(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177818
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】標的組織に応力信号を適用することによるIREアブレーション処置の効率の改善
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20221124BHJP
A61B 18/18 20060101ALI20221124BHJP
A61N 7/00 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B18/18
A61B18/18 100
A61N7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022080708
(22)【出願日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】17/323,112
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ34
4C160KK03
4C160KK12
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】IREアブレーションの効率を改善するためのシステムを提供すること。
【解決手段】システムは、第1の回路及び第2の回路と、1つ以上の装置と、を含む。第1の回路は、器官の組織のインピーダンスを低減するための応力信号を生成するように構成されている。第2の回路は、組織内に損傷を生成するための不可逆電気穿孔法(IRE)信号を生成するように構成されている。1つ以上の装置は、第1の時間間隔で応力信号を、また第1の時間間隔の後に、第2の時間間隔でIRE信号を組織に適用するように、構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IREアブレーションの効率を改善するためのシステムであって、
器官の組織のインピーダンスを低減するための応力信号を生成するように構成されている、第1の回路と、
前記組織内に損傷を生成するための不可逆電気穿孔(IRE)信号を生成するように構成されている、第2の回路と、
第1の時間間隔で前記応力信号を、また前記第1の時間間隔に続いて、第2の時間間隔で前記IRE信号を前記組織に適用するように構成されている1つ以上の装置と、を備える、システム。
【請求項2】
前記1つ以上の装置が、前記器官に挿入されたカテーテルに連結され、かつ前記カテーテルから前記応力信号及び前記IRE信号を適用するように構成されている1つ以上の電極を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上の装置が、前記器官に挿入された第1のカテーテルに連結され、前記応力信号を適用するように構成されている1つ以上の第1の電極と、前記器官に挿入された第2のカテーテルに連結され、前記IRE信号を適用するように構成されている1つ以上の第2の電極と、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記器官が心臓を含み、前記応力信号が、10ワットよりも大きい電力を有する高周波(RF)パルスを含み、前記第1の時間間隔が、0.1秒~1秒である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の回路及び前記第2の回路が、(i)10ワットよりも大きい電力を有し、かつ0.1秒~1秒の前記第1の時間間隔を有する高周波(RF)パルスを含む第1のパルスにおける前記応力信号と、(ii)前記第1のパルスとは異なる第2のパルスにおける前記IRE信号と、を生成するように構成されている共通パルス発生器を備え、前記共通パルス発生器を制御して、前記第1のパルスを適用した後30秒未満内に前記第2のパルスを適用するように構成されているプロセッサを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の回路が、超音波発生器を備え、前記応力信号が、前記超音波発生器によって生成された超音波信号を含み、前記1つ以上の装置のうちの少なくとも1つが、前記超音波信号を前記組織に適用するように構成された超音波変換器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の回路が光源を備え、前記応力信号が、前記光源によって生成された光ビームを含み、前記1つ以上の装置のうちの少なくとも1つが、前記光ビームを前記組織に適用するように構成された光学素子を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記光源がレーザを含み、前記光ビームがレーザビームを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の回路が、マイクロ波発生器を備え、前記応力信号が、前記マイクロ波発生器によって生成されたマイクロ波信号を含み、前記1つ以上の装置のうちの少なくとも1つが、前記マイクロ波信号を前記組織に適用するように構成されたマイクロ波アンテナを備える、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、医療用装置に関し、具体的には、不可逆電気穿孔法(IRE)アブレーション処置の効率を改善するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
不可逆電気穿孔法(IRE)処置及びその他の種類の細胞殺滅処置を実行するための種々の技術が、公開されている。
【0003】
例えば、米国特許出願公開第2020/0316376号は、アプリケータと、内視鏡と、トロカールなどと、発生器と、ドラッグ・デリバリー用品と、を含み得る、電気穿孔法のためのシステム、方法、及び機器について説明している。アプリケータは、制御部分と、制御部分に接続された挿入チューブと、制御部分と係合されたアクチュエータと、第1の先端部を有する第1の電極及び第2の先端部を有する第2の電極を備える複数の電極と、を含んでもよい。複数の電極は、アクチュエータによる作動に応答して、格納位置と展開位置との間で移動するように構成されてもよい。
【0004】
米国特許出願公開第2012/0085649号は、誘電泳動を実施するための装置及び方法について説明している。装置は、電極を受容する電極チャネルからの物理的障壁によって分離された試料チャネルを含む。装置及び方法は、特定の種類の細胞の分離及び単離を含む、溶液中の粒子の分離及び分析に使用されてもよい。電極が試料と接触しないため、電極汚損が回避され、試料の完全性がより良好に維持される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載された本発明の一実施形態は、第1の回路及び第2の回路と、1つ以上の装置と、を含むシステムを提供する。第1の回路は、器官の組織のインピーダンスを低減するための応力信号を生成するように構成されている。第2の回路は、組織内に損傷を生成するための不可逆電気穿孔(IRE)信号を生成するように構成されている。1つ以上の装置は、第1の時間間隔で応力信号を、また第1の時間間隔に続いて、第2の時間間隔でIRE信号を組織に適用するように、構成されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、1つ以上の装置は、器官に挿入されたカテーテルに連結され、かつカテーテルから応力信号及びIRE信号を適用するように構成されている1つ以上の電極を含む。その他の実施形態では、1つ以上の装置は、器官に挿入された第1のカテーテルに連結され、応力信号を適用するように構成されている1つ以上の第1の電極と、器官に挿入された第2のカテーテルに連結され、IRE信号を適用するように構成されている1つ以上の第2の電極と、を含む。更にその他の実施形態では、器官は心臓を含み、応力信号は、10ワットよりも大きい電力を有する高周波(RF)パルスを含み、第1の時間間隔は、0.1秒~1秒である。
【0007】
一実施形態では、第1の回路及び第2の回路は、(i)10ワットよりも大きい電力を有し、かつ0.1秒~1秒の第1の時間間隔を有する高周波(RF)パルスを含む第1のパルスにおける応力信号と、(ii)第1のパルスとは異なる第2のパルスにおけるIRE信号と、を生成するように構成されている共通パルス発生器を含むが、これは、共通パルス発生器を制御して、第1のパルスを適用した後30秒未満内に第2のパルスを適用するように構成されているプロセッサを含む。別の実施形態では、第1の回路は、超音波発生器を含み、応力信号は、超音波発生器によって生成された超音波信号を含み、1つ以上の装置のうちの少なくとも1つは、超音波信号を組織に適用するように構成された超音波変換器を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の回路は光源を備え、応力信号は、光源によって生成された光ビームを含み、1つ以上の装置のうちの少なくとも1つは、光ビームを組織に適用するように構成された光学素子を含む。その他の実施形態では、光源はレーザを含み、光ビームはレーザビームを含む。更にその他の実施形態では、第1の回路はマイクロ波発生器を含み、応力信号は、マイクロ波発生器によって生成されたマイクロ波信号を含み、1つ以上の装置のうちの少なくとも1つは、マイクロ波信号を組織に適用するように構成されたマイクロ波アンテナを含む。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、器官の組織のインピーダンスを低減するための応力信号を生成することを含む方法が、更に提供される。(i)第1の時間間隔での応力信号、及び(ii)第1の時間間隔に続く第2の時間間隔でのIRE信号を、組織に適用するために、1つ以上の装置が器官に挿入される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明は、以下の「発明を実施するための形態」を図面と併せて考慮することで、より完全に理解されよう。
【
図1】本発明の代表的な一実施形態による、カテーテル系の位置追跡及び不可逆電気穿孔法(IRE)アブレーションシステムの概略的な描写図である。
【
図2】本発明の代表的な実施形態による、IREアブレーション信号の前に応力信号を適用することによってIREアブレーション処置の効率を改善するための方法を概略的に示す、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
概論
本明細書ではIREアブレーションとも称される不可逆電気穿孔法(IRE)は、例えば、高電圧適用パルスを使用して組織細胞をアブレーションすることによって不整脈を治療するために使用されてもよい。細胞破壊は、膜内外電位差が閾値を超えて細胞死及び損傷の形成をもたらす場合に生じる。
【0012】
IREアブレーションの需要は急速に増えている。このようなアブレーション処置は、しかしながら、典型的には、電気生理学を専門とする医師によってのみ実行され得るが、手術室などの供給不足である資源を消費してしまう。したがって、このような処置の効率を改善することが有利である。
【0013】
以下に記載される本発明の代表的な実施形態は、アブレーション処置の効率を改善するための技術、より具体的には、IREアブレーションの効率を改善するための技術を提供する。
【0014】
原則として、IREアブレーションの持続時間は、問題の組織に適用される電力(例えば、電圧)を増加させることによって、低減され得る。しかしながら、過剰な電圧を適用することは、患者の安全性に対して危険であり得、典型的には高価な機器(例えば、高電力IREパルス発生器)を必要とする場合がある。
【0015】
いくつかの実施形態では、IREアブレーションの効率を改善するためのシステムは、1つ以上のIREアブレーション信号を後で受信することを意図して、組織のインピーダンスを低減するための応力信号を生成するように構成されている第1の回路を備える。システムは、組織内に損傷を生成するためのIREアブレーション信号を生成するように構成されている第2の回路を備える。本開示及び特許請求の範囲の文脈において、用語「IRE信号」及び「IREアブレーション信号」は同じ意味で使用され、不整脈又は別の医学的疾患を治療するために、問題の組織(例えば、心臓組織又は任意のその他の好適な器官の組織)に適用される不可逆電気穿孔信号を意味する。
【0016】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の時間間隔での応力信号と、第1の時間間隔に続く第2の時間間隔でのIRE信号とを問題の組織に適用するように構成されている、1つ以上の装置を備える。問題の組織に適用される所与のIRE信号(例えば、電圧パルス)について、(IRE信号を適用する前に)組織インピーダンスを低減することは、組織を通過する電流を増加させ、細胞膜に対する電圧を増加させて、その結果、IRE信号を適用することによって形成される損傷の寸法を拡大させることに留意されたい。
【0017】
本開示及び特許請求の範囲の文脈において、用語「アブレーションされることが意図された組織」、「IRE信号を受信することを意図した組織」、及び「問題の組織」は同じ意味で使用され、患者の器官(例えば、患者の心臓)における不整脈を治療するために、死滅させて損傷へと形質転換されるように標的化される組織の細胞を意味する。
【0018】
いくつかの実施形態では、1つ以上の装置は、患者の心臓に挿入されたカテーテルに連結され、かつカテーテルから応力信号及びIRE信号を適用するように構成されている1つ以上の電極を備える。
【0019】
その他の実施形態では、1つ以上の装置は、心臓に挿入された第1のカテーテルに連結され、応力信号を適用するように構成されている1つ以上の第1の電極と、心臓に挿入された第2の異なるカテーテルに連結され、IRE信号を適用するように構成されている1つ以上の第2の電極と、を備える。
【0020】
いくつかの実施形態では、応力信号は、高周波電圧パルス、例えば、約10ワットよりも大きい電力を有するパルスを含んでもよく、第1の時間間隔の持続時間は、約0.1秒~約1秒である。本開示及び特許請求の範囲の文脈において、任意の数値又は数値の範囲に関する用語「約」又は「およそ」とは、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書に記載されたその意図された目的に沿って機能することを可能とする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。
【0021】
その他の実施形態では、システムは、任意のその他の好適な種類のエネルギー源を使用して応力信号を生成するように構成された別の種類の機器又は回路を含んでもよく、1つ以上の装置は、問題の組織に応力信号を適用するように構成されている。例えば、応力信号を生成するように構成されている回路は、超音波発生器、又はレーザ源、又はマイクロ波発生器、又は任意のその他の好適な種類の回路を備えてもよい。このような例では、応力信号は、それぞれ、超音波発生器、レーザ源、及びマイクロ波発生器によって生成される、超音波信号、又はレーザビーム、又はマイクロ波信号を含んでもよい。更に、前述の1つ以上の装置は、それぞれ、患者の心臓に挿入されたカテーテルに連結され、かつそれぞれの応力信号を問題の組織に適用するように構成されている、1つ以上の超音波変換器、又は光学素子、又はマイクロ波アンテナを備えてもよい。
【0022】
アブレーション効率を改善し、損傷の必要な寸法を生成するために問題の組織に適用される必要のある電力量を低減することによって、開示された技術は、患者の安全性を改善し、不可逆電気穿孔法処置のコストを低減し、またその他の種類のアブレーション処置を改善する。
【0023】
システムの説明
図1は、本発明の代表的な実施形態による、カテーテル系の位置追跡及び不可逆電気穿孔法(IRE)アブレーションシステム20の概略的な描写図である。
【0024】
ここで、挿入
図25を参照する。いくつかの実施形態では、システム20は、複数の電極50を備える偏向可能な先端区分40を有するカテーテル21のシャフト22の遠位端部22aに装着された、偏向可能な先端区分40を備える。
【0025】
本明細書に記載された実施形態では、電極50は、心臓26の組織にIRE信号を適用するように構成されているが、本実施例では、心臓26の左心房におけるIREアブレーション処置を実行して、それによって、心臓26における肺静脈(PV)の心門51のIREアブレーションなどを実行するように構成されている。いくつかの実施形態では、電極50のうちの1つ以上は、心臓26内の心臓内(IC)心電図(ECG)信号を検知するように更に構成されている。本明細書にて開示された技術は、変更すべき点を変更して、心臓26のその他の部分(例えば、心房又は心室)及び患者28のその他の器官に適用可能であることに留意されたい。
【0026】
再度
図1の全体図を参照する。いくつかの実施形態では、カテーテル21の近位端部は、焼灼電力源を備える制御コンソール24(簡潔にするために、本明細書ではコンソール24とも称される)に接続されるが、本実施例では、ピーク電力を数十キロワット(kWs)の範囲で送達するように構成されているIREパルス発生器(IPG)45に接続される。コンソール24は、IPG45によって適用された電力を1つ以上の選択された対の電極50に切り替えるように構成されているスイッチングボックス46を備える。順序付けられたIREアブレーションプロトコルが、コンソール24のメモリ48に記憶されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、IPG45は、1つ以上のIRE信号(複数可)を生成するように構成されているが、これは、コンソール24のメモリに記憶された単極IREアブレーション又は双極IREアブレーションのプロトコルに定義され、かつ、例えば以下に記載されるようにプロセッサ41によって制御される、本明細書ではIREパルス列とも称されるIREパルスのシーケンスの任意の好適な組み合わせを含んでもよい。IREパルス列のプロトコルを、問題の組織に生成及び適用するための方法及びシステムは、例えば、米国特許出願第17/234,625号及び同第16/993,092号に詳細に記述されており、その開示は全て参照により本明細書に組み込まれている。
【0028】
いくつかの実施形態では、医師30は、シース23を介してシャフト22の遠位端部22aを、台29に横たわる患者28の心臓26に挿入する。医師30は、カテーテル21の近位端部の近くに位置するマニピュレータ32を使用してシャフト22を操作することによって、シャフト22の遠位端部22aを心臓26内の標的位置に誘導する。遠位端部22aの挿入中、偏向可能な先端区分40は、シース23によって直線型構成に維持されている。直線型構成に先端区分40を収容することによって、シース23はまた、医師30が、患者28の脈管構造を介して心臓26内のアブレーション部位などの標的位置へとカテーテル21を移動させる場合に、血管外傷を最小限に抑える役割を果たす。
【0029】
いくつかの実施形態では、シャフト22の遠位端部22aがアブレーション部位に到達すると、医師30はシース23を後退させて、先端区分40を偏向させ、更にシャフト22を操作して、先端区分40上に配設された電極50をアブレーション部位の心門51と接触させるように位置付ける。本実施例では、アブレーション部位は、心臓26の1つ以上のPVを含むが、その他の実施形態では、医師30は、任意のその他の好適なアブレーション部位を選択してもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、電極50は、シャフト22を通るワイヤによってプロセッサ41に接続されているが、これは、コンソール24のインターフェース回路44を使用して、スイッチングボックス46などのシステム20のいくつかの構成要素を制御するように構成されている。
【0031】
挿入
図25に更に示されるように、遠位端部22aは位置追跡システムの位置センサ39を備えるが、これは、例えば、先端区分40において遠位端部22aに連結される。本実施例では、位置センサ39は磁気位置センサを備えるが、その他の実施形態では、任意のその他の好適な種類の位置センサ(例えば、磁気系以外のもの)が使用されてもよい。心臓26内の遠位端部22aの誘導の間、プロセッサ41は、例えば、心臓26内の先端区分40の位置を測定し、所望により、心臓26の画像に重なった追跡位置をコンソール24のディスプレイ27上に表示する目的で、外部磁場発生器36からの磁場に応答して磁気位置センサ39から信号を受信する。磁場発生器36は、例えば、テーブル29の下など、患者28の外部の周知の位置に位置付けられる。コンソール24はまた、磁場発生器36を駆動するように構成されたドライバ回路34を備える。
【0032】
外部磁場を使用した位置検知方法は、種々の医療用途において、例えば、Biosense Webster Inc.(Irvine,Calif.)によって製造されるCARTO(登録商標)システムにおいて実施され、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同第6,332,089に、国際公開第96/05768号に、また米国特許公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号、及び同第2004/0068178(A1)号に詳細に記載されており、その開示は全て参照により本明細書に組み込まれている。
【0033】
典型的には、コンソール24のプロセッサ41は、汎用コンピュータの汎用プロセッサを備え、カテーテル21からの信号を受信するとともに、心臓26の左心房内でカテーテル21を介してアブレーションエネルギーを適用し、またシステム20のその他の構成要素を制御するための、好適なフロントエンド及びインターフェース回路44を有する。プロセッサ41は、典型的には、本明細書に記載された機能を実行するようにプログラムされた、システム20のメモリ48内のソフトウェアを備える。ソフトウェアは、例えばネットワーク上で、コンピュータに電子形態でダウンロードされてもよい、あるいは代替的に又は追加的に、磁気メモリ、光学メモリ、若しくは電子メモリなどの、非一時的実体的媒体上に提供及び/又は記憶されてもよい。
【0034】
心臓の難治期中に、不可逆電気穿孔法アブレーションを実施する。
パルスフィールドアブレーション(PFA)とも称される不可逆電気穿孔法(IRE)は、高電圧パルスを組織に適用することによってアブレーション部位で組織細胞を死滅させるための低侵襲性治療様式として、使用されてもよい。本実施例では、心臓26内の心不整脈を治療する目的で、心筋組織細胞を死滅させるためにIREパルスを使用してもよい。細胞破壊は、膜内外電位差が閾値を超えて細胞死をもたらし、したがって、組織損傷の発達をもたらす場合に生じる。したがって、特に興味深いのは、高電圧双極電気パルスの使用、例えば、アブレーション部位の組織と接触している一対の電極50を使用して、電極間に位置する組織細胞を死滅させるために、(例えば、特定の閾値を超える)高電界を発生させることである。
【0035】
本開示の文脈において、「双極」電圧パルスとは、カテーテル21の2つの電極50間に適用される電圧パルスを意味する。双極電圧パルスは、例えば、カテーテル上に配置されていないいくつかの共通接地電極に対するカテーテル電極によって、例えば、高周波(RF)アブレーション中に適用される単極パルスとは異なる。
【0036】
IREアブレーションの需要は急速に増えている。このようなアブレーション処置は、しかしながら、典型的には、電気生理学を専門とする医師によってのみ実行され得るが、手術室などの供給不足である資源を消費してしまう。したがって、このような処置のサイクル時間を短縮することが有利である。原則として、IREアブレーションの持続時間は、問題の組織に適用される電力(例えば、電圧)を増加させることによって、低減され得る。しかしながら、過剰な電力を適用することは、患者の安全性に対して危険であり得、典型的には高価な機器(例えば、高電力IREパルス発生器)を必要とする場合がある。
【0037】
いくつかの実施形態では、システム20は、1つ以上のIREアブレーション信号を後で受信することを意図して、組織のインピーダンスを低減するための応力信号を生成するように構成されている回路を備える。本実施例では、回路は、IPG45を備えてもよいが、これは、約10ワットよりも大きい電力を有するRFパルスを含む1つ以上の応力信号を適用するように更に構成されている。より具体的には、IPG45は、約0.1秒~1秒の持続時間(例えば、約0.5秒)の間、約90ワットの電力を有するRFパルスを適用するように構成されている。応力信号のRFパルスを適用する持続時間は、本明細書では第1の時間間隔とも称される。
【0038】
いくつかの実施形態では、IREアブレーション信号を適用する前に、第1の時間間隔中に適用される応力信号は、問題の組織のインピーダンスを低減させる。したがって、問題の組織に適用される所与のIRE信号(例えば、電圧パルス)について、(IRE信号を適用する前に)組織インピーダンスを低減することは、組織を通過する電流を増加させ、細胞膜に対する電圧を増加させて、その結果、IRE信号を適用することによって形成される損傷の寸法を拡大させる。言い換えれば、既に応力信号を受信した組織にIRE信号を適用することにより、典型的には、IRE信号を先行する応力信号なしで適用することと比較して、組織に形成されたより大きな(例えば、より深い及び/又はより広い)損傷をもたらす。あるいは、所与の深さを有する損傷を得るために、医師30はシステム20を制御して、(i)所与の電圧超過時間のIRE信号を、事前に応力信号を受信していない組織に適用するか、又は(ii)前述の応力信号を既に受信した組織に、IRE信号のより低い電力(例えば、より低い電圧及び/又はより短い持続時間)を適用する。
【0039】
応力信号が適用される実施形態では、プロセッサ41は、同じ電圧を有し、かつ第1の時間間隔の間応力信号を受信していない組織に適用されるIRE信号の持続時間と比較して、より短い持続時間の間、既に応力信号を受信している組織に対して所与のIRE電圧を適用するように構成されている。言い換えれば、問題の組織に応力信号を適用することにより、その後同じ組織に適用されるIRE信号の効率が改善される。問題の組織に適用されるIRE信号の効率を改善するために、応力信号を適用した後に数秒~約30秒間、IRE信号を適用することが重要であることに、留意されたい。言い換えれば、応力信号とIRE信号との間の遅延が短いほど、IRE信号の効率が高まる。このような実施形態では、プロセッサ41は、IPG45を制御して、(i)第1の時間間隔で応力信号を適用し、(ii)第1の時間間隔で応力信号を適用した後、約30秒未満内で、第2の時間間隔でIRE信号を適用するように、構成されている。
【0040】
例えば、第1の時間間隔で、約0.5秒の持続時間で約90ワットのRF応力信号を受信した心臓組織において、約0.25秒の後続の第2の時間間隔にて、約10mmの電極間距離を有する電極間で約2000ボルトの電圧を有するIRE信号を適用することによって、約5mmの寸法を有する損傷が形成されてもよい。事前に応力信号を受信しなかった同様の心臓組織は、同じ2000ボルトで約10mmの電極間距離を有するIRE信号で処理されるが、約3.5mmの損傷寸法を有するより小さい損傷を得るように、約0.25秒間、組織に適用される。換言すれば、同じ条件のIRE信号を適用する前に、約30秒未満で応力信号を組織に適用する場合には、損傷の寸法が約1.4倍(たとえば、約3.5mm~約5mm)増加する。
【0041】
いくつかの実施形態では、プロセッサ41は、それぞれ、第1の時間間隔と第2の時間間隔の間、電極50の同じセットを使用して、応力信号とIRE信号の両方を心臓組織に適用するように構成されている。
【0042】
その他の実施形態では、プロセッサ41は、電極50の第1のサブセットに応力信号を適用し、カテーテル21の電極50の第2の異なるサブセットにIRE信号を適用するように構成されている。追加的に又は代替的に、カテーテル21は、本明細書では第1の種類の電極及び第2の種類の電極とも称される、2つ以上の種類の電極を含んでもよい。本代表的な実施形態では、第1の種類の電極(複数可)は、応力信号を適用するために使用されてもよく、第2の種類の電極(複数可)は、IRE信号を適用するために使用されてもよい。
【0043】
更にその他の実施形態では、システム20は、心臓26に挿入される追加のカテーテル(図示せず)を備えてもよく、IREアブレーション信号を受信することを意図した組織と接触して配置される。追加のカテーテルは、応力信号及び/又はIRE信号を問題の組織に適用するように構成された1つ以上の所与の電極(図示せず)を有する。このような実施形態では、プロセッサ41は、応力信号を所与の電極に適用し、IRE信号を電極50に適用するように構成されている。あるいは、プロセッサ41は、電極50に応力信号を適用してもよく、所与の電極にIRE信号を適用してもよい。
【0044】
その他の実施形態では、システム20は、1つ以上の表面電極38を含んでもよく、これは、患者28の皮膚に連結されて、ケーブル37を通るワイヤによって、患者28の腰部及び肩部に取り付けられる。このような実施形態では、応力信号は、例えば、1つの表面電極38と上記の所与の電極のうちの1つとの間で、電圧を印加することによって、組織に適用される。
【0045】
代替実施形態では、システム20は、任意のその他の種類のエネルギー源を使用して応力信号を生成するように構成された別の種類の機器又は回路、及び心臓26に挿入されたカテーテルに連結されており、問題の組織に別の種類の応力信号を適用するように構成されている(電極50以外の)1つ以上の装置を備えてもよい。例えば、応力信号を生成するように構成された回路は、超音波発生器(図示せず)を含んでもよい。本実施例では、応力信号は、超音波発生器によって生成される超音波信号を含んでもよい。更に、前述の装置は、1つ以上の超音波変換器を備えてもよいが、これは、心臓26に挿入されたカテーテルに連結されており、かつ問題の組織に超音波信号を適用するように構成されている。
【0046】
その他の実施形態では、応力信号を生成するように構成されている回路は、任意の好適な種類の光源(図示せず)、例えば、レーザ源を含んでもよい。このような実施形態では、応力信号は、レーザ光源によって生成されるレーザビームなどの光ビームを含んでもよい。このような実施形態では、1つ以上の装置のうちの少なくとも1つは、心臓26に挿入されたカテーテルに連結された光学素子を含んでもよく、レーザビームを問題の組織に適用するように構成されている。
【0047】
更にその他の実施形態では、応力信号を生成するように構成されている回路は、任意の好適な種類のマイクロ波発生器(図示せず)を含んでもよい。このような実施形態では、応力信号は、マイクロ波発生器によって生成されるマイクロ波信号を含んでもよく、1つ以上の装置のうちの少なくとも1つは少なくともマイクロ波アンテナを含むが、これは、心臓26に挿入されたカテーテルに連結され、かつマイクロ波信号を問題の組織に適用するように構成されている。
【0048】
いくつかの実施形態では、表面電極38は、心臓26の拍動に応答して身体表面(BS)ECG信号を検知するように構成されている。BS ECG信号の取得は、身体表面又は任意のその他の好適な技術に取り付けられた導電パッドを使用して実行されてもよいが、取得されたBS ECG信号は、問題の組織に適用されるIREアブレーション信号を決定するために使用されてもよい。
【0049】
IREアブレーション信号の前に、標的組織に応力信号に適用することによって、IREアブレーション処置を改善する。
図2は、本発明の一実施形態による、IREアブレーション信号の前に心臓26の組織に応力信号を適用することによってIREアブレーション処置の効率を改善するための方法を概略的に示す、フローチャートである。
【0050】
本方法は、先端区分40に連結された1つ以上の装置を有するカテーテル21などの1つ以上のカテーテルを患者の心臓26に挿入することによる、カテーテル挿入工程100で開始される。本実施例では、1つ以上の装置は、上記の
図1に示す電極50を備える。その他の実施形態では、装置のうちの少なくとも1つは、先端区分40に連結された別の種類の電極を含んでもよい、又は上記の
図1に詳細に記載されているように、超音波変換器、光学素子、若しくはマイクロ波アンテナなどの別の装置を備えてもよい。いくつかの実施形態では、装置は、単一のカテーテル又は複数の異なるカテーテルに連結されてもよい。
【0051】
応力信号生成工程102で、プロセッサ41は、IPG45を制御して、心臓26においてアブレーションされることが意図された組織のインピーダンスを低減するための応力信号を生成する。本実施例では、応力信号は、約90ワットの電力を有するRF電圧パルスを含む。その他の実施形態では、システム20は、異なる種類の応力信号を生成するように構成された別の種類の機器又は回路を備える。例えば、上記の
図1に詳細に記載されるように、それぞれが応力信号を生成するように構成された超音波発生器、レーザ源、及びマイクロ波発生器は、問題の組織のインピーダンスを低減することが意図されている。
【0052】
応力信号の適用工程104では、プロセッサ41は、IPG45(又は上記の
図1に記載されているような、その他の好適な種類の回路若しくは機器)を制御して、前述の1つ以上の装置を介して、第1の時間間隔の間、上記の工程102において生成される応力信号を心臓26における問題の組織に適用する。本実施例では、第1の時間間隔の持続時間は、約0.5秒である。その他の実施形態では、第1の時間間隔は、例えば、0.1秒~1秒の、任意のその他の好適な持続時間を有してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、装置のうちの1つ以上は、心臓26に挿入されたカテーテルに連結されている。例えば、応力信号は、先端区分40に連結された1つ以上の電極50を介して、又はカテーテル21若しくは心臓26に挿入された追加のカテーテルに連結された超音波変換器、光学素子、及びマイクロ波アンテナなどではあるがこれらに限定されないその他の種類の電極若しくは装置を介して、組織に適用される。
【0054】
不可逆電気穿孔信号の生成工程106で、プロセッサ41は、IPG45を制御して、心臓26において問題の組織内に損傷を生成するためのIRE信号を生成する。いくつかの実施形態では、IRE信号は、上記の
図1に記載されているように、プロセッサ41に格納され、それによって制御された単極IREアブレーション又は双極IREアブレーションのプロトコルに定義されたIREパルス列の任意の好適な組み合わせを含んでもよい。
【0055】
本方法を完了するIRE信号の適用工程108で、プロセッサ41は、IPG45を制御して、先端区分40に連結された電極50を介して、又はカテーテル21若しくは心臓26に挿入された追加のカテーテルに連結され得る任意のその他の前述の装置を介して、問題の組織にIRE信号を適用する。
【0056】
いくつかの実施形態では、工程104に記載されているように、第1の時間間隔中に同じ組織が既に応力信号を受信しており、第1の時間間隔に続く第2の時間間隔で、IRE信号が問題の組織に適用される。応力信号を適用した後、組織のインピーダンスが低減し、したがって、同じ組織に適用されるIRE信号の電力及び/又は持続時間が、上記の
図1に詳細に記載されるように低減されてもよいことに、留意されたい。
【0057】
いくつかの実施形態では、応力信号とIRE信号の両方を生成し得るIPG45を使用して、両方の工程102及び106を実行してもよい。更に、アブレーションされることが意図された組織に応力信号とIRE信号の両方を適用し得る電極50によって、両方の工程104及び108を実行してもよい。一実施形態では、第1の時間間隔及び第2の時間間隔で両方の信号を適用するために、同じ電極50が使用されてもよい。別の実施形態では、第1の時間間隔で応力信号を適用するために電極50の第1のサブセットが使用されてもよく、第2の後続の時間間隔でIRE信号を適用するために電極50の第2のサブセットが使用されてもよい。本実施形態では、第1のサブセット及び第2のサブセットは、1つ以上の共通電極を有しても有しなくてもよい。
【0058】
その他の実施形態では、回路又は上記の
図1に記載されている超音波発生器、レーザ源、若しくはマイクロ波発生器などではあるがこれらに限定されないIPG45以外の機器を使用して、工程102を実行してもよい。このような実施形態では、カテーテル21又は心臓26に挿入された任意のその他のカテーテルに連結され得る、電極50以外の1つ以上の装置を使用して、工程104を実施してもよい。装置は、典型的には、応力信号の種類及びその発生器に対応する。例えば、(i)超音波発生器によって生成された超音波系の応力信号を適用するための、カテーテルに連結された超音波変換器、(ii)レーザ源によって生成されたレーザビーム系の応力信号を適用するための、カテーテルに連結された光学素子、又は(iii)マイクロ波発生器によって生成されたマイクロ波系の応力信号を適用するための、カテーテルに連結されたマイクロ波アンテナである。このような実施形態では、上記のように、IPG45及び電極50を使用して、工程104及び工程108が実施される。
【0059】
本明細書に記載された実施形態は、主に患者心臓における不整脈を治療するための不可逆電気穿孔法に対処するが、本明細書に記載された方法及びシステムは、肝臓及び肺などではあるがこれらに限定されない種々の器官における癌に対する治療などにおいて、その他の用途にも使用され得る。
【0060】
したがって、上記の実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、上記に具体的に示し、かつ説明したものに限定されないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上記の明細書に記載される種々の特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形形態及び修正を含むものである。参照により本特許出願に組み込まれる文献は、これらの組み込まれた文献において、いずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾する様式で定義される程度まで、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の不可欠な部分と見なすものとする。
【0061】
〔実施の態様〕
(1) IREアブレーションの効率を改善するためのシステムであって、
器官の組織のインピーダンスを低減するための応力信号を生成するように構成されている、第1の回路と、
前記組織内に損傷を生成するための不可逆電気穿孔(IRE)信号を生成するように構成されている、第2の回路と、
第1の時間間隔で前記応力信号を、また前記第1の時間間隔に続いて、第2の時間間隔で前記IRE信号を前記組織に適用するように構成されている1つ以上の装置と、を備える、システム。
(2) 前記1つ以上の装置が、前記器官に挿入されたカテーテルに連結され、かつ前記カテーテルから前記応力信号及び前記IRE信号を適用するように構成されている1つ以上の電極を備える、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記1つ以上の装置が、前記器官に挿入された第1のカテーテルに連結され、前記応力信号を適用するように構成されている1つ以上の第1の電極と、前記器官に挿入された第2のカテーテルに連結され、前記IRE信号を適用するように構成されている1つ以上の第2の電極と、を備える、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記器官が心臓を含み、前記応力信号が、10ワットよりも大きい電力を有する高周波(RF)パルスを含み、前記第1の時間間隔が、0.1秒~1秒である、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記第1の回路及び前記第2の回路が、(i)10ワットよりも大きい電力を有し、かつ0.1秒~1秒の前記第1の時間間隔を有する高周波(RF)パルスを含む第1のパルスにおける前記応力信号と、(ii)前記第1のパルスとは異なる第2のパルスにおける前記IRE信号と、を生成するように構成されている共通パルス発生器を備え、前記共通パルス発生器を制御して、前記第1のパルスを適用した後30秒未満内に前記第2のパルスを適用するように構成されているプロセッサを備える、実施態様1に記載のシステム。
【0062】
(6) 前記第1の回路が、超音波発生器を備え、前記応力信号が、前記超音波発生器によって生成された超音波信号を含み、前記1つ以上の装置のうちの少なくとも1つが、前記超音波信号を前記組織に適用するように構成された超音波変換器を備える、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記第1の回路が光源を備え、前記応力信号が、前記光源によって生成された光ビームを含み、前記1つ以上の装置のうちの少なくとも1つが、前記光ビームを前記組織に適用するように構成された光学素子を備える、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記光源がレーザを含み、前記光ビームがレーザビームを含む、実施態様7に記載のシステム。
(9) 前記第1の回路が、マイクロ波発生器を備え、前記応力信号が、前記マイクロ波発生器によって生成されたマイクロ波信号を含み、前記1つ以上の装置のうちの少なくとも1つが、前記マイクロ波信号を前記組織に適用するように構成されたマイクロ波アンテナを備える、実施態様1に記載のシステム。
(10) IREアブレーションの効率を改善するための方法であって、
器官の組織のインピーダンスを低減するための応力信号を生成することと、
前記組織内に損傷を生成するための不可逆電気穿孔(IRE)信号を生成することと、
(i)第1の時間間隔での前記応力信号、及び(ii)前記第1の時間間隔に続く第2の時間間隔での前記IRE信号を、前記組織に適用するために、1つ以上の装置を前記器官に挿入することと、を含む、方法。
【0063】
(11) 前記1つ以上の装置を挿入することが、カテーテルからの前記応力信号及び前記IRE信号を適用するための1つ以上の電極を有する前記カテーテルを、前記器官に挿入することを含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記1つ以上の装置を挿入することが、(i)前記応力信号を適用するための1つ以上の第1の電極を有する第1のカテーテル、及び(ii)前記IRE信号を適用するための1つ以上の第2の電極を有する第2のカテーテルを、前記器官に挿入することを含む、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記器官が心臓を含み、前記応力信号を適用することが、10ワットよりも大きい電力を有する高周波(RF)パルスを適用することを含み、前記第1の時間間隔が、0.1秒~1秒である、実施態様10に記載の方法。
(14) 前記応力信号及び前記IRE信号を生成することが共通パルス発生器を使用して実行され、前記応力信号が第1のパルスを含み、前記IRE信号が前記第1のパルスとは異なる第2のパルスを含み、前記共通パルス発生器を制御して、前記第1のパルスを適用した後30秒未満内に、前記第2のパルスを適用することを含む、実施態様10に記載の方法。
(15) 前記応力信号を生成することが、超音波信号を生成することを含み、前記1つ以上の装置を挿入することが、前記組織に前記超音波信号を適用するために前記器官に少なくとも超音波変換器を挿入することを含む、実施態様10に記載の方法。
【0064】
(16) 前記応力信号を生成することが、光ビームを生成することを含み、前記1つ以上の装置を挿入することが、前記光ビームを前記組織に適用するための光学素子を前記器官に挿入することを含む、実施態様10に記載の方法。
(17) 前記光ビームを生成することが、レーザビームを生成することを含み、前記光ビームを適用することが、前記レーザビームを前記組織に適用することを含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記応力信号を生成することが、マイクロ波信号を生成することを含み、前記1つ以上の装置を挿入することが、前記マイクロ波信号を前記組織に適用するためにマイクロ波アンテナを前記器官に挿入することを含む、実施態様10に記載の方法。
【外国語明細書】