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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178007
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】換気装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/013 20060101AFI20221125BHJP
   F24F 7/10 20060101ALI20221125BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20221125BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20221125BHJP
   E04H 15/02 20060101ALI20221125BHJP
   E04B 1/76 20060101ALI20221125BHJP
   F24F 13/28 20060101ALN20221125BHJP
【FI】
F24F7/013 101F
F24F7/10 Z
F24F7/003
F24F7/06 B
E04H15/02
E04B1/76 200D
F24F13/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084486
(22)【出願日】2021-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】521216382
【氏名又は名称】ユナイテッド・ファクトリアル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】阿部 正洋
【テーマコード(参考)】
2E001
2E141
3L058
【Fターム(参考)】
2E001DB02
2E001NA01
2E141GG11
3L058BF07
3L058BG03
(57)【要約】
【課題】既存の設備に対して容易に後付け可能な、換気装置を提供する。
【解決手段】換気装置10は、室内と室外を隔てる壁の開口部h1に、取り付けられるアタッチメント11と、アタッチメント11に取り付けられ、開口部h1および室内を連通するチャンバ12と、チャンバ12内に配置されるフィルター13と、チャンバ12内に配置され、室外から室内に向けた空気流を生じさせるファン14と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内と室外を隔てる壁の開口部に、取り付けられるアタッチメントと、
前記アタッチメントに取り付けられ、前記開口部および前記室内を連通するチャンバと、
前記チャンバ内に配置されるフィルターと、
前記チャンバ内に配置され、前記室外から前記室内に向けた空気流を生じさせるファンと、を備える、換気装置。
【請求項2】
室内と室外を隔てる壁の開口部に、取り付けられるアタッチメントと、
前記アタッチメントに取り付けられ、前記開口部および前記室内を連通するチャンバと、
前記チャンバ内に配置されるフィルターと、
前記チャンバ内に配置され、前記室内から前記室外に向けた空気流を生じさせるファンと、を備える、換気装置。
【請求項3】
前記アタッチメントは、室外および前記チャンバに連通するダクトと、固定部材と、を含み、
前記ダクトには、フランジが形成されており、
前記フランジと前記固定部材で、前記開口部を囲む壁を挟み込むことで、前記アタッチメントが、前記開口部に取り付けられる、請求項1、または請求項2に記載の換気装置。
【請求項4】
前記アタッチメントが取り付けられる前記開口部を囲む壁は、テントの壁である、請求項3に記載の換気装置。
【請求項5】
前記換気装置を使用しないときには、前記固定部材に換えて、前記アタッチメントの前記ダクトの風路を閉じるキャップが取付け可能に構成されている、請求項3、または請求項4に記載の換気装置。
【請求項6】
前記アタッチメントは中央領域に開口部を有する枠体を含み、
前記枠体が、前記開口部を囲む壁面に取り付けられた状態で、前記枠体の開口部が、前記壁の開口部を包含し、
前記チャンバの一側面は、前記枠体に取り付けられる、または前記枠体で構成される、請求項1、または請求項2に記載の換気装置。
【請求項7】
さらに、前記チャンバ内の空気を加温または冷却する温調器を、備える請求項1から請求項6のいずれかに記載の換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス等の建物内の比較的小さな部屋や、テント等の小スペースの空間内では、換気が重要である。特に、昨今は、新型コロナウィルス等の感染症が問題となっており、潜在的に感染している可能性がある他の人と、同じ小スペース内に長時間留まるのは、感染予防的にも、精神衛生的にも好ましくない。
【0003】
特許文献1に開示された空調換気システムにおいては、建物内に外気を導入する換気装置と、建物内の空気を取り込んで暖気及び冷気を生成するとともにその空調空気を建物内の部屋へと供給する空調装置を備えている。そして、屋内の空気中の異物を検出する検出手段の検出結果に応じて、換気装置による外気導入量と空調装置の供給量を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-138718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の空調換気システムは、装置構成が大がかりであり、設置に手間がかかる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、既存の設備に対して容易に後付け可能な、換気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)室内と室外を隔てる壁の開口部に、取り付けられるアタッチメントと、
前記アタッチメントに取り付けられ、前記開口部および前記室内を連通するチャンバと、
前記チャンバ内に配置されるフィルターと、
前記チャンバ内に配置され、前記室外から前記室内に向けた空気流を生じさせるファンと、を備える、換気装置。
【0009】
(2)室内と室外を隔てる壁の開口部に、取り付けられるアタッチメントと、
前記アタッチメントに取り付けられ、前記開口部および前記室内を連通するチャンバと、
前記チャンバ内に配置されるフィルターと、
前記チャンバ内に配置され、前記室内から前記室外に向けた空気流を生じさせるファンと、を備える、換気装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る換気装置は、室内と室外を隔てる壁の開口部に、取り付けられるアタッチメントと、アタッチメントに取り付けられ、開口部および室内を連通するチャンバと、チャンバ内にフィルターと、室外から室内に向けた空気流を生じさせるファンと、を配置する。
【0011】
また、本発明に係る換気装置は、室内と室外を隔てる壁の開口部に、取り付けられるアタッチメントと、アタッチメントに取り付けられ、開口部および室内を連通するチャンバと、チャンバ内にフィルターと、室内から室外に向けた空気流を生じさせるファンと、を配置する。これにより、既存の設備に対して容易に後付け可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る換気装置が取り付けられたテントを示す概略図である。
図2図1で用いたアタッチメントの構造を示す断面図である。
図3】換気装置の構造を示す概略図である。
図4】第2の実施形態に係る換気装置が取り付けられた建物を示す概略図である。
図5】変形例に係る換気装置の構造を示す断面図、および正面図である。
図6】アタッチメントのみを示した模式図である。
図7】第3の実施形態に係る換気装置の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。また図面において
は、上下方向をZ方向、換気装置10が取り付けられる壁の正面方向をX方向(水平)、および、これらのX、Z方向に直交する方向をY方向(水平)とする。
【0014】
図1は、第1の実施形態に係る換気装置10が取り付けられたテント50を示す概略図である。
【0015】
図1に示すようにテント50は、可撓性のシート状の膜からなるテント本体51、ポール(図示せず)、等から構成される。なお、テント本体51は、避難所等として用いられる体育館等の建物の内部に並べて配置されて用いられてもよく、屋外に独立して設置されてもよい。また屋外に配置される場合には、テント本体51から隙間を空けて、全体を覆うように設置したフライシートをさらに設けてもよい。
【0016】
テント本体51は、テント内部(室内)と室外を隔てる壁であり、四方を囲む側壁51aと、天井側に取り付けられるベンチレータ51bを含む。ベンチレータ51bは、換気装置10により、陽圧になった室内の空気が抜ける排気口として機能する。また、ベンチレータ51bに代えて、虫除け用の網目サイズの網で構成された網窓が設けられていてもよい。
【0017】
一つの側壁51aには、開口部h1が設けられている。この開口部h1に、換気装置10が取り付けられる。なお、以降の各実施例においては換気装置10が取付けられる開口部が、側壁にある場合を例に示すが、これに限らず、天井側の壁であっても、床面であってもよい。開口部h1は例えば、スライドファスナ(ジッパーともいう)で構成される略矩形状または円形状の開口である。換気装置10が取り付けられる際に、スライドファスナで囲まれる壁の一部が取り外され、その箇所が開口部h1となる。また、テント50側の構造として、開口部h1の周囲をVELCRO(登録商標)またはマジックテープ(登録商標)のような面ファスナの雄側(または雌側)で構成してもよい。この場合、アタッチメント11の雌側(または雄側)の部分が、この面ファスナに取り付けられる。
【0018】
(換気装置10)
換気装置10は、アタッチメント11、チャンバ12、フィルター13、およびファン14を含む。換気装置10は、全体としてテント本体51の側壁51aに取り付けられる。具体的には、側壁51aの開口部h1にアタッチメント11が取り付けられる。
【0019】
図2は、アタッチメント11の構造を示す断面図である。アタッチメント11は、樹脂または、金属で構成され、ダクト115と、固定部材116を含む。同図に示すアタッチメント11は、カプラ構造を備え、ダクト115はプラグ、固定部材116はソケットとして機能する。図2(a)は、両部材が結合する前の状態を示し、図2(b)は、結合後の状態を示す。
【0020】
ダクト115は、本体部115aを含む。本体部115aの内部空間は、X軸方向に延在し、空気(air:各図では矢印で示す)が通る、中心軸c1(管軸ともいう)を中心とした円柱状の風路w1となる。本体部115aの外周には、リング状のフランジ115cが形成されている。X軸方向から視て、フランジ115cの外形は、開口部h1の形状に合わせた輪郭を持つ。例えば、フランジ115cの外形は、円柱状の風路w1と同軸の円形にしてもよく、矩形または、角丸四角形状(後述の図3(b)参照)としてもよい。
【0021】
固定部材116は、管壁116a、116b、およびフランジ116cを含む。管壁116aと管壁116bは、中心軸c1を同軸として同心円状の段差のある内壁面が形成される。
【0022】
図2(b)に示すように、ダクト115を、開口部h1に挿入した状態で、ダクト115に固定部材116を取り付けることにより、フランジ115cと固定部材116のフランジ116cでシート状の側壁51aを挟み込む。ダクト115と固定部材116が結合した状態では、本体部115aの外周面に形成された凹部d1と、管壁116bの内周面に形成された突起部p1が嵌合する。なお、固定部材116の全体、または一部(特に突起部p1周辺)が樹脂等の弾性を有する部材で構成されたり、バネ等の弾性部材を含んだりすることにより、挿入時には、管壁116bの内径は広がり、また連結時には、弾性力により内部のダクト115を挟持する。なお、さらに、フランジ115c、116cの少なくとも一方の挟持面に、ゴムや発泡ウレタン等の弾性部材を貼り付け、これにより側壁51aを挟み込むようにしてもよい。また、フランジ115c、116cは、全周に渡って存在するだけでなく、一部のみ存在してもよい。例えば、周囲の一部を切り欠いた円形状としてもよい。
【0023】
図3は、換気装置10の構造を示す概略図である。図3(a)は換気装置10の断面図であり、図1の部分拡大図に相当する。図3(b)は、図3(a)のA-A断面図であり、図3(c)は、同B-B断面図である。
【0024】
図3(a)、図3(b)に示すように、テント本体51の側壁51aに取り付けられたアタッチメント11にチャンバ12が取り付けられる。チャンバ12は、開口部h1と、テント50の室内を連通する。チャンバ12は、図3(b)、(c)に示すように、正面視で(X方向または管軸方向から視て)略矩形の形状であり、チャンバ12内に、フィルター13、およびファン14が配置される。フィルター13は、風の流れ方向において、チャンバ12の上流部で、かつ、風路w1の下流側で、風路w1を覆うように配置される。風路w1を流れる空気は、フィルター13を通過して、チャンバ12内に導入される。フィルター13としては、活性炭フィルターまたはHEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)を適用できる。フィルター13として、複数のフィルターを重ねた多層フィルターでもよい。フォルダ13aは、アタッチメント11に結合しており、フィルター13は、このフォルダ13aにより交換可能に保持される。
【0025】
図1図3に示す例では、ファン14は、シロッコファンである。シロッコファンを用いることで、室内とチャンバ12内の圧力差を大きくできる。ファン14の電源は、不図示の外付けのバッテリ、または商用電源から所定の電圧に変圧されて供給される。このファン14が作動することで、チャンバ12内の空気は、テント50の室内に給気されるとともにチャンバ内の空気は陰圧(負圧)になり、フィルター13を通じて外気が導入される。空気が室内に給気されることで、テント50の室内は陽圧になり、空気の流れは、ベンチレータ51bを通じた排気方向の流れとなる。すなわち、テント50の室内には、換気装置10のフィルター13を通じた空気で満たされる。
【0026】
(変形例)
アタッチメント11としては、カプラ構造で連結することで、アタッチメント11を側壁51aの開口部h1に取り付ける構成に限られず、他の構成としてもよい。例えば、円、または矩形のリング板を固定部材として用い、これをダクト115のフランジ115cに係合することで、側壁51aをこのリング板とフランジ115cで挟み込む。このような構成で、アタッチメント11を開口部h1に取り付けるようにしてもよい。このときの係合は、ネジとナットにより両者を固定するようにしてもよく、あるいは、ダクト115の本体部115aの円柱状の外周面にネジ溝を形成し、このネジ溝により円盤をフランジ115cに係合させてもよい(スクリュー方式)。これにより、側壁51aを円盤とフランジ115cで挟み込むことで、アタッチメント11を取り付けるようにしてもよい。
【0027】
また、換気装置10を使用しないときは、アタッチメント11の開口(図2の風路w1)を閉じるキャップを取り付けるようにしてもよい。また、キャップを取り付ける際に、アタッチメント11(の全部、または一部)のみを残して、他の部材(チャンバ12、フィルター13、ファン14)を取り外すような構造としてもよい。例えば、アタッチメント11を取り付けたままで、他の部材を外した場合には、アタッチメント11の開口(図2の風路w1)を閉じるために、固定部材116をキャップに交換する。このキャップは、風路w1を閉じる機能以外は、固定部材116と同様の機能を有する(開口部を囲む壁を挟み込むことで、アタッチメントを、開口部に取り付ける機能)。例えば、このキャップは、カプラ構造において固定部材116と同様の取付け構造を有した風路w1を閉じるキャップであり、ダクト115(フランジ115c)に取り付けられる。また、キャップの別の例として本体部115aの外周面にネジ溝を形成したスクリュー方式の場合には、このネジ溝に筒内スクリュー構造のキャップを適用できる。
【0028】
このように、第1の実施形態に係る換気装置10は、室内と室外を隔てる壁の開口部h1に、取り付けられるアタッチメント11と、アタッチメント11に取り付けられ、開口部h1および室内を連通するチャンバ12と、チャンバ12内に配置されるフィルター13と、チャンバ12内に配置され、室外から室内に向けた空気流を生じさせるファン14と、を備える。また、アタッチメント11は、室外およびチャンバ12に連通するダクト115と、固定部材116を、含む。このダクト115のフランジ115cと固定部材116で、開口部h1を囲む側壁51aを挟み込むことで、アタッチメント11が、開口部h1に取り付けられる。このように構成することで、既存の設備に対して容易に後付け可能な、換気装置10を提供できる。
【0029】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る換気装置10が取り付けられた建物を示す概略図である。建物60は、例えばオフィスビルである。建物60は、室外と室内を外壁61(躯体構造)により隔てられる。換気装置10は、外壁61の側壁61aの開口部h2に取り付けられ、室外から室内に向けた空気流を生じさせる。
【0030】
建物60の内部には1つまたは複数の部屋70が設けられている(図6では、1つの部屋70のみを示している)。各部屋70は、壁62により区分けされている。部屋70には、換気扇71、照明器具72、配電盤73、コンセントまたはスイッチ類74、および窓75が設けられている。換気扇71は、部屋70の室内の空気を室外に排気する。また照明器具72、配電盤73、およびコンセントまたはスイッチ類74と、壁62との間には、一般に(意図はしていないが)隙間があり、この隙間を通じて空気の出入りがある。このように換気装置10は、テント50だけでなく、建物60に取り付けられ、建物60の室内の空気を換気してもよい。
【0031】
(アタッチメント11の変形例)
図1図4に示したアタッチメント11では、壁を2つの部材(ダクト115、固定部材116)で挟み込むことにより、アタッチメント11を開口部h1、h2に取り付けた。しかしながら、これに限られず、以下に示す変形例のような構成により開口部にアタッチメントを取り付けるようにしてもよい。
【0032】
図5は、変形例に係る換気装置10Bの構造を示す図であり、図5(a)は断面図、図5(b)は正面図(X方向から視た図)である。図6は、図5(b)に対応する図で、アタッチメント11のみを示した模式図である。図5図6に示すように変形例のアタッチメント11は、枠体117を備える。枠体117は、板状の部材であり、中央領域に開口部h3を有する。枠体117は、建物60の側壁61aの壁面a1に対して両面テープ、粘着テープ、等の粘着剤、またはネジにより貼り付け乃至取り付けられる。図5では、ネジで取り付けられた状態を示している。開口部h3は、開口部h2よりも大きく、図6に示すように取り付けられた状態で枠体117の開口部h3は、側壁61aの開口部h2を包含する。なお、フィルター13は、開口部h2、h3よりも大きく、正面視においてこれらを覆うようにフォルダ13aにより交換可能に取り付けられる。
【0033】
チャンバ12は、この枠体117にネジ等により取り付けられる。チャンバ12は、正面側の壁12aと、図5(b)において上下左右の4辺を囲む壁12b、およびダクト12cを含む。なお、図5(b)では、内部構成が見えるように正面側の壁12aを図示していない。チャンバ12の一側面(X方向上流側の側面)は、枠体117に取り付けられる、または、枠体117で構成される。図5に示す例では、一側面が枠体117で構成される例を示しており、枠体117とこれらの壁12a、12bによりチャンバ12が区画化される。また、チャンバ12の内部空間にフィルター13とファン14が配置される。また、ファン14が作動することで、室外の空気は、チャンバ12内、およびダクト12cを経由して、室内に給気される。
【0034】
また、図5に示すように換気装置10Bは、温調器15を備える。温調器15は、ヒーター、および/または熱交換器を備え、チャンバ内の空気を加温または冷却する機能を有する。ヒーターとしては、例えば伝熱線、またはカーボンヒータを適用できる。例えば、室外機およびこの室外機との間で、冷媒を循環させるヒートポンプ式、またはペルチェ素子を用いた空冷式の熱交換器により、チャンバ内の空気を加温、および冷却する。このように温調器15を備えることにより、室内の温度を快適な温度に調整できる。なお、この温調器15を、第1の実施形態、およびこの変形例に適用してもよい。
【0035】
このように、図5図6に示した変形例においては、アタッチメント11は、中央に開口部h3を有する枠体117を含み、この枠体117を壁面a1に取り付け、この枠体117にさらに、チャンバ12を取り付ける。このように構成することで、建物の壁に対して、正面側からのアクセスのみで、換気装置10Bを取り付けることが可能となる。すなわち、既存の設備に対してさらに容易に後付け可能な、換気装置10bを提供できる。
【0036】
(第3の実施形態)
上述した第1、第2の実施形態、およびこれらの変形例に係る換気装置においては、室外から室内に向けた空気流を生じさせることにより室内を陽圧にする例を示した。しかしながら、これに限られず、第3の実施形態に示すように、室内から室外に向けた空気流を生じさせることにより、室内を陰圧にするようにしてもよい。
【0037】
図7は、第3の実施形態に係る換気装置10Cの構造を示す概略図である。第1、第2の実施形態に係る換気装置10Cと同様に、アタッチメント11、チャンバ12、フィルター13、およびファン14を含む。ファン14により生成される風の向きが異なる以外は、第1、第2の実施形態と同様である。また、第1、第2の実施形態と同様に、テント50や建物60に取り付けられる。図7に示すファン14は軸流ファンであるが、第1、第2の実施形態と同様にシロッコファンを適用してもよい。フィルター13は、風の流れ方向において、チャンバ12の上流部に配置される。室内の空気は、フィルター13を通過して、チャンバ12内に導入されてから、風路w1を経由して室外に排出される。このように第3の実施形態に係る換気装置10Cでは、第1、第2の実施形態と同様の効果が得られるとともに、フィルター13を通過した空気を室外に排出するので、室内で汚染された空気を綺麗にしてから排出できる。例えば、避難所の建物内にテントまたは小さな部屋を複数並べて設けた場合に、テントまたは部屋の室内の空気は、フィルター13を通過してから避難所の建物内(室外)に排出されるので、避難所の建物内の汚染の程度を軽減できる。
【0038】
以上に説明した、換気装置10、10B、10Cの構成は、上述の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上述の構成に限られず、特許請求の範囲内において、種種改変することができる。
【符号の説明】
【0039】
10、10B、10C 換気装置
11 アタッチメント
115 ダクト
115a 本体部
115c フランジ
w1 風路
116 固定部材
116a、116b 管壁
116c フランジ
117 枠体
h3 開口部
12 チャンバ
13 フィルター
13a フォルダ
14 ファン
15 温調器
50 テント
51 テント本体
51a 側壁
h1 開口部
51b ベンチレータ
60 建物
61 外壁
61a 側壁
h2 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7