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特開2022-177595情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177595
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221124BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021083975
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】516329543
【氏名又は名称】株式会社バカン
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慎介
(72)【発明者】
【氏名】春口 敦郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 恵里花
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】同時の順番待ち登録を抑制し、施設における集客力を向上させることができる情報処理装置、プログラム及び方法を提供する。
【解決手段】順番管理サーバ10(情報処理装置)は、ユーザによる施設の順番待ちの要求を受け付けて受付要求情報を生成する受付部と、既に登録されている順番待ちの情報である順番待ち情報を管理する管理部と、管理部で管理されている順番待ち情報と、受付要求情報とに基づいて、受付要求情報に係る順番待ちの登録を受け付けるか否かを判定する判定部と、して機能するCPU11を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる施設の順番待ちの要求を受け付けて受付要求情報を生成する受付部と、
既に登録されている順番待ちの情報である順番待ち情報を管理する管理部と、
前記管理部で管理されている前記順番待ち情報と、前記受付要求情報とに基づいて、前記受付要求情報に係る順番待ちの登録を受け付けるか否かを判定する判定部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
さらに、前記判定部による判定結果を出力する出力部を有する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記順番待ち情報は、順番待ち中の施設のジャンルを示す情報を少なくとも含み、
前記判定部は、前記ジャンルに基づき、前記受付要求情報に係る施設の順番待ちの登録を受け付けるか否かを判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記順番待ち情報は、順番待ち中の施設の位置を示す情報を少なくとも含み、
前記判定部は、前記位置に基づき、前記受付要求情報に係る施設の順番待ちの登録を受け付けるか否かを判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記管理部は、前記施設に関する施設情報を管理し、
前記施設情報は、前記施設が許容する複数の施設の同時の順番待ちの条件に関する情報を含み、
前記判定部は、前記条件に基づき、前記受付要求情報に係る施設の順番待ちの登録を受け付けるか否かを判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記管理部は、前記施設に関する施設情報を管理し、
前記施設情報は、前記施設における平均待ち時間に関する情報を含み、
前記判定部は、前記平均待ち時間に基づき、前記受付要求情報に係る施設の順番待ちの登録を受け付けるか否かを判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部はさらに、前記ユーザが順番待ちをしている施設において、前記ユーザの順番が到来した場合に、前記ユーザが順番待ちをしている他の施設に対するキャンセルを推奨するか否かを判定する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
操作に応じて施設の順番待ちの要求とユーザ情報を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた施設に関する情報と前記ユーザ情報とに応じて、判定された前記施設の順番待ちの要求を受け付けるか否かを示す判定結果を取得する取得部と、
前記判定結果に応じて表示制御する表示制御部とを有し、
前記判定結果が前記施設の順番待ちを受け付けないことを示す場合には、前記表示制御部は、前記施設の順番待ちを受け付けない旨を示すことを表示させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
ユーザによる施設の順番待ちの要求を受け付けて受付要求情報を生成するステップと、
既に登録されている順番待ちの情報である順番待ち情報を管理するステップと、
前記順番待ち情報と、前記受付要求情報とに基づいて、前記受付要求情報に係る順番待ちの登録を受け付けるか否かを判定するステップと、
をコンピュータに実行させるよう構成された、プログラム。
【請求項10】
既に登録されている順番待ちの情報である順番待ち情報に基づいて判定する情報処理方法であって、
ユーザによる施設の順番待ちの要求を受け付けて受付要求情報を生成するステップと、
前記順番待ち情報と、前記受付要求情報とに基づいて、前記受付要求情報に係る順番待ちの登録を受け付けるか否かを判定するステップと、
を備える、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗(施設)の利用を待機するユーザ(利用客)の順番待ちを登録し管理するシステムが、例えば特許文献1により知られている。このような順番待ち管理システムは、店舗の入り口等に配置された受付端末や、ユーザが所持する端末(タブレット、スマートフォン、パソコン等)により、顧客の順番待ちを受け付ける。
【0003】
しかし、このような順番待ち管理システムにおいては、ユーザの一部が複数の施設において同時に順番待ちの登録を行い、実際には順番待ち登録した複数施設の一部の施設だけを利用し、他の施設には順番が回ってきても施設に現れないということがある。この場合、施設としては、そのユーザの順番待ちをキャンセルしてよいのかが分からず、対応に困ることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-207483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、この問題に鑑みて、同時に訪問する可能性の低い施設の同時の順番待ち登録を抑制することができる情報処理装置、プログラム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の情報処理装置は、ユーザによる施設の順番待ちの要求を受け付けて受付要求情報を生成する受付部と、既に登録されている順番待ちの情報である順番待ち情報を管理する管理部と、前記管理部で管理されている前記順番待ち情報と、前記受付要求情報とに基づいて、前記受付要求情報に係る順番待ちの登録を受け付けるか否かを判定する判定部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の技術によれば、それぞれの施設を訪問する可能性が低いにも関わらず同時の順番待ちを登録されることを抑制することができる情報処理装置、プログラム及び方法を提供することができる。上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態に係る順番管理システム1の構成図である。
図2】順番管理サーバ10のハードウェア構成図、及び機能ブロック図である。
図3】データベース141に格納されている店舗テーブル142の例、及び順番管理テーブル143の例を示す図である。
図4】管理用端末20のハードウェア構成図、及び機能ブロック図である。
図5】ユーザ端末50のハードウェア構成図、及び機能ブロック図である。
図6】順番管理画面222、及び変更画面223の例を示す図である。
図7】順番待ちの登録方法の実行手順を説明するフローチャートである。
図8】順番待ちの登録方法の実行手順を説明するフローチャートである。
図9】順番待ちの登録方法の実行手順を説明する表示画面例である。
図10】順番待ちの登録方法の実行手順を説明する表示画面例である。
図11】順番待ちの登録方法の実行手順を説明する表示画面例である。
図12】データベース141に格納された店舗テーブル142の例を示す図である。
図13】順番待ちの登録方法の実行手順を説明するフローチャートである。
図14】順番待ちの登録方法の実行手順を説明するフローチャートである。
図15】順番待ちの登録方法の実行手順を説明するフローチャートである。
図16】データベース141に格納された店舗テーブル142の例を示す図である。
図17A】順番待ちの登録方法の実行手順を説明するフローチャートである。
図17B】順番待ちの登録方法の実行手順を説明するフローチャートである。
図18】順番待ちの登録方法の実行手順を説明するフローチャートである。
図19】データベース141に格納された店舗テーブル142の例を示す図である。
図20】順番待ちの登録方法の実行手順を説明するフローチャートである。
図21】順番待ちの登録方法の実行手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った実施形態を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではない。
【0010】
本実施形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
【0011】
[第1の実施の形態]
図1図11を参照して、第1の実施の形態に係る順番管理システムを説明する。この第1の実施の形態の順番管理システムは、店舗R1~Rnの利用を希望するユーザ(利用客)の順番待ちの希望を受け付け、各ユーザの順番が近づいた際、又は各ユーザの順番が来た場合に、ユーザ端末に通知する。
【0012】
なお、本明細書において、「ユーザ」とは、本システムを利用して店舗等の順番待ちをする1組の利用客のことを示し、1組の人数が複数人である場合と、1人である場合のいずれも含むものとする。また、「ユーザ端末」とは、1組のユーザのうち順番待ちのリクエスト(要求)を行ったユーザが所有するユーザ端末を指すものとする。なお、店舗R1~Rnは、ユーザが利用する施設の一例であり、飲食店の他、ユーザが各種サービスの提供を受ける様々な形態の店舗(美容院、ネールサロン、旅行代理店、保険代理店など)や、観光施設、自治体や銀行の窓口などが含まれ得る。また、店舗R1~Rnは、ユーザが順番待ちをして利用し得る施設の一例である。対象となり得る施設には、店舗以外に、例えば病院や公共施設なども含まれ得る。
【0013】
図1は、第1の実施の形態に係る順番管理システム1の構成図である。順番管理システム1は、店舗R1~Rnのユーザの順番待ちを管理するシステムであり、順番管理サーバ10(情報処理装置)、管理用端末20、及びユーザ端末50を備える。順番管理サーバ10、管理用端末20、ユーザ端末50は、例えばインターネットなどのネットワーク60を介して相互接続されている。
【0014】
順番管理サーバ10は、本システムの全体的な制御を司るコンピュータであり、順番待ち管理のためのプログラム及びデータを保持している。管理用端末20は、本システムによる順番待ち管理の対象となる店舗R1~Rn内に配置され、各店舗の店員等により操作される。管理用端末20は、店舗情報を設定したり、順番待ち登録をしたユーザを管理したりするための端末であり、GUI画面を表示可能に構成される。順番管理サーバ10は、店舗R1~Rnの中ではなく、本システムを運営する企業の事業所などに配置され、管理用端末20から受信する順番待ちに関するデータを管理すると共に、これらのデータに基づき、順番待ちに関する各種判断及びデータ処理を実行する。
【0015】
ユーザ端末50は、例えば、スマートフォン又はタブレットなどの通信機能を有する通信デバイスであり、順番管理システム1が提供するサービスのユーザが所持する端末である。ユーザ端末50は、ネットワーク60を介したインターネット通信により順番管理サーバ10と通信可能に接続される。
【0016】
順番管理サーバ10は、管理用端末20等から受信した順番待ちに関するデータをデータベースに格納する。順番管理サーバ10は、管理用端末20及びユーザ端末50から受け取ったデータに従ってデータベースを更新することにより、店舗ごとの最新の順番待ち状況(ステータス)をデータベース上で管理する。なお、ここで「最新」か否かは、例えば、管理用端末20からの情報の送信日時を基準として判断することができる。
【0017】
店舗R1~Rnのいずれかを訪れようとしているユーザは、ユーザ端末50にインストールされた本システム用のアプリケーションソフトウェア又はブラウザを介して、順番管理サーバ10にアクセスし、希望する店舗の順番待ちの登録を順番管理サーバ10にリクエストすることができる。本形態ではユーザ端末50に表示されたアプリケーションソフトウェアやブラウザ上で順番待ちの登録を行うものとする。順番管理サーバ10はそのリクエストに応答し、順番待ち登録を所定の条件の下で受け付ける。順番管理サーバ10は、データベースを参照して、所定の条件を満たすかどうかを確認する。
【0018】
所定の条件を満たす場合、順番管理サーバ10は、リクエストに係る順番待ちの登録を受け付け、その旨のメッセージ等をユーザ端末50に送信すると共に、順番待ちの登録に関する情報を、対応する店舗の管理用端末20に送信する。一方、条件を満たさないと判定された場合には、順番管理サーバ10は、その旨を示す情報をユーザ端末50に送信する。
【0019】
図2(a)は、順番管理サーバ10のハードウェア構成図である。順番管理サーバ10は、一般的なサーバコンピュータにより構成され得るもので、一例として、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶装置14及び通信装置15を備える。
【0020】
CPU11は、後述するプログラムを実行することにより、順番管理サーバ10が提供する機能を実現する。ROM12及びRAM13は、CPU11が用いるデータを保持する。記憶装置14は、本システムの動作を提供するプログラム及びデータベースを格納する。通信装置15は、ネットワーク60を介して管理用端末20、及びユーザ端末50と通信する。
【0021】
図2(b)は、順番管理サーバ10の機能ブロック図である。順番管理サーバ10は、CPU11が実行するソフトウェアモジュール(各種プログラムがCPU11の内部メモリに展開されて構成される機能)として、通信制御部111、表示制御部112及び判定部113を備える。以下では記載の便宜上、これらモジュールを動作主体として記載する場合があるが、実際にこれらモジュールを実行するのはCPU11であるため、CPU11を動作主体とすることもできる。
【0022】
記憶装置14は、記憶部としてのデータベース141を格納している。データベース141は、事前に登録された店舗情報を含む店舗テーブル142と、各店舗での順番待ちに関するデータ(順番待ち情報)を含む順番管理テーブル143とを管理する管理部である。
【0023】
通信制御部111は、通信装置15を介して、店舗情報及び順番待ち状況を管理用端末20から受信する。また、通信制御部111は、通信装置15を介して、ユーザ端末50から順番待ち登録の要求や、要求受付時に入力されたユーザ情報を受信して受付要求情報を生成する受付部としても機能する。表示制御部112は、通信制御部111が受信したデータに基づいて、ユーザ端末50におけるデータの表示を制御する。判定部113は、順番待ち登録のリクエストに関する情報をユーザ端末50又は管理用端末20から受信すると、そのリクエストに係る情報と、順番管理テーブル143に格納された情報とを照合して、当該リクエストが所定の条件を満たしているか否かを判定する。通信制御部111は、通信装置15を介して、判定部113が判定した判定結果を管理用端末20又はユーザ端末50に送信する。
【0024】
図3(a)は、データベース141に格納されている店舗テーブル142の例を示す図である。店舗テーブル142は、順番管理システム1が提供するサービスを導入した店舗の店舗情報を管理するデータテーブルである。店舗テーブル142は、データ項目として、例えば店舗IDデータ1421、店舗名称データ1422、店舗ジャンルデータ1423、店舗紹介データ1424、住所データ1425、電話番号データ1426を有している。店舗テーブル142の1つのレコードは、1つの店舗の店舗情報を管理する。
【0025】
店舗IDデータ1421は、各店舗を識別するためのIDのデータである。店舗名称データ1422は、店舗の名称を示すデータである。店舗ジャンルデータ1423は、店舗の業種や営業形態(ジャンル)を示すデータである。店舗紹介データ1424は、その店舗の業種やセールスポイント、サービス内容、実施中のキャンペーン等を示す紹介文に関するデータである。住所データ1425は、店舗の住所又は店舗が入居する施設の住所を示すデータである。電話番号データ1426は、その店舗の電話番号を示すデータである。店舗テーブル142に記録される各店舗情報は、店舗の店員が管理用端末20から入力することもできるし、順番管理サーバ10の運営者等が、店舗の経営者等の依頼に従って入力してもよい。
【0026】
図3(b)は、データベース141に格納されている順番管理テーブル143の例を示す図である。順番管理テーブル143は、各店舗において順番待ち登録をしたユーザのユーザ情報を含む受付情報を管理するデータテーブルである。図3(b)に示すテーブルは、一つの店舗における順番待ち登録に関するテーブルであり、図3(b)に示すようなテーブルが、店舗毎に設けられている。一のテーブル中の1行は、1組のユーザについての順番待ちデータを示している。順番管理テーブル143は、データ項目として、例えば、受付IDデータ1431、受付番号データ1432、順番待ち状況データ1433、人数データ1434、受付時間データ1435、待機時間データ1436、電話番号データ1437、及びメールアドレスデータ1438を有し得る。
【0027】
受付IDデータ1431は、順番待ち登録をしたユーザを識別するためのIDである。受付番号データ1432は、順番待ち登録を受け付けた順に、各ユーザに付与される番号である。順番待ち状況データ1433は、各ユーザの順番待ち状況を示し、例えば、店舗内に案内した場合は「受付完了」となり、呼出し中の場合は「呼出し中」となり、ユーザまたは店舗の店員によってキャンセルされた場合は「キャンセル」となり、まだ呼出しを行っていない場合は空欄となる。図示は省略しているが、順番待ち登録が取り消された場合には、順番待ち状況データ1433は「取消」となる。
【0028】
人数データ1434は、1つの順番待ちをするユーザの人数であり、ユーザ端末50からユーザが入力した人数である。受付時間データ1435は、ユーザが来店可能となる時間を示す。待機時間データ1436は、ユーザが順番待ち登録をしてから受付時間まで待機すべき時間を示す。電話番号データ1437及びメールアドレスデータ1438は、順番待ち登録をしたユーザのグループの代表者の電話番号及びメールアドレスである。なお、電話番号及びメールアドレスは、いずれか一方のみを登録するようにしてもよい。また、電話番号及びメールアドレスデータに替えて、又はこれに加えて、SNSのアカウント情報を登録し、順番管理テーブル143に登録してもよい。
【0029】
図4(a)は、管理用端末20のハードウェア構成図である。管理用端末20は、CPU21(処理装置)、表示装置22、入力装置23及び通信装置24を備える。CPU21は、管理用端末20が備える各部を制御する。通信装置24は、ネットワーク60を介して順番管理サーバ10と通信可能に構成される。通信装置24は、順番管理サーバ10から、店舗情報等を入力するためのGUI画面と、順番待ち状況を管理するためのGUI画面とを受信する。表示装置22は、順番管理サーバ10から受信したGUI画面を表示する。入力装置23は、店員が管理用端末20に対する操作指示を入力するために用いるインターフェースである。例えばタッチパネルなどによって、表示装置22及び入力装置23を一体的に構成することもできる。
【0030】
図4(b)は、管理用端末20の機能ブロック図である。管理用端末20は、CPU21が実行するソフトウェアモジュール(各種プログラムがCPU21の内部メモリに展開されて構成される機能)として、記憶部211、通信制御部212、設定部213及び表示制御部214を備える。以下では記載の便宜上、これらモジュールを動作主体として記載する場合があるが、実際にこれらモジュールを実行するのはCPU21であるため、CPU21を動作主体とすることもできる。
【0031】
記憶部211は、CPU21の内部メモリとして機能する。通信制御部212は、通信装置24を介して、順番管理サーバ10との通信を行う。具体的には、通信制御部212は、順番管理サーバ10からGUI画面を受信する。設定部213は、店員が入力装置23及びGUI画面を介して入力した店舗情報及び順番待ち状況を受け付ける。通信制御部212は、店員が入力した店舗情報及び順番待ち状況を順番管理サーバ10に送信する。表示制御部214は、表示装置22の表示を制御する。具体的には、表示制御部214は、順番管理サーバ10から受信したGUI画面を表示装置22に表示する。
【0032】
図5(a)は、ユーザ端末50のハードウェア構成図である。ユーザ端末50は、CPU51(処理装置)、表示装置52、入力装置53及び通信装置54を備える。CPU51は、ユーザ端末50が備える各部を制御する。通信装置54は、ネットワーク60を介して順番管理サーバ10と通信し、順番待ち登録のリクエストを送信して、順番管理サーバ10から受付画面を受信する。表示装置52は、順番管理サーバ10から受信した各種情報に従った表示を行う。入力装置53は、ユーザがユーザ端末50に対する操作指示を入力するために用いるインターフェースである。例えばタッチパネルなどによって、表示装置52及び入力装置53を一体的に構成することもできる。
【0033】
図5(b)は、ユーザ端末50の機能ブロック図である。ユーザ端末50は、CPU51が実行するソフトウェアモジュール(各種プログラムがCPU51の内部メモリに展開されて構成される機能)として、記憶部511、通信制御部512、受付部513及び表示制御部514を備える。以下では記載の便宜上、これらモジュールを動作主体として記載する場合があるが、実際にこれらモジュールを実行するのはCPU51であるため、CPU51を動作主体とすることもできる。
【0034】
記憶部511は、CPU51の内部メモリとして機能する。通信制御部512は、通信装置54を介して、順番管理サーバ10等との通信を行う。具体的には、通信制御部512は、ユーザが入力装置53を介して順番待ち登録のリクエストを送信する指示を入力すると、順番管理サーバ10にリクエストを送信する。また、通信制御部512は、順番管理サーバ10から順番待ちの登録完了を示す画面を受信する。受付部513は、ユーザが入力装置53及び受付画面を介して入力したユーザ情報を受け付ける。表示制御部514は、表示装置52の表示を制御する。具体的には、表示制御部514は、順番管理サーバ10から受信した各種情報を表示する。
【0035】
図6(a)は、管理用端末20の表示装置22に表示される順番管理画面222を示す模式図である。順番管理画面222は、一例として、待ち組数を示すテキスト2221と、ユーザへの通知タイミングを示すテキスト2222と、順番待ち登録をしたユーザの受付情報2223と、操作ボタン2224と、受付終了ボタン2225と、一括取消ボタン2226とを有する。
【0036】
受付情報2223は、順番管理テーブル143の項目のうち任意の項目を表示したものであり、図6(a)の例においては、「受付番号」、「順番待ち状況」、「人数」、「受付時間」が表示されている。受付終了ボタン2225は、例えば店舗の営業時間が終了したとき、あるいはラストオーダーの時間となったときなど、これ以上順番待ちを受け付けないときにクリックされる。店員が、ある受付番号の操作ボタン2224をクリックすると、「順番待ち状況」を変更するための画面が表示される。
【0037】
図6(b)は、順番待ち状況の変更画面223が重ねて表示された順番管理画面222を示す模式図である。図6(b)においては、受付番号12の「順番待ち状況」を変更する場合の変更画面223が示されている。変更画面223は、呼出ボタン2231、受付完了ボタン2232、取消ボタン2233及び保存ボタン2234を有する。
【0038】
店員が呼出ボタン2231、受付完了ボタン2232及び取消ボタン2233のいずれかをクリックし、保存ボタン2234をクリックすると、管理用端末20の設定部213は、通信制御部212を介して、順番待ち状況が変更されたことを示す情報を順番管理サーバ10に送信する。また、順番管理サーバ10は、順番待ち状況が変更されたことを示す情報を受信すると、順番管理テーブル143の順番待ち状況を更新し、更新された情報を管理用端末20に送信する。これにより、管理用端末20の表示制御部214は、受付情報2223の「順番待ち状況」を更新する。
【0039】
店員が呼出ボタン2231及び保存ボタン2234をクリックすると、ユーザ端末50に呼び出されたことを示す通知が送信される。ユーザが来店して案内が完了した場合は、店員は、受付完了ボタン2232及び保存ボタン2234をクリックする。これにより、受付完了と操作されたユーザの受付情報は、受付情報2223の一覧からは削除される。
【0040】
呼出したユーザが来店せず、順番待ち登録をした時間帯から所定時間が経過した場合は、店員は、取消ボタン2233及び保存ボタン2234をクリックして、当該ユーザの順番待ち登録を取り消すことができる。これにより、取消の操作がされたユーザの受付情報は、受付情報2223の一覧からは削除される。別の形態として、呼出したユーザが来店せず、順番待ち登録をした時間帯から所定時間が経過しても受付完了ボタン2232が操作されなかった場合、順番管理サーバ10又は管理用端末20が、当該ユーザの順番待ち登録を自動で取消すようにしてもよい。以上のように、ユーザの順番待ち登録を取り消す場合、順番管理サーバ10又は管理用端末20は、ユーザが登録した連絡先に、取消したことを示す通知を送信してもよい。
【0041】
図7図11のフローチャート及び表示画面例を参照して、ユーザ端末50を使用した順番待ちの登録方法の実行手順を説明する。図7及び図8は、ユーザ端末50が実行する順番待ち受付処理のフローチャートである。まずステップS31においてユーザ端末50は、ユーザの操作に応じて、本システムのアプリケーションソフトウェア又はブラウザを立ち上げて、来訪を希望する店舗の順番待ちのリクエストを受け付ける受付画面を、ユーザ端末50の表示装置52に表示させる。図9は、ユーザ端末50の表示装置52に表示される受付画面322の例を示す。受付画面322においては、当該店舗において順番待ちにおいて何組待ちであるかを示すテキスト3221と、リクエストボタン3222とが表示される。受付画面322は、現在順番待ち登録をしている組の一覧を表示してもよい。図9の例では、テキスト3221として、5組待ちの状態であることが示されている。
【0042】
リクエストボタン3222が押されると、ステップS32に進み、ステップS32において表示制御部514は、図10(a)~(c)のような表示画面324~326に順次切り替え、受付部513はユーザ操作に応じて順番待ちを受け付ける。この表示画面324~326では、ユーザ操作によって、ユーザの特定情報(電話番号等)を含む順番待ちのリクエストに関する情報が入力され、順番待ちのリクエストがなされる。図10(a)の人数入力画面324では、テンキー3223を用いたユーザ操作により、受付部513は、順番待ちをしたい人数を受け付ける。「次へ」ボタン3224が押されると、図10(b)の画面325に切り替わり、テンキー3225によるユーザ操作により、受付部513はユーザ(複数人の場合には、代表者)の電話番号を受け付ける。電話番号が入力され、「次へ」ボタン3226が押されると、図10(c)のような画面326が表示され、順番待ちの登録のリクエストを受け付けるための最終確認がなされる。リクエストを進める場合には、「リクエスト完了」ボタン3227を押され、受付部513は順番待ちのリクエストの受付を完了する。入力内容を修正する場合には、「戻る」ボタンを押す。なお、本ステップにおいては、ユーザの連絡先の一例として電話番号を入力する場合を説明したが、メールアドレスやSNSアカウント情報を、電話番号に代えて、又は電話番号に加えて入力するようにしてもよい。図10(c)の画面で「リクエスト完了」ボタン3227が押されると、ユーザ端末50の通信制御部512は、順番管理サーバ10に受付部513が受け付けた順番待ちの受付情報を送信する。次にステップS33において通信制御部512は、順番管理サーバ10から順番待ちの受付可否の判定結果を示す判定情報を取得する。
【0043】
ステップS34において、表示制御部514は、ステップS33で取得した判定情報が受付不可を示すか、受付可を示すかを参照し、判定結果が受付可である場合、ステップS35に進み、表示制御部514は例えば図11(a)に示すような登録完了画面327を生成し、表示装置52に表示させる。表示制御部514は、順番管理サーバ10から受信した登録完了画面327を表示する。登録完了画面327には、例えば図11(a)に示すように、受付番号3271、来店時に提示するための整理券画像データ3273、来店時の注意書き3274等が表示される。これにより、ユーザ端末50を介した順番待ち登録の受付が完了する。
【0044】
一方、判定情報が受付不可だった場合、ステップS36に進み、ステップS36において表示制御部514は、例えば図11(b)に示すような登録拒絶画面328を生成し、表示装置52に表示させる。登録拒絶画面328には、例えば図11(b)に示すように、リクエストが完了できなかったこと、その理由の表示3275、既に順番待ちが登録されている店舗の名称(例:コーヒールームC)3276が表示される。また、その下方には、既に順番待ちをしている店舗(コーヒールームC)の順番待ちをキャンセルするボタン3277、及び新たに順番待ちをリクエストした店舗(カフェレストランA)の順番待ちをキャンセルするボタン3278が表示される。ボタン3277が押されると、新たな店舗の順番待ちが受け付けられる状態となり、改めて図11(a)の画面が表示される。ボタン3278が押されると、新たな店舗の順番待ちリクエストはキャンセルされ、図8の処理は終了する。以上、ユーザ端末50を使用した順番待ちの登録方法について説明した。
【0045】
次に、順番管理サーバ10が実行する順番待ちの受付可否の判定処理を図8を参照して説明する。図8は、順番待ちの受付判定処理のフローチャート(ステップS41~S45)である。まずステップS41において通信制御部111は、ユーザ端末50から順番待ち受付情報を取得する。ここで順番待ち受付情報は、対象とする店舗、人数、電話番号を含むものとする。
【0046】
次に、ステップS42において、判定部113は、順番管理テーブル143を参照して、順番待ち受付情報に含まれる当該ユーザ端末50から既に順番待ちをしている店舗があるか否かを判定する。ここでは判定部113は、順番待ち受付情報に含まれる電話番号と同じ電話番号で、順番待ち状況が「受付完了」「キャンセル」のいずれでもない順番待ち登録があるか否かにより判定する。他にも、メールアドレスやユーザ端末50の識別情報などを用いて同様の判定をしてもよい。ステップS42において判定部113が順番待ちをしている店舗は無いと判断した場合には、ステップS45に移行する。
【0047】
ステップS42において、判定部113が順番待ちしている店舗があると判定した場合には、ステップS43に進む。ステップS43において、判定部113は、当該ユーザが既に順番待ち登録を行っている店舗のジャンル情報を、店舗テーブル142から取得し、当該ユーザが順番待ち登録している店舗のジャンルが、当該ユーザが新たに順番待ち登録のリクエストをした店舗のジャンルと同一であるか否かを判定する。すなわち、この実施形態においては、同時に同一のジャンルの順番待ちは許容しない、という順番待ちの条件が設定されていることになる。この条件は、同一ジャンルでは、当該ユーザが2つの店舗のうちのいずれか1つにしか来店せず、他方には来店しない可能性が高いとの考え方に基づくものである。
【0048】
ステップS43において判定部113がYesと判定した場合、通信制御部111は、指定された店舗の順番待ちのリクエストは受け付けられない(NG)ことを示す判定結果を判定情報としてユーザ端末50に出力する(ステップS44)。一方、ステップS43において判定部113がNoと判定した場合には、ステップS45に移行する。ステップS45において通信制御部111は、新たに指定された店舗の順番待ちのリクエストを受け付けたことを示す判定結果を判定情報としてユーザ端末50に出力する。
【0049】
以上説明したように、第1の実施の形態のシステムは、順番待ちの登録を行う場合において、ユーザから同一ジャンルの順番待ちが同時に行われることを抑制する。これにより、順番待ちをしたユーザが予定時間になっても店舗に現われないという事態を抑制することができる。このような順番待ちが抑制されれば、各店舗において順番待ちの組数(延べ組数)が全体として少なくなる。これは店舗にとっては集客力の向上につながり、他のユーザにとっては、待ち組や予想される待ち時間が実際よりも多く表示されることが抑制される。
【0050】
この第1の実施の形態では、2つの順番待ち登録に係る店舗が異なるジャンルに属するものであれば、重複する順番待ちが許容される。例えば、ショップでの順番待ちをしている間に、カフェで待機して時間を有効に利用したいというような場合があり、そのような場合には、同時に重複して順番待ちを許容することが有効である。
【0051】
ここで、第1の実施の形態の変形例を説明する。まず、図12及び図13を参照して、第1の実施の形態の変形例1を示す。この変形例1では、同一ジャンルの複数の店舗の順番待ちのリクエストであっても、所定の除外条件を満たす場合には、同時の順番待ちを許容するようにしており、この点において第1の実施の形態と相違する。
【0052】
この変形例1では、例えば図12に示すように、データベース141に格納されている店舗テーブル142のデータ項目として、同時の順番待ちを許容する条件(除外条件)が含まれている。除外条件の例としては、(i)同一ジャンルであっても、同一のビル内であれば同時の順番待ちを許容する(図12の店舗ID001)、(ii)当該店の姉妹店であれば同時の順番待ちを許容する(図12の店舗ID002)、(iii)ジャンルを問わず、常に同時の順番待ちを許容する(図12の店舗ID003)、などが考えられる。その他の除外条件としては、ジャンルがレストランである店舗が、順番待ち登録済の店舗がカフェであれば同時の順番待ちを許容する、などが考えられる。
【0053】
図13は、この変形例1における順番待ちの登録方法の実行手順を説明するフローチャートである。図7の動作、及び図8のステップS41~S43までの動作は、第1の実施の形態と同一である。ステップS43においてYesの判定がされた場合には、ステップS44の前に、ステップS43-1において、除外条件に合致するか否かが判定される。除外条件に合致しない場合には、ステップS44に移行する。一方、除外条件に合致する場合には、ステップS45に移行して、同時の順番待ちを許容するため、新規の店舗について順番待ち登録を行う手順が実行される。この変形例1によれば、同時の順番待ちのリクエストに関し、第1の実施の形態と比べより柔軟な判定がなされ、店舗ごとの特性や要望に合わせて同時順番待ちを設定することができる。
【0054】
図14を参照して、第1の実施の形態の変形例2を示す。図7の動作、図8のステップS41~S43までの動作は、第1の実施の形態と同一であるので、図示は省略している。この変形例2では、同一ジャンルでの同一ユーザによる順番待ちのリクエストであっても、2つの店舗の間の位置関係が条件を満たす場合、例えば2つの店舗距離が所定の距離以内である場合には、同時の順番待ちを許容するようにしており(図14のステップ43-2)、この点において第1の実施の形態と相違する。
【0055】
図15を参照して、第1の実施の形態の変形例3を示す。図15は、変形例3の動作手順を説明するフローチャートであり、図7の動作、ステップS41~S42、及びステップS43~S45は第1の実施の形態(図8)と同様である。
【0056】
この変形例3では、ジャンルごとに同一ジャンルの同時の順番待ちが許可されるか否かを示す情報が予めデータベース141に登録されている。例えば、小売店など物販を行うジャンルは同一ジャンルを含め同時の順番待ちを許可するジャンルとして設定し、居酒屋やレストランなどの飲食を提供するジャンルや、美術館や博物館など観光施設は同一ジャンルの同時順番待ちを許可しないジャンルとして設定する。そして、ステップS43-3において、既に順番待ち登録済の店舗、又は新規の順番待ちリクエストに係る店舗のいずれかのジャンルが、同時の順番待ちが許可されるジャンルであるか否かの判定がなされる。Yesであれば、ステップS45に移行して、新規の順番待ちリクエストに係る順番待ちの登録を実行する。Noである場合には、ステップS43へ移行し、以後は第1の実施の形態と同一の動作が実行される。この変形例3によれば、同時の順番待ちのリクエストに関し、第1の実施の形態と比べより柔軟な判定がなされ、ジャンルに適した同時登録の制限を設定することができる。
【0057】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る順番管理システムを説明する。この第2の実施の形態の順番管理システムは、店舗R1~Rnの利用を希望するユーザ(利用客)の順番待ちの希望を所定の条件下で受け付ける点で、第1の実施の形態と共通する。システムのハードウェア構成も、第1の実施の形態と略同一とすることができる。ただし、この第2の実施の形態は、順番待ちの希望を受け付ける条件の設定が、第1の実施の形態とは異なっている。具体的には、第1の実施の形態では、既に順番待ちの登録済の店舗と、新規の順番待ちのリクエストに係る店舗とで、ジャンルが同一で且つ時間帯が同一である場合に、新規の順番待ちのリクエストが拒絶される。これに対し、第2の実施の形態では、既に順番待ちの登録済の店舗における平均待ち時間と、新規の順番待ちのリクエストに係る店舗における平均待ち時間のデータを取得し、これらの平均待ち時間のデータ同士、又は閾値との比較結果に従って新規の順番待ちの登録を許容するか否かが判断される。
【0058】
図16は、第2の実施の形態のシステムにおいて、データベース141に格納されている店舗テーブル142の例を示す図である。この店舗テーブル142は、データ項目として、第1の実施の形態と同一のデータ項目に加え、その店舗における平均の待ち時間データ1428を格納している。この平均待ち時間データ1428が、新規の順番待ちの登録を許容するか否かの判断材料として用いられる。
【0059】
図17Aのフローチャートを参照して、第2の実施の形態のシステムにおいて、ユーザ端末50を使用した順番待ちの登録方法の実行手順を説明する。図7の動作、及びステップS41~S42(図8)のステップは、第1の実施の形態と同一である。ステップS43-4では、上述の平均待ち時間データ1428を参照して、既に順番待ち登録済の店舗についての平均待ち時間から、順番待ち登録後の経過時間を減算した第1の平均待ち時間データT1を取得する。また、ステップS43-5では、同様に平均待ち時間データ1428を参照して、新たに順番待ちのリクエストがなされた店舗についての平均待ち時間に基づき、第2の平均待ち時間データT2を取得する。
【0060】
続くステップS43-6では、T1とT2との間の差の絶対値|T1-T2|がS2(分)以下であるか否かが判定される。なお、S2は、許容する同時登録する店舗の平均待ち時間の差分であり、事前に設定しておく。S2は、ジャンルや店舗ごとに設定することもできる。例えば、入店したら30分以上の利用が見込まれるレストランなどの飲食店の場合は、S2を30(分)と設定しておき、順番が来たら10分程度で手続きが完了することが見込まれる自治体窓口の場合には、S2を10(分)のように設定しておく。YesであればステップS44に移行し、新たな順番待ちの登録は拒絶される。両者の差がS2以下である場合には、順番待ち登録済の店舗と、新たに順番待ちをリクエストする店舗との両方を訪問することができる可能性は非常に低いことから、新たな順番待ちを許容すべきでないとの考え方に基づいている。Noであれば、ステップS45に移行して、新たな順番待ちのリクエストを許容する。
【0061】
図17Bを参照して、第2の実施の形態の変形例1の順番待ちの登録方法の実行手順を説明する。この変形例1では、ステップS43-6の前に、更にステップS43-7が実行される。ステップS43-7では、第1の平均待ち時間データT1がS1(分)以下であるかが判定される。S1は、一例としては15(分)である。YesであればステップS44に移行し、新たな順番待ちの登録は拒絶される。既に順番待ちを登録済の店舗の待ち時間が15分以内であれば、間もなく順番が来るため、同時の順番待ちを許容すべきではないという考え方に基づくものである。一方、ステップS43-7の判定がNoであればステップS43-6に移行する。
【0062】
図18は、第2の実施の形態の変形例2に係るシステムにおける、順番待ちのリクエストの処理の手順を示す。図17Bと同一のステップ番号は、図18において同一のステップ番号を付しているので、以下では重複する説明は省略する。
【0063】
この変形例では、ステップS43-5の後、ステップS43-7及びS43-6の代わりに、ステップS43-8が実行され、第1の平均待ち時間データT1がL1(分)以上であり、且つ第2の平均待ち時間データT2がS3(分)以下であるか否かが判定される。L1は、一例としては60分であり、S3は15分である。
【0064】
ステップS43-8の判定がYesであれば、ステップS45に移行し、Noであれば、ステップS44に移行し、以下、第2の実施の形態と同様の手順が実行される。なお、変形例1と2を組み合わせることも可能である。
【0065】
順番待ちを登録済の店舗の待ち時間が長く、新たに順番待ちしようとする店舗の待ち時間が短い場合には、後者の利用を終えた後、前者の店舗の利用をすることが出来る可能性が高い。そこで第2の実施の形態(変形例1~3を含む)は、第1の平均待ち時間T1、第2の平均待ち時間T2に関し、両者の差と閾値との比較により、同時利用が可能であるか否かを判定する。上述の変形例1~変形例2は、このような同時の順番待ちを許容することで、ユーザの利便性を高め、また各店舗における集客効率を向上させることができる。
なお、すでに登録済み店舗の平均待ち時間からすでに待機している時間(順番待ちを登録した時刻と現在時刻との差分)を減算した時間を、登録済み店舗の予測残り待ち時間とみなし、予測残り待ち時間と第2平均待ち時間とを比較して、許容するか否かを判定するようにしてもよい。また、平均待ち時間の代わりに、1組あたりの予測待ち時間を保持しておき、待ち組数に1組あたりの予測待ち時間を乗算した値を予測待ち時間として算出し、順番待ちを登録済の店舗の予測待ち時間と新たに順番待ちしようとする店舗の予測待ち時間とを比較して、許容するか否かを判定するようにしてもよい。
【0066】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態に係る順番管理システムを説明する。この第3の実施の形態の順番管理システムは、店舗R1~Rnの利用を希望するユーザ(利用客)の順番待ちの希望を所定の条件下で受け付ける点で、前述の実施の形態と共通する。システムのハードウェア構成も、前述の実施の形態と略同一とすることができる。ただし、この第3の実施の形態は、順番待ちの希望を受け付ける条件の設定が、前述の実施の形態とは異なっている。具体的には、第3の実施の形態では、各店舗での平均待ち時間に関するデータと、各店舗での平均利用時間に関するデータとを参照して、同時の順番待ちを許容するか否かを判定する。
【0067】
図19は、第3の実施の形態のシステムにおいて、データベース141に格納されている店舗テーブル142の例を示す図である。この店舗テーブル142は、データ項目として、第1の実施の形態と同一のデータ項目に加え、その店舗における平均の待ち時間データ1428と、平均利用時間データ1429(その店舗における、顧客の平均的な滞在時間)を格納している。この平均待ち時間データ1428及び平均利用時間データ1429が、同時の順番待ちの登録を許容するか否かの判断材料として用いられる。
【0068】
図20は、第3の実施の形態の変形例に係るシステムにおいて、順番管理サーバ10が実行する同時の順番待ちを許容するか否かを判定する処理の手順を示す。図20において、図7の動作、及びステップS41~S42、S43-4~S43-5、及びS44~S45は、第2の実施の形態(図17A)と同一であるので、図示は省略する。
【0069】
ステップS43-4、S43-5において、第1の平均待ち時間データT1、第2の平均待ち時間データT2を第2の実施の形態と同様に取得した後、ステップS43-8では、T1とT2の大小関係を比較してより短い方を特定する。そして、その短い方に、当該店舗の平均利用時間Uを加算し、当該店舗の利用終了予定時刻を推定する。
【0070】
一例として、以下の状況を想定する。
・現在の時刻:午後1時
・第1の平均待ち時間T1=60分
・第2の平均待ち時間T2=20分
・新たに順番待ちリクエストを行う店舗の平均利用時間U=30分
この場合、T2<T1であるので、新規に順番待ちリクエストをする店舗についての平均利用時間U=30分を店舗テーブル142の平均利用時間データ1429を参照して特定する。そして、このUをT2に加算することにより、第2の店舗(新規に順番待ち登録を希望する店舗)の利用終了予定時刻が13時+20分+30分で午後1時50分と推定される。
【0071】
次に、ステップS43-9では、新規の順番待ちリクエストに関する店舗の利用終了予定時刻は、順番待ち登録済の他の店舗の利用開始時刻よりも早いか否かが判定される。YesであればステップS45に移行して2つの店舗の同時の順番待ちが許容され、NoであればステップS44に移行して、同時の順番待ちは拒絶される。上記のケースでは、Yesの判定がされ、ステップS45に移行し、同時の順番待ち登録を許容する旨を示す判定情報を出力する。上記のような状況では、新たに順番待ちをする店舗の利用を終えた後、既に順番待ちの登録をしている店舗の利用をすることが可能であるから、同時に順番待ちを許容することが合理的である。
【0072】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、平均待ち時間データと、平均利用時間データとに基づき、複数の店舗での同時の順番待ちを許容するか否かが判断される。このような同時の順番待ちを許容することで、ユーザの利便性を高め、また各店舗における集客効率を向上させることができる。
【0073】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態に係る順番管理システムを説明する。この第4の実施の形態のシステムのハードウェア構成は、前述の実施の形態と略同一であってよい。ただし、この第4の実施の形態の順番管理システムは、所定の条件の下、複数の店舗の同時の順番待ちを許容した後、一の店舗において入店の順番が来た場合において、他の店舗の利用可能性を判定し、その結果に応じて、当該他の店舗の順番待ちのキャンセルをユーザに推奨するよう構成されている。
【0074】
図21のフローチャートを参照して、第4の実施の形態のシステムの動作を説明する。図21は、例えば前述の実施の形態で説明したような条件の下、又はその他の条件の下で、一のユーザに複数の店舗(例えば店舗A,B)での同時の順番待ちを許容した後、一の店舗(例えば店舗A)について入店の順番が来た場合に順番管理サーバ10が実行する処理を説明している。
【0075】
一のユーザが店舗A,Bについて同時に順番待ちを許容された後、例えば店舗Aについて順番が到来した場合、ユーザ端末50は、店舗Aの管理用端末20から対象とするユーザIDとともに「呼出」操作を受け付けた旨を示す情報を受信する。(ステップS51)次に、順番管理サーバ10は、自身の通信制御部111に対し、当該ユーザに対し、店舗Aの順番が到来したため、店舗Aへの来店を促す呼出メッセージをユーザ端末50に送信する命令を発し、通信制御部111は、呼出メッセージの宛先としてのユーザのメールアドレスを順番管理テーブル143から特定し、メッセージ中に店舗名称や時間帯の情報を付加して送信する(ステップS52)。
【0076】
次に、判定部113は、店舗テーブル142を参照して、当該ユーザが順番待ちをしている店舗Bに関する情報を特定する。そして、判定部113において、特定された情報(例えば、店舗Bのジャンル、入店までの予想待ち時間、店舗Aからの距離、等)に従い、当該ユーザが店舗Bを利用する可能性が小さいか否かが判定される(ステップS53)。ここで、可能性が小さいか否かは、特定された情報、及びその他の外因情報に従って判断され得る。本実施形態では、予想待ち時間が所定時間以下(例えば5分)であるか否かによる、店舗Bを利用する可能性が小さいか否かを判定することとする。他にも、入店までの予想待ち時間が店舗Aからの距離に基づいて予想される移動時間よりも短い場合や、入店した店舗Aと同じジャンルである場合に、店舗Bを利用する可能性が小さいと判定する方法でもよい。
【0077】
ステップS53でYesの判定がなされた場合には、通信制御部111は、呼出メッセージに、店舗Bの順番待ちのキャンセルを推奨するメッセージを含めて呼出メッセージをユーザ端末50に送信し、店舗Bのキャンセルを促す(ステップS54)。図示は省略するが、呼出メッセージ画面には、「現在順番待ちをしている店舗Bはキャンセルしますか?」などのテキストとともに、店舗Bの順番待ちのキャンセルを実行するためのボタンが含まれる。ユーザはキャンセルボタンを押すことにより、ユーザは店舗Bの順番待ちのキャンセルを実行することができる。一方、ステップS53でNoの判定がなされた場合には、通信制御部111は、店舗Bのキャンセル推奨のメッセージを通知することなく、処理を終了する。
【0078】
以上説明したように、第4の実施の形態によれば、複数店舗での同時の順番待ちが許容された後、1の店舗の順番が到来した場合に、他の店舗の順番待ちに関し、所定の条件下でキャンセルが推奨される。これにより、ユーザの利便性が高まると共に、各店舗では、来店しないユーザの順番待ちが事前にキャンセルされることで、順番待ちの人数が減り、他のユーザの来店を誘引することができ、集客効率の向上を図ることができる。
【0079】
[その他]
上述の実施形態では、同時の順番待ちを受け付けるか否かを順番管理サーバ10が判定する場合を例に説明したが、例えばユーザ端末50が判定するようにしてもよい。例えばユーザ端末50におけるアプリケーションで順番待ち登録を実行する場合、過去に順番待ち登録した店舗に関する情報(ジャンルや平均待ち時間、登録時間、順番など)を記憶しておく。ユーザ端末50は、次に順番待ちを登録しようとする店舗を指定された際には、指定された店舗に関する情報を順番管理サーバ10に問い合わせて取得し、指定された店舗の順番待ちを受け付けるか否かを判定した上で、指定された店舗の順番待ちを受け付ける場合にのみ、順番管理サーバ10に順番待ちする店舗の情報(新たに指定された店舗)を送信するようにしてもよい。この場合、ユーザ端末50が複数の順番待ちを受け付けるか否かを判定する情報処理装置として機能する。さらにこの場合ユーザ端末50は、すでに順番待ちを登録済みの施設に対して設定された同時登録の受け付け条件に基づいて、条件を満たさない施設は順番待ちの指定をできないように制御することもできる。
また、上述の実施形態では、最初に順番待ちを登録した店舗を優先し、次に順番待ち登録しようとする店舗の順番待ち受け付け可否を判定するようにしたが、同時に順番待ちができない場合には、ユーザ端末50に同時登録ができないことを示すテキストとともに、すでに登録した店舗か新たに登録しようとする店舗のいずれかを選択するようにユーザ端末50に表示させるようにしてもよい。
上述の実施形態では、席やテーブルが設置され飲食が提供される店舗の利用を希望するユーザ(利用客)の順番待ち登録を受け付けるシステムを例に説明した。以上のシステムは、飲食店以外の施設における順番待ちにも適用できる。例えば、イベント会場への入場に関する順番待ちや、化粧品カウンターや銀行窓口などの接客の順番待ちなどにも、本開示の技術は適用可能である。
【0080】
上述の順番待ちシステムでは、ユーザ端末からのみ順番待ちの登録を受け付けるシステムについて説明したが、ユーザ端末からの登録に加えて、店舗の店頭に設置された受付端末でも順番待ちを受け付けるようにしてもよい。ユーザが希望の店舗の店頭に来て、受付端末を操作する場合も、基本的な順番待ちの受付手順は同様である。順番管理サーバ10は、ユーザ端末50から受け付けた順番待ちと同様に、受付端末から受け付けた順番待ちも管理する。その際、受付端末からの順番待ち登録も、ユーザ端末からの登録と同様、同じユーザ情報(上述の例では電話番号)を用いた他店舗の順番待ちをしている場合には、施設情報に応じて受け付けるか否かを判定するようにしてもよいし、受付端末からの順番待ち登録は基本的に受け付けるようにしてもよい。
【0081】
以上の通り、本開示の技術は、上述の実施形態の1つ以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し作動させる処理によって実現することができる。また、1以上の機能を実現する回路によって実現しても良い。
【0082】
本開示は、上述した実施形態に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば、上述した実施形態は、本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要はない。また、ある実施形態の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることもできる。さらにまた、各実施形態の構成の一部について、他の実施形態の構成の一部を追加、削除又は置換することもできる。
【符号の説明】
【0083】
1…順番管理システム
10…順番管理サーバ
20…管理用端末
50…ユーザ端末
60…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21