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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177790
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】パッケージ商品
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/26 20060101AFI20221124BHJP
【FI】
B65D77/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027430
(22)【出願日】2022-02-25
(31)【優先権主張番号】P 2021083572
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴▲崎▼ 雅教
(72)【発明者】
【氏名】竹延 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀一
(72)【発明者】
【氏名】竹内 悠太
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA05C
3E067BA15B
3E067BB01B
3E067BB01C
3E067BC06A
3E067EA01
3E067EB22
3E067EC27
3E067EC32
3E067EC33
3E067FA02
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】フィルム包装した包装体を外装箱に収容した状態で陳列可能なパッケージ商品を提供する。
【解決手段】パッケージ商品100は、外装箱10と、被包装物60をフィルム包装した包装体20と、を備え、外装箱10は、正面に向けて開口する開口部11aを有し、包装体20は、台紙30と、台紙30に固定されたフィルム40と、フィルム40と台紙30との間に配置された被包装物60と、を含み、包装体20は、被包装物60の少なくとも一部が開口部11aから視認可能に外装箱10内に収容されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装箱と、
被包装物をフィルム包装した包装体と、を備え、
前記外装箱は、正面に向けて開口する開口部を有し、
前記包装体は、台紙と、前記台紙に固定されたフィルムと、前記フィルムと前記台紙との間に配置された前記被包装物と、を含み、
前記包装体は、前記被包装物の少なくとも一部が前記開口部から視認可能に前記外装箱内に収容されている、パッケージ商品。
【請求項2】
前記台紙は、前記フィルムとの間で前記被包装物を挟み込むための保持領域と、前記保持領域の両側に連設され、前記フィルムの両端を固定するための一対の固定用領域と、を含み、
前記保持領域には、前記被包装物の下部に係合し、前記被包装物を位置決めをするための第1係合部が設けられている、請求項1に記載のパッケージ商品。
【請求項3】
前記台紙は、前記フィルムとの間で前記被包装物を挟み込むための保持領域と、前記保持領域の両側に連設され、前記フィルムの両端を固定するための一対の固定用領域と、を含み、
前記フィルムは、ストレッチフィルムであり、
前記一対の固定用領域の少なくとも一方が、前記保持領域の裏面側へ折り曲げられることで前記フィルムに引張力が作用しており、
前記被包装物は、前記引張力が作用した前記フィルムと前記保持領域とによって挟持される、請求項1または2に記載のパッケージ商品。
【請求項4】
前記一対の固定用領域のうち一方の固定用領域は、先端が手前を向くように折り曲げられ、かつ、前記一対の固定用領域のうち他方の固定用領域は、前記保持領域との接続部が手前を向き、先端が奥を向くように折り曲げられていることにより、前記保持領域は、前記一方の固定用領域から前記他方の固定用領域に向かうにつれて手前側に向かうように湾曲する湾曲面を含み、
前記被包装物は、前記フィルムと前記湾曲面とによって挟持されている、請求項2または3に記載のパッケージ商品。
【請求項5】
前記台紙は、前記一対の固定用領域が並ぶ方向と直交する直交方向において、前記保持領域の両側に連設された一対の接続片部を含み、
前記保持領域の裏面側へ折り曲げられた前記一対の接続片部に、前記直交方向における前記一対の固定用領域の両端部が重なるように、前記一対の固定用領域が前記保持領域の前記裏面側へ折り曲げられた状態で、前記被包装物が前記フィルムと前記保持領域とによって挟持されている、請求項2または3に記載のパッケージ商品。
【請求項6】
前記外装箱は、前記開口部が設けられた前面部と、前記前面部に相対する後面部とを有し、
前記前面部は、前記前面部と前記後面部とが並ぶ前後方向に直交する幅方向の中央部から前記幅方向の両端に向かうにつれて後方側に向けて傾斜または湾曲する前面側傾斜部または前面側湾曲部を有し、
前記後面部は、前記幅方向の中央部から前記幅方向の両端に向かうにつれて前方側に向けて傾斜または湾曲する後面側傾斜部または後面側湾曲部を有し、
前記保持領域が、前記幅方向の中央部から前記幅方向の両端に向かうにつれて前方側に向けて傾斜または湾曲する傾斜面または湾曲面を有した状態で、前記一対の固定用領域が前記後面側傾斜部または前記後面側湾曲部に突き当たるように、前記包装体が前記外装箱内に収容されている、請求項5に記載のパッケージ商品。
【請求項7】
前記外装箱は、上面部および底面部を有し、
前記台紙は、前記一対の固定用領域が並ぶ方向と直交する方向において、前記保持領域の両側に連設された一対の接続片部を含み、
前記一対の固定用領域が前記保持領域の裏面側へ折り返された状態が維持され、かつ、前記一対の接続片部が先端が手前を向くように折り曲げられた状態で、前記被包装物が前記フィルムと前記保持領域とによって挟持されており、
前記台紙のうち折り曲げられた前記一対の接続片部の裏面側に位置する部分が、前記上面部の内表面および前記底面部の内表面に突き当たった状態で、前記包装体が、前記外装箱内に収容されている、請求項2または3に記載のパッケージ商品。
【請求項8】
前記被包装物は、横並びで配置された第1被包装物と、第2被包装物とを含み、
前記第2被包装物は、少なくとも前記第1被包装物側に位置する部分が前記第1被包装物に重なった状態で、前記第1被包装物と前記フィルムとによって挟持されている、請求項1から7のいずれか1項に記載のパッケージ商品。
【請求項9】
前記被包装物は、易変形性容器である、請求項1から8のいずれか1項に記載のパッケージ商品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被包装物をフィルム包装した包装体が外装箱に収容されたパッケージ商品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を外箱に収容して陳列するパッケージとして、商品形状に応じて形成したトレーの凹部に商品を保持し、外部から内部を視認可能な透明のプラスチックシートからなる外箱(クリアケース)に商品を収容して陳列したものがある。一方、特許2000-28469号公報(特許文献1)、米国特許第5678695号明細書(特許文献2)、特許第4429192号公報(特許文献3)に開示されているように、台紙に商品をフィルム包装した包装体は、略直方体形状を有するダンボール等の外箱に収容された状態で搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2000-28469号公報
【特許文献2】米国特許第5678695号明細書
【特許文献3】特許第4429192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のパッケージでは、商品に合わせた形状のトレーを準備する必要があった。一方で、特許文献1、特許文献2、および特許文献3においては、台紙に商品をフィルム包装するため、トレーを準備することが不要となり、上記包装体を外箱に収容して搬送することにより、商品を保護しつつ、安定して搬送することができる。しかしながら、新たに商品を陳列する際には、商品が確認できるように、当該商品を外箱から取り出す必要が生じる。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、フィルム包装した包装体を外装箱に収容した状態で陳列可能なパッケージ商品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に基づくパッケージ商品は、外装箱と、被包装物をフィルム包装した包装体と、を備える。上記外装箱は、正面に向けて開口する開口部を有する。上記包装体は、台紙と、上記台紙に固定されたフィルムと、上記フィルムと上記台紙との間に配置された上記被包装物と、を含む。上記包装体は、上記被包装物の少なくとも一部が上記開口部から視認可能に上記外装箱内に収容されている。
【0007】
上記本開示に基づくパッケージ商品にあっては、上記台紙は、上記フィルムとの間で上記被包装物を挟み込むための保持領域と、上記保持領域の両側に連設され、上記フィルムの両端を固定するための一対の固定用領域と、を含んでいてもよい。また、上記保持領域には、上記被包装物の下部に係合し、上記被包装物を位置決めをするための第1係合部が設けられていてもよい。
【0008】
上記本開示に基づくパッケージ商品にあっては、上記保持領域には、上記下部とは反対側に位置する上記容器の上部に係合し、上記被包装物を位置決めするための第2係合部が設けられていてもよい。
【0009】
上記本開示に基づくパッケージ商品にあっては、上記台紙は、上記フィルムとの間で上記被包装物を挟み込むための保持領域と、上記保持領域の両側に連設され、上記フィルムの両端を固定するための一対の固定用領域と、を含んでいてもよい。上記フィルムは、ストレッチフィルムであってもよい。この場合には、上記一対の固定用領域の少なくとも一方が、上記保持領域の裏面側へ折り曲げられることで上記フィルムに引張力が作用しており、上記被包装物は、上記引張力が作用した上記フィルムと上記保持領域とによって挟持されることが好ましい。
【0010】
上記本開示に基づくパッケージ商品にあっては、上記一対の固定用領域のうち一方の固定用領域は、先端が手前を向くように折り曲げられ、かつ、上記一対の固定用領域のうち他方の固定用領域は、上記保持領域との接続部が手前を向き、先端が奥を向くように折り曲げられていることにより、上記保持領域は、上記一方の固定用領域から上記他方の固定用領域に向かうにつれて手前側に向かうように湾曲する湾曲面を含んでいてもよい。この場合には、上記被包装物は、上記フィルムと上記湾曲面とによって挟持されていてもよい。
【0011】
上記本開示に基づくパッケージ商品にあっては、上記台紙は、上記一対の固定用領域が並ぶ方向と直交する直交方向において、上記保持領域の両側に連設された一対の接続片部を含んでいてもよい。この場合には、上記保持領域の裏面側へ折り曲げられた上記一対の接続片部に、上記直交方向における上記一対の固定用領域の両端部が重なるように、上記一対の固定用領域が上記保持領域の上記裏面側へ折り曲げられた状態で、上記被包装物が上記フィルムと上記保持領域とによって挟持されていてもよい。
【0012】
上記本開示に基づくパッケージ商品にあっては、上記外装箱は、上記開口部が設けられた前面部と、上記前面部に相対する後面部とを有していてもよい。この場合には、上記前面部は、上記前面部と上記後面部とが並ぶ前後方向に直交する幅方向の中央部から上記幅方向の両端に向かうにつれて後方側に向けて傾斜または湾曲する前面側傾斜面または前面側湾曲面を有していてもよく、上記後面部は、上記幅方向の中央部から上記幅方向の両端に向かうにつれて前方側に向けて傾斜または湾曲する後面側傾斜面または後面側湾曲面を有していてもよい。この場合には、上記保持領域が、上記幅方向の中央部から上記幅方向の両端に向かうにつれて前方側に向けて傾斜または湾曲する傾斜面または湾曲面を有した状態で、上記一対の固定用領域が上記後面側傾斜面または上記後面側湾曲面に突き当たるように、上記包装体が上記外装箱内に収容されていることが好ましい。
【0013】
上記本開示に基づくパッケージ商品にあっては、上記外装箱は、上面部および底面部を有していてもよい。上記台紙は、上記一対の固定用領域が並ぶ方向と直交する方向において、上記保持領域の両側に連設された一対の接続片部を含んでいてもよい。また、上記一対の固定用領域が上記保持領域の裏面側へ折り返された状態が維持され、かつ、上記一対の接続片部が先端が手前を向くように折り曲げられた状態で、上記被包装物が上記フィルムと上記保持領域とによって挟持されていてもよい。この場合には、上記台紙のうち折り曲げられた一対の接続片部の裏面側に位置する部分が、上記上面部の内表面および上記底面部の内表面に突き当たった状態で、上記包装体が、上記外装箱内に収容されていることが好ましい。
【0014】
上記本開示に基づくパッケージ商品にあっては、上記被包装物は、横並びで配置された第1被包装物と、第2被包装物とを含んでてもよい。この場合には、上記第2被包装物は、少なくとも上記第1被包装物側に位置する部分が上記第1被包装物に重なった状態で、上記フィルムと上記湾曲面とによって挟持されていてもよい。
【0015】
上記本開示に基づくパッケージ商品にあっては、上記被包装物は、易変形性容器であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フィルム包装した包装体を外装箱に収容した状態で陳列可能なパッケージ商品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態1に係るパッケージ商品の斜視図である。
図2】実施の形態1に係るパッケージ商品の分解斜視図である。
図3】実施の形態1に係る包装具の展開図である。
図4図2に示すIV-IV線に沿った包装体の概略断面図である。
図5】実施の形態2に係る包装体の斜視図である。
図6】実施の形態2に係る包装具の展開図である。
図7】実施の形態3に係るパッケージ商品の斜視図である。
図8】実施の形態3に係るパッケージ商品の分解斜視図である。
図9】実施の形態3に係る包装具の展開図である。
図10図8に示すX-X線に沿った包装体の概略断面図である。
図11】実施の形態4に係るパッケージ商品の斜視図である。
図12】実施の形態4に係るパッケージ商品の分解斜視図である。
図13図11に示すXIII-XIII線に沿ったパッケージ商品の概略断面図である。
図14】実施の形態4に係る包装具の展開図である。
図15】実施の形態4に係る包装具において、一対の固定用領域が保持領域の裏面側へ折り曲げられた状態が維持されている様子を保持領域の裏面側から見た図である。
図16】第1変形例に係る包装具の展開図である。
図17】第2変形例に係る包装具の展開図である。
図18】実施の形態5に係るパッケージ商品の概略正面図である。
図19】実施の形態5に係るパッケージ商品の概略斜視図である。
図20】実施の形態5に係るパッケージ商品の分解斜視図である。
図21】実施の形態5に係るパッケージ商品において、外装箱に包装具が収容されている状態を上方側から見た図面である。
図22】実施の形態5に係る包装具の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るパッケージ商品の斜視図である。図2は、実施の形態1に係るパッケージ商品の分解斜視図である。図1および図2を参照して、実施の形態1に係るパッケージ商品100について説明する。
【0020】
図1および図2に示すように、実施の形態1に係るパッケージ商品100は、外装箱10と、包装体20とを備える。
【0021】
外装箱10は、たとえば、紙製のものである。これにより、プラスチックシートを用いたクリアケースに比べ石油原料を用いない等、環境負荷を軽減することができる。外装箱10は、たとえば、紙類廃棄物を再資源化したものであってもよい。
【0022】
外装箱10は、組立状態において略直方体形状を有し、前面部11、後面部13、側面部12,14、底面部15、および上面部16を有する。前面部11、後面部13、側面部12,14、底面部15、および上面部16の各表面には、印刷層が設けられていてもよい。また、前面部11、後面部13、側面部12,14、底面部15、および上面部16の一部の表面に、印刷層が設けられていてもよい。
【0023】
前面部11および後面部13は、前後方向に対向するように配置されている。側面部12,14は、前後方向に直交する幅方向に対向するように配置されている。側面部12は、幅方向の一方側に配置されており、前面部11および後面部13の幅方向の一方側端部同士を接続する。側面部14は、幅方向の他方側に配置されており、前面部11および後面部13の幅方向の他方側端部同士を接続する。
【0024】
底面部15および上面部16は、前後方向および幅方向に直交する高さ方向に対向している。底面部15は、高さ方向における前面部11、側面部12,14、および後面部13の下端を接続する。上面部16は、上方に向けて開口する開口部17(図2参照)を閉塞するように設けられている。上面部16は、前面部11、側面部12、後面部13、および側面部14の各々の上端に接続された接続片16a,16b,16c,16d(図2参照)が折り返されることにより構成されている。
【0025】
前面部11には、正面(前方側)にむけて開口する開口部11aが設けられている。開口部11aは、たとえば、前面部11と側面部14との境界から側面部12側に向けて延びるように設けられている。幅方向における開口部11aの一端は、前面部11と側面部12との境界から離れており、幅方向における開口部11aの他端は、前面部11と側面部14との境界に接続されている。
【0026】
開口部11aは、略矩形形状である場合を例示しているが、開口部11aの形状は、開口部11aを介して後述する被包装物60が視認できる限り特に限定されない。
【0027】
包装体20は、上記開口部11aから後述する被包装物60が視認できるように、外装箱10に収容されている。なお、開口部11aは包装体20が露出する状態で完全に開口されていることが紙材料を削減でき好ましいが、包装体20を透視可能な薄肉の透明フィルムで閉塞してもよい。
【0028】
図2に示すように、包装体20が上記開口部17から矢印AR1に沿って外装箱10内部に挿入された後に、開口部17が上面部16によって閉塞される。
【0029】
包装体20が外装箱10に収容された収容状態においては、折り畳み状態にある後述の台紙30の端部30a,30bの各々の少なくとも一部が、側面部12および側面部14の内表面に当接する。これにより、外装箱10内における台紙30の位置が安定し、台紙30がガタつくことを抑制することができる。なお、上記収容状態において、折り畳み状態にある台紙30の下端30c、上端30dの各々の少なくとも一部が、底面部15および上面部16の内表面に当接してもよい。この場合には、さらに台紙30の位置を安定させることができる。
【0030】
包装体20は、被包装物60をフィルム包装したものであり、包装具50と、被包装物60とを含む。被包装物60は、たとえば、易変形性を有する容器である。易変形性を有する容器としては、たとえば、柔軟性を有する袋体、パウチ容器等を採用することができる。パウチ容器内には、粉末、粒状物、液状、ゲル状、または、ペースト状等の流動物等、所定の収容物が収容されている。実施の形態1においては、パウチ容器は、底部(下部)に襠を備えたスタンディングパウチである。なお、パウチ容器の収容物は固形物であってもよく、被包装物60は、易変形性を有しないものであってもよい。さらに、柔軟性を有するパウチ容器は、上記スタンディングパウチに限定されず、上下に襠を有するパウチ、サイドガセットパウチ、四方にシール部を有する平パウチ、ピロー包装体でもよく、また、各種スパウト等を備えたパウチでもよい。また、パウチ容器以外の易変形性を有する容器としては、柔軟なブロー成型容器、輸液バック等の袋状容器が例示できる。
【0031】
包装具50は、台紙30およびフィルム40とを含む。図3は、実施の形態1に係る包装具の展開図である。図3を参照して、包装具50について説明する。
【0032】
包装具50は、展開状態において、平面視した場合に略矩形形状を有する。台紙30は、金属光沢が設けられた蒸着紙、ベース紙の表面に金属箔が設けられたホイル紙等であってもよい。また、台紙30には、全体的あるいは部分的に印刷層が設けられていてもよい。このような台紙30を用いることにより、質感や高級感を高めることができ、意匠性を向上させることができる。台紙30は、保持領域31、一対の固定用領域33,34、および一対の接続片部35,36を有する。また、台紙30には、折り曲げ線C1~C4が設けられている。折り曲げ線C1~C4は、たとえば、台紙30に設けられた押し罫線によって構成されている。
【0033】
保持領域31は、被包装物60を保持するための領域である。保持領域31は、平面視において略矩形形状を有する。保持領域31の4つの角部の各々には、孔部32a,32b,32c,32dが設けられている。孔部32a,32b,32c,32dは、たとえば、略菱形形状を有する。
【0034】
孔部32a,32bは、上記幅方向と略平行となる第1方向DR1の一方側に設けられており、当該第1方向DR1に直交する第2方向DR2に並んで配置されている。第2方向DR2は、包装体20が外装箱10に収容された状態において上記高さ方向と略平行となる。
【0035】
孔部32aが有する2対の頂部のうち1対の頂部は、折り曲げ線C1上に位置し、2対の頂部のうち他の1対の頂部が、折り曲げ線C3上に位置する。孔部32bが有する2対の頂部のうち1対の頂部は、折り曲げ線C1上に位置し、2対の頂部のうち他の1対の頂部が、折り曲げ線C4上に位置する。
【0036】
孔部32aの4つの頂部のうち孔部32b側を向く頂部を除く3つの頂部からは、孔部32aの外側に向かうように3本の切り込み線が設けられている。具体的には、折り曲げ線C3上に位置する上記他の1対の頂部の各々からは、折り曲げ線C3に沿うように切り込み線が設けられている。折り曲げ線C1上に位置する一対の頂部のうち、孔部32bとは反対側に位置する頂部からは、折り曲げ線C1に沿うように切り込み線が設けられている。
【0037】
孔部32bの4つの頂部のうち孔部32a側を向く頂部を除く3つの頂部からは、孔部32bの外側に向かうように3本の切り込み線が設けられている。具体的には、折り曲げ線C4上に位置する上記他の1対の頂部の各々からは、折り曲げ線C3に沿うように切り込み線が設けられている。折り曲げ線C1上に位置する一対の頂部のうち、孔部32aとは反対側に位置する頂部からは、折り曲げ線C1に沿うように切り込み線が設けられている。
【0038】
孔部32c,32dは、第1方向DR1の他方側に設けられており、第2方向DR2に並んで配置されている。孔部32cが有する2対の頂部のうち1対の頂部は、折り曲げ線C2上に位置し、2対の頂部のうち他の1対の頂部が、折り曲げ線C3上に位置する。孔部32dが有する2対の頂部のうち1対の頂部は、折り曲げ線C2上に位置し、2対の頂部のうち他の1対の頂部が、折り曲げ線C4上に位置する。
【0039】
孔部32cの4つの頂部のうち孔部32d側を向く頂部を除く3つの頂部からは、孔部32cの外側に向かうように3本の切り込み線が設けられている。具体的には、折り曲げ線C3上に位置する上記他の1対の頂部の各々からは、折り曲げ線C3に沿うように切り込み線が設けられている。折り曲げ線C2上に位置する一対の頂部のうち、孔部32dとは反対側に位置する頂部からは、折り曲げ線C2に沿うように切り込み線が設けられている。
【0040】
孔部32dの4つの頂部のうち孔部32c側を向く頂部を除く3つの頂部からは、孔部32dの外側に向かうように3本の切り込み線が設けられている。具体的には、折り曲げ線C4上に位置する上記他の1対の頂部の各々からは、折り曲げ線C4に沿うように切り込み線が設けられている。折り曲げ線C2上に位置する一対の頂部のうち、孔部32cとは反対側に位置する頂部からは、折り曲げ線C2に沿うように切り込み線が設けられている。
【0041】
なお、上述においては、孔部32が略菱形形状を有する場合を例示して説明したが、孔部32の形状は、円形、あるいは、楕円形、トラック形状等のオーバル形状であってもよい。
【0042】
保持領域31には、第1係合部としての係合部37が設けられている。係合部37は、上記第1方向DR1において中央部よりも一方側(折り曲げ線C1寄り)に位置している。このように係合部37を設けるとともに、上述のように外装箱10において、開口部11aが、前面部11と側面部14との境界から側面部12側に向けて延びるように設けられることにより、パッケージ商品100のデザイン性を向上させることができる。
【0043】
係合部37は、上底(先端)37aおよび下底(根元部)37bを有する略台形形状を有しており、上底37aに略円弧上の窪みが設けられている。当該円弧上の窪みの上方(DR2方向の一方側)には、略円形の穴部37cが形成されている。なお、上記略円弧上の窪み、および穴部37cは、省略してもよい。
【0044】
係合部37は、保持領域31の一部に切り込み線を入れることにより形成されている。切り込み線は、下底37bを除く係合部37の周縁に沿って設けられている。係合部37は、被包装物60の下部に係合することで、被包装物60を位置決めする。たとえば、係合部37は、下底37bを基軸として手前側に折り曲げられており、係合部37の先端に被包装物60の底部が当接することで、被包装物60が位置決めされる。また、係合部37と、係合部37の周囲に位置する部分の保持領域31とによって、被包装物60の下部を挟み込むことで被包装物60が位置決めされてもよい。上述のように、被包装物60がパウチ容器である場合には、パウチ容器の下部に設けられたシール部を挟み込む。当該シール部は、熱シールにより硬くなっているため、挟み込んで位置決めするのに好適である。
【0045】
一対の固定用領域33,34は、上記幅方向と平行となる第1方向DR1において、当該保持領域31の両側に連設されている。一対の固定用領域33,34は、折り曲げ線C1,C2を介して保持領域31に連設されている。
【0046】
一対の固定用領域33,34は、第2方向DR2に沿って延在する。一対の固定用領域33,34には、第1方向DR1におけるフィルム40の両端側がホットメルト等の接着剤による接着、または熱溶着等によって固定される。
【0047】
一対の固定用領域33,34のうち一方の固定用領域33は、上記第1方向DR1において保持領域31の一方側に連設されている。一方の固定用領域33は、第2方向DR2の両側に折り曲げ片331,332を有する。折り曲げ片331,332は、展開状態において台紙30の角部に対応する部分に切欠部331a,332aが設けられた形状を有する。
【0048】
一対の固定用領域33,34のうち他方の固定用領域34は、上記第1方向DR1において保持領域31の他方側に連設されている。他方の固定用領域34は、第2方向DR2の両側に折り曲げ片341,342を有する。折り曲げ片341,342は、展開状態において台紙30の角部に対応する部分に切欠部341a,342aが設けられた形状を有する。
【0049】
一対の接続片部35,36は、第2方向DR2において、保持領域31の両側に連設されている。一対の接続片部35,36は、折り曲げ線C3,C4を介して保持領域31に連設されている。一対の接続片部35,36は、第1方向DR1に沿って延在する。
【0050】
フィルム40は、略矩形形状を有する。フィルム40は、台紙30の主面(おもて面)に固定される。より具体的には、第1方向DR1におけるフィルム40の両端側が、第2方向DR2に沿って、一対の固定用領域33,34に接着固定、あるいは、溶着固定されている。
【0051】
具体的には、固定用領域33に接着あるいは熱溶着されたフィルム40の接続部41は、折り曲げ片331から折り曲げ片332に至るように設けられている。固定用領域34に接着あるいは熱溶着されたフィルム40の接続部42は、折り曲げ片341から折り曲げ片342に至るように設けられている。
【0052】
このようにフィルム40が台紙30に固定されることにより、第2方向DR2におけるフィルム40の両側が開放された状態となり、当該開放部からフィルム40と台紙30(より特定的には保持領域31)との間に被包装物60を挿入することができる。
【0053】
フィルム40は、台紙30の上記主面の大部分を覆うように配置される。フィルム40が台紙30に固定された状態において、フィルム40の4つの角部が、上記切欠部331a,332a,341a,342aから外部に露出する。
【0054】
フィルム40は、伸縮性を有するストレッチフィルムを採用することができる。ストレッチフィルムは、引き伸ばすことにより弾性収縮による引張力が生じるフィルムである。ストレッチフィルムとしては、たとえば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂を含む単層または多層の厚さ10~100μmの透明なフィルムなどが挙げられる。
【0055】
上記包装具50を用いて被包装物60をフィルム包装した包装体20を形成するに際して、まず、第2方向DR2の両側が開放されたフィルム40と台紙30との間に、被包装物60を挿入する。この際、被包装物60は、上記係合部37が設けられている側とは反対側に位置するフィルム40の開放部から挿入して、被包装物60の下部を係合部37に係合させる。これにより、被包装物60が位置決めされる。具体的には、たとえば、被包装物60は、底部が係合部37の先端(上底37a)に突き当たるまで挿入する。なお、係合部37は、被包装物60が挿入される前に、台紙30の手前側へ折り曲げられている。上述のように係合部37を用いて被包装物60の下部を挟み込む場合には、係合部37とその周辺に位置する部分の保持領域31との間に被包装物60の下部を挿入できる限り、係合部37は、折り曲げなくてもよい。また、係合部37は、上記下部を挟み込み可能な程度に折り曲げてもよい。
【0056】
続いて、一対の固定用領域33,34を折り曲げ線C1,C2に沿って台紙30の裏面側(奥側)に向けて折り返す。これにより、フィルム40に引張力が作用し、被包装物60がフィルム40と保持領域31とによって挟持される。続いて、接続片部35が台紙30の裏面に向かうように、接続片部35、および折り曲げ片331,341を折り曲げ線C3に沿って折り返す。同様に、接続片部36が台紙30の裏面に向かうように、接続片部36、および折り曲げ片332,342を折り曲げ線C4に沿って折り返す。これにより、上下方向にもフィルム40に引張力が作用する。
【0057】
なお、上述においては、接続片部35,36の双方が台紙30の裏面に向かうように折り返される場合を例示して説明したが、これに限定されず、台紙30の表側に折り返されてもよい。この場合には、接続片部35,36を台紙30の表側に向けて保持領域31に直角となるように折り曲げてもよい。接続片部35,36を表側に直角に折り曲げることにより、包装体20を外装箱10に収容した場合に、接続片部35,36が外装箱10の上面部16および底面部15に沿いながら前面部11の内面に突き当たる。これにより、外装箱10内での包装体20の動きを規制することができる。
【0058】
なお、上述のように、孔部32a,32b,32c,32dおよびその周囲に切り込み線が設けられていることにより、折り曲げ線C1、C2、C3、C4に沿って各部分を容易に折り返すことができるとともに、台紙30にしわ等が形成されることを抑制できる。
【0059】
図4は、図2に示すIV-IV線に沿った包装体の概略断面図である。上述のように、台紙30とフィルム40との間に被包装物60を挿入し、台紙30を折り返すことにより、図2および図4に示すように、被包装物60がフィルム包装された包装体20が形成される。当該包装体20を上述のように、外装箱10に収容することにより、実施の形態1に係るパッケージ商品100が形成される。
【0060】
以上のように、実施の形態1に係るパッケージ商品100にあっては、正面に開口する開口部11aを有する外装箱10に、開口部11aを介して被包装物60が視認可能となるように、被包装物60をフィルム包装した包装体20が収容されている。これにより、購入者は、被包装物60を外部から目視にて確認することができる。このため、上記パッケージ商品100をそのまま陳列することが可能となり、このような場合であっても、購入者は、内容物を間違えることなく、購入したい商品を購入することができる。さらに、上述のように、被包装物60として柔軟なパウチ容器等の易変形性容器に流動物が収容されたものを採用する場合であっても、フィルム40の引張力を利用して、フィルム40と保持領域31とによって易変形性容器を挟持することにより、易変形性容器の上部側が倒れるように曲がったりすることを防止できる。これにより、起立するようにパッケージ商品100を陳列した状態においても、易変形性容器の姿勢を安定して維持することができる。易変形性容器の中でも柔軟性を有するパウチ容器において特に効果的である。
【0061】
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に係る包装体の斜視図である。図6は、実施の形態2に係る包装具の展開図である。図5および図6を参照して、実施の形態2に係る包装体20Aについて説明する。
【0062】
図5および図6に示すように、実施の形態2に係る包装体20Aは、実施の形態1に係る包装体20と比較した場合に、台紙30の保持領域31に、係合部37に加えて、第2係合部としての係合部38が設けられている点において相違する。その他の構成についてはほぼ同様である。
【0063】
係合部38は、第2方向DR2に係合部37と並ぶように配置されている。係合部38は、係合部37を上下反転させた形状を有する。係合部38は、上底(先端)38aおよび下底(根元部)38bを有する略台形形状を有する。係合部37は、上底38aが係合部37側に位置するように設けられている。上底38aには略円弧上の窪みが設けられていてもよい。当該円弧上の窪みの下方(DR2方向の他方側)には、略円形の穴部38cが形成されていてもよい。なお、上記略円弧上の窪み、および穴部38cは、省略してもよい。
【0064】
係合部38は、保持領域31の一部に切り込み線を入れることにより形成されている。切り込み線は、下底38bを除く係合部38の周縁に沿って設けられている。係合部38は、被包装物60の上部に係合することにより、被包装物60を位置決めする。具体的には、たとえば、係合部38は、下底38bを基軸として手前側に折り曲げられ、係合部38の根元側に被包装物60の上部が当接することで、被包装物60が位置決めされる。
【0065】
なお、実施の形態1同様に、係合部38と、係合部38の周囲に位置する部分の保持領域31とによって、被包装物60の上部を挟み込むことで被包装物60が位置決めされてもよい。この場合には、係合部38とその周辺に位置する部分の保持領域31との間に被包装物60の上部を挿入できる限り、係合部38は、折り曲げなくてもよい。なお、係合部38は、上記上部を挟み込み可能な程度に折り曲げてもよい。特に、被包装物60がパウチ容器である場合には、パウチ容器の上部に設けられたシール部を挟み込む。当該シール部は、熱シールにより硬くなっているため、挟み込んで位置決めするのに好適である。
【0066】
実施の形態1同様に、包装体20Aは、外装箱10に収容されることができ、当該外装箱10に包装体20Aが収容された実施の形態2に係るパッケージ商品においても、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。また、係合部38が設けられていることにより、被包装物60をさらに安定して保持することができる。
【0067】
(実施の形態3)
図7は、実施の形態3に係るパッケージ商品の斜視図である。図8は、実施の形態3に係るパッケージ商品の分解斜視図である。図7および図8を参照して、実施の形態3に係るパッケージ商品100Bについて説明する。
【0068】
図7および図8に示すように、実施の形態3に係るパッケージ商品100Bは、実施の形態1に係るパッケージ商品100と比較した場合に、被包装物60Bの構成、外装箱10Bの形状、ならびに、包装体20Bの形状が相違する。
【0069】
外装箱10Bは、実施の形態1に係る外装箱10と比較した場合に、開口部11aが設けられている箇所が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。外装箱10Bにおいては、開口部11aは、前面部11から側面部14に跨ぐように設けられている。開口部11aは、前面部11と側面部14との境界から側面部12側に向けて延びるように設けられた部分と、当該境界から後面部13側に向けて延びるように設けられた部分とを含む。
【0070】
実施の形態3においては、幅方向における開口部11aの一端は、前面部11と側面部12との境界から離れており、幅方向における開口部11aの他端は、側面部14と後面部13との境界から離れている。
【0071】
被包装物60Bは、第1被包装物61と第2被包装物62とを含んでいる。第1被包装物61は、たとえば、実施の形態1同様に、易変形性を有する容器である。本実施の形態においては、上下に襠を有するパウチ容器で上方の襠にはスパウトが取り付けられている。第2被包装物62は、たとえば、第1被包装物61と比較して剛性が高いものであってもよい。本実施の形態においては、第2被包装物62は、円筒状の樹脂容器であり、当該樹脂容器内には、所定の収容物が収容されている。なお、第2被包装物62も易変形性を有する容器であってもよい。また、第2被包装物62は、容器に限定されず、第1被包装物61を補完するための機能部品、あるいは試供品といった付属品であってもよい。
【0072】
第1被包装物61および第2被包装物62は、パッケージ商品100Bの幅方向に並びつつ、前後方向に重なった状態で包装されている。より特定的には、第2被包装物62のうち第1被包装物61側に位置する部分が第1被包装物61に重なった状態で、第1被包装物61および第2被包装物62が包装されている。第2被包装物62は、第1被包装物61よりも手前側(前方側)に位置する。
【0073】
本実施の形態においても、開口部11aを介して第1被包装物61および第2被包装物62が視認可能となるように、包装体20Bが外装箱10Bに収容されている。
【0074】
包装体20Bは、実施の形態1と比較して、上記被包装物60Bを包装する包装具50Bの構成が主として相違する。図9は、実施の形態3に係る包装具の展開図である。図9を参照して、包装具50Bについて説明する。
【0075】
包装具50Bは、展開状態において、略H形状を有する。包装具50Bは、台紙30およびフィルム40を含む。
【0076】
台紙30には、折り曲げ線C1,C2,C5~C9が設けられている。これら折り曲げ線C1,C2,C5~C9は、たとえば、押し罫線によって構成されている。台紙30は、保持領域31、一対の固定用領域33,34、接続片部36Bを有する。保持領域31は、平面視において略矩形形状を有する。保持領域31には、実施の形態1同様に、係合部37が設けられている。係合部37は、上記第1方向DR1において中央部よりも一方側(折り曲げ線C1寄り)に位置している。これにより、第1被包装物61と第2被包装物62とを前後方向に重ねつつ、幅方向に並べて配置することが可能となる。また、図8に示すように包装体20Bを外装箱10B内に収容した際に、上述のように外装箱10Bに開口部11aが設けられることにより、図7に示すように、被包装物60Bを視認できる領域を十分に確保することができるとともに、パッケージ商品100Bのデザイン性を向上させることができる。
【0077】
一対の固定用領域33,34は、上記幅方向と平行となる第1方向DR1において、当該保持領域31の両側に連設されている。一対の固定用領域33,34は、折り曲げ線C1,C2を介して保持領域31に連設されている。
【0078】
一対の固定用領域33,34は、第1方向DR1に直交する第2方向DR2に沿って延在する。一対の固定用領域33,34には、第1方向DR1におけるフィルム40の両端側が接着、または熱溶着等によって固定される。
【0079】
一対の固定用領域33,34のうち一方の固定用領域33は、上記第1方向DR1において保持領域31の一方側に連設されている。一方の固定用領域33は、第2方向DR2の両側に折り曲げ片331,332を有する。折り曲げ片331,332は、折り曲げ線C5,C6で折り曲げられる。
【0080】
折り曲げ片331,332は、折り曲げ線C1に略平行となるように第2方向DR2に沿って延在する。折り曲げ片331,332には、第1方向DR1の外側に位置する角部に切欠部331a,332aが設けられており、第1方向DR1の内側に位置する角部に切欠部331b,332bが設けられている。
【0081】
一対の固定用領域33,34のうち他方の固定用領域34は、上記第1方向DR1において保持領域31の他方側に連設されている。他方の固定用領域34は、第2方向DR2の両側に折り曲げ片341,342を有する。折り曲げ片341,342は、折り曲げ線C7,C8で折り曲げられる。
【0082】
折り曲げ片341,342には、第1方向DR1の外側に位置する角部に切欠部341a,342aが設けられている。
【0083】
折り曲げ片341は、傾斜部341bを有する。傾斜部341bは、第2方向DR2の一方側に位置する折り曲げ線C1の端部から第2方向DR2の外側(第2方向DR2の一方側)に向かうにつれて、第1方向DR1の外側(第1方向DR1の他方側)に向かうように傾斜する。
【0084】
折り曲げ片342は、傾斜部342bを有する。傾斜部342bは、第2方向DR2の他方側に位置する折り曲げ線C1の端部から第2方向DR2の外側(第2方向DR2の他方側)に向かうにつれて、第1方向DR1の外側(第1方向DR1の他方側)に向かうように傾斜する。
【0085】
接続片部36Bは、第2方向DR2において、係合部37に近い側に位置する保持領域31の端部に連設されている。接続片部36Bは、折り曲げ線C9を介して保持領域31に連設されている。接続片部36Bは、係合部37に対応する位置に設けられている。
【0086】
フィルム40は、略矩形形状を有する。フィルム40は、台紙30の主面(おもて面)に固定される。より具体的には、第1方向DR1におけるフィルム40の両端側が、第2方向DR2に沿って、一対の固定用領域33,34に接着固定、あるいは、溶着固定されている。これにより、第2方向DR2におけるフィルム40の両側が開放された状態となり、当該開放部からフィルム40と台紙30(より特定的には保持領域31)との間に被包装物60を挿入することができる。
【0087】
上記包装具50Bを用いて被包装物60Bをフィルム包装した包装体20を形成するに際して、まず、第2方向DR2の両側が開放されたフィルム40と台紙30との間に、被包装物60Bを挿入する。この際、被包装物60Bは、上記係合部37が設けられている側とは反対側に位置するフィルム40の開放部から挿入して、被包装物60の下部を係合部37に係合させる。これにより、第1被包装物61の位置が、係合部37によって決定される。なお、被包装物60Bの底部を係合部37の先端に当接させることで第1被包装物61を位置決めする場合には、係合部37は、第1被包装物61が挿入される前に、台紙30の手前側へ折り曲げられる。なお、係合部37は必ずしも折り曲げる必要はなく、実施の形態1同様に、係合部37とその周辺に位置する部分の保持領域31との間に被包装物60Bの下部を挿入して被包装物60Bの位置決めを行なう場合には、折り曲げなくてもよい。第2被包装物62は、第1被包装物61と同時に挿入されてもよいし、第1被包装物61が挿入された後に挿入されてもよい。
【0088】
接続片部36Bは、被包装物60Bを挿入する前に、フィルム40の内側(フィルム40と保持領域31との間)に向けて折り曲げ線C9で折り曲げていてもよいし、被包装物60Bを挿入後に、接続片部36Bを折り曲げ線C9で折り曲げてもよい。接続片部36Bの長さを調整し、接続片部36Bの先端が、第1被包装物61の底部に当接する場合には、接続片部36Bによっても第1被包装物61を部分的に支持することができる。これにより、第1被包装物61の位置を安定させることができる。
【0089】
続いて、一対の固定用領域33,34のうち一方の固定用領域33を、先端(第1方向DR1の一方側に位置する端部)が手前に向くように折り曲げ線C1で折り曲げる。また、一対の固定用領域34のうち他方の固定用領域34を、保持領域31との接続部が手前を向き、先端(第1方向DR1の他方側)が奥側を向くように折り曲げ線C2で折り曲げる。これにより、フィルム40に引張力が作用し、被包装物60Bがフィルム40と保持領域31とによって挟持されて固定される。
【0090】
続いて、折り曲げ片331,332,341,342をそれぞれ、折り曲げ線C5,C6,C7,C8で折り曲げる。なお、折り曲げ片331,332,341,342の折り曲げ順は、特に限定されず、適宜折り曲げることができる。
【0091】
図10は、図8に示すX-X線に沿った包装体の概略断面図である。上述のように、台紙30とフィルム40との間に被包装物60Bを挿入し、台紙30を折り曲げることにより、図8および図10に示すように、被包装物60Bがフィルム包装された包装体20Bが形成される。また、当該包装体20Bを外装箱10に収容することにより、実施の形態3に係るパッケージ商品100Bが形成される。実施の形態3においても、被包装物60Bが開口部11aを介して視認できるように包装体20Bが外装箱10Bに収容されているため、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
【0092】
加えて、実施の形態3においては、上述のように、台紙30を折り曲げることにより、図8および図10に示すように、包装体20Bにおいては、保持領域31は、一方の固定用領域33から他方の固定用領域34に向かうにつれて手前側に向かうように湾曲面311を有することになる。湾曲面311を形成するために、保持領域31の幅寸法(DR1方向の寸法)は外装箱10の幅寸法よりも大きくしており、外装箱10に収容することで保持領域31の湾曲状態が維持される。被包装物60Bは、引張力が作用するフィルム40によって保持領域31に向けて押さえられながら、起立するように折り曲げられた一方の固定用領域33と、当該湾曲面311との間に配置される。この際、被包装物60Bを一方の固定用領域33と、当該湾曲面311との間で挟み込むこともできる。これにより、被包装物60Bを安定して保持することができる。
【0093】
この際、被包装物60Bに含まれる第1被包装物61と第2被包装物62とは、一方の固定用領域33から他方の固定用領域34に向かう方向で横並びで配置され、かつ、第2被包装物62は、第1被包装物61に重なった状態で、第1被包装物61と湾曲面311によって挟持されている。このため、スペースを有効に利用しつつ、第1被包装物61と第2被包装物62とを包装することができる。この結果、複数の被包装物を包装する場合であっても、包装体20Bの幅が必要以上に大きくなることを抑制し、包装体20Bひいては、当該包装体20Bを外装箱10Bに収容したパッケージ商品100Bをコンパクト化することができる。さらに、第1被包装物61として柔軟なパウチ容器等の易変形性容器に流動物が収容されたものを採用した場合には、当該第1被包装物61に重ねて配置された第2被包装物62は、引張力の作用するフィルム40によって保持領域31側に向けて押圧される。この際、易変形性容器が柔軟に変形し、当該易変形性容器と重なった位置に第2被包装物62が安定的に保持される。また、フィルム40の引張力により、第2被包装物62は保持領域31に押圧されているため、起立するようにパッケージ商品100を陳列した状態においても、第2被包装物62を安定して保持することができる。易変形性容器の中でも第1被包装物として61柔軟性を有するパウチ容器を採用する際に、特に効果的である。
【0094】
また、包装体20Bを外装箱10Bに収容した状態においては、一方の固定用領域33が側面部14の内表面に突き当たり、他方の固定用領域34が側面部12の内表面に突き当たることにより、被包装物60Bに作用する拘束力を高めることができる。このことによっても、被包装物60Bを安定して保持することができる。さらに、上記折り曲げ片331、341が外装箱10の上面部16に当接し、上記折り曲げ片332,342が外装箱10の底面部15に当接することにより、台紙30の位置も安定させることができる。
【0095】
(実施の形態4)
図11は、実施の形態4に係るパッケージ商品の斜視図である。図12は、実施の形態4に係るパッケージ商品の分解斜視図である。図11および図12を参照して、実施の形態4に係るパッケージ商品100Cについて説明する。
【0096】
図11および図12に示すように、実施の形態4に係るパッケージ商品100Cは、実施の形態1に係るパッケージ商品100と比較した場合に、被包装物60Bの構成、外装箱10Cの形状、ならびに、包装体20Cの形状が相違する。
【0097】
被包装物60Bは、第1被包装物61と第2被包装物62とを含んでおり、実施の形態3とほぼ同様である。
【0098】
外装箱10Cは、実施の形態1に係る外装箱10と比較した場合に、開口部11aの形状が相違する。その他の構成は、ほぼ同様である。開口部11aは、前面部11に設けられており、開口部11aの上端部は、上下方向(高さ方向)に直交する幅方向の中央が上方に膨出するように湾曲している。また、開口部11aの下端部は、上記幅方向の中央が下方に膨出するように湾曲している。なお、上記幅方向における開口部11aの上端部の両端は、前面部11と側面部12,14との境界に達していてもよいし、達していなくてもよい。
【0099】
図12に示すように、包装体20Cが上記開口部17から矢印AR1に沿って外装箱10内部に挿入された後に、開口部17が上面部16によって閉塞される。包装体20Cに含まれる台紙30は、上下方向において保持領域31の両端に位置する一対の接続片部35,36が、手前に折り曲げられている。一対の接続片部35,36は、台紙30Cの表側に向けて保持領域31に対して略90度に折り曲げられている。
【0100】
図13は、図11に示すXIII-XIII線に沿ったパッケージ商品の概略断面図である。
【0101】
図13に示すように、被包装物60Bの一部は、当該開口部11aから外装箱10Cの前方側に突出していてもよい。たとえば、第1被包装物61と第2被包装物62の双方が、部分的に当該開口部11aから外装箱10Cの前方側に突出していてもよい。このように被包装物60Bが外装箱10Cに収容されることで、被包装物60Bの視認性とパッケージ商品100Cの意匠性を高めることができる。
【0102】
包装体20Cは、実施の形態1と比較して、上記被包装物60Bを包装する包装具50Cの構成が主として相違する。図14は、実施の形態4に係る包装具の展開図である。図14を参照して、実施の形態4に係る包装具50Cについて説明する。
【0103】
包装具50Cは、展開状態において、平面視した場合に略矩形形状を有する。包装具50Cは、台紙30Cおよびフィルム40を含む。
【0104】
台紙30Cは、保持領域31、一対の固定用領域33,34、および一対の接続片部35,36を有する。これら保持領域31、一対の固定用領域33,34、および一対の接続片部35,36は、基本的に、実施の形態1とほぼ同様の構成である。
【0105】
なお、台紙30Cでは、実施の形態1の係合部37は、省略されている。また、切り込み線も省略されている。なお、係合部37は、設けられていてもよいし、切り込み線も設けられていてもよい。
【0106】
その一方で、一対の固定用領域33,34に、当該一対の接続片部35,36が保持領域31の裏面側に折り返された状態を維持するための折返し維持機構が設けられている。
【0107】
折返し維持機構は、一対の固定用領域33,34に設けられた係止片部333,343によって構成されている。
【0108】
係止片部333は、第2方向DR2における固定用領域33の他方側から第1方向DR1の一方側に突出するように設けられている。係止片部333には、係止部333aが設けられている。
【0109】
係止片部343は、第2方向DR2における固定用領域34の一方側から第1方向DR1の他方側に突出するように設けられている。係止片部343には、被係止部343aが設けられている。
【0110】
係止部333aおよび被係止部343aは、一対の固定用領域33,34が保持領域31の裏面側に折り曲げられた状態で係止可能に設けられている。
【0111】
図15は、実施の形態4に係る包装具において、一対の固定用領域が保持領域の裏面側へ折り返された状態が維持されている様子を保持領域の裏面側から見た図である。
【0112】
図15に示すように、一対の固定用領域33,34が保持領域31の裏面側に折り返された状態で係止部333aおよび被係止部343aを係止させることにより、折返し状態を維持することができる。
【0113】
上記包装具50Cを用いて被包装物60Bをフィルム包装した包装体20Cを形成するに際して、まず、第2方向DR2の両側が開放されたフィルム40と台紙30Cとの間に被包装物60Bを挿入する。この際、被包装物60Bに含まれる第1被包装物61と第2被包装物62とは、一方の固定用領域33から他方の固定用領域34に向かう方向で横並びで配置され、かつ、第2被包装物62は、第1被包装物61に重なった状態で挿入される。
【0114】
続いて、一対の固定用領域33,34を折り曲げ線C1,C2に沿って台紙30(より特定的には保持領域31)の裏面側に向けて折り返し、係止部333aおよび被係止部343aを係止させる。これにより、フィルム40に引張力が作用し、被包装物60がフィルム40と保持領域31とによって挟持される。また、一対の固定用領域33,34の折返し状態が維持されることにより、一対の固定用領域33,34が広がることが抑制されて形状が安定する。このため、取り扱いが容易になり、作業性を改善することができる。
【0115】
続いて、一対の接続片部35、36を、各先端が手前(前方側)を向くように折り曲げる。具体的には、接続片部35、ならびに、第2方向DR2の一方側に位置する固定用領域33の折り曲げ片331および固定用領域34の折り曲げ片341を折り曲げ線C3に沿って手前側に折り曲げる。同様に、接続片部36、ならびに、第2方向DR2の他方側に位置する固定用領域33の折り曲げ片332および固定用領域34の折り曲げ片342を折り曲げ線C4に沿って手前側に折り曲げる。これにより、上下方向にもフィルム40に引張力が作用する。
【0116】
このように実施の形態4では、一対の固定用領域33,34が保持領域31の裏面側へ折り返された状態が維持され、かつ、一対の接続片部35,36が先端が手前を向くように折り曲げられた状態で、被包装物60Bがフィルム40と保持領域31とによって挟持されている。
【0117】
以上のようにして形成された包装体20Cを図12に示すように、外装箱10Cの開口部17から内部に挿入して、外装箱10Cに収容することにより、実施の形態4に係るパッケージ商品100Cが形成される。実施の形態4においても、被包装物60Bが開口部11aを介して視認できるように包装体20Cが外装箱10Cに収容されているため、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。加えて、上述のように、開口部11aから被包装物60Bの一部が前方に突出することにより、被包装物60Bの視認性とパッケージ商品100Cの意匠性を高めることができる。
【0118】
さらに、上述のように、外装箱10Cに包装体20Cが収容された状態においては、台紙30Cのうち折り曲げられた一対の接続片部35,36の裏面側に位置する部分が、外装箱10Cの上面部16の内表面、および底面部15の内表面に沿うようにしてこれら内表面に当接する。これにより、外装箱10内における台紙30Cの位置が安定し、台紙30Cがガタつくことを抑制することができる。また、一対の固定用領域33,34の折返し状態が維持された状態で、包装体20Cを外装箱10Cに収容することにより、一対の固定用領域33,34が開くことが抑制され、包装体20Cを容易に収容することができる。
【0119】
(第1変形例)
図16は、第1変形例に係る包装具の展開図である。図16を参照して、第1変形例に係る包装具50C1について説明する。
【0120】
図16に示すように、第1変形例に係る包装具50C1は、実施の形態4に係る包装具50Cと比較した場合に、折返し維持機構の構成が異なっており、これにより、台紙30C1の形状が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0121】
台紙30C1においては、折返し維持機構は、被係止部334、係止部344によって構成されている。
【0122】
被係止部334は、固定用領域33から第1方向DR1の一方側に向けて突出する突出片部によって構成されている。当該被係止部334は、たとえば、第2方向DR2における固定用領域33の中央部に設けられている。なお、被係止部334の位置は、第2方向DR2におけるに中央部に限定されず、適宜の位置に設けることができる。
【0123】
係止部344は、係止穴(切欠部)によって構成されている。係止部344は、固定用領域34に設けられている。係止部344は、第2方向DR2において、被係止部334に対応する位置に設けられている。
【0124】
この場合には、一対の固定用領域33,34を折り曲げ線C1,C2に沿って保持領域31の裏面側に折り返して、被係止部334を係止部344に係止する。すなわち、上記突出片部を係止穴に挿入して係止する。
【0125】
このように第1変形例に係る包装具50C1が構成される場合であっても、実施の形態4とほぼ同様の効果が得られる。
【0126】
(第2変形例)
図17は、第2変形例に係る包装具の展開図である。図17を参照して、第2変形例に係る包装具50C2について説明する。
【0127】
図17に示すように、第2変形例に係る包装具50C2は、実施の形態4に係る包装具50Cと比較した場合に、折返し維持機構の構成が異なっており、これにより、台紙30C2の形状が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0128】
台紙30C2においては、折返し維持機構は、被係止部335,345および係止部336,346によって構成されている。
【0129】
被係止部335は、固定用領域33から第1方向DR1の一方側に向けて突出する第1突出片部によって構成されている。当該第1突出片部は、たとえば、第2方向DR2における固定用領域33の中央部に設けられている。なお、第1突出片部の位置は、第2方向DR2におけるに中央部に限定されず、適宜の位置に設けることができる。
【0130】
被係止部345は、固定用領域34から第1方向DR1の他方側に向けて突出する第2突出片部によって構成されている。当該第2突出片部は、たとえば、第2方向DR2における固定用領域34の中央部に設けられている。なお、第2突出片部の位置は、第2方向DR2におけるに中央部に限定されず、適宜の位置に設けることができる。
【0131】
係止部336,346は、第1係止穴(第1切欠部),第2係止穴(第2切欠部)によって構成されている。係止部336,346は、保持領域31に設けられている。係止部336,346は、第1方向DR1に並んで配置されている。
【0132】
係止部336は、第1方向DR1において固定用領域33側に設けられている。係止部336は、第2方向DR2において被係止部335に対応する位置に設けられている。係止部346は、第1方向DR1において固定用領域34側に設けられている。係止部346は、第2方向DR2において被係止部345に対応する位置に設けられている。
【0133】
この場合には、一対の固定用領域33,34を折り曲げ線C1,C2に沿って保持領域31の裏面側に折り返して、被係止部335,345を係止部336,346に係止する。すなわち、上記第1突出片部および第2突出片部をそれぞれ第1係止穴および第2係止穴に挿入して係止する。
【0134】
このように第2変形例に係る包装具50C2が構成される場合であっても、実施の形態4とほぼ同様の効果が得られる。
【0135】
(実施の形態5)
図18は、実施の形態5に係るパッケージ商品の概略正面図である。図19は、実施の形態5に係るパッケージ商品の概略斜視図である。図20は、実施の形態5に係るパッケージ商品の分解斜視図である。図18から図20を参照して、実施の形態5に係るパッケージ商品100Dについて説明する。
【0136】
図18および図19に示すように、実施の形態5に係るパッケージ商品100Dは、実施の形態1に係るパッケージ商品100と比較した場合に、被包装物60B、外装箱10Dの形状、および包装体20Dの形状が相違する。
【0137】
外装箱10Dは、前面部11、後面部13、底面部15、上面部16を有する。前面部11および後面部13は、組立状態において筒状部を構成する。上面部16は、当該筒状部の上部側開口部(開口部17(図20参照))を閉塞する。上面部16は、前面部11の上端に接続された接続片16A(図20参照)、および後面部13の上端に接続された接続片16B(図21参照)が折り返されることにより構成される。底面部15は、当該筒状部の下部側開口部を閉塞する。
【0138】
上面部16および底面部15は、略六角形形状を有する。より具体的には、上面部16および底面部15は、幅方向の長さが前後方向の長さよりも長い扁平な略六角形形状を有する(図21参照)。なお、上面部16および底面部15の形状は、多角形形状に限定されず、船形形状、楕円形状、トラック形状等のオーバル形状であってもよい。
【0139】
前面部11は、上下方向(高さ方向)に直交する幅方向において、中央部から両端に向かうにつれて後方側に向かう形状を有する。すなわち、前面部11は、上記幅方向の中央部から当該幅方向の両端に向かうにつれて、後方側に向けて湾曲する前面側湾曲部11bを有する。前面側湾曲部11bは、幅方向の一方側に位置する第1部分11b1、および幅方向の他方側に位置する第2部分11b2を有する。なお、前面側湾曲部11bに代えて、上記幅方向の中央部から当該幅方向の両端に向かうにつれて、後方側に向けて傾斜する前面側傾斜部が設けられていてもよい。
【0140】
前面部11には、開口部11aが設けられている。開口部11aは、略楕円形状を有する。なお、開口部11aは、楕円形状に限定されず、トラック形状、卵型形状等のオーバル形状、円形、半円状、矩形、または多角形状であってもよい。開口部11aは、上記幅方向において、前面部11の略中央部に設けられている。
【0141】
開口部11aは、被包装物60Bを後述のように突出させて視認性を向上させるために中央部を含み幅方向に広がる(例えば幅寸法の50%~90%の大きさを有する)ことが好ましい。なお、開口部11aは、複数設けても良く、例えば中央に大きな円形、その上下に小さい円形を設ける等、被包装物の種類やデザイン等に応じて変更できる。
【0142】
後面部13は、上記幅方向において、中央部から両端に向かうにつれて前方に向かう形状を有する。すなわち、後面部13は、上記幅方向の中央部から当該幅方向の両端に向かうにつれて前方側に向けて湾曲する後面側湾曲部13bを有する。後面側湾曲部13bは、幅方向の一方側に位置する第1部分13b1(図21参照)、および幅方向の他方側に位置する第2部分13b2(図21参照)を有する。なお、後面側湾曲部13bに代えて、上記幅方向の中央部から当該幅方向の両端に向かうにつれて、前方側に向けて傾斜する後方側傾斜部が設けられていてもよい。
【0143】
図20に示すように、包装体20Dが上記開口部17から矢印AR1に沿って外装箱10内部に挿入された後に、開口部17が上面部16によって閉塞される。
【0144】
再び図19に示すように、包装体20Dが外装箱10Dに収容された状態においては、被包装物60Bの一部は、当該開口部11aから外装箱10Dの前方側に突出していてもよい。たとえば、第1被包装物61と第2被包装物62の双方が、部分的に当該開口部11aから外装箱10Dの前方側に突出していてもよい。これにより、被包装物60Bの視認性とパッケージ商品100Cの意匠性を高めることができる。
【0145】
また、上述のように外装箱10Dの前面部11および後面部13がそれぞれ前面側湾曲部11bおよび後面側湾曲部13bを有するような場合には、第1被包装物61として、上述のパウチ容器を用いることで、上記幅方向において第1被包装物61の中央が膨らむようにして第1被包装物61を外装箱10Dに収容することができる。このため、パウチ容器を用いる場合には、第1被包装物61を該開口部11aから外装箱10Dの前方側に効果的に突出させることができる。また、上記パウチ容器としては、たとえば、底部に襠を有するスタンディングパウチ等を採用することができる。なお、パウチ容器は、当該パウチ容器が有する底部が外装箱10Dの底面部15側に位置するように外装箱10Dに収容されてもよいし、外装箱10Dの上面部16側に位置するように外装箱10Dに収容されてもよい。また、パウチ容器は、上記スタンディングパウチに限定されず、実施の形態1同様に、上下に襠を有するパウチ、サイドガセットパウチ、平パウチ、ピロー包装体、または、各種スパウト等を備えたパウチであってもよい。
【0146】
図21は、実施の形態5に係るパッケージ商品において、外装箱に包装具が収容されている状態を上方側から見た図面である。
【0147】
図21に示すように、包装体20Dに含まれる台紙30は、保持領域31の裏面側へ折り曲げられた一対の接続片部35,36に、上下方向における一対の固定用領域33,34の両端部が重なるように、一対の固定用領域33,34が保持領域31の裏面側へ折り曲げられた状態で、外装箱10D内に収容される。
【0148】
さらに、保持領域31が、幅方向の中央部から幅方向の両端に向かうにつれて前方側に向けて湾曲する湾曲面を有した状態で、一対の固定用領域33,34が後面側湾曲部13bに突き当たるように、包装体20Dが外装箱10D内に収容されている。なお、保持領域31は、幅方向の中央部から幅方向の両端に向かうにつれて前方側に向けて傾斜する傾斜面を有した状態となっていてもよい。
【0149】
図22は、実施の形態5に係る包装具の展開図である。図22を参照して、実施の形態5に係る包装具50Dについて説明する。実施の形態5に係る包装具50Dは、展開状態においては、実施の形態1に係る包装具50とほぼ同様であるが、折り方が異なっている。また、実施の形態5に係る包装具50Dにおいては、係合部37および上記切り込み線が省略されている場合を例示するが、係合部37および上記切り込み線は、設けられていてもよい。
【0150】
包装具50Dを用いて被包装物60Bをフィルム包装した包装体20Dを形成するに際して、まず、第2方向DR2の両側が開放されたフィルム40と台紙30との間に被包装物60Bを挿入する。この際、被包装物60Bに含まれる第1被包装物61と第2被包装物62とは、一方の固定用領域33から他方の固定用領域34に向かう方向で横並びで配置され、かつ、第2被包装物62は、第1被包装物61に重なった状態で挿入される。
【0151】
続いて、一対の接続片部35、36を折り曲げ線C3,C4に沿って台紙30(より特定的には、保持領域31)の裏面側に向けて折り返す。具体的には、具体的には、接続片部35、ならびに、第2方向DR2の一方側に位置する固定用領域33の折り曲げ片331および固定用領域34の折り曲げ片341を折り曲げ線C3に沿って保持領域31の裏面側に向けて折り返す。同様に、接続片部36、ならびに、第2方向DR2の他方側に位置する固定用領域33の折り曲げ片332および固定用領域34の折り曲げ片342を折り曲げ線C4に沿って保持領域31の裏面側に向けて折り返す。これにより、上下方向にフィルム40に引張力が作用する。また、一対の接続片部35、36を折り返すことにより、フィルム40の開放部が閉じられるため、被包装物60Bが外部に脱落することを防止することができる。
【0152】
続いて、一対の固定用領域33,34を折り曲げ線C1,C2に沿って台紙30の裏面側(奥側)に向けて折り返す。これにより、第1方向DR1における一対の固定用領域33,34の両端部が、保持領域31の裏面側へ折り曲げられた一対の接続片部35,36に重なる。より特定的には、折り曲げ片331と折り曲げ片332との間に位置する部分の固定用領域33の両端部、および折り曲げ片341と折り曲げ片342との間に位置する部分の固定用領域34の両端部が、折り曲げられた一対の接続片部35,36に重なる。
【0153】
このように、保持領域31の裏面側へ折り曲げられた一対の接続片部35,36に、第1方向DR1における一対の固定用領域33,34の両端部が重なるように、一対の固定用領域33,34が保持領域31の裏面側へ折り曲げられることにより、一対の接続片部35,36が開くことを抑制し、台紙30の折り曲げ状態を安定させることができる。
【0154】
以上のようにして形成された包装体20Dを図20に示すように、外装箱10Dの開口部17から内部に挿入して、外装箱10Dに収容することにより、実施の形態5に係るパッケージ商品100Dが形成される。実施の形態4においても、被包装物60Bが開口部11aを介して視認できるように包装体20Dが外装箱10Dに収容されているため、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。加えて、上述のように、開口部11aから被包装物60Bの一部が前方に突出することにより、被包装物60Bの視認性とパッケージ商品100Cの意匠性を高めることができる。
【0155】
加えて、保持領域31が、幅方向の中央部から幅方向の両端に向かうにつれて前方側に向けて傾斜または湾曲する傾斜面または湾曲面を有するように、後面部13の形状に応じて保持領域31を変形させて、包装体20Dを外装箱10D内に収容することで、収まりが良くなる。また、包装体20Dの収容状態において、一対の固定用領域33,34が後面側湾曲部13bに突き当たることにより、外装箱10D内での包装体20Dの動きを規制し、包装体20Dを安定して外装箱10Dに収容することができる。
【0156】
さらに、上述のように、一対の接続片部35、36、および一対の固定用領域33,34を順に折り曲げることにより、一対の接続片部35,36が開くことが抑制され、台紙30の折り曲げ状態を安定させることができる。これにより、包装体20Dの取り扱い性が向上し、包装体20Dを容易に収容することができる。
【0157】
(その他の変形例)
上述した実施の形態1、2においては、被包装物60の個数が1個である場合を例示して説明したが、これに限定されず、被包装物60の個数は、2以上であってもよい。
【0158】
上述した実施の形態3においては、一対の固定用領域33、34が第2方向DR2の一方側に折り曲げ片331,341を有する場合を例示して説明したが、これに限定されず、これら折り曲げ片331,341は省略されていもよい。この場合には、第2方向DR2の一方側に位置するフィルム40の端部が、第2方向DR2の一方側に位置する保持領域31の端部の内側に位置するように、フィルム40は台紙30に固定される。また、台紙30へのフィルム40の接続部41,42は、第2方向DR2の一方側に位置する一対の固定用領域33,34の端部側から折り曲げ片332,342に至るように設けられる。
【0159】
上述した実施の形態1から3においては、一対の固定用領域を折り曲げる場合を例示して説明したが、フィルム40と保持領域31とによって被包装物を保持できる限り、一対の固定用領域33,34を折り曲げなくてもよい。また、保持領域31において、係合部37を省略してもよい。
【0160】
上述した実施の形態3-5,第1変形例、および第2変形例においては、被包装物60Bが、第1被包装物61と第2被包装物62とで構成される場合を例示して説明したが、これに限定されず、第3被包装物を含んでいてもよいし、被包装物60Bを構成する物品の個数は、適宜選択することができる。
【0161】
また、実施の形態3-5,第1変形例、および第2変形例では、第2被包装物62が第1被包装物61に重なった状態でフィルム40と保持領域31とで挟持される場合を例示したが、第1被包装物61と第2被包装物62とは重なっていなくてもよい。また、被包装物60Bが、3つ以上の物品で構成される場合、これらは部分的に重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。
【0162】
以上、今回発明された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0163】
10,10B,10C,10D 外装箱、11 前面部、11a 開口部、11b 前面側湾曲部、11b1 第1部分、11b2 第2部分、12 側面部、13 後面部、13b 後面側湾曲部、13b1 第1部分、13b2 第2部分、14 側面部、15 底面部、16 上面部、16a,16b,16c,16d 接続片、17 開口部、20,20A,20B,20C,20D 包装体、30,30C,30C1,30C2 台紙、30a,30b 端部、31 保持領域、32,32a,32b,32c,32d 孔部、33,34 固定用領域、35,36,36B 接続片部、37 係合部、37a 上底、37b 下底、37c 穴部、38 係合部、38a 上底、38b 下底、38c 穴部、40 フィルム、40c 下端、40d 上端、50,50B,50C,50C1,50C2,50D 包装具、60,60B 被包装物、61 第1被包装物、62 第2被包装物、100,100B,100C,100D パッケージ商品、311 湾曲面、331 折り曲げ片、331a,331b 切欠部、332 折り曲げ片、332a,332b 切欠部、341 折り曲げ片、341a 切欠部、341b 傾斜部、342 折り曲げ片、342a 切欠部、342b 傾斜部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22