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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177721
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】掃除機ノズル
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/02 20060101AFI20221124BHJP
【FI】
A47L9/02 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084154
(22)【出願日】2021-05-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】509164164
【氏名又は名称】地方独立行政法人山口県産業技術センター
(71)【出願人】
【識別番号】521214517
【氏名又は名称】美栄樹脂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100179729
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 一美
(72)【発明者】
【氏名】藤井 謙治
(72)【発明者】
【氏名】田村 智弘
(72)【発明者】
【氏名】三坂 博文
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA03
3B061AA57
3B061AB07
(57)【要約】
【課題】掃除機の吸引力を有効に利用でき、かつ細部の埃等を周囲に埃を飛散させることなく効率的に吸い込むことができる掃除機ノズルを提供する。
【解決手段】掃除機ノズル1は、掃除機の吸込パイプに接続口が接続される本体2と、本体2の先端面2bから前方に向かって突出する複数の可撓性を有する可撓管3及びブラシ4を備え、複数の可撓管3は、1以上の第1の吸込管5と、この第1の吸込管5と交互に配列される1以上の第2の吸込管6からなり、第1の吸込管5は、先端面2b上の基準線Lに沿って配列され、第2の吸込管6は、基準線Lに沿って、かつ第1の吸込管5と交互に配列され、ブラシ4は、1以上の第1の側部7と、1以上の第2の側部8と、第1の吸込管5と第2の吸込管6との隙間Sに配置される5個の中間部9と、本体2の周縁部2c寄りに配置される最外部10a,10bを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機の吸込パイプに接続口が接続される本体と、前記本体の先端面から前方に向かって突出する複数の可撓性を有する可撓管及びブラシを備える掃除機ノズルであって、
複数の前記可撓管は、1以上の第1の吸込管と、1以上の第2の吸込管からなり、
1以上の前記第1の吸込管は、前記先端面上の基準線に沿って配列され、
1以上の前記第2の吸込管は、前記基準線に沿って、かつ前記第1の吸込管と交互に配列され、
前記ブラシは、1以上の第1の側部と、1以上の第2の側部を少なくとも備え、
前記第1の側部は、前記第1の吸込管の周面のうち、前記基準線から最も遠い第1の周面の外側にそれぞれ配置され、
前記第2の側部は、1以上の前記第2の吸込管の周面のうち、前記基準線を挟んで前記第1の周面と反対側にあり、かつ前記基準線から最も遠い第2の周面の外側にそれぞれ配置されることを特徴とする掃除機ノズル。
【請求項2】
前記ブラシは、1以上の前記第1の側部と、1以上の前記第2の側部に加えて、前記第1の吸込管と前記第2の吸込管との隙間に配置される1以上の中間部を備え、前記先端面を正面視した場合に連続形状をなして配列されることを特徴とする請求項1に記載の掃除機ノズル。
【請求項3】
前記第1及び第2の側部は、それぞれ前記基準線に平行する直線状をなし、
前記中間部は、前記基準線に直交する直線状をなすことを特徴とする請求項2に記載の掃除機ノズル。
【請求項4】
複数の前記可撓管の前記先端面からの長さは、前記ブラシの前記先端面からの長さよりも短いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の掃除機ノズル。
【請求項5】
複数の前記可撓管は、それぞれ、先端に開口する吸込口と、前記本体の前記先端面に固定される固定部を備え、かつ内部の空間が前記固定部から前記吸込口に向かうにつれて狭まる先細形状をなしていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の掃除機ノズル。
【請求項6】
複数の前記可撓管は、横断面上で1以上の角部がそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の掃除機ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の可撓管及びブラシを備え、掃除機の吸込パイプに接続される掃除機ノズルに係り、特に、部屋の隅や細長の溝等に溜まった埃等を効率的に吸込むことができ、平面上においては掃く方向に関わらず掃き出した埃等を直ちに吸い込むことができる掃除機ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、掃除機ヘッドは、主に平坦な床面を掃除対象としているため、吸込口が開口する下面も平坦をなすように設計されている。よって、部屋、建具、家具等の隅、窓のレールといった溝、長細い段差部分等の複雑な形状をなす細部に溜まった埃やゴミを十分に吸引することが困難である。そのため、細部用のノズルが、オプション品として別途市販されている。
しかし、上記のような細部用のノズルは、例えば、硬質プラスチックからなる吸込口の横断面が単に細長いくちばし状をなしているものや、ノズルの先端面に設けられた複数の吸込筒の先端開口部にブラシが植設されているものであったため、前者では、吸込口が掃除対象である細部の形状に対応できないため吸引作用が細部に及ばず、かつ細部を傷つけるおそれがあった。また、後者では、ブラシによって吸込筒の開口部が塞がれ、吸引作用が低下するおそれがあった。
このような課題を解決するため、吸込筒やブラシの植設位置を工夫した掃除機ノズルに関する技術が開発されており、それに関してすでにいくつかの考案が開示されている。
【0003】
特許文献1には、「電気掃除機の先端吸込具」という名称で、吸込口が掃除対象である細部の形状に順応し易く、かつ細部の損傷を防止し得る先端吸込具に関する考案が開示されている。
特許文献1に開示された考案は、ABS樹脂などからなる長方形台座のパイプ受け台に、軟質ポリ塩化ビニール製のパイプ連結体からなる吸込部と、ナイロン樹脂等からなる毛束を交互に、かつ長手方向に沿って1列に配列し、さらにこの配列した吸込部及び毛束を複数段並列して配設したことを特徴とする。
このような特徴を有する考案においては、吸込部が柔軟で屈撓性に富んでいるため、狭い溝やコーナー部等の形状によく順応する。さらにこの順応した状態で吸込部を自在に揺動させることができる。そのため、吸込部による埃やチリの吸引効果が高い。
また、毛束は吸込部の周囲に配置されるため、吸込部の吸込作用を損なうことがなく、同時に毛束による掃く作用が吸引効果と相乗し、清掃効果を高めることができる。
さらに、パイプ連結体が適宜の長さであることから、硬質体からなるパイプ台の角と、掃除対象との間に適度の間隔を保持でき、掃除対象を損傷させるおそれがない。
【0004】
また、特許文献2には、「掃除機用ゴミ吸引器」という名称で、吸引筒の吸引作用を強力にし得るゴミ吸引器に関する考案が開示されている。
特許文献2に開示された考案は、掃除機の吸引管に差し込む差し込み管を連設した保持ケースの先端部に多数個の吸引孔を散在状態に穿設した取付板を付設し、この取付板に柔軟性を有する材料で製作した屈曲可能な複数本の吸引筒を吸引孔に連通させて突設状態に固定し、この吸引筒群の間の中心部に取付棒を取付板に突設し、この取付棒に刷毛を先端部に植設した刷毛保持筒を被嵌固定したことを特徴とする。
このような特徴を有する考案においては、吸引筒と刷毛保持筒とを別々に独立させて立設させたから、硬目の刷毛の配設により吸引筒のゴミの吸引作用が妨げられることがなく、常に秀れた吸引力を発揮することが可能である。
また、吸い取りにくかったゴミが刷毛で掃き出され、さらに周りに配された吸引筒より吸引される。よって、部屋の隅々やサッシ、絨毯等の掃除を的確に行うことができる。
【0005】
さらに、特許文献3には、「電気掃除機の吸塵具」という名称で、被清掃面が平坦でなくとも対応できるために吸塵操作が有効に機能する吸塵具に関する考案が開示されている。
特許文献3に開示された考案は、電気掃除機の吸引管に接続できる吸い込み接続口を一端に備えて他端部を吸塵ヘッドが嵌挿できる大きな口径にされた内部が空洞の吸塵本体と、この吸塵本体の大きな口径部に嵌合保持される多数の可撓性の吸引チューブを備える吸塵ヘッドと、この吸塵ヘッドの周囲を取り囲むようにして吸塵本体の外周部に基部を被嵌装着されるリングブラシとを含み、このリングブラシに植設されるブラシは吸塵ヘッドに設けられる吸引チューブより長くされていることを特徴とする。
このような特徴を有する考案においては、吸塵ヘッドを被清掃面の状態に応じて押し付けると、リングブラシの刷毛で取り囲まれる内側の吸引チューブが自在に曲がり、四方に広げられて先端の開口部が被清掃面に対向する。この状態で吸塵具を移動させると、リングブラシの刷毛によって、被清掃面に付着している塵が掻き起こされて、吸引チューブから吸塵本体内に吸い込まれる。
また、吸引チューブは小口径であるため吸引速度が早く、掻き起こされた塵を速やかに吸引除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実全平4-25641号公報
【特許文献2】実開平7-12052号公報
【特許文献3】実開平6-85648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された考案においては、長手方向に配列された吸込部及び毛束が複数段並列して配設されているため、細長い溝や段差といった細部を清掃する場合、複数段に配列された吸込部及び毛束の一部しか細部に届かず、掃除機本体の吸引力を有効に利用することができない。よって、吸引効率が良好であるとはいえない。
また、引用文献2に開示された考案においても、その図3を参照すると、上記と同様な課題を有していると考えられる。
【0008】
さらに、引用文献3に開示された考案においては、複数の吸引チューブが、分散して面状に配置されるため、引用文献1,2と同様に、細部を清掃する場合の吸引効率が良好でないおそれがある。
また、リングブラシが複数の吸引チューブの周囲を取り囲むように配置されているため、その図3に示されるような様々な方向に向かって変形した複数の吸引チューブが、果たして細部に接触しているか否かを確認できない。そのため、吸塵具を何度も移動させてしまい、清掃時間が長くなってしまうおそれもある。
加えて、リングブラシが、その外側に埃を弾いてしまうことも考えられる。このようなリングブラシの外側に弾かれた埃、またはこの外側に元々存在する埃を吸引チューブが吸引するには、埃がリングブラシを通り抜ける必要がある。しかし、実際には、吸引チューブが空気を吸引したとしても、埃がリングブラシを通り抜け、吸引チューブに到達するとは考え難い。
よって、引用文献3に開示された考案においては、吸塵具周囲に埃を飛散させ、さらに飛散させた埃を効率的に吸引できない可能性がある。そして、このような埃の飛散及び吸引不足は、部屋の隅等の細部や、床面といった平面の双方で起こる可能性がある。
【0009】
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、掃除機の吸引力を有効に利用でき、かつ細部の埃等を周囲に飛散させることなく効率的に吸い込むことができ、平面上においては掃く方向に関わらず掃き出した埃等を速やかに吸い込むことができる掃除機ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、第1の発明は、掃除機の吸込パイプに接続口が接続される本体と、本体の先端面から前方に向かって突出する複数の可撓性を有する可撓管及びブラシを備える掃除機ノズルであって、複数の可撓管は、1以上の第1の吸込管と、この第1の吸込管と交互に配列される1以上の第2の吸込管からなり、1以上の第1の吸込管は、先端面上の基準線に沿って配列され、1以上の第2の吸込管は、基準線に沿って、かつ第1の吸込管と交互に配列され、ブラシは、1以上の第1の側部と、1以上の第2の側部を少なくとも備え、第1の側部は、第1の吸込管の周面のうち、基準線から最も遠い第1の周面の外側にそれぞれ配置され、第2の側部は、1以上の第2の吸込管の周面のうち、基準線を挟んで第1の周面と反対側にあり、かつ基準線から最も遠い第2の周面の外側にそれぞれ配置されることを特徴とする。
【0011】
このような構成の発明において、「基準線に沿って」には、第1の吸込管と、第2の吸込管のいずれもが先端面上の基準線上で1列に配列する場合のほか、第1及び第2の吸込管が、互いに基準線からやや離れ、かつ基準線に沿って配列する場合、すなわち第1及び第2の吸込管がジグザグ状に連続して配列する場合も含まれる。
また、第1の側部と、第2の側部は、例えば、基準線に対して平行な直線形状や、円弧形状、角形状といった所望の形状に形成してよい。
【0012】
上記構成の発明においては、1組の互いに隣接する第1の側部と第1の吸込管と、1組の互いに隣接する第2の側部と第2の吸込管が、基準線に沿って交互に配置され、さらに、1以上の第1の側部及び1以上の第2の側部は、すべて基準線について対称的に配置されることになる。
よって、掃除機ノズルを、例えば床面と壁面がなす隅部や、窓のレール等の溝といった細部の直線構造に対し、掃除機ノズルの基準線を沿わせて押し当てると、すべての第1の及び第2の側部がそれぞれ床面と壁面に当接して互いの先端同士が接近する方向へ屈曲する。よって、第1及び第2の側部の各先端が、すべて細部の直線構造に集められて略直線状に配列される。
【0013】
さらに、第1及び第2の吸込管については、屈曲した第1の側部によって第1の吸込管が押されるとともに、屈曲した第2の側部によって第2の吸込管が押されることになる。そのため、第1及び第2の吸込管の各吸込口は、すべて細部の直線構造に沿って、略直線状に配列される。なお、各吸込口における略直線状とは、第1の吸込管の吸込口と、第2の吸込管の吸込口が、細部の直線構造に沿って1本の直線状に配列している、または、細部の直線構造に沿って、かつこの直線構造を中心として互いにやや離れ、ジグザグ状に配列していることを意味する。したがって、第1及び第2の側部の各先端と、第1及び第2の吸込管の各吸込口が、いずれも細部の直線構造、すなわち基準線に沿って配列される。
このような場合は、1以上の第1の吸込管の吸込口は、それぞれ第1の側部によって被覆されない。同様に、1以上の第2の吸込管の吸込口も、それぞれ第2の側部によって被覆されない。
したがって、掃除機ノズルを直線構造に押し当てた状態と、直線構造に押し当てつつこの直線構造に沿って往復移動させる場合のいずれにおいても、埃等は第1及び第2の側部の各先端によって掃き出される。これと同時に第1及び第2の側部の各先端から掃き出された埃等は、その掃き出された方向のすべてにおいて、第1及び第2の吸込管によって直ちに吸い込まれる。
【0014】
また、掃除機ノズルを平面に当接させ、かつ基準線と直交する方向に向かって往復移動させると、第1の側部の先端または第2の側部の先端が移動方向と反対の方向へ向くように、第1の側部または第2の側部がそれぞれ屈曲する。よって、屈曲した第1の側部または第2の側部によって、埃等が往復移動方向へ向かってそれぞれ掃き出される。そして、掃き出された埃等は、第1の吸込管または第2の吸込管によって直ちに吸い込まれる。
【0015】
次に、第2の発明は、第1の発明においてブラシは、1以上の第1の側部と、1以上の第2の側部に加えて、第1の吸込管と第2の吸込管との隙間に配置される1以上の中間部を備え、先端面を正面視した場合に連続形状をなして配列されることを特徴とする。
このような構成の発明において、中間部は、直線または曲線であるか、基準線に対する角度がどの程度であるか、といった走行形状は特に限定されない。よって、ブラシの連続形状は、先端面を正面視した場合に、例えば、正弦波状やジグザグ状、矩形波状となる。
【0016】
このような構成の発明においては、第1の発明の作用に加えて、中間部の走行形状は特に限定されないことから、中間部によって、掃除機ノズルの移動方向に関わらず埃が掃き出される。そして、掃き出された埃は、中間部と隣接する第1及び第2の吸込管にそれぞれ吸い込まれることになる。
また、掃除機ノズルを基準線と直交する方向へ往復移動させる場合、中間部によって、第1の側部の側方または第2の側部の側方をすり抜けた埃等が、第1及び第2の吸込管の間を更にすり抜けてそれぞれ第2の側部または第1の側部の外側に到達する可能性が低減される。
【0017】
さらに、第3の発明は、第2の発明において、第1及び第2の側部は、それぞれ基準線に平行する直線状をなし、中間部は、基準線に直交する直線状をなすことを特徴とする。
このような構成の発明において、ブラシは、先端面を正面視した場合に、矩形波状の連続形状となる。よって、上記構成の発明においては、第2の発明の作用に加えて、掃除機ノズルを基準線と平行する方向に沿って移動させるとき、中間部がそれぞれ第1の側部と、第2の側部の間に存在する埃を特に効率よく掃き出すという作用を発揮する。
【0018】
そして、第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、複数の可撓管の先端面からの長さは、ブラシの先端面からの長さよりもそれぞれ短いことを特徴とする。
このような構成の第4の発明においては、第1乃至第3のいずれかの発明の作用に加えて、例えば、掃除機ノズルを床面上で基準線に直交する方向へ移動させるとき、ブラシのうち、第1及び第2の側部の各先端がそれぞれ床面に当接し、掃除機ノズルの進行方向と逆側に向かってしなる。しかし、複数の可撓管である第1及び第2の吸込管の各長さは、第1及び第2の側部の各長さよりもそれぞれ短いことから、第1及び第2の吸込管は、第1及び第2の側部程には屈曲し難い。その結果、第1及び第2の吸込管の各吸込口が進行方向側へ突出することになる。よって、ブラシが進行方向側へ掃き出した埃等を、第1及び第2の吸込管が直ちに吸い込むことができる。
【0019】
次に、第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、複数の可撓管は、それぞれ、先端に開口する吸込口と、本体の先端面に固定される固定部を備え、かつ内部の空間が固定部から吸込口に向かうにつれて狭まる先細形状をなしていることを特徴とする。
このような構成の第5の発明においては、第1乃至第4のいずれかの発明の作用に加えて、複数の可撓管がそれぞれ先細形状をなしているため、吸込口から吸い込まれた埃等が可撓管の内部の空間に詰まることがない。
【0020】
さらに、第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、複数の可撓管は、横断面上で1以上の角部がそれぞれ形成されることを特徴とする。
このような構成の第6の発明においては、第1乃至第5のいずれかの発明の作用に加えて、角部において、可撓管が過度に屈曲することが防止される。また、屈曲した可撓管が元の直線的な形状に戻る復元力は、角部の方が角部以外の箇所よりも強い。
【発明の効果】
【0021】
第1の発明によれば、掃除機ノズルを直線構造に押し当てた状態と、直線構造に押し当てつつこの直線構造に沿って往復移動させる場合のいずれにおいても、埃等は第1及び第2の側部の各先端によって掃き出される。これと同時に第1及び第2の側部の各先端から掃き出された埃等は、その掃き出された方向のすべてにおいて、第1及び第2の吸込管によって吸い込まれる。そのため、第1の発明によれば、第1及び第2の側部によって掃き出される埃等を周囲に飛散させることがなく、埃等を効率的に吸い込むことができる。
また、第1及び第2の吸込管は、すべて直線構造に沿って略直線状に配列することから、直線構造から離れた清掃対象でない箇所に第1及び第2の吸込管の吸込口が開口しない。よって、第1の発明によれば、掃除機の吸引力を有効に利用可能である。
そして、掃除機ノズルを平面に当接させる場合においても、進行方向側へ掃き出された埃等は、第1の吸込管または第2の吸込管によって直ちに吸い込まれるから、第1の発明によれば、埃等を周囲に飛散させることがなく、埃等を効率的に吸い込むことができる。
さらに、第1の発明によれば、第1及び第2の吸込管と、ブラシの本数や配置により、先端面上でのこれらの分布を様々に変更可能であるから、清掃対象の大きさや形状に応じた最適な分布に設計できる。
【0022】
第2の発明によれば、第1の発明の効果に加えて、掃除機ノズルの移動方向に関わらず埃が中間部によって掃き出され、その後第1及び第2の吸込管にそれぞれ吸い込まれることになることから、中間部が設けられることによって、埃等をより効果的に掃き出すことができ、清掃効率を向上させることができる。
また、掃除機ノズルを基準線と直交する方向へ往復移動させる場合では、中間部によって、埃等が第1の側部の側方または第2の側部の側方と、第1及び第2の吸込管の間をそれぞれすり抜けて、第2の側部または第1の側部の外側に到達する可能性が低減されるため、第1の吸込管または第2の吸込管が確実に埃等を吸い込めるように埃等の流れを誘導することができる。
【0023】
第3の発明によれば、第2の発明の効果に加えて、例えば、掃除機ノズルを平面上で基準線と平行する方向に沿って往復移動させるとき、中間部によって第1の側部と第2の側部の間に存在する埃等が特に効率よく掃き出される。そして、掃き出された埃等は、第1及び第2の吸込管にそれぞれ直ちに吸い込まれることになる。そのため、第3の発明は、例えば窓のレールや家具と壁の隙間といった掃除機ノズルを一定方向にしか移動させることができない箇所の清掃に、好適に使用できる。
【0024】
第4の発明によれば、第1乃至第3のいずれかの発明の効果に加えて、第1及び第2の吸込管は、各先端が床面に当接しつつ、第1及び第2の側部程には屈曲し難い。また、掃除機ノズルの進行方向側に第1及び第2の吸込管の各吸込口が突出するため、ブラシが第1及び第2の吸込管に隣接していてもこのブラシによって埃等の吸い込みが妨げられることがない。よって、第4の発明によれば、ブラシが進行方向に向かって掃き出した埃等を直ちに吸い込むことができるという効果を有する。
【0025】
第5の発明によれば、第1乃至第4のいずれかの発明の効果に加えて、吸込口を通過した埃等が可撓管の内部に詰まることがないので、清掃効率を高い状態に維持することができる。
【0026】
第6の発明によれば、第1乃至第5のいずれかの発明の効果に加えて、可撓管の角部において、可撓管が過度に屈曲することが防止されるため、その吸込口が清掃対象物と対向しなくなることや、可撓管の途中で閉止箇所が発生することを防止できる。
また、角部を備えることで可撓管が屈曲する方向をある程度制御できる。そのため、複数の可撓管の屈曲方向を一様に揃え、各吸込口の分布範囲が過度に拡大することを防止できる。
さらに、角部の復元力の方が、角部以外の箇所の復元力よりも強いことから、屈曲から復元した後の複数の可撓管の姿勢が揃い易く、掃除機ノズルを連続して異なる移動方向に移動させた後に、各吸込口が不規則な方向に開口することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】(a)は実施例に係る掃除機ノズルを、斜方向から見た場合の外観図であり、(b)は同掃除機ノズルを構成する可撓管を、斜方向から見た場合の透視図である。
図2】実施例に係る掃除機ノズルを、図1(a)におけるA方向から見た場合の外観図である。
図3】(a)は実施例に係る掃除機ノズルの試作品を正面から撮影した正面画像であり、(b)は(a)におけるB方向から撮影した側面画像であり、(c)は(a)におけるC方向から撮影した斜視画像である。
図4】(a)乃至(c)は、それぞれ実施例に係る掃除機ノズルの作用を説明するための試作品の画像である。
図5】(a)及び(b)はそれぞれ実施例に係る掃除機ノズルを図1におけるA方向から見た場合の外観図であり、(c)は(a)におけるD-D線矢視断面図であり、(d)は(b)におけるE-E線矢視断面図である。
図6】(a)及び(b)は、それぞれ実施例に係る掃除機ノズルを構成する第1及び第2の吸込管の作用を説明するための試作品の画像である。
図7】(a)及び(b)は、それぞれ実施例に係る掃除機ノズルの作用を説明するための試作品の画像である。
図8】(a)及び(b)は、それぞれ図5(a)におけるD-D線と同一位置での矢視断面図である。
図9】(a)乃至(c)は、それぞれ実施例に係る掃除機ノズルの作用を説明するための試作品の画像である。
図10】(a)及び(b)は、それぞれ実施例の第1及び第2の変形例に係る掃除機ノズルを、図1におけるA方向から見た場合の外観図である。
図11】(a)は従来技術に係る掃除機ノズルを斜方向から見た場合の外観図であり、(b)は(a)におけるE方向から見た場合の側面図である。
図12】(a)は従来技術に係る掃除機ノズルを図11(b)におけるF方向から見た場合の外観図であり、(b)は(a)におけるG-G線矢視断面図である。
図13】(a)は従来技術に係る掃除機ノズルを下斜め方向から見た場合の外観図であり、(b)は図12(a)におけるH-H線と同一位置での矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0028】
本発明の実施の形態に係る掃除機ノズルについて、図1乃至図4を用いて説明する。図1(a)は実施例に係る掃除機ノズルを、斜方向から見た場合の外観図であり、図1(b)は同掃除機ノズルを構成する可撓管を、斜方向から見た場合の透視図である。図2は、実施例に係る掃除機ノズルを、図1(a)におけるA方向から見た場合の外観図である。
図1(a)に示すように、本発明の実施の形態に係る掃除機ノズル1は、掃除機の吸込パイプ(図示せず)に接続口2aが接続される本体2と、本体2の先端面2bから前方に向かって突出する複数の可撓性を有する可撓管3及びブラシ4を備える。なお、前方とは、先端面2bの法線方向(図中Z方向)である。また、A方向は、Z方向の逆方向である。
【0029】
掃除機ノズル1のうち、本体2は硬質の合成樹脂材から形成され、その先端面2bは長方形状である。また、本体2は、接続口2aが開口した略円筒形状をなす接続部2Aを備える。なお、複数の可撓管3が連続して1列に配列する方向が先端面2bの長手方向Yであり、長手方向Yに直交する方向が先端面2bの短手方向Xである。また、Z方向は、長手方向Yと直交し、かつ短手方向Xと直交している。
さらに、可撓管3は柔軟性と復元力を有する合成樹脂材から形成されるとともに、横断面上で4カ所の角部3e(図1(b)参照)が形成される略正方形筒体であって、可撓管3の先端に開口する吸込口3aと、先端面2bに埋設固定される固定部3bを備える。
なお、可撓管3の横断面とは、長手方向Yと短手方向XがなすX-Y面と平行な面をいう。また、複数の可撓管3の先端面2bからの長さLは、ブラシ4の先端面2bからの長さLよりも短い。具体的には、長さLと長さLの比率は、9:10であるが、これ以外の比率、例えば7:10や8:10であってもよい。
そして、ブラシ4は、埃やゴミを掃き出すために必要な適度な硬さと復元力を有する合成樹脂から形成され、先端4aと、先端面2bに植設される基端4bを備える。
【0030】
また、図1(b)に示すように、可撓管3は、その内部の空間が固定部3bから吸込口3aに向かうにつれて狭まる先細形状をなしている。詳細には、可撓管3の横断面上において、固定部3bでの内部の面積S(斜線部)は、吸込口3aでの内部の面積S(斜線部)よりも大きい。
したがって、吸込口3aから吸い込まれた埃等が、固定部3bへ移動する途中で、可撓管3の内部の空間に詰まることがない。
さらに、可撓管3は、横断面上で、一対の辺3c,3cと、辺3c,3cに直交する一対の辺3d,3dと、この辺3c,3d同士がなす4カ所の角部3eを備える。具体的には、辺3c,3cは、基準線Lに平行であり、辺3d,3dは、基準線Lに直交する。よって、可撓管3は、角部3e,3eを結ぶ2本の対角線が延長される方向Lに沿って、外方へ過度に屈曲することが防止される。
【0031】
次に、図2に示すように、複数の可撓管3は、3本の第1の吸込管5と、3本の第2の吸込管6からなる。
3本の第1の吸込管5は、本体2の先端面2b上の基準線Lに沿って配列され、それぞれ吸込口5aが開口する。また、3本の第2の吸込管6は、基準線Lに沿って、かつ第1の吸込管5と交互に配列され、それぞれ吸込口6aが開口する。
ここで、基準線Lとは、先端面2bの一対の長辺2b,2bと、長手方向Yにいずれも平行であり、かつ先端面2bの一対の短辺2b,2bを均等に二分割する仮想の直線である。なお、長辺2bの長さと、短辺2bの長さの比率は、例えば、6:1に構成される。
【0032】
また、ブラシ4は、本体2の周縁部2c寄りに配置される3個の第1の側部7と、周縁部2c寄りに配置される3個の第2の側部8と、第1の吸込管5と第2の吸込管6との隙間Sに配置される5個の中間部9と、周縁部2c寄りに配置される最外部10a,10bを備える。なお、第1の側部7、第2の側部8、中間部9及び最外部10a,10bは、それぞれ先端面2b上の細長い長方形状の領域に隙間なく植設された毛束である。
このうち、第1の側部7は、第1の吸込管5の周面のうち、基準線Lから最も遠い第1の周面5bの外側にそれぞれ配置される。また、第2の側部8は、第2の吸込管6の周面のうち、基準線Lを挟んで第1の周面5bと反対側にあり、かつ基準線Lから最も遠い第2の周面6bの外側にそれぞれ配置される。
【0033】
そして、3箇所の第1の側部7と、3箇所の第2の側部8は、それぞれ基準線Lに平行する直線状をなしている。
また、5箇所の中間部9は、第1の側部7と、この第1の側部7と隣り合う第2の側部8を結び、それぞれ基準線Lに直交する直線状をなしている。
さらに、最外部10a,10bも、それぞれ基準線Lに直交する直線状をなしている。したがって、ブラシ4は、先端面2bを正面視した場合に、矩形波状に連続して配列される。
【0034】
続いて、掃除機ノズル1の試作品の構成について、図3を用いて説明する。図3(a)は実施例に係る掃除機ノズルの試作品を正面から撮影した正面画像であり、図3(b)は図3(a)におけるB方向から撮影した側面画像であり、図3(c)は図3(a)におけるC方向から撮影した斜視画像である。
図3(a)乃至図3(c)に示すように、掃除機ノズル1の試作品においては、ブラシ4を構成する第1の側部7、第2の側部8、中間部9及び最外部10a,10bが、いずれも先端面2b上の円形状の小領域に植設された複数の小束4Aから構成されている。さらに、略円筒形状をなす接続部2A´は、図1に示す接続部2Aよりも長めに形成されている。
【0035】
次に、掃除機ノズルを隅部に押し付けた際の作用について、図4と、比較例である図11及び図12を用いて説明する。図4(a)乃至図4(c)は、それぞれ実施例に係る掃除機ノズルの作用を説明するための試作品の画像であって、図4(a)は掃除機ノズルを上斜め方向から見たものであり、図4(b)及び図4(c)はそれぞれ可撓管の吸込口の側から見たものである。図11(a)は従来技術に係る掃除機ノズルを斜方向から見た場合の外観図であり、図11(b)は図11(a)におけるE方向から見た場合の側面図である。図12(a)は従来技術に係る掃除機ノズルを図11(b)におけるF方向から見た場合の外観図であり、図12(b)は図12(a)におけるG-G線矢視断面図である。なお、図1乃至図3で示した構成要素については、図4においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0036】
図4(a)に示すように、掃除機ノズル1を、床面50aと壁面50bによってなされる直線構造50cを有する隅部50へ、床面50aに対して上斜め方向から押し付ける場合を想定するものとする。このとき、第2の側部8側を上方に向けると、第2の側部8の先端8aは、壁面50bへ当接する。
また、図4(b)に示すように、掃除機ノズル1を隅部50へ押し付ける前は、第1の吸込管5の吸込口5aと、第2の吸込管6の吸込口6aは、基準線L(図2参照)に沿って1列に配列している。一方、第1の側部7と、第2の側部8は、基準線Lから離れた位置にそれぞれ配列している。
【0037】
これに対し、図11(a)に示すように、従来技術に係る掃除機ノズル60は、2本の吸込管61aがそれぞれ図中横方向に直列した第1の列61b及び第2の列61cからなる複数の可撓管61と、この複数の可撓管61の周囲を取り囲むブラシ62と、先端面63aに可撓管61及びブラシ62が固着される本体63を備える。また、ブラシ62は、先端面63aに対し垂直な方向に延びるよう固着されている。
【0038】
また、実施例に係る掃除機ノズル1においては、図4(b)の状態から、基準線L(図2参照)を直線構造50cに沿わせるように、掃除機ノズル1を透明の隅部50へ押し当てると、ブラシ4のうち、特に第1の側部7の先端7aと、第2の側部8の先端8aがそれぞれ床面50aと壁面50bに当接してしなり、互いに接近する方向へ屈曲する。
【0039】
よって、図4(c)に示すように、第1の側部7の先端7aと、第2の側部8の先端8aが、すべて隅部50の直線構造50cに集められて略直線状に配列される。
また、第1の吸込管5及び第2の吸込管6については、屈曲した第1の側部7によって第1の吸込管5が押されるとともに、屈曲した第2の側部8によって第2の吸込管6が押されることになる。そのため、3本の第1の吸込管5の吸込口5aは、隅部50の直線構造50cを超えてこの直線構造50cからやや離れ、略直線状に配列される。3本の第2の吸込管6の吸込口6aも同様である。
【0040】
そのため、先端7a,8aと、吸込口5a,6aが、いずれも直線構造50cに沿って配列される。なお、詳細には、第1の吸込管5の吸込口5aは、直線構造50cを挟んで第1の側部7の先端7aと対称的に配置され、第2の吸込管6の吸込口6aは、直線構造50cを挟んで第2の側部8の先端8aと対称的に配置される。よって、第1の吸込管5の吸込口5aは、それぞれ第1の側部7によって被覆されない。同様に、第2の吸込管6の吸込口6aも、それぞれ第2の側部8によって被覆されない。
したがって、掃除機ノズル1を直線構造50cに押し当てた状態と、直線構造50cに押し当てつつこの直線構造50cに沿って往復移動させる場合のいずれにおいても、埃等は第1の側部7、第2の側部8、中間部9及び最外部10a,10bによって掃き出される。同時に第1の側部7、第2の側部8等から掃き出された埃等は、その掃き出された方向のすべてにおいて、第1の吸込管5及び第2の吸込管6によって直ちに吸い込まれる。
【0041】
これに対し、従来技術に係る掃除機ノズル60においては、第1の列61b及び第2の列61cが直線構造50cに沿って配置されるよう、掃除機ノズル60を透明の隅部50(図4参照)へ押し当てると、図12(a)に示すように、ブラシ62の先端62aが、直線構造50cと平行する方向に拡張し、かつ直線構造50cと直交する方向に狭まるよう変形する。
また、可撓管61の第1の列61bと、第2の列61cは、上記の狭まったブラシ62に押されて互いに接近するものの、これらは直線構造50cの直上に集中して配置されない。そのため、掃除機ノズル60は、直線構造50cに溜まった埃等を十分に掃き出して吸い込むことができない。
【0042】
次に、図12(a)に示された掃除機ノズル60の状態を側面視すると、図11(b)に示すように、ブラシ62の先端62aのうち、互いに最も遠く離れた両側部分(楕円で囲んだ部分)のみが直線構造50cに当接していることが分かる。同様に、図12(b)に示すように、直線構造50cに当接するブラシ62の先端62aは、図12(a)に示す楕円で囲んだ部分のみであって、第1の列61bと、第2の列61cは、いずれも直線構造50cから離れた位置にある。
よって、掃除機ノズル60を直線構造50cに沿って往復移動させる場合においても、ブラシ62の両側部分しか埃等を掃き出すことができない。さらに、可撓管61が直線構造50cに集中して配置されないため、やはり可撓管61が掃き出された埃等を十分に吸い込むことができない。
【0043】
また、掃除機ノズル60を直線構造50cに直交する方向に沿って往復移動させる場合では、ブラシ62が、その外側に埃等を弾いてしまうことも考えられる。このブラシ62の外側に弾かれた埃等を吸込管61aが吸引するには、掃除機ノズル60を広範囲に繰り返し移動させる必要がある。
一方、図示は省略するが、ブラシ62を細長い溝や段差に押し付けたり、この溝等に沿って移動させたりする場合においても、ブラシ62の一部と複数の可撓管61の一部しか溝等に届かない。
よって、従来技術に係る掃除機ノズル60においては、清掃対象が隅部50や溝といった平面形状でないとき、掃除機ノズル60の移動方向に関わらず掃除機本体の吸引力を有効に利用することができない上に、その周囲に埃を飛散させるおそれがあるため、清掃に要する時間が長くなる可能性がある。
【0044】
続いて、掃除機ノズル1を構成する第1及び第2の吸込管の作用について、図5及び図6を用いて説明する。図5(a)及び図5(b)はそれぞれ実施例に係る掃除機ノズルを図1におけるA方向から見た場合の外観図であり、図5(c)は図5(a)におけるD-D線矢視断面図であり、図5(d)は図5(b)におけるE-E線矢視断面図である。図6(a)及び図6(b)は、それぞれ実施例に係る掃除機ノズルを構成する第1及び第2の吸込管の作用を説明するための試作品の画像であって、図6(a)は掃除機ノズルを上斜め方向から見たものであり、図6(b)は図6(a)の掃除機ノズルを下斜め方向から見たものである。なお、図1乃至図4で示した構成要素については、図5及び図6においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図5(a)に示すとおり、ブラシ4を隅部50に押し付ける前においては、図5(c)に示すように、第2の側部8と、第2の吸込管6は、いずれも本体2の先端面2bからZ方向に向かって真っ直ぐに突出している。
【0045】
これに対し、ブラシ4を隅部50に押し付けたとき、図5(b)及び図5(d)に示すように、第2の側部8は、その先端8aが壁面50bに当接して直線構造50cに向かって屈曲する。さらに、第2の吸込管6も、屈曲した第2の側部8に押されて床面50aに向かって屈曲する。一方、第1の吸込管5は、壁面50bに向かって屈曲した第1の側部7に押されてこれと同様に屈曲する。これにより、吸込口5a,6aは、直線構造50cに集合した第1の側部7の先端7a及び第2の側部8の先端8aからそれぞれ離れる側に、突出する。
【0046】
実際には、図6(a)に示すように、ブラシ4を第1の側部7側を上方に向けて隅部50に押し付けたとき、第1の側部7の先端7aは、壁面50bに当接して直線構造50cに集められる。しかし、第2の吸込管6の吸込口6aの先端面2bからの長さL(図1参照)は、第1の側部7の先端7aからの長さL(図1参照)よりも短いため、吸込口6aは壁面50bに当接しない。よって、吸込口6aと壁面50bとの間に隙間S1が形成されるため、吸込口6aが壁面50bによって閉止されない。加えて、吸込口6aは、第1の側部7より外側に突出する。
【0047】
同様に、図6(b)に示すように、第1の吸込管5の吸込口5aの先端面2bからの長さLは、第2の側部8の先端8aからの長さLよりも短いため、第1の吸込管5の吸込口5aは床面50aに当接しない。よって、吸込口5aと壁面50bとの間にも、隙間S2が形成されるため、吸込口5aが床面50aによって閉止されない。加えて、吸込口5aは、第2の側部8より外側に突出する。上記は、ブラシ4を第2の側部8側を上方に向けて隅部50に押し付けたときも同様である。
【0048】
さらに、掃除機ノズルを平面上で移動させた際の作用について、図7乃至図9と、比較例である図12を用いて説明する。図7(a)及び図7(b)は、それぞれ実施例に係る掃除機ノズルの作用を説明するための試作品の画像であって、平面上で基準線と直交する方向へ移動させたときの掃除機ノズルを上斜め方向から見たものである。なお、図1乃至図6で示した構成要素については、図7乃至図9においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図7(a)に示すように、ブラシ4の先端4aを平面51に当接させ、さらにこの平面51上で掃除機ノズル1を基準線L(図2参照)と直交する進行方向Pへ移動させたとき、3箇所の第1の側部7が、いずれも進行方向Pと逆の方向へ屈曲する。そのため、3本の第2の吸込管6がそれぞれ第1の側部7同士の間から突出する。また、第1の吸込管5及び第2の吸込管6の長さL図1参照)は、ブラシ4の長さL図1参照)よりも短いため、吸込口6aが平面51によって閉止されず、開口した状態が維持される。
【0049】
したがって、図7(b)に示すように、3箇所の第1の側部7によって埃等が進行方向Pに向かって掃き出されたとき、この埃等は白抜矢印で示すように、第2の吸込管6によって、速やかに吸い込まれる。
なお、図示は省略するが、掃除機ノズル1を進行方向Pと逆方向へ移動させたときにおいては、第2の側部8によって掃き出された埃等は、第2の側部8同士の間から突出した第1の吸込管5によって、速やかに吸い込まれる。
【0050】
また、第2の吸込管6に注目したときの作用を、図8を用いて説明する。図8(a)及び図8(b)は、それぞれ図5(a)におけるD-D線と同一位置での矢視断面図である。
図8(a)に示すように、ブラシ4の先端4aを平面51に当接させる直前では、第2の吸込管6は、本体2の先端面2bからZ方向に向かって突出している。
これに対し、図8(b)に示すように、ブラシ4の先端4aを平面51に当接させ、かつ進行方向Pに向かって移動させると、屈曲したブラシ4の第2の側部8によって、埃等(図中黒丸印)が進行方向Pへ掃き出される。掃き出された埃等は、開口した吸込口6aを通過して第2の吸込管6へ吸い込まれる。ブラシ4を進行方向Pと逆の方向に移動させる場合も同様に、第1の側部7によって掃き出された埃等は、開口した吸込口5aを通過して第1の吸込管5へ吸い込まれる。
【0051】
続いて、図9(a)乃至図9(c)は、それぞれ実施例に係る掃除機ノズルの作用を説明するための試作品の画像であって、ブラシの先端側から、かつ上斜め方向から見たものである。このうち、図9(a)は、ブラシの先端を平面に当接させる前のものである。また、図9(b)及び図9(c)は、ブラシの先端を平面上で基準線と平行な方向へ移動させたときのものである。なお、図1乃至図8で示した構成要素については、図9においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図9(a)に示すように、ブラシ4の先端4aを平面51に当接させる前は、ブラシ4、第1の吸込管5及び第2の吸込管6は、図1の場合と同様に、いずれも屈曲していない状態にある。
【0052】
次に、図9(b)に示すように、ブラシ4の先端4aを透明な平面51に当接させ、さらにこの平面51上で、掃除機ノズル1を基準線L(図2参照)と平行な進行方向Qへ移動させたときを想定する。すると、先端4aが進行方向Qと逆の方向へ向かうため、ブラシ4全体が屈曲する。
そして、第1の吸込管5と第2の吸込管6は、屈曲した中間部9及び最外部10bに押されて、進行方向Qと逆の方向へやや屈曲する。しかし、前述したように、第1の吸込管5及び第2の吸込管6の長さLは、ブラシ4の長さLよりも短いため、吸込口5a,6aが平面51によって閉止されることはない。
【0053】
そのため、図9(c)に示すように、ブラシ4を進行方向Qに向かって移動させたとき、中間部9(図9(a)及び図9(b)参照)と、最外部10a,10bは、進行方向Qに直交する方向に沿って分布しているため、より多くの埃等を掃き出すことができる。
また、5箇所の中間部9と、最外部10a,10bの間には、それぞれ吸込口5a,6aが開口していることから、5箇所の中間部9と、最外部10aによって進行方向Qに向かって掃き出された埃等は、白抜矢印で示すように、中間部9等に隣接する第1の吸込管5と第2の吸込管6によって速やかに吸い込まれる。ブラシ4を進行方向Qと逆の方向に移動させる場合も同様である。
【0054】
次に、従来技術に係る掃除機ノズルが備える吸込管61aの作用を、図13を用いて説明する。図13(a)は従来技術に係る掃除機ノズルを下斜め方向から見た場合の外観図であり、図13(b)は図12(a)におけるH-H線と同一位置での矢視断面図である。
図13(a)及び図13(b)に示すように、従来技術に係る掃除機ノズル60においては、掃除機ノズル60を平面51に当接させて進行方向Qに向かって移動させたとき、埃等(図中黒丸印)をブラシ62よりも進行方向Q側に掃き出す。
しかし、4本の吸込管61aはブラシ62によって取り囲まれているため、ブラシ62の外側に掃き出された埃等は、ブラシ62の隙間を通過した極めてわずかな量のみが吸込管61aによって吸い込まれる。
【0055】
また、図13(b)に示すように、ブラシ62の内側では、ブラシ62と吸込管61aとの間隔が空いているため、ブラシ62の内側に掃き出された埃等は、一部のみが吸込管61aによって吸い込まれる。
このように、掃除機ノズル60においては、埃等の吸い込み効率が良好でない。そのため、ユーザーは埃等をできるだけ多く吸い込もうとして、掃除機ノズル60を進行方向Qに沿って繰り返し往復して移動させようとするが、前述したように、ブラシ62が埃等をかえって広範囲に飛散させてしまうおそれがある。
【0056】
以上説明したように、掃除機ノズル1によれば、掃除機ノズル1を隅部50に押し当てる場合、第1の側部7の先端7a及び第2の側部8の先端8aと、第1の吸込管5の吸込口5a及び第2の吸込管6の吸込口6aが、いずれも隅部50の直線構造50cに沿って配列される。そのため、掃除機ノズル1によれば、第1の側部7、第2の側部8、第1の吸込管5及び第2の吸込管6のすべてを直線構造50cに集中させて配置できる。よって、掃除機本体の吸引力を有効に利用可能である。
【0057】
また、第1の側部7と第2の側部8がいずれも屈曲することで第2の吸込管6と第1の吸込管5がそれぞれ突出し、その結果、吸込口5a,6aがブラシ4の外側に開口するため、ブラシ4が第1の吸込管5及び第2の吸込管6に隣接していても、このブラシ4によって埃等の吸い込みが妨げられることがないという効果を有する。加えて、第1の吸込管5及び第2の吸込管6は、第1の側部7の先端7a及び第2の側部8の先端8aから掃き出された埃等を、その掃き出された方向のすべてにおいて、直ちに吸い込むことができる。
よって、掃除機ノズル1によれば、隅部50に押し当てたブラシ4を直線構造50cに沿って往復運動をさせる場合において、第1の吸込管5及び第2の吸込管6が埃等をもれなく吸い込み可能であるため、周囲に埃等を飛散させることがないとともに、清掃に要する時間を短縮できる。
【0058】
さらに、掃除機ノズル1を平面51上で基準線Lに直交する方向に沿って往復移動させる場合には、特に第1の側部7及び第2の側部8によって掃き出された埃等が、それぞれ基準線Lに沿って隣接する第2の吸込管6及び第1の吸込管5に吸い込まれることから、掃除機ノズル1によればやはり埃等を効率的に吸引できる。
また、掃除機ノズル1を平面51上で基準線Lと平行な方向へ移動させた場合では、中間部9及び最外部10a,10bによって、埃等を効率的に掃き出すことができる。さらに、掃き出された埃等は、第1の吸込管5及び第2の吸込管6によって速やかに吸い込まれることから、掃除機ノズル1を広範囲に繰り返し移動させる必要がなく、清掃にかかる手間と時間を軽減できる。
【0059】
加えて、掃除機ノズルの移動方向に関わらず、吸込口3aを通過した埃等が、第1の吸込管5及び第2の吸込管6、すなわち可撓管3の内部に詰まることがないので、清掃効率を高い状態に維持することができる。
そして、4カ所の角部3eにおいて、可撓管3が外方へ過度に屈曲することが防止されるため、可撓管3の吸込口3aが清掃対象物と対向しなくなることや、可撓管3の途中で閉止箇所が発生することを防止できる。
【0060】
また、角部3eを備えることで、可撓管3が屈曲する方向をある程度制御できる。具体的には、角部3eが基準線Lに平行な辺3c,3cと、基準線Lに直交する辺3d,3dの各交点の4カ所に形成されることにより、複数の可撓管3の屈曲方向が基準線Lに平行または基準線Lに直交する方向に揃えられる。そのため、ブラシ4の先端4aの屈曲方向と無関係に、可撓管3が屈曲することを防止できる。
さらに、角部3eの復元力の方が、辺3c,3dの復元力よりも強い。よって、屈曲から復元した後の複数の可撓管3の姿勢が揃い易く、掃除機ノズル1を連続して異なる移動方向に移動させた後に、各吸込口3aが不規則な方向に開口することを防止できる。したがって、掃除機ノズル1の姿勢を清掃対象物の形状に応じて様々に変化させるときにおいても、常に効率良く埃等を吸い込むことができる。
【0061】
さらに、実施例の第1及び第2の変形例に係る掃除機ノズルの構成について、図10を用いて説明する。図10(a)及び図10(b)は、それぞれ実施例の第1及び第2の変形例に係る掃除機ノズルを、図1におけるA方向から見た場合の外観図である。なお、図1乃至図9で示した構成要素については、図10においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図10(a)に示すように、実施例の第1の変形例に係る掃除機ノズル1Aは、実施例に係る掃除機ノズル1を構成するブラシ4の代わりに、ブラシ11を備える。また、掃除機ノズル1Aは、4本の第1の吸込管5と、3本の第2の吸込管6を備え、これらの配置が掃除機ノズル1の場合と異なっている。これ以外の掃除機ノズル1Aの構成は、掃除機ノズル1の構成と同様である。
【0062】
ブラシ11は、本体2の長辺2b,2bにおける周縁部2c寄りにそれぞれ配置される4箇所の第1の側部12(斜線部)及び3箇所の第2の側部13(斜線部)と、第1の吸込管5と第2の吸込管6との隙間Sにそれぞれ配置される6箇所の中間部14(黒塗部)と、本体2の短辺2b,2bにおける周縁部2c寄りにそれぞれ配置される最外部15a,15bからなる。
【0063】
すなわち、ブラシ11は、本体2の先端面2b上で、3本の第1の側部12からなる鋭角部Cと、3本の第2の側部13からなる鋭角部Cを備えるジグザグ状の連続形状をなしている。あるいは、図1に示した本発明の実施の形態に係る掃除機ノズル1のブラシ4が矩形波状であれば、第1の変形例に係る掃除機ノズル1Aのブラシ11は三角波状の連続形状をなしているとも言える。なお、第1の側部12、第2の側部13、中間部14及び最外部15a,15bは、それぞれ先端面2b上に植設された複数本の小束から構成される。
次に、4本の第1の吸込管5と、3本の第2の吸込管6は、それぞれ基準線Lに沿って交互に、かつ基準線Lから互いに離れる方向に配置される。よって、これらの第1の吸込管5と、第2の吸込管6を結ぶと、先端面2b上でジグザグ状の連続形状をなしている。
【0064】
上記構成の掃除機ノズル1Aにおいては、例えば、図3で示したような隅部50の直線構造50cに基準線Lを沿わせて、掃除機ノズル1Aを隅部50に押し当てると、ブラシ11の鋭角部C,Cが基準線Lに向かってそれぞれ屈曲する。よって、第1の吸込管5が屈曲した鋭角部Cと、これに隣接する中間部14及び最外部15a,15bによって押される。これと同時に、第2の吸込管6が屈曲した鋭角部Cと、これに隣接する中間部14によって押される。したがって、第1の吸込管5と、第2の吸込管6が基準線Lに沿ってジグザグ状に配列する。
そのため、鋭角部C,Cと、中間部14や最外部15a,15bの一部によって、埃等が直線構造50cに集められる。よって、第1の吸込管5及び第2の吸込管6が、この集められた埃等を効率的に吸い込むことができる。さらに、中間部14が隙間Sを横切るように配置されていることから、埃等が飛散することを防止できる。
また、掃除機ノズル1Aを直線構造50cに沿って往復移動させる場合では、特に中間部14及び最外部15a,15bによって埃等が掃き出される。そして、掃き出された埃等は、第1の吸込管5及び第2の吸込管6によって吸い込まれる。
【0065】
また、掃除機ノズル1Aを、例えば、図5で示したような平面51上で、基準線Lと直交する進行方向Rに向かって移動させると、鋭角部Cと、この鋭角部Cに隣接する中間部14によって進行方向Rへ掃き出された埃等が、第2の吸込管6によって吸い込まれる。また、掃除機ノズル1Aを進行方向Rと逆の進行方向Rに向かって移動させると、鋭角部Cと、この鋭角部Cに隣接する中間部14及び最外部15a,15bによって進行方向Rへ掃き出された埃等が、第1の吸込管5によって吸い込まれる。
さらに、掃除機ノズル1Aを、基準線Lと平行な方向に沿って往復移動させる場合では、ブラシ11のうち、特に中間部14と、最外部15a,15bによって埃等を掃き出すことができる。なお、中間部14と、最外部15a,15bは、基準線Lに対して傾斜して配列されるため、掃除機ノズル1Aを基準線Lと直交及び平行する以外の任意の方向に往復移動させる場合においても、多くの埃等を掃き出すことができる。これ以外の掃除機ノズル1Aの作用及び効果は、掃除機ノズル1の作用及び効果と同様である。
【0066】
続いて、実施例の第2の変形例に係る掃除機ノズルの構成について説明する。
図10(b)に示すように、実施例の第2の変形例に係る掃除機ノズル1Bは、実施例に係る掃除機ノズル1を構成するブラシ4の代わりに、ブラシ16を備える。また、掃除機ノズル1Bは、3本の第1の吸込管5と、3本の第2の吸込管6を備え、これらの配置は掃除機ノズル1と同様に、基準線Lに沿って1列、かつ交互に配列される。これ以外の掃除機ノズル1Bの構成は、掃除機ノズル1の構成と同様である。
【0067】
ブラシ16は、本体2の長辺2b,2bにおける周縁部2c寄りにそれぞれ配置される3箇所の第1の側部17(斜線部)及び3箇所の第2の側部18(斜線部)と、第1の吸込管5と第2の吸込管6との隙間Sにそれぞれ配置される5箇所の中間部19(黒塗部)と、本体2の短辺2b,2bにおける周縁部2c寄りにそれぞれ配置される最外部20a,20bからなる。
すなわち、ブラシ16は、先端面2b上で、3本の第1の側部17からなる湾曲部Cと、3本の第2の側部18からなる湾曲部Cを備える正弦波状の連続形状をなしている。なお、第1の側部17、第2の側部18、中間部19及び最外部20a,20bは、掃除機ノズル1Aと同様に、それぞれ先端面2b上の円形状の領域に植設された複数本の小束から構成される。
上記構成の掃除機ノズル1Bにおいては、掃除機ノズル1Aとほぼ同様の作用及び効果を有する。
【0068】
なお、本発明に係る掃除機ノズルは、実施例に示すものに限定されない。例えば、掃除機ノズル1のブラシ4では、中間部9、最外部10a,10bがそれぞれ省略されてもよい。また、掃除機ノズル1A,1Bのブラシ11,16は、それぞれ先端面2b上の細長い長方形状の領域に隙間なく植設された毛束から構成されてもよい。
さらに、第1の吸込管5及び第2の吸込管6は、それぞれ1本以上設けられればよい。加えて、第1の吸込管5及び第2の吸込管6は、先端面2bからの長さLがブラシ4の先端面2bからの長さLと同等であってもよい。このほか、第1の吸込管5及び第2の吸込管6は、X-Y面における横断面上で、略長方形状をなす以外にも、1カ所の角部が形成される扇形、2カ所の角部が形成される紡錘形、3カ所以上の角部が形成される多角形といった形状をなしていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係る掃除機ノズルは、掃除機の吸込パイプに接続されて、部屋の隅や細長の溝等に溜まった埃等を効率的に吸引することができ、平面上においては掃く方向に関わらず掃き出した埃等を直ちに吸い込むことができる掃除機ノズルとして利用可能である。
【符号の説明】
【0070】
1,1A,1B…掃除機ノズル 2…本体 2A,2A´…接続部 2a…接続口 2b…先端面 2b…長辺 2b…短辺 2c…周縁部 3…可撓管 3a…吸込口 3b…固定部 3c,3d…辺 3e…角部 4…ブラシ 4A…小束 4a…先端 4b…基端 5…第1の吸込管 5a…吸込口 5b…第1の周面 6…第2の吸込管 6a…吸込口 6b…第2の周面 7…第1の側部 7a…先端 8…第2の側部 8a…先端 9…中間部 10a,10b…最外部 11…ブラシ 12…第1の側部 13…第2の側部 14…中間部 15a,15b…最外部 16…ブラシ 17…第1の側部 18…第2の側部 19…中間部 20a,20b…最外部 50…隅部 50a…床面 50b…壁面 50c…直線構造 51…平面 60…掃除機ノズル 61…可撓管 61a…吸込管 61b…第1の列 61c…第2の列 62…ブラシ 62a…先端 63…本体 63a…先端面 L…基準線 C,C…鋭角部 C,C…湾曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-09-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機の吸込パイプに接続口が接続される本体と、前記本体の先端面から前方に向かって突出する複数の可撓性を有する可撓管及びブラシを備える掃除機ノズルであって、
複数の前記可撓管は、1以上の第1の吸込管と、1以上の第2の吸込管からなり、
1以上の前記第1の吸込管は、前記先端面上の基準線に沿って配列され、
1以上の前記第2の吸込管は、前記基準線に沿って、かつ前記第1の吸込管と交互に配列され、
前記ブラシは、1以上の第1の側部と、1以上の第2の側部を少なくとも備え、
前記第1の側部は、前記第1の吸込管の周面のうち、前記基準線から最も遠い第1の周面の外側にそれぞれ配置され、
前記第2の側部は、1以上の前記第2の吸込管の周面のうち、前記基準線を挟んで前記第1の周面と反対側にあり、かつ前記基準線から最も遠い第2の周面の外側にそれぞれ配置され
前記第1の吸込管及び前記第2の吸込管は、前記基準線と直交する方向に屈曲した前記ブラシの前記第2の側部同士の間及び前記第1の側部同士の間から、それぞれ突出可能に前記第1の側部及び前記第2の側部よりも短尺に構成されることを特徴とする掃除機ノズル。
【請求項2】
床面と壁面によってなされる直線構造を有する隅部の清掃に用いられる前記掃除機ノズルであって、
複数の前記可撓管は、それぞれ、先端に開口する吸込口を備えるとともに、
前記第1の側部及び前記第2の側部が、前記直線構造にいずれも当接する一方で、前記吸込口が前記第1の側部、前記第2の側部、前記床面及び前記壁面によって閉止されないように、複数の前記可撓管の前記先端面からの長さは、前記ブラシの前記先端面からの長さよりも短く構成されることを特徴とする請求項1に記載の掃除機ノズル。
【請求項3】
前記ブラシは、1以上の前記第1の側部と、1以上の前記第2の側部に加えて、前記第1の吸込管と前記第2の吸込管との隙間に配置される1以上の中間部を備え、前記先端面を正面視した場合に連続形状をなして配列されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の掃除機ノズル。
【請求項4】
前記第1及び第2の側部は、それぞれ前記基準線に平行する直線状をなし、
前記中間部は、前記基準線に直交する直線状をなすことを特徴とする請求項に記載の掃除機ノズル。
【請求項5】
複数の前記可撓管は、それぞれ、前記本体の前記先端面に固定される固定部を備え、かつ内部の空間が前記固定部から前記吸込口に向かうにつれて狭まる先細形状をなしていることを特徴とする請求項乃至請求項4のいずれか1項に記載の掃除機ノズル。
【請求項6】
複数の前記可撓管は、横断面上で1以上の角部がそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の掃除機ノズル。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機の吸込パイプに接続口が接続される本体と、前記本体の先端面から前方に向かって突出する複数の可撓性を有する可撓管及びブラシを備え、床面と壁面によってなされる直線構造を有する隅部の清掃に用いられる掃除機ノズルであって、
複数の前記可撓管は、1以上の第1の吸込管と、1以上の第2の吸込管からなり、
1以上の前記第1の吸込管は、前記先端面上の基準線に沿って配列され、
1以上の前記第2の吸込管は、前記基準線に沿って、かつ前記第1の吸込管と交互に配列され、
前記ブラシは、1以上の第1の側部と、1以上の第2の側部を少なくとも備え、
前記第1の側部は、前記第1の吸込管の周面のうち、前記基準線から最も遠い第1の周面の外側にそれぞれ配置され、
前記第2の側部は、1以上の前記第2の吸込管の周面のうち、前記基準線を挟んで前記第1の周面と反対側にあり、かつ前記基準線から最も遠い第2の周面の外側にそれぞれ配置され、
前記第1の吸込管及び前記第2の吸込管は、前記基準線と直交する方向に屈曲した前記ブラシの前記第2の側部同士の間及び前記第1の側部同士の間から、それぞれ突出可能に前記第1の側部及び前記第2の側部よりも短尺に構成され
複数の前記可撓管は、それぞれ、先端に開口する吸込口を備えるとともに、
前記第1の側部及び前記第2の側部が、前記直線構造にいずれも当接する一方で、前記吸込口が前記第1の側部、前記第2の側部、前記床面及び前記壁面によって閉止されないように、複数の前記可撓管の前記先端面からの長さは、前記ブラシの前記先端面からの長さよりも短く構成されることを特徴とする掃除機ノズル。
【請求項2】
前記ブラシは、1以上の前記第1の側部と、1以上の前記第2の側部に加えて、前記第1の吸込管と前記第2の吸込管との隙間に配置される1以上の中間部を備え、前記先端面を正面視した場合に連続形状をなして配列されることを特徴とする請求項1に記載の掃除機ノズル。
【請求項3】
前記第1及び第2の側部は、それぞれ前記基準線に平行する直線状をなし、
前記中間部は、前記基準線に直交する直線状をなすことを特徴とする請求項に記載の掃除機ノズル。
【請求項4】
複数の前記可撓管は、それぞれ、前記本体の前記先端面に固定される固定部を備え、かつ内部の空間が前記固定部から前記吸込口に向かうにつれて狭まる先細形状をなしていることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の掃除機ノズル。
【請求項5】
複数の前記可撓管は、横断面上で1以上の角部がそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の掃除機ノズル。