(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177713
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】表示装置、および表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20221124BHJP
G09F 9/40 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/00 302
G09F9/00 348
G09F9/00 354
G09F9/40 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084146
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 慎吾
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA31
5C094AA47
5C094BA27
5C094DA01
5C094ED01
5C094GB01
5C094HA05
5G435AA07
5G435AA11
5G435BB05
5G435EE03
5G435EE05
5G435EE13
5G435EE40
5G435EE47
5G435GG43
5G435HH05
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】額縁領域の折り曲げの手間を低減して狭額縁化を図ると共に、各表示部間の干渉、異物混入を抑制可能な表示装置、および表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】画像を表示する表示領域111および表示領域の外周側に形成された額縁領域112を有する複数の表示部110、120を備え、複数の表示部が表示領域の面に沿う方向に並べられた表示装置であって、複数の表示部は、可撓性を有しており、複数の表示部の間で、隣合う額縁領域が、表示領域の視認側とは反対側に折り曲げられた折り曲げ部115と、複数の表示部において、表示領域側の全体を覆うように接合された透光性のカバーパネル130と、カバーパネルの表示部側の面に設けられ、隣合う表示部の折り曲げ部の間に入り込むリブ131と、を設けた。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示領域(111)および前記表示領域の外周側に形成された額縁領域(112)を有する複数の表示部(110、120)を備え、複数の前記表示部が前記表示領域の面に沿う方向に並べられた表示装置であって、
複数の前記表示部は、可撓性を有しており、
複数の前記表示部の間で、隣合う前記額縁領域が、前記表示領域の視認側とは反対側に折り曲げられた折り曲げ部(115)と、
複数の前記表示部において、前記視認側の全体を覆うように接合された透光性のカバーパネル(130)と、
前記カバーパネルの裏面側の面に設けられ、隣合う前記表示部の前記折り曲げ部の間に入り込むリブ(131)と、が設けられた表示装置。
【請求項2】
前記リブは、前記カバーパネルに一体的に形成されており、前記折り曲げ部の形成される辺の方向に分割された請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記リブは、前記カバーパネルとは別体形成されて、前記カバーパネルに接合されており、前記カバーパネルと前記リブとの間に、前記視認側から見て前記折り曲げ部を隠す遮蔽部(132)が設けられた請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
複数の前記表示部は、並べられた方向の両端部側が前記視認側に近づくように、曲げられている請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項5】
複数の前記表示部は、前記視認側から見て、前記表示領域がV字状を成すように配列された請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記折り曲げ部には、前記表示領域の一部が含まれる請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項7】
可撓性を有し、画像を表示する表示領域(111)および前記表示領域の外周側に形成された額縁領域(112)を有する複数の表示部(110、120)を、前記表示領域の面に沿う方向に並べた表示装置の製造方法であって、
複数の前記表示部において、視認側の全体を覆う透光性のカバーパネル(130)を準備する第1工程と、
前記カバーパネルにおいて、複数の前記表示部の間となる位置に前記表示部側に突出するリブ(131)を設ける第2工程と、
前記表示部と前記カバーパネルとを接合する際に、前記額縁領域を前記リブに沿って折り曲げる第3工程と、を備える表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の表示部を用いた表示装置、および表示装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置(マルチディスプレイ)として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1の表示装置は、複数の表示パネルを有している。各表示パネルは、可撓性を有している。表示パネルには、画像が表示される表示領域と、表示領域の外周側で非表示領域となる額縁領域とが形成されている。表示領域の裏側には、表示領域の大きさに対応する板状の支持枠が設けられている。
【0003】
額縁領域は、支持枠の側面に沿うように、直角に折り曲げられて、支持枠の側面に接合されて、表示パネルとして折り曲げ状態が保持されている。また、折り曲げされた額縁領域の外側面には、緩衝材としてのテープ部材が設けられている。
【0004】
特許文献1では、額縁領域が折り曲げられることで、各表示パネルの狭額縁化が図られている。そして、複数の表示パネルが、表示領域の面方向に沿うように並べられることで、表示装置が形成され、狭額縁化により各表示パネル間の継ぎ目が抑制されるようになっている。各表示パネル間は、テープ部材によって互いの干渉による衝撃が抑制されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1では、それぞれの表示パネルごとに、額縁領域を折り曲げて支持枠に接合する手間が必要となる。また、表示装置とする際に、各表示パネル同士の干渉による衝撃抑制のためにテープ部材を設ける必要がある。更には、表示装置としたときに、複数の表示パネルの間には、隙間ができてしまうので、異物が混入するおそれがある。
【0007】
本開示の目的は、上記問題に鑑み、額縁領域の折り曲げの手間を低減して狭額縁化を図ると共に、各表示部間の干渉、異物混入を抑制可能な表示装置、および表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0009】
本開示では、画像を表示する表示領域(111)および表示領域の外周側に形成された額縁領域(112)を有する複数の表示部(110、120)を備え、複数の表示部が表示領域の面に沿う方向に並べられた表示装置であって、
複数の表示部は、可撓性を有しており、
複数の表示部の間で、隣合う額縁領域が、表示領域の視認側とは反対側に折り曲げられた折り曲げ部(115)と、
複数の表示部において、視認側の全体を覆うように接合された透光性のカバーパネル(130)と、
カバーパネルの裏面側の面に設けられ、隣合う表示部の折り曲げ部の間に入り込むリブ(131)と、が設けられたことを特徴としている。
【0010】
この開示によれば、カバーパネルにリブを設けるようにしているので、複数の表示部とカバーパネルとを接合する際に、額縁領域をリブに沿って折り曲げることができる。よって、額縁領域の折り曲げの手間を低減することができる。複数の表示部において、隣合う額縁領域に折り曲げ部が形成されることで、視認側から見た額縁領域を小さくすることができる。
【0011】
また、複数の表示部の間にリブが介在される形になるので、このリブによって複数の表示部間における折り曲げ部同士の干渉を抑制できる。加えて、複数の表示部において、視認側の全体を覆うように設けられたカバーパネルによって、複数の表示部間の隙間に異物が混入するのを抑制できる。
【0012】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1表示部、および第2表示部を示す説明図である。
【
図2】第1実施形態における表示装置の全体構成を示す説明図である。
【
図4】カバーパネルにおけるガイドリブを示す説明図である。
【
図5】表示装置の表示面を曲げた場合を示す説明図である。
【
図6】第2実施形態における表示装置の全体構成を示す説明図である。
【
図7】カバーパネルにおけるガイドリブを示す説明図である。
【
図8】表示装置の表示面を曲げた場合を示す説明図である。
【
図9】第3実施形態における表示装置の全体構成を示す説明図である。
【
図10】第4実施形態における表示装置の全体構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態における大型の表示装置100(以下、表示装置100)について
図1~
図4を用いて説明する。本実施形態の表示装置100は、車両に搭載されて、例えば、車両に関連する各種情報(画像)を表示するものとなっている。各種情報は、例えば、車速等の車両走行情報(メータ装置としての表示情報)、車両用空調装置の作動状態を示す情報、カーナビゲーションシステムにおける地図上の現在位置情報および目的地案内情報、車両オーディオ装置の作動状態等がある。更に、表示装置100では、テレビやDVD等の動画の表示も可能である。
【0016】
表示装置100は、
図1、
図2に示すように、複数の表示部(ここでは、第1表示部110と第2表示部120)が、表示領域111の面(表示面111a)に沿う方向に並べられて(隣接配置されて)、形成されている。表示装置100は、例えば、運転者(視認者)と対向する部位が開口された車両インストルメントパネル内で、第1、第2表示部110、120が車両の左右方向(横方向)に、一列に並ぶように配置されている。
【0017】
本実施形態では、表示装置100として、2つの表示部(第1、第2表示部110、120)を用いたものとして説明しているが、これに限定されることなく、3つ以上の表示部を用いたものとしてもよい。また、第1、第2表示部110、120を並べる方向は、車両の左右方向に限らず、上下方向としてもよい。あるいは、第1、第2表示部110、120を並べる方向は、左右方向および上下方向の組み合わせとしてもよい。
【0018】
表示装置100は、第1表示部110、第2表示部120、およびカバーパネル130等を備えている。
【0019】
第1表示部110は、表示領域111(表示面111a)にマトリックス配置される複数の画素の発光によって、所定の画像(各種情報)を表示するようになっている。第1表示部110としては、例えば、横長となる矩形状(四角形)の有機ELパネルが使用されている。有機ELパネルの「EL」は、Electro Luminescenceの略表示である。有機ELパネルは、OLED(Organic Light Emitting Diode)とも表示される。
【0020】
第1表示部110は、自発光式の表示部であり、例えば、液晶式のパネルのようなバックライトを必要としないので、表示装置100の厚み寸法としては、極めて薄く設定することが可能となっている(薄型化)。そして、第1表示部110は、可撓性(フレキシブル性)を有しており、たわませたり折曲げたりすることも可能となっている(以下の折り曲げ部115)。尚、第1表示部110としては、上記の有機ELパネルに代えて、電子ペーパー等、他の型式のものを使用してもよい。
【0021】
第1表示部110の表示領域111の外周部(4辺)には、複数の画素の配線等が設けられて、非表示領域となる額縁領域112が形成されている。配線等は、視認者に視認され得る。
【0022】
また、第1表示部110の裏面には、表示領域111に対応するように、金属製の板材から成る裏面プレート113が設けられている。裏面プレート113は、可撓性の第1表示部110(表示領域111)の平面形状を保持するようになっている。裏面プレート113は、例えば、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス、あるいは鋼等から形成されている。
【0023】
第1表示部110と、裏面プレート113との間には、例えば、放熱ゲルシートが介在されて、第1表示部110と裏面プレート113とは接着剤によって接合されている。放熱ゲルシートは、柔軟性を有する熱伝導部材である。放熱ゲルシート以外にも、熱伝導部材として、たとえば放熱グリスを用いることができる。第1表示部110で発生される熱は、放熱ゲルシートを介して、裏面プレート113から外部に放出されるようになっている。
【0024】
第1表示部110の例えば、第2表示部120側(右側)となる短辺部には、複数の画素の作動を制御する制御基板114が設けられている(
図1)。複数の画素と制御基板114とは、フレキシブル配線114aによって接続されている。
【0025】
フレキシブル配線114aは、第2表示部120とは反対側に折り曲げられて、制御基板114は、裏面プレート113に固定されている。制御基板114は、ビス等を用いた機械的な締結や、接着剤等を用いた接着等により裏面プレート113に固定されている。
【0026】
図2、
図3に示すように、4辺の額縁領域112のうち、第2表示部120と対向する右側の短辺部は、表示領域111の視認側(視認される側)とは反対側に折り曲げられた折り曲げ部115となっている。折り曲げ部115は、概ね、表示領域111に対して直角を成すように折り曲げられている。
【0027】
図3中、第1、第2表示部110、120の表面の図示において、太い実線は、表示領域111を示し、太い破線は、額縁領域112を示している。
【0028】
第2表示部120は、表示装置100において、第1表示部110の例えば、右側に横長となる姿勢で配置されている。第2表示部120の基本構成は、上記第1表示部110と同一であり、表示領域111(表示面111a)、額縁領域112、裏面プレート113、制御基板114、フレキシブル配線114a、および折り曲げ部115等を有している。第2表示部120における制御基板114は、第1表示部110における制御基板114と左右対称となるように配置されている。また、第2表示部120における折り曲げ部115は、第1表示部110における折り曲げ部115と所定の隙間(後述するガイドリブ131の厚み分)を持って、対向している。
【0029】
カバーパネル130は、
図2、
図3に示すように、第1、第2表示部110、120の視認側の全体を覆うようにして、第1、第2表示部110、120の表面を保護するために設けられた透光性の薄い板状の部材となっている。カバーパネル130は、例えば、アクリル製やポリカーボネート製等の樹脂材から形成されている。尚、カバーパネル130は、樹脂材に限らず、ガラス材から形成されるものとしてもよい。
【0030】
カバーパネル130の裏面側の面には、
図2、
図3に示すように、第1、第2表示部110、120において、対向する折り曲げ部115の間に入り込むように形成されたガイドリブ131が設けられている。ガイドリブ131は、例えば、金型を用いた樹脂成形によって、カバーパネル130と一体的に形成されている。ガイドリブ131は、本開示のリブに対応する。
【0031】
ガイドリブ131の断面形状は、折り曲げ部115の間に形成される狭い空間に沿うように、例えば楔形状となっている。また、ガイドリブ131は、
図4に示すように、折り曲げ部115が形成される短辺の方向(
図2、
図4のY方向)に、例えば、放熱フィンのごとく、所定の厚み、所定の間隔をもって、複数並ぶように分割形成されている。
【0032】
カバーパネル130は、ガイドリブ131が、折り曲げ部115の間に入り込むようにして、第1、第2表示部110、120の表面に、例えば、オプティカルボンディングによって接合(接着)されている。オプティカルボンディングに使用される光学接着剤は、OCR(Oputical Clear Resin)とも呼ばれる。光学接着剤には、アクリル系、シリコン系等、幾つかの分類が知られている。尚、オプティカルボンディングに用いる光学接着材料としては、上記の光学接着剤の他に、光学テープを用いることもできる。
【0033】
そして、カバーパネル130の表面には、視認側から見て、折り曲げ部115における額縁領域112、および他の辺(3辺)における額縁領域112に対応するように、遮蔽部132が設けられている。遮蔽部132は、視認側から見て、第1、第2表示部110、120の額縁領域112における配線が視認されないように隠すためのものであって、例えば、黒色の枠部(加飾)として、カバーパネル130の表面に形成されている。遮蔽部132は、例えば、カバーパネル130に遮蔽用の黒インクを印刷(スクリーン印刷、インクジェット印刷等)することによって形成される。尚、遮蔽部132は、カバーパネル130を樹脂成形する際に、金型内に、枠部が転写される、あるいはインサートされることで、カバーパネル130と同時成形されるようにしてもよい。
【0034】
以下、表示装置100の製造方法を簡単に説明する。まず、裏面プレート113および制御基板114の設けられた第1表示部110、および第2表示部120(
図1)を準備する。
【0035】
次に、カバーパネル130を準備し(第1工程)、カバーパネル130にガイドリブ131を設ける(第2工程)。本実施形態のように、カバーパネル130にガイドリブ131が一体形成される場合は、第1工程と第2工程は同時に行われるものとなる。
【0036】
そして、第1、第2表示部110、120と、カバーパネル130とを接合する際に(オプティカルボンディング)、対向する(隣り合う)額縁領域112をガイドリブ131に沿って折り曲げる(第3工程)。
【0037】
更に、フレキシブル配線114aを折り曲げて、制御基板114を裏面プレート113に固定する。
【0038】
本実施形態では、第1、第2表示部110、120の表面側にカバーパネル130を設け、更に、カバーパネル130にガイドリブ131を設けるようにしている。これにより、第1、第2表示部110、120と、カバーパネル130とを接合する際において、額縁領域112をガイドリブ131に沿って折り曲げることができる。よって、額縁領域112の折曲げの手間を低減することができる。第1、第2表示部110、120において、隣合う辺の額縁領域112に折り曲げ部115が形成されることで視認側から見た額縁領域112の幅寸法を小さくすることができる。
【0039】
また、第1、第2表示部110、120の間にガイドリブ131が介在される形になるので、このガイドリブ131によって第1、第2表示部110、120における折り曲げ部115同士の干渉を抑制できる。加えて、第1、第2表示部110、120において、視認側の全体を覆うように設けられたカバーパネル130によって、第1、第2表示部110、120間の隙間に異物が混入するのを抑制できる。
【0040】
また、ガイドリブ131は、カバーパネル130に一体的に形成されており、折り曲げ部115の形成される辺の方向に分割されている。これにより、カバーパネル130を成形する際に、カバーパネル130の表面において、ガイドリブ131による引けの発生を抑制することができる。
【0041】
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態の変形例を
図5に示す。第1実施形態の変形例における表示装置100Aでは、第1、第2表示部110、120は、並べられた方向(長辺方向)の両端部側が視認側に近づくように、曲げ形成されている。曲げ部は、主に、第1、第2表示部110、120の対向する額縁領域112にて形成されて、主に、表示領域111は、裏面プレート113と共に、平面形状を維持している。
【0042】
これにより、表示装置100Aを車両に搭載した時に、運転者に対して、表示装置100Aの左右端側が、運転者に対してラウンドするように配置されるので、左右端側を含めた表示領域111の視認性を向上させることができる。
【0043】
尚、第1、第2表示部110、120を曲げ形成するにあたっては、予め、裏面プレート113を湾曲成形しておき、第1、第2表示部110、120の全体が円弧状を成すようにしてもよい。
【0044】
(第2実施形態)
第2実施形態を
図6、
図7に示す。第2実施形態の表示装置100Bは、上記第1実施形態の表示装置100に対して、ガイドリブ131A、および遮蔽部132を変更したものである。
【0045】
ガイドリブ131Aは、カバーパネル130に対して、別体形成されている。ガイドリブ131Aの断面形状は、上記第1実施形態のガイドリブ131と同様のもの(楔形状)としているが、第1、第2表示部110、120の短辺方向(Y方向)に、楔形状の断面をもとに柱状を成すようにして連続的に形成されている。
【0046】
また、額縁領域112に対応する遮蔽部132は、カバーパネル130の裏面側に設けられている。遮蔽部132は、上記第1実施形態と同様に、例えば、遮蔽用の黒インクの印刷によって形成されている。尚、遮蔽部132は、カバーパネル130の成形時に同時成形されるようにしてもよい。
【0047】
そして、ガイドリブ131Aは、第1、第2表示部110、120の折り曲げ部115が形成される領域において、遮蔽部132を挟むようにして、カバーパネル130に、例えば接着剤によって接合されている。換言すると、遮蔽部132は、カバーパネル130と、ガイドリブ131Aとの間に設けられている。
【0048】
これにより、遮蔽部132が、上記第1実施形態に対して、第1、第2表示部110、120の表面側に位置することになり、額縁領域112との視差を小さくすることができるので、額縁領域112における配線を、より効果的に遮蔽する(見えにくくする)ことができる。
【0049】
尚、ガイドリブ131Aは、カバーパネル130に対して、別体形成されるので、カバーパネル130の成形時における引け発生には影響することがなく、短辺方向に連続する一体ものとして形成でき、折り曲げ部115を形成する際のガイドとして、より効果的に作用することができる。
【0050】
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態の変形例を
図8に示す。第2実施形態の変形例における表示装置100Cでは、第2実施形態の表示装置100Bをもとに、上記第1実施形態の変形例と同様に、第1、第2表示部110、120は、並べられた方向(長辺方向)の両端部側が視認側に近づくように、曲げ形成されている。曲げ部は、主に、第1、第2表示部110、120の対向する額縁領域112にて形成されて、主に、表示領域111は、裏面プレート113と共に、平面形状を維持している。
【0051】
この場合、ガイドリブ131Aは、弾性を有する材料、例えば、エラストマ等から形成されるのが好ましい。
【0052】
これにより、表示装置100Cを車両に搭載した時に、運転者に対して、表示装置100Cの左右端側が、運転者に対してラウンドするように配置されるので、左右端側を含めた表示領域111の視認性を向上させることができる。
【0053】
また、ガイドリブ131Aを弾性材から形成することで、ガイドリブ131Aの接着面は、曲げ加工に追従し、曲げ形成する際のガイドリブ131Aの剥がれを抑制することができる。
【0054】
尚、第1、第2表示部110、120を曲げ形成するにあたっては、予め、裏面プレート113を湾曲成形しておき、第1、第2表示部110、120の全体が円弧状を成すようにしてもよい。
【0055】
(第3実施形態)
第3実施形態を
図9に示す。第3実施形態の表示装置100Dは、上記第1実施形態の表示装置100に対して、第1、第2表示部110、120の表示領域111が、視認側から見て、V字状を成すように配列されている。
【0056】
第1表示部110と、第2表示部120との間において、折り曲げ部115が形成される領域の隙間は、
図9(a)の上側から下側に向けて順次大きくなるように設定されており、これに合わせて、ガイドリブ131の隙間方向(X方向)の寸法が順次大きくなるように設定されている。
【0057】
尚、折り曲げ部115に対応する遮蔽部132の幅寸法は、ガイドリブ131の隙間寸法の最大値に相当する寸法で、Y方向に一定となっている。
【0058】
これにより、表示領域111の斬新な配置を有する表示装置100Dとすることができる。
【0059】
(第4実施形態)
第4実施形態を
図10、
図11に示す。第4実施形態の表示装置100Eは、折り曲げ部115に、表示領域111(太い実線表示)の一部が含まれるようにしたものである。つまり、折り曲げ部115において、曲げの施された一部に、表示領域111が入り込むように形成されている。
【0060】
尚、ガイドリブ131Aは、カバーパネル130とは別体形成されている。ガイドリブ131Aは透光性を有し、その屈折率は、カバーパネル130の屈折率と同等のものが選定されている。また、折り曲げ部115に対応するカバーパネル130の遮蔽部132は、割愛されている。
【0061】
本実施形態では、
図11に示すように、表示領域111から出射される光(実線矢印)は、ガイドリブ131A内に進入して、更に、カバーパネル130との境界部で屈折して、視認側に出射される。出射される光が得られることによって、額縁領域112を(額縁領域112の幅)を、更に小さくすることができる。
【0062】
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、表示装置100、100A~100Eを車両用に適用した例を示したが、家庭用や業務用等に適用してもよい。
【0063】
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、更に請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【符号の説明】
【0064】
100、100A~100E 表示装置
110 第1表示部
111 表示領域
112 額縁領域
115 折り曲げ部
120 第2表示部
130 カバーパネル
131 ガイドリブ(リブ)