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特開2022-177761医療保険サービス提供システムおよび医療保険サービス提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177761
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】医療保険サービス提供システムおよび医療保険サービス提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20221124BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084230
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山田 洋平
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】医療保険加入者の請求の手間を軽減し、医療機関、保険会社にとっても事務作業を軽減化する。
【解決手段】医療保険加入者に対して契約に従い給付金を支払う医療保険サービス提供システムであって、医療機関の医療機関端末と、保険会社の保険会社サーバと、医療機関端末と保険会社サーバとの間の情報の仲介をする医療保険仲介サーバとを備える。医療機関端末は、医療保険仲介サーバに対して医療保険加入者の給付金請求情報と、医療サービスを受けた患者の診断情報を送信し、医療保険仲介サーバは、保険会社サーバに、受信した給付金請求情報と診断情報を送信し、保険会社サーバは、給付金請求情報と診断情報に基づいた給付金支払いの査定結果を、医療保険仲介サーバに送信し、医療保険仲介サーバは、給付金支払いの査定結果を、医療機関端末に送信する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療保険加入者に対して契約に従い給付金を支払う医療保険サービス提供システムであって、
医療機関の医療機関端末と、保険会社の保険会社サーバと、前記医療機関端末と前記保険会社サーバとの間の情報の仲介をする医療保険仲介サーバとを備え、
前記医療機関端末と、前記保険会社サーバと、前記医療保険仲介サーバとは、各々ネットワークにより接続され、
前記医療機関端末は、前記医療保険仲介サーバに対して医療保険加入者の給付金請求情報と、医療サービスを受けた患者の診断情報を送信し、
前記医療保険仲介サーバは、前記保険会社サーバに、受信した前記給付金請求情報と前記診断情報を送信し、
前記保険会社サーバは、前記給付金請求情報と前記診断情報に基づいた給付金支払いの査定結果を、前記医療保険仲介サーバに送信し、
前記医療保険仲介サーバは、前記給付金支払いの査定結果を、前記医療機関端末に送信することを特徴とする医療保険サービス提供システム。
【請求項2】
前記医療保険仲介サーバは、前記保険会社サーバに前記給付金支払いの査定結果に基づいた給付金相当額支払い依頼の通知を行い、
前記保険会社サーバは、前記医療保険仲介サーバに前記給付金相当額支払い情報を送信し、
前記医療保険仲介サーバは、前記医療機関端末に前記給付金相当額支払い情報を送信することを特徴とする請求項1記載の医療保険サービス提供システム。
【請求項3】
前記医療機関端末は、前記医療サービスの患者に対する自己負担額から、前記医療サービスの患者に対して契約している医療保険の前記給付金支払いの査定結果による給付金相当額を減算して、前記医療サービスの患者に対する医療費を算出することを特徴とする請求項1記載の医療保険サービス提供システム。
【請求項4】
さらに、前記医療機関端末に接続されたコードリーダを有し、
医療保険加入者の所持する携帯端末に表示された給付金請求情報のコードを、前記コードリーダが読み取ることを特徴とする請求項1記載の医療保険サービス提供システム。
【請求項5】
医療保険加入者に対して契約に従い給付金を支払う医療保険サービス提供システムによる医療保険サービス提供方法であって、
前記医療保険サービス提供システムは、医療機関の医療機関端末と、前記医療機関端末に接続されたコードリーダと、前記保険会社の保険会社サーバと、前記医療機関端末と前記保険会社サーバとの間の情報の仲介をする医療保険仲介サーバとを備え、
前記医療機関端末と、前記保険会社サーバと、前記医療保険仲介サーバとは、各々ネットワークにより接続され、
前記医療機関端末が、医療保険加入者の所持する携帯端末に表示された給付金請求情報のコードを、前記コードリーダが読み取ることにより入力された給付金請求情報を前記医療保険仲介サーバに対して送信するステップと、
前記医療保険仲介サーバが、前記保険会社サーバに、受信した前記給付金請求情報を送信するステップと、
前記医療機関端末が、前記医療保険仲介サーバに対して医療サービスを受けた患者の診断情報を送信するステップと、
前記医療保険仲介サーバが、前記保険会社サーバに、受信した前記診断情報を送信するステップと、
前記保険会社サーバが、前記給付金請求情報と前記診断情報に基づいた給付金支払いの査定結果を、前記医療保険仲介サーバに送信するステップと、
前記医療保険仲介サーバが、前記給付金支払いの査定結果を、前記医療機関端末に送信するステップと、
前記医療機関端末が、前記医療サービスの患者に対する自己負担額から、前記医療サービスの患者に対して契約している医療保険の前記給付金支払いの査定結果による給付金相当額を減算して、前記医療サービスの患者に対する医療費を算出するステップと、
前記医療保険仲介サーバが、前記保険会社サーバに前記給付金支払いの査定結果に基づいた給付金相当額支払い依頼の通知を行うステップと、
前記保険会社サーバは、前記医療保険仲介サーバに前記給付金相当額支払い情報を送信するステップと、
前記医療保険仲介サーバは、前記医療機関端末に前記給付金相当額支払い情報を送信するステップとを有することを特徴とする医療保険サービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療保険サービス提供システムおよび医療保険サービス提供方法に係り、特に、医療保険加入者の給付金請求の手間を軽減し、医療機関、保険会社にとっても事務作業を軽減化するのに好適な医療保険サービス提供システムおよび医療保険サービス提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療保険制度は、相互扶助の精神に基づき、病気やけがに備えてあらかじめお金(保険料)を出し合い、実際に医療を受けたときに、医療費の支払いに充てる仕組みであり、我が国では、公的な国民健康保険と民間の保険会社が提供する医療保険サービスがある。
【0003】
近年、医療機関のシステムと保険会社のシステムがネットワークにより接続され相互に必要な情報をやり取りすることによって、保険契約者に保険サービスを提供する技術が知られている。例えば、特許文献1には、特定医療機関と保険会社が連携し、保険加入者に対して、高度な医療技術の適用受けるようにする情報処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-99623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、医療機関での受診時、健康保険制度の加入者は自己負担額(3割負担者であれば3割)のみ支払い、医療機関が医療費用との差額を各健康保険組合に請求をしている。一方、民間保険会社の医療保険の加入者が入院・手術等をした場合、保険会社に給付金を請求するためには、医療保険加入者自身が医療機関に診断を発行してもらい、保険会社から請求書を取り寄せて記入・郵送をする必要がある。このため、医療保険加入者にとっては給付金請求が煩瑣・不都合なものとなっている。すなわち、医療保険加入者にとって、診断書の発行を医療機関に依頼する手間、保険会社に提出する請求書を作成する手間がかかり、また、医療費用の支払い後から給付金が支払われるまでの間、費用が加入者持ちとなり、医療保険加入者にとっても経済的な負担が大きくなる。長寿高齢化が本格化するこれからの日本においては、健康保険制度を補完する上からも、各人単位での自助がますます求められることになる。民間の医療保険をさらに浸透させていくためには、新商品開発や合理的な保険料設定もさることながら、加入メリットを実感できるような、より加入者視点に立ったサービスの提供が求められる。
【0006】
特許文献1に記載された従来技術は、従来ではカバーされなかった特定の疾病に対しても保険の適用を可能にするシステムであるが、医療保険加入者にとって、保険会社から給付金を受給するための手間を軽減することについては考慮されていない。
【0007】
本発明の目的は、医療保険加入者の請求の手間を軽減し、医療機関、保険会社にとっても事務作業を軽減化することのできる医療保険サービス提供システムおよび医療保険サービス提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る医療保険サービス提供システムは、好ましくは、医療保険加入者に対して契約に従い給付金を支払う医療保険サービス提供システムであって、医療機関の医療機関端末と、保険会社の保険会社サーバと、医療機関端末と保険会社サーバとの間の情報の仲介をする医療保険仲介サーバとを備え、医療機関端末と、保険会社サードと、医療保険仲介サーバとは、各々ネットワークにより接続され、医療機関端末は、医療保険仲介サーバに対して医療保険加入者の給付金請求情報と、医療サービスを受けた患者の診断情報を送信し、医療保険仲介サーバは、保険会社サーバに、受信した給付金請求情報と診断情報を送信し、保険会社サーバは、給付金請求情報と診断情報に基づいた給付金支払いの査定結果を、医療保険仲介サーバに送信し、医療保険仲介サーバは、給付金支払いの査定結果を、医療機関端末に送信するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、医療保険加入者の請求の手間を軽減し、医療機関、保険会社にとっても事務作業を軽減化することのできる医療保険サービス提供システムおよび医療保険サービス提供方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】医療保険サービス提供システムにおける各サイトとデータフローの概要図である。
図2】一実施形態に係る医療保険サービス提供システムの全体構成と各部の機能構成を示した図である。
図3】医療保険仲介サーバのハードウェア・ソフトウェア構成図である。
図4】利用者属性情報テーブルの一例を示す図である。
図5】保険契約情報テーブルの一例を示す図である。
図6】医療機関情報テーブルの一例を示す図である。
図7】保険会社情報テーブルの一例を示す図である。
図8】給付金請求情報テーブルの一例を示す図である。
図9】診断書情報テーブルの一例を示す図である。
図10】支払査定情報テーブルの一例を示す図である。
図11】医療機関清算情報テーブルの一例を示す図である。
図12】給付金相当額清算情報テーブルの一例を示す図である。
図13】医療保険仲介サービス利用者がサービス利用登録をするときの処理を示すプロセス図である。
図14】医療保険仲介サービス利用者が医療機関に外来受付をするときの処理を示すプロセス図である。
図15】医療機関が患者の受信によって診断書を作成して、診断書情報を医療保険仲介サイトに送信するまでの処理を示すプロセス図である。
図16】保険会社が支払いの査定を行うときの処理を示すプロセス図である。
図17】医療保険仲介サービス利用者が医療機関において窓口精算を行うときの処理を示すプロセス図である。
図18】医療機関が給付金の精算を行うときの処理を示すプロセス図である。
図19】医療機関において医療保険仲介サービス利用者が窓口精算を行うときの医療機関の詳細な処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る一実施形態を、図1ないし図19を用いて説明する。
【0012】
先ず、図1を用いて医療保険サービス提供システムにより、医療保険給付金のワンストップサービスを実現するための概要について説明する。
本実施形態は、医療保険サービス提供システムにおいて、医療保険における加入者向けサービスの向上の一環として、医療機関と保険会社が連携する枠組みを構築し、医療機関窓口でのワンストップ支払サービスを構築するものである。
(1)医療保険の加入者が医療機関で入院・手術をする場合に、スマートフォンのアプリケーション(以下、単に「アプリ」という)から給付金請求情報を、医療機関経由で、医療保険仲介サイトに登録する。
(2)医療保険仲介サイトは、保険会社に給付金請求情報をネットワークを介して送信する。
(3)医療保険の加入者(患者)は、入院、手術、外来受付などの医療サービスを受け、医師は診断書を作成し、医師または医療機関のスタッフは、医療保険仲介サイトにその診断の診断情報をネットワークを介して送信する。
(4)医療保険仲介サイトは、診断書情報を保険会社に送信し、給付金の支払い査定依頼を行う。
(5)保険会社は、給付金請求情報、診断書情報を参照し、契約約款および社内規定などに基づいて、保険給付の査定を行い、査定結果を医療保険仲介サイトにネットワークを介して送信する。
(6)医療保険仲介サイトは、医療機関に受信した査定結果をネットワークを介して通知する。
(7)医療機関は、医療保険の加入者に対する医療費に関する支払い処理(支払いがないこともある)を行い、医療費清算結果を医療保険仲介サイトにネットワークを介して送信する。この場合に、保険会社から医療保険の加入者に給付金が支払われるときには、医療費から給付金を減算した額が、医療保険の加入者が医療機関に支払う額となる。
(8)医療保険仲介サイトは、必要なら給付金支払い請求を保険会社にネットワークを介して送信する。
(9)保険会社は、医療保険仲介サイトに給付金相当額を支払う(オンラインによる口座振込みなど)。
(10)医療保険仲介サイトは、受取った給付金相当額を医療機関に支払う(オンラインによる口座振込みなど)。
【0013】
次に、図2を用いて一実施形態に係る医療保険サービス提供システムの全体構成と各部の機能構成について説明する。
医療保険サービス提供システムは、医療保険仲介サービス利用者1に対して医療に関するサービスとその医療の医療保険に保管するサービスを提供するシステムであり、図2に示されるように、医療機関サイト20、医療保険仲介サイト10、保険会社サイト30、基地局50が、ネットワーク60により、相互に接続された構成である。
【0014】
医療保険仲介サービス利用者1は、スマートフォン端末40を所持しており、専用アプリによって基地局50を介して、無線により医療保険仲介サイト10と通信可能である。医療保険仲介サービス利用者1は、保険会社と医療保険契約を締結しており、医療保険の給付金を受取る可能性がある者である。医療保険仲介サービス利用者1は、医療機関において診断・治療などの医療サービスを受ける医療サービス利用者(患者、被保険者)と同一であってもよいし、医療サービス受ける者の親族などの医療サービス受ける者と関係の有る者であってもよい。
【0015】
医療機関サイト20は、患者に医療サービスを提供するサイトであり、医療機関端末200、QRコード(登録商標)リーダ210を有する。医療機関端末200は、医療機関で医療保険仲介サービス利用者1の情報を入力したり、医療サービスに関する処理を行う端末である。医療機関端末200は、機能部として、請求情報転送部201、診断情報転送部202、医療費処理部203、給付金受領部204を有する。請求情報転送部201は、スマートフォン端末40から送信されてきた請求情報を医療保険仲介サイト10に転送する機能部である。診断情報転送部202は、患者の診断情報を医療保険仲介サイト10に送信する機能である。医療費処理部203は、患者の医療費に関する処理を行う機能部である。給付金受領部204は、医療保険仲介サイト10から給付金を受領する機能部である。
【0016】
QRコードリーダ210は、医療機関端末200に接続され、医療保険仲介サービス利用者1のスマートフォン端末40に表示されるQRコードの情報を読み取る装置である。
【0017】
医療機関サイト20には、患者に対する診断・治療を行う医師3と、医療業務を行う医療スタッフ2が業務に従事している。
【0018】
医療保険仲介サイト10は、医療保険仲介サービス利用者1、医療機関サイト20、保険会社サイト30の情報と給付金の仲介を行うサイトであり、医療保険仲介サーバ100、医療保険仲介DB(DataBase)110、保守端末120を有する。医療保険仲介サーバ100は、機能部として、利用者情報登録部101、請求情報仲介部102、診断情報仲介部103、査定情報仲介部104、給付金仲介部105を有する。医療保険仲介DB110は、医療保険仲介サーバ100で使用される各種テーブルを保持するデータベースである。なお、テーブルの詳細は、後に説明する。保守端末120は、医療保険仲介サーバ100の管理と設定情報の入力を行なう端末である。
【0019】
利用者情報登録部101は、スマートフォン端末40から送信されてきた利用者情報を登録する機能部である。請求情報仲介部102は、スマートフォン端末40で入力され、医療機関サイトを介して送信されてきた請求情報を保険会社サイト30と仲介する機能部である。診断情報仲介部103は、医療機関サイト20から送信されてきた診断情報を保険会社サイト30に仲介する機能部である。査定情報仲介部104は、保険会社サイト30から送信されてきた保険の給付金支払いの査定情報を医療機関サイトに仲介する機能部である。給付金仲介部105は、保険会社サイト30から受け取った給付金を医療機関サイト20に仲介する機能部である。
【0020】
保険会社サイト30は、医療保険に関する業務を行い、医療保険に関して給付金を給付するか否かの査定を行うサイトであり、保険会社基幹サーバ300、保険会社業務DB310、保険会社端末320を有する。保険会社サイト30は、通常、各々の保険会社に対応して複数が存在することが想定される。
【0021】
保険会社基幹サーバ300は、機能部として、給付金支払査定部301、査定情報送信部302、給付金処理部303を有する。給付金支払査定部301は、送信されていた診断情報に基づき、医療保険に関する給付金支払いの査定を行う機能部である。査定情報送信部302は、医療保険に関する査定を医療保険仲介サイト10に送信する機能部である。給付金処理部303は、医療保険の給付金に関する処理を行う機能部である。保険会社業務DB310は、保険会社の業務に関するテーブルのデータベースである。保険会社端末320は、保険会社での業務に必要な情報を入力したり、保険会社基幹サーバ300の管理を行う端末である。
【0022】
保険会社サイト30には、診断情報と保険契約内容に基づいて給付金の査定を行う保険会社査定員4が業務に従事している。
【0023】
次に、図3を用いて医療保険仲介サーバのハードウェア・ソフトウェア構成二ついて説明する。
医療保険仲介サーバ100のハードウェア構成としては、例えば、図3に示される一般的なサーバ装置で実現される。
医療保険仲介サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)502、主記憶装置504、ネットワークI/F(InterFace)506、表示I/F508、入出力I/F510、補助記憶I/F512が、バスにより結合された形態になっている。
【0024】
CPU502は、医療保険仲介サーバ100の各部を制御し、主記憶装置504に必要なプログラムをロードして実行する。
主記憶装置504は、通常、RAMなどの揮発メモリで構成され、CPU502が実行するプログラム、参照するデータが記憶される。
【0025】
ネットワークI/F506は、ネットワーク60と接続するためのインタフェースである。
【0026】
表示I/F508は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置520を接続するためのインタフェースである。
【0027】
入出力I/F510は、入出力装置を接続するためのインタフェースである。図3の例では、キーボード530とポインティングデバイスのマウス532が接続されている。
【0028】
補助記憶I/F512は、HDD(Hard Disk Drive)550やSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を接続するためのインタフェースである。
【0029】
HDD550は、大容量の記憶容量を有しており、本実施形態を実行するためのプログラムが格納されている。医療保険仲介サーバ100には、利用者情報登録プログラム551、請求情報仲介プログラム552、診断情報仲介プログラム553、査定情報仲介プログラム554、給付金仲介プログラム555がインストールされている。
【0030】
利用者情報登録プログラム551、請求情報仲介プログラム552、診断情報仲介プログラム553、査定情報仲介プログラム554、給付金仲介プログラム555は、それぞれ利用者情報登録部101、請求情報仲介部102、診断情報仲介部103、査定情報仲介部104、給付金仲介部105の機能を実現するプログラムである。
【0031】
次に、図4ないし図12を用いて医療保険仲介サーバで用いられるデータ構造について説明する。
【0032】
利用者属性情報テーブル700は、医療保険仲介サービス利用者の属性に関する情報を格納するテーブルであり、図4に示されるように、利用者ID700a、氏名700b、生年月日700c、住所700d、電話番号700e、メールアドレス700f、利用ステータス700g、利用開始日700h、利用停止日700iの各フィールドを有する。
【0033】
利用者ID700aには、医療保険仲介サービス利用者を一意に表すIDが格納される。氏名700bには、医療保険仲介サービス利用者の氏名が格納される。生年月日700cには、医療保険仲介サービス利用者の生年月日が格納される。住所700dには、医療保険仲介サービス利用者の現在の住所が格納される。電話番号700eには、医療保険仲介サービス利用者の電話番号が格納される。メールアドレス700fには、医療保険仲介サービス利用者のEメールのアドレスが格納される。利用ステータス700gには、医療保険仲介サービス利用者における現在の医療保険仲介サービスの利用状況が格納される。利用開始日700hには、医療保険仲介サービス利用者における医療保険仲介サービスを利用した日にちが格納される。利用停止日700iには、医療保険仲介サービス利用者における医療保険仲介サービスを停止したときに、その停止した日にちが格納される。
【0034】
氏名700b、生年月日700c、住所700d、電話番号700e、メールアドレス700fの値は、医療保険仲介サービス利用者が、スマートフォン端末40より専用アプリに入力した情報である。
【0035】
保険契約情報テーブル701は、医療保険仲介サービス利用者と保険会社の契約情報を格納するテーブルであり、図5に示されるように、利用者ID701a、保険会社ID701b、証券番号701c、利用ステータス701d、登録日701e、契約確認日701f、登録解除日701gの各フィールドを有する。
【0036】
利用者ID701aには、医療保険仲介サービス利用者を一意に表すIDが格納される。保険会社ID701bには、医療保険仲介サービス利用者と契約を締結した保険会社を一意に表すIDが格納される。証券番号701cには、医療保険仲介サービス利用者と保険会社の契約における証券番号が格納される。利用ステータス701dには、医療保険仲介サービス利用者における現在の医療保険仲介サービスの利用状況が格納される。登録日701eには、医療保険仲介サービス利用者が医療保険仲介サービスを登録した日にちが格納される。契約確認日701fには、医療保険仲介サービスを登録した医療保険仲介サービス利用者に対して、保険会社が締結した契約の内容を確認した日にちが格納される。登録解除日701gには、医療保険仲介サービス利用者が医療保険仲介サービスの登録を解除したときに、その登録を解除した日にちが格納される。
【0037】
医療機関情報テーブル702は、医療機関に関する情報を格納するテーブルであり、図6に示されるように、医療機関コード702a、医療機関名702b、保険区分702c、所在地702d、電話番号702e、登録ステータス702f、登録日702g、登録停止日702h、診療科目702iの各フィールドを有する。
【0038】
医療機関コード702aには、医療機関を表すコードが格納される。医療機関名702bには、医療機関の名称が格納される。保険区分702cには、医療の適用区分が、例えば、「医科、歯科」のように格納される。所在地702dには、医療機関の所在地が格納される。電話番号702eには、医療機関の電話番号が格納される。登録ステータス702fには、医療機関の医療保険仲介サービスに対する現在の登録状況が格納される。登録日702gには、医療機関が医療保険仲介サービスを登録した日にちが格納される。登録停止日702hには、医療機関が医療保険仲介サービスの登録を停止したとき、その登録を停止した日にちが格納される。診療科目702iには、医療機関の診療科目がリスト形式で、例えば、「内科」、「外科」のように格納される。
【0039】
保険会社情報テーブル703は、医療保険の保険会社に関する情報を格納するテーブルであり、図7に示されるように、保険会社ID703a、保険会社名703b、保険区分703c、所在地703d、電話番号703e、登録ステータス703f、登録日703g、登録解除日703hの各フィールドを有する。
【0040】
保険会社ID703aには、保険会社を一意に表すIDが格納される。保険会社名703bには、保険会社の名称が格納される。保険区分703cには、保険会社が取り扱う保険区分が、例えば、「生命保険」、「医療保険」などが格納される。所在地703dには、保険会社の所在地が格納される。電話番号703eには、保険会社の電話番号が格納される。登録ステータス703fには、保険会社の医療保険仲介サービスに対する現在の登録状況が格納される。登録日703gには、保険会社が医療保険仲介サービスを登録した日にちが格納される。登録解除日703hには、保険会社が登録を解除したときに、その登録を解除した日にちが格納される。
【0041】
給付金請求情報テーブル704は、管理NO704a、利用者ID704b、受診医療機関コード704c、受診科目704d、受診日704e、請求先保険会社ID704f、証券番号704gの各フィールドを有する。
【0042】
管理NO704aには、図8図12のテーブルで取り扱うレコードの主キーとして管理される番号が格納される。利用者ID704bには、医療保険仲介サービスを利用する利用者を一意に表すIDが格納される。受診医療機関コード704cには、医療保険仲介サービスで医療サービスを受ける患者が受信した医療機関の医療機関コードが格納される。受診科目704dには、医療保険仲介サービスで医療サービスを受ける患者が受信した医療科目が格納される。受診日704eには、医療保険仲介サービスで医療サービスを受ける患者の受信した日にちが格納される。請求先保険会社ID704fには、医療保険の給付金を請求する保険会社を一意に表すIDが格納される。証券番号704gには、医療保険の証券番号が格納される。
【0043】
診断書情報テーブルは、図9に示されるように、管理NO705a、医療機関コード705b、医師名705c、発行日705d、診察科目705e、診察日705f、利用者ID705g、患者名705h、健康保険証提示705i、健康保険適用705j、自己負担割合705k、傷病名705l、傷病コード705m、傷病原因705n、傷病発生日705o、入院日705p、退院日705q、手術コード705r、手術日705sの各フィールドを有する。
【0044】
管理NO705aには、図8図12のテーブルで取り扱うレコードの主キーとして管理される番号が格納される。医療機関コード705bには、診断を行った医療機関の医療コードが格納される。医師名705cには、診断を行った医師3の氏名が格納される。発行日705dには、診断書を発行した日にちが格納される。診察科目705eには、医療サービスを受ける患者が受けた診察科目が格納される。診察日705fには、医療サービスを受ける患者が受けた診察の診察日が格納される。利用者ID705gには、医療保険仲介サービスの利用者IDが格納される。患者名705hには、医療サービスを受ける患者の氏名が格納される。健康保険証提示705iには、医療サービスを受ける患者が健康保険証を提示したか否かのフラグが格納される。健康保険適用705jには、医療サービスを受ける患者に対して健康保険が適用されるか否かのフラグが格納される。自己負担割合705kには、医療サービスを受ける患者が自己負担する割合が%表示で格納される。傷病名705lには、医療サービスを受ける患者の傷病名が格納される。傷病コード705mには、医療サービスを受ける患者の傷病を表す傷病コードが格納される。傷病原因705nには、医療サービスを受ける患者の診断から確定されたまたは推測される傷病の原因の表記が格納される。傷病発生日705oには、医療サービスを受ける患者の傷病が発生する日にちが明らかなときには、その日にちが格納される。入院日705pには、医療サービスを受ける患者が入院したときには、その入院の日にちが格納される。退院日705qには、医療サービスを受ける患者が退院したときには、その退院の日にちまたは退院の予定日が格納される。手術コード705rには、医療サービスを受ける患者が手術をしたときには、その手術を表すコードが格納される。手術日705sには、医療サービスを受ける患者が手術をしたときには、その手術の日にちが格納される。
【0045】
支払査定情報テーブル706は、保険会社が保険契約者に対して、給付金を支給するか否かの査定情報を格納するテーブルであり、図10に示されるように、管理NO706a、保険会社ID706b、証券番号706c、査定結果706d、不可/保留理由706e、給付金支払可能額706f、支払金内訳706gの各フィールドを有する。
【0046】
管理NO706aには、図8図12のテーブルで取り扱うレコードの主キーとして管理される番号が格納される。保険会社ID706bには、支払査定を行った保険会社を一意に表すIDが格納される。証券番号706cには、保険契約の証券番号が格納される。査定結果706dには、保険会社の給付金支払いに対する査定結果の情報が格納される。不可/保留理由706eには、査定結果が不可あるいは保留であるときの理由に関する情報が格納される。給付金支払可能額706fには、査定結果として給付金の支払い可能とされた額の値が格納される。支払金内訳706gには、給付金の内訳がリスト形式で、例えば、(入院給付金、99,999円)、(手術給付金、99,999円)などのように格納される。
【0047】
医療機関精算情報テーブル707は、医療機関が保険会社の給付金支払いに関する情報を受取り、それに基づいて、医療費を精算するときの情報を格納するテーブルであり、管理NO707a、医療機関コード707b、精算日707c、診療費合計707d、給付金充当額707e、請求額707f、健康保険適用707g、自己負担割合707hの各フィールドを有する。
【0048】
管理NO707aには、図8図12のテーブルで取り扱うレコードの主キーとして管理される番号が格納される。医療機関コード707bには、医療費を請求する医療機関の医療機関コードが格納される。精算日707cには、医療保険仲介サービスの利用者に対して医療費を精算した日にちが格納される。診療費合計707dには、医療サービスを受けた患者に対する診療費の合計が格納される。給付金充当額707eには、診療費のうちで給付金から充当される金額が格納される。請求額707fには、医療保険仲介サービスの利用者に対して請求する金額が格納される。健康保険適用707gには、精算結果として医療サービスを受けた患者が健康保険の適用があったか否かのフラグが格納される。自己負担割合707hには、精算結果として医療サービスを受けた患者の医療費全額に対する自己負担割合が%表示で格納される。
【0049】
給付金相当額精算情報テーブル708には、医療機関サイト20と医療保険仲介サイト10の間でやり取りされる給付金の精算に関する情報を格納するテーブルであり、図12に示されるように、管理NO708a、保険会社への支払依頼日708b、支払依頼金額708c、受領日708d、医療機関への支払日708e、支払口座情報708f、支払金額708gの各フィールドを有する。
【0050】
管理NO708aには、図8図12のテーブルで取り扱うレコードの主キーとして管理される番号が格納される。保険会社への支払依頼日708bには、医療保険仲介サイト10が保険会社に対して、給付金の支払いを依頼した日にちが格納される。支払依頼金額708cには、医療保険仲介サイト10が保険会社に対して、支払いを依頼した給付金の額が格納される。受領日708dには、医療保険仲介サイト10が保険会社から給付金を受領した日にちが格納される。医療機関への支払日708eには、医療保険仲介サイト10が医療機関に対して給付金を支払った日にちが格納される。支払口座情報708fには、医療機関に対しての給付金の支払い口座情報が格納される。支払金額708gには、医療機関に対して支払った給付金の支払い金額が格納される。
【0051】
次に、図13ないし図19を用いて医療保険サービス提供システムの処理について説明する。
【0052】
先ず、図13を用いて医療保険仲介サービス利用者がサービス利用登録をするとき処理を説明する。
医療保険仲介サービス利用者1は、医療保険仲介サイト10が提供する専用アプリをスマートフォン端末40にダウンロードする(S100)。
【0053】
次に、医療保険仲介サービス利用者1は、専用アプリにより氏名、生年月日、住所等の利用者情報を入力し(S101)、専用アプリは、それらの情報をネットワーク60を介して医療保険仲介サイト10に送信し、医療保険仲介サイト10の医療保険仲介サーバ100(以下、医療保険仲介サーバ100を省略し、単に「医療保険仲介サイト10」とも記載する)は、その情報を、図4に示した利用者属性情報テーブル700に登録する(S400)。
【0054】
次に、医療保険仲介サービス利用者1は、専用アプリにより加入している医療保険の保険情報を入力し(S102)、医療保険仲介サイト10は、保険会社サイト30にその契約の確認要請を行い(S401)、保険会社サイト30の保険会社基幹サーバ300(以下、保険会社基幹サーバ300を省略し、単に「保険会社サイト30」とも記載する)は、契約結果の確認結果を返答し、それにより医療保険仲介サイト10は、医療保険仲介サービス利用者1の加入している保険情報を、図5に示した保険契約情報テーブル701に登録し(S402)、登録完了を医療保険仲介サービス利用者1の専用アプリに通知する(S103)。
【0055】
次に、図14を用いて医療保険仲介サービス利用者が医療機関に外来受付をするときの処理について説明する。
医療保険仲介サービス利用者1は、医療機関の外来受付時にスマートフォン端末40の専用アプリに給付金請求情報を入力し(S110、S111)、スマートフォン端末40の専用アプリを使用してQRコードを表示し、受付で提示する(S112)。このQRコードは、給付金請求情報をコード化したものである。QRコードを使用することにより、医療機関で手間を要することなく、入力ができ、請求情報の送信が医療機関を介して行われることになり、不正請求が防止できるという利点がある。
【0056】
医療機関の医療スタッフ2は、設置されたQRコードリーダ210により、提示されたQRコードを読み込む(S200)。そして、医療機関サイト20の医療機関端末200(以下、医療機関端末200を省略して、単に「医療機関サイト20」ともいう)は、QRコードとして読み取った給付金請求情報を、医療保険仲介サイトに送信し、医療保険仲介サイトが受信し(S410)、その給付金請求情報を、図8に示した給付金請求情報テーブル704に登録する(S411)。そして、受信した給付金請求情報を、保険会社サイト30に送信し(S413、S310)、医療保険仲介サービス利用者1のスマートフォン端末40に手続き完了を通知する(S113)。
【0057】
このようにして、本実施形態によれば、従来では紙ベースで保険会社に郵送していた給付金請求のペーパレス化とオンライン連携によってスピーディな給付金請求手続きを実現することができる。
【0058】
次に、図15を用いて、医療機関が患者の受信によって診断書を作成して、診断書情報を医療保険仲介サイトに送信するまでの処理について説明する。
医療サービス利用者(患者)が受信し(S120)、医師3の診察が行われ(S210)、必要なカルテが記入される(S211)。カルテ記入を終えた医師3は、医療保険仲介サイトが提供する医療機関端末200の診断書入力画面(図示せず)を使用して診断書情報を入力する(S212)。診断書情報の入力は、医療スタッフ2が行ってもよい。
【0059】
次に、医療スタッフ2は、診断書内容に不備がないか否かを確認し(S213)、不備がなければ、診断書情報を医療保険仲介サイト10に送信する。
【0060】
医療保険仲介サイト10は、診断書情報を受信し(S420)、その診断書情報を、図9に示した診断書情報テーブル705に登録する(S421)。そして、各保険会社に診断書情報を送信し(S422、S320)、医療機関サイト20に、診断書情報に関する手続きが終了したことを通知する(S215)。
【0061】
このように、本実施形態によれば、従来では、紙ベースで保険会社に郵送していた診断書のペーパレス化と即時データ連携により、必要書類の速やかな連携を実現することができる。
【0062】
次に、図16を用いて保険会社が支払いの査定を行うときの処理について説明する。
診断書情報を受信した各保険会社では、請求情報と診断書情報に基づいて、ソフトウェアによる給付金支払いに関する機械査定を実施し(S330)、機械査定だけでは査定が完了しない請求案件の場合には、保険会社査定員4による有人査定を実施する(S331)、査定結果や支払可能額を支払査定情報として医療保険仲介サイト10に送信する(S332)。
【0063】
医療保険仲介サイト10では、支払査定情報を受信し(S430)、その支払査定情報を、図10に示した支払査定情報テーブル706に登録し(S431)、医療機関サイト20に送信する(S432、S220)。
【0064】
これにより、本実施形態によれば、保険会社においては、即時の連携データをトリガーとした支払査定の開始することができ、ペーパレス化による誤記・未記入等の不備の排除することができる。また、従来の紙媒体を電子データ化することによる査定案件の自動案件化・機械査定を行うことができる。そして、給付金支払いの査定結果を医療機関へ即時データ連携することができ、リードタイムの短縮を実現することができる。
【0065】
次に、図17を用いて医療保険仲介サービス利用者が医療機関において窓口精算を行うときの処理について説明する。
支払査定情報を受信した医療機関では、給付金支払可能額を加味した上で医療費請求および窓口精算を実施する。
【0066】
医療機関サイト20は、医療費を計算し(S230)、医療費請求ありのときは(S231)、医療保険仲介サービス利用者1は、医療費を支払い(S231)、医療費請求なしのときは(S232)、医療費を支払わず、医療サービス利用者(患者)は、入院しているときには、必要な退院手続きを行う(S131)。
【0067】
なお、医療機関において医療保険仲介サービス利用者が窓口精算を行うときの医療機関の詳細な処理は、後に説明する。
これにより、本実施形態によれば、医療機関が支払い査定結果を予め受信しているため、医療機関が給付金を前提とした医療費請求をすることができるため、医療保険仲介サービス利用者1は、医療機関窓口でのワンストップ支払、キャッシュレス決済を実現することができる。
【0068】
次に、図18を用いて医療機関が給付金の精算を行うときの処理について説明する。
医療機関サイト20は、医療費の精算結果を医療保険仲介サイト10に送信する(S240、S450)。
【0069】
次に、医療保険仲介サイト10は、医療費の精算結果を、図11に示した医療機関清算情報テーブル707に登録し(S451)、各保険会社サイト30に、給付金相当額の支払を依頼する(S452)。
【0070】
各保険会社サイト30は、医療保険仲介サイト10の振込口座に給付金相当額を送金するなどの給付金相当額の支払いを行う(S340)。
【0071】
医療保険仲介サイト10は、給付金相当額を受領し(S453)、給付金相当額の精算結果を、図12に示した給付金相当額清算情報テーブル708に登録し(S455)、医療機関サイト20の振込口座に給付金相当額を送金するなどの給付金相当額の支払いを行う(S454、S241)。
【0072】
次に、図19を用いて医療機関において医療保険仲介サービス利用者が窓口精算を行うときの医療機関の詳細な処理について説明する。
医療機関サイト20では、支払い査定情報を受信する(S500)。
そして、診断情報とその支払い査定額に基づいて、医療費計算を行う(S501)。
【0073】
給付金の支払いを保留する、または、給付金の支払いが不可の査定結果のときには(S502:給付金の支払保留 OR 給付金の支払不可)、医療保険仲介サービス利用者1に対して、自己負担額を請求する(S504)。
【0074】
給付金の支払いが可能の査定結果のときには(S502:給付金の支払可)、給付金額と自己負担額を比較し(S503)、給付金額<自己負担額のときには(S503:<)、医療保険仲介サービス利用者1に対して、その差額を請求し(S505)、給付金額≧自己負担額のときには(S503:≧)、医療保険仲介サービス利用者1に対する窓口請求は、なしとする(S506)。
【0075】
以上、本実施形態の医療保険サービス提供システムによれば、保険加入者にとって、診断書の手配が不要、請求書作成が不要になるというメリットがある。また、支払い査定で給付金が支払われるという結果のときには、自己負担額の用意が不要になるというメリットがある。また、保険加入者が、複数の保険会社の医療保険に加入している場合には、従来は保険会社ごとに請求書の提出が必要であったが、本サービス経由で各保険会社に同時に請求をすることにより、給付金請求に関わる加入者負担を大幅に軽減することができる。
【0076】
医療機関にとっては、医療費用の不払い事案の減少が期待でき、窓口での支払や現金の取り扱いが減り、事務の効率化につながることが期待することができる。
【0077】
保険会社にとっては、保険給付金の支払の早期化、支払備金の減少、遅延利息の発生防止の効果を見込むことができる。また、本人確認業務を医療機関窓口での健康保険証の提示を確認することで代替でき、手書き診断書・手書き請求書の減少による事務の効率化を見込むことができる。また、郵送費用、振り込み手数料の削減、書類紛失リスクの軽減、不正受給者による不正請求リスクの軽減の効果を見込むことができる。
【符号の説明】
【0078】
1…医療保険仲介サービス利用者、2…医療スタッフ、3…医師、4…保険会社査定員、
10…医療保険仲介サイト、100…医療保険仲介サーバ、101…利用者情報登録部、102…請求情報仲介部、103…診断情報仲介部、104…査定情報仲介部、105…給付金仲介部、110…医療保険仲介DB、120…保守端末、
20…医療機関サイト、200…医療機関端末、201…請求情報転送部、202…診断情報転送部、203…医療費処理部、204…給付金受領部、210…QRコードリーダ、
30…保険会社サイト、300…保険会社基幹サーバ、301…給付金支払査定部、302…査定情報送信部、303…給付金処理部、310…保険会社業務DB、320…保険会社端末、
40…スマートフォン端末、50…基地局、60…ネットワーク
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