(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177802
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】電力管理システム、及び配電を管理する方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20221124BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022073904
(22)【出願日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】21174309
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーチン コップ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自家用発電装置の使用を改善しユーザのコストを削減する電力管理システムを提供する。
【解決手段】電力管理システムは、発電部と、発電部により生成された電力を家庭及び家庭とは異なる受電部であるバッテリ又は電力系統に分配する電力出力部と、電力系統から家庭又は受電部に供給される電力を出力する系統電力出力部と、条件要求データ及び受電部が要求条件を満たす必要がある期間を受信する条件要求設定部と、該期間にわたり発電部により生成される電力の予測を示す予測データを受信する予測データ入力部と、条件要求設定部からの条件要求データ及び予測データ入力部からの予測データを受信する制御部とを備える。制御部は該期間の経過後に受電部が要求条件を満たすように配電部を制御し、発電部の使用を最大化し、予測データは発電部の所与の最大電力出力、その期間内の受電部の利用可能性及びその期間の発電部が位置する場所の天気予報に基づく。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力管理システムであって、
非電力源から電力を生成するように適応される発電部と、
前記発電部によって生成された前記電力を配電部に出力するように適応される電力出力部であって、前記配電部は、前記発電部によって生成された前記電力を、複数の電力消費部を有する家庭、及び前記家庭の前記複数の電力消費部とは異なる受電部、及び/又は電力系統に分配するように適応され、前記受電部はバッテリである、電力出力部と、
前記電力系統から前記家庭及び/又は前記受電部に供給される電力を出力するように適応される系統電力出力部と、
前記受電部の要求条件と、前記受電部がその後に前記要求条件を満たす必要がある期間とを決定する条件要求データをユーザから受信するように適応される条件要求設定部と、
前記期間にわたって前記発電部によって生成される前記電力の予測を示す予測データを受信するように適応される予測データ入力部と、
前記条件要求設定部からの前記条件要求データ及び前記予測データ入力部からの前記予測データを受信するように適応される制御部と
を備え、前記制御部は、前記期間が経過した後に、前記受電部が前記要求条件を満たしているように少なくとも前記配電部を制御するように適応されるとともに、前記予測データを使用することによって前記期間内に前記受電部の前記要求条件を満たすために、前記電力系統から供給される電力に対する前記発電部によって生成される電力の使用のパーセンテージを最大化するように適応され、
前記予測データは、前記発電部の所与の最大電力出力、前記期間内の前記受電部の利用可能性、及び、前記期間の前記発電部が位置する場所の天気予報のうちの少なくとも1つに基づき、
前記電力管理システムは、前記受電部の通常の使用を記録し、前記受電部の前記通常の使用に基づいて、前記ユーザからの入力を伴うことなく前記要求条件を設定するように適応される
電力管理システム。
【請求項2】
前記予測データは、参照発電部に接続された電力出力測定部によって測定される前記参照発電部の実際の電力出力に更に基づき、
前記参照発電部及び前記電力出力測定部は、前記発電部から遠隔している、請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項3】
前記参照発電部の前記実際の電力出力に基づく前記発電部についての前記予測データは、前記参照発電部の最大電力出力と前記発電部の前記最大電力出力との差異、前記参照発電部と前記発電部との異なる方位、前記参照発電部と前記発電部との異なる傾斜、前記参照発電部と前記発電部との異なる天気予報及び/又は異なる実際の天気、及び前記参照発電部と前記発電部との異なる場所のうちの少なくとも1つに関してスケーリングされる、請求項2に記載の電力管理システム。
【請求項4】
前記参照発電部はサーバに接続されるとともに、前記参照発電部の前記実際の電力出力を示すデータを、前記参照発電部及び前記発電部から遠隔のサーバに送信するように適応され、
前記予測データ入力部は、前記サーバから予測データを受信するように適応され、
前記サーバは、前記予測データをスケーリングするように適応され、
好ましくは、前記条件要求設定部及び/又は前記予測データ入力部及び/又は前記制御部は、前記サーバの一部であり、それにより、前記ユーザは前記条件要求データを前記サーバに送信し、前記配電部は、前記サーバによって遠隔接続を介して制御される、請求項2又は3に記載の電力管理システム。
【請求項5】
前記電力管理システムは、前記期間の後の前記受電部の予測条件と前記期間の後の前記受電部の実際の条件との差異及び/又は前記受電部の前記要求条件に到達するために必要な予測期間と前記受電部の前記要求条件に到達するために必要な実際の期間との差異を記録及び記憶するように適応される記憶部を更に備え、
前記発電部についての前記予測データは、前記記憶部に記憶された前記差異に更に基づき、
好ましくは、前記記憶部は、特定の日付及び時間に相関して前記差異を記録及び記憶するように更に適応される、請求項1から3のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項6】
前記非電力源は、光起電力太陽光発電装置、風力発電機、地熱エネルギー源、流体力学エネルギー源、及びバイオマスエネルギー源のうちの少なくとも1つである、請求項1から3のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項7】
前記バッテリは、電気自動車又はハイブリッド電気自動車内に、及び/又は前記家庭用のバッテリとして前記発電部の場所に、設置される、請求項1から3のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項8】
前記受電部の前記要求条件は、前記バッテリの充電状態及び/又は前記発電部によって生成される前記電力の前記電力系統への供給割合である、請求項1から3のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項9】
非電力源から電力を生成するように各々適応されるm個の発電部であって、mは、自然数であり、m≧2であり、
前記m個の発電部のうち、n個の数量が参照発電部であり、nは、自然数であり、n<mである、m個の数量の発電部と、
前記参照発電部のうちの少なくとも1つに各々接続され、かつ各々の前記参照発電部の実際の出力電力を測定するように適応されるn個の電力出力測定部と
を備える、電力管理システムであって、
前記電力管理システムは、前記n個の参照発電部の測定に基づいて残りのm-n個の前記発電部の電力出力を推定するように適応される、電力管理システム。
【請求項10】
前記電力管理システムは、前記m-n個の発電部の各々の前記電力出力を推定するように適応される、請求項9に記載の電力管理システム。
【請求項11】
非電力源を使用して発電部から電力が生成される発電段階と、
前記発電段階において生成された前記電力が出力される電力出力段階と、
前記発電段階において生成された前記電力が複数の電力消費部を有する家庭、及び前記家庭の前記複数の電力消費部とは異なる受電部、及び/又は電力系統に分配される配電段階であって、前記受電部はバッテリである、配電段階と、
前記受電部の通常の使用を記憶する段階と、
前記受電部の前記通常の使用に基づいて、ユーザからの入力を伴うことなく前記受電部の要求条件を設定する段階と、
前記受電部の前記要求条件と、前記受電部がその後に前記要求条件を満たす必要がある期間とを決定する条件要求データが前記ユーザから受信される条件要求設定段階と、
前記期間にわたって前記発電段階において生成される前記電力の予測を示す予測データが受信される予測データ入力段階と、
前記条件要求データ及び前記予測データが受信される制御段階と
を備え、前記制御段階は、前記期間が経過した後に、前記受電部が前記要求条件を満たしているように少なくとも前記配電段階を制御し、
前記予測データは、少なくとも、前記発電段階における所与の最大電力出力、及び、前記期間の前記非電力源が位置する場所の天気予報に基づく、配電を管理する方法。
【請求項12】
前記予測データは、電力出力測定段階において測定される参照発電部の実際の電力出力に更に基づき、
前記参照発電部は、前記発電部から遠隔している、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記参照発電部はサーバに接続されるとともに、前記参照発電部の前記実際の電力出力を示すデータを、前記参照発電部及び前記発電部から遠隔の前記サーバに送信し、
前記予測データ入力段階において、前記サーバから予測データが受信され、
前記サーバは、前記予測データを、特に、前記参照発電部の最大電力出力と前記発電部の前記最大電力出力との差異、前記参照発電部と前記発電部との異なる方位、前記参照発電部と前記発電部との異なる傾斜、前記参照発電部と前記発電部との異なる天気予報及び/又は異なる実際の天気、及び前記参照発電部と前記発電部との異なる場所のうちの少なくとも1つに関してスケーリングする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記受電部は、電気自動車のバッテリであり、
前記条件要求データは、前記ユーザによって計画される少なくとも1つのイベントに基づき、各イベントは、日付及び時間及び前記電気自動車の目的地を含むこと、及び、
前記条件要求設定段階の前又はその間、前記発電部の場所から前記目的地までの距離及び前記期間が計算され、前記条件要求データは、前記計算された距離及び期間に基づく、請求項11から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、前記期間を提案された延長済み期間に延長することが前記ユーザに提案される提案段階を更に備え、前記提案された延長済み期間の後には、前記受電部は、前記要求条件を満たすために前記非電力源を使用して前記発電部から生成される前記電力の寄与度が高められるように、前記要求条件を満たさなければならない、請求項11から13のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理システム、及び配電を管理する方法に関する。
【0002】
近年、多くの住宅が、自身の家庭において必要とされる電力のうちの少なくとも一部を生成することを可能にするために、太陽光発電等の再生可能エネルギー源を使用する自家用発電装置を備えている。しかし、エネルギーを、この再生可能エネルギー源とは独立して利用可能であるように貯蔵する電気自動車及びハウスバッテリ(house battery)(本明細書において「受電部」と総称される)がますます普及していくにつれて、電気エネルギーの全体消費量は上昇し、それにより、ほとんどの時間、家庭及び受電部は、自家用発電装置からの電力、及び電力系統からの電力の供給を受ける必要がある。電力系統からの電力は、電力供給家から購入しなければならず、かつ、自分自身で発電するほどエコロジーではないので、自家用発電装置の使用を最大化するためにインテリジェントかつ適応可能なストラテジーが必要とされている。
【0003】
したがって、本発明の目的は、自家用発電装置の使用を改善し、及び/又は本発明に係るシステムのユーザの全体コストを削減することが可能である、電力管理システム及び配電を管理する方法を提供することである。
【0004】
この目的は、電力管理システムによって本発明の第1の態様において解決され、当該電力管理システムは、
非電力源(non-electric power source)から電力を生成するように適応される発電部と、
前記発電部によって生成された前記電力を配電部に出力するように適応される電力出力部であって、前記配電部は、前記発電部によって生成された前記電力を、複数の電力消費部を有する家庭、及び前記家庭とは異なる受電部、及び/又は電力系統に分配するように適応され、前記受電部はバッテリである、電力出力部と、
前記電力系統から前記家庭及び/又は前記受電部に供給される電力を出力するように適応される系統電力出力部と、
前記受電部の要求条件と、前記受電部がその後に前記要求条件を満たす必要がある期間とを決定する条件要求データをユーザから受信するように適応される条件要求設定部と、
前記期間にわたって前記発電部によって生成される前記電力の予測を示す予測データを受信するように適応される予測データ入力部と、
前記条件要求設定部からの前記条件要求データ及び前記予測データ入力部からの前記予測データを受信するように適応される制御部と、
を備え、前記制御部は、前記期間が経過した後に、前記受電部が前記要求条件を満たしているように少なくとも前記配電部を制御するように適応されるとともに、前記予測データを使用することによって前記期間内に前記受電部の前記要求条件を満たすために、前記電力系統から供給される電力に対する前記発電部によって生成される電力の使用のパーセンテージを最大化するように適応され、
前記予測データは、前記発電部の所与の最大電力出力、前記期間内の前記受電部の利用可能性、及び、前記期間の前記発電部が位置する場所の天気予報のうちの少なくとも1つに基づく。
【0005】
特に、本発明は、配電ストラテジー、例えば、自家用発電装置(発電部)に接続されたバッテリの充電ストラテジーを実行することを可能にし、当該ストラテジーは、例えばバッテリを可能な限り速く充電するために、家庭及び受電部に可能な限り多くの電力を提供する充電ストラテジーであって、このストラテジーによれば、電力系統からの電力の最大量が使用されなければならない、充電ストラテジーと、(少なくとも受電部のために)発電部によって生成される電力のみを使用する充電ストラテジーであって、この後者のストラテジーを使用すると、期間内に受電部の要求条件に到達されない場合がある、充電ストラテジーとの2つの現在可能な充電ストラテジーの中間である。
【0006】
予測データに基づいて、本発明に係るシステムは、例えば、後の時点であるが依然として期間内である時点において、現在利用可能である電力よりも多くの電力を発電部が生成することが可能であることを予測データが示す場合、受電部に分配される発電部によって生成される電力の量を削減し、かつ家庭に分配される量を高めることを考慮し得る。
【0007】
一例を与えるために、発電部が風力発電機であること、受電部が、風力発電機によって生成された電力によって充電することができる電気自動車(EV)であること、及び、EVが現時点から14時間以内に90%の充電状態(SOC)に到達しなければならないことが要求条件であることを仮定すると、予測データは、現在から4時間後に風が強くなり、その結果、風力発電機によって生成されるより多くの電力が利用可能になることを示し得る。したがって、制御部は、風力発電機によって生成されたEVへの電力の量を低減し、それゆえ、14時間期間以内での、90%のSOCが到達される時点を延期し、それにより、この時点において、家庭によって消費される電力のうちの(全てとは言わないまでも)より多くを風力発電機から供給することができる。これにより、風力発電機の使用が増大し、また、電力供給家から購入しなければならない電力が少なくなるので、家庭の電力コストが削減される。
【0008】
当然ながら、これに関して、システムは、受電部の通常使用、例えば、月曜日から金曜日までの毎日午前8:30におけるEVの出発時刻、午後5:30におけるEVの発電部への再接続、及びバッテリの総容量のおおよそ20%の通常消費されるエネルギー、を記録及び決定し得るという点で、自己調整型(self-adjusting)であり得る。そのため、制御部は、ユーザからの入力を一切伴うことなく自動的に、月曜日から金曜日までの毎日午前8:30において少なくとも20%SOCという要求条件を設定してよい。EV(又は受電部全般)が制御部に接続されているとき、EVは、EVの実際の条件、例えば、実際のSOCを示す情報を送信してよい。
【0009】
上で説明された例と組み合わされてもよい別の例では、発電部によって生成される電力は、電力系統に供給されてよい。これは、特に、電力供給家から支払われる金銭等の、ユーザへの何らかのインセンティブと組み合わされてよい。多くの事業者は、例えば系統におけるピーク又は不足を低減するために、電力系統に供給することができる電力の量を制限する。ここで、本発明に係るシステムは、電力系統に供給される電力の量をより一定の割合に維持するとともに、自家用発電装置の使用を最適化し得る。すなわち、制御部は、電力系統及びバッテリの両方に必要なエネルギーを供給するには不足が存在している場合、発電部が期間内の後の時点においてバッテリを充電するのに十分な電力を提供するであろうことを示す予測データに基づいて、発電部によって生成される電力の電力系統への分配を、バッテリの充電のためのエネルギーの分配よりも高いランクに優先順位付けしてよい。
【0010】
特に、次のものに限定されるわけではないが、家庭の電力コストのコスト最適化、電力供給家から電力を購入するコスト、及び電力供給家に電力を販売するときのそれぞれのインセンティブ(例えば、売り上げ)を、制御部の制御を調整するための更なる考慮データとしてシステムに入力することができる。
【0011】
発電部の場所は、対応するエリアの郵便番号によってシステムに示されてよい。場所に基づいて、例えば、雲のない天気において期待される太陽放射エネルギーが決定され、受電部の要求条件に到達するのに必要な時間、例えば、例として要求されるSOCまでバッテリを充電するのに必要な時間の計算のために使用されてよい。
【0012】
本発明の一実施形態では、前記予測データは、参照発電部に接続された電力出力測定部によって測定される前記参照発電部の実際の電力出力に更に基づいてよく、前記参照発電部及び前記電力出力測定部は、前記発電部から遠隔している。これにより、発電部自体は、発電部によって生成された電力の出力を測定するように適応される測定機器を備えないことが可能になり、それにより、発電部の設置及び保守の全体コストを削減することができる。
【0013】
非常に簡単な例として、参照発電部が発電部と同一であり、かつ隣の家に同一の様式(方位、傾斜等)で設置されている場合、参照発電部によって生成される電力の測定は、双方の発電部の同じ天気に起因して、発電部によって生成される電力の決定のために直接使用することができる。発電部によって生成される電力の決定に基づいて、本発明に係るシステムは、電力供給家から取得しなければならないエネルギーの量も決定することができる。参照発電部に接続された家庭(参照家庭とも称される)の実際の測定電気エネルギー消費量を使用することによって、発電部に接続された家庭において必要とされる電力の決定についても同じことが当てはまり得る。
【0014】
しかしながら、なぜ同一の参照発電部から生成される電力の測定値が発電部によって生成される電力に依然として厳密に一致しない場合があるのかについて、複数の理由が存在する。例えば、発電部のうちの一方は、他方よりも清浄である場合があり、又は、発電部の一方のみに対して太陽放射を遮断している木又は住宅が存在する場合がある。決定の正確性を検証するために、発電部によって生成される電力が十分ではないことが理由で電力供給家から取得しなければならない電力の決定された量は、電力供給家から取得される電力の実際の量と比較されてよい。これを行うことにより、推定値の、電力計からの値との比較が、定期的に、例えば、3ヵ月、6ヵ月、及び/又は12ヵ月の間隔で、実行されてよい。
【0015】
この文脈では、前記参照発電部の前記実際の電力出力に基づく前記発電部についての前記予測データは、前記参照発電部の最大電力出力と前記発電部の前記最大電力出力との差異、前記参照発電部と前記発電部との異なる方位、前記参照発電部と前記発電部との異なる傾斜、前記参照発電部と前記発電部との異なる天気予報及び/又は異なる実際の天気、及び前記参照発電部と前記発電部との異なる場所のうちの少なくとも1つに関してスケーリングされてよい。これにより、発電装置を、発電部と同一ではない参照発電部として使用することが可能になる。例えば、特に地球の南北方向において間隔が大きく離れている異なる場所において、例え両方の場所で天気が雲のない天気であったとしても、異なる太陽光発電が利用可能である。
【0016】
有利には、前記参照発電部はサーバに接続されてよいとともに、前記参照発電部の前記実際の電力出力を示すデータを、前記参照発電部及び前記発電部から遠隔のサーバに送信するように適応されてよく、前記予測データ入力部は、前記サーバから予測データを受信するように適応されてよく、前記サーバは、前記予測データをスケーリングするように適応されてよく、好ましくは、前記条件要求設定部及び/又は前記予測データ入力部及び/又は前記制御部は、前記サーバの一部であってよく、それにより、前記ユーザは前記条件要求データを前記サーバに送信してよく、前記配電部は、前記サーバによって遠隔接続を介して制御されてよい。それゆえ、参照発電部と発電部との間の直接接続は必要でない。さらに、発電部によって生成される電力に関する推定/決定の正確性を高めるために複数の参照発電部を使用することが可能であり得る。この任意選択の特徴は、さらに、発電部の場所に設置されるコンポーネントを削減し、かつ関連するコストを削減し得る。データは、インターネットを介して交換され得るとともに、スマートフォン等のユーザ端末を介してユーザによって入力され得る。
【0017】
さらに、前記電力管理システムは、前記期間後の前記受電部の予測条件と前記期間後の前記受電部の実際の条件との差異及び/又は前記受電部の前記要求条件に到達するために必要な予測期間と前記受電部の前記要求条件に到達するために必要な実際の期間との差異を記録及び記憶するように適応される記憶部を更に備えてよく、前記発電部についての前記予測データは、前記記憶部に記憶された前記差異に更に基づいてよい。例えば受電部の要求条件が期間の終了時に到達されていないか又は計算よりも早期に到達された場合、予測データは、予測の正確性を高めるためにこの差異に基づいて未来の計算のために適応され得る。
【0018】
上記に加えて、好ましくは、記憶部は、特定の日付及び時間に相関して差異を記録及び記憶するように更に適応されてよく、その結果、反復パターンにおいて生じる、発電部によって生成される予測電力と発電部によって生成される実際の電力との差異を識別することが可能であり得る。1月及び2月(太陽が北半球で低いとき)のみにおいて、及び例えば同様に特定の時間帯において生じる差異の例では、特に連続した年において検出される場合、住宅又は木のような障害物が、発電部に対する太陽放射を遮断している(ただし、参照発電部に対しては遮断していない)ことが仮定され得る。その場合、この差異は、予測の正確性を改善するために、未来の予測において考慮することができる。
【0019】
本発明の一実施形態では、前記非電力源は、光起電力太陽光発電装置、風力発電機、地熱エネルギー源、流体力学エネルギー源、及びバイオマスエネルギー源のうちの少なくとも1つであってよい。当然ながら、発電部(自家用発電装置)の上記で与えられた例は、必ずしも単一の家庭の発電装置に限定されるわけではなく、複数の家庭に電力を供給する発電装置を更に含んでよい。
【0020】
また、本発明によれば、前記バッテリは、電気自動車又はハイブリッド電気自動車内に、及び/又は前記家庭用のバッテリとして前記発電部の場所に、設置されてよい。
【0021】
例示として、受電部の要求条件は、バッテリの充電状態及び/又は発電部によって生成される電力の電力系統への供給割合であってよい。要求条件の決定と組み合わせて、この要求条件に到達するためのストラテジーが、例えばユーザによって、選択されてよい。そのため、EVのバッテリを14時間以内に90%まで充電することが要求条件である場合、第1の選択可能なストラテジーは、可能な限り速く90% SOCに到達することであってよく、第2の選択可能なストラテジーは、発電部によって生成される電力の最大量を家庭及び/又は電力系統に分配させるために可能な限り遅く90% SOCに到達することであってよく、第3の選択可能なストラテジーは、要求条件に到達するための所定の最小「グリーンパーセンテージ(green percentage)」、すなわち、バッテリを充電しているときの発電部によって生成される電力の最小パーセンテージに基づいて90% SOCに到達することであってよい。期間内に要求条件に到達することができない場合にのみ、この最小パーセンテージを下回ることが許容され得る。
【0022】
別の態様では、本発明は、電力管理システムに関し、当該電力管理システムは、
非電力源から電力を生成するように各々適応されるm個の数量の発電部であって、mは、自然数であり、m≧2であり、
前記m個の発電部のうち、n個の数量が参照発電部であり、nは、自然数であり、n<mである、m個の数量の発電部と、
前記参照発電部のうちの少なくとも1つに各々接続され、かつ前記それぞれの参照発電部からの実際の出力電力を測定するように適応されるn個の電力出力測定部と、
を備え、
前記システムは、前記n個の参照発電部の測定に基づいて前記残りのm-n個の発電部の電力出力を推定するように適応される。
【0023】
見て取ることができるように、同じ発明の範囲内に入る第1の態様に対する代替形態とみなされ得るこの態様は、複数の発電部に関し、これらの発電部のうちの幾つかは、他の(非参照)発電部の電力出力を決定するのに使用される参照発電部である。
【0024】
適用可能である限り、第1の態様に係る電力管理システムに関して説明される全ての特徴、効果及び利点は、この電力管理システムにも適用されてよく、逆もまた然りであることに留意されたい。
【0025】
この点で、システムは、m-n個の発電部の各々の電力出力を推定するように適応されてよい。これにより、電力管理システムの一部である全ての発電部についてのそれぞれの電力出力を決定することが可能になる。
【0026】
更なる態様において、本発明は、配電を管理する方法に関し、当該配電を管理する方法は、
非電力源を使用して発電部から電力が生成される発電段階と、
前記発電段階において生成された前記電力が出力される電力出力段階と、
前記発電段階において生成された前記電力が複数の電力消費部を有する家庭、及び前記家庭とは異なる受電部、及び/又は電力系統に分配される配電段階であって、前記受電部はバッテリである、配電段階と、
前記受電部の要求条件と、前記受電部がその後に前記要求条件を満たす必要がある期間とを決定する条件要求データがユーザから受信される条件要求設定段階と、
前記期間にわたって前記発電段階において生成される前記電力の予測を示す予測データが受信される予測データ入力段階と、
前記条件要求データ及び前記予測データが受信される制御段階と、
を備え、前記制御段階は、前記期間が経過した後に、前記受電部が前記要求条件を満たしているように少なくとも前記配電段階を制御し、
前記予測データは、少なくとも、前記発電段階における所与の最大電力出力、及び、前記期間の前記非電力源が位置する場所の天気予報に基づく。
【0027】
適用可能である場合、本発明に係るシステムに相関して言及される全ての特徴、効果及び利点は、本発明に係る方法にも適用されてよく、逆もまた然りであることは、この時点で既に言及され得る。
【0028】
本発明に係るシステムの上記の詳細な説明に鑑みて、ここで、本発明に係る方法は、受電部の要求条件を達成するのに必要である要求される総電気エネルギーの「グリーンパーセンテージ」(発電部によって生成される電力)を高めることを可能にすると要約される。
【0029】
また、本発明に係る方法では、前記予測データは、電力出力測定段階において測定される参照発電部の実際の電力出力に更に基づいてよく、前記参照発電部は、前記発電部から遠隔している。
【0030】
有利には、前記参照発電部はサーバに接続されてよいとともに、前記参照発電部の前記実際の電力出力を示すデータを、前記参照発電部及び前記発電部から遠隔の前記サーバに送信してよく、前記予測データ入力段階において、前記サーバから予測データが受信されてよく、前記サーバは、前記予測データを、特に、前記参照発電部の最大電力出力と前記発電部の前記最大電力出力との差異、前記参照発電部と前記発電部との異なる方位、前記参照発電部と前記発電部との異なる傾斜、前記参照発電部と前記発電部との異なる天気予報及び/又は異なる実際の天気、及び前記参照発電部と前記発電部との異なる場所のうちの少なくとも1つに関してスケーリングしてよい。そのため、予測データの適応がサーバにおいて実行されてよく、それゆえ、発電部の場所における必要な処理能力が削減される。
【0031】
前記条件要求データは、前記ユーザによって計画される少なくとも1つのイベントに基づいてよく、各イベントは、日付及び時間及び目的地を含み、前記条件要求設定段階の前又はその間、前記発電部の場所から前記目的地までの距離及び前記期間が計算されてよく、前記条件要求データは、前記計算された距離及び期間に基づいてよい。すなわち、方法は、来るべきイベントのパラメータに基づいて要求条件を自動的に決定してよい。例えば、ユーザが、2日後に、かつユーザの自宅から100km離れた場所において予定されているアポイントメントを、例えば自身の携帯電話のカレンダーに入力していた場合、要求条件は、ユーザのEVが少なくともその距離(及び復路の距離)を走行することができるように設定されてよい。当然ながら、方法は、ユーザの自宅から目的地までの走行時間も考慮し、要求条件がその後には満たされていなければならない期間の終了を、ユーザが自身の自宅を出発しなければならない時点に設定してよい(適用可能であれば、ユーザがより早期の始動を計画する場合、幾らかの余分な時間を含む)。
【0032】
前記方法は、前記期間を提案された延長済み期間に延長することが前記ユーザに提案される提案段階を更に備えてよく、前記提案された延長済み期間の後には、前記受電部は、前記要求条件を満たすために前記非電力源を使用して前記発電部から生成される前記電力の寄与度が高められ得るように、前記要求条件を満たさなければならない。一例として、ユーザは、出発時刻を翌日午前8:00に設定しており、要求される最小SOCは65%に設定され、本発明に係るシステム又は方法は、ユーザに、例えばユーザの携帯電話を介して、実際の予測データに基づいてこの要求条件に到達するための発電部によって生成される電力のパーセンテージ(「グリーンパーセンテージ」)は85%になることを示してよい。その場合、本発明に係るシステム又は方法は、ユーザに、ユーザが出発時刻を例えば午前10:00にずらせば「グリーンパーセンテージ」は100%に高められ得ることを示してよい。したがって、ユーザは、フィードバックと、発電部の使用を最適化し、かつ全体電力コストを削減する可能性とを得る。
【0033】
ユーザにとっての全体電力コストの最適化は、最大化すべき以下の目標関数によって表され得る。
【数1】
ここで、
【数2】
である。
【0034】
ここで、EVのバッテリを充電するために必要な電力/エネルギーを示すパラメータ
【数3】
の計算は、EVの予測利用可能性及びバッテリの予測SOCに従って行われる。EV接続時間についてのユーザ入力(又は予想)に基づいて、最大及び最小SOCは、タイムスタンプごとに計算される。それゆえ、最適化モデルは、タイムスタンプごとに、EVを充電するための電気の最適量を選択する。これの次に、家庭消費量も考慮され、家庭消費量は、PVシステムの潜在的余剰電気の計算において反映される。この計算の重要な因子は、太陽放射に基づいてPV電気を計算するための因子であるPower
Factorである。これは、システム効率に加えて、PVパネルの方位及び傾斜を含む。パラメータ
【数4】
及び、
【数5】
は、期間tにわたる、それぞれ、EVを充電するために発電部から生成される電力の量、及び家庭に供給するために発電部から生成される電力の量を示している。パラメータ
【数6】
及び、
【数7】
は、期間tにわたる、それぞれ、EVを充電するために電力供給家から取得/購入しなければならない電力の量、及び家庭に供給するために電力供給家から取得/購入しなければならない電力の量を示している。パラメータ
【数8】
は、電力会社の電力系統に供給され得る、発電部から生成される電力の量を示している。このパラメータは、ユーザが系統に電力を供給する売り上げを計算するために、金銭的インセンティブprice
feed_inを乗算される。これに相応して、パラメータprice
power_purchaseは、電力供給家から電力を購入するための価格を示している。
【0035】
ここで、上記説明は、ユーザの自宅のみではなく、職場等にも適用可能であり得、当該職場等においてユーザのEVが当該職場に設置された発電装置を介して充電され得ることが付け加えられる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明は、添付の図面を参照して以下でより詳細に説明される。
【
図1】EVの最適化された充電のためのスケジューリングプロセスを示す図である。
【
図2】パラメータPower
Factorの調整に関するワークフローを示す図である。
【
図3】家庭消費量の予測に関するワークフローを示す図である。
【
図4a】EVの最適化された充電のための最適化モデルの一例を示す図である。
【
図4b】EVの最適化された充電のための最適化モデルの一例を示す図である。
【
図4c】EVの最適化された充電のための最適化モデルの一例を示す図である。
【
図4d】EVの最適化された充電のための最適化モデルの一例を示す図である。
【
図5】太陽放射とPVパネルの傾き角との間の関係を示す、異なる地理的方位についての異なる曲線を含むグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、発電部として太陽光発電装置PVを使用するEV充電の最適化されたスケジューリングのためのスケジューリングプロセスを示している。
【0038】
図1のスケジューリングプロセスは、段階S10において開始し、この段階において、太陽放射の予想がインポートされる。さらに、段階S10において、ユーザの入力によって、及び/又は本発明に係るシステム/方法の自動予測によって、EVの充電の利用可能性が更新される。加えて、このパラメータが同様に考慮される場合、電力供給家に対して電力を販売/購入するための電気価格が、更なる入力データとして更新されてよい。
【0039】
次に、プロセスは、段階S12において、事前設定された期間、例えば72時間~96時間についての最適化モデルについての入力データの時系列を計算する。時系列は、予測PV発電量、すなわち発電部によって生成される電力の量、家庭の予測消費量(
図3を参照)、及びEVについての最小及び/又は最大SOCについて、生成される。
【0040】
次に、プロセスは、段階S14に進み、この段階において、発電部によって生成される電力が、家庭、EV及び/又は電力系統のいずれに分配されるのか、又は電力供給家から取得/購入されなければならない電力の量、に基づいて、最適化されたEV充電のタイムテーブルが計算される。
【0041】
図2は、太陽放射に基づいて発電部(PV)によって生成される電力の量を示すパラメータPower
Factorを調整するワークフローを示している。入力データD10及びD12として、参照発電部において生成される電力の実際の量及び発電部によって生成される電力の量の予測を示す予測データが、
図2のワークフローの段階S16に入力される。次に、段階S16において、異なる実際の天気、異なる天気予報、発電性能(最大電力出力、傾斜、方位等)に関する参照発電部及び発電部の異なる特性等のような、両方の部の間の偏差(又は差異)が考慮される。
【0042】
段階S16における参照発電部と発電部との間の偏差の評価の後、段階S18において、パラメータPowerFactorは再計算され、本発明に係る重ね合わせ方法に出力される。
【0043】
図3において、発電部に接続される家庭の消費量を予測するワークフローが示されている。入力データD14及びD16として、参照発電部に接続される家庭(参照家庭ともみなされ得る)の消費量に関する実際のデータ及び発電部に接続される家庭の電力の消費量の予測データが、段階S20に入力される。この段階S20において、
図2のワークフローの段階S16と同様に、参照家庭と家庭との間の偏差が評価される。
【0044】
次に、段階S22において、評価された偏差に基づいて参照家庭に対してスケーリングされる家庭消費量の予測について、(発電部に接続された家庭に居住している)ユーザが過去の期間、例えば過去1年の間に家庭の消費量データを更新したか否かが考慮されてよい。更新された消費量データに基づいて、参照家庭の消費量と家庭の消費量との間のスケーリングは、より正確になり得る。
【0045】
次に、段階S24において、ユーザの家庭の仮定負荷プロファイルが再計算され、重ね合わせ方法又はワークフローに出力される。
【0046】
図4a~
図4dにおいて、最適化モデルの一例が示されている。
図4a及び
図4bは、発電部によって生成される電力の量の予想(
図4aにおける曲線10)及び家庭の電力の消費量の予想(
図4aにおける曲線12)の入力データについての時系列を示している。電力は、Y軸上に[kW]単位で示され、X軸は、時間、ここでは一例として土曜日及び日曜日といった曜日の時間を示している。
【0047】
図4bは、EVを運転することによるバッテリ放電の予想を示しており、
図4bにおいて、Y軸は[km]単位の運転距離を表しており、X軸は、ここでも土曜日及び日曜日といった曜日を表している。
【0048】
ここで、上記入力データに基づいて、かつ、EVの充電の利用可能性予想に従って、最小SOCの場合のストラテジー(
図4cにおける曲線14)及び最大SOCの場合のストラテジー(
図4cにおける曲線16)が、
図4cにおける曲線18によって示される最適化されたSOC充電ストラテジーの最適化モデルの入力として示されている。
【0049】
ここで、Y軸はEVのバッテリのSOCを表しており、X軸は
図4a及び
図4bと同じである。
【0050】
結果として、
図4dは、最適SOCの出力及び
図4dにおけるエリア20によって示される、相応して導出された充電時間を有する最適化モデルの解を示している。
図4aと同様に、Y軸は[kW]単位の電力の量を表しており、X軸は土曜日及び日曜日といった例示的な曜日を表している。
【0051】
図5は、パネルによって受光される%単位のPV生成量と、相応するPVパネルの(地面に対する)傾斜角との間の関係を示している、異なる地理的方位についての異なる曲線を含むグラフを示している。すなわち、これは線のタイプによっても示されているように、
図5において示されている曲線C1は南に方位付けられるPVパネルを表し、曲線C2は南西又は南東に方位付けられるPVパネルを表し、曲線C3は西又は東に方位付けられるPVパネルを表し、曲線C4は北西又は北東に方位付けられるPVパネルを表し、曲線C5は、北に方位付けられるPVパネルを表す。明らかに、
図5のグラフは、地球の北半球、特にドイツの場所の場合に有効であってよく、これはなぜならば、南に方位付けられた太陽パネルについての曲線C1が最も高い受光される太陽放射を示しているためである。また、曲線C1は、約30度~40度の傾斜において、その範囲超又は未満の範囲の傾斜におけるよりも高い受光される太陽放射を示している。曲線C5に関して、受光される太陽放射は、太陽パネルをより大きく傾けると一層減少する。しかし、それぞれのグラフは、PVパネルシステムの具体的な場所ごとに作成されてよい。
【0052】
上で説明されたグラフは、十分に一致した参照地点及びターゲット地点を有するために複数の参照地点を使用することが有益であり得ることを示している。グラフは、ターゲット住宅と参照地点との間の差異を(例えば、PV方位、天気条件、総太陽放射、パネルタイプ、PVの面積、PV電池効率等を使用することによって)補償するのに使用されてもよく、それにより、ターゲット住宅におけるPV発電の量を参照地点における測定値からより正確に予測することができる。換言すれば、
図5のグラフは、太陽放射の総量(0度)から変化量を変換するのに使用されてよい。PVの面積は、総設置面積に基づく比例換算を提供するのに使用されてよい。太陽電池効率は、太陽パネルの定格効率に基づく比例換算を提供するのに使用されてよい。さらに、総太陽放射について、付近の太陽放射計の値が使用されてよい。ターゲット住宅と参照地点との間の距離が短い場合、換算は要求されないことがある。
【0053】
ターゲット住宅の発電は、以下の式を使用して決定されてよい。
PV生成量=総太陽放射[Wh/m2]×面積[m2]×(傾き角/方位変換)×太陽電池効率(太陽電池のタイプ及び性能)。
【0054】
上記式を説明するために、ターゲット住宅(発電部PV)のPV発電を計算すべく、その太陽電池効率及びその面積によって定義される、ターゲット住宅に設置された特定の太陽パネルは、それに傾き角/方位変換を乗算することによって参照地点に設置されたPVシステムにスケーリングされ、その後、利用可能な総太陽放射を乗算される。
【外国語明細書】