(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017776
(43)【公開日】2022-01-26
(54)【発明の名称】個人生体情報匿名化提供システム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20220119BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20220119BHJP
【FI】
G16H10/00
G06F21/62 354
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020120524
(22)【出願日】2020-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】508014464
【氏名又は名称】株式会社ブルーブックス
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳
(72)【発明者】
【氏名】志茂 英之
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】提供する医療データから個人が特定されることを防止できる個人生体情報匿名化提供システムを提供する。
【解決手段】分析端末4は、検索条件の入力を受け付ける統計条件設定部401と第一検索条件設定部402と第二検索条件設定部403と、グラフ表示部408とを備え、管理サーバ3は、受け付けた検索条件に基づいて患者データを抽出して抽出データを得るステップS13と、抽出した抽出データをグラフ表示部408に表示させるグラフ表示形態に加工するステップS14と、グラフ表示形態における少なくとも一要素に表示すべきデータ数が、予め定めた表示制限数以下か否かを判定するステップS15を実施し、判定した結果が表示制限数以下であった場合に当該表示制限数以下の一要素のデータ数を表示せずにグラフ表示形態を作成する個人生体情報匿名化提供システムとした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを管理する管理サーバと、
前記データの提供先が使用する分析端末とを備え、
前記管理サーバは、少なくとも患者の身体的特徴および医療検査結果を含む患者データの入力を受け付ける患者データ受付手段と、
前記患者データを記憶する患者データ記憶手段とを備え、
前記分析端末は、前記患者データを抽出する条件である一以上の検索条件の入力を受け付ける検索条件受付手段と、
前記患者データを一以上の表示形態で表示するデータ表示手段とを備え、
前記管理サーバまたは前記分析端末は、前記検索条件受付手段によって受け付けた前記検索条件に基づいて前記患者データを抽出して抽出データを得る患者データ抽出手段と、
抽出した前記抽出データを前記データ表示手段に表示させるグラフ表示形態に加工する抽出データ加工手段と、
前記グラフ表示形態における少なくとも一要素に表示すべきデータ数が、予め定めた表示制限数以下か否かを判定するデータ数判定手段とを備え、
前記抽出データ加工手段は、前記データ数判定手段によって判定した結果が前記表示制限数以下であった場合に当該表示制限数以下の一要素のデータ数を表示せずに前記グラフ表示形態を作成する
個人生体情報匿名化提供システム。
【請求項2】
前記管理サーバまたは前記分析端末は、前記抽出データを前記グラフ表示形態にて表示させる範囲の上限値および下限値を設定する表示範囲設定手段を備え、
前記抽出データ加工手段は、前記グラフ表示形態における前記上限値および下限値の範囲外を表示しないよう加工する
請求項1記載の個人生体情報匿名化提供システム。
【請求項3】
前記管理サーバまたは前記分析端末は、前記上限より大きい数値データのデータ数を合算する上限外合算処理と、前記下限より小さい数値データのデータ数を合算する下限外合算処理とを行う合算処理手段を備え、
前記データ数判定手段は、前記上限外合算処理の結果および前記下限外合算処理の結果が前記表示制限数以下であるかを判定し、
前記抽出データ加工手段は、前記データ判定手段によって判定した結果が前記表示制限数以下であった場合に当該上限外および当該下限外における当該表示上の前記患者データを表示させず、前記表示制限以下でなければ合算したデータ数を表示する
請求項2記載の個人生体情報匿名化提供システム。
【請求項4】
前記管理サーバまたは前記分析端末は、数値データを分割する分割単位を設定する分割単位設定手段を備え、
前記データ数判定手段は、前記分割単位毎の前記抽出データ数が前記表示制限数以下であるかを判定し、
前記抽出データ加工手段は、前記データ判定手段によって判定した結果が前記表示制限数以下であった場合に当該分割単位における前記患者データを表示させない構成である
請求項2または3記載の個人生体情報匿名化提供システム。
【請求項5】
前記管理サーバまたは前記分析端末は、前記検索条件受付手段と前記グラフ表示形態とを前記データ表示手段に一画面上に表示する
請求項1から4いずれかに記載の個人生体情報匿名化提供システム。
【請求項6】
データを管理する管理サーバと、
前記データの提供先が使用する分析端末とを備え、
前記管理サーバは、少なくとも患者の身体的特徴および医療検査結果を含む患者データの入力を患者データ受付手段によって受け付け、
前記患者データを患者データ記憶手段によって記憶し、
前記分析端末は、前記患者データを抽出する条件である一以上の検索条件の入力を検索条件受付手段によって受け付け、
前記患者データをデータ表示手段によって一以上の表示形態で表示し、
前記管理サーバまたは前記分析端末は、前記検索条件受付手段によって受け付けた前記検索条件に基づいて、前記患者データを患者データ抽出手段によって抽出して抽出データを得て、
抽出した前記抽出データを抽出データ加工手段によって前記データ表示手段に表示させるグラフ表示形態に加工し、
前記グラフ表示形態における少なくとも一要素に表示すべきデータ数が、予め定めた表示制限数以下か否かをデータ数判定手段によって判定し、
前記抽出データ加工手段は、前記データ数判定手段によって判定した結果が前記表示制限数以下であった場合に当該表示制限数以下の一要素のデータ数を表示せずに前記グラフ表示形態を作成する
個人生体情報匿名化提供方法。
【請求項7】
コンピュータを、
少なくとも患者の身体的特徴および医療検査結果を含む患者データの入力を受け付ける患者データ受付手段と、
前記患者データを記憶する患者データ記憶手段とを備える管理サーバと、
前記患者データを抽出する条件である一以上の検索条件の入力を受け付ける検索条件受付手段と、
前記患者データを一以上の表示形態で表示するデータ表示手段とを備える分析端末と、
前記検索条件受付手段によって受け付けた前記検索条件に基づいて前記患者データを抽出して抽出データを得る患者データ抽出手段と、
抽出した前記抽出データを前記データ表示手段に表示させるグラフ表示形態に加工する抽出データ加工手段と、
前記グラフ表示形態における少なくとも一要素に表示すべきデータ数が、予め定めた表示制限数以下か否かを判定するデータ数判定手段とを備える前記管理サーバまたは前記分析端末として機能させ、
前記抽出データ加工手段は、前記データ数判定手段によって判定した結果が前記表示制限数以下であった場合に当該表示制限数以下の一要素のデータ数を表示せずに前記グラフ表示形態を作成する
個人生体情報匿名化提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、個人の生体情報を匿名化して提供する個人生体情報匿名化提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な医療機関で大量の医療データが蓄積されている。この大量の医療データを収集し、複数の医療機関や研究機関でデータを共有する試みが行われている。
【0003】
例えば、管理機関おいてまとめて患者データを管理することで、複数の医療機関でデータを共有する方法が提案されている。(特許文献1参照)
【0004】
しかし、特許文献1のような医療データ提供方法は、研究機関にデータを提供するにあたって提供された医療データから個人が特定される、個人情報が漏洩する危険があるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上述の問題に鑑みて、提供する医療データから個人が特定されることを防止できる個人生体情報匿名化提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、医療関係者が使用する医療機関端末と、データを管理する管理サーバと、前記データの提供先が使用する分析端末とを備え、前記医療機関端末は、少なくとも患者の身体的特徴または医療検査結果を含む患者データの入力を受け付ける患者データ受付手段を備え、前記管理サーバは、前記患者データを記憶する患者データ記憶手段を備え、前記分析端末は、前記患者データを抽出する条件である一以上の検索条件の入力を受け付ける検索条件受付手段と、前記患者データを一以上の表示形態で表示するデータ表示手段とを備え、前記管理サーバまたは前記分析端末は、前記検索条件受付手段によって受け付けた前記検索条件に基づいて前記患者データを抽出する患者データ抽出手段と、抽出した前記患者データを前記データ表示手段に表示させる抽出結果出力手段と、前記患者データ抽出手段によって抽出した患者データの抽出データ数が表示手段によって表示する表示形態の各表示上において所定の数以上であるかを判定するデータ数判定手段と、前記データ判定手段によって判定した結果、前記所定の数未満であった場合、当該表示上における前記患者データを前記表示手段に表示させないデータ非表示手段とを備える個人生体情報匿名化提供システムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明により、提供する医療データから個人が特定されることを防止できる個人生体情報匿名化提供システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】個人生体情報匿名化提供システムのシステム構成を示すブロック図。
【
図2】管理サーバが患者データを記憶する処理のフロー図。
【
図3】管理サーバが分析端末に統計グラフデータを表示する処理のフロー図。
【
図4】管理サーバが分析端末に表示させるグラフ表示画面の画面構成図。
【
図5】他の検索条件に基づいて管理サーバが分析端末に表示させるグラフ表示画面の説明図。
【
図6】他の検索条件に基づいて管理サーバが分析端末に表示させるグラフ表示画面の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
【0011】
図1は、本実施例における個人生体情報匿名化提供システム1のシステム構成を示すブロック図である。個人生体情報匿名化提供システム1は、主に医療関係者が使用する医療機関端末2と、データを記憶し、記憶されたデータの検索を行う管理サーバ3と、主にデータの提供先である医療研究者が使用する分析端末4とを備えている。医療機関端末2と、管理サーバ3と、分析端末4は、インターネット5に接続されている。
【0012】
医療機関端末2は、ハードウェア要素として、CPUとROMとRAM等で構成されて各種演算や制御動作を実行する制御部20と、ハードディスクやフラッシュメモリ等で構成されて情報のリードライトを許容する記憶部21と、LANボードやWiFiユニット等で構成されて有線または無線でインターネット5に接続されてデータの送受信を行う通信部22と、タッチパネル、キーボード、マウス、押下ボタン、又はこれらの複数で構成されて接触操作による入力を受け付ける入力部23と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されて文字や図等の画像を表示する表示部24とを備えている。
【0013】
管理サーバ3は、ハードウェア要素として、CPUとROMとRAM等で構成されて各種演算や制御動作を実行する制御部30と、ハードディスクやフラッシュメモリ等で構成されて情報のリードライトを許容する記憶部31と、LANボードやWiFiユニット等で構成されて有線または無線でインターネット5に接続されてデータの送受信を行う通信部32と、タッチパネル、キーボード、マウス、押下ボタン、又はこれらの複数で構成されて接触操作による入力を受け付ける入力部33と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されて文字や図等の画像を表示する表示部34とを備えている。
【0014】
記憶部31には、制御部30によって実行されるデータ登録プログラム310と、データ抽出プログラム311と、患者データを記憶する患者データベース312が格納されている。
【0015】
患者データベース312に記憶される患者データは、少なくとも患者を特定可能とする患者特定データと、当該患者の性別、身長、体重、年齢、体脂肪率、およびBMIといった身体的特徴データおよび当該患者に対して実施した検査の検査結果データと、受信医療機関の名称と住所等の受信医療機関データとを含んでいる。検査結果データとしては、血圧の数値データ、血液検査によって得られた成分値データ、尿検査によって得られた成分値データ、レントゲンやMRI等の画像診断装置で得られた画像データと検査値データと所見データ等が記憶されている。患者特定データとしては、患者に付与した患者IDや患者の生年月日情報データや氏名情報データや住居情報データや保険証番号が記憶されている。また、患者データの一部は、研究のための検索条件として使用できる。なお、身体的特徴データと検査結果データはまとめて一つの測定データとして取り扱ってもよい。
【0016】
分析端末4は、例えば、ハードウェア要素として、CPUとROMとRAM等で構成されて各種演算や制御動作を実行する制御部40と、ハードディスクやフラッシュメモリ等で構成されて情報のリードライトを許容する記憶部41と、LANボードやWiFiユニット等で構成されて有線または無線でインターネット6に接続されてデータの送受信を行う通信部42と、タッチパネル、押下ボタン、又はこれらの複数で構成されて接触操作による入力を受け付ける入力部43と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されて文字や図等の画像を表示する表示部44とを備えたコンピュータである。
【0017】
図2は、制御部30がデータ登録プログラム310を実行して、患者データベース312に患者データを記憶するフロー図の一例である。
【0018】
制御部30は、医療機関端末2から、患者データを受信する(ステップS1)。受信する患者データは、例えば医療機関に勤める医療従事者が医療機関端末2の入力部23を用いて入力した、当該医療機関を受診した患者の身体的特徴データまたは検査結果データと、当該患者を特定可能とする患者特定データである。または、例えば制御部30は医療機関端末2の記憶部21に記憶された患者データを要求し、受信する。
【0019】
制御部30は、受信した患者データに含まれる患者特定データに基づいて患者データベース312を参照し、同一患者のデータをすでに記憶しているか検索する(ステップS2)。このとき、患者IDで特定することができ、異なる医療機関の場合は氏名と住所と電話番号等の複数の患者特定データに基づいて検索することが好ましく、マイナンバーといった不変的な患者特定データに基づいて検索することがより好ましい。
【0020】
制御部30は、ステップS2における検索の結果、同一患者のデータを患者データベース312にすでに記憶しているかを判定する(ステップS3)。このとき、単数または複数の患者特定データによって抽出した患者データが同一患者のデータであるかを判定するため、抽出した患者データの一部を医療機関端末2に送信し、表示部22に表示させ、医療機関端末2を操作している医療従事者に確認させる形式としてもよい。
【0021】
制御部30は、ステップS3で同一患者のデータを患者データベース312に記憶していないと判定した場合、新規の患者データとして、各患者情報データを患者データベース312に記憶する。(ステップS4)
【0022】
制御部30は、ステップS3で同一患者のデータを患者データベース312に記憶していると判定した場合、受信した各患者情報データに基づいて記憶している当該患者データの各情報データを更新し、患者データベース312に記憶する(ステップS5)。このとき、患者特定データについては変更内容を更新し、身体的特徴データと検査結果データについては追加して記憶する。このようにして、多数の医療機関のデータをまとめて記憶する。
【0023】
図3は、制御部30がデータ抽出プログラム311を実行して、分析端末4の表示部44にデータを表示するフロー図の一例である。
【0024】
制御部30は、分析端末4での検索条件の入力を検索条件入力画面で受け付け、入力された検索条件を受信する(ステップS6)。検索条件は、例えば抽出対象となる患者データに含まれている患者特定データや、身体的特徴データや、受信医療機関データや、検査結果データから選択する。
【0025】
制御部30は、分析端末4から表示部44に検索結果としてグラフ表示させるグラフ表示設定の入力をグラフ表示決定画面で受け付け、入力されたグラフ表示設定を受信する(ステップS7)。グラフ表示設定は、例えば表示するデータ項目と、検査結果の表示形態と、統計する数値データの下限値および上限値と、グラフを複数の要素に分割する分割設定である。データ項目は、身体的特徴データの項目や検査結果データの項目から選択される。また、検査結果の表示形態は、例えばヒストグラムや円グラフといった各種の統計手法から選択される。また、データの下限値および上限値は、選択したデータ項目において、統計を行う分割単位である。このとき、下限値より下の数値を含むデータおよび上限値より上の数値を含むデータについて、合算して表示する選択肢を設定してもよい。また、分割設定は、抽出したデータ項目を特定の範囲毎に分割する設定である。
【0026】
制御部30は、ステップS6で受信した検索条件に基づいて、患者データベース312を参照し、受信したグラフ表示設定に含まれるグラフとして表示するデータ項目に該当する身体的特徴データや検査結果データを抽出する(ステップS8)。
【0027】
制御部30は、抽出した患者情報データについて、受信したグラフ表示設定に含まれる検査結果の表示形態と、統計する数値データの下限値および上限値と、グラフを複数の要素に分割する分割設定に基づいて統計処理を行い、抽出結果グラフを作成する(ステップS9)。抽出結果グラフは、横軸に検索条件における検査結果データの項目の値を分割設定に基づいて所定の範囲毎に目盛の値とし、縦軸に各目盛のデータ数を表示する。
【0028】
制御部30は、統計処理を行った数値データにおいて、表示するグラフ形態の各要素が予め設定されている表示制限数以下であるかを判定する(ステップS10)。表示制限数は、例えばデータ抽出プログラムを作成する際に設定され、あるいは管理者によって設定され、5以下とすることが好ましい。
【0029】
制御部30は、ステップS10の判定において表示制限数以下であった場合、該当する抽出結果グラフ内の要素を表示しないよう加工する(ステップS11)。例えば、抽出結果グラフのグラフ形態をヒストグラムとし、検索条件に基づいて抽出した患者情報データ数を目盛(所定範囲)毎に範囲毎データ数を表示しようとしたときに、表示制限数である5以下の範囲毎データ数があった場合、当該範囲毎データ数を表示しないよう抽出結果グラフを加工する。
【0030】
制御部30は、ステップS9で作成し、必要に応じてステップS11で加工した抽出結果グラフを、分析端末4の表示部44に表示させる(ステップS12)。このとき、検索条件と抽出結果グラフと受信したグラフ表示設定とを一画面上に表示させることが好ましい。グラフ表示設定を変更可能とし、変更後のグラフ表示設定に基づいてステップS8からステップS12を実行して抽出結果グラフを再度作成することがより好ましい。
【0031】
図4は、管理サーバ3が分析端末4の表示部44に表示させるグラフ表示画面400の画面構成図の一例である。
【0032】
グラフ表示画面400は、統計処理するデータ項目および抽出結果グラフの表示形態を設定する統計条件設定部401と、第一の検索条件を設定する第一検索条件設定部402と、第二の検索条件を設定する第二検索条件設定部403と、統計する数値データの下限値を設定する下限値設定部404と、統計する数値データの上限値を設定する上限値設定部405と、抽出データを複数の数値範囲要素に分割する際の分割単位設定を行う分割単位設定部406と、上限値より大きい数値を有する抽出データおよび下限値より小さい数値を有する抽出データを合算してグラフ表示するかを選択する上下限値外表示設定部407と、グラフ表示部408とを有する。
【0033】
統計条件設定部401は、抽出し統計処理を行う対象であるデータ項目の選択を行うデータ項目選択ボタンと、統計処理を行った抽出結果グラフの表示形態の選択を行う抽出結果グラフ表示形態選択ボタン等の各種動作を行う選択ボタンを有している。グラフ表示画面400においては、抽出し統計処理を行うデータ項目として「体重」を選択し、グラフの表示形態として「ヒストグラム」を選択した。
【0034】
なお、統計処理を行うデータ項目は、体重に限らず、患者特定データ、身体的特徴データ、検査結果データ、および受信医療機関データの各データから任意に選択することができ、1つのデータに限らず複数個のデータを組み合わせることもできる。
【0035】
また、グラフの表示形態は、ヒストグラムに限らず、レーダーチャート、折れ線グラフや棒グラフ等の時系列推移グラフ、バブルマップ等、適宜の表示形態とすることができる。また、データの表示に関しては、そのまま表示するに限らず、同一人物のデータが複数ある場合には平均値または偏差を求めてその平均値データまたは偏差値データを使用することもできる。
【0036】
第一検索条件設定部402は、抽出対象とする検索条件の中で、本人特定情報の一部と、身体的特徴データの一部と、受信医療機関データの項目から選択する。このような項目として、この実施例では、生年月日、居住地域、性別、受診した医療機関の名称、検査日または医療機関受診日が選択可能に表示されている。生年月日、検査日、および医療機関受信日については、対象とする期間(始期と終期)の指定を受け付け、居住地域については、全国、都道府県単位、または市町村単位など、適宜の範囲での指定を受け付ける。
また、この実施例では、グラフ表示画面400において、生年月日の範囲、居住地域、性別を抽出条件として設定した。
【0037】
第二検索条件設定部403は、抽出対象とする検索条件の中で、身体的特徴データの一部と、検査結果データのデータ項目を抽出条件として設定する。このような抽出条件の項目としては、例えば身体測定によって測定された身長の範囲、体重の範囲や、健康診断によって検査を行った血圧の数値データ範囲、血液検査によって得られた成分値データ範囲、尿検査によって得られた成分値データ範囲等とすることができる。
【0038】
図示の例では、選択可能なデータ項目として、身長、体重、血圧、心電図、BMI、γGTP、胸部エックス線、聴力、視力、尿、血液、循環器系、呼吸器系、超音波、および消化器官を備えている。
この実施例におけるグラフ表示画面400においては、身長の範囲を抽出条件として設定した。
なお、第二検索条件設定部403の抽出条件は、各項目について上限と下限を指定する数値範囲を設定できる。
【0039】
下限値設定部404は、統計処理を行うデータ項目について、グラフ表示部408に表示する数値の下限値を設定する。グラフ表示画面400においては、下限値を「0」と設定した。すなわち、統計条件設定部401において設定したデータ項目「体重」の数値が「0」以上であるデータについて、統計処理を行う。
【0040】
上限値設定部405は、統計処理を行うデータ項目について、グラフ表示部408に表示する数値の上限値を設定する。グラフ表示画面400においては、上限値を「110」と設定した。すなわち、統計条件設定部401において設定したデータ項目「体重」の数値が「110」以下であるデータについて、統計処理を行う。
【0041】
分割単位設定部406は、抽出したデータ項目の数値について、グラフの要素を分割する分割単位としての数値間隔(集計単位)の設定を受け付ける。グラフ表示画面400においては、数値間隔(集計単位)が「10kg」と設定されている。すなわち、統計条件設定部401において設定されたヒストグラムの表示形態において、同じく設定された体重の数値を10kg毎に分割し、グラフの一要素とする。
【0042】
上下限値外表示設定部407は、統計処理を行うデータ項目において、下限値設定部404において設定した下限値より小さい数値を含むデータと、上限値設定部405において設定した上限値より大きい数値を含むデータについて、それぞれ合算して統計処理を行うか否かの設定を受け付ける。統計処理を行わない場合は、下限値より小さい数値を含むデータと、上限値より大きい数値を含むデータは、統計も表示もされない。グラフ表示画面400においては、下限値より小さい数値を含むデータについては合算処理を行わず、上限値より大きい数値を含むデータについては合算処理を行う設定とされている。
【0043】
グラフ表示部408は、統計条件設定部401と第一検索条件設定部402と第二検索条件設定部403で設定された各条件および設定に基づいて、制御部30が作成したグラフを表示する。グラフ表示画面400は、本実施例においてグラフの表示形態をヒストグラムとしたため、データ数値横軸408aおよび統計結果縦軸408bを有する。データ数値横軸408aは、検査結果データの項目の数値を分割設定に基づいて所定の範囲毎に目盛の値とする。統計結果縦軸408bは、データ数値横軸408aの各目盛におけるデータ数を表す目盛である。また、検索条件に基づいて抽出したデータ数が設定した分割単位の各要素すべてにおいて、予め設定した表示制限数「5」以下であったため、表示不可能である旨を示す抽出結果メッセージ408cを有する。
【0044】
図5(A)は、グラフ表示画面400と異なる検索条件に基づいて管理サーバ3が作成したグラフを表示するグラフ表示画面410の画面構成図の一例である。この例は、受診医療機関データを二件設定し、OR検索としている。
【0045】
グラフ表示画面410は、統計処理するデータ項目および抽出結果グラフの表示形態を設定する統計条件設定部411と、第一の検索条件を設定する第一検索条件設定部412と、第二の検索条件を設定する第二検索条件設定部413と、統計する数値データの下限値を設定する下限値設定部414と、統計する数値データの上限値を設定する上限値設定部415と、抽出データを複数の数値範囲要素に分割する際の分割単位設定を行う分割単位設定部416と、上限値より大きい数値を有する抽出データおよび下限値より小さい数値を有する抽出データを合算してグラフ表示するかを選択する上下限値外表示設定部417と、グラフ表示部418とを有する。各設定部および表示部の機能は、グラフ表示画面400における同名の各設定部および表示部と同一である。以下に、グラフ表示画面400と異なる検索条件を設定した場合の実施例について説明する。
【0046】
統計条件設定部411においては、統計処理を行うデータ項目として「中性脂肪」を選択し、グラフ表示形態として「ヒストグラム」を選択した。
【0047】
第一検索条件設定部412においては、受診医療機関データを二件設定し、OR検索とした。すなわち、管理サーバ3は、二件の特定の医療機関の内少なくとも一件において測定した中性脂肪データを抽出し、統計処理を行う。
【0048】
第二検索条件設定部413においては、検索条件としない設定とした。すなわち、管理サーバ3は、第一検索条件設定部412で設定した検索条件に基づいてデータを抽出する。
【0049】
上限値設定部415においては、上限値を「450」と設定した。すなわち、管理サーバ3は、統計条件設定部411において設定したデータ項目「中性脂肪」の数値が「450」以下であるデータについて、統計処理を行う。
【0050】
分割単位設定部416においては、数値間隔(集計単位)を「50」と設定した。すなわち、管理サーバ3は、統計条件設定部411において設定したヒストグラムの表示形態において、同じく設定した中性脂肪の数値を50毎に分割し、グラフの一要素とする。
【0051】
グラフ表示部418は、各検索条件および設定に基づいて、制御部30が作成したグラフを表示する。グラフ表示画面410は、本実施例においてグラフの表示形態をヒストグラムとしたため、データ数値横軸418aおよび統計結果縦軸418bを有する。データ数値横軸418aは、抽出対象である「中性脂肪」の数値について目盛の値が分割単位設定部416で設定した数値間隔(集計単位)「50」に応じてグラフ要素が分割される。
【0052】
上限値外統計グラフ要素418cは、上限値設定部415で設定した上限値「450」より大きいデータを合算した結果を表示する。これにより、上限値より大きいデータのボリューム感を把握でき、かつ、上限値より大きいデータで人数が少なすぎて個人を特定され得るデータが表示される状況を防止できる。
【0053】
このように表示されたデータについて、さらに詳しく調べたい場合は、次の
図5(B)の例に示すように統計条件設定部401と第一検索条件設定部402と第二検索条件設定部403で設定する各条件および設定を変更することで、表示を変化させることができる。
【0054】
図5(B)は、グラフ表示画面410において一部の検索条件を変更した場合に、管理サーバ3が作成したグラフを表示するグラフ表示画面420の画面構成図の一例である。この例は、受診医療機関データを二件設定し、AND検索としている。
【0055】
グラフ表示画面420は、統計処理するデータ項目および抽出結果グラフの表示形態を設定する統計条件設定部421と、第一の検索条件を設定する第一検索条件設定部422と、第二の検索条件を設定する第二検索条件設定部423と、統計する数値データの下限値を設定する下限値設定部424と、統計する数値データの上限値を設定する上限値設定部425と、抽出データを複数の数値範囲要素に分割する際の分割単位設定を行う分割単位設定部426と、上限値より大きい数値を有する抽出データおよび下限値より小さい数値を有する抽出データを合算してグラフ表示するかを選択する上下限値外表示設定部427と、グラフ表示部428とを有する。各設定部および表示部の機能は、グラフ表示画面410における同名の各設定部および表示部と同一である。以下に、グラフ表示画面410と異なる検索条件を設定した場合の実施例について説明する。
【0056】
パーソナルデータ設定部422においては、グラフ表示画面410ではOR検索であった二件の受診医療機関データをAND検索とした。すなわち、管理サーバ3は、二件の特定の医療機関において特定の期間で測定した中性脂肪データを抽出し、統計処理を行う。
【0057】
上限値設定部425においては、上限値を設定しなかった。すなわち、管理サーバ3は、統計条件設定部421において設定したデータ項目「中性脂肪」の数値の上限値を設定せず、統計処理を行う。
【0058】
グラフ表示部428は、各検索条件および設定に基づいて、制御部30が作成したグラフを表示する。グラフ表示画面420は、本実施例においてグラフの表示形態をヒストグラムとしたため、データ数値横軸428aおよび統計結果縦軸428bが表示されている。データ数値横軸428aは、抽出対象である「中性脂肪」の数値について目盛の値が分割単位設定部426で設定した数値間隔(集計単位)「50」に応じてグラフ要素が分割される。また、検索条件に基づいて抽出したデータ数が設定した分割単位の一部要素において、設定した表示制限数「5」以下であったため、表示不可能である旨を示す抽出結果メッセージ428cを表示している。
【0059】
このように、データを絞り込みすぎたために表示量が少ない場合は、次の
図6(A)や
図6(B)の例に示すように統計条件設定部401と第一検索条件設定部402と第二検索条件設定部403で設定する各条件および設定を変更することで、表示を変化させることができる。
【0060】
図6(A)は、グラフ表示画面420において一部の検索条件を変更した場合に、管理サーバ3が作成したグラフを表示するグラフ表示画面430の画面構成図の一例である。この例では、検索対象とする受診医療機関データの設定を一件に減らしている。
【0061】
グラフ表示画面430は、統計処理するデータ項目および抽出結果グラフの表示形態を設定する統計条件設定部431と、第一の検索条件であるパーソナルデータ範囲を設定するパーソナルデータ設定部432と、第二の検索条件である検査データ範囲を設定する検査データ設定部433と、統計する数値データの下限値を設定する下限値設定部434と、統計する数値データの上限値を設定する上限値設定部435と、抽出データを複数の数値範囲要素に分割する際の分割単位設定を行う分割単位設定部436と、上限値より大きい数値を有する抽出データおよび下限値より小さい数値を有する抽出データを合算してグラフ表示するかを選択する上下限値外表示設定部437と、グラフ表示部438とを有する。各設定部および表示部の機能は、グラフ表示画面420における同名の各設定部および表示部と同一である。以下に、グラフ表示画面420と異なる検索条件を設定した場合の実施例について説明する。
【0062】
パーソナルデータ設定部432においては、グラフ表示画面420では二件の受診医療機関データをAND検索としたところを一方の一件の受信医療機関データとした。すなわち、管理サーバ3は、一件の特定の医療機関において特定の期間で測定した中性脂肪データを抽出し、統計処理を行う。
【0063】
下限値設定部434においては、下限値を「100」と設定した。すなわち、管理サーバ3は、統計条件設定部431において設定したデータ項目「中性脂肪」の数値が「100」以上であるデータについて、統計処理を行う。
【0064】
上限値設定部435においては、上限値を「250」と設定した。すなわち、管理サーバ3は、統計条件設定部431において設定したデータ項目「中性脂肪」の数値が「250」以下であるデータについて、統計処理を行う。
【0065】
上下限値外表示設定部437においては、下限値より小さい数値を含むデータと上限値より大きい数値を含むデータについて、それぞれ合算処理を行う設定とされている。
【0066】
グラフ表示部438は、各検索条件および設定に基づいて、制御部30が作成したグラフを表示する。グラフ表示画面430は、本実施例においてグラフの表示形態をヒストグラムとしたため、データ数値横軸438aおよび統計結果縦軸438bを有する。データ数値横軸438aは、抽出対象である「中性脂肪」の数値について目盛の値が分割単位設定部436で設定した数値間隔(集計単位)「50」に応じてグラフ要素が分割される。
【0067】
また、グラフ表示部438は、上下限値外表示設定部437の設定に基づいた上限値より大きい数値を有するデータを合算した上限値外統計グラフ要素438cと、下限値より小さい数値を有するデータを合算した下限値外統計グラフ要素438dを表示している。これにより、下限値より小さいデータのボリューム感を把握でき、かつ、下限値より小さいデータで人数が少なすぎて個人を特定され得るデータが表示される状況を防止できる。
【0068】
図6(B)は、グラフ表示画面420において一部の検索条件を変更した場合に、管理サーバ3が作成したグラフを表示するグラフ表示画面440の画面構成図の一例である。この例では、検索対象とする受診医療機関データの設定を
図6(A)とは異なる一件の医療機関にしている。
【0069】
グラフ表示画面440は、統計処理するデータ項目および抽出結果グラフの表示形態を設定する統計条件設定部441と、第一の検索条件を設定する第一検索条件設定部442と、第二の検索条件である第二検索条件設定部443と、統計する数値データの下限値を設定する下限値設定部444と、統計する数値データの上限値を設定する上限値設定部445と、抽出データを複数の数値範囲要素に分割する際の分割単位設定を行う分割単位設定部446と、上限値より大きい数値を有する抽出データおよび下限値より小さい数値を有する抽出データを合算してグラフ表示するかを選択する上下限値外表示設定部447と、グラフ表示部448とを有する。各設定部および表示部の機能は、グラフ表示画面440における同名の各設定部および表示部と同一である。以下に、グラフ表示画面420と異なる検索条件を設定した場合の実施例について説明する。
【0070】
第一検索条件設定部442においては、グラフ表示画面420では二件の医療機関データをAND検索としたところを一方の一件の医療機関データとした。また、医療機関データの対象をグラフ表示画面430で検索条件としなかった方の医療機関とした。すなわち、管理サーバ3は、一件の特定の医療機関において特定の期間で測定した中性脂肪データを抽出し、統計処理を行う。
【0071】
下限値設定部444においては、グラフ表示画面440において下限値を「100」と設定した。すなわち、管理サーバ3は、統計条件設定部441において設定したデータ項目「中性脂肪」の数値が「100」以上であるデータについて、統計処理を行う。
【0072】
上限値設定部445においては、グラフ表示画面440において上限値を「250」と設定した。すなわち、管理サーバ3は、統計条件設定部441において設定したデータ項目「中性脂肪」の数値が「250」以下であるデータについて、統計処理を行う。
【0073】
上下限値外表示設定部447においては、グラフ表示画面440において下限値より小さい数値を含むデータと上限値より大きい数値を含むデータについて、それぞれ合算処理を行う設定とした。
【0074】
グラフ表示部448は、各検索条件および設定に基づいて、制御部30が作成したグラフを表示する。グラフ表示画面440は、本実施例においてグラフの表示形態をヒストグラムとしたため、データ数値横軸448aおよび統計結果縦軸448bを有する。データ数値横軸448aは、抽出対象である「中性脂肪」の数値について目盛の値が分割単位設定部446で設定した数値間隔(集計単位)「50」に応じてグラフ要素が分割される。また、グラフ表示部448は上下限値外表示設定部447の設定に基づいた上限値より大きい数値を有するデータを合算した上限値外統計グラフ要素448cと、下限値より小さい数値を有するデータを合算した下限値外統計グラフ要素448dを有する。
【0075】
以上の構成により、検索結果が極少量であったとしても、個人を特定できない個人生体情報匿名化提供システムを提供することができる。
制御部30は、統計処理を行った数値データにおいて、表示するグラフ形態の各要素が予め設定されている表示制限数以下であるかを判定する。この構成により、大きく限定された検索条件に基づいて抽出されて表示制限数以下となったデータは表示されず、個人を特定される危険性を大きく下げることができる。
【0076】
従って、多数の医療機関から収集した大量の患者データについて、個人を特定されることなく、研究目的での分析を可能とすることができる。表示されるデータは、個人の名称等の個人情報が含まれないだけでなく、設定された表示制限数以下となるデータが除かれる。このため、例えば糖尿病患者の傾向を見るべく抽出しているような場合に、身長別でグラフ表示すると日本の最大身長に該当するデータが表示されたために、その最大身長者が糖尿病であると研究者に判明してしまうといったことを防止できる。
【0077】
また、制御部30は、グラフ表示画面400における下限値設定部404および上限値設定部405で設定した上下限値に基づいて統計処理を行う。この構成により、分析端末の使用者である医療研究者は、分析したい数値範囲(分割単位)に限定して統計データを取得でき、使用者の満足度を向上させることができる。
【0078】
また、制御部30は、グラフ表示画面400における上下限値外表示設定部407の設定に基づいて、下限値より小さい数値を含むデータと、上限値より大きい数値を含むデータについて、それぞれ合算して統計処理を行う。この構成により、分析端末の使用者である医療研究者は、抽出したデータすべてをグラフ上に統計処理して確認することができ、使用者の満足度を向上させることができる。
【0079】
また、制御部30は、グラフ表示画面400における分割単位設定部406の設定に基づいて、抽出したデータ項目の数値について、グラフの要素を分割する。この構成により、分析端末の使用者である医療研究者は、抽出したデータについて希望する分割単位毎に統計結果を確認し、分割単位の変化による統計結果の変化を分析することができ、使用者の満足度を向上させることができる。
【0080】
また、制御部30は、グラフ表示部408を各種設定部と同一の画面上に配置する。さらに、制御部30は、各種設定部の各種設定を入力および変更可能に表示し、変更を受け付けた場合は変更後の統計結果をグラフ表示部408に表示する。この構成により、分析端末の使用者である医療研究者は、統計結果のグラフを確認しながら、より取得したいデータのグラフを表示させるよう各種設定を入力および変更することができ、使用者の満足度を向上させることができる。
【0081】
また、制御部30は、医療機関端末1から受信した患者データに含まれる患者特定データに基づいて患者データベース312を参照し、同一患者のデータをすでに記憶しているか検索し、同一患者のデータをすでに記憶している場合は当該患者データを更新する。この構成により、分析端末の使用者である医療研究者は、同一患者のデータについて統計処理を行わず、正確な統計データを得ることができる。
【0082】
この発明における患者データ受付手段は、ステップS1を実行する管理サーバ3の制御部30に対応し、以下同様に、
患者データ記憶手段は、管理サーバ3の患者データベース312に対応し、
検索条件受付手段は、グラフ表示画面400の統計条件設定部401と第一検索条件設定部402と第二検索条件設定部403に対応し、
データ表示手段は、グラフ表示画面400のグラフ表示部408に対応し、
患者データ抽出手段は、ステップS8を実行する管理サーバ3の制御部30に対応し、
抽出データ加工手段は、ステップS9およびステップS11を実行する管理サーバ3の制御部30に対応し、
データ数判定手段は、ステップS11を実行する管理サーバ3の制御部30に対応し、
債務内容情報表示手段は、債務通知サーバ3の制御部30に対応し、
表示範囲設定手段は、グラフ表示画面400の下限値設定部404および上限値設定部405と、これらの設定に基づいて抽出データを加工する管理サーバ3の制御部30に対応し、
合算処理手段は、グラフ表示画面400の下上下限値外表示設定部407と、設定に基づいて抽出データを加工する管理サーバ3の制御部30に対応し、
分割単位設定手段は、グラフ表示画面400の分割単位設定部406と、設定に基づいて抽出データを加工する管理サーバ3の制御部30に対応するが、
この発明は本実施形態に限られず他の様々な実施形態とすることができる。
【0083】
なお、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0084】
例えば、本実施例では管理サーバ3の制御部30が分析端末4から検索条件およびグラフ表示設定を受信して統計処理およびグラフ加工を実施する形態としたが、分析端末4の制御部40統計処理およびグラフ加工を実施する形態としてもよい。このような構成であっても、実施例と同等の効果を奏する。
【0085】
また、表示制限数の設定は、予めプログラミングしておくに限らず、適宜の設定画面を設けて管理サーバ3の管理者が設定できる構成としてもよい。
また、表示制限数は、1つの数値に限らず、項目に分けて複数種類設定してもよい。この場合、統計条件設定部401、第一検索条件設定部402、および第二検索条件設定部403で設定できる項目について、項目毎に最小値としての表示制限数を定めておき、選択された項目の表示制限数のうち最も数値の大きい表示制限数を採用すればよい。これにより、多様な検索と表示を実現でき、より有効にデータを活用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
この発明は、個人の生体情報を匿名化して提供する個人生体情報匿名化提供システムの産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0087】
1…個人生体情報匿名化提供システム
2…医療機関端末
3…管理サーバ
4…分析端末
5…インターネット
20、30、40…制御部
21、31、41…記憶部
22、32、42…通信部
23、33、43…入力部
24、34、44…表示部
312…患者データベース
400、410、420、430、440…グラフ表示画面
401、411、421、431、441…統計条件設定部
402、412、422、432、442…第一検索条件設定部
403、413、423、433、443…第二検索条件設定部
404、414、424、434、444…下限値設定部
405、415、425、435、445…上限値設定部
406、416、426、436、446…分割単位設定部
407、417、427、437、447…上下限値外表示設定部
408、418、428、438、448…グラフ表示部