IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゼオライト株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-水浄化装置 図1
  • 特開-水浄化装置 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017761
(43)【公開日】2022-01-26
(54)【発明の名称】水浄化装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20060101AFI20220119BHJP
   C02F 1/48 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
C02F1/44 A
C02F1/48 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020120499
(22)【出願日】2020-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】399130304
【氏名又は名称】ゼオライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】嶋村 謙志
【テーマコード(参考)】
4D006
4D061
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006GA06
4D006GA07
4D006JA53Z
4D006JA67Z
4D006KA01
4D006KA03
4D006KA52
4D006KA53
4D006KA54
4D006KA55
4D006KA56
4D006KA57
4D006KA72
4D006KB01
4D006KB13
4D006KB14
4D006KB15
4D006KB30
4D006KD06
4D006KD08
4D006PA01
4D006PB05
4D061DA02
4D061EA02
4D061EB01
4D061EB05
4D061EB39
4D061FA09
4D061FA10
4D061FA11
4D061FA13
4D061FA14
4D061GC16
(57)【要約】
【課題】シリカを含む被処理水であっても、ろ過膜の負担を軽減しつつ、廃水を抑えることを可能とする水浄化装置を提供する。
【解決手段】水浄化装置1は、シリカを含む被処理水を浄化した処理水を使用箇所で使用される供給水として排出すると共に、不純物が濃縮された濃縮水を排出する第1逆浸透膜装置5と、第1逆浸透膜装置5からの濃縮水からイオン化した不純物を電圧が印加された電極に吸着させて除去し、電解処理水として排出する電解処理装置6と、電解処理水に苛性ソーダを添加する苛性ソーダ供給装置9と、苛性ソーダが添加された電解処理水を浄化して、処理水を供給水として排出する第2逆浸透膜装置8とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカを含む被処理水を浄化した処理水を使用箇所で使用される供給水として排出すると共に、不純物が濃縮された濃縮水を排出する第1逆浸透膜装置と、
前記第1逆浸透膜装置からの濃縮水からイオン化した不純物を電圧が印加された電極に吸着させて除去し、電解処理水として排出する電解処理装置と、
前記電解処理水に苛性ソーダを添加する苛性ソーダ供給装置と、
前記苛性ソーダが添加された電解処理水を浄化して、処理水を供給水として排出する第2逆浸透膜装置とを備えた水浄化装置。
【請求項2】
前記第1逆浸透膜装置へ被処理水を送水する第1高圧ポンプと、前記第2逆浸透膜装置へ電解処理水を送水する第2高圧ポンプとを備え、
前記第1高圧ポンプは、前記第2高圧ポンプより低い圧力により送水する請求項1記載の水浄化装置。
【請求項3】
前記第1逆浸透膜装置からの処理水と、前記第2逆浸透膜装置からの処理水とを貯留する処理水槽を備えた請求項1または2記載の水浄化装置。
【請求項4】
前記電解処理装置は、複数台が並列に設置され、
前記複数台の電解処理装置に、濃縮水を浄化して電解処理水を生成する第1稼働状態と、前記電極の極性を反転して不純物を含む廃水を排出する第2稼働状態とのいずれかを指示して、1台以上の前記電解処理装置を前記第1稼働状態で動作させる制御盤を備えた請求項1から3のいずれかの項に記載の水浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカを含む被処理水を浄化した処理水を供給水として排出する逆浸透膜装置を用いた水浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、地下から汲み上げられる井戸水にはシリカが約10mg/L~約30mg/Lほど溶解している。
そのため、この井戸水を被処理水として圧力を掛けて逆浸透膜装置により浄化しようとすると、逆浸透膜に微小粒のシリカが多く付着してしまうため、逆浸透膜が詰まるため、逆浸透膜への負担が大きい。
従って、被処理水に高い圧力を掛けることができず、処理水の生成量を上げるのが難しく、処理水に対して廃水となる濃縮水の割合が高くなってしまうことで、処理水が得られる比率である回収率が低下してしまう。
一方、原水からシリカを除去する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の水処理装置は、浸出水が原水として導入される逆浸透膜装置と、逆浸透膜装置によって分離された濃縮水が導入され、透過膜としてナノフィルター(NF)が設けられたNF膜装置と、NF膜装置で濾過された透過水を更に脱塩処理する濃縮水処理用の高圧逆浸透膜装置と、NF膜装置及び高圧逆浸透膜装置において分離された濃縮水が導入される晶析槽と、逆浸透膜装置で分離された処理水が導入される第2逆浸透膜装置とを備え、第2逆浸透膜装置で分離された処理水はそのまま装置本体から浄化水として排出され、一方、濃縮水は逆浸透膜装置へ原水とともに導入され、高圧逆浸透膜装置で分離された処理水は第2逆浸透膜装置へ導入される、というものである。
この晶析槽では、液にCaCO3、SiO2、Fe23等の塩が含有されていれば、そのCaCO3、SiO2、Fe23の粒子を添加することによって、CaCO3、SiO2、Fe23の粒子が核となってCaCO3、SiO2、Fe23等の結晶を析出させたり、ColdLimeSoda法により液のpHを上げることによってCa、Mg、SiO2の沈澱を生じ易くしたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-137757号公報
【特許文献2】特開2013-108104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の水処理装置は、NF膜装置へは、晶析槽で生じる上澄みだけでなく、浸透膜装置からの濃縮水であり、不純物が多く含まれた濃縮水がNF膜装置に導入されるため、NF膜装置におけるろ過膜であるNF膜の早期の詰まりが心配される。
【0006】
そこで本発明は、シリカを含む被処理水であっても、ろ過膜への負担を軽減しつつ、廃水を抑えることを可能とする水浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の水浄化装置は、シリカを含む被処理水を浄化した処理水を使用箇所で使用される供給水として排出すると共に、不純物が濃縮された濃縮水を排出する第1逆浸透膜装置と、前記第1逆浸透膜装置からの濃縮水からイオン化した不純物を電圧が印加された電極に吸着させて除去し、電解処理水として排出する電解処理装置と、前記電解処理水に苛性ソーダを添加する苛性ソーダ供給装置と、前記苛性ソーダが添加された電解処理水を浄化して、処理水を供給水として排出する第2逆浸透膜装置とを備えたことを特徴としたものである。
【0008】
本発明の水浄化装置では、第1逆浸透膜装置にシリカを含む被処理水が導入されるため、被処理水に高い圧力が掛けられず、濃縮水の水量が多くなってしまう。しかし、第1逆浸透膜装置からの濃縮水を、まず電解処理装置により浄化した電解処理水に、苛性ソーダを添加して、第2逆浸透膜装置により浄化する。そうすることで、シリカを多く含む濃縮水であっても、苛性ソーダが添加されることによりシリカが析出しない方向に平衡が移動するため、1nm~1μm程度の微小粒が分散した一部が析出したシリカをそのまま第2逆浸透膜装置8に導入させたときと比較して、第2逆浸透膜装置8に析出しにくいシリカを導入することにより、逆浸透膜の詰まりを抑えることができるため、逆浸透膜への負担を軽減することができる。また、第1逆浸透膜装置からの濃縮水の一部を、供給水として再利用することができるので、高い回収率が得られる。
【0009】
前記第1逆浸透膜装置へ被処理水を送水する第1高圧ポンプと、前記第2逆浸透膜装置へ電解処理水を送水する第2高圧ポンプとを備え、前記第1高圧ポンプは、前記第2高圧ポンプより低い圧力により送水するものとすることができる。
第1逆浸透膜装置からの濃縮水を電解処理装置により浄化して第2逆浸透膜装置へ送水しているため、第1逆浸透膜装置へ被処理水を送水する第1高圧ポンプの圧力を、第2逆浸透膜装置へ電解処理水を送水する第2高圧ポンプより低く抑えることで、第1逆浸透膜装置の逆浸透膜への負担を軽減することができる。
【0010】
前記第1逆浸透膜装置からの処理水と、前記第2逆浸透膜装置からの処理水とを貯留する処理水槽を備えたものとすることができる。
苛性ソーダによりpH値が調整された第2逆浸透膜装置からの処理水が第1逆浸透膜装置からの処理水に混合することで希釈されるため、アルカリ化した水の影響を抑えることができる。
【0011】
前記電解処理装置は、複数台が並列に設置され、前記複数台の電解処理装置に、濃縮水を浄化して電解処理水を生成する第1稼働状態と、前記電極の極性を反転して不純物を含む廃水を排出する第2稼働状態とのいずれかを指示して、1台以上の前記電解処理装置を前記第1稼働状態で動作させる制御盤を備えたものとすることができる。
複数台の電解処理装置を設置して、制御盤が1台以上の電解処理装置に第1稼働状態で動作させることを指示し、残りの電解処理装置が第2稼働状態で動作することを指示する。そうすることで、電解処理装置が廃水を排出している期間に、他のいずれかの電解処理装置が第1稼働状態で電解処理水を生成している。そのため、電解処理水を止めることなく生成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の水浄化装置によれば、第1逆浸透膜装置および第2逆浸透膜装置の逆浸透膜に負担を掛けずに、第1逆浸透膜装置からの濃縮水を、電解処理装置および第2逆浸透膜装置により供給水として使用箇所に供給することができるので、シリカを含む被処理水であっても、ろ過膜への負担を軽減しつつ、廃水を抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態1に係る水浄化装置を説明するための図である。
図2】本発明の実施の形態2に係る水浄化装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る水浄化装置を、図面に基づいて説明する。
本実施の形態に係る水浄化装置は、井戸から汲み上げた井戸水を、シリカを含む被処理水(原水)として、浄化して利用者に提供するものである。
図1に示す水浄化装置1は、井戸からの配管が接続された原水槽2と、原水槽2に接続された前処理部3と、前処理部3に接続された第1高圧ポンプ4と、第1高圧ポンプ4に接続された第1逆浸透膜装置5と、第1逆浸透膜装置5の濃縮水が導入される電解処理装置6と、電解処理装置6に接続された第2高圧ポンプ7と、電解処理装置6からの電解処理水が導入される第2逆浸透膜装置8と、苛性ソーダ供給装置9と、第1逆浸透膜装置5の処理水が導入される処理水槽10と、水浄化装置1の各部に設置されたセンサからの信号線と、各部を制御するための信号線が接続された制御盤11とを備えている。
【0015】
原水槽2は、井戸から汲み上げられた原水である井戸水を被処理水として貯留する貯留槽である。原水槽2には、前処理に被処理水を送水する図示しない送水ポンプが設けられている。
前処理部3は、第1逆浸透膜装置5へ送水する前の被処理水における品質を改善するためのものである。具体的には、前処理部3では、糸巻きフィルタによるカートリッジフィルタや、砂ろ過、MF膜、UF膜などの各種のろ過膜によるろ過装置などの一つ以上に順次通過させ、不純物を除去するものである。また、前処理部3では、滅菌剤を投入する混合器や、凝集剤を投入する混合器も含めることができる。
【0016】
第1高圧ポンプ4は、第2高圧ポンプ7より低い圧力で被処理水を第1逆浸透膜装置5に送水する。
第1逆浸透膜装置5は、2nm以下の孔により、水を透過させるが不純物を透過させない、RO膜とも称される逆浸透膜に、圧力を掛けた被処理水を透過させることで、被処理水から不純物を除去するものである。第1逆浸透膜装置5は、被処理水から不純物が除去された水を処理水として排出し、逆浸透膜を透過できずに不純物が濃縮された水を濃縮水として排出する。
【0017】
電解処理装置6は、一対の電極に電圧を印加して、濃縮水に含まれるイオン性の不純物を、マイナスイオン化した不純物を正極に、プラスイオン化した不純物を負極に吸着させることで、電極間に流れる不純物が除去された水を電解処理水として排出するものである。
電解処理装置6は、電極への電圧の極性を反転させることで、それぞれの電極から不純物を引き剥がし流すことができる。
電解処理装置6は、例えば、特許文献2に記載の電解処理装置が使用できる。
この電解処理装置は、陽極及び陰極の両電極の間に溶存イオンを含有する原料水を流し、電圧を印加し、溶存イオンのうち陰イオン成分を陽極に、陽イオン成分を陰極に吸着して濃縮し、両電極を短絡させるか逆電流を流す等の方法により、濃縮されたイオンを各電極から脱着させる脱イオン装置(以下、「CDI装置」という)と電解セルから構成された、というものである。
また、電解処理装置6は、シオンテック社のスマート脱イオンシステム(Smart Deionization System:SDI(商標))が使用できる。
【0018】
第2高圧ポンプ7は、電解処理装置6からの電解処理水を第2逆浸透膜装置8に送水する。
第2逆浸透膜装置8は、第1逆浸透膜装置5と同じものとすることができる。
苛性ソーダ供給装置9は、第2逆浸透膜装置8に苛性ソーダを導入して電解処理水のpH値を調整するものである。
処理水槽10は、第1逆浸透膜装置5と第2逆浸透膜装置8とからの処理水が貯留される貯留槽である。
制御盤11は、水浄化装置1の各部に設置されたセンサからの信号に基づいて、各部を制御する制御装置である。
【0019】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る水浄化装置1の動作および使用状態を図面に基づいて説明する。
まず、井戸から汲み上げられた井戸水が原水槽2に被処理水として貯留される。
原水槽2からの被処理水は、前処理部3に導入されることにより、ごみや錆などが取り除かれると共に微生物などが除去される。
前処理部3により水の品質が向上した被処理水は、第1高圧ポンプ4により第1逆浸透膜装置5に圧送される。
【0020】
第1逆浸透膜装置5では、逆浸透膜により不純物が除去され、処理水が生成され、処理水槽10へ送水される。第1逆浸透膜装置5では、被処理水にシリカなどを含むため高い圧力が掛けられない状態である。
第1高圧ポンプ4は、第2高圧ポンプ7より低い圧力で第1逆浸透膜装置5に送水しているため、第1逆浸透膜装置5の逆浸透膜への負担を軽減することができる。
従って、シリカの濃度が高い井戸水を原水とした浄化では、通常の浄化よりも大量の濃縮水が、更に濃度が高くなって、一部のシリカが析出して白濁した状態で、第1逆浸透膜装置5から電解処理装置6へ送水される。
濃縮水には、第1逆浸透膜装置5の逆浸透膜を透過できなかったシリカの他、イオン化した不純物が大量に含まれている。そこで、電解処理装置6が、この濃縮水からイオン化した不純物を除去するので、濃縮水を浄化することができる。
【0021】
電解処理装置6からの電解処理水は、第2高圧ポンプ7により第2逆浸透膜装置8に送水される。
第2逆浸透膜装置8では、苛性ソーダ供給装置9から苛性ソーダが供給される。
シリカはSiO2で表されるが、中性領域のおいてはSi(OH)4、pH8以上においては、SiO(OH)3 -、pH11以上においてはSiO2(OH)2 2-の状態となっている。
従って、電解処理水に苛性ソーダが適量添加され、pH値が増加して、電解処理水がアルカリ化されることにより、電解処理水が含有するシリカが析出しない方向に平衡が移動する。
【0022】
これにより、1nm~1μm程度の微小粒が分散した一部が析出したシリカをそのまま第2逆浸透膜装置8に導入させたときと比較して、第2逆浸透膜装置8に析出しない方向に平衡が移動したシリカを導入することにより、逆浸透膜の詰まりを抑えることができるため、逆浸透膜への負担を軽減することができる。
また、第2高圧ポンプ7が、第1高圧ポンプ4より高い圧力により電解処理水を第2逆浸透膜装置8へ送水しているため、第2逆浸透膜装置8により大量の処理水を生成することができる。
【0023】
第2逆浸透膜装置8により浄化された処理水は、処理水槽10へ送水される。
処理水槽10では、第1逆浸透膜装置5からの処理水と、第2逆浸透膜装置8からの処理水とが一緒になることで、第2逆浸透膜装置8からの処理水が、第1逆浸透膜装置5からの処理水によって希釈されるため、アルカリ化した水の影響を抑えることができる。
【0024】
第1逆浸透膜装置5と第2逆浸透膜装置8とからの処理水が貯留された処理水槽10から、供給水として使用箇所に送水される。
このように、第1逆浸透膜装置5からの濃縮水を、電解処理装置6と、苛性ソーダを添加する苛性ソーダ供給装置9と、第2逆浸透膜装置8とにより、浄化させることができるので、シリカを含む被処理水であっても、ろ過膜への負担を軽減しつつ、廃水を抑えることが可能であり、高い回収率を得ることができる。
【0025】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る水浄化装置を図面に基づいて説明する。
なお、図2においては、図1と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図2に示す本実施の形態2に係る水浄化装置1xは、電解処理装置6に複数台の電解処理装置を設置したものである。
本実施の形態2では、電解処理装置6(第1電解処理装置61,第2電解処理装置62)を2台設置している。
【0026】
電解処理装置6は、濃縮水から電解処理水を生成する第1稼働状態で一定時間稼働させると、電極に不純物が蓄積されるため、不純物を電極から除去するには、電極の極性を反転して不純物を含む廃水を排出する第2稼働状態で動作する期間が必要になる。その期間では、電解処理装置6にて処理水が生成できない。
そこで、2台の電解処理装置6(第1電解処理装置61,第2電解処理装置62)を設置して、制御盤11が、2台うちの一方の電解処理装置6に第1稼働状態で動作させることを指示し、残りの電解処理装置6が第2稼働状態で動作することを指示する。
そうすることで、電解処理装置6が廃水を排出している期間に、他の電解処理装置6が第1稼働状態で電解処理水を生成している。そのため、電解処理水の生成を止めることなく生成することができる。
なお、本実施の形態2では、2台の第1電解処理装置61および第2電解処理装置62を交互に第1稼働状態と第2稼働状態とを切り替えてもよいが、2台同時に第1稼働状態で動作させ、その後に、いずれか一方の電解処理装置61,62を第2稼働状態で動作するように指示してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、シリカを含有した水を浄化する際に好適であり、特に、井戸水を浄化する際に最適である。
【符号の説明】
【0028】
1,1x 水浄化装置
2 原水槽
3 前処理部
4 第1高圧ポンプ
5 第1逆浸透膜装置
6 電解処理装置
61 第1電解処理装置
62 第2電解処理装置
7 第2高圧ポンプ
8 第2逆浸透膜装置
9 苛性ソーダ供給装置
10 処理水槽
11 制御盤
図1
図2