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  • 特開-峰押さえ台付き包丁 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177772
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】峰押さえ台付き包丁
(51)【国際特許分類】
   B26B 3/00 20060101AFI20221124BHJP
   A47J 47/16 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
B26B3/00 C
A47J47/16 P
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021107116
(22)【出願日】2021-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】506285987
【氏名又は名称】平塚 清徳
(72)【発明者】
【氏名】平塚 清徳
【テーマコード(参考)】
3C061
4B066
【Fターム(参考)】
3C061AA02
3C061AA25
3C061BA03
3C061EE13
4B066EE42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】容易で簡単に効率よく安全に、常に刃体の安定姿勢を保持して、且つ切断力を高めて楽に調理することができる包丁を提供する。
【解決手段】手で握り持つ柄部4、及び刃体部5、及び刃先部6、及び刃部7、及び峰部3をそれぞれ備えた一般的形状構成の包丁本体2であり、前記峰部の前記柄部の前方側先端部位に接する後方側部位付近、及び前記刃体部の前記柄部の前方側先端部位に接する後方側上部位付近のそれぞれの適宜位置に、裏側面部位に下方へ突き出した形状構成の2つの支受側部9を左右に並列状に備えた前記柄部を握り持つ手の親指の第一末節骨の下部位の第一腹を押し当て載置する峰押さえ台部8を設け、前記峰押さえ台部は、前記峰部の当接する当該部位に裏面部位が載置接合固定、及び前記刃体部の当接する当該部位を前記左右の支受側部で挟み合わせ接合固定して一体形成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手で握り持つ柄部、及び刃体部、及び刃先部、及び刃部、及び峰部をそれぞれ備えた一般的形状構成の包丁本体であり、
前記峰部の前記柄部の前方側先端部位に接する後方側部位付近、及び前記刃体部の前記柄部の前方側先端部位に接する後方側上部位付近のそれぞれの適宜位置に、裏側面部位に下方へ突き出した形状構成の2つの支受側部を左右に並列状に備えた前記柄部を握り持つ手の親指の第一末節骨の下部位の第一腹を押し当て載置する峰押さえ台部を設け、
前記峰押さえ台部は、前記峰部の当接する当該部位に裏面部位が載置接合固定、及び前記刃体部の当接する当該部位を前記左右の支受側部で挟み合わせ接合固定して一体形成したことを特徴とする峰押さえ台付き包丁。
【請求項2】
前記峰押さえ台部は、前記柄部を握り持つ手の前記親指の押し当て載置する少し反った姿勢で丸みを帯びた第一腹の形状とピッタリ合致してフイットする前記刃先部側の前方が高く前記柄部側の後方が低い前高後低の湾曲状傾斜姿勢形状構成であり、
前記峰押さえ台部は、前記第一腹と同程度サイズで、外周の角を無くして丸くした形状構成で設けたことを特徴とする前記請求項1の峰押さえ台付き包丁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者や女性などの握力の弱い者が、魚肉や野菜などの食材を調理する際に使う峰押さえ台付き包丁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高齢者や女性などの握力の弱い者が、魚肉や野菜などの食材を調理する際、柄の先に刃体の付いた形状構成の一般的な三徳包丁または牛刀包丁などを、右手または左手の一方の手で柄を握り持ち、空いている他方の手で食材を押さえ安定させて切断調理するが、時々他方の手を使って峰を押さえて刃体を安定姿勢に保持すると共に、切断力を高めて調理していた。
【0003】
尚、調理作業時に指を傷つける事もなく、疲労を感じない、包丁指押しカバーを着脱自在に装着した調理用包丁(特許文献1参照)が知られている。
【0004】
更に、時間とエネルギーを節約し、安全で、多目的・多機能なハンドル・サポートを有し、固い対象物を切る場合、中指・薬指・小指でハンドル・サポートをくるみ、親指と人差し指で刃の上部を押さえ、手の平で力を加えてその対象物をしっかりと押さえる省力包丁(特許文献2参照)が知られている。
【0005】
更に、包丁の刃体の背面に支軸を設けて握り柄を付けることにより、握り柄を通して効率よく力を加えることができるため、固い物、大きな物を小さな力で安定して切ることができる包丁(特許文献3参照)が知られている。
【0006】
更に、台所でマナ板に乗せる硬い食材を包丁で切るのにその包丁の背を素手で強くたたいて、包丁の刃に強い力を加えて包丁さばきの出来る、包丁の把つ手の外周に沿って合成樹脂成形で成る背受体を摺動自在に装着し、その背受体が、包丁の背に移動自在でその背をガード可能にし、素手で包丁の背に強い力を付加の出来る構成の背受け付き包丁(特許文献4参照)が知られている。
【0007】
更に、厨房で調理師が包丁を持つときの理想的な位置で包丁を持てる様に、使用者を自然に誘導することが出来る包丁(特許文献5参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実登3043032号
【特許文献2】特開平11-300058号広報
【特許文献3】特開2001-087568号広報
【特許文献4】実登3090235号
【特許文献5】実登3196875号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の、高齢者や女性などの握力の弱い者が、魚肉や野菜などの食材を調理する際、柄の先に刃体の付いた形状構成の一般的な三徳包丁または牛刀包丁などを、右手または左手の一方の手で柄を握り持ち、空いている他方の手で食材を押さえ安定させて切断調理するが、時々他方の手を使って峰を押さえて刃体の安定姿勢を保持すると共に、切断力を高めて調理していた。
包丁の柄を握り持つ片手のみで他の手を使わずに峰を押さえて、容易に簡単で効率よく安全に刃体の安定姿勢を保持して、且つ切断力を高めて調理することは不可能だった。
また、調理の途中で包丁をキッチン台などに置く際に、刃体が接触して不衛生になるのを、確実で手軽で容易に効率よく防ぐことが出来なかった。
本発明は、以上の問題点を解決する為になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
手で握り持つ柄部、及び刃体部、及び刃先部、及び刃部、及び峰部をそれぞれ備えた一般的形状構成の包丁本体であり、
前記峰部の前記柄部の前方側先端部位に接する後方側部位付近、及び前記刃体部の前記柄部の前方側先端部位に接する後方側上部位付近のそれぞれの適宜位置に、裏側面部位に下方へ突き出した形状構成の2つの支受側部を左右に並列状に備えた前記柄部を握る手の親指の第一末節骨の下部位の第一腹を押し当て載置する峰押さえ台部を設け、
前記峰押さえ台部は、前記峰部の当接する当該部位に裏面部位が載置接合固定、及び前記刃体部の当接する当該部位を前記左右の支受側部で挟み合わせ接合固定して一体形成する。
以上の構成より成る峰押さえ台付き包丁。
【発明の効果】
【0011】
従来不可能とされていた、高齢者や女性などの握力の弱い者が、魚肉や野菜などの食材を調理する際、柄の先に刃体の付いた形状構成の一般的な三徳包丁または牛刀包丁を、右手または左手の一方の手で柄を握り持ち、空いている他方の手で食材を押さえ安定させて切断調理する態勢を変えず、前記柄を握る片手のみで他方の手を使わずに、容易で簡単に効率よく安全に、常に刃体の安定姿勢を保持して、且つ切断力を高めて楽に調理することを、本発明により可能にした。
また、調理の途中で包丁をキッチン台などに置く際に、刃体が接触して不衛生になるのを、確実で手軽で容易に効率よく防げるので、利便で安心して料理に集中できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の斜視図
図2】本発明の部分断面斜視図
図3】本発明の使用状態を示す斜視図
図4】本発明の置いた状態を示す斜視図
【本発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
最初に、本発明の峰押さえ台付き包丁(1)は、用途別や使用者の好みで形状サイズが違う各種の、文化包丁と呼ばれる最もポピュラーで一般的な三徳包丁・万能包丁と呼ばれる牛刀包丁・刺身包丁・出刃包丁・中華包丁などが有るが、峰押さえ台部(8)の形状構成サイズは同一であり、この実施の形態では一般的な標準サイズの三徳包丁を説明する。
請求項1
(イ)手(F)で握り持つ柄部(4)、及び刃体部(5)、及び刃先部(6)、及び刃部 (7)、及び峰部(3)をそれぞれ備えた包丁本体(2)である。
(ロ)前記包丁本体(2)は、鋼製・ステンレス製・ステンレス鋼製・セラミック製であ る。
(ハ)前記峰部(3)の前記柄部(4)の前方側先端部位に接する後方側部位付近、及び 前記刃体部(5)の前記柄部(4)の前方側先端部位に接する後方側上部位付近の それぞれの適宜位置に、裏面側部位に下方へ突き出した形状構成の2つの支受側部 (9)を左右に並列状に備えた前記柄部(4)を握る手(F)の親指(A)の第一 末節骨の下部位の第一腹を押し当て載置する峰押さえ台部(8)を設ける。
(ニ)前記峰押さえ台部(8)は、前記峰部(3)の当接する当該部位に裏面部位が載置 接合固定した構成であり、同じく前記刃体部(5)の当接する当該部位を前記左右 の支受側部(9)で挟み合わせて接合固定して、前記峰部(3)と前記刃体部(5 )と前記峰押さえ台部(8)を一体的に形成する。
(ホ)前記峰押さえ台付き包丁(1)は、前記峰押さえ台部(8)を同一型に組み込んで 一体製造形式、又は溶接や接着剤で後付け製造形式にて成型する。
請求項2
(ヘ)前記峰押さえ台部(8)は、前記押し当て載置する親指(A)の少し反った姿勢で 丸みを帯びた第一腹(H)の形状とピッタリ合致してフイットする形状である。
(ト)前記峰押さえ台部(8)は、前記刃先部(6)側の前方が高く前記柄部(4)側の 後方(使用者からは手前側)が低い前高後低の中央付近が最も低い湾曲傾斜姿勢形 状である。
(チ)前記峯押さえ台部(8)は、前記親指(A)の第一腹(H)が押し当て載置できる サイズ(第一腹Hと同程度位・前後幅3cm位・左右幅2cm位・最高6mm位・ 最低1mm位・傾斜角度20度位)であり、外周の角を無くして丸くした長方形ま たは楕円形状で設ける。
(リ)前記峰押さえ台部(8)は、前記包丁本体(2)の前記刃体部(5)と同一の鋼材 ・ステンレス材・ステンレス鋼材・セラミック材・又は前記柄部(4)と同一の木 材・プラスチック材などで製造する。
本発明は以上のような構造である。
本発明の峰押さえ台付き包丁(1)を使用して、高齢者や女性などの握力の弱い者が、魚肉や野菜などの食材を調理する時は、従来の三徳包丁や牛刀包丁を使う時と全く同じ手順と要領で、右または左の手(F)で柄部(4)を握り持ち、その状態で親指(A)を前方へ向けて伸ばした位置の峰部(3)の上にある峰押さえ台部(8)に、親指(A)の第一腹(H)を押し当てるようにして載置する。
後は、従来と同じく、空いている他方の手でまな板に載せた食材を押さえて安定させた状態で、前記柄部(4)を握り持つ片手(F)で前記峰押さえ台付き包丁(1)を操作して切断調理するが、この時に前記親指(A)の第一腹(H)で、前記峰押さえ台部(8)を上側から押さえることで、一体状の刃体部(5)を常に安定姿勢に保持して、且つ切断力を高めるので容易に安全で安心して効率よく楽に調理ができる。
また、前記峰押さえ台付き包丁(1)の前記柄部(4)を握り持つ前記手(F)の前記親指(A)の第一腹(H)を、前記峰押さえ台部(8)に押し当てて載置した状態で前記峰押さえ台付き包丁(1)を操作する感触と使い勝手が、従来の包丁を操作する時とは格段に違って良くなり、楽しく調理ができる。
そして、調理する前または途中、若しくは終わった後で前記峰押さえ台付き包丁(1)をキッチン台などに置く時に、逆さにして前記峰押さえ台部(8)をキッチン台などに当接させた状態(図4参照)で置くことで、前記刃体部が他の物に触れずに済み、手軽で容易に効率よく汚れや雑菌の付着を防いで衛生管理ができる。
【符号の説明】
【0014】
1峰押さえ台付き包丁、2包丁本体、3峰部、4柄部、5刃体部、6刃先部、7刃部、8峰押さえ台部、9支受側部、F手、A親指、H第一腹、B人差指、C中指、D薬指、E小指、Kキッチン台
図1
図2
図3
図4