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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177977
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20221125BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20221125BHJP
   F25B 30/02 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
F25B1/00 341C
F25B1/00 399Y
F25B49/02 570D
F25B1/00 341S
F25B1/00 361D
F25B1/00 371B
F25B30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084431
(22)【出願日】2021-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 晋也
(72)【発明者】
【氏名】須賀 徹
(57)【要約】
【課題】熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置における既存の温度センサを用いることで、圧縮機の吐出温度を検出する温度センサの脱落をより確実に検知可能な熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置を提供する。
【解決手段】熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置1は、圧縮機11、第一熱交換器13、膨張弁15、および第二熱交換器16を有する冷凍サイクル5と、利用側機器27と、冷凍サイクル5の第一熱交換器13と利用側機器27とを接続して熱媒体を循環させる熱媒体流路58と、圧縮機11の吐出側の配管に設けられて吐出温度を検出する吐出温度センサ42と、第一熱交換器13から流出する熱交換後の冷媒温度を検出する冷媒出口側温度センサ43と、圧縮機11が起動してから所定の待機時間が経過した後に、吐出温度から熱交換後の冷媒温度を引いた差が所定の温度値より小さい場合には、圧縮機11の吐出側の配管から吐出温度センサ42が脱落したと判断して圧縮機11を停止させる制御部29と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、第一熱交換器、絞り装置、および第二熱交換器を有する冷凍サイクルと、
利用側機器と、
前記冷凍サイクルの前記第一熱交換器と前記利用側機器とを接続して熱媒体を循環させる媒体流路と、
前記圧縮機の吐出側の配管に設けられて吐出温度を検出する吐出温度センサと、
前記第一熱交換器から流出する熱交換後の冷媒の温度を検出する第一熱交換器出口側温度センサと、
前記圧縮機が起動してから所定の待機時間が経過した後に、前記吐出温度から前記熱交換後の冷媒温度を引いた差が所定の温度値より小さい場合には、前記圧縮機を停止させる制御部と、を備える熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置。
【請求項2】
前記圧縮機が起動してから所定の待機時間が経過した後に、前記吐出温度から前記熱交換後の冷媒温度を引いた差が所定の温度値より小さい場合には、音および光の少なくともいずれかでエラーを報知する報知器を備える請求項1に記載の熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置。
【請求項3】
前記圧縮機の停止後は、前記圧縮機の再始動を禁じる請求項1または2に記載の熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記吐出温度センサの検出した吐出温度が所定値以上の場合、前記圧縮機を停止させる請求項1から3のいずれか1項に記載の熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置。
【請求項5】
さらに前記圧縮機を可変速駆動するインバータ装置を備え、
前記制御部は、前記吐出温度センサの検出した吐出温度が所定値以上の場合、前記インバータ装置の出力周波数を低下させる請求項1から3のいずれか1項に記載の熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置。
【請求項6】
前記所定の温度値は、負の値である請求項1から5のいずれか1項に記載の熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートポンプ式冷凍サイクルを備えた冷凍装置では、圧縮機の吐出圧力が所定値以上の高圧になると圧縮機等の冷凍サイクル部品が故障する虞がある。そこで、圧縮機の吐出圧力を圧力センサで検出して、事前に圧縮機を停止させる。しかしながら、圧力センサは高価で、かつ冷凍サイクル中に接続する必要があり、製造性が悪く、サイクル構成が複雑化する。そこで、温度応答遅れによる若干の時間の遅れは有するが、基本的に圧縮機の吐出圧力と略比例関係にある圧縮機の吐出温度が所定温度以上になると、圧縮機の吐出圧力が異常上昇したと判断して圧縮機の運転を停止させる冷凍装置が知られている。このような冷凍装置では、一般的に圧縮機の吐出温度は、圧縮機の吐出管に取り付けられたサーミスタ等の吐出温度センサによって検出される。ところが、吐出温度センサは、円筒形の吐出管の外周に、取付け・取外しができ、吐出管から熱伝導可能なようにクリップなどで機械的に固定される。このため、振動や外乱によってこの温度センサが吐出管から脱落するおそれがある。センサが吐出管から脱落すると、圧縮機の吐出温度が検出できず、正しい異常高圧状態の判定ができなくなる。このため、吐出温度センサの脱落の有無を判定する冷凍装置の異常処理手段を設けることが考えられている。この異常処理手段としては、圧縮機の起動時の吐出温度センサの検出値と起動後所定時間経過時の吐出温度センサの検出値との差異が所定温度以下の場合には、吐出温度センサの脱落状態を検知し、冷凍装置を異常停止させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-99543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の冷凍装置は、吐出温度センサの検出値やその時間変化によって、吐出温度センサの脱落状態を検知する。しかしながら、吐出温度センサが脱落した場合、吐出温度センサは圧縮機の近傍に落下する。このため、吐出温度センサの検出温度は圧縮機の運転による圧縮機表面の温度上昇の影響を受ける。そのため、吐出温度センサが脱落していても、圧縮機の温度上昇によって吐出温度センサの検出温度は上昇し、圧縮機起動前の吐出温度センサの雰囲気温度、つまり外気温や吐出温度センサの脱落位置、圧縮機の温度上昇の状況によっては、吐出温度センサの脱落を検知できず、冷凍サイクル部品の故障を招く虞があった。
【0005】
そこで、本発明は、熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置における既存の温度センサを用いることで、圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度センサの脱落をより確実に検知可能な熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置は、圧縮機、第一熱交換器、絞り装置、および第二熱交換器を有する冷凍サイクルと、利用側機器と、前記冷凍サイクルの前記第一熱交換器と前記利用側機器とを接続して熱媒体を循環させる媒体流路と、前記圧縮機の吐出側の配管に設けられて吐出温度を検出する吐出温度センサと、前記第一熱交換器から流出する熱交換後の冷媒の温度を検出する第一熱交換器出口側温度センサと、前記圧縮機が起動してから所定の待機時間が経過した後に、前記吐出温度から前記熱交換後の冷媒温度を引いた差が所定の温度値より小さい場合、前記圧縮機を停止させる制御部と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置のブロック図。
図2】本発明の実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置のTH線図。
図3】本発明の実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置の起動前後から安定運転直前までの温度推移の一例を示すグラフ。
図4】本発明の実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置の起動前後から安定運転直前までの温度推移の他の例を示すグラフ。
図5】本発明の実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置が実行する吐出温度センサが関係する制御フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置の実施形態について図1から図5を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には同一の符号が付されている。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置のブロック図である。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置1は、循環する冷媒と外気との間で熱交換を行い、かつ循環する冷媒と循環する熱媒体との間で熱交換を行う熱源ユニット2と、熱源ユニット2によって暖められた熱媒体を循環させて利用する負荷ユニット3と、を備えている。
【0011】
なお、以下の説明では、熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置1を単に「ヒートポンプ装置1」と記載する。
【0012】
熱源ユニット2は、冷凍サイクル5を備えている。冷凍サイクル5は、圧縮機11と、四方弁12と、第一熱交換器13と、絞り装置としての膨張弁15と、第二熱交換器16と、圧縮機11、四方弁12、第一熱交換器13、膨張弁15、および第二熱交換器16を順次に接続する冷媒配管17と、を備えている。冷凍サイクル5は、冷媒配管17を介して圧縮機11、四方弁12、第一熱交換器13、膨張弁15、および第二熱交換器16に冷媒を循環させる。冷凍サイクル5を循環する冷媒は、例えばR410A、またはR32である。
【0013】
冷凍サイクル5は、熱媒体を加熱する場合には、第一熱交換器13が凝縮器として機能し、第二熱交換器16が蒸発器として機能するよう、冷媒配管17を流れる冷媒の流通方向を設定する。すなわち、冷凍サイクル5は、圧縮機11、四方弁12、第一熱交換器13、膨張弁15、第一熱交換器13、四方弁12、および圧縮機11の順に冷媒が循環するよう、四方弁12を切替える。
【0014】
圧縮機11は、高圧容器と、高圧容器に収容される圧縮機構と、高圧容器に収容されて圧縮機構を駆動するDCブラシレスモータと、を備えている。圧縮機11は、圧縮機構で冷媒を圧縮して昇圧し、高温高圧状態の冷媒を吐出する。圧縮機11は、公知のインバータ制御によって運転周波数を変更できる。圧縮機11の回転数を上げることで、高温部分へ移動する熱量が増加し、回転数を下げることで、高温部分へ移動する熱量が低下する。
【0015】
第一熱交換器13は、水熱交換器とも呼ばれる。第一熱交換器13は、熱源ユニット2を循環する冷媒と負荷ユニット3を循環する熱媒体との間で熱交換を行う。
【0016】
膨張弁15は、例えば電子膨張弁(Pulse Motor Valve:PMV)である。膨張弁15の開度は、冷凍サイクルの状態に応じて調節される。膨張弁15は、第一熱交換器13と第二熱交換器16との間の冷媒配管17に直列に設けられている。膨張弁15は、冷媒を減圧して低温低圧状態の冷媒を流出させる。
【0017】
第二熱交換器16は、空気熱交換器とも呼ばれる。第二熱交換器16は、冷媒配管17内の冷媒と第二熱交換器16の雰囲気、通常は外気との間で熱交換を行う。
【0018】
また、熱源ユニット2は、第二熱交換器16の近傍に設置されて第二熱交換器16側から空気を吸い込み、第二熱交換器16で熱交換された後の外気を吹き出す送風ファン21と、冷凍サイクル5の各部の温度を検出する複数の温度センサと、商用交流電源Eに接続されて圧縮機11のDCブラシレスモータを可変速駆動する三相インバータ装置25と、ユーザによる操作を受け付ける入力装置であるコントローラ26と、熱源ユニット2および利用側機器27の運転条件としての設定の内容と運転状態とを表示する表示部28と、コントローラ26の操作に基づいて熱源ユニット2の運転および利用側機器27の運転を制御する制御部29と、を備えている。
【0019】
各部に設けられる複数の温度センサは、圧縮機11の吸込側の冷媒配管17に設けられて圧縮機11に吸い込まれる冷媒の温度TSを検出する吸込温度センサ41と、従来と同様に圧縮機11の吐出側の冷媒配管17に取付け、取外し可能なようにクリップなどで取付けられて圧縮機11から吐出される冷媒の温度TDを検出する吐出温度センサ42と、冷媒配管17に設けられて第一熱交換器13から流出する熱交換後の冷媒の温度TC(凝縮温度)を検出する冷媒出口側温度センサ43と、第二熱交換器16に設けられて第二熱交換器16を流通する冷媒の温度TE(蒸発温度)を検出する冷媒温度センサ45と、外気温TOを検出する外気温度センサ46と、を含んでいる。
【0020】
外気温度センサ46は、第二熱交換器16に設けられている。外気温度センサ46は、正確な外気温を検出するために、送風ファン21の送風方向において第二熱交換器16の上流側に配置されている。
【0021】
なお、熱源ユニット2は、冷凍サイクル5を循環する冷媒の圧力を検出する圧力センサは備えられていない。
【0022】
負荷ユニット3は、負荷ユニット3と熱源ユニット2とで共有する第一熱交換器13と、利用側機器、例えば温水タンク51と、温水タンク51内の液体(湯)と第一熱交換器13で熱交換された後の熱媒体との間で熱交換を行う利用側熱交換器52と、を備えている。
【0023】
熱媒体回路は閉回路である。熱媒体回路は、熱媒体を循環させる循環ポンプ53、熱媒体の循環流量を一定に保つ定流量弁55、熱媒体の逆流を防ぐ逆止弁56、温水タンク51、流量計57、および第一熱交換器13を接続して熱媒体としての水を循環させる熱媒体流路58を備えている。熱媒体は、一般的に水であるが、凍結防止のために不凍液を用いても良い。
【0024】
ヒートポンプ装置1のユーザは、コントローラ26から負荷ユニット3で所望する設定温度を入力する。熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置1は、負荷ユニット3において外部に利用する温水タンク51内の温水等の液体を常に高温に維持するために用いられる。このため、コントローラ26において設定される熱媒体の設定温度は、温水利用側の要望によって決められる。この設定温度は、例えば40℃~60℃であり、暖房を目的とした空調機の設定温度よりも高温となる。
【0025】
循環ポンプ53は、運転により第一熱交換器13と利用側機器27との間で熱媒体を循環させる。なお、循環ポンプ53、定流量弁55と、逆止弁56、および流量計57は、負荷ユニット3側の熱媒体流路58に設けられていても良いし、熱源ユニット2側の熱媒体流路58に設けられていても良い。冷媒配管17を循環する冷媒が熱媒体流路58を循環する熱媒体より高温であれば、熱媒体は、第一熱交換器13で加熱され、利用側熱交換器52(放熱器)で温水タンク51内の水を加熱し、放熱して第一熱交換器13に返送される。
【0026】
熱媒体流路58は、配管継手59、59を備えている。これら配管継手59、59は、熱源ユニット2と負荷ユニット3とを着脱可能に接続している。
【0027】
熱源ユニット2は、熱媒体の温度を制御するために、第一熱交換器13の入口側に設けられて第一熱交換器13に流れ込む熱媒体の温度TWIを検出する熱媒体入口温度センサ71と、第一熱交換器13の出口側に設けられて第一熱交換器13から流れ出る熱媒体の温度TWOを検出する熱媒体出口温度センサ72と、を備えている。温度TWIは、第一熱交換器13で冷凍サイクル5の冷媒と熱交換を行う以前の熱媒体の温度(戻り水温度)であり、温度TWOは、第一熱交換器13で冷凍サイクル5の冷媒と熱交換を行った後の熱媒体の温度である。
【0028】
負荷ユニット3は、熱媒体流路58を循環する熱媒体の流量を検出する流量計57を備えていても良い。なお、熱媒体の循環流量は、流量計57で検出する他に、循環ポンプ53の回転数に対応して予め記憶される流量であっても良いし、手動入力で設定される流量であっても良いし、推定した流量で運転している最中に変化が生じたら補正される補正値であっても良い。
【0029】
制御部29は、プロセッサ、メモリ、およびその周辺回路などのハードウェア資源を備えている。制御部29は、プロセッサが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成されている。
【0030】
また、制御部29は、コントローラ26への入力操作に基づいて熱源ユニット2の運転、および負荷ユニット3の運転を制御する。すなわち、制御部29は、コントローラ26を介するユーザの入力操作に基づいて圧縮機11、インバータ装置25、四方弁12、膨張弁15、および送風ファン21の動作を制御する。
【0031】
さらに、制御部29は、吸込温度センサ41、吐出温度センサ42、冷媒出口側温度センサ43、冷媒温度センサ45、外気温度センサ46、熱媒体入口温度センサ71、および熱媒体出口温度センサ72による各部位の温度の検出値、および検出または算出される熱媒体の循環流量のうちの一つ以上に基づいて、圧縮機11の運転停止やその回転数、四方弁12の方向、膨張弁15の開度、および送風ファン21の運転停止やその回転数を制御する。例えば、熱媒体出口温度センサ72の検出温度とコントローラ26で設定された熱媒体の設定温度との差に応じて圧縮機11の回転数、すなわちインバータ装置25の出力周波数は決定される。また、冷媒出口側温度センサ43の検出温度である凝縮温度は、第一熱交換器等の冷凍サイクル部品が異常高圧になることを防止する等に用いられる。すなわち、冷媒出口側温度センサ43の検出温度である凝縮温度が所定値、例えば65℃、を超えると圧縮機11の回転数を低下させる。
【0032】
なお、冷凍サイクル5は、第一熱交換器13で熱媒体を加熱する運転中に生じた第二熱交換器16に生じた霜を取り除くために、四方弁12によって冷媒配管17を流れる冷媒の流通方向を切替えて除霜運転を実施する。除霜運転を実施する際、ヒートポンプ装置1は、四方弁12を反転させて熱媒体を加熱する冷媒の流れと逆向きの冷媒の流れを冷凍サイクル5に生じさせる。すなわち、冷凍サイクル5は、圧縮機11、四方弁12、第二熱交換器16、膨張弁15、第一熱交換器13、四方弁12、および圧縮機11の順に冷媒を流通させる。この除霜運転中は、第二熱交換器16は凝縮器として機能し、第一熱交換器13は蒸発器として機能する。凝縮器として機能する第二熱交換器16は、表面に付着した霜を溶解する。
【0033】
また、除霜運転が不要な温暖地域向けでは、冷凍サイクル5は、四方弁12を備えていない、水の加熱専用であっても良い。この場合、圧縮機11の吐出側は、冷媒配管17を介して第一熱交換器13に接続され、圧縮機11の吸込側は冷媒配管17を介して第二熱交換器16に接続される。
【0034】
図2は、本発明の実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置の冷凍サイクル5の運転が安定している場合のTH線図である。
【0035】
図2に示すように、本実施形態に係るヒートポンプ装置1の冷凍サイクル5は、熱媒体を暖める場合には、圧縮機11で点Aから点Bへ冷媒を圧縮し、凝縮器としての第一熱交換器13で熱媒体を暖めて点Bから点Cへ冷媒を放熱させ、膨張弁15で点Cから点Dへ冷媒を断熱膨張させ、蒸発器としての第二熱交換器16で点Dから点Aへ冷媒を吸熱させる。
【0036】
この過程で、熱源ユニット2の吸込温度センサ41は点Aにおける冷媒の温度TSを検出し、吐出温度センサ42は点Bにおける冷媒の温度TDを検出し、冷媒出口側温度センサ43は点Cにおける冷媒の温度TCを検出し、冷媒温度センサ45は点Dにおける冷媒の温度TEを検出する。
【0037】
点Bの温度TDは、圧縮機11から吐出された直後の冷媒の温度である。点Bの温度(縦軸)およびエンタルピ(横軸)は、ともに冷凍サイクル5内で最も高い。点Cの温度TCは、第一熱交換器13(つまり、凝縮器であり、水熱交換器である)を通過した後の冷媒の温度である。冷凍サイクル5を循環する冷媒から負荷ユニット3を循環する熱媒体への熱移動によって、点Cの温度およびエンタルピは、点Bの温度およびエンタルピより低い。つまり、冷凍サイクル5の運転が安定している場合には、(温度TD)>(温度TC)の関係が成り立つ。
【0038】
ここで、吐出温度センサ42が脱落すると、吐出温度センサ42が検出する温度TDは、点A’に移動する。点A’の温度、つまり脱落した吐出温度センサ42が検出する温度TDは、圧縮機11から吐出される冷媒の実際の温度ではなく、実質的に外気温に相当する。一般に、外気温は、圧縮機11から吐出された直後の冷媒の温度より低い。したがって、冷凍サイクル5の運転が安定している場合には、(温度TD)<(温度TC)の関係を検知することで、吐出温度センサ42が吐出管から脱落したことを判定できる。したがって、すでに冷凍サイクル5に設けられている温度センサを用いることで安価に吐出温度センサ42の脱落を検出するには、冷媒温度センサ43の検出温度TCを用いることが有効であることが分かる。
【0039】
しかしながら、特に熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置1の場合、冷凍サイクル5の安定時以外、例えば、冷凍サイクル5の起動直後のような過渡期では、(温度TD)<(温度TC)の関係を検知するだけでは、吐出温度センサ42の脱落を誤判定してしまうことがあり、これに対処する必要がある。
【0040】
図3では、横軸の時間は圧縮機の運転開始時を零値として本発明の実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置の起動直前から安定運転直前までの温度推移の一例を示している。
【0041】
図3に示すように、冷凍サイクル5の起動直後では、圧縮機11から吐出された直後の冷媒の温度TDは、第一熱交換器13を通過した後の冷媒の温度TCより低い場合がある(図3中の実線矢印領域F)。つまり、吐出温度センサ42が脱落していても、脱落していなくても、冷凍サイクル5の起動直後の実線矢印領域Fでは、(温度TD)<(温度TC)の温度関係が顕現する。そのような温度関係は、負荷ユニット3を循環する熱媒体の温度が冷凍サイクル5を循環する冷媒の温度より高い状況下で、第一熱交換器13で負荷ユニット3を循環する熱媒体から圧縮機11の起動によって冷凍サイクル5を循環し始める冷媒へ熱が移動して、冷媒が熱媒体に暖められるという熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置1特有の問題である。
【0042】
したがって、冷凍サイクル5の起動直後の実線矢印領域Fにおいて、(温度TD)<(温度TC)の関係を単に検知すると、吐出温度センサ42の脱落を誤判定する場合がある。
【0043】
そこで、本実施形態に係るヒートポンプ装置1の制御部29は、圧縮機11が起動してから所定の待機時間が経過した後に、圧縮機11の吐出側の配管から吐出温度センサ42が脱落したか否かを判断する。そうすることで、制御部29は、吐出温度センサ42が脱落したか否かをより正確に判断できる。
【0044】
図4は、図3と同様に、横軸の時間は圧縮機の運転開始時を零値として本発明の実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置の起動直前から安定運転直前までの温度推移の他の例を示すグラフである。
【0045】
図4に示す例のヒートポンプ装置1は、図3に示す例のヒートポンプ装置1よりも使用温度範囲、つまりヒートポンプ装置1を設置する環境の外気温の範囲が広い。なお、図4に示す例のヒートポンプ装置1は、ヒートポンプ装置1を設置する環境の外気温の範囲が低温側に広い。図4中では、参考に吐出温度センサ42が吐出管から脱落した場合の吐出温度センサ42の検出温度の一例を一点鎖線Gで示している。
【0046】
図3の例と同様に、冷凍サイクル5の起動直後の実線矢印領域Fでは、圧縮機11から吐出された直後の冷媒の温度TDは、第一熱交換器13を通過した後の冷媒の温度TCより低い。
【0047】
そして、上述の熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置特有の誤判定の問題に加えて、図4に示すように、ヒートポンプ装置1を設置する環境によって、(温度TD)<(温度TC)の温度関係が冷凍サイクル5の起動直後に継続する時間が異なることが分かる。図3の例に比べて使用環境の外気温が低温側に広がる図4の例では、実線矢印領域Fが拡大した、つまり(温度TD)<(温度TC)の温度関係の継続時間が長期化した。
【0048】
したがって、ヒートポンプ装置1の使用温度範囲(設置環境の温度条件)や冷凍サイクル5の能力の大小に係わらず、圧縮機11が起動した後の「所定の待機時間」を設定すると、吐出温度センサ42が脱落していても、脱落していなくても、待機時間の経過後に(温度TD)<(温度TC)の関係が検知されて吐出温度センサ42の脱落が誤判定される虞がある。
【0049】
そこで、本実施形態に係るヒートポンプ装置1の制御部29は、圧縮機11が起動してから所定の待機時間が経過した後に、吐出温度TDから熱交換後の冷媒の温度TCを引いた差に基づき圧縮機11の吐出側の配管から吐出温度センサ42が脱落したか否かを判断する。そうすることで、制御部29は、使用温度範囲(設置環境の温度条件)や冷凍サイクル5の能力の大小に係わらず、吐出温度センサ42が脱落したか否かを正確かつ早めに判断することができるようになる。
【0050】
本発明の実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置が実行する吐出温度センサを用いた制御を図5のフローチャートに基づき説明する。以下の説明において、フォローチャート中の各ステップS*をS*で表記する。
【0051】
本実施形態に係るヒートポンプ装置1の制御部29は、吐出温度センサに基づく制御を開始する。まず、制御部29は、圧縮機11を起動すると同時に、圧縮機11の運転時間の計時を開始する。続いて、異常高圧保護のため、吐出温度センサ42の検出温度TDが、高圧異常検出のために設定された判定値、例えば125℃、を超えているか否かが判定される(S0)。検出温度TDが、判定値を超える場合(S0のYES)には、制御部29は、圧縮機11が高圧異常に至っていると判断して、圧縮機11を保護する制御を実行する(S8)。この保護制御は、例えば、駆動するインバータ装置25の出力の周波数を低下させる制御、膨張弁15の開度を開放する制御、または圧縮機11を停止させることを含んだ圧縮機の負荷を低減する種々の制御である。
【0052】
検出温度TDが、判定値を超えない場合には(S0のNO)、圧縮機の運転は継続され、S1以降の吐出温度センサの脱落判定制御に移行する。なお、圧縮機11の高圧異常は、周囲環境による一過性の負荷増大が原因であることが多い。そのため、負荷を低減すれば圧縮機11の運転を継続可能である。また、一旦圧縮機11を停止した後に再始動すれば、周囲環境が変化して異常高圧に至ることなく継続運転可能となる場合もあることから、即座に運転を禁止する必要はない。
【0053】
制御部29は、圧縮機11が起動してから所定の待機時間が経過したか否かを判断する(S1)。S1の判断が否定される場合、つまり圧縮機11が起動してから所定の待機時間が経過していない場合には(S1のNo)、制御部29は、脱落判定タイマの計時を初期化(零値化)して(S2)、吐出温度センサの脱落判定制御を終了し、開始に戻る。脱落判定タイマは、圧縮機11の運転時間を計時するタイマとは別個のタイマである。
【0054】
S1の判断が肯定される場合、つまり圧縮機11が起動してから所定の待機時間が経過した場合には(S1のYes)、制御部29は、吐出温度TDから熱交換後の冷媒の温度TCを引いた差である(吐出温度TD)-(熱交換後の冷媒の温度TC)が所定の温度値より小さいか否かを判断する(S3)。なお、このステップにおける所定の温度値の決定方法については、後述する。
【0055】
S3の判断が否定される場合、つまり(吐出温度TD)-(熱交換後の冷媒の温度TC)≧(所定の温度値)の場合には(S3のNo)、脱落判定タイマの計時を初期化(零値化)して(S2)、最初(S0)に戻る。
【0056】
S3の判断が肯定される場合、つまり(吐出温度TD)-(熱交換後の冷媒の温度TC)<(所定の温度値)の場合には(S3のYes)、制御部29は、脱落判定タイマが所定の誤検知防止時間以上か否かを判断する(S4)。誤検知回避時間は、吐出温度センサ42を含むセンサ類の出力に瞬時のノイズが発生した場合の判断の誤りを防止し、回避するために設定されている。誤検知回避時間は、例えば10秒に設定されている。
【0057】
S4の判断が否定される場合、つまり脱落判定タイマが所定の誤検知防止時間より短い経過時間の場合には(S4のNo)、制御部29は、脱落判定タイマの計時を開始し、または計時を継続して(S5)、最初に戻る。
【0058】
S4の判断が肯定される場合、つまり脱落判定タイマが所定の誤検知防止時間以上の経過時間の場合には(S4のYes)、制御部29は、吐出温度センサ42が脱落しているものと判断し(S6)、すなわち、正常な吐出温度TDの検出が不可能な状態にあると判断して、冷凍サイクル機器を保護するために圧縮機11を停止させてヒートポンプ装置1を停止させ、さらに、表示部28で吐出温度センサ42の脱落の異常を表示して吐出温度センサの脱落判定制御を終了する(S7)。S7の後、サービスマンが吐出温度センサ42の脱落の修理を完了してヒートポンプ装置1をリセットするまで、ヒートポンプ装置1の運転が禁止される。
【0059】
そして、外気温が摂氏2度、かつ吐出温度センサ42を脱落させた状態で圧縮機11を運転すると、圧縮機11が起動してから約1200秒(20分)が経過した後に、圧縮機11から吐出される冷媒の圧力Pdが圧縮機11の使用範囲外に逸脱する虞がある(図3における許容最高圧力Pmax点)。圧力Pmaxは、吐出温度TDの換算としては125℃付近が対応する。外気温が摂氏2度より高くなれば、圧縮機11から吐出される冷媒の圧力Pdは、さらに高くなる。そうすると、圧縮機11から吐出される冷媒の圧力Pdが圧縮機11の使用範囲外に逸脱するまでに要する時間は、より短くなる。
【0060】
また、(温度TD)<(温度TC)が継続する時間は、外気温が摂氏2度の状態で圧縮機11を起動する場合よりも外気温が摂氏マイナス10度の状態で圧縮機11を起動する場合の方が長い(図3図4)。つまり、(温度TD)<(温度TC)が継続する時間、換言すると、圧縮機11の起動後において吐出温度センサ42の脱落を誤って判断する虞がある温度関係が顕現する期間は、外気温が低いほど長期化する。
【0061】
したがって、ステップS1における所定の待機時間は、圧縮機11の起動から1200秒より短く、短時間であることが好ましい一方で、所定の待機時間を極端に短時間に設定してしまうと(温度TD)<(温度TC)の温度関係に基づく吐出温度センサ42の脱落を誤る虞がある。
【0062】
さらに、外気温が摂氏マイナス10度の状態で圧縮機11を起動する場合に、(温度TD)-(温度TC)が最大で約マイナス20度の温度差を有する(図4)。そして、単に(温度TD)<(温度TC)の大小関係を検知して吐出温度センサ42の脱落を判定するよりも、(温度TD)-(温度TC)<(判断マージンM)を検知して吐出温度センサ42の脱落を判定する方が、判定を早期に確定できる。つまり、(温度TD)-(温度TC)<(判断マージンM)における「判断マージンM」は、圧縮機11の起動直後における吐出温度センサ42の脱落の誤判定期間を短縮する効果を奏する(図4中の実線矢印α)。この「判断マージンM」は、図5の制御フローチャートのS3における(温度TD)-(温度TC)の温度差に相当する。
【0063】
そこで、S1における所定の待機時間を、高圧の上昇速度が速い場合を想定して上述の1200秒の2分の1である600秒(10分)に設定する。この600秒の時点において、確実に吐出温度センサの脱落検知を行えるよう、言い換えれば、誤検知を行わないようにS3における所定の温度値、すなわち判断マージンMを設定する必要がある。そこで、外気温が運転可能範囲内で最も低く、温水タンク51内の水温が高い条件下、すなわちコントローラ26で設定された設定温度が最高値に設定されている条件下で圧縮機11の運転を開始してから600秒後の時点における(温度TD)-(温度TC)の温度差よりもわずかに高い値が、所定の温度値に設定される。このような考えに従って、低外気温でも運転可能な熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置1においては、判断マージンMとしてマイナス10度に設定することで、S1における所定の待機時間を短縮し、かつ吐出温度センサ42の脱落の誤判断を回避できることを、発明者らは見出した。ここで、熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置1においては、所定の温度値、すなわち判断マージンMを負の値とする必要があり、このような設定によって、所定の待機時間を短縮し、かつ吐出温度センサ42の脱落の誤判断を回避できる。
【0064】
つまり、S1における所定の待機時間、およびS3における所定の温度値は、冷凍サイクル5の能力、および負荷ユニット3に要求される仕様によって異なるが、所定の待機時間を600秒に設定し、S3における所定の温度値をマイナス10度に設定することで、冷凍サイクル5の能力、および負荷ユニット3に要求される仕様のいずれにも幅広く対応可能であることを、発明者らは確認した。
【0065】
S7およびS8における報知は、表示部28に光でエラーを報知するものに限られず、スピーカーのように音でエラーを報知するものであっても良い。つまり、制御部29は、音および光の少なくともいずれかでエラーを報知する報知器を備えていれば良い。
【0066】
また、制御部29は、圧縮機11の吐出側の配管から吐出温度センサ42が脱落と判断した場合には(S6)、サービスマンが修理して吐出温度センサ42を取り付けて制御部29をリセットするまで圧縮機11の再始動を禁じる。一方、S0において、吐出温度センサ42の検出温度TDが、判定値を超えて圧縮機11を停止した後、所定時間後に自動で圧縮機11を再始動しても良い。この後、短期間で繰り返し複数回、例えば2時間で3回以上の頻度で高圧異常が検出される場合には、以後の圧縮機11の再始動を禁じて、異常報知を行っても良い。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置1は、圧縮機11が起動してから所定の待機時間が経過した後に、吐出温度TDから熱交換後の冷媒温度TCを引いた差が所定の温度値より小さい場合には、圧縮機11の吐出側の配管から吐出温度センサ42が脱落したと判断して圧縮機11を停止させる。そのため、熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置1は、冷凍サイクル5の能力、および負荷ユニット3に要求される仕様のいずれにも幅広く対応し、早期に吐出温度センサ42の脱落の有無を確実に判断できる。また、ヒートポンプ装置1は、吐出温度センサ42の脱落を異常高圧に至る前の早い時期に確実に判断して圧縮機11を停止させることで、圧力センサを設けることなく冷媒の圧力Pdが圧縮機11の使用範囲外に逸脱することを確実に防ぐことができる。
【0068】
また、本実施形態に係る熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置1は、圧縮機11の吐出側の配管から吐出温度センサ42が脱落したと判断した場合には、音および光の少なくともいずれかでエラーを報知する。そのため、ヒートポンプ装置1は、吐出温度センサ42の脱落を早期に確実に判断し、かつ吐出温度センサ42が脱落したことをユーザに容易に認知させることができる。
【0069】
さらに、本実施形態に係るヒートポンプ装置1は、圧縮機11の吐出側の配管から吐出温度センサ42が脱落していると判断した場合には、圧縮機11の再始動を禁じる。そのため、ヒートポンプ装置1は、吐出温度センサ42の脱落を早期に確実に判断し、かつ吐出温度センサ42が脱落したまま圧縮機11を運転して冷媒の圧力Pdが圧縮機11の使用範囲外に逸脱することを確実に防ぐことができる。
【0070】
したがって、本実施形態に係るヒートポンプ装置1は、熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置1における既存の温度センサを用いることで、圧縮機11の吐出温度TDを検出する吐出温度センサ42の脱落をより確実に検知できる。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1…熱媒体循環型加熱ヒートポンプ装置、2…熱源ユニット、3…負荷ユニット、5…冷凍サイクル、11…圧縮機、13…第一熱交換器、15…膨張弁、16…第二熱交換器、17…冷媒配管、21…送風ファン、25…インバータ装置、26…コントローラ、27…利用側機器、28…表示部、29…制御部、41…吸込温度センサ、42…吐出温度センサ、43…冷媒出口側温度センサ、45…冷媒温度センサ、52…利用側熱交換器。
図1
図2
図3
図4
図5