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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177621
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】油中水型乳化化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/894 20060101AFI20221124BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20221124BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20221124BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20221124BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20221124BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20221124BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20221124BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
A61K8/894
A61K8/19
A61K8/27
A61K8/29
A61K8/365
A61K8/891
A61K8/06
A61Q17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084019
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】593106918
【氏名又は名称】株式会社ファンケル
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100194803
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 理弘
(72)【発明者】
【氏名】力丸 あゆみ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB102
4C083AB152
4C083AB211
4C083AB212
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB432
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC242
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC352
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD171
4C083AD172
4C083BB13
4C083BB21
4C083BB25
4C083CC19
4C083DD32
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE17
(57)【要約】
【課題】使用感を保ちながらも経時的な粘度低下を抑制した油中水型乳化化粧料を提供すること。
【解決手段】下記(A)~(F)を含み、全体に対して(A)を0.2質量%以上0.8質量%以下含む油中水型乳化化粧料。
(A)有機変性粘土鉱物
(B)微粒子金属酸化物
(C)ポリエーテル変性シリコーン
(D)ポリグリセリン変性シリコーン
(E)炭素数12~22ヒドロキシ脂肪酸
(F)環状シリコーン
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)~(F)を含み、全体に対して(A)を0.2質量%以上0.8質量%以下含むことを特徴とする油中水型乳化化粧料。
(A)有機変性粘土鉱物
(B)微粒子金属酸化物
(C)ポリエーテル変性シリコーン
(D)ポリグリセリン変性シリコーン
(E)炭素数12~22ヒドロキシ脂肪酸
(F)環状シリコーン
【請求項2】
(B)微粒子金属酸化物が、酸化チタンまたは酸化亜鉛を含むことを特徴とする請求項1に記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項3】
(C)ポリエーテル変性シリコーンが、PEG-10ジメチコンまたはPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項4】
(D)ポリグリセリン変性シリコーンが、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンまたはラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを含むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項5】
全体に対する水相の割合が、40質量%以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料からなる日焼け止め化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油中水型乳化化粧料、特に日焼け止め化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
油中水型乳化化粧料は、外相が油系であるため、油特有のべたつきを感じる場合がある。油中水型乳化化粧料に、さっぱりとしてべたつきのない使用感を出すため、また、化粧持ちを向上させるために、油相にシリコーン油を配合することが行われている。しかし、シリコーン油は、他の炭化水素やエステル油などの一般的な化粧料油剤との相溶性が悪いため、均一に乳化することが困難である。
油中水型乳化化粧料の安定性を補うために油相の増粘剤として、有機変性粘土鉱物が用いられている。しかし、油相にシリコーン油を多く配合すると、有機変性粘土鉱物の増粘効果が効率的に発揮できず、粘度低下、相分離などの経時安定性に問題が生じる場合がある。
【0003】
特許文献1には、有機変性粘土鉱物、デキストリン脂肪酸エステルを配合した油中水型乳化化粧料について、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールとカプリリルメチコンとシリコーンレジン被覆シリコーンゴム球状粉体とを配合することにより経時的な粘度低下を抑制した油中水型乳化化粧料が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-189671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、使用感を保ちながらも経時的な粘度低下を抑制した油中水型乳化化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は以下のとおりである。
1.下記(A)~(F)を含み、全体に対して(A)を0.2質量%以上0.8質量%以下含むことを特徴とする油中水型乳化化粧料。
(A)有機変性粘土鉱物
(B)微粒子金属酸化物
(C)ポリエーテル変性シリコーン
(D)ポリグリセリン変性シリコーン
(E)炭素数12~22ヒドロキシ脂肪酸
(F)環状シリコーン
2.(B)微粒子金属酸化物が、酸化チタンまたは酸化亜鉛を含むことを特徴とする1.に記載の油中水型乳化化粧料。
3.(C)ポリエーテル変性シリコーンが、PEG-10ジメチコンまたはPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを含むことを特徴とする1.または2.に記載の油中水型乳化化粧料。
4.(D)ポリグリセリン変性シリコーンが、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンまたはラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを含むことを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
5.全体に対する水相の割合が、40質量%以上であることを特徴とする1.~4.のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
6.1.~5.のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料からなる日焼け止め化粧料。
【発明の効果】
【0007】
本発明の油中水型乳化化粧料は、経時的な粘度低下が小さく安定性に優れ、相分離、沈殿等を生じにくい。本発明の油中水型乳化化粧料は、シリコーン油に由来するさっぱりとした使用感と有機変性粘土鉱物に由来する崩れ感を有する独特な使用感が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、下記(A)~(F)を含み、全体に対して(A)を0.2質量%以上0.8質量%以下含む油中水型乳化化粧料に関する。
(A)有機変性粘土鉱物
(B)微粒子金属酸化物
(C)ポリエーテル変性シリコーン
(D)ポリグリセリン変性シリコーン
(E)炭素数12~22ヒドロキシ脂肪酸
(F)環状シリコーン
【0009】
(A)有機変性粘土鉱物
膨潤性層状ケイ酸塩であるスメクタイトは、陽イオン性粘土鉱物である。スメクタイトの陽イオンを第四級アンモニウム塩等の有機カチオンで置換したものが、有機変性粘土鉱物である。スメクタイトに含まれる鉱物として、ヘクトライト、モンモリロナイト、ベントナイト、サポナイト、バイデライト、ノントロナイト、スチブンサイト、バーミキュライト、ボルコンスコイト、ソコナイト、マガダイト、ケニアライト等が挙げられる。有機カチオンとしては、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、ジメチルジパルミチルアンモニウムクロライド、ステアリルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。有機変性粘土鉱物としては、ジステアルジモニウムヘクトライト、ステアラルコニウムヘクトライト、ステアラルコニウムベントナイト等が挙げられる。
【0010】
本発明の油中水型乳化化粧料は、その全体に対して(A)有機変性粘土鉱物を0.2質量%以上0.8質量%以下含む。有機変性粘土鉱物の配合量が0.2質量%未満では安定性の維持が困難となる場合があり、0.8質量%を超えると、得られる乳化化粧料にべたつきを生じる場合がある。有機変性粘土鉱物の配合量は、油中水型乳化化粧料に対して、0.25質量%以上であることがより好ましく、0.3質量%以上であることがさらに好ましく、0.33質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、この配合量は、0.75質量%以下であることがより好ましく、0.7質量%以下であることがさらに好ましく、0.68質量%以下であることがよりさらに好ましい。
【0011】
(B)微粒子金属酸化物
微粒子金属酸化物は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄等の金属酸化物の微粒子である。微粒子金属酸化物は、その表面活性を低下させるため、シリカ、水酸化アルミニウムなどにて表面を被覆したものを用いることもでき、油性成分への分散性を向上させるため、その表面の一部または全部を疎水化処理剤にて処理したものを用いることもできる。また、予めシクロペンタシロキサンなどの油剤に分散されたものを用いることもできる。微粒子金属酸化物を配合することにより、本発明の油中水型乳化化粧料に紫外線遮蔽効果、着色効果等を付与することができる。本発明の油中水型乳化化粧料は、この(B)微粒子金属酸化物により紫外線遮蔽効果を備えるため、日焼け止め化粧料として好適に用いることができる。
【0012】
微粒子金属酸化物としては入手可能な種々の粒子径、形状のものを目的に応じて選択すればよい。例えば、酸化チタンであれば粒状、針状、紡錘状、板状、薄片状等の形状のものを、酸化亜鉛であれば球状または板状の六方晶系のものを、酸化セリウムであれば、球状のものを適宜用いることができる。また、同一物質の異なる粒子径や形状のものを組み合わせて用いても、2以上の物質を任意に組み合わせて用いても良い。
微粒子金属酸化物は、その一次粒子の平均粒子径(メジアン径)が1nm~100nm、より好ましくは5~50nmのものが好適に用いられる。微粒子金属酸化物の一次粒子の平均粒子径が100nmより大きくなると、粒子の可視光に対する散乱が大きくなるため、可視光の透過性、即ち透明性が低下する。
【0013】
本発明の油中水型乳化化粧料への(B)微粒子金属酸化物の配合量は、微粒子金属酸化物の種類、所望する紫外線遮蔽性等に基づき適宜設定すればよく特に限定されないが、例えば、油中水型乳化化粧料の全体に対して、1質量%以上30質量%以下とすることができ、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上あることがより好ましく、また、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
【0014】
(C)ポリエーテル変性シリコーン
ポリエーテル変性シリコーンは、主鎖のシリコーン鎖に、側鎖としてポリエーテル鎖を有するものである。側鎖としてポリエーテル鎖以外に、アルキル鎖、シリコーン鎖を含むものであっても良い。ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば、PEG-9ジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-12ジメチコン、PEG-10メチルエーテルジメチコン、PEG-11メチルエーテルジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を併用することができる。これらの中で、PEG-10ジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのいずれか、または両方を用いることが好ましい。
【0015】
本発明の油中水型乳化化粧料への(C)ポリエーテル変性シリコーンの配合量は、特に限定されないが、例えば、油中水型乳化化粧料の全体に対して、0.1質量%以上5質量%以下とすることができる。この配合量は、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、また、4.5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましい。
【0016】
(D)ポリグリセリン変性シリコーン
ポリグリセリン変性シリコーンは、シリコーン鎖にポリグリセリン鎖を導入した構造を有するものである。シリコーン鎖は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、シリコーン鎖がポリグリセリン鎖で架橋した部分架橋型でもよい。ポリグリセリン変性シリコーンとしては、ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、セチルジグリセリルトリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ポリグリセリル-3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられ、これらの1種または2種以上を併用することができる。これらの中で、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのいずれか、または両方を用いることが好ましい。
【0017】
本発明の油中水型乳化化粧料への(D)ポリグリセリン変性シリコーンの配合量は、特に限定されないが、例えば、油中水型乳化化粧料の全体に対して、0.01質量%以上2質量%以下とすることができ、0.1質量%以上であることが好ましく、また、1.5質量%以下であることが好ましい。
【0018】
(E)炭素数12~22ヒドロキシ脂肪酸
炭素数12~22ヒドロキシ脂肪酸とは、分子内に少なくとも1つの水酸基を有する炭素数12~22の脂肪酸、およびその重合物(ポリヒドロキシ脂肪酸)である。脂肪酸としては、炭素数12~22であればよく、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。炭素数12~22ヒドロキシ脂肪酸としては、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシミリスチン酸、ヒドロキシパルミチン酸、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシベヘニン酸、ポリヒドロキシステアリン酸等が挙げられ、これらの1種または2種以上を併用することができる。脂肪酸は、炭素数14~22であるものが好ましく、炭素数16~20であるものがより好ましく、炭素数18であるものがよりさらに好ましい。これらの中で、ポリヒドロキシステアリン酸を用いることがとくに好ましい。
【0019】
本発明の油中水型乳化化粧料への(E)炭素数12~22ヒドロキシ脂肪酸の配合量は、特に限定されないが、例えば、油中水型乳化化粧料の全体に対して、0.01質量%以上2質量%以下とすることができ、0.1質量%以上であることが好ましく、また、1.5質量%以下であることが好ましい。
【0020】
(F)環状シリコーン
環状シリコーンは、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を併用することができる。
【0021】
本発明の油中水型乳化化粧料への(F)環状シリコーンの配合量は、特に限定されないが、例えば、油中水型乳化化粧料の全体に対して、10質量%以上30質量%以下とすることができ、15質量%以上であることが好ましく、また、28質量%以下であることが好ましい。
【0022】
・水相
本発明の油中水型乳化化粧料は、水相成分を有する。水相成分とは、水もしくは水と相溶する水性溶媒と、これらに溶解した水溶性成分を含む。具体的には、水のほかに、エタノール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、フェノキシエタノール、塩化ナトリウム等を含む水溶液が挙げられる。水相成分は、油中水型乳化化粧料全量に対して、40質量%以上であることが好ましく、42質量%以上であることがより好ましく、45質量%以上であることがさらに好ましい。また、水相成分は、油中水型乳化化粧料全量に対して、60質量%以下であることが好ましく、58質量%以下であることがより好ましく、55質量%以下であることがさらに好ましい。
【0023】
本発明の油中水型乳化化粧料は、(C)、(D)、(E)の合計の配合量が、油中水型乳化化粧料の全体に対して、1質量%以上6質量%以下であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、また、5質量%以下であることがより好ましい。
また、本発明の油中水型乳化化粧料は、(A)有機変性粘土鉱物の、(C)~(E)の合計に対する割合が、5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、8質量%以上であることがより好ましく、また、15質量%以下であることがより好ましい。
【0024】
本発明の油中水型乳化化粧料は、上記した以外にも、エステル油、植物油のような油脂類、炭化水素類、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン油、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、多価アルコール類、糖類、糖アルコール類、水溶性高分子、油溶性増粘剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、ヒアルロン酸のような保湿剤、香料、pH調整剤等を含有させることができる。また、ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、美白剤、殺菌剤等の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。
【0025】
エステル油として、例えば、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸セチル、ジイソノナン酸1,3-ブチレングリコール、ジ2-エチルヘキサン酸1,3-ブチレングリコール、ジイソノナン酸ジプロピレングリコール、ジ2-エチルヘキサン酸ジプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
油脂類として、例えば、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ、モクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類が挙げられる。
【0026】
炭化水素類として、例えば、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等が挙げられる。
高級アルコールとして、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
シリコーン油として、例えば、鎖状ポリシロキサンのジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。
【0027】
アニオン界面活性剤として、例えば、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、N-アシルサルコシン酸、スルホコハク酸塩、N-アシルアミノ酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤として、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
両性界面活性剤として、例えば、アルキルベタイン、アミドベタイン等のベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤として、例えば、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体が挙げられる。
【0028】
多価アルコール類として、例えば、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
糖類、糖アルコール類として、例えば、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、トレハロース、スクロース、キシリトール、マルトース、ラクトース等が挙げられる。
水溶性高分子として、例えば、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、デキストラン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルハイドロキシプロピルセルロース、ハイドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等を挙げることができる。
油溶性増粘剤として、例えば、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、脂肪酸デキストリンエステル、シリコーン架橋物等を挙げることができる。
【0029】
防腐剤として、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、フェノキシエタノール等を挙げることができる。
金属イオン封鎖剤として、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩を挙げることができる。
紫外線吸収剤として、例えば、パラアミノ安息香酸、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2,4-ジハイドロキシベンゾフェノン、等を配合することができる。しかしながら、安全性を高めるためには紫外線吸収剤を配合しないことが好ましい。
保湿剤として、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、ブドウ糖、果糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、シクロデキストリン等が挙げられる。
【0030】
薬効成分として、例えば、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩等のB6類、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸リン酸エステル、L-アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-グルコシド等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD2、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α-トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL-α-トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類を挙げることができる。
【0031】
グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、ぶなの木エキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、γ-オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類、常在菌コントロール剤のマルトースショ糖縮合物、塩化リゾチーム等を挙げることができる。
さらに、カミツレエキス、パセリエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス等の各種抽出物を挙げることができる。
【0032】
本発明の油中水型乳化化粧料は、常法に従って調製することができ、例えば、以下の方法で調製することができる。
(A)~(F)とその他の油剤を常温で、または必要に応じて加熱しながら添加し、撹拌混合する。次いで、常温で、または必要に応じて加熱しながら混合した水相を徐々に添加しながら撹拌する。
【実施例0033】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
(評価方法)
1.粘度の測定
粘度は、B型粘度計、ローターNo.4、12rpm、30秒の条件で測定した。
【0035】
2.調製翌日粘度の評価
調製翌日粘度(調製24時間後の粘度)が、10,000mPas以上を○、10,000mPas未満を×とした。
【0036】
3.粘度の経時安定性1
翌日粘度が10,000mPas以上のもののうち、室温保管1週間後(168時間後)の粘度維持率が90%以上150%未満を○、80%以上90%未満または150%以上200%未満を△、80%未満または200%以上を×とした。
4.粘度の経時安定性2
室温保管1週間後の粘度維持率が〇または△だったもののうち、室温保管1か月後の粘度維持率が70%以上170%未満を○、50%以上70%未満または170%以上250%未満を△、50%未満または250%以上を×とした。
【0037】
表1、2に示す配合(質量%)で、(A)~(F)とその他の油剤を常温で添加し、撹拌混合した。次いで、常温で混合した水相を徐々に添加しながら撹拌し、油中水型乳化化粧料を得た。
各化粧料の評価結果を表3に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
本発明である実施例1~13の油中水型乳化化粧料は、シリコーン油と有機変性粘土鉱物が配合されているにも関わらず、1週間後、さらには1ヶ月後も経時的な粘度低下が小さく、安定性に優れていた。また、これらの油中水型乳化化粧料は、さっぱり感と崩れ感という独特な使用感を有していた。
それに対し、比較例1~3、5の油中水型乳化化粧料は、1週間後に粘度が70%以下に低下し、安定性に劣っていた。また、比較例4の油中水型乳化化粧料は、粘度が不足していた。