(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177779
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】装飾付き木材および装飾付き木材の製造方法
(51)【国際特許分類】
B27M 1/00 20060101AFI20221124BHJP
E04F 13/10 20060101ALI20221124BHJP
B27M 1/06 20060101ALI20221124BHJP
B32B 21/00 20060101ALI20221124BHJP
B32B 7/023 20190101ALI20221124BHJP
【FI】
B27M1/00 F
E04F13/10 A
B27M1/06
B32B21/00
B32B7/023
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189575
(22)【出願日】2021-11-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-18
(31)【優先権主張番号】P 2021083939
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】508169502
【氏名又は名称】太田ベニヤ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 覚史
(72)【発明者】
【氏名】山田 陽之介
【テーマコード(参考)】
2B250
2E110
4F100
【Fターム(参考)】
2B250AA06
2B250AA13
2B250BA03
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2B250DA04
2B250EA02
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2B250FA35
2B250GA03
2B250HA01
2E110AA57
2E110BA04
2E110BA05
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2E110BB22
2E110EA09
2E110GA33W
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2E110GB62W
2E110GB62X
4F100AK01
4F100AK01E
4F100AP01
4F100AP01A
4F100AP01B
4F100AP01C
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4F100BA03
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4F100BA07
4F100EJ52
4F100GB07
4F100GB41
4F100HB00
4F100HB00B
4F100HB00C
4F100JN30
(57)【要約】
【課題】表現力に優れた装飾付き木材を提供する。
【解決手段】装飾付き木材は、表面に描画が施された装飾付き木材である。この装飾付き木材は、ベース板と、ベース板の上に積層され、上記表面を含む描画板と、を備えている。描画板は、第1木板と、第1木板よりも明度が低く、第1木板よりもベース板側において第1木板と厚さ方向に重なる第2木板と、を含む。上記表面は、上記表面に垂直な方向に見て、第1木板の表面が露出する第1領域と、第2木板の表面が露出する第2領域と、を含む。第2領域は、第2木板の表面が炭化することによって形成される第1炭化部と、第2木板の表面が炭化することによって形成され、第1炭化部よりも明度が低い第2炭化部と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に描画が施された装飾付き木材であって、
ベース板と、
前記ベース板の上に積層され、前記表面を含む描画板と、を備え、
前記描画板は、
第1木板と、
前記第1木板よりも明度が低く、前記第1木板よりも前記ベース板側において前記第1木板と厚さ方向に重なる第2木板と、を含み、
前記表面は、前記表面に垂直な方向に見て、
前記第1木板の表面が露出する第1領域と、
前記第2木板の表面が露出する第2領域と、を含み、
前記第2領域は、
前記第2木板の表面が炭化することによって形成される第1炭化部と、
前記第2木板の表面が炭化することによって形成され、前記第1炭化部よりも明度が低い第2炭化部と、を含む、装飾付き木材。
【請求項2】
前記第1領域は、
前記第1木板の表面が炭化することによって形成される第3炭化部と、
前記第1木板の表面が炭化することによって形成され、前記第3炭化部よりも明度が低い第4炭化部と、を含む、請求項1に記載の装飾付き木材。
【請求項3】
前記描画板は、前記第2木板よりも明度が低く、前記第2木板よりも前記ベース板側において前記第2木板と前記厚さ方向に重なる第3木板をさらに含み、
前記表面は、前記表面に垂直な方向に見て、前記第3木板の表面が露出する第3領域をさらに含み、
前記第3領域は、
前記第3木板の表面が炭化することによって形成される第5炭化部と、
前記第3木板の表面が炭化することによって形成され、前記第5炭化部よりも明度が低い第6炭化部と、を含む、請求項1または請求項2に記載の装飾付き木材。
【請求項4】
前記ベース板は、前記描画板よりも厚い、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の装飾付き木材。
【請求項5】
前記ベース板は、
前記描画板が積層される第1主面と、
前記厚さ方向において前記第1主面と反対側の第2主面と、を含み、
前記第2主面の上に積層され、前記描画板よりも前記厚さ方向に反りにくい背面板をさらに備えた、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装飾付き木材。
【請求項6】
前記背面板は、樹脂材料からなる、請求項5に記載の装飾付き木材。
【請求項7】
建材または家具の少なくとも一部を構成する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の装飾付き木材。
【請求項8】
装飾用木材を準備する準備工程と、
前記準備工程の後、前記装飾用木材をステージの上に設置する設置工程と、
前記設置工程の後、レーザ描画により前記装飾用木材の表面に描画を施す描画工程と、を備え、
前記準備工程では、ベース板と、前記ベース板の上に積層された描画板と、を備える前記装飾用木材が準備され、
前記描画板は、第1木板と、前記第1木板よりも明度が低く、前記第1木板よりも前記ベース板側において前記第1木板と厚さ方向に重なる第2木板と、を含み、
前記描画工程では、前記装飾用木材の表面にレーザを照射し、前記第1木板の一部を除去して前記第1木板の表面が露出する第1領域と前記第2木板の表面が露出する第2領域とを含む前記装飾用木材の表面を形成し、前記第2木板の表面を炭化させることによって前記第2木板の表面の明度をレーザの照射前よりも低下させ、
前記描画工程では、レーザの照射により前記第2木板の表面を炭化させることによって、前記第2領域内に、第1炭化部と、前記第1炭化部よりも明度が低い第2炭化部とを形成する、装飾付き木材の製造方法。
【請求項9】
前記描画工程では、レーザの照射により前記第1木板の表面を炭化させることによって、前記第1領域内に、第3炭化部と、前記第3炭化部よりも明度が低い第4炭化部とを形成する、請求項8に記載の装飾付き木材の製造方法。
【請求項10】
前記描画板は、前記第2木板よりも明度が低く、前記第2木板よりも前記ベース板側において前記第2木板と前記厚さ方向に重なる第3木板をさらに含み、
前記描画工程では、前記第2木板の一部を除去して前記第3木板の表面が露出する第3領域をさらに含む前記装飾用木材の表面を形成し、前記第3木板の表面を炭化させることによって前記第3木板の表面の明度をレーザの照射前よりも低下させ、
前記描画工程では、レーザの照射により前記第3木板の表面を炭化させることによって、前記第3領域内に、第5炭化部と、前記第5炭化部よりも明度が低い第6炭化部とを形成する、請求項8または請求項9に記載の装飾付き木材の製造方法。
【請求項11】
前記描画工程では、前記第3領域を形成するときに、前記第2領域を形成するときよりも大きい出力でレーザを照射する、請求項10に記載の装飾付き木材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、装飾付き木材および装飾付き木材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の内装材の表面に模様を施すことが知られている。この種の技術が、例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1には、表面に凹凸模様が形成された建築物内装材が記載されている。具体的に、この内装材は、ベニヤ板等からなる基材と、当該基材の上に合成樹脂エマルション系吹付塗材により形成された凹凸模様被覆層および合成樹脂塗膜層とを含むタイル状内装材である。この内装材は、接着剤等により壁面に取り付けられる。
【0004】
特許文献2には、基材の上に2枚の突板が貼り合わされた化粧板が記載されている。特許文献3には、高ニトリル樹脂フィルムおよび木質単板が交互に積層され、レーザ切削加工性に優れた装飾用積層合板が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭52-105330号公報
【特許文献2】特開2008-12887号公報
【特許文献3】実開平2-27330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された建築物内装材は、樹脂系塗材の吹付により基材の表面に凹凸模様を形成するものであるが、内装材等に用いられる装飾木材においては高い表現力が求められる。樹脂系塗材の吹付では、このような高い表現力を達成することは困難である。特許文献2に記載された化粧板は、色彩や模様などが異なる複数の突板が重ねられ、その後突板の表面が彫り取られたものであるが、特許文献1と同様に高い表現力を達成するのは困難である。特許文献3に記載された装飾用積層合板は、レーザ切削加工性に優れたものとされているが、特許文献1,2と同様に装飾における表現力が十分であるとは言えない。
【0007】
本開示の目的は、表現力に優れた装飾付き木材および装飾付き木材の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に従った装飾付き木材は、表面に描画が施された装飾付き木材である。この装飾付き木材は、ベース板と、ベース板の上に積層され、上記表面を含む描画板と、を備えている。描画板は、第1木板と、第1木板よりも明度が低く、第1木板よりもベース板側において第1木板と厚さ方向に重なる第2木板と、を含む。上記表面は、上記表面に垂直な方向に見て、第1木板の表面が露出する第1領域と、第2木板の表面が露出する第2領域と、を含む。第2領域は、第2木板の表面が炭化することによって形成される第1炭化部と、第2木板の表面が炭化することによって形成され、第1炭化部よりも明度が低い第2炭化部と、を含む。
【0009】
本開示に従った装飾付き木材の製造方法は、装飾用木材を準備する準備工程と、準備工程の後、装飾用木材をステージの上に設置する設置工程と、設置工程の後、レーザ描画により装飾用木材の表面に描画を施す描画工程と、を備えている。準備工程では、ベース板と、ベース板の上に積層された描画板と、を備える装飾用木材が準備される。描画板は、第1木板と、第1木板よりも明度が低く、第1木板よりもベース板側において第1木板と厚さ方向に重なる第2木板と、を含む。描画工程では、装飾用木材の表面にレーザを照射し、第1木板の一部を除去して第1木板の表面が露出する第1領域と第2木板の表面が露出する第2領域とを含む装飾用木材の表面を形成し、第2木板の表面を炭化させることによって第2木板の表面の明度をレーザの照射前よりも低下させる。描画工程では、レーザの照射により第2木板の表面を炭化させることによって、第2領域内に、第1炭化部と、第1炭化部よりも明度が低い第2炭化部とを形成する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、表現力に優れた装飾付き木材および装飾付き木材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態に係る装飾付き木材の構成を模式的に示す平面図である。
【
図2】
図1中の線分II-IIに沿った断面図である。
【
図3】実施の形態に係る装飾付き木材の表面に形成される炭化部を模式的に示す図である。
【
図4】実施の形態に係る装飾付き木材の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図5】実施の形態に係る装飾付き木材の製造方法において用いられる装飾用木材の構成を模式的に示す断面図である。
【
図6】実施の形態に係る装飾付き木材の製造方法において用いられるレーザ描画装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図7】実施の形態に係る装飾付き木材の製造方法において用いられるレーザ描画装置のステージを模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態の概要]
本開示に従った装飾付き木材は、表面に描画が施された装飾付き木材である。この装飾付き木材は、ベース板と、ベース板の上に積層され、上記表面を含む描画板と、を備えている。描画板は、第1木板と、第1木板よりも明度が低く、第1木板よりもベース板側において第1木板と厚さ方向に重なる第2木板と、を含む。上記表面は、上記表面に垂直な方向に見て、第1木板の表面が露出する第1領域と、第2木板の表面が露出する第2領域と、を含む。第2領域は、第2木板の表面が炭化することによって形成される第1炭化部と、第2木板の表面が炭化することによって形成され、第1炭化部よりも明度が低い第2炭化部と、を含む。
【0013】
上記装飾付き木材では、複数の木板(第1木板および第2木板)間の元々の明度差と、単一の木板(第2木板)内の明度差とを組み合わせることによって、豊かな階調(グラデーション)を達成することができる。すなわち、上記装飾付き木材によれば、単に明度が異なる複数の木板を重ねる構成に留まらず、単一の木板(第2木板)の表面において炭化の進行の度合いの差による明度差も達成し、これが第1木板および第2木板の間の元々の明度差と相まって、連続的な明度の変化を達成することができる。したがって、本開示によれば、従来に比べて表現力に優れた装飾付き木材を提供することができる。
【0014】
上記装飾付き木材において、第1領域は、第1木板の表面が炭化することによって形成される第3炭化部と、第1木板の表面が炭化することによって形成され、第3炭化部よりも明度が低い第4炭化部と、を含んでいてもよい。この構成によれば、豊かな階調をより容易に達成することが可能になり、装飾付き木材の表現力をより高めることができる。
【0015】
上記装飾付き木材において、描画板は、第2木板よりも明度が低く、第2木板よりもベース板側において第2木板と厚さ方向に重なる第3木板をさらに含んでいてもよい。上記表面は、上記表面に垂直な方向に見て、第3木板の表面が露出する第3領域をさらに含んでいてもよい。第3領域は、第3木板の表面が炭化することによって形成される第5炭化部と、第3木板の表面が炭化することによって形成され、第5炭化部よりも明度が低い第6炭化部と、を含んでいてもよい。この構成によれば、第1~第3木板の明度の差および第3木板の表面における炭化部の明度の差により、表現力をさらに高めることができる。
【0016】
上記装飾付き木材において、ベース板は、描画板よりも厚くてもよい。この構成によれば、描画板とベース板とを貼り合わせた状態で、描画板の厚さ方向の反りを抑制することができる。この「反り」は、木材が湿気を吸うことによる膨張と木材が湿気を吐き出すことによる収縮との繰り返しにより、一方の主面が凹面で且つ他方の主面が凸面となるように木材が変形することである。
【0017】
上記装飾付き木材において、ベース板は、描画板が積層される第1主面と、厚さ方向において第1主面と反対側の第2主面と、を含んでいてもよい。上記装飾付き木材は、第2主面の上に積層され、描画板よりも厚さ方向に反りにくい背面板をさらに備えていてもよい。この構成によれば、描画板の厚さ方向の反りをより効果的に抑制することができる。
【0018】
上記装飾付き木材において、背面板は、樹脂材料からなるものでもよい。
【0019】
上記装飾付き木材は、建材または家具の少なくとも一部を構成するものでもよい。
【0020】
本開示に従った装飾付き木材の製造方法は、装飾用木材を準備する準備工程と、準備工程の後、装飾用木材をステージの上に設置する設置工程と、設置工程の後、レーザ描画により装飾用木材の表面に描画を施す描画工程と、を備えている。準備工程では、ベース板と、ベース板の上に積層された描画板と、を備える装飾用木材が準備される。描画板は、第1木板と、第1木板よりも明度が低く、第1木板よりもベース板側において第1木板と厚さ方向に重なる第2木板と、を含む。描画工程では、装飾用木材の表面にレーザを照射し、第1木板の一部を除去して第1木板の表面が露出する第1領域と第2木板の表面が露出する第2領域とを含む装飾用木材の表面を形成し、第2木板の表面を炭化させることによって第2木板の表面の明度をレーザの照射前よりも低下させる。描画工程では、レーザの照射により第2木板の表面を炭化させることによって、第2領域内に、第1炭化部と、第1炭化部よりも明度が低い第2炭化部とを形成する。
【0021】
上記装飾付き木材の製造方法によれば、複数の木板(第1木板および第2木板)間の元々の明度差と、単一の木板(第2木板)内の明度差とを組み合わせることによって、豊かな階調を有する装飾付き木材を得ることができる。すなわち、上記製造方法によれば、単一の木板(第2木板)の表面において炭化の進行の度合いの差による明度差も達成し、これが第1木板および第2木板の間の元々の明度差と相まって、連続的な明度の変化を達成することができる。したがって、本開示に従った装飾付き木材の製造方法によれば、従来に比べて表現力に優れた装飾付き木材を得ることができる。
【0022】
上記装飾付き木材の製造方法において、描画工程では、レーザの照射により第1木板の表面を炭化させることによって、第1領域内に、第3炭化部と、第3炭化部よりも明度が低い第4炭化部とを形成してもよい。この構成によれば、豊かな階調をより容易に達成することが可能になり、装飾付き木材の表現力をより高めることができる。
【0023】
上記装飾付き木材の製造方法において、描画板は、第2木板よりも明度が低く、第2木板よりもベース板側において第2木板と厚さ方向に重なる第3木板をさらに含んでいてもよい。描画工程では、第2木板の一部を除去して第3木板の表面が露出する第3領域をさらに含む装飾用木材の表面を形成し、第3木板の表面を炭化させることによって第3木板の表面の明度をレーザの照射前よりも低下させてもよい。描画工程では、レーザの照射により第3木板の表面を炭化させることによって、第3領域内に、第5炭化部と、第5炭化部よりも明度が低い第6炭化部とを形成してもよい。この方法によれば、第1~第3木板の明度の差および第3木板の表面における炭化部の明度の差により、表現力をさらに高めることができる。
【0024】
上記装飾付き木材の製造方法において、描画工程では、第3領域を形成するときに、第2領域を形成するときよりも大きい出力でレーザを照射してもよい。これにより、レーザ出力の大小によって第2領域と第3領域との明度の差がより明確になるため、表現力を一層高めることが可能になる。
【0025】
[実施形態の具体例]
次に、本開示の装飾付き木材および装飾付き木材の製造方法の具体的な実施の形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0026】
(装飾付き木材)
まず、本実施の形態に係る装飾付き木材1の構成を、
図1~
図3に基づいて説明する。
図1は、装飾付き木材1の表面1Aを当該表面1Aに垂直な方向に見たときの平面模式図である。
図2は、
図1中の線分II-IIに沿った装飾付き木材1の断面図である。
図3は、装飾付き木材1の表面1Aに形成される炭化部を模式的に示す図である。
【0027】
本実施の形態に係る装飾付き木材1は、例えば内装材等の建材の少なくとも一部を構成するものであり、表面1Aに描画が施されている。具体的には、
図1に示すように、表面1Aのほぼ中央に、水墨画風の絵100が描かれている。装飾付き木材1は、建築物において、例えば壁材、床材または天井材等として用いられる。なお、装飾付き木材1は、建材に限定されるものではなく、例えばテーブルや椅子等の家具の少なくとも一部を構成するものでもよいし、スマートフォンのケース等の小物でもよいし、壁掛けパネルでもよい。また表面1Aに描かれる絵100は、水墨画風の絵に限定されない。
図2に示すように、装飾付き木材1は、ベース板10と、描画板20と、背面板30とを主に備えている。
【0028】
ベース板10は、例えば合板等からなる。
図2に示すように、ベース板10は、厚さ方向の一方側を向く第1主面11と、当該厚さ方向において第1主面11と反対側の第2主面12とを含む。本実施の形態におけるベース板10は、描画板20よりも厚いが、これに限定されない。
【0029】
描画板20には、絵100(
図1)が描かれる。描画板20は、ベース板10の上に、具体的には第1主面11の上に積層されている。描画板20は、例えば接着剤等によりベース板10の第1主面11に貼り合わされている。
図2に示すように、描画板20は、第1木板21と、当該第1木板21よりもベース板10側において当該第1木板21と厚さ方向に重なる第2木板22と、当該第2木板22よりもベース板10側において当該第2木板22と厚さ方向に重なる第3木板23とを含む。すなわち、第1木板21、第2木板22および第3木板23は、表面1Aから裏面1Bに向かってこの順に積層されている。第1木板21は、装飾付き木材1の表面1A(最表面)を含む。当該表面1Aには、例えばクリア塗装等が施されている。第1木板21、第2木板22および第3木板23のうち厚さ方向に隣接する木板同士は、例えば接着剤等により貼り合わされている。
【0030】
第1木板21、第2木板22および第3木板23は、いずれも単板であり、厚さが数ミリメートル程度である。第2木板22は、第1木板21よりも明度が低い木板である。第3木板23は、第2木板22よりも明度が低い木板である。すなわち、描画板20は、表面1Aから裏面1Bに向かって木板の明度が段階的に低くなるように、複数の木板が厚さ方向に積層されたものである。本実施の形態では、第1木板21は表面にクリア塗装が施された白色の単板であり、第2木板22は灰色の単板であり、第3木板23は黒色の単板である。しかし、第1木板21、第2木板22および第3木板23は、いずれも無彩色の単板に限定されず、例えば赤色、青色または紫色などの有彩色の単板であってもよい。
【0031】
背面板30は、ベース板10および描画板20よりも厚さ方向に反り難い板である。
図2に示すように、背面板30は、ベース板10の第2主面12の上に積層されており、当該第2主面12に対して接着剤等により貼り合わされている。背面板30は、装飾付き木材1の裏面1Bを含む。本実施の形態における背面板30は、例えばメラミン樹脂等の樹脂材料からなるが、これに限定されない。
【0032】
装飾付き木材1においては、表面1Aは、当該表面1Aに垂直な方向に見て、第1領域R1と、第2領域R2と、第3領域R3とを含む。
図2に示すように、第1領域R1は、第1木板21の表面が露出する領域である。第2領域R2は、第2木板22の表面が露出する領域であり、例えばレーザにより第1木板21の一部を除去することにより形成される。第3領域R3は、第3木板23の表面が露出する領域であり、例えばレーザにより第1木板21の一部および第2木板22の一部を除去することにより形成される。したがって、装飾付き木材1の表面1Aは、凹凸を含んでいる。
【0033】
図3に示すように、第2領域R2は、第2木板22の表面が炭化することによって形成される第1炭化部61と、第2木板22の表面のうち第1炭化部61が形成されていない領域が炭化することによって形成される第2炭化部62とを含む。第2炭化部62は、第1炭化部61に比べて第2木板22の表面の炭化が進行した部分であり、第1炭化部61よりも明度が低くなっている。つまり、第2木板22の表面(第2領域R2)には、第2木板22の炭化の進行の度合いが異なることによって明度が異なる複数の領域が混在している。なお、第2領域R2は、第2木板22の表面において炭化が進行していない第2未炭化部をさらに含んでいてもよい。
【0034】
第1領域R1は、第1木板21の表面が炭化することによって形成される第3炭化部63と、第1木板21の表面のうち第3炭化部63が形成されていない領域が炭化することによって形成される第4炭化部64とを含む。第4炭化部64は、第3炭化部63に比べて第1木板21の表面の炭化が進行した部分であり、第3炭化部63よりも明度が低くなっている。一方、第4炭化部64は、上記第2未炭化部よりも明度が高くなっている。本実施の形態では、第1木板21の表面(第1領域R1)にも、第1木板21の炭化の進行の度合いが異なることによって明度が異なる複数の領域が混在している。なお、第3炭化部63および第4炭化部64は、必須の構成ではなく、一方または両方が省略されてもよい。また第1領域R1は、第1木板21の表面において炭化が進行していない第1未炭化部をさらに含んでいてもよい。
【0035】
第3領域R3は、第3木板23の表面が炭化することによって形成される第5炭化部65と、第3木板23の表面のうち第5炭化部65が形成されていない領域が炭化することによって形成される第6炭化部66とを含む。第6炭化部66は、第5炭化部65に比べて第3木板23の表面の炭化が進行した部分であり、第5炭化部65よりも明度が低くなっている。第5炭化部65は、第2炭化部62よりも明度が低くなっている。本実施の形態では、第3木板23の表面(第3領域R3)には、第3木板23の炭化の進行の度合いが異なることによって明度が異なる複数の領域が混在している。なお、第5炭化部65および第6炭化部66は、必須の構成ではなく、一方または両方が省略されてもよい。また第3領域R3は、第3木板23の表面において炭化が進行していない第3未炭化部をさらに含んでいてもよい。この場合、第3未炭化部は、第2炭化部62よりも明度が低くなっている。
【0036】
このように、本実施の形態に係る装飾付き木材1の表面1Aには、第1~第3領域R1~R3における連続的な明度の差によって絵100(
図1)が描かれている。以下、当該絵100をレーザ描画によって描くプロセスについて説明する。
【0037】
(装飾付き木材の製造方法)
次に、本実施の形態に係る装飾付き木材の製造方法について、
図4のフローチャートに従って説明する。本方法においては、以下に説明する通り、レーザ描画により木材の表面に絵100(
図1)が描かれる。
【0038】
まず、装飾用木材が準備される(準備工程S10)。この工程S10では、
図5の装飾用木材40が準備される。
図5に示すように、装飾用木材40は、表面1Aの全体が第1木板21の表面となっている。これ以外の点は、
図1の装飾付き木材1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0039】
次に、上記工程S10において準備された装飾用木材40が、レーザ描画装置のステージの上に設置される(設置工程S20)。ここで、本製造方法において用いられるレーザ描画装置50の概略的な構成を、
図6および
図7に基づいて説明する。
【0040】
図6は、レーザ描画装置50の構成を模式的に示すブロック図である。
図7は、レーザ描画装置50のステージ51を模式的に示す斜視図である。
図6および
図7に示すように、レーザ描画装置50は、ステージ51と、描画データ入力部53と、記憶部54と、制御部55と、レーザ照射部52と、ステージ駆動部56とを備えている。ステージ51は、装飾用木材40が設置されるステージ面51Aを含み、XY平面内において移動可能に構成されている。レーザ照射部52は、ステージ面51Aに向かってレーザL1(例えば、パルスレーザやガルバノレーザ)を照射する部分であり、レーザ光源、レンズおよびミラー等を含む。
【0041】
描画データ入力部53には、絵100(
図1)の描画データが入力される。この描画データは、XY座標とレーザL1の出力との関係を含む。記憶部54には、当該描画データが格納される。制御部55は、記憶部54に格納された描画データに基づいて、レーザ照射部52およびステージ駆動部56を制御し、レーザL1の出力およびステージ51のXY座標を制御する。
【0042】
次に、絵100(
図1)の描画データが、描画データ入力部53(
図5)に入力される(工程S30)。その後、レーザ描画により装飾用木材40の表面1Aに描画が施される(描画工程S40)。この工程S40では、第1領域R1と第2領域R2と第3領域R3とが形成されるように、第1木板21の一部および第2木材22の一部が除去される。より具体的には、上記工程S30において入力された描画データに基づいて、ステージ駆動部56によりステージ51をXY平面内において移動させつつ、レーザ照射部52からのレーザL1の出力を調整する。なお、ステージ51を移動させると共にレーザ照射部52も移動させてもよいし、ステージ51を移動させずにレーザ照射部52を移動させてもよい。
【0043】
描画工程S40では、装飾用木材40の表面1AにレーザL1を照射し、第1木板21の一部および第2木板22の一部を除去して第1木板21の表面が露出する第1領域R1と第2木板22の表面が露出する第2領域R2と第3木板23の表面が露出する第3領域R3を含む装飾用木材40の表面1Aを形成し、第2木板22の表面および第3木板23の表面を炭化させることによって第2木板22の表面および第3木板23の表面の明度をレーザの照射前よりも低下させる。より具体的には、描画工程S40では、レーザL1の照射により第2木板22の表面および第3木板23の表面を炭化させることによって、第2領域R2内に第1炭化部61および第2炭化部62を形成するとともに、第3領域R3内に第5炭化部65および第6炭化部66を形成する。さらに、描画工程S40では、レーザL1の照射により第1木板21の表面を炭化させることによって、第1領域R1内に第3炭化部63および第4炭化部64を形成する。
【0044】
この工程S40では、第3領域R3を形成するときに、第2領域R2を形成するときよりも高い出力でレーザL1が照射される。これにより、高出力のレーザL1の照射によって第3木板23の明度がより低くなり、濃淡がより明確な絵100が描かれる。なお、第3領域R3を形成するときに、第2領域R2を形成するときよりも、レーザL1の照射時間を長くしてもよい。
【0045】
描画工程S40では、レーザL1の出力および/または照射時間によって、単一の木板の表面内において炭化の進行の度合いを変化させる。具体的には、第1木板21の表面にレーザL1を照射する際は、第4炭化部64を形成するときに、第3炭化部63を形成するときよりも、レーザL1の出力を大きくしてもよいし、レーザL1の照射時間を長くしてもよいし、その両方を行ってもよい。第2木板22の表面にレーザL1を照射する際は、第2炭化部62を形成するときに、第1炭化部61を形成するときよりも、レーザL1の出力を大きくしてもよいし、レーザL1の照射時間を長くしてもよいし、その両方を行ってもよい。第3木板23の表面にレーザL1を照射する際は、第6炭化部66を形成するときに、第5炭化部65を形成するときよりも、レーザL1の出力を大きくしてもよいし、レーザL1の照射時間を長くしてもよいし、その両方を行ってもよい。
【0046】
このようにして、装飾用木材40の表面1AにレーザL1を照射して第1木板21の一部および第2木板22の一部を除去することにより、第1領域R1と第2領域R2と第3領域R3とがそれぞれ形成される。これにより、表面1Aに凹凸および明度差(濃淡)が形成され、絵100(
図1)が描かれる。レーザ描画が完了した後、完成した装飾付き木材1はステージ51から取り出される。
【0047】
以上の通り、本実施の形態に係る装飾付き木材1では、第1木板21の表面が露出する第1領域R1と第2木板22の表面が露出する第2領域R2と第3木板23の表面が露出する第3領域R3とが形成されているため、第1~第3木板21~23の明度差(濃淡)により木材の表面1Aに描画を施すことができる。この装飾付き木材1によれば、第1~第3領域R1~R3を形成する位置や面積により、従来に比べてより高い表現力を達成することが可能になる。
【0048】
しかも、上記装飾付き木材1によれば、複数の木板(第1~第3木板21~23)間の元々の明度差と、単一の木板の表面内における明度差とを組み合わせることによって、豊かな階調(グラデーション)を達成することができる。すなわち、上記装飾付き木材1によれば、単に明度が異なる第1~第3木板21~23を重ねる構成だけでなく、単一の木板の表面内において炭化の進行の度合いの差による明度差も達成し、これが第1~第3木板の元々の明度差と相まって、連続的な明度の変化を達成することができる。
【0049】
ここで、その他実施の形態について説明する。
【0050】
描画板20は、第1~第3木板21~23からなる場合に限定されず、第3木板23よりも明度が低く、当該第3木板23よりもベース板10側に積層された第4木板(図示しない)をさらに含んでいてもよい。つまり、描画板20は、第1~第4木板の4層構造であってもよい。また第3木板23が省略され、描画板20が第1および第2木板の2層構造であってもよい。
【0051】
背面板30は、本開示の装飾付き木材において必須の構成ではなく、省略されてもよい。
【0052】
上記実施の形態では、レーザ描画により絵100(
図1)を描く場合を一例として説明したがこれに限定されず、他の手段により第1木板21の一部および第2木板22の一部が除去されてもよい。
【0053】
上記実施の形態では、工程S20が工程S30の前に実施される場合を一例として説明したがこれに限定されず、工程S30が工程S20の前に実施されてもよい。
【0054】
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が意図される。
【符号の説明】
【0055】
1 装飾付き木材、1A 表面、1B 裏面、10 ベース板、11 第1主面、12 第2主面、20 描画板、21 第1木板、22 第2木板、23 第3木板、30 背面板、40 装飾用木材、50 レーザ描画装置、51 ステージ、51A ステージ面、52 レーザ照射部、53 描画データ入力部、54 記憶部、55 制御部、56 ステージ駆動部、61 第1炭化部、62 第2炭化部、63 第3炭化部、64 第4炭化部、65 第5炭化部、66 第6炭化部、100 絵、L1 レーザ、R1 第1領域、R2 第2領域、R3 第3領域。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に描画が施された装飾付き木材であって、
ベース板と、
前記ベース板の上に積層され、前記表面を含む描画板と、を備え、
前記描画板は、
第1木板と、
前記第1木板よりも明度が低く、前記第1木板よりも前記ベース板側において前記第1木板と厚さ方向に重なる第2木板と、を含み、
前記表面は、前記表面に垂直な方向に見て、
前記第1木板の表面が露出する第1領域と、
前記第2木板の表面が露出する第2領域と、を含み、
前記第2領域は、
前記第2木板の表面が炭化することによって形成される第1炭化部と、
前記第2木板の表面が炭化することによって形成され、前記第1炭化部よりも明度が低い第2炭化部と、を含む、装飾付き木材。
【請求項2】
前記第1領域は、
前記第1木板の表面が炭化することによって形成される第3炭化部と、
前記第1木板の表面が炭化することによって形成され、前記第3炭化部よりも明度が低い第4炭化部と、を含む、請求項1に記載の装飾付き木材。
【請求項3】
前記描画板は、前記第2木板よりも明度が低く、前記第2木板よりも前記ベース板側において前記第2木板と前記厚さ方向に重なる第3木板をさらに含み、
前記表面は、前記表面に垂直な方向に見て、前記第3木板の表面が露出する第3領域をさらに含み、
前記第3領域は、
前記第3木板の表面が炭化することによって形成される第5炭化部と、
前記第3木板の表面が炭化することによって形成され、前記第5炭化部よりも明度が低い第6炭化部と、を含む、請求項1または請求項2に記載の装飾付き木材。
【請求項4】
前記ベース板は、前記描画板よりも厚い、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の装飾付き木材。
【請求項5】
前記ベース板は、
前記描画板が積層される第1主面と、
前記厚さ方向において前記第1主面と反対側の第2主面と、を含み、
前記第2主面の上に積層され、前記描画板よりも前記厚さ方向に反りにくい背面板をさらに備えた、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装飾付き木材。
【請求項6】
前記背面板は、樹脂材料からなる、請求項5に記載の装飾付き木材。
【請求項7】
建材または家具の少なくとも一部を構成する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の装飾付き木材。
【請求項8】
装飾用木材を準備する準備工程と、
前記準備工程の後、前記装飾用木材をステージの上に設置する設置工程と、
前記設置工程の後、レーザ描画により前記装飾用木材の表面に描画を施す描画工程と、を備え、
前記準備工程では、ベース板と、前記ベース板の上に積層された描画板と、を備える前記装飾用木材が準備され、
前記描画板は、第1木板と、前記第1木板よりも明度が低く、前記第1木板よりも前記ベース板側において前記第1木板と厚さ方向に重なる第2木板と、を含み、
前記描画工程では、前記装飾用木材の表面にレーザを照射し、前記第1木板の一部を除去することによって、前記第1木板の表面が露出する第1領域と前記第2木板の表面が露出する第2領域とを含む前記装飾用木材の表面を形成するとともに、前記第2木板の表面を炭化させることによって前記第2木板の表面の明度をレーザの照射前よりも低下させ、
前記描画工程では、レーザの照射により前記第2木板の表面を炭化させることによって、前記第2領域内に、第1炭化部と、前記第1炭化部よりも明度が低い第2炭化部とを形成する、装飾付き木材の製造方法。
【請求項9】
前記描画工程では、レーザの照射により前記第1木板の表面を炭化させることによって、前記第1領域内に、第3炭化部と、前記第3炭化部よりも明度が低い第4炭化部とを形成する、請求項8に記載の装飾付き木材の製造方法。
【請求項10】
前記描画板は、前記第2木板よりも明度が低く、前記第2木板よりも前記ベース板側において前記第2木板と前記厚さ方向に重なる第3木板をさらに含み、
前記描画工程では、前記第2木板の一部を除去して前記第3木板の表面が露出する第3領域をさらに含む前記装飾用木材の表面を形成し、前記第3木板の表面を炭化させることによって前記第3木板の表面の明度をレーザの照射前よりも低下させ、
前記描画工程では、レーザの照射により前記第3木板の表面を炭化させることによって、前記第3領域内に、第5炭化部と、前記第5炭化部よりも明度が低い第6炭化部とを形成する、請求項8または請求項9に記載の装飾付き木材の製造方法。
【請求項11】
前記描画工程では、前記第3領域を形成するときに、前記第2領域を形成するときよりも大きい出力でレーザを照射する、請求項10に記載の装飾付き木材の製造方法。