(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177867
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】包装体、及び包装された植物
(51)【国際特許分類】
B65D 85/50 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
B65D85/50 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084268
(22)【出願日】2021-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】506401820
【氏名又は名称】株式会社ジャパンプランツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊崎 重司
【テーマコード(参考)】
3E035
【Fターム(参考)】
3E035AA11
3E035AB04
3E035BA01
3E035BA08
3E035BB02
3E035BC01
3E035BD03
3E035CA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】植物の鮮度を維持可能な包装体を提供する。
【解決手段】包装体100は、植物Pを保管及び輸送する際に使用される。包装体100は、袋10(容器の一例)と、メッシュ体20と、を備える。植物P及びメッシュ体20は、袋10内に収容される。メッシュ体20が、貫通孔21の周縁から延出する繊維部を有することにより、繊維部が毛細管現象により湿気を吸収するため、袋10内を適切な湿度に維持できる。これにより、植物Pの鮮度を維持できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を包装するための包装体であって、
前記植物を収容する容器と、
前記容器内に収容され、気体が流通可能な複数の貫通孔と、前記貫通孔の周縁から延びる吸湿性の繊維部と、を有するメッシュ体と、
を備える包装体。
【請求項2】
前記容器は、袋から成る、
請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記容器内に収容され、不織布から成る調湿材をさらに備える、
請求項1又は2に記載の包装体。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の包装体によって包装された植物。
【請求項5】
前記植物に水分を供給するための水分供給体をさらに備える、
請求項4に記載の包装された植物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を包装するための包装体に関する。本発明は、当該包装体によって包装された植物に関する。
【背景技術】
【0002】
植物は周囲の湿度が必要以上に高くなると鮮度が低下する。したがって、植物の保管時などには、植物の周囲環境の湿度を適切に維持することが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、植物の鮮度を維持可能な包装体を提供することを目的とする。また、本発明は、当該包装体によって包装された植物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(項目1)
植物を包装するための包装体であって、
前記植物を収容する容器と、
前記容器内に収容され、気体が流通可能な複数の貫通孔と、前記貫通孔の周縁から延びる吸湿性の繊維部と、を有するメッシュ体と、
を備える包装体。
【0005】
(項目2)
前記容器は、袋から成る、
項目1に記載の包装体。
【0006】
(項目3)
前記容器内に収容され、不織布から成る調湿材をさらに備える、
項目1又は2に記載の包装体。
【0007】
(項目4)
項目1から3のいずれか1項に記載の包装体によって包装された植物。
【0008】
(項目5)
前記植物に水分を供給するための水分供給体をさらに備える、
項目4に記載の包装された植物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の包装体では、メッシュ体の繊維部が湿気を吸収するため、包装体内を適切な湿度に維持でき、これにより、植物の鮮度を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】(a)メッシュ体の平面図、(b)メッシュ体の正面図、(c)メッシュ体の底面図、(d)メッシュ体の貫通孔付近の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<1 包装体及び包装された植物>
まず、本発明の包装体100及び包装体100を使用して包装された植物Pについて図面を参照しつつ説明する。
【0012】
[1-1 包装体の構成]
包装体100は、例えば植物Pを保管及び輸送する際に、植物Pを包装するために使用される。
図1に示すように、包装体100は、袋10(容器の一例)と、メッシュ体20と、を備える。植物P及びメッシュ体20は、袋10内に収容される。
【0013】
袋10は、例えば気体非透過性材料から成り、柔軟性を有する。気体非透過性材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックが挙げられる。袋10は、好ましくは透明である。袋10は、少なくとも植物Pの花(花を咲かせる植物の場合)及び葉を収容できる大きさを有し、好ましくは植物P全体を収容できる大きさを有する。袋10は、その端部に、植物P及びメッシュ体20を内部に入れるための開口部11を有する。
【0014】
次に、
図1及び
図2を参照して、メッシュ体20について説明する。メッシュ体20は、複数の貫通孔21が設けられたシート状のメッシュ素材から成る。メッシュ体20は、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のプラスチック製であり、好ましくは透明である。一実施形態では、メッシュ体20は、袋10の半分程度の大きさであり、上端及び下端が開口すると共に、植物Pの花及び葉の周囲を覆っている。貫通孔21は、気体(主には、酸素、二酸化炭素、水蒸気)が通過可能な大きさを有する。
【0015】
図2(d)に示すように、貫通孔21の周縁からは、貫通孔21を設ける際の穴開け加工によって形成された複数の繊維部が延出している。この繊維部は、毛細管現象により袋10内の湿気を吸収し、袋10内の湿度を調整する。
【0016】
図3に示すように、袋10内に植物P及びメッシュ体20を入れた後、袋10の開口部11を閉じることにより、包装体100によって包装された植物Pが得られる。袋10の開口部11を閉じる方法としては、例えば、袋10を、ゴムや紐などの固定部材30で縛る方法や、袋10の開口部11を接着する方法(例えば、熱圧着)が挙げられる。袋10の開口部11を閉じると、袋10は密閉され、外気は袋10内にほとんど又は全く侵入しない。なお、植物P及びメッシュ体20は袋10内に完全に収容されていることが好ましいが、植物Pの茎及びメッシュ体20が袋10内からはみ出ていたとしても問題ない。
【0017】
[1-2 包装体及び包装された植物の特徴]
メッシュ体20が、貫通孔21の周縁から延出する繊維部を有することにより、繊維部が毛細管現象により湿気を吸収するため、袋10内を適切な湿度に維持できる。これにより、植物Pの鮮度を維持できる。
【0018】
また、メッシュ体20の繊維部によって袋10内の湿気を吸収できることにより、袋10の内面が湿気によって曇ることを防止できる。これにより、袋10内の植物Pの、外部からの視認性を維持できる。
【0019】
<2 変形例>
上記実施形態は、本発明の好ましい一具体例を示すものである。本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明は、例えば以下の変形例を採用することができる。以下に示す変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0020】
(2-1)容器は、袋10に限定されず、例えば段ボールなどであってもよい。
【0021】
(2-2)メッシュ体20は、複数枚重ねられて使用されてもよい。
【0022】
(2-3)
図4に示すように、包装体100は、袋10内に、調湿材40をさらに備えていてもよい。調湿材40は、例えば吸湿性の不織布から成る。包装体100が調湿材40を備えていることにより、袋10内の湿度の調整をより効果的に行うことができる。
【0023】
(2-4)
図5に示すように、包装された植物Pは、植物Pに水分を供給するための水分供給材50をさらに備えていてもよい。これにより、植物Pの鮮度をさらに長時間にわたって維持できる。水分供給材50は、植物Pの茎又は根と接触するように配置される。水分供給材50としては、水で湿らせたシート、ゼリー状の水、又は水が入った袋などを利用することができる。水分供給材50は、植物Pに栄養を与える栄養素を含んでいてもよい。
【符号の説明】
【0024】
100 包装体
10 袋(容器)
20 メッシュ体
21 貫通孔
40 調湿材
50 水分供給材
P 植物