、かつ、結合部を簡素に構成することができる。また、回転ブラシカバーの後端縁側に折り曲げ部を設けたことによって、結合部における後端縁と上縁部との間の隙間に回転ブラシからのダストが入り込みにくくなる(堆積しにくくなる)。
【0064】
(7)前記折り曲げ部は、鋭角または櫛歯状に形成されてもよい。
この構成によれば、回転ブラシの周囲後部が鋭角または櫛歯状の折り曲げ部に摺接するため、回転ブラシに付着したダストの除去効率を高めることができる。
【0065】
本発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、本発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、本発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。本発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0066】
1:電気掃除機、 10:掃除機本体、 20:駆動装置、 21:電気部品収納部、 22:ハンドル、 23:操作スイッチ部、 24:バッテリ装着部、 25:パイプ部、 30:集塵装置、 31:集塵容器部、 31a:導入路、 32:フィルタ部、 40:バッテリ、 50:延長管、 60:吸込口体、 61:吸込口本体、 62:下ケース部、 62a:底部、 62b:吸込口、 62c:前部、 62ca:バンパー、 62cb:左側壁、 62cc:右側壁、 62ce、62cf:リブ、 62cg:起毛布、 62ch:起毛ブラシ、 62d:後部、 62da:後部ローラ、 65:上ケース部、 66、166、266:回転ブラシカバー、 66a:湾曲板部、 66aa:前端縁、 66ab、166ab、266ab:後端縁、 66ax、166ax、266ax:折り曲げ部、 66ay:円弧部、 66az:係止孔、 66b:左側壁、 66R:回転ブラシ収納室、 67:後部カバー、 67a:中間部、 67b:係止爪、 70:筒形連通部、 70A:上流側連通部、 70a:前方開口部、 70ax:上縁部、 70B:下流側連通部、 70b:後方開口部、 71:前側部材、 71a:ネジ挿通孔、 71b:リブ、 71c:前側傾斜内面部、 75:後側部材、 75a:凹窪部、 75aa:左側傾斜内面部、 75ab:右側傾斜内面部、 75ac:中間傾斜内面部、 75ad:平行内面部、 75ae:段差内面部、 75b:半円筒部、 75f:凹み部、 75x:下縁部、 75y:支持リブ、 75z:ボス部 80:回転ブラシ、 80a:ブラシ本体、 80b:ブラシ、 80c:ゴムブレード、 81:駆動モータ、 81a:出力軸、 90:接続部、 91:関節部、 91a:第1部品、 91aa:円筒部、 91ab:凹曲摺動面部、 91b:第2部品、 91ba:凹曲摺動面部、 92:パイプ部、 92a:基端部、 92aa:凸曲面部、 166ak:鋭角部、 266am:凸部、 266an:凹部、 266ar:櫛歯部、 g1:前位置、 g2:中間位置、 g3:後位置、 N:ネジ、 P1:第1軸心、 P2:第2軸心、 Q:回転軸心