(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177837
(43)【公開日】2022-12-01
(54)【発明の名称】内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システム
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/12 20060101AFI20221124BHJP
B23C 5/28 20060101ALI20221124BHJP
B23Q 17/09 20060101ALI20221124BHJP
B23Q 11/00 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
B23Q11/12 C
B23Q11/12 B
B23C5/28
B23Q17/09 H
B23Q11/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022081932
(22)【出願日】2022-05-18
(31)【優先権主張番号】202110550789.8
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】519380222
【氏名又は名称】青島理工大学
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO UNIVERSITY OF TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】楊敏
(72)【発明者】
【氏名】馬浩
(72)【発明者】
【氏名】李長河
(72)【発明者】
【氏名】劉波
(72)【発明者】
【氏名】陳雲
(72)【発明者】
【氏名】曹華軍
(72)【発明者】
【氏名】周宗明
(72)【発明者】
【氏名】張乃慶
(72)【発明者】
【氏名】呉啓東
(72)【発明者】
【氏名】盧秉恒
(72)【発明者】
【氏名】高騰
(72)【発明者】
【氏名】張彦彬
(72)【発明者】
【氏名】劉明政
(72)【発明者】
【氏名】王暁銘
【テーマコード(参考)】
3C011
3C029
【Fターム(参考)】
3C011FF03
3C029CC07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システムを提供する。
【解決手段】作業台及び主軸を含み、主軸は、動力システムに接続され、さらに、主軸の外周に嵌設され、主軸との相対回転が可能で、媒体流入口及び媒体流出口が設置された固定リングと、主軸に接続され、内部に貯蔵空洞が設置され、貯蔵空洞は第1の流路と第2の流路の一端に連通し、第1の流路と第2の流路の他端は、主軸に設置された貫通穴と連通し、貯蔵空洞と連通している集熱穴も設置され、集熱穴は止まり穴であり、カッターアセンブリの刃先まで伸びるカッターアセンブリと、を含み、第1の流路及び第2の流路は、固定リングと主軸の相対回転の下で、第1の流路が媒体流入口と連通すると同時に、第2の流路が媒体流出口と連通し、第2の流路が媒体流入口と連通すると同時に、第1の流路が媒体流出口と連通するように構成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業台及び主軸を含み、主軸は、動力システムに接続される内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システムであって、さらに、
主軸の外周に嵌設され、主軸との相対回転が可能で、媒体流入口及び媒体流出口が設置された固定リングと、
主軸に接続され、内部に貯蔵空洞が設置され、貯蔵空洞は第1の流路と第2の流路の一端に連通し、第1の流路と第2の流路の他端は、主軸に設置された貫通穴と連通し、その内部には貯蔵空洞と連通している集熱穴も設置され、集熱穴は止まり穴であり、カッターアセンブリの刃先まで伸びるカッターアセンブリと、を含み、
第1の流路及び第2の流路は、固定リングと主軸の相対回転の下で、第1の流路が媒体流入口と連通すると同時に、第2の流路が媒体流出口と連通し、第2の流路が媒体流入口と連通すると同時に、第1の流路が媒体流出口と連通するように構成されることを特徴とする内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システム。
【請求項2】
前記カッターアセンブリには、固定接続された柄及びカッターが含まれ、カッターの直径が柄の直径よりも小さく、前記貯蔵空洞は柄の内部に開かれ、第1の流路及び第2の流路は柄の内部に開かれ、集熱穴はカッターの内部に開かれることを特徴とする請求項1に記載の内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システム。
【請求項3】
前記カッターアセンブリには、固定接続された柄及びカッターが含まれ、前記カッターの直径が柄の直径よりも大きく、前記貯蔵空洞はカッターの内部に開かれ、前記第1の流路及び第2の流路は両方とも、柄内に設置された主流路部と、カッター内に設置された拡張流路部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システム。
【請求項4】
シーリングフランジアセンブリも含まれ、前記シーリングフランジアセンブリには、上部フランジ及び下部フランジが含まれ、上部フランジは固定リングの上端面とシールして合わせられ、下部フランジは固定リングの下端面とシールして合わせられ、上部フランジと下部フランジは伝送キーベースを介して接続され、前記伝送キーベースは、伝送キーを介してカッターアセンブリに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システム。
【請求項5】
前記固定リングは、第1の固定リング部と第2の固定リング部とを接合することによって形成され、第1の固定リング部には流入ガイド溝が設置され、流入ガイド溝は、媒体流入口と連通し、第2の固定リング部には流出ガイド溝が設置され、流出ガイド溝は媒体流出口と連通していることを特徴とする請求項1に記載の内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システム。
【請求項6】
第1の固定リング部及び/又は第2の固定リング部と主軸との間にブロッキングストリップが設置され、流入ガイド溝と流出ガイド溝を隔離するために使用されることを特徴とする請求項5に記載の内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システム。
【請求項7】
切削液供給機構、クーラント供給機構も含み、切削液供給機構は、スイッチングバルブグループを介してカッターアセンブリの周囲に設置された切削液ノズルに接続され、クーラント供給機構は、スイッチングアセンブリを介して固定リングの媒体流入口に接続され、固定リングの媒体流出口は放熱装置の入口に接続され、放熱装置の出口はクーラント回収タンクに接続されることを特徴とする請求項1に記載の内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システム。
【請求項8】
カッターアセンブリの動作中に切削力を検出するための検出要素も含まれ、前記検出要素は、カッターアセンブリ及び主軸と同期して回転できる無線伝送装置を介して制御システムに接続され、制御システムは、スイッチングアセンブリに接続され、制御システムは、検出要素で検出して得られた切削力情報に基づいてスイッチングバルブグループの動作を制御し、切削液供給機構とクーラント供給機構の切り替えを実現できることを特徴とする請求項7に記載の内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システム。
【請求項9】
前記媒体出口は、スイッチングバルブグループを介して真空発生器にも接続され、真空発生器はクーラント回収タンクに接続されることを特徴とする請求項7に記載の内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システム。
【請求項10】
前記固定リングには磁石も設置され、磁石の片側には、カッターアセンブリ及び主軸と同期して移動できるコイルが設置され、前記コイルは、検出要素及び無線伝送モジュールに接続されており、検出要素及び無線伝送モジュールに電力を供給するために使用されることを特徴とする請求項8に記載の内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械加工設備の技術分野、具体的に、内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書の記載は、本発明に関連する背景技術を提供するだけであり、必ずしも先行技術を構成するものではない。
【0003】
フライス加工装置など、カッターが主な動きとなる既存の加工装置では、カッターやワークピースから熱を取り除くために、切削液を使用して加工領域を冷却する必要がある。不適切な冷却は、加工品質とカッター寿命を低下させる可能性がある。切削液の冷却効果は、切削によって加熱されるカッター、切りくず、及びワークピースとの間の対流及び気化によって、カッター及びワークピースから切削熱を取り除き、それによって切削温度を効果的に低減し、ワークピースとカッターの熱変形を低減し、カッターの硬度を維持し、加工精度とカッター耐久性を向上させることである。切削液の潤滑効果は、すくい面と切りくず、逃げ面と加工面との間の摩擦を減らして潤滑膜の一部を形成することで、切削力、摩擦、消費電力を減らし、カッターとワークピースブランク間の摩擦部の表面温度とカッター摩耗を低減し、ワークピース材料の切削加工性能を向上させることである。また、切削液は加工領域の洗浄にも役割を果たし、発生した切りくず、砥石、鉄粉、油汚れ、砂粒を除去し、カッターの切削刃先を鋭利に保つことができ、切削効果には影響しない。
【0004】
現在、マシニングセンターの工作機械で使用されている冷却と潤滑の方法には、内部冷却の冷却と潤滑の方法と、外部冷却の冷却と潤滑の方法がある。内部冷却の冷却と潤滑の方法は、一般に、切削液が切削液供給システムによって供給され、切削液パイプラインを通って工作機械主軸の回転継手に流れ込み、回転継手から工作機械主軸の内部冷却パイプラインに流れ、そして切削液をカッターの内部冷却パイプラインに送り、切削加工プロセス中のカッターの冷却と潤滑を実現することである。内部冷却の冷却と潤滑の方法は、より深い穴と溝のフライスなどの加工条件の冷却と潤滑に対応できる。しかし、発明者は、その欠点が特定の加工条件での切削加工にしか適さず、内部冷却システムが工作機械に付属するシステムであるため、価格が比較的高く、内部冷却を必要としない加工条件の場合、経済的な無駄が発生することにあることを発見した。また、内部冷却の冷却と潤滑の方法でクーラントをリサイクルする場合、カッターや柄に螺旋状流路などの複雑な流路を開く必要があり、製造が困難であり、不合理な流路設計は、カッターの強度に影響を与え、さらには放熱効率を低下させ、外部冷却の冷却と潤滑の方法では、切削液は一般的に切削液供給システムから供給され、外部冷却パイプラインを通って外部冷却ノズルに流入し、カッターとワークピースの加工領域を外部から冷却及び潤滑することである。この冷却と潤滑の方法は、加工領域を効果的に冷却して潤滑することができ、切りくずの除去とカッターの洗浄の役割を果たすこともできる。発明者は、この冷却と潤滑の方法では、内部冷却の冷却と潤滑の方法と比較して、より深い穴と溝のフライスなどの加工条件の冷却と潤滑に対応できないことを発見した。
【0005】
現在、実際の加工プロセスでは、複数の冷却方法に対応できる工作機械の場合、方法を切り替えるように、この時点での加工条件にどの冷却方法が必要かをオペレーターが常に自分の経験で判断する必要があり、大きな限界があり、判断を間違え、切削領域で効果的に放熱できないという状況が起こりやすく、冷却方法のインテリジェントな切り替えができず、より大きな人的資源の浪費にもなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術の欠点を克服し、カッターが主な動きであり、改造に便利であり、製造コストが低い加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
【0008】
第1の態様では、本発明の実施例は、内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システムを提供し、作業台及び主軸を含み、主軸は、動力システムに接続され、
主軸の外周に嵌設され、主軸との相対回転が可能で、媒体流入口及び媒体流出口が設置された固定リングと、
主軸に接続され、内部に貯蔵空洞が設置され、貯蔵空洞は第1の流路と第2の流路の一端に連通し、第1の流路と第2の流路の他端は、主軸に設置された貫通穴と連通し、内部には貯蔵空洞と連通している集熱穴も設置され、集熱穴は止まり穴であり、カッターアセンブリの刃先まで伸びるカッターアセンブリと、をさらに含む。
【0009】
第1の流路及び第2の流路は、固定リングと主軸の相対回転の下で、第1の流路が媒体流入口と連通すると同時に、第2の流路が媒体流出口と連通し、第2の流路が媒体流入口と連通すると同時に、第1の流路が媒体流出口と連通するように構成される。
【0010】
任意選択で、前記カッターアセンブリには、固定接続された柄及びカッターが含まれ、カッターの直径が柄の直径よりも小さく、前記貯蔵空洞は柄の内部に開かれ、第1の流路及び第2の流路は柄の内部に開かれ、集熱穴はカッターの内部に開かれる。
【0011】
任意選択で、前記カッターアセンブリには、固定接続された柄及びカッターが含まれ、前記カッターの直径が柄の直径よりも大きく、前記貯蔵空洞はカッターの内部に開かれ、前記第1の流路及び第2の流路は両方とも、柄内に設置された主流路部と、カッター内に設置された拡張流路部とを含む。
【0012】
任意選択で、シーリングフランジアセンブリも含まれ、前記シーリングフランジアセンブリには、上部フランジ及び下部フランジが含まれ、上部フランジは固定リングの上端面とシールして合わせられ、下部フランジは固定リングの下端面とシールして合わせられ、上部フランジと下部フランジは伝送キーベースを介して接続され、前記伝送キーベースは、伝送キーを介してカッターアセンブリに接続されている。
【0013】
任意選択で、前記固定リングは、第1の固定リング部と第2の固定リング部とを接合することによって形成され、第1の固定リング部には流入ガイド溝が設置され、流入ガイド溝は、媒体流入口と連通し、第2の固定リング部には流出ガイド溝が設置され、流出ガイド溝は媒体流出口と連通している。
【0014】
任意選択で、第1の固定リング部及び/又は第2の固定リング部と主軸との間にブロッキングストリップが設置され、流入ガイド溝と流出ガイド溝を隔離するために使用される。
【0015】
任意選択で、切削液供給機構、クーラント供給機構も含み、切削液供給機構は、スイッチングバルブグループを介してカッターアセンブリの周囲に設置された切削液ノズルに接続され、クーラント供給機構は、スイッチングアセンブリを介して固定リングの媒体流入口に接続され、固定リングの媒体流出口は放熱装置の入口に接続され、放熱装置の出口はクーラント回収タンクに接続され、スイッチングバルブグループは、切削液供給機構とクーラント供給機構の動作の切り替えを実現するために使用される。
【0016】
任意選択で、カッターアセンブリの動作中に切削力を検出するための検出要素も含まれ、前記検出要素は、カッターアセンブリ及び主軸と同期して回転できる無線伝送装置を介して制御システムに接続され、制御システムは、スイッチングアセンブリに接続され、制御システムは、検出要素で検出して得られた切削力情報に基づいてスイッチングバルブグループの動作を制御し、切削液供給機構とクーラント供給機構の切り替えを実現できる。
【0017】
任意選択で、前記媒体出口は、スイッチングバルブグループを介して真空発生器にも接続され、真空発生器はクーラント回収タンクに接続される。
【0018】
任意選択で、前記固定リングには磁石も設置され、磁石の片側には、カッターアセンブリ及び主軸と同期して移動できるコイルが設置され、前記コイルは、検出要素及び無線伝送モジュールに接続されており、検出要素及び無線伝送モジュールに電力を供給するために使用される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
1.本発明の加工システムでは、カッターアセンブリ内に貯蔵空洞、第1の流路、第2の流路及び集熱穴が設置され、ヒートパイプの原理によってカッターを冷却し、熱対流によって熱交換を行い、熱交換効率が高く、固定リングの設置により、クーラントの流入・流出を実現し、他の設備と組み合わせてクーラントをリサイクルするのに便利であり、クーラントを確実にリサイクルできることを前提として、カッターアセンブリに螺旋状の複雑な流路を加工する必要はなく、カッターアセンブリの冷却効果を確保することを前提として、カッターアセンブリの加工と改造のコストが削減される。
2.本発明の加工システムでは、スイッチングバルブグループを備えて、切削液供給機構とクーラント供給機構の動作の切り替えを実現し、外部冷却と内部冷却の潤滑の方法の切り替えを実現でき、同時に、検出要素及び制御システムと連携して、冷却方法のインテリジェントな切り替えが実現され、人的資源を節約し、オペレーターが自分の経験に応じて冷却方法を切り替えるという制限を回避する。
3.本発明の加工システムでは、磁石とコイルを有し、追加の電源なしで検出要素と無線伝送モジュールにセルフパワーを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本出願の一部を形成する明細書の図面は、本出願のさらなる理解を提供するために使用され、本出願の例示的な実施例及びその説明は、本出願を説明するために使用され、本出願の制限を構成しない。
【0021】
【
図2】本発明の実施例1における媒体循環放熱の概略図である。
【
図4】本発明の実施例1におけるスリップリングの三次元図である。
【
図5】本発明の実施例1におけるスリップリングの正面片側断面図である。
【
図6】本発明の実施例1におけるスリップリングの上面図である。
【
図7】本発明の実施例1におけるシーリングフランジの3次元図である。
【
図8】本発明の実施例1におけるシーリングフランジの正面図である。
【
図9】本発明の実施例1における工作機械主軸の端部の三次元概略図である。
【
図10】本発明の実施例1における工作機械主軸の端部の正面図である。
【
図11】本発明の実施例1における接続装置のアセンブリの分解図である。
【
図12】本発明の実施例1における接続装置の部分断面図である。
【
図13】本発明の実施例1における接続装置のA-A方向図である。
【
図14】本発明の実施例1における接続装置のシール原理
図1である。
【
図15】本発明の実施例1における接続装置のシール原理
図2である。
【
図16】本発明の実施例1における接続装置のシール原理
図3である。
【
図17】本発明の実施例1における吸熱装置IIの柄及びカッター構造
図1である。
【
図18】本発明の実施例1における吸熱装置IIの柄及びカッター構造
図2である。
【
図19】本発明の実施例1における吸熱装置IIの動作原理図である。
【
図20】本発明の実施例1における吸熱装置IIIの柄構造図である。
【
図21】本発明の実施例1における吸熱装置IIIのカッター構造図である。
【
図22】本発明の実施例1におけるパイププラグの構造図である。
【
図23】本発明の実施例1における吸熱装置IIIの組立図である。
【
図24】本発明の実施例1における吸熱装置IIIの動作原理図である。
【
図25】本発明の実施例1における媒体供給及び切り替え装置の動作原理図である。
【
図26】本発明の実施例1における伝送キーの変形の概略図である。
【
図27】本発明の実施例1におけるひずみゲージのフルブリッジ回路図である。
【
図28】本発明の実施例1における無線伝送装置の組立図である。
【
図29】本発明の実施例1におけるデータ取得装置のエネルギー供給の概略図である。
【
図30】本発明の実施例1におけるシステムの全体的な制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
物体の吸熱と放熱は相対的であり、温度差があると、高温から低温への熱伝達の現象が必然的に発生する。熱伝達の3つの方法(輻射、対流、伝導)から、対流伝導が最速である。ヒートパイプは、媒体がホットエンドで蒸発し、次にコールドエンドで凝縮する相転移プロセスを利用して(つまり、液体の蒸発潜熱と凝縮潜熱を利用して)熱をすばやく伝導するものである。一般的なヒートパイプは、シェル、芯、エンドキャップで構成される。ヒートパイプの内部は負圧状態にポンプで送られ、適切な液体が充填され、この液体は沸点が低く、揮発しやすい。
図1に示すように、ヒートパイプの一端は蒸発端で、他端は凝縮端であり、ヒートパイプの一端が加熱されると、パイプ内の液体は急速に気化し、蒸気は熱拡散の動力で他端に流れ、低温端で凝縮して熱を放出し、液体は多孔質材料に沿って毛細管作用によって蒸発端に戻り、ヒートパイプの両端の温度が等しくなるまで(このとき、蒸気の熱拡散は停止する)サイクルが続く。このサイクルは速く、熱を継続的に伝導することができる。
【0023】
加熱ヒートパイプの蒸発セクションでは、管芯内の作動液体が加熱されて蒸発し、熱を取り除き、この熱は、作動液体の蒸発潜熱であり、蒸気は中央通路からヒートパイプの凝縮セクションに流れ、凝縮して液体になり、同時に潜熱を放出し、毛細管力の作用下で、液体は蒸発セクションに逆流する。このようにして閉ループが完成し、加熱セクションから放熱セクションに大量の熱を伝達する。加熱セクションが下、冷却部が上、ヒートパイプが垂直に配置されている場合、毛細管構造の管芯がなくても、重力によって作動液体の逆流を満足させることができ、多孔質の管芯のないこのようなヒートパイプは、熱サイフォンと呼ばれる。熱サイフォンは構造が単純で、エンジニアリングで広く使用されている。
【0024】
したがって、柄またはカッター内には、
図2に示すような凝縮液を貯蔵するための貯蔵空洞が設置され、貯蔵空洞と連通する集熱穴が設置され、集熱穴はカッターの切削刃先まで伸びており、カッターの切削熱は集熱穴内の凝縮液に吸収された後、熱対流が発生し、熱は貯蔵空洞内に伝達され、貯蔵空洞内の凝縮液が循環に関与し、低温のが流入し、高温のが流出して熱を放散し、カッターを冷却する目的を達成する。
【0025】
本出願の典型的な実施形態の実施例1では、
図3に示されるように、内部及び外部冷却のインテリジェントスイッチングに基づく媒体循環放熱フライス加工システムは、接続装置I、カッターアセンブリII(III)、媒体供給及び切り替え装置IV、及びデータ取得装置Vを含む。カッターアセンブリII(III)には、固定接続された柄及びカッターが含まれ、柄を介して工作機械の主軸に取り付けられた。工作機械本体の片側に取り付けられた媒体供給及び切り替え装置IVは、パイプラインを介して工作機械主軸の端部に取り付けられた接続装置Iに接続され、媒体供給及び切り替え装置IVは、最初にクーラントを接続装置Iにポンプで送り、次に、柄と一緒に高速で回転するカッターアセンブリII(III)に伝送した。カッターアセンブリII(III)は、ワークピースを切削するカッターによって生成された熱を冷却媒体に伝達し、冷却媒体は循環に関与して、熱を取り除いてカッターを冷却する目的を達成する。この冷却方法は、工作機械の既存の注入式冷却と連携して、媒体供給及び切り替え装置IVを介して冷却方法を切り替えることができる。注入式冷却における注入切削液のノズル27を媒体供給及び切り替え装置IVに連通し、データ取得装置Vを主軸の端部に取り付け、加工プロセスの各種パラメータを収集し、工作機械制御センターに送信し、制御センターは、データ処理を行って切削パラメータを調整し、そして、設定されたしきい値に従って媒体供給と切り替え装置IVを制御して、2つの冷却方法を切り替えた。
【0026】
加工プロセス中にさまざまなカッターを交換する必要があり、さまざまなカッターが柄内の流体通路の配置方向に影響を与える。カッターのサイズ仕様により、カッターを2つのカテゴリーに分類し、1つはカッターの切削刃先の直径が柄の直径よりも小さいこと、もう1つはカッターの切削刃先の直径が柄の直径以上であることである。この点に関して、異なるタイプの柄及びカッターに従って吸熱装置II及び吸熱装置IIIを設計した。 前記柄はすべて、既存の柄構造に基づいて改造及び設計されている。
【0027】
前記接続装置Iは、工作機械の主軸I-3の端部外周に嵌設された固定リングI-1と、シーリングフランジアセンブリI-2を含む。媒体供給及び切り替え装置IIIの2つの搬送パイプは、固定リングI-1に接続され、工作機械主軸I-3の端部にある貫通穴から柄II-1にタイムシェアリングに注入される。加工中に主軸が高速回転し、固定リングI-1は固定されたままになり、冷却媒体は、柄II-1に送り込むプロセスで、シーリングフランジI-2と固定リングI-1の間に形成されたガス膜によってシールされる。
【0028】
前記固定リングは、工作機械主軸の端部にある動力システムのハウジングに固定されており、工作機械主軸に対して回転することができ、冷却媒体は、固定リングI-1を介してカッターアセンブリIIに注入する。
図4~6に示すように、固定リングI-1には、上端面I-1-1、下端面I-1-2、媒体流入口I-1-3、媒体流出口I-1-4、流入ガイド溝I-1-5、流出ガイド溝I-1-6、ボスI-1-7、取付穴I-1-8、突合せ穴I-1-9、対称面I-1-10、螺旋溝I-1-11、ブロッキング溝I-1-12が含まれる。固定リングI-1は円形リング状であり、その上端面I-1-1と下端面I-1-2はシール端面であり、2つのシール端面に円周に沿って均等に分布する、シール作用がある螺旋溝I-1-11が設置され、2つの螺旋溝I-1-11の間の領域は、シーリング堰I-1-13であり、固定リングI-1の内周面の近くの環状領域はシールダムI-1-14である。固定リングI-1の内周面には流入ガイド溝I-1-5と流出ガイド溝I-1-6が設置され、両方とも同じサイズである。固定リングI-1の両側には、それぞれ流入ガイド溝I-1-5と流出ガイド溝 I-1-6に連通する媒体流入口I-1-3と媒体流出口I-1-4が設置され、両方とも同じ孔径を持っている。上端面I-1-1の両側、すなわち媒体流入口I-1-3と媒体流出口I-1-4の位置に対称ボスI-1-7が設置され、ボスI-1-7の中央部は取付穴I-1-8であり、固定リングI-1は取付穴I-1-8を介して工作機械主軸I-3の端部にある動力システムのハウジングに固定接続されている。具体的な実施プロセスにおける固定リングI-1の設置を容易にするために、中央の対称面I-1-10を分割面として固定リングI-1を左右の2つの部分、即ち第1の固定リング部と第2の固定リング部に分け、流入ガイド溝は第1の固定リング部に開けられ、流出ガイド溝は第2の固定リング部に開けられ、固定リングI-1の中央にある2つの突合せ穴I-1-9を介して一つの全体として接続され、接続方法はボルト接続である。流入ガイド溝I-1-5と流出ガイド溝I-1-6の間の内周面に、対称面I-1-10に対して対称な4つの半円形ブロッキング溝I-1-12が、設置され、ブロッキング溝I-1-12は、プラギングストリップを取り付けることにより、流入ガイド溝I-1-5と流出ガイド溝I-1-6内の媒体を分離する。
【0029】
図7-8は、シーリングフランジアセンブリの構造の概略図である。図に示すように、シーリングフランジアセンブリI-2には、上部フランジI-2-1、下部フランジI-2-2、上部シール端面I-2-3、下部シール端面I-2-4、伝送キーI-2-5、伝送キーベースI-2-6、取付穴I-2-7が含まれる。工作機械主軸の端部のスペースは限られるため、部品の干渉を避けるために、シーリングフランジアセンブリI-2と、工作機械の主軸と柄の間でトルクを伝達するための伝送キーは、一体構造として設計される。上部フランジI-2-1と下部フランジI-2-2は、フランジの内周面に設置され対称に配置された伝送キーベースI-2-6を介して全体として接続され、上部フランジI-2-1の下端面と下部フランジI-2-2の上端面は、それぞれ上部シール端面I-2-3と下部シール端面I-2-4のスリップリングI-1取り付け用ギャップリングとして形成され、伝送キーベースI-2-6には、シーリングフランジI-2を固定するための取付穴I-2-7が設置され、伝送キーベースI-2-6の下部は伝送キーI-2-5であり、これは工作機械主軸から柄までのトルクを伝達するために使用される。
【0030】
工作機械の主軸アセンブリI-3の端部には、固定リングI-1とシーリングフランジアセンブリI-2が取り付けられ、既存の主軸構造に基づいて変更する必要があり、ここで、簡単に説明するだけである。
図9~
図10に示すように、主軸I-3-7はハウジングI-3-8内に取り付けられ、エンドキャップI-3-6によって固定され、主軸I-3-7はハウジングI-3-8に対して回転できる。主軸I-3-7の端部両側にそれぞれ貫通穴I-3-1と貫通穴I-3-2が設置され、その孔径は、固定リングI-1の媒体流入口I-1-3及び媒体流出口I-1-4の孔径と同じであり、エンドキャップI-3-6の両側にスリップリング取付穴I-3-9が設置される。主軸I-3-7の端部には、キー溝I-3-3、伝送キー取付穴I-3-4、及びテーパー穴I-3-5も含まれる。
【0031】
接続装置Iには、ネジI-4、ネジI-5、ネジI-6、ブロッキングストリップI-7等の要素も含まれる。
【0032】
接続装置Iの組み立て関係を
図11~
図13に示す。シーリングフランジアセンブリI-2は、主軸I-3-7の端部の外周面に嵌め込まれ、シーリングフランジアセンブリI-2の伝送キーベースI-2-6は、主軸I-3-7の端部のキー溝I-3-3内に係入され、シールフランジアセンブリI-2の取付穴I-2-7は、伝送キーの取付穴I-3-4に対応し、ネジI-4がその中に取り付けられ、シーリングフランジアセンブリI-2を固定接続し、シーリングフランジアセンブリI-2は、主軸I-3-7と共に回転させることができ、固定リングI-1は対称構造の2つの部分に分かれており、シーリングフランジアセンブリI-2の上部フランジI-2-1と下部フランジI-2-2の間に取り付けられ、そして、突合せ穴I-1-9内に取り付けられているネジI-5で突合せ、固定リングI-1の取付穴I-1-8は、工作機械主軸I-3端部のスリップリング取付穴I-3-9に対応し、ネジI-6で固定接続され、主軸I-3-7は固定リングI-1に対して回転でき、回転プロセスでは、主軸I-3-7の端部の貫通穴I-3-1、貫通穴I-3-2は、固定リングI-1の内側における同一平面内にある流入ガイド溝I-1-5と流出ガイド溝I-1-6に周期的に貫通する。スリップリングI-1の4つのブロッキング溝I-1-12内には、ゴム製の円筒形のブロッキングストリップI-7も取り付けられ、流入ガイド溝I-1-5、流出ガイド溝I-1-6内の媒体を分離し、冷却媒体がスリップリングI-1と主軸I-3-7の間の隙間から直接、流入ガイド溝I-1-5から流出ガイド溝I-1-6に入って柄に入る冷却媒体を減らして放熱に影響を与えることを防止する。
【0033】
接続装置Iでは、主軸I-3-7が固定リングI-1に対して回転する必要があり、冷却媒体は固定リングI-1を介してカッターアセンブリII(III)に注入され、乾式ガスシールでシールされ、つまり、2つの端面の間に一定の圧力のガス膜を形成して2つの端面を分離し、非接触の端面シールにし、そのシール面間の摩擦は、流体間の内部摩擦のみであり、端面シールの寿命を大幅に延ばす。
図14~
図16に示すように、シーリングフランジアセンブリI-2の上部シール端面I-2-3と固定リングI-1の上部シール端面I-1-1との間、シーリングフランジI-2の下部シール端面I-2-4と固定リングI-1の下端面I-1-2との間にはそれぞれ隙間があり、主軸I-3-7がシーリングフランジアセンブリI-2を駆動して、固定リングI-1に対して回転すると、固定リングI-1の2つの端面にある螺旋溝I-1-11が回転中心にガスをポンプで送入し、隙間内にガス膜I-9を形成し、ガス膜I-9には一定の圧力があり、この圧力により、ガスガイド溝I-1-5と液体ガイド溝I-1-6内の流体が溢れるのを防いでシールの役割を果たす。ガス膜I-9の気密性は、螺旋溝I-1-11の数、幾何学的関係、及び主軸の回転速度に関係している。この図で、r
I、r
o、r
gはそれぞれ端面の内半径、外半径、溝底半径、βは螺旋角、θ
lとθ
gは、それぞれ1サイクルでの螺旋溝I-1-11と対応するシール堰I-1-13の外径での周方向夾角であり、h
0は、非スロット領域のガス膜厚、つまり、シーリングフランジアセンブリI-2の上部シール端面I-2-3と固定リングI-1の上端面I-1-1の間(またはシーリングフランジアセンブリI-2の下部シール端面I-2-4と固定リングI-1の下端面I-1-2との間)の隙間のサイズ、hgは螺旋溝I-1-11の溝深さである。螺旋溝I-1-11の基本的な幾何学的パラメータには、溝長比α、溝幅比δ、螺旋角β、溝深さ比H、溝数Ngが含まれ、ここで、溝長比αと溝幅比δは、それぞれ、螺旋溝の半径方向及び円周方向のスロット幅比を特徴付けるために使用される。溝長比α、溝幅比δ、溝深さ比Hはそれぞれ次のように表すことができる。
【0034】
シーリング端面の間に層流、等温及び等粘度ガスがあると仮定すると、端面のガス膜圧力を計算するためのレイノルズ方程式は
であり、
式の各パラメータは、それぞれ次のように定義され
ここで、pは端面間のガス膜圧力、p
Iは内径での圧力、hは端面の任意の点でのガス膜の厚さ、Λはシール圧縮数、μはガス粘度、ωは角速度である。方程式を解くための必須の圧力境界条件は
周期的な圧力境界条件は
P(θ+2π/Ng,R)=P(θ,R)であり、
方程式を解くと、シール端面にかかる軸方向力Foと軸方向ガス膜剛性kzが得られる。
【0035】
十分な軸方向のガス膜の剛性は、乾燥ガスシールが外部の外乱に抵抗し、装置の長期的な安定した動作を保証するための鍵である。冷却媒体を効果的にシールできる臨界ガス膜剛性を最も低い優先ターゲットとして採用し、スリップリングI-1の構造と組み合わせて螺旋溝I-1-11の幾何学的関係を設定する。
【0036】
前記カッターアセンブリIIには、柄II-1、エンドミルII-2、及び止めネジII-3が含まれ、カッターアセンブリIIでは、カッターの直径が柄の直径よりも小さく、ロッドフライスカッターとクランプロッドフライスカッターの側面固定式柄を例として、
図17~18に示すように、エンドミルII-2は柄II-1に取り付けられ、止めネジII-3で固定される。柄II-1内には、冷却媒体を貯蔵するための貯蔵空洞II-1-1が設置され、柄II-1の円錐面II-1-5に柄II-1内に延在し、貯蔵空洞II-1-1と貫通する第1の流路II-1-2及び第2の通路II-1-3が設置され、2つの流体通路は同じ構造であり、中心線に対して対称である。エンドミルII-2には、切削熱を集めるための集熱穴II-2-1が設置され、集熱穴II-2-1は止まり穴であり、エンドミルII-2の底部の刃先まで延在し、柄II-1内の貯蔵空洞II-1-1と連通する。集熱穴II-2-1の出口には面取りII-2-2が設置され、貯蔵空洞II-1-1と集熱穴II-2-1内の冷却媒体の循環を促進する。柄II-1内の段付面II-1-3は、エンドミルII-2の軸方向の位置決めに使用される。
【0037】
柄II-1は、主軸I-3-7の端部にあるテーパー穴I-3-5内に取り付けられ、柄II-1内の第1の流路II-1-2と第2の流路II-1-3は、それぞれ主軸I-3-7の端部にある貫通穴I-3-1と貫通し、伝送キーI-2-5は柄II-1のキー溝II-1-6に係入されており、第1の流路II-1-2と第2の流路II-1-3が貫通穴I-3-1とずれていないことを保証する。その動作プロセスを
図19に示すように、冷却媒体の入力管は、媒体流入口I-1-3に接続され、戻り管は媒体流出口I-1-4に接続され、固定リングI-1は、工作機械主軸アセンブリI-3の端部にあるエンドキャップI-3-6に接続され、固定され、工作機械主軸アセンブリI-3の主軸I-3-7は、固定リングI-1に対して回転し、流入ガイド溝I-1-5と流出ガイド溝I-1-6は、同じ平面内であり、互いに独立し、主軸I-3-7の回転中に、貫通穴I-3-1と貫通穴I-3-2を、それぞれ流入ガイド溝I-1-5と流出ガイド溝I-1-6に周期的に貫通させる。主軸I-3-7を1回転させると、サイクルの前半で、貫通穴I-3-1は流入ガイド溝I-1-5に貫通し、貫通穴I -3-2は流出ガイド溝I-1-6に貫通し、低温の冷却媒体は、貫通穴I-3-1から第1の流路II-1-2を通って貯蔵空洞II-1-1に入り、次に、高温の冷却媒体は、順番に第2の流路II-1-3、貫通穴I-3-2、流出ガイド溝I-1-6から流出し、サイクルの後半で、貫通穴I-3-2は流入ガイド溝I-1-5に貫通し、貫通穴I-3-1は流出ガイド溝I-1-6に貫通し、低温の冷却媒体は、貫通穴I-3-2から第1の流路II-1-3を通って貯蔵空洞II-1-1に入り、次に、高温の冷却媒体は、順番に第1の流路II-1-2、貫通穴I-3-1、流出ガイド溝I-1-6から流出し、このように繰り返す。冷却媒体の循環中、貯蔵空洞II-1-1及び集熱穴II-2-1内の冷却媒体は、対流熱交換を行う。
【0038】
さまざまなカッター仕様に従ってカッターアセンブリIIIは、設計されている。カッターアセンブリIIIと接続装置Iでは、冷却媒体供給及び放熱装置IIIの組み立て関係は、カッターアセンブリIIと同じである。前記カッターアセンブリIIIには、柄III-1、エンドミルIII-2、パイププラグIII-3、パイププラグIII-5、バルブコアIII-6及びネジIII-7が含まれる。カッターアセンブリIIIでは、カッターの直径が柄の直径以上であり、エンドミルとエンドミル柄を例として使用する。
【0039】
柄III-1の構造を
図20に示すように、柄の直径はエンドミルの直径よりも小さいため、貯蔵空洞はエンドミルの内部に設置され、前記第1の流路及び第2の流路は両方とも、柄の内部に設置された主流路部と、エンドミルの内部に設置された拡張流路部とを含み、柄III-1内には、垂直方向に対称な2つの流路、つまり冷却媒体としての流入通路III-1-1と冷却媒体としての流出通路III-1-6が設置され、且つ柄III-1の底部端面III-1-5に貫通し、流入通路III-1-1の入口III-1-2と流出通路III-1-6の出口III-1-7は、柄III-1の円錐面III-1-3、端面III-1-4に近い箇所に設置され、流体の局所的な圧力損失を減らすために、その間にはすべて丸い角でスムーズな移行である。冷却媒体流入通路は第1の流路の主流路部であり、冷却媒体流出通路は第2の流路の主流路部である。
【0040】
摩擦圧力損失
を考慮すると、柄III-1の流入通路III-1-1と流出通路III-1-6は、柄III-1の外周面に近くて直径調整範囲が制限され、通路断面形状を非円形(ノッチ形状など)に設定することを考慮する。断面の流速変化は主に管壁付近領域に集中しているため、摩擦による機械的エネルギー損失もここに集中し、境界壁面に沿って損失が分布していると考えられる。長さがすべて1であるパイプラインが2つあり、1つは円形断面パイプライン1で、もう1つは非円形断面パイプライン2であると仮定する。2つのパイプラインは、断面形状と面積が異なる以外、他の幾何学的パラメータと流体物理的パラメータはすべて同じである。円形パイプライン1の場合、パイプライン壁面の単位面積によって引き起こされるエネルギー損失は
であり、
同様に、非円形パイプライン2のパイプライン壁面の単位面積によって引き起こされるエネルギー損失は
Δh
2AVρg/lCであり、
2つのパイプラインの壁面の単位面積によって引き起こされるエネルギー損失が同じである場合、2つのパイプラインはほぼ同じ摩擦損失係数を持ち、したがって
であり、
Aは非円形パイプラインの断面積、Cは非円形パイプラインの断面周長、Vはパイプライン内の流体の流速、Δhはパイプラインの単位長さである。
即ちΔh
1=Δh
2である場合、円形パイプライン1は非円形パイプライン2の等価パイプラインになり、
は非円形パイプラインの等価直径である。
【0041】
等価直径及び柄III-1の構造によって非円形パイプライン断面の形状とサイズを設定でき、等価直径は大きすぎないように設定し、そうしないと、パイプラインの断面積が大きすぎることになる。流体が外部導管から柄に流入すると、経路の突然の拡張、流体速度の一部は、渦流れの形成、流体の撹拌、発熱などで消費され、大きな追加の局所的な圧力損失を生み出す。工作機械主軸アセンブリI-3の端部にある貫通穴I-3-1の孔径と同じサイズに等価直径を設定して、流体が柄III-1に入るときの速度変化を減らすことができ、このとき、流速はほぼ一定とみなすことができる。
【0042】
フライスの直径が柄の直径よりも大きいため、カッターの体積が大きくなり、
図21に示すように、冷却媒体の貯蔵空洞III-2-3をエンドミルIII-2の内部に設置し、且つエンドミルIII-2内に、柄III-1内の流入通路III-1-1及び流出通路III-1-6と貫通できる拡張通路III-2-1及び拡張通路III-2-2を設置し、それぞれ第1の流路の拡張通路部及び第2の流路の拡張通路部として、拡張通路III-2-1と拡張通路III-2-2は中心軸に対して対称であり、その底部はすべて貯蔵空洞III-2-3に貫通し、貯蔵空洞III-2-3には一定のテーパーがあり、その下半部にはパイプスレッドIII-2-4が設置され、エンドミルIII-2内には、切削刃先と同数の一方向伝導集熱穴III-2-5も設置され、集熱穴III-2-5は、貯蔵空洞III-2-3の側壁に接続されており、貫通して切削刃先の近くまで外側に伸びている。集熱穴III-2-5の公共性を考慮して、製造するとき、まずエンドミルIII-2の切削刃先から内部貯蔵空洞III-2-3まで貫通する貫通穴を加工し、切削刃先に位置する貫通穴の出口にネジ山を設置し、ネジプラグIII-4をネジ山を介して貫通穴の出口に取り付けると、貫通穴は、貯蔵空洞III-2-3と貫通する集熱穴III-2-5として使用できる。拡張通路III-2-2は、上端面III-2-6の開口部にザグリIII-2-7を備えており、ザグリIII-2-7内にバルブコアを配置すると一方向伝導装置を形成できる。
【0043】
図22にパイププラグの機構の概略図である。
図22に示すように、パイププラグIII-3には、パイプスレッドIII-3-1及び締付け溝III-3-2が含まれる。パイププラグIII-3の形状は、上部が狭く下部が広い、テーパーが設定された円錐台であり、側壁にはパイプスレッドIII-3-1が設置され、パイププラグIII-7の底部には2つの対称的な円形の締め付け溝III-3-2が設置され、締め付け溝III-3-2により、パイププラグIII-3を締めたり緩めたりする。
【0044】
図23に示すように、ディスクフライスIII-2と柄III-1は、ネジIII-6で一体に固定接続され、エンドミルIII-2と柄III-1が組み立てられた後、柄III15内の流入通路III-1-1とエンドミルIII-2内の拡張通路III-2-1が貫通し、流出通路III-1-6と拡張通路III-2-2は貫通し、流出通路III-1-6と拡張通路III-2-2の間のザグリIII-2-7内にバルブコアIII-5が配置され、バルブコアIII-5とザグリIII-2-7は一方向伝導装置を形成し、パイププラグIII-3は、貯蔵空洞III-2-3の底部に取り付けられることにより、貯蔵空洞III-2-3を密閉し、且つパイプスレッドIII-2-4とパイプスレッドIII-3-1を介して互いにねじ込んで接続される。
【0045】
前記カッターアセンブリIIIの動作プロセスを
図24に示すように、冷却媒体供給・放熱装置の入力管は媒体流入口I-1-3に接続され、戻り管は媒体流出口I-1-4に接続され、固定リングI-1は、工作機械主軸アセンブリI-3の端部にあるエンドキャップI-3-6に接続され、固定され、工作機械主軸アセンブリI-3の主軸I-3-7は、固定リングI-1に対して回転し、流入ガイド溝I-1-5と流出ガイド溝I-1-6は、同じ平面内であり、互いに独立し、主軸I-3-7の回転中に、貫通穴I-3-1と貫通穴I-3-2を、それぞれ流入ガイド溝I-1-5と流出ガイド溝I-1-6に周期的に貫通させる。主軸I-3-7を1回転させると、サイクルの前半で、貫通穴I-3-1は流入ガイド溝I-1-5に貫通し、貫通穴I-3-2は流出ガイド溝I-1-6に貫通し、低温の冷却媒体は、貫通穴I-3-1から流入通路III-1-1及び拡張通路III-2-1を順番に流れ、貯蔵空洞III-2-3に入り、次に、高温冷却媒体は、拡張通路III-2-2、流出通路III-1-6、貫通穴I-3-2、及び流出ガイド溝I-1-6を通って流出する。サイクルの後半で、貫通穴I-3-2は流入ガイド溝I-1-5に貫通し、貫通穴I-3-1は流出ガイド溝I-1-6に貫通し、低温の冷却媒体が貫通穴I-3-2から流出通路III-1-6を通過し、ザグリIII-2-7に入った後、バルブコアIII-5は、それ自体の重力と冷却媒体の圧力の下で拡張通路III-2-2をブロックし、媒体の流れを妨げ、一方向伝導装置を形成する。エンドミルと柄内に設置された流体通路が長すぎるため、一方向伝導装置が設置されていない場合、単位体積の冷却媒体が貫通穴I-3-1から流入して貫通穴I-3-2から流出する時間は、主軸が半回転するのに必要な時間より大きい場合、主軸回転の後半で、該単位冷却媒体が柄の流体通路内に逆流し、熱を効果的に伝達できなくなる。主軸の1回転中、前半では、媒体が流れて放熱し、後半では、通路が遮断され、媒体が流れず、このように繰り返す。冷却媒体の循環中、貯蔵空洞III-2-3と集熱穴III-2-5内の冷却媒体は、対流熱交換を継続的に行う。
【0046】
工作機械の既存の注入式冷却装置と組み合わせると、媒体供給及び切り替え装置IVを介して2つの冷却方法を切り替えることができる。
【0047】
前記媒体供給及び切り替え装置は、切削液供給機構IV-5、クーラント供給機構IV-1、及びスイッチングバルブグループを含む。
【0048】
前記スイッチングバルブグループには、2位置2方向電磁弁3、3位置3方向電磁弁1、及び3位置3方向電磁弁2が含まれる。
【0049】
前記切削液供給機構は、切削液貯蔵タンク21を含み、前記切削液貯蔵タンクの出口は、パイプラインを介して切削液ポンプ22の入口に接続され、切削液ポンプの出口は、パイプラインを介して2位置2方向電磁弁3の片側インターフェースに接続され、切削液ポンプと2位置2方向電磁弁との間のパイプラインには、圧力調整弁23及び絞り弁24が順次設置され、2位置2方向電磁弁の他側インターフェースは、パイプラインを介してノズル27に接続される。前記絞り弁と圧力調整弁との間のパイプラインにはオーバフローパイプが接続され、オーバフローパイプに溢出弁25が取り付けられ、オーバフローパイプの端部は切削液回収タンク26と連通する。
【0050】
前記クーラント供給機構は、クーラント貯蔵タンク4を含み、前記クーラント貯蔵タンクの出口は、パイプラインを介して媒体ポンプ5の入口に接続され、媒体ポンプの出口は、パイプラインを介して3位置3方向電磁弁1の片側のインターフェースに接続され、また、接続パイプラインには、圧力調整弁6と絞り弁7が順番に取り付けられ、絞り弁と圧力調整弁との間のパイプラインにはオーバフローパイプが接続され、オーバフローパイプに溢出弁8が取り付けられ、前記オーバフローパイプの端部はクーラント回収タンク9と連通する。3位置3方向電磁弁1の該側のもう一方のインターフェースは濾過器に接続される。3位置3方向電磁弁1の他側のインターフェースは、パイプラインを介して固定リングの媒体流入口に接続されている。
【0051】
前記固定リングの媒体流出口は、パイプラインを介して3位置3方向電磁弁2の片側のインターフェースに接続され、3位置3方向電磁弁2の他側のインターフェース放熱装置IV-2に接続され、前記放熱装置はラジエーターを採用し、3位置3方向電磁弁2のインターフェースはラジエーターの入口に接続され、ラジエーターの出口は、パイプラインを介してクーラント回収タンクに接続される。
【0052】
3位置3方向電磁弁2の他側のもう一方のインターフェースは、パイプラインを介して媒体回収装置IV-3に接続され、前記媒体回収装置には真空発生器が含まれ、3位置3方向電磁弁2のインターフェースは真空発生器12の入口に接続され、真空発生器の出口は、パイプラインを介してクーラント回収タンクに接続される。
【0053】
前記真空発生器は圧縮空気発生装置IV-4に接続され、圧縮空気発生装置は、真空発生器を作動させるために使用される。
【0054】
前記圧縮空気発生装置は、空気圧縮機13を含み、前記空気圧縮機は、パイプラインを介してガス貯蔵タンク15の入口に接続され、且つ空気圧縮機とガス貯蔵タンクとの間に濾過器14が設置され、前記ガス貯蔵タンクには、ガス貯蔵タンク内の空気圧を検出するための圧力計16が取り付けられる。前記ガス貯蔵タンクの出口は、パイプラインを介して真空発生器に接続され、且つガス貯蔵タンクと真空発生器12との間のパイプラインに圧力調整弁17及び絞り弁18が設置され、前記圧力調整弁17と絞り弁18との間のパイプラインは、オーバフローパイプに接続され、溢水管の端部は、圧縮空気回収タンク20と連通し、溢水管に溢出弁19が取り付けられる。
【0055】
媒体供給及び切り替え装置の動作原理は次のとおりである。
【0056】
クーラントをカッターアセンブリに注入して循環放熱を行う冷却方法で動作する場合、KM2が電力を得て、3位置3方向電磁弁1が左位相に当たる場合、KM4が通電し、3位置3方向電磁弁2が左位相に当たる場合、クーラント供給機構IV-1は、クーラントをカッターアセンブリII(カッターアセンブリIII)にポンプで送り込み、熱を吸収し、その中で、対流熱交換が実行され、より高温のクーラントを交換し、交換されたクーラントは、放熱装置IV-2に流れ込み放熱冷却を行って及び次の放熱サイクルを準備する。該冷却方法の動作が終了すると、クーラント供給機構IV-1はクーラントのポンピングを停止し、KM2、KM4は電力を失い、KM1、KM3は電力を取得し、3位置3方向電磁弁1、3位置3方向電磁弁2が右位相に当たる場合、カッターアセンブリII(カッターアセンブリIII)のクーラント入口端は大気と連通し、出力端は媒体回収装置IV-3と連通し、パイプライン内の残留凝縮液を回収して、カッター交換プロセス中にパイプライン内のクーラントが主軸位置から流出して加工プロセスに影響を与えるのを防ぐ。回収が完了すると、KM1とKM5は電力を失い、3位置3方向電磁弁1と2は中間位相に戻る。媒体回収装置IV-3は圧縮空気発生装置IV-4によって駆動されて負圧効果を生み出し、パイプライン内の媒体を回収タンクに吸い込む。回収プロセス中、カッターアセンブリII(カッターアセンブリIII)のクーラント入口端はエアフィルター11を介して大気に連通し、負圧の作用下でほこり等の不純物をパイプラインに吸い込むのを防ぐ。
【0057】
工作機械の既存の注入式冷却方法で動作する場合、KM5が通電し、2位置2方向電磁弁3がオンになり、切削液供給機構IV-4は、切削液をノズル27に送り、切削領域を冷却する。該冷却方法の動作が終了すると、切削液供給装置IV-4は動作を停止し、KM7は電力を失い、2位置2方向電磁弁3は初期位相に戻る。
【0058】
媒体供給及び切り替え装置IVのトリガー方法には、アクティブトリガーとパッシブトリガーの2つのトリガーモードがある。
(一)アクティブトリガー
あらかじめ設定されたワークピース加工プログラムにより制御する。ワークピースの構造や加工条件に応じて、必要なカッターや各工程の冷却方法を設定し、対応する工程に達すると、プログラム制御により自動的に切り替わる。
(二)パッシブトリガー
切削データ取得装置Vを設定して、切削プロセスのさまざまなパラメータをリアルタイムで分析し、対応するパラメータが設定されたしきい値を超える場合、媒体供給及び切り替え装置IVをトリガーして、冷却方法を切り替える。ワークピース切削工程の各項パラメータは、最終的に切削力の大きさに反映されるため、切削力のデータを収集することで各項パラメータを分析できる。
【0059】
前記データ取得装置Vは、ひずみゲージV-1、無線伝送装置V-2、コイルV-3、及び磁石V-4を含む。
【0060】
ワークピースを加工するプロセス中に、工作機械の主軸は、柄の端部にある円錐面と主軸のテーパー穴の内側面との間の摩擦力と、主軸の端部に取り付けられた伝送キーを使用してトルクを柄に伝達し、カッターを駆動してワークピースを切削する。柄の端部の円錐面と主軸のテーパー穴の内側面との間の摩擦力は、一般に一定の値である。本出願では、伝送キーI-2-5は、伝送キーベースI-2-6を介してシーリングフランジI-2に接続され、一体に結合され、伝送キーI-2-5がトルクを柄に伝達するプロセス中に、
図26に示すような変形が発生し、一方の側が引き伸ばされ、もう一方の側が圧縮される。任意の伝送キーI-2-5の両側にひずみゲージを設置してその変形量を測定することで、単一の伝送キーI-2-5にかかる力の大きさを求めることができ、摩擦力とさらに統合することで、対応する切削力の大きさを得ることができる。
【0061】
ある種類の材料の抵抗については、次の式で計算でき
ここで、Lは長さ、rは材料の断面の半径、ρは材料の抵抗率である。
【0062】
導体が何らかの理由で変形した場合、その長さL、断面積A、抵抗率ρの変化はdL、dA、dρであり、対応する抵抗変化はdRである。上記の式の全微分から、得られる抵抗変化率
は
であり、
は導体材料の軸方向ひずみであり、
は導体材料の横方向ひずみである。
【0063】
材料力学から、ε
r=-με
L、ε
rは導体材料の横方向ひずみ、ε
Lは導体材料の軸方向ひずみ、μは材料のポアソン比である。整理して
を得る。
【0064】
抵抗ひずみ効果は主に材料の幾何学的ひずみに依存するが、変形量が比較的小さい場合、抵抗率の変化の影響は無視でき、即ち
【0065】
図27に示す回路に従って、伝送キーI-2-5の両側にある4つのひずみゲージV-1を接続し、同じ側の2つのひずみゲージを反対側のブリッジアームに接続し、電圧U
0の大きさは
であり、
R
1 = R
2 = R
3 = R
4、且つ
と仮定すると、
変形変数と電圧の関係
が得られ
アナログ電圧U
0を、無線伝送装置V-2を介して工作機械の制御システムに送信してデータ分析を行って現在の切削力の大きさを取得する。
【0066】
前記無線伝送装置V-2は工作機械の主軸の端部位置に取り付けられており、その組立図を
図28に示すように、無線伝送装置V-2の取付穴は、シーリングフランジアセンブリI-2の取付穴I-2-7に対応し、ネジI-4を介してシーリングフランジアセンブリI-2とともに回転軸I-3-7に固定接続されている。無線伝送装置V-2は、インターネットやBluetoothなどの無線技術を使用して送信でき、現在、成熟した技術であり、すべてが完全な動作モジュールを備えて直接使用でき、その動作原理をさらに詳細に説明しない。
【0067】
前記ひずみゲージV-1と無線伝送装置V-2は、工作機械の主軸の回転を利用して自己エネルギー供給を実現する。
図29に示すように、上部フランジI-2-1の外周面に均一に分布するコイルV-3が設置され、固定リングI-1の2つのボスI-1-7の内側面にそれぞれ磁石V-4が設置され、コイルV-3と磁石V-4は、接着剤接続の方法で上部フランジI-2-1の外周面とボスI-1-7の内側面に固定できる。主軸が回転すると、固定リングI-1は固定されたままになり、シーリングフランジアセンブリI-2は主軸とともに固定リングI-1に対して回転し、このとき、コイルV-3も磁石V-4に対して回転し、コイルV-3の磁束が変化すると起電力が発生し、発生した起電力を利用して、ひずみゲージV-1と無線伝送装置V-2に電力を供給する。コイルV-3の間には導線で直列に接続され、コイルV-3の巻数と数は、工作機械主軸の最低速度ひずみゲージV-1と無線伝送装置V-2が必要とする最小電圧に応じて決定できる。
【0068】
工作機械の制御システムは、無線伝送装置V-2から送信された情報を受信した後、データ処理とデジタルからアナログへの変換を行い、リアルタイムの切削力を取得する。切削力の大きさを通して、加工プロセスのさまざまなパラメータを分析する。パッシブトリガーモードでは、温度をしきい値設定パラメータとして使用し、さまざまなしきい値範囲内でさまざまな冷却方法に調整する。
【0069】
逃げ面の熱源を無視する場合、切削領域には2つの主要な熱源があり、1つはせん断領域にあり、もう1つはくず接触領域にあり、近似的な条件下で、次の仮定を行うことができる。1つ目は、せん断領域とくず接触領域で消費されるすべてのエネルギーが熱エネルギーに変換される。2つ目は、せん断領域とくず接触領域のエネルギーをそれぞれ1つの平面に集中する。3つ目は、せん断領域とくず接触領域のエネルギー集中平面でのエネルギー分布が均一である、つまり熱流束密度が変化しないことである。せん断領域で発生した熱の一部は、切りくずに流れ込み、一部は、ワークピースに流れ込み、カッターとくずの接触領域で発生した熱も一部は、切りくずに流れ込み、一部はカッターに流れ込み、チップ形成の過程で周囲の環境に熱が伝達されない、即ち断熱プロセスであると仮定すると、せん断領域で発生する熱がチップに流れ込む比率はRS-C、カッターとチップの接触領域で発生する熱がチップに流れ込む比率はRT-Cであると設定できる。
【0070】
せん断面の塑性変形電力が完全に熱に変換されると仮定すると、単位時間あたりに発生する熱Q
Sは
【0071】
すくい面の切りくず摩擦によって発生する熱Q
Tは
であり、
熱がカッターに導入された後、その温度は
であり、
【0072】
【0073】
媒体供給及び切り替え装置IVの冷却方法切り替えプロセスとデータ取得装置Vとの間の関係を
図30に示す。データ取得装置Vは、収集したアナログ量をデータ処理のために制御センターに送信して現在の切削力の大きさを取得し、力と熱の関係を変換して現在の切削領域の発熱量を計算し、カッターとワークピースの温度を決定する。冷却方法を切り替える前に、次のような優先関係を設定でき、つまり、内部循環<注入式、異なる冷却方法は異なる温度レベルに対応する。カッターとワークピースの温度を決定した後、温度しきい値を比較し、それが所定のしきい値範囲を超えている場合、つまり、現在の冷却方法ではカッターの温度をしきい値以下に維持するのに十分ではない場合、媒体供給及び切り替え装置IVをトリガーし、冷却方法を切り替え、より高い段階の冷却方法に切り替える。切削熱はカッターだけでなくワークピースにも伝わり、温度が高すぎるとワークピースの材料特性に影響を与える。また、加工プロセスでの送り異常、カッター摩耗、工作機械の故障なども切削力に反映され、それを急激に変化させて加工効率や精度に影響を与える。制御センターは切削力をリアルタイムに監視して比較し、切削力が異常であるか、ワークピースの温度が高すぎる場合、加工効率と精度を制御するために切削パラメータを調整する。
【0074】
上記は図面を参照しながら本発明の発明を実施するための形態を説明したが、本発明の保護の範囲を限定するものではないが、当業者は、本発明の技術的解決手段に基づいて、創造的な作業なしに当業者によって行うことができる様々な修正または変形が依然として本発明の保護範囲内にあることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0075】
接続装置I、
カッターアセンブリII
カッターアセンブリIII
媒体供給及び切り替え装置IV
データ取得装置V
固定リングI-1
上端面I-1-1
下端面I-1-2
媒体流入口I-1-3
媒体流出口I-1-4
流入ガイド溝I-1-5
流出ガイド溝I-1-6
ボスI-1-7
取付穴I-1-8
突合せ穴I-1-9
対称面I-1-10
螺旋溝I-1-11
ブロッキング溝I-1-12
シーリングフランジアセンブリI-2
上部フランジI-2-1
下部フランジI-2-2
上部シーリング端面I-2-3
下部シーリング端面I-2-4
伝送キーI-2-5
伝送キーベースI-2-6
取付穴I-2-7
工作機械主軸アセンブリI-3
貫通穴I-3-1
貫通穴I-3-2
キー溝I-3-3
伝送キー取付穴I-3-4
テーパー穴I-3-5
エンドキャップI-3-6
回転軸I-3-7
ハウジングI-3-8
スリップリング取付穴I-3-9
ネジI-4
ネジI-5
ネジI-6
ブロッキングストリップI-7
ガス膜I-9
柄II-1
貯蔵空洞II-1-1
第1の流路II-1-2
第2の流路II-1-3
段付面II-1-4
円錐面II-1-5
キー溝II-1-6
エンドミルII-2
集熱穴II-2-1
面取りII-2-2
締め付けネジII-3
柄III-1
流入通路III-1-1
入口III-1-2
円錐面III-1-3
端面III-1-4
底部端面III-1-5
流出通路III-1-6
出口III-1-7
エンドミルIII-2
拡張通路III-2-1
拡張通路III-2-2
貯蔵空洞III-2-3
パイプスレッドIII-2-4
集熱穴III-2-5
上端面III-2-6
ザグリIII-2-7
パイププラグIII-3
パイプスレッドIII-3-1
締め付け溝III-3-2
パイププラグIII-4
バルブコアIII-5
ネジIII-6
クーラント供給機構IV-1
放熱装置IV-2
媒体回収装置IV-3
圧縮空気発生装置IV-4
切削液供給機構IV-5
2位置2方向電磁弁1
3位置3方向電磁弁2
3位置3方向電磁弁3
クーラント貯蔵タンク4
媒体ポンプ5
圧力調整バルブ6
絞り弁7
溢出弁8
クーラント回収タンク9
放熱器10
濾過器11
真空発生器12
空気圧縮機13
濾過器14
ガス貯蔵タンク15
圧力計16
圧力調整バルブ17
絞り弁18
溢出弁19
圧縮空気回収タンク20
切削液貯蔵タンク21
切削液ポンプ22
圧力調整バルブ23
絞り弁24
溢出弁25
切削液回収タンク26
ノズル27
ひずみゲージV-1
無線伝送装置V-2
コイルV-3
磁石V-4
【手続補正書】
【提出日】2022-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【外国語明細書】