(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177647
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】化粧料組成物用の酸化鉄顔料及び酸化鉄顔料を含有する化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/19 20060101AFI20221124BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
A61K8/19
A61Q1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084057
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000109255
【氏名又は名称】チタン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100112634
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 美奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100141265
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 有紀
(72)【発明者】
【氏名】吉見 晃
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 晃彦
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB172
4C083AB231
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB312
4C083AB322
4C083AB352
4C083AB372
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC032
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC482
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC582
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC712
4C083AC792
4C083AD022
4C083AD042
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD202
4C083AD212
4C083AD242
4C083AD262
4C083AD272
4C083AD352
4C083AD512
4C083AD662
4C083BB21
4C083BB23
4C083CC11
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC14
4C083CC23
4C083CC25
4C083CC28
4C083CC36
4C083CC41
4C083DD11
4C083DD17
4C083DD21
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD30
4C083DD31
4C083DD33
4C083DD41
4C083EE03
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】明度が小さい領域でも大きなa値及び/又はb値並びに彩度を示し、かつ着色力が大きい、化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料を提供する。
【解決手段】Fe元素の含有量が680g/kg以上702g/kg以下、FeOの含有量が30g/kg以下、Fe
2O
3含有量が939g/kg以上、かつFeOとFe
2O
3の含有量の合計が968g/kg以上である、スピネル構造からなるかまたはスピネル構造とコランダム構造とからなる、化粧料組成物用の酸化鉄顔料。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Fe元素の含有量が680g/kg以上702g/kg以下であり、FeOの含有量が30g/kg以下であり、Fe2O3含有量が939g/kg以上であり、かつFeOとFe2O3の含有量の合計が968g/kg以上である、スピネル構造を有するか、又はスピネル構造とコランダム構造とを有する、化粧料組成物用の酸化鉄顔料。
【請求項2】
Pbが10mg/kg以下であり、Asが3mg/kg以下であり、Hgが1mg/kg以下であり、Cdが1mg/kg以下であり、Znが100mg/kg以下であり、Baが50mg/kg以下であり、Crが100mg/kg以下であり、Cuが50mg/kg以下であり、及びNiが200mg/kg以下である、請求項1に記載の酸化鉄顔料。
【請求項3】
X線回折測定で、回折角度が35.10°以上36.10°以下に出現するスピネル構造酸化鉄の(311)面の回折線の積分強度を100.00としたとき、回折角度が32.60°以上33.60°以下に出現するコランダム構造酸化鉄の(104)面の回折線の積分強度が10.0以下である、請求項1又は2に記載の酸化鉄顔料。
【請求項4】
一次粒子の平均短軸長が50nm以上500nm以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の酸化鉄顔料。
【請求項5】
BET比表面積が2.0m2/g以上25.0m2/g以下であり、かさ密度が70g/mL以下であり、更に目開き45μmのふるいを通したときの残分が1.0g/kg以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の酸化鉄顔料。
【請求項6】
吸油量が20g/100g以上50g/100g以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の酸化鉄顔料。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載される酸化鉄顔料を含有する化粧料組成物。
【請求項8】
肌用化粧料である、請求項7に記載の化粧料組成物。
【請求項9】
液状化粧料である、請求項7又は8に記載の化粧料組成物。
【請求項10】
固体状化粧料である、請求項7又は8に記載の化粧料組成物。
【請求項11】
ゲル状化粧料である、請求項7又は8に記載の化粧料組成物。
【請求項12】
ダークカラーを再現する目的で使用される、請求項7から11のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料組成物用の酸化鉄顔料と、酸化鉄顔料を含有する化粧料組成物に関する。本発明の酸化鉄顔料は、ダークカラーに合わせた主に肌用の化粧料組成物に用いるのに特に適している。
【背景技術】
【0002】
現在、化粧料を取り巻く環境に大きな変化が生じている。かつては工業生産される化粧料を購入する経済力を持った人がいる国・地域は限られており、そうした国・地域の主要構成員の身体的特徴や価値観に合わせた化粧料こそが、市場で求められる化粧料であった。しかし近年、世界経済や各国の人口構造の変化により、経済力を持った人がいる国・地域はかつてないほど広がり、これまでにない多様な化粧料が求められている。肌用化粧料の分野では、これまで重要視されていなかった、明度が小さい肌、いわゆるダークカラーの肌に合わせた化粧料に対して大きなニーズが発生している。
【0003】
酸化鉄を主成分とする顔料は、酸化・還元によって赤、黄、黒などさまざまな色を持ち、着色力に優れ、人体への有害性も小さいことから、化粧料用の顔料として幅広く使用されており、肌用化粧料の分野もその例に漏れない。特開2014-101298号公報(特許文献1)の実施例には、赤色酸化鉄又は黄色酸化鉄に、カーボンブラック等を適宜組み合わせて茶色化粧料用水性分散体を製造し、また、同分散体を用いてペン型アイライナーを作成したことが記載されている。特許文献1には、酸化鉄として特定の微粒子酸化鉄を用いることで経時での顔料の分離や沈降が見られず、また、ペン型容器での目詰まりが起きないことが記載されている。しかし、特許文献1のようにさまざまな色合いの顔料を混合して茶色を再現した場合、通常は保管中に各顔料の物性の違いによって成分が分離し(以下、この現象を「色分かれ」と記す)、化粧料としての使用が困難になりやすい。また、特許文献1には顔料の着色力についての記載はない。
【0004】
特開平2-145506号公報(特許文献2)には、酸化剤により酸化した黒酸化鉄と水とから少なくともなる茶色系液状化粧料が記載されており、黒酸化鉄を酸化して目的の茶色としたものを液状化粧料の着色剤として用いることにより、色分かれを起こさないことが記載されている。特許文献2には、この茶色系液状化粧料をアイライナー等に使用することが記載されている。
【0005】
一方で、肌用化粧料として使用する場合、アイライナー等で使用する場合と比較して、色味の厳密な調整が求められる。肌用化粧料は鮮やかで健康的な外観を演出する必要がある反面、周囲の肌と色味の差が大きい場合は、光の反射によって不自然な印象を与えてしまうことがある。従来の化粧料では、色調調整剤を配合することで微妙な色味を調整してきた。所望の色味が、明度が大きい領域にある場合は色調調整剤の配合による色味の調整が可能であった。しかし、ダークカラーの肌のような明度が小さい領域では彩度も小さいため、色調調整剤の配合によって微妙な色味を調整することは難しく、鮮やかさを演出することも難しかった。
【0006】
また、肌用化粧料は広範囲に塗布するため、感触や使用性が強く求められる。ここで、酸化鉄顔料の着色力が小さい場合、顔料を化粧料組成物中に大量に配合しなければならず、顧客が化粧料を使用した際に粉っぽい感触を覚えるようになり、また、化粧料を広範囲に塗り広げることも難しくなる。
【0007】
ダークカラーに合わせた肌用化粧料は、明度が小さい領域でも彩度が大きいものであり、更に含有する顔料の着色力が大きいことが望ましい。文献2の茶色系液状化粧料は、明度が小さい領域での彩度及び顔料の着色力については触れていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014-101298号公報
【特許文献2】特開平2-145506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、明度が小さい領域でも大きな彩度を示し、かつ顔料の着色力が大きい、化粧料組成物用の酸化鉄顔料を提供する。上記のような特徴を持った酸化鉄顔料は、特にダークカラーに合わせた肌用の化粧料組成物に用いるのに好適である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明者らは化粧料に配合するための酸化鉄顔料の組成に着目し、鋭意検討した結果、Fe元素の含有量が680g/kg以上702g/kg以下であり、FeOの含有量が30g/kg以下であり、Fe2O3含有量が939g/kg以上であり、かつFeOとFe2O3の含有量の合計が968g/kg以上である、スピネル構造を有するか又はスピネル構造とコランダム構造とを有する酸化鉄顔料は、化粧料組成物に配合した際に、明度が小さい領域でも大きな彩度を示し、更に顔料の着色力が大きいことを見出した。
【0011】
本発明の化粧料組成物用の酸化鉄顔料及び化粧料組成物は、限定されないが以下を含む。
[1]
Fe元素の含有量が680g/kg以上702g/kg以下であり、FeOの含有量が30g/kg以下であり、Fe2O3含有量が939g/kg以上であり、かつFeOとFe2O3の含有量の合計が968g/kg以上である、スピネル構造を有するか、又はスピネル構造とコランダム構造とを有する、化粧料組成物用の酸化鉄顔料。
[2]
Pbが10mg/kg以下であり、Asが3mg/kg以下であり、Hgが1mg/kg以下であり、Cdが1mg/kg以下であり、Znが100mg/kg以下であり、Baが50mg/kg以下であり、Crが100mg/kg以下であり、Cuが50mg/kg以下であり、及びNiが200mg/kg以下である、[1]に記載の酸化鉄顔料。
[3]
X線回折測定で、回折角度が35.10°以上36.10°以下に出現するスピネル構造酸化鉄の(311)面の回折線の積分強度を100.00としたとき、回折角度が32.60°以上33.60°以下に出現するコランダム構造酸化鉄の(104)面の回折線の積分強度が10.0以下である、[1]又は[2]に記載の酸化鉄顔料。
[4]
一次粒子の平均短軸長が50nm以上500nm以下である、[1]から[3]のいずれか一項に記載の酸化鉄顔料。
[5]
BET比表面積が2.0m2/g以上25.0m2/g以下であり、かさ密度が70g/mL以下であり、更に目開き45μmのふるいを通したときの残分が1.0g/kg以下である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の酸化鉄顔料。
[6]
吸油量が20g/100g以上50g/100g以下である、[1]から[5]のいずれか一項に記載の酸化鉄顔料。
[7]
[1]から[6]のいずれか一項に記載される酸化鉄顔料を含有する化粧料組成物。
[8]
肌用化粧料である、[7]に記載の化粧料組成物。
[9]
液状化粧料である、[7]又は[8]に記載の化粧料組成物。
[10]
固体状化粧料である、[7]又は[8]に記載の化粧料組成物。
[11]
ゲル状化粧料である、[7]又は[8]に記載の化粧料組成物。
[12]
ダークカラーを再現する目的で使用される、[7]から[11]のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
【発明の効果】
【0012】
本発明の酸化鉄顔料は、化粧料組成物に配合した際に、明度が小さい領域でも大きいa値及び/又はb値、並びに彩度を示す。また、着色力が大きい。このような特徴から、特に、ダークカラーの肌に合わせた肌用化粧料の着色剤として用いるのに好適であるといえる。また、本発明の酸化鉄顔料は、化粧料組成物に配合した際に滑らかな感触や広範囲に塗布しやすい使用性を備えている。
【0013】
また、本発明の酸化鉄顔料を配合して得られる化粧料組成物は、製造が容易であり、使用者の健康上のリスクが小さい、などの特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の化粧料組成物配合用の酸化鉄顔料のX線回折測定結果を示す。
【
図2】
図2は、本発明にしたがって得られた化粧料組成物の明度とa値の関係を示す。
【
図3】
図3は、本発明にしたがって得られた化粧料組成物の明度とb値の関係を示す。
【
図4】
図4は、本発明にしたがって得られた化粧料組成物の明度と彩度の関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料は、Fe元素の含有量が680g/kg以上702g/kg以下である必要がある。更にFeOの含有量が30g/kg以下、Fe2O3の含有量が939g/kg以上であり、かつFeOとFe2O3の含有量の合計が968g/kg以上である。本発明において、彩度の大きい茶色系の色味を呈するためには、Fe元素、FeO及びFe2O3の含有量が上記の範囲内であることが必要となる。FeOの含有量が30g/kgより大きい場合又は元素Feの含有量が702g/kgより大きい場合は、顔料を有する化粧料組成物は黒ずんだ彩度が小さい色味となる。また顔料中のFe元素の含有量が680g/kgより小さい場合、Fe2O3の含有量が939g/kgより小さい場合、又はFeOとFe2O3の含有量の合計が962g/kgより小さい場合には、得られる化粧料組成物はくすんだ色合いとなり、やはり彩度が小さくなる。より好ましくはFe元素の含有量が680g/kg以上701g/kg以下であり、FeO含有量が20g/kg以下であり、Fe2O3含有量が950g/kg以上であり、FeOとFe2O3の含有量の合計が970g/kg以上である。
【0016】
本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料は、スピネル構造を有するか、又はスピネル構造とコランダム構造とを有することが望ましい。スピネル構造とコランダム構造とを有する場合、X線回折測定を行った際に得られる、コランダム構造に由来する回折線の強度が小さいことが望ましく、具体的には回折角度が35.10°以上36.10°以下に出現するスピネル構造酸化鉄の(311)面の回折線の積分強度を100.00としたとき、回折角度が32.60°以上33.60°以下に出現するコランダム構造酸化鉄の(104)面の回折線の積分強度が10.0以下であることが望ましい。コランダム構造の回折線強度が大きい場合、得られる化粧料組成物の明度が大きくなり、所望の色味を実現するのが難しくなる。より好ましくは、コランダム構造に由来する回折線の積分強度が7.0以下であり、更に好ましくは5.0以下である。
【0017】
本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料は、重金属の含有量が小さいことが望ましい。具体的には、顔料中に含まれるPbが10mg/kg以下、Asが3mg/kg以下、Hgが1mg/kg以下、Cdが1mg/kg以下、Znが100mg/kg以下、Baが50mg/kg以下、Crが100mg/kg以下、Cuが50mg/kg以下、及びNiが200mg/kg以下であることが望ましい。重金属の酸化物や塩類の含有量を少なくすることにより、酸化物や塩類による光の散乱や吸収を抑制して、彩度の低下を抑制することができる。また化粧料として使用される観点から、重金属類の含有量が小さいことが望ましい。特に近年は化粧料の安全性に対する消費者の目は厳しく、多くの国で重金属含有量の規制が強化されつつある。重金属含有量を小さくすることで、規制強化に伴う販売計画の見直しや、消費者からのクレーム発生といったリスクを回避することができる。重金属の含有量は、更に好ましくは、Pbが2mg/kg以下、Asが2mg/kg以下、Hgが1mg/kg以下、Cdが1mg/kg以下、Znが20mg/kg以下、Baが5mg/kg以下、Crが20mg/kg以下、Cuが10mg/kg以下、Niが5mg/kg以下である。
【0018】
本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料は、一次粒子の平均短軸長が50nm以上500nm以下であることが望ましい。平均短軸長が50nm以上であると、彩度が大きくなりやすく、また、平均短軸長が500nm以下であると、着色力が大きくなりやすい。より好ましくは、平均短軸長が100nm以上350nm以下であり、更に好ましくは100nm以上300nm以下である。なお、長軸長は制限されない。平均長軸長と平均短軸長の比は、特に制限されないが、1から200程度のものが一般的に使用される。
【0019】
酸化鉄顔料の一次粒子の平均短軸長及び平均長軸長は、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて、100~500個程度の顔料の一次粒子を観察してその平均値を算出することにより求めることができる。
【0020】
本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料は、BET法で測定した比表面積(以下「BET比表面積」と記す)が2.0m2/g以上25.0m2/g以下であることが望ましい。BET比表面積が2.0m2/g以上であると着色力が大きくなりやすく、また、BET比表面積が25.0m2/g以下であると、凝集体の発生が抑えられ、均一な感触が得られやすくなる。より好ましくは、BET比表面積は3.0m2/g以上20.0m2/g以下であり、更に好ましくは4.0m2/g以上15.0m2/g以下であり、一層好ましくは5.0m2/g以上14.0m2/g以下である。
【0021】
本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料は、かさ密度が70g/mL以下であることが望ましい。かさ密度が70g/mL以下であると、彩度が大きくなりやすい。好ましくは、かさ密度は10g/mL以上67g/mL以下、更に好ましくは10g/mL以上65g/mL以下、一層好ましくは15g/mL以上45g/mL以下である。
【0022】
かさ密度は、例えば実施例の欄に記載するように、JISK5101-12-1に準拠した方法により測定することができる。
本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料は、目開き45μmのふるいを通したときの残分が1.0g/kg以下であることが望ましい。ふるい残分が1.0g/kg以下であると、顔料の塊が少なく、化粧料組成物を使用した際のチクチクする不快な感覚を低減しやすくなる。より好ましくは、上記のふるい残分は0.5g/kg以下であり、一層好ましくは0.3g/kg以下である。
【0023】
上記のふるい残分は、例えば実施例の欄に記載するように、JISK5101-14-1に準拠した方法により測定することができる。
本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料は、吸油量が20g/100g以上50g/100g以下であることが望ましい。吸油量が50g/100g以下であると、化粧料組成物の油っぽさを低減し、化粧料組成物を使用した際の油っぽさによる不快な感触を低減しやすくなる。また、吸油量が20g/100g以上であると、化粧料組成物が皮脂によって化粧崩れすることを抑制できる。より好ましくは、25g/100g以上45g/100g以下である。
【0024】
吸油量は、例えば実施例の欄に記載するように、JISK5101-13-2に準拠した方法により測定することができる。
本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料の製造方法は、特に制限されない。一般的には、黄色酸化鉄を脱水、還元し、更に酸化する方法や、黒色酸化鉄を酸化する方法で製造することができる。
【0025】
ここで、黄色酸化鉄は、一般的に化学式α-FeOOHで表される、ゲーサイトと呼ばれる鉄酸化物からなる。観察者や環境による差があるものの、一般的にJIS慣用名の黄色、又はイエローに近い色を呈する。黒色酸化鉄は、一般的に化学式Fe3O4で表される、マグネタイトと呼ばれる鉄酸化物からなる。観察者や環境による差があるものの、一般的にJIS慣用名の黒に近い色を呈する。
【0026】
黄色酸化鉄や黒色酸化鉄は、公知の技術を用いて合成することができる。一例として、黄色酸化鉄は、二価の鉄塩水溶液を20℃から65℃の範囲の一定温度に保ってアルカリで中和し、酸素含有ガスで酸化した後撹拌熟成し、これと二価の鉄塩水溶液を混合しアルカリを加えて中和し、酸素含有ガスで酸化して、濾過、乾燥することで製造することができる。また、黒色酸化鉄は、二価の鉄塩水溶液と水酸化アルカリの中和反応により水酸化第一鉄沈殿を生成させ、水溶液のpH及び温度を管理しながら空気を吹き込んで酸化することにより製造することができる。これらの製造方法において、水溶液のpHや酸化の時間を制御することで、得られる酸化鉄粒子の組成や粒子径を制御することができる。
【0027】
黄色酸化鉄から本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料を得る場合、脱水、還元し、更に酸化することで得ることができる。一例として、黄色酸化鉄を脱水し、生成物を還元し、次いで酸化する方法が挙げられる。例えば、これに限定されないが、黄色酸化鉄を空気中、200℃で焼成し、生成物を水素雰囲気下において300℃で焼成し、更に空気中、200℃で焼成することで、本発明に好適な酸化鉄顔料を得ることができる。焼成はいずれもキルンを用いる方法が一般的であり、キルンを回転させながら焼成することが望ましい。また還元は水素雰囲気に限定されず、有機物を使用しても良く、他の還元性ガスを用いても構わない。
【0028】
黒色酸化鉄から本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料を得る場合、黒色酸化鉄を酸化することで得ることができる。具体的には、黒色酸化鉄を空気中で焼成することで本発明に好適な酸化鉄顔料を得ることができる。焼成の回数や時間は何ら制限されず、複数回に分けて焼成を実施しても構わない。またその際、温度を変更しても構わない。
【0029】
また、黒色酸化鉄の酸化は水中で実施しても良い。具体的には、黒色酸化鉄粒子を水中に分散させた後、空気と接触させる、又は酸化剤を添加することで、得ることができる。空気と接触させる方法は特に制限されないが、反応槽に空気を吹き込む方法が一般的である。酸化剤は特に制限されず、一例として過酸化水素などを好適に用いることができる。液温は制限されないが、一般的に60℃以上であれば、酸化速度が大きくなるため工業的に好ましく、90℃以下であれば沸騰が起こらないため安全性の面からも好ましい。
【0030】
本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料は、上記の方法以外の方法を用いて得たものでも良い。例えば、特開平11-092148号公報に記載される鉄材を加熱酸化した後に酸化鉄を鉄材から剥離させることによりマグヘマイト(γ-Fe2O3)を分離回収する方法を参考にして本発明の化粧料組成物用の酸化鉄顔料を製造することができる。また、特開2000-336496号公報に記載される鉄イオンを含む電解液に電圧を印加し、析出した物質を酸化し、更に加熱してマグヘマイト超微粒子を得る方法を参考にして本発明の化粧料組成物用の酸化鉄顔料を製造することができる。但し、黄色酸化鉄又は黒色酸化鉄を経由しない製造方法は、一般的に特殊な装置や環境が必要であり、コストが高くなる傾向がある。
【0031】
本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料は、例えば化粧料組成物を製造する際の分散媒体中での分散安定性及び耐久性向上の目的のため、その顔料粒子の表面の少なくとも一部に、アルミニウム、珪素、亜鉛、チタニウム、ジルコニウム、鉄、セリウム及びスズ等の金属の含水酸化物又は酸化物のような無機物の被覆層を付してもよい。また、上記以外の金属塩を無機物の被覆として用いてもよい。また、粒子表面の少なくとも一部に、疎水処理に代表される表面改質を施すために、有機物の被覆層を付してもよい。有機物の被覆としては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン化合物、シラン系、アルミニウム系、チタニウム系及びジルコニウム系等のカップリング剤、パーフルオロアルキルリン酸化合物等のフッ素化合物、炭化水素、レシチン、アミノ酸、ポリエチレン、ロウ、金属石けん等を処理することを挙げることができる。これらの処理を複数組み合わせて実施してもよく、その際処理の順番に特に制限はない。
【0032】
本発明の化粧料組成物に配合するための酸化鉄顔料は、化粧料組成物に配合するための材料を製造する者の常識の範囲で、製造後に洗浄や精製を行うことが好ましい。酸化鉄顔料中に不純物が残存していると、化粧料としての機能に影響する可能性がある。
【0033】
本発明の化粧料組成物は、上記の特徴を有する酸化鉄顔料に、化粧料組成物に必要な他の材料を組み合わせることにより、製造することができる。化粧料組成物の製造方法は、特に制限されない。例えば、酸化鉄顔料と他の成分とを混合し、後述するような液状、固体状、ゲル状などの所望の剤型とすることにより製造することができる。例えば、固体状の化粧料組成物とする場合には、各成分の混合後に必要に応じて乾燥、成型等を行うことができる。混合、乾燥、成型等で使用する装置は特に制限されない。
【0034】
本発明の化粧料組成物は、上記の特徴を有する本発明の酸化鉄顔料を0.1g/kg以上500g/kg以下含有することが望ましい。酸化鉄顔料の配合量が500g/kg以下であると、化粧料組成物が粉っぽい感触となることを防ぎ、広範囲に塗り広げやすくなる。より好ましくは0.1g/kg以上450g/kg以下、更に好ましくは0.1g/kg以上400g/kg以下、一層好ましくは、0.1g/kg以上300.0g/kg以下である。
【0035】
本発明の化粧料組成物は、着色剤として本発明の酸化鉄顔料のみを使用してもよいし、また、本発明の効果を損なわない量的、質的範囲内で他の顔料を加えて色味を調整してもよい。通常併用できる無機顔料には、酸化チタン、酸化亜鉛、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、群青、紺青、ベンガラ、酸化セリウム、タルク、白雲母、合成雲母、金雲母、黒雲母、合成フッ素金雲母、雲母チタン、雲母状酸化鉄、セリサイト、ゼオライト、カオリン、ベントナイト、クレー、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チッ化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、カラミン、ヒドロキシアパタイト及びこれらの複合体等を用いることができる。同じく併用できる有機顔料には、シリコーン粉末、シリコーン弾性粉末、ポリウレタン粉末、セルロース粉末、ナイロン粉末、ウレタン粉末、シルク粉末、PMMA粉末、スターチ、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、カーボンブラック、タール色素、天然色素、ステアリン酸亜鉛等の金属石けん等及びこれらの複合体等を用いることができる。本発明の化粧料組成物に対して本発明の酸化鉄顔料以外の顔料を加える場合、加える顔料としては、色分かれを防止する観点から、上記の中でも、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、及び/又は黒色酸化鉄が好ましい。
【0036】
なお、赤色酸化鉄とは、一般的に化学式α-Fe2O3で表される、ヘマタイトと呼ばれる鉄酸化物からなる。観察者や環境による差があるものの、一般的にはJIS慣用名の赤色やレッドに近い色を呈する。
【0037】
本発明の酸化鉄顔料を含有する化粧料組成物には、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲内で顔料以外の他の成分を配合することができる。例えば、油性成分、色素、pH調整剤、保湿剤、増粘剤、界面活性剤、分散剤、安定化剤、防腐剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、収斂剤、消炎剤、紫外線吸収剤、香料、研磨剤等の1以上を適宜配合することができる。特に、マイカに代表される板状化合物を配合すると、化粧料組成物のすべり性が良好となるので、望ましい。
【0038】
(化粧料の用途)
本発明の酸化鉄顔料を含有する化粧料組成物は、明度が小さい領域でも大きなa値及び/又はb値、並びに彩度を示し、更に顔料の着色力が大きいため、特にダークカラーに合わせた肌用化粧料として使用するのに好適である。本発明の化粧料組成物は、ダークカラーに合わせた肌用化粧料として使用した場合であっても、鮮やかな色味で健康的な外観を演出しつつ、自然な印象を与えることができる。なお、本明細書において「鮮やか」とは、「彩度が大きい」と同意である。また、従来は二種類以上の酸化鉄顔料を混合しなければ再現できなかった、ダークカラーを単一の顔料で再現することが可能であり、その場合、色分かれのない肌用化粧料として使用することができる。また、本発明の顔料に加えて他の顔料を混合してダークカラーを再現する場合であっても、本発明の顔料の明度が小さい領域においても彩度の大きい色を呈するという特徴から、混合する他の顔料の種類を低減させることができ、その場合、色分かれのしにくい化粧料組成物とすることができる。
【0039】
また、本発明の酸化鉄顔料は、着色力が大きいため従来より少ない含有量で、所望の色味を呈する化粧料組成物を得ることができ、処方の自由度が大きくなる。本発明の酸化鉄顔料は、色調調整剤を配合することによってダークカラーの中でも微妙な色味を調整することが可能であり、幅広い色を発現することができる。また、本発明の化粧料組成物は、ダークカラーではない色に合わせた肌用化粧料として使用することもできる。本発明の酸化鉄顔料を用いることにより、化粧料組成物に滑らかな感触と広範囲に塗布しやすい使用性を持たせることができる。
【0040】
なお、ダークカラーの肌とは、一般的に暗い、あるいは濃い色合いの肌を指す。人の肌の色が与える印象は観察者や環境、心理的効果などの影響が大きいが、本明細書では、あくまで本発明の好ましい一態様の範囲を明確にするために用語を定義することのみを目的として、反射光を測色計で評価した際に、Lab色空間において、明度Lの値が30以下である色味を呈する肌を「ダークカラーの肌」と定義することとする。なお、上記の数値範囲には何ら社会的な意味はない。個人の肌がダークカラーの肌に該当するか否かが、その個人について何らかの判断を下す根拠となり得ることは、決してない。
【0041】
本発明の化粧料組成物は、肌用化粧料以外の化粧料としても使用することができる。本発明の化粧料組成物は、従来使用していた茶色系の化粧料組成物の代替として使用することができる。
【0042】
(化粧料の剤型)
液状化粧料は、本発明の化粧料組成物の態様の一つである。剤型としては水性分散液、油性分散液、ローション状等のいずれの状態であってもよく、例えばメークアップベース、コントロールカラー、日焼け止め化粧料、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、チークカラー、マニキュア等のメークアップ化粧料、スキンケア化粧料、ヘアケア化粧料、永久染毛剤、半永久染毛剤、一次染毛剤、ネイル化粧料等とすることができる。
【0043】
固体状化粧料は、本発明の化粧料組成物の態様の一つである。剤型としては粉末状、粉末固形状、ペースト状、油性固形状等のいずれの状態であってもよく、例えばメークアップベース、ファンデーション、ルースパウダー、ほほ紅、コンシーラー、アイブロウ、フェイスパウダー、コントロールカラー、マスカラ、チークカラー、ボディーパウダー、プレストパウダー、パヒュームパウダー、ベビーパウダー等のメークアップ化粧料、スキンケア化粧料、ヘアケア化粧料等とすることができる。また色を付けることが必須ではない化粧料、例えば洗顔パウダー、石けん、粉末入浴剤等としても使用することができる。
【0044】
ゲル状化粧料は、本発明の化粧料組成物の態様の一つである。剤型としてはクリーム状、乳液状、油性液状、ペースト状等のいずれの状態であってもよく、例えばメークアップベース、コントロールカラー、日焼け止め化粧料、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、リップクリーム、リップカラー、リップグロス、マニキュア等のメークアップ化粧料、スキンケア化粧料、ヘアケア化粧料等とすることができる。また、色を付けることが必須ではない化粧料、例えばシャンプー、リンス、ボディーシャンプー、洗顔フォーム、ピールオフパック、練り歯磨き等にも使用することができる。
【実施例0045】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、以下の実施例は単に例示のために示すものであり、発明の範囲がこれらによって何ら制限されるものではない。
なお、実施例及び比較例中に記載の混合操作では、混合物の量や粘度、使用した装置の容積といった、混合時の挙動に関係する性状を考慮し、全体が均一に混合され、かつ飛沫が周囲に飛び散らないように回転数を適切に調整している。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムなど、一般的な市販品であればどの企業の製品を使用しても同じ効果が得られる場合、製造元及び販売元の企業名を省略している。
【0046】
[実施例1]
公知の方法で合成された黄色酸化鉄(LL-100HP、チタン工業製)を空気中、380℃で1時間焼成し、生成物を水素雰囲気、320℃で4.5時間焼成し、更に空気中、250℃で8時間焼成し、空冷して酸化鉄顔料Aを得た。
【0047】
[実施例2]
公知の方法で合成された黒色酸化鉄ABL-209HP(チタン工業製)を、まず空気中、80℃で4時間焼成し、次に120℃で4時間焼成、そして160℃で4時間焼成し、最後に200℃で4時間焼成し、空冷して酸化鉄顔料Bを得た。
【0048】
[実施例3]
公知の方法で合成された黒色酸化鉄BL-100HP(チタン工業製)に対して実施例2と同じ操作を行い、酸化鉄顔料Cを得た。
【0049】
[比較例1]
市販の黄色酸化鉄LL-100HP(チタン工業製、元素Fe含有量622g/kg、FeO含有量0g/kg、Fe2O3含有量887g/kg)500g/kg、赤色酸化鉄R-516HP(チタン工業製、元素Fe含有量695g/kg、FeO含有量0g/kg、Fe2O3含有量994g/kg)500g/kgを均一に混合し、混合顔料1とした。得られた混合顔料1の元素Feの含有量は659g/kg、FeO含有量は0g/kg、Fe2O3含有量は941g/kgであった。
【0050】
[比較例2]
市販の黄色酸化鉄LL-100HP 750g/kg、赤色酸化鉄R-516HP 150g/kg、及び黒色酸化鉄BL-100HP(チタン工業製、元素Fe含有量707g/kg、FeO含有量220g/kg、Fe2O3含有量780g/kg)100g/kgを均一に混合し、混合顔料2とした。得られた混合顔料2の元素Feの含有量は641g/kg、FeO含有量は22g/kg、Fe2O3含有量は892g/kg、FeOとFe2O3とFeOの合計含有量は914g/kgであった。
【0051】
[評価項目及び評価方法]
実施例1から3の酸化鉄顔料及び比較例の混合顔料について、以下の項目を評価した。
[酸化鉄顔料中の元素Feの含有量]
JISK5109に準拠した方法で評価した。よく乾燥した酸化鉄顔料の試料0.3gに塩酸15mLを加え、加熱して約5mLになるまで濃縮した。加熱しながら塩化第一スズ溶液を静かに滴下し、液が無色になった点から更に2滴加え、流水にて急冷した。塩化第二水銀飽和溶液10mLを加え、5分間放置し、混酸20mLを加え、純水を加えて液量を50mLとした。濃度2g/kgのジフェニルアミン4スルホン酸ナトリウム水溶液を5滴加え、0.05mol/L二クロム酸カリウム溶液で滴定し、緑色から紫色に変わった点を終点とした。使用した0.05mol/L二クロム酸カリウム溶液量をc(mL)とすると、顔料中の元素Feの含有量(g/kg)は、18.62×cとなる。結果を表1に示す。
【0052】
[FeO含有量、Fe2O3含有量]
JISK5109に準拠した方法で評価した。
1)FeO含有量
よく乾燥した酸化鉄顔料の試料0.4gに蒸留水35mLと濃硫酸15mLとを加え、加熱して溶解し、流水にて室温まで冷却した。純水150mL、リン酸10mL、濃度2g/kgのジフェニルアミン4スルホン酸ナトリウム水溶液5滴を加え、0.05mol/L二クロム酸カリウム溶液で滴定し、淡緑色から紫色に変わった点を終点とした。0.05mol/L二クロム酸カリウム溶液の使用量をa(mL)とすると、顔料中のFeO含有量(g/kg)は、17.96×aとなる。
2)Fe2O3含有量
よく乾燥した酸化鉄顔料の試料0.4gに塩酸15mLを加え、加熱して約5mLになるまで濃縮した。加熱しながら塩化第一スズ溶液を静かに滴下し、液が無色になった点から更に2滴加え、流水にて急冷した。塩化第二水銀飽和溶液10mLを加え、5分間放置し、混酸20mLを加え、純水を加えて液量を120mLとした。濃度2g/kgのジフェニルアミン4スルホン酸ナトリウム水溶液5滴を加え、0.05mol/L二クロム酸カリウム溶液で滴定し緑色から紫色に変わったときを終点とした。使用した0.05mol/L二クロム酸カリウム溶液量をb(mL)とすると、Fe2O3含有量(g/kg)は、19.96×(b-a)となる。結果を表1に示す。
【0053】
Pb、As、Hg及びCdは酸化鉄顔料の試料を硫酸で溶解後、ICP-MSで分析した。Zn、Ba、Cr、Cu及びNiは試料を塩酸で溶解後、ICPで分析した。結果を表2に示す。
【0054】
[コランダム構造とスピネル構造のX線回折線強度比]
リガク社製X線回折装置RINT-TTR IIIを用い、粉末法によるX線回折測定を実施した。酸化鉄顔料の試料を乳鉢ですり潰した上でセルに約0.7g±0.2gの量でパッキングし、開始角度は5.0000°、終了角度は70.0000°、サンプリング幅は0.0100°、スキャンスピードは5.0000°/min、発散スリットは0.5°、散乱スリットは0.5°、受光スリットの幅は0.15mm、特性X線は陰極に銅を用い、波長は0.15418nmとした。得られたX線回折パターンは、Material Data社製の解析ソフトウェアMDI JADE7を用いて平滑化とバックグラウンド処理及びピーク検出を行った。X線回折測定結果を
図1に示す。35.10°以上36.10°以下に出現するスピネル型構造の回折線の積分強度を100.00とした場合の、32.60°以上33.60°以下の範囲に出現するコランダム構造の回折線の積分強度の割合を算出した(本明細書において、この割合を、「コランダム構造とスピネル構造のX線回折線強度比」とも呼ぶ。)。なお、32.60°以上33.60°以下の範囲にピークが検出されない場合、0.00とした。結果を表3に示す。
【0055】
[酸化鉄顔料粒子の一次粒子の平均短軸長]
日本電子製透過型電子顕微鏡JEM-1400plusを用いて測定した。観察倍率は、30,000倍(透過型電子顕微鏡の観察倍率10,000倍×印画3倍)とした。観察視野内の約300個の一次粒子の短軸長を、画像解析ソフトImageJを用いて評価した。約300個の粒子の短軸長の平均値を算出し、平均短軸長とした。結果を表3に示す。
【0056】
[BET比表面積]
MICROMETORITICS社製ジェミニVII2390を用いて、BET一点法にて測定した。結果を表3に示す。
【0057】
[かさ密度]
JISK5101-12-1に準拠した方法で評価した。ホソカワミクロン製のパウダーテスターに備え付けた漏斗台に、漏斗と目開き45μmのふるいとをのせ、容積15mLの大さじ一杯分の酸化鉄顔料の試料をふるい上にのせ、硬い毛の筆でふるいの全面を均等に軽く掃いて、試料を分散落下させ、漏斗台の下の受器で受けた。試料が受器に山盛りとなるまでこの操作を繰返した。次にヘラで山の部分を削りとったのち、受器の内容物の質量を計量した。内容物の質量をd(g)とすると、かさ密度(g/mL)は、d/30となる。結果を表3に示す。
【0058】
[ふるい残分]
JISK5101-14-1に準拠した方法で評価した。酸化鉄顔料の試料1.00gを、0.5g/kgヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液中に分散させた後、目開き45μmのふるいを通過させた。少量の流水でふるいを洗浄し、更にふるいを少量のエタノールで洗浄し、105℃で1時間乾燥し、ふるい上に残留した試料の質量を測定して、ふるい上に残留した試料の割合を算出した。結果を表3に示す。
【0059】
[吸油量]
酸化鉄顔料の試料2gを板ガラス上に広げ、煮あまに油を少量ずつ試料中央に滴下し、その都度試料全体をヘラで混ぜ、試料と煮あまに油を練り合わせた。試料全体が均一なパテ上の塊になった時点を終点とした。使用した煮あまに油をe(mL)とすると、吸油量(g/100g)は、46.75×eとなる。結果を表3に示す。
【0060】
[a値、b値及び彩度]
酸化鉄顔料AからCと、混合顔料1について、各顔料のうち250g/kgを黒色酸化鉄BL-100HPに置き換えて明度を小さくした粉体を準備した。DIC株式会社製アルキディア(登録商標)4250、834g/kg、キシレン156g/kg、ブタン-2-オン=オキシム10g/kgを混合し、これを溶媒1とした。株式会社東洋精機製作所製フーバーマラーの下板に各粉体0.5gをのせ、溶媒1を1mL滴下し、667Nの荷重を掛けて全体が均一なペースト状になるまで練り合わせ、更に溶媒1を2mL添加し、混ぜ合わせた。得られたスラリーを試験紙に塗布し、30分間静置した後に空気中、130℃で30分焼付し、スガ試験機製SM-7型カラーテスター(以下、「カラーテスター」と記す)を用いて焼付けした塗膜のL値、a値及びb値を測定した。各顔料のうち500g/kg、750g/kgを黒色酸化鉄に置き換えた顔料についても同様にL値、a値及びb値を測定した。得られた結果を
図2及び
図3に示す。得られたa値及びb値をそれぞれa
1、b
1とすると、彩度Cは以下の式で算出される:
C=(a
1
2+b
1
2)
1/2
得られた結果を
図4に示す。
【0061】
[着色力]
酸化鉄顔料AからCと、混合顔料2について、各顔料0.125gを酸化チタン0.375gと混合して混合粉体を準備した。一方でDIC株式会社製アルキディア(登録商標)4250、834g/kg、キシレン156g/kg、ブタン-2-オン=オキシム10g/kgを混合し、これを溶媒1とした。株式会社東洋精機製作所製フーバーマラーの下板に各粉体0.5gをのせ、溶媒1を1mL滴下し、667Nの荷重を掛けて全体が均一なペースト状になるまで練り合わせ、更に溶媒1を2mL添加し、混ぜ合わせた。得られたスラリーを試験紙に塗布し、30分間静置した後に空気中、130℃で30分焼付し、カラーテスターを用いて焼付けした塗膜のL値、a値及びb値を測定した。L値、a値及びb値の測定値と、白色(L=100、a=0,b=0)との色差ΔEを着色力とした。L値、a値及びb値の測定値をそれぞれL2、a2、b2とすると、着色力ΔEは以下の式で算出される:
ΔE={(L2-100)2+(a2-0)2+(b2-0)2}1/2
結果を表4に示す。
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
図1より、実施例1から3の酸化鉄顔料は、スピネル構造を有するか、又はスピネル構造とコランダム構造とを有することがわかる。また
図2及び
図3より、実施例1の酸化鉄顔料Aは同じ明度(L値)で比べると、比較例1の混合顔料1に比べてb値が大きいことがわかる。このような酸化鉄顔料は、特に明度が小さい領域において黄色系の色を調色しやすいという利点を有する。また実施例2及び3の酸化鉄顔料B及びCは、a値、b値共に混合顔料1に比べて大きいことがわかる。このような酸化鉄顔料は、明度が小さい領域において幅広い色を調色しやすいという利点を有する。更に
図4より、いずれの実施例で用いた酸化鉄顔料も、同じ明度(L値)で比べると、混合顔料1に比べて大きな彩度を示すことがわかる。
【0067】
上記の結果より、本発明の酸化鉄顔料は、明度が小さい領域でのa値及び/又はb値、並びに彩度が大きく、また、着色力が大きいことがわかる。本発明の酸化鉄顔料を配合した化粧料組成物は、ダークカラーに合わせた肌用化粧料として使用するのに好適であると言える。
【0068】
肌用化粧料は、本発明の主な態様の一つである。以下に、処方例を示す。
[処方例]
処方1 ライトベージュ系パウダーファンデーション
成分 配合比(g/kg)
(1)酸化鉄顔料A 9.4
(2)黒色酸化鉄顔料(チタン工業製BL-100HP、以下の処方例でも黒色酸化鉄はBL-100HPを使用する) 0.6
(3)マイカ(トピー工業製PDM-1000) 490
(4)タルク(浅田製粉株式会社製JA-46R) 300
(5)酸化チタン(石原産業株式会社製C-50R)100
(6)油剤{クロダランSWL(クローダ株式会社製)、フィトスクワラン(岩瀬コスファ株式会社製)、O.D.O(日清オイリオグループ株式会社製)、T.I.O(日清オイリオグループ株式会社製)、KF-56(信越化学株式会社製)を4:4:3:3:6の割合で混合したもの} 100
(製 法)
(1)と(2)を予め手動で混合し、混合した顔料と(3)から(6)を三井三池化工機製FM-10B(以下「ヘンシェルミキサー」と記す)により均一に混合した。混合物をハンマーミルで粉砕し、金型に充填して圧縮成型し、目的のライトベージュ系パウダーファンデーションを得た。得られたライトベージュ系パウダーファンデーションは滑らかな感触を有した。そして重要なことに、鮮やかな色味で健康的な外観を与えつつも自然な仕上がりであった。
【0069】
処方2 ベージュブラウン系パウダーファンデーション
成分 配合比(g/kg)
(1)酸化鉄顔料B 248
(2)黒色酸化鉄 16
(3)マイカ(トピー工業製PDM-1000) 264
(4)セリサイト 352
(5)ジメチコン 120
(製 法)
(1)と(2)を予め手動で混合し、混合した顔料と(3)から(5)をヘンシェルミキサーにより均一に混合した。混合物をハンマーミルで粉砕し、金型に充填して圧縮成型し、目的のベージュブラウン系パウダーファンデーションを得た。得られたベージュブラウン系パウダーファンデーションは滑らかな感触を有した。そして重要なことに、鮮やかな色味で健康的な外観を与えつつも自然な仕上がりであった。
【0070】
処方3 ダークブラウン系パウダーファンデーション
成分 配合比(g/kg)
(1)酸化鉄顔料C 300
(2)黒色酸化鉄 300
(3)マイカ(トピー工業製PDM-1000) 300
(4)油剤{クロダランSWL(クローダ株式会社製)、フィトスクワラン(岩瀬コスファ株式会社製)、O.D.O(日清オイリオグループ株式会社製)、T.I.O(日清オイリオグループ株式会社製)、KF-56(信越化学株式会社製)を4:4:3:3:6の割合で混合したもの} 100
(製 法)
(1)と(2)を予め手動で混合し、混合した顔料と(3)と(4)をヘンシェルミキサーにより均一に混合した。混合物をハンマーミルで粉砕し、金型に充填して圧縮成型し、目的のダークブラウン系パウダーファンデーションを得た。得られたダークブラウン系パウダーファンデーションは滑らかな感触を有した。そして重要なことに、鮮やかな色味で健康的な外観を与えつつも自然な仕上がりであった。
【0071】
処方4 スティック状ファンデーション
成分 配合比(g/kg)
(1)シクロペンタシロキサン 300
(2)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 50
(3)リンゴ酸ジイソステアリル 40
(4)キャンデリラワックス 60
(5)水添ホホバエステル 40
(6)セチルジメチコンコポリオール 20
(7)セスキイソステアリン酸ソルビタン 5
(8)ハイドロゲンジメチコン処理酸化鉄顔料A 25
(9)ハイドロゲンジメチコン処理酸化チタン 83
(10)ハイドロゲンジメチコン処理タルク 60
(11)メタクリル酸メチルクロスポリマー(松本油脂製薬製 M-305) 40
(12)精製水 残余
(13)クエン酸ナトリウム 3
(14)プロパンジオール 30
(15)グリセリン 20
(製 法)
粉体部(8)から(11)を予めヘンシェルミキサーにて混合した。全量が仕込める容器に油相部(1)から(7)を秤量し、加熱溶解した。別の容器に水相部(12)から(15)を秤量し加熱溶解した。油相部に粉体部を加え均一に分散させ、水相部を加え乳化し、脱泡した後モールドにバルクを流し込み、室温まで徐冷し、目的のスティック状ファンデーションを得た。得られたスティック状ファンデーションは、付着性に優れ、さらっとした使用感であった。そして重要なことに、使用者に、鮮やかな色味で健康的な外観を与えつつも自然な仕上がりであった。
【0072】
処方5 W/O乳化ファンデーション
成分 配合比(g/kg)
(1)PEG-10ジメチコン 20
(2)ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-10 5
(3)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 30
(4)スクワラン 10
(5)テトラオクタン酸ペンタエリスリチル 20
(6)ステアリン酸イヌリン 10
(7)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 40
(8)シクロペンタシロキサン 残余
(9)ハイドロゲンジメチコン処理酸化チタン 77
(10)ハイドロゲンジメチコン処理タルク 57
(11)ハイドロゲンジメチコン処理酸化鉄顔料C 27
(12)精製水 380
(13)1,3-ブチレングリコール 60
(14)グリセリン 10
(15)塩化ナトリウム 10
(16)フェノキシエタノール 5
(製 法)
油相部(1)から(8)に、予めヘンシェルミキサーにて撹拌混合した粉体部(9)から(11)を加え、撹拌機にて均一に分散した。別の容器に水相部(12)から(16)を加熱溶解した。粉体部を分散させた油相部に水相部を加え、乳化した後室温まで冷却し、目的のW/O乳化ファンデーションを得た。得られたW/O乳化ファンデーションは、伸びが良く、さらっとした使用感であった。そして重要なことに、使用者に、鮮やかな色味で健康的な外観を与えつつも自然な仕上がりであった。
【0073】
処方6 O/W乳化ファンデーション
成分 配合比(g/kg)
(1)ステアリン酸 10
(2)イソステアリン酸 3
(3)エチルヘキサン酸セチル 40
(4)流動パラフィン70cs 110
(5)ステアレス-10 20
(6)セチルアルコール 15
(7)トリエトキシカプリリルシラン処理タルク 50
(8)トリエトキシカプリリルシラン処理酸化鉄顔料A 27
(9)トリエトキシカプリリルシラン処理酸化チタン 75
(10)トリエタノールアミン 12
(11)プロパンジオール 50
(12)キサンタンガム 2
(13)精製水 残余
(14)フェノキシエタノール 5
(製 法)
85℃にて加熱溶解した(1)から(6)に、混合粉砕した(7)から(9)を加え、均一に分散した。これに85℃に加熱した(10)から(14)混合物を徐々に添加して乳化を行い、室温まで撹拌冷却後、適当な容器に充填し、目的のO/W乳化ファンデーションを得た。得られたO/W乳化ファンデーションは、伸びが良く、さらっとした使用感であった。そして重要なことに、使用者に、鮮やかな色味で健康的な外観を与えつつも自然な仕上がりであった。
【0074】
処方7 2WAYケーキファンデーション
成分 配合比(g/kg)
(1)ジメチコン処理タルク 残余
(2)ジメチコン処理酸化チタン 100
(3)ジメチコン処理マイカ 200
(4)ジメチコン処理セリサイト 360
(5)ナイロンパウダー 100
(6)ジメチコン処理赤色酸化鉄(チタン工業製R-516HP、以下の処方でも赤色酸化鉄はR-516HPを使用する) 2
(7)ジメチコン処理酸化鉄顔料B 27
(8)ジメチコン1000cs 60
(9)イソノナン酸イソトリデシル 30
(10)スクワラン 30
(11)トコフェロール 1
(12)1,3-ブチレングリコール 10
(製 法)
(1)から(7)をヘンシェルミキサーで混合し、これに加熱溶解した(8)から(12)を混合した後、アトマイザーにて粉砕し、アルミ皿にプレス成型し、目的の2WAYファンデーションを得た。得られた2WAYファンデーションは、滑らかで、かつさっぱりとした使用感であった。そして重要なことに、使用者に、鮮やかな色味で健康的な外観を与えつつも自然な仕上がりであった。
【0075】
処方8 油性ケーキファンデーション
成分 配合比(g/kg)
(1)ジメチコン処理タルク 残余
(2)ジメチコン処理酸化チタン 130
(3)ジメチコン処理セリサイト 280
(4)ジメチコン処理酸化鉄顔料A 27
(5)ジメチコン処理黒色酸化鉄 1
(6)キャンデリラロウ 10
(7)カルナウバロウ 10
(8)セレシン 15
(9)シクロペンタシロキサン 140
(10)イソノナン酸イソノニル 250
(11)ジイソステアリン酸ポリグリセリル 20
(12)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 30
(製 法)
粉体部(1)から(5)をヘンシェルミキサーにて混合し、均一に粉砕した。油相部(6)から(12)を加熱溶解し、粉体部を加え均一に撹拌した。脱泡した後、トレイにバルクを流し込み、室温まで徐冷し、目的の油性ケーキファンデーションを得た。得られた油性ケーキファンデーションは、油っぽさが無く、滑らかな使用感であった。そして重要なことに、使用者に、鮮やかな色味で健康的な外観を与えつつも自然な仕上がりであった。
【0076】
処方9 ほほ紅
成分 配合比(g/kg)
(1)トリエトキシカプリリルシラン処理タルク 250
(2)トリエトキシカプリリルシラン処理セリサイト 残余
(3)ステアリン酸処理微粒子酸化チタン(チタン工業製 STV-455) 30
(4)トリエトキシカプリリルシラン処理酸化チタン 18
(5)トリエトキシカプリリルシラン処理黒色酸化鉄 0.5
(6)トリエトキシカプリリルシラン処理赤色酸化鉄 2
(7)トリエトキシカプリリルシラン処理酸化鉄顔料B 8
(8)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 30
(9)パルミチン酸エチルヘキシル 50
(10)防腐剤 適量
(11)抗酸化剤 適量
(製 法)
(1)から(7)をヘンシェルミキサーで混合し、これに加熱溶解した(8)から(11)を混合した後、アトマイザーにて粉砕した。これをアルミ皿にプレス成型し、目的のほほ紅を得た。得られたほほ紅は、使用性に優れていた。そして重要なことに、使用者に、鮮やかな色味で健康的な外観を与えつつも自然な仕上がりであった。
【0077】
処方10 ルースパウダー
成分 配合比(g/kg)
(1)タルク 残余
(2)顔料級酸化チタン 10
(3)アミホープ(登録商標)LL 30
(4)PMMA(松本油脂製薬社製マツモトマイクロスフェアS-100、10μm品) 80
(5)防腐剤 適量
(6)酸化鉄顔料B 10
(7)スクワラン 10
(8)防腐剤 適量
(9)抗酸化剤 適量
(10)香料 適量
(製 法)
(1)から(7)を混合粉砕した後、この混合粉砕物をHANIL Electric.Co.,Lid製LAB.MIXER LM-110Tに移し、(8)から(10)を加えて均一になるよう撹拌混合した。得られた混合物を東京アトマイザー製造社製サンプルミルTASM-1にて粉砕し、これを充填しルースパウダーを得た。得られたルースパウダーは、使用者に鮮やかな色味で健康的な外観を与えつつも自然な仕上がりであった。
【0078】
形態が液状である化粧料も、本発明の態様の一つである。以下に、処方例を示す。
処方11 水性アイライナー
成分 配合比(g/kg)
(1)黒色酸化鉄 50
(2)酸化鉄顔料C 25
(3)精製水 残余
(4)ラウリン酸デカグリセリル 10
(5)グリセリン 60
(6)カルボキシメチルセルロース 100g/kg水溶液 180
(7)フェノキシエタノール 5
(8)ペンチレングリコール 10
(9)酢酸ビニル樹脂エマルション(日信化学工業製 ビニブラン(登録商標)GV-5651) 450
(製 法)
(1)から(3)を秤量し、ビーズミルにて(1)(2)を(3)中に微細に分散させた。別の容器に(4)から(8)を秤量し、70℃で顔料部を加えて均一に分散した後、室温まで冷却し(9)を加え、目的の水性アイライナーを得た。得られた水性アイライナーは、鮮やかな茶色系の色味を呈する、使用感に優れたものであった。
【0079】
処方12 ネイルエナメル
成分 配合比(g/kg)
(1)ニトロセルロース(粘度1/2秒) 100
(2)変性アルキッド樹脂 100
(3)クエン酸アセチルトリブチル 50
(4)酢酸エチル 200
(5)エタノール 50
(6)トルエン 残余
(7)酸化鉄顔料A 90
(8)有機変性モンモリロナイト 30
(製 法)
(2)、(3)の一部に(7)を混合し、よく練り合わせた。これに(2)、(3)の残部と(1)、(4)から(6)及び(8)を添加し、均一になるまで混合し、目的のネイルエナメルを得た。得られたネイルエナメルは、鮮やかな色味を呈し、隠蔽性にも優れたものであった。
【0080】
処方例13 一次染毛剤
(1)酸化鉄粒子A 50
(2)赤色202号 10
(3)ポリビニルアルコール500 5
(4)トリエタノールアミン 6
(5)酢酸エチル 残余
(製 法)
(3)から(5)をヘンシェルミキサーにて撹拌し、成分が均一になったところで、(1)と(2)を投入し、更に全体が均一になるまで撹拌し、目的の一次染毛剤を得た。得られた一次染毛剤は茶色系の鮮やかな色味を呈する、キシキシした感触がないものであった。
【0081】
形態が固体状である化粧料も、本発明の態様の一つである。以下に、処方例を示す。
処方例14 プレスタイプアイシャドー
成分 配合比(g/kg)
(1)酸化鉄顔料C 270
(2)セリサイト 残余
(3)タルク 149
(4)雲母チタン(BASF製:Flamenco Super Pearl 120C) 200
(5)メチルパラベン 1
(6)ジメチコン1000cs 70
(7)リンゴ酸ジイソステアリル 30
(8)イソプロピルアルコール 適量
(製 法)
(1)から(5)を混合粉砕した。ついで、別の容器に混合した(6)及び(7)を加えて均一になるよう撹拌混合した。調整した混合物を(8)に適度な粘性になるよう分散し、これをスラリー充填機にて適当な金皿に圧縮充填した。40℃で12時間乾燥し、目的のプレスタイプアイシャドーを得た。得られた製品は、鮮やかな色味を呈し、密着性に優れ、使用感も滑らかなものであった。
【0082】
処方15 アイブロウペンシル
成分 配合比(g/kg)
(1)黒色酸化鉄 160
(2)酸化鉄顔料C 25
(3)酸化チタン 45
(4)タルク 残余
(5)カオリン 150
(6)モクロウ 200
(7)ステアリン酸 100
(8)ミツロウ 50
(9)硬化ヒマシ油 50
(10)ワセリン 30
(11)ラノリン 30
(12)スクワラン 30
(13)防腐剤 適量
(14)抗酸化剤 適量
(製 法)
混合粉砕した(1)から(5)を、加熱溶解した(6)から(14)に加えて3本ロールミルにて均一練り合わせ芯に成型し、木にはさんで鉛筆状にし、目的のアイブロウペンシルを得た。得られたアイブロウペンシルは鮮やかな色味を呈し、滑らかな使用感を有するものであった。
【0083】
処方16 プレスドアイブロウ
成分 配合比(g/kg)
(1)酸化チタン 140
(2)黒色酸化鉄 140
(3)酸化鉄顔料C 25
(4)群青 5
(5)マイカ 残余
(6)タルク 100
(7)ラノリンワックス 100
(8)流動パラフィン 40
(9)ステアリン酸グリセリン 10
(10)防腐剤 適量
(11)抗酸化剤 適量
(製 法)
混合粉砕した(1)から(6)を、加熱溶解した(7)から(11)に加えて均一になるまで混合し、圧縮成型し、目的のプレスドアイブロウを得た。得られたプレスドアイブロウは鮮やかな色味を呈し、着色性にも優れたものであった。
【0084】
処方17 プレストパウダー
成分 配合比(g/kg)
(1)ハイドロゲンジメチコン処理タルク 残余
(2)メタクリル酸メチルクロスポリマー(松本油脂製薬製 M-305) 100
(3)ハイドロゲンジメチコン処理セリサイト 500
(4)シリカ(AGCエスアイテック製 サンスフェア(登録商標)NP-30) 60
(5)ハイドロゲンジメチコン処理酸化チタン 55
(6)ハイドロゲンジメチコン処理黒色酸化鉄 0.5
(7)ハイドロゲンジメチコン処理赤色酸化鉄 0.5
(8)ハイドロゲンジメチコン処理酸化鉄顔料B 10
(9)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 30
(10)スクワラン 20
(11)防腐剤 適量
(12)抗酸化剤 適量
(製 法)
粉体部(1)から(8)を混合粉砕して、これをヘンシェルミキサーに移し、油相部(9)から(12)を加えて均一になるよう撹拌混合した。その後アトマイザーにて粉砕した。これをアルミ皿にプレス成型し、目的のプレストパウダーを得た。得られたプレストパウダーは、鮮やかな色味を呈し、付着性に優れ、更にさらっとした使用感のあるものであった。
【0085】
形態がゲル状である化粧料も、本発明の態様の一つである。以下に、処方例を示す。
処方18 クリームアイシャドー
成分 配合比(g/kg)
(1)タルク 100
(2)カオリン 50
(3)酸化鉄顔料C 45
(4)ステアリン酸 30
(5)ミリスチン酸イソプロピル 80
(6)流動パラフィン70cs 50
(7)ラウリン酸プロピレングリコール 30
(8)トコフェロール 0.5
(9)精製水 残余
(10)濃グリセリン 50
(11)1,3-ブチレングリコール 10
(12)メチルパラベン 2
(13)トリエタノールアミン 12
(14)EDTA-3Na 0.5
(製 法)
混合粉砕した(1)から(3)を、(9)から(15)に加え、撹拌混合した。これに、70℃から80℃で加温溶解させた(4)から(8)を加え乳化し、撹拌冷却し、目的のクリームアイシャドーを得た。得られたクリームアイシャドーは、鮮やかな色味を呈し、滑らかな使用性で密着性にも優れたものであった。
【0086】
処方19 油性アイライナー
成分 配合比(g/kg)
(1)イソステアリン酸デキストリン(千葉製粉製 ユニフィルマ(登録商標)HVY) 50
(2)マイクロクリスタリンワックス 50
(3)パルミチン酸デキストリン 100
(4)リンゴ酸ジイソステアリル 100
(5)イソドデカン 残余
(6)ジメチコン処理黒色酸化鉄 245
(7)ジメチコン処理酸化鉄顔料B 25
(8)マイカ 200
(製 法)
(1)から(5)を秤量し、均一になるまで加熱混合した。更に混合粉砕した(6)から(8)を加えて均一になるまで加熱混合し、40℃まで冷却し、適当な容器に充填して室温まで冷却し、目的の油性アイライナーを得た。得られた油性アイライナーは鮮やかな色味を呈し、伸びが優れたものであった。
【0087】
処方20 乳化マスカラ
成分 配合比(g/kg)
(1)精製水 残余
(2)ポリビニルピロリドン 20
(3)プロパンジオール 20
(4)カチオン化セルロース 1%水溶液 100
(5)ベントナイト 5
(6)トリエタノールアミン 17
(7)メチルパラベン 2
(8)タルク 40
(9)黒色酸化鉄 90
(10)酸化鉄顔料C 25
(11)カルナウバロウ 55
(12)ミツロウ 90
(13)ステアリン酸 20
(14)自己乳化型ステアリン酸グリセリル 20
(15)ステアリン酸プロピレングリコール 20
(16)水添ポリイソブテン 20
(17)シクロペンタシロキサン 40
(18)アクリル酸樹脂エマルション(大東化成工業製 ダイトゾール(登録商標)5000AD) 200
(製 法)
(1)から(7)に、予めヘンシェルミキサーにて撹拌混合した(8)から(10)を加え、撹拌機にて均一に分散した。これに加熱溶解した(11)から(17)を加えて乳化した後、40℃まで冷却し、(18)を加え、室温まで冷却し、目的の乳化マスカラを得た。得られた乳化マスカラは、鮮やかな色味を呈する、使用感に優れたものであった。
【0088】
処方21 油性マスカラ
成分 配合比(g/kg)
(1)水添ポリイソブテン 20
(2)イソドデカン 残余
(3)イソステアリン酸デキストリン 50
(4)パルミチン酸デキストリン 150
(5)マイクロクリスタリンワックス 20
(6)ポリエチレンワックス 30
(7)プロピルパラベン 1
(8)タルク 60
(9)黒色酸化鉄 55
(10)酸化鉄顔料B 10
(11)ジメチルシリル化シリカ 5
(12)ナイロン繊維(コスメテリアルズ製 5D-8MM) 10
(製 法)
加熱溶解した(1)から(7)に、予め混合粉砕した(8)から(10)と、(11)を混合した。冷却後、(12)を均一に分散し、油性マスカラを得た。得られた油性マスカラは鮮やかな色味を呈し、密着性及び使用性にも優れたものであった。
【0089】
処方22 口紅
成分 配合比(g/kg)
(1)セレシン 100
(2)マイクロクリスタリンワックス 32
(3)パラフィン 50
(4)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 200
(5)リンゴ酸ジイソステアリル 150
(6)水添ポリデセン 100
(7)ワセリン 100
(8)トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残余
(9)シメチコン 1
(10)プロピルパラベン 1
(11)赤色202号 4
(12)酸化鉄顔料A 18
(13)酸化チタン 3
(14)シリカ 10
(製 法)
(1)から(14)を秤量し、加熱混合した。3本ロールで均一に分散した後、更に加熱し均一に撹拌した。脱泡後、型に加熱混合物を流し込み、急冷した。適当な容器に装着し、目的の口紅を得た。得られた口紅は、鮮やかな赤みがある独特の色味を呈した。
【0090】
処方23 リップカラー
成分 配合比(g/kg)
(1)(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン 50
(2)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 120
(3)水添ポリデセン 100
(4)トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残余
(5)水添ロジン酸ペンタエリスリチル 100
(6)イソステアリン酸オクチルドデシル 100
(7)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル 20
(8)ジメチルシリル化シリカ 10
(9)プロピルパラベン 1
(10)水添ポリイソブテン 350
(11)シリコーン処理酸化鉄顔料B 10
(12)赤色202号 4
(製 法)
(1)から(12)を、均一になるまで加熱混合した。脱泡後、適当な容器に充填後室温まで除冷し、目的のリップカラーを得た。得られたリップカラーは、鮮やかな赤みの独特の色調を呈した。
【0091】
処方24 リップグロス
成分 配合比(g/kg)
(1)パルミチン酸デキストリン 100
(2)リンゴ酸ジイソステアリル 450
(3)流動パラフィン 残余
(4)防腐剤 1
(5)抗酸化剤 1
(6)酸化鉄顔料A 5
(7)赤202号 1
(製 法)
(1)から(5)を85℃に加熱し均一に溶解させ、(6)から(7)を加え均一に分散させた。高温で容器に充填し、室温まで急冷し、目的のリップグロスを得た。得られたリップグロスは、鮮やかな赤みの独特の色調を呈した。
【0092】
洗顔や身体の汚れを落とす用途、歯磨きの用途での使用も、本発明の化粧料組成物の使用の一態様である。
処方25 ボディーシャンプー
成分 配合比(g/kg)
(1)ラウリン酸 115
(2)ミリスチン酸 77
(3)パルミチン酸 48
(4)水酸化カリウム(純度480g/kg) 122
(5)ラウリルヒドロキシスルホベタイン 100
(6)コカミドモノエタノールアマイド 10
(7)ジステアリン酸エチレングリコール 20
(8)精製水 残余
(9)EDTA-4Na 1
(10)酸化鉄顔料B 10
(11)タルク 4
(製 法)
(1)から(3)を70℃から80℃に加熱し、溶解させた。次いで、徐々に(4)を加え、けん化を行った。けん化が終了した時点で、残りの(5)から(9)を加え、均一になるまで撹拌した。40℃まで冷却し、これに混合粉砕した(10)及び(11)を加え、撹拌混合しながら室温まで冷却し、目的のボディーシャンプーを得た。得られたボディーシャンプーは、ブラウン系の鮮やかな色味を呈した。
【0093】
処方26 洗顔フォーム
成分 配合比(g/kg)
(1)ステアリン酸 170
(2)ミリスチン酸 70
(3)ラウリン酸 30
(4)水酸化カリウム(純度480g/kg) 120
(5)ジイソステアリン酸PEG-60グリセリル 30
(6)ステアリン酸グリセリル 20
(7)ソルビトール 80
(8)PEG1500 100
(9)コカミドプロピルベタイン 50
(10)グリセリン 180
(11)EDTA-4Na 1
(12)精製水 残余
(13)ペンチレングリコール 15
(14)酸化鉄顔料C 3
(15)タルク 6
(製 法)
(1)から(3)を70℃から80℃に加熱し、溶解させた。次いで、徐々に(4)を加え、けん化を行った。けん化が終了した時点で、残りの(5)から(13)を加え、均一になるまで撹拌した。40℃まで冷却し、これに混合粉砕した(14)及び(15)を加え、撹拌混合しながら室温まで冷却し、目的の洗顔フォームを得た。得られた洗顔フォームは、ブラウン系の鮮やかな色味を呈した。
【0094】
処方27 洗顔パウダー
成分 配合比(g/kg)
(1)酸化鉄顔料A 3
(2)タルク 200
(3)ラウリン酸 50
(4)マンニトール 残余
(5)ミリスチン酸カリウム 300
(6)グルコース 100
(7)ミリストイルグルタミン酸カリウム 20
(8)ココイルメチルタウリンナトリウム 30
(9)ベタイン 10
(10)タナクラクレイ(登録商標) 50
(11)グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド 5
(12)ペンチレングリコール 10
(製 法)
(1)から(12)をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、目的の洗顔パウダーを得た。得られた洗顔パウダーは、ブラウン系の鮮やかな色味を呈した。
【0095】
処方28 固形石けん
(1)脂肪酸アルカリ金属塩 945
(ラウリン酸380g/kg、ミリスチン酸370g/kg、パルミチン酸150 g/kg、ステアリン酸100g/kg)
(カリウム:ナトリウム=1:5)
(2)コカミドプロピルベタイン 30
(3)グリセリン 20
(4)酸化鉄顔料A 5
(製 法)
(1)を加熱溶解させ、(2)から(4)を加えて混合し、更に3本ロールを用いて均一化した。次いで、得られた混合物を押出し機で混練及び加圧圧縮して棒状に押し出した後、型打ち機で成形することによって、目的の固形石けんを得た。得られた固形石けんは、ブラウン系の鮮やかな色味を呈した。
【0096】
処方29 粉末状入浴剤
成分 配合比(g/kg)
(1)硫酸ナトリウム 860
(2)炭酸水素ナトリウム 残余
(3)グルタミン酸ナトリウム 20
(4)シリカ(AGCエスアイテック製 サンスフェア(登録商標)H-52) 10
(5)酸化鉄顔料A 5
(6)バニリルブチルエーテル 2
(7)トウガラシエキス 1
(製 法)
(1)から(7)をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、目的の粉末状入浴剤を得た。得られた粉末状入浴剤を使用した場合、湯船がブラウン系の鮮やかな色味を呈した。
【0097】
処方30 ピールオフパック
成分 配合比(g/kg)
(1)PEG1500 80
(2)PEG/PPG-25/30コポリマー 60
(3)キサンタンガム 2
(4)クエン酸ナトリウム 3
(5)クエン酸 1
(6)精製水 残余
(7)ポリビニルアルコール 100
(8)ポリソルベート-80 2
(9)シリカ(AGCエスアイテック製 サンスフェア(登録商標)H-51) 40
(10)タルク 80
(11)酸化鉄顔料C 10
(12)アクリル酸アルキル共重合体エマルション 50
(13)メチルパラベン 2
(14)エタノール 80
(製 法)
加熱溶解した(1)から(8)に、混合粉砕した(9)から(11)を加え、均一に分散した後、40℃まで冷却した。次いで、(12)から(14)を加え、室温まで撹拌冷却し、目的のピールオフパックを調製した。得られたピールオフパックは、独特の鮮やかな色味を呈した。
【0098】
処方31 練り歯磨き
(1)炭酸カルシウム 290
(2)酸化鉄顔料A 5
(3)赤色202号 5
(4)ソルビトール液 35
(5)グリセリン 35
(6)グァーガム 30
(7)蒸留水 600
(製 法)
(1)から(3)を秤量して(7)に添加し、特殊機器製ROBOMICS fMODELを用いて5分間撹拌した。更に撹拌しながら(4)から(6)を添加し、混合物の粘度が大きくなったら撹拌を停止した。得られた練り歯みがきは鮮やかな色味を呈し、チューブに入れるのに十分な粘度と歯の隙間に研磨剤が入るのに十分な流動性を兼ね備えたものとなった。