(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178018
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】湿度制御装置、及び、湿度制御方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/72 20180101AFI20221125BHJP
F24F 120/00 20180101ALN20221125BHJP
【FI】
F24F11/72
F24F120:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084503
(22)【出願日】2021-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100119220
【氏名又は名称】片寄 武彦
(72)【発明者】
【氏名】川上 梨沙
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA01
3L260CA04
3L260EA07
3L260FA06
(57)【要約】
【課題】居室を利用する利用者の室内環境に対する満足度を向上させることを可能とする湿度制御装置を提供する。
【解決手段】湿度制御装置6Aは、居室の湿度を目標湿度に調節する調湿設備2を制御する。湿度制御装置6Aは、居室を利用する利用者の皮脂量を取得する皮脂量取得部610と、皮脂量取得部610により取得された利用者の皮脂量に基づいて目標湿度を設定する目標湿度設定部612とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
居室の湿度を目標湿度に調節する調湿設備を制御する湿度制御装置であって、
前記居室を利用する利用者の皮脂量を取得する皮脂量取得部と、
前記皮脂量に基づいて前記目標湿度を設定する目標湿度設定部とを備える、
湿度制御装置。
【請求項2】
前記目標湿度設定部は、
前記皮脂量が皮脂量基準値よりも低い場合の前記目標湿度を、前記皮脂量が前記皮脂量基準値よりも高い場合の前記目標湿度よりも高く設定する、
請求項1に記載の湿度制御装置。
【請求項3】
前記皮脂量取得部は、
前記皮脂量を前記利用者毎に取得し、
前記目標湿度設定部は、
前記利用者毎の前記皮脂量に基づいて、前記居室に所在する前記利用者のうち前記皮脂量が皮脂量基準値よりも低い前記利用者の割合を算出し、
前記割合が割合基準値よりも高い場合の前記目標湿度を、前記割合が前記割合基準値よりも低い場合の前記目標湿度よりも高く設定する、
請求項1に記載の湿度制御装置。
【請求項4】
複数の前記居室のうち前記利用者が所在する前記居室を示す所在位置を前記利用者毎に取得する所在位置取得部をさらに備え、
前記皮脂量取得部は、
前記皮脂量を前記利用者毎に取得し、
前記目標湿度設定部は、
前記利用者毎の前記皮脂量及び前記所在位置に基づいて、前記居室に所在する前記利用者のうち前記皮脂量が皮脂量基準値よりも低い前記利用者の割合を前記居室毎に算出し、
前記割合が割合基準値よりも高い前記居室に対する前記目標湿度を、前記割合が前記割合基準値よりも低い前記居室に対する前記目標湿度よりも高く設定する、
請求項1に記載の湿度制御装置。
【請求項5】
前記皮脂量取得部により前記皮脂量が新たに取得されたとき、複数の前記居室のうち当該皮脂量に応じた前記居室を当該利用者に報知する報知情報を生成する報知情報生成部をさらに備える、
請求項4に記載の湿度制御装置。
【請求項6】
前記目標湿度設定部は、
前記目標湿度を設定した状態の前記居室に所在する前記利用者の前記皮脂量の経時変化に基づいて前記目標湿度を再設定するものであり、
前記経時変化として前記皮脂量が下降した場合には、前記目標湿度を高く設定し、
前記経時変化として前記皮脂量が上昇した場合には、前記目標湿度を低く設定する、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の湿度制御装置。
【請求項7】
居室の湿度を目標湿度に調節する調湿設備を制御する湿度制御方法であって、
前記居室を利用する利用者の皮脂量を取得する皮脂量取得工程と、
前記皮脂量に基づいて前記目標湿度を変更し、前記調湿設備の運転を制御する制御処理工程とを備える、
湿度制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿度制御装置、及び、湿度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空調設備を制御する空調制御装置では、目標とする温湿度の設定値に対して居室内の空気の温湿度が高いか低いかに応じて、加熱若しくは冷却又は加湿若しくは除湿を適宜行うことで、空気環境を調節することが一般的に行われている(例えば、特許文献1参照)。その際、日本の建築物衛生法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)が適用される特定建築物では、室内環境基準の1つとして、居室内の相対湿度を40~70%RHの範囲内にて管理することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された空調制御装置は、上記のように、目標とする温湿度の設定値となるように空気環境を調節する装置である。そして、特定建築物では、目標とする湿度は、上記のように、相対湿度40~70%RHの範囲内にて設定されることになる。しかしながら、湿度の設定値は、例えば、居室の管理者等により一律に設定されることが多く、そのような場合、居室を利用する利用者によっては、その空気環境を不快に感じたり、皮膚及び粘膜の乾燥や感染症の罹患等のリスクが高まったりする可能性があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、居室を利用する利用者の室内環境に対する満足度を向上させることを可能とする湿度制御装置、及び、湿度制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するものであって、本発明の一実施形態に係る湿度制御装置は、
居室の湿度を目標湿度に調節する調湿設備を制御する湿度制御装置であって、
前記居室を利用する利用者の皮脂量を取得する皮脂量取得部と、
前記皮脂量に基づいて前記目標湿度を設定する目標湿度設定部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態に係る湿度制御装置によれば、居室を利用する利用者の皮脂量に基づいて、調湿設備に対する目標湿度を設定するので、利用者の肌状態に合わせた適切な室内環境が提供される。したがって、利用者の室内環境に対する満足度を向上させることができる。
【0008】
上記以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態にて明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る空調システム1Aの一例を示す全体図である。
【
図2】第1の実施形態に係る湿度制御装置6Aの一例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る湿度制御装置6Aの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】第2の実施形態に係る空調システム1Bの一例を示す全体図である。
【
図5】第2の実施形態に係る湿度制御装置6Bの一例を示すブロック図である。
【
図6】第2の実施形態に係る湿度制御装置6Bの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る空調システム1Aの一例を示す全体図である。空調システム1Aは、利用者Uが利用する居室10の空気環境を調節するシステムである。
【0012】
空調システム1Aは、居室10の室内環境として、居室10の湿度を目標湿度に調節する調湿設備2と、居室10を利用する利用者Uの皮脂量を測定する皮脂量測定装置3と、居室10に対する利用者Uの入退室を管理する入退室管理装置4と、利用者Uが所持する利用者端末装置5と、利用者Uの皮脂量に基づいて調湿設備2の目標湿度を設定することで調湿設備2を制御する湿度制御装置6Aと、各装置間を相互に通信可能に接続するネットワーク7とを備える。
【0013】
居室10は、1又は複数の利用者Uが利用することを想定した室内空間であり、例えば、オフィスやオープンスペースとして利用される。なお、居室10の形状や広さ、居室10に対する調湿設備2、皮脂量測定装置3及び入退室管理装置4の設置場所は、
図1の例に限定されない。
【0014】
調湿設備2は、居室10内の空気の温度及び湿度を検出する室内環境センサ20と、利用者Uや管理者の設定操作を受け付ける操作盤21と、湿度制御装置6Aによる制御下で調湿設備2の運転動作を制御する制御盤22とを備える。制御盤22は、湿度制御装置6Aにより設定された目標湿度を受信し、その目標湿度と、室内環境センサ20の検出温度及び検出湿度とに基づいて、運転モード(除湿モード又は加湿モード、強弱等)を切り替えることで、居室10の湿度を調節する。なお、調湿設備2は、上記の構成に限られず、居室10の湿度だけでなく、居室10の温度を目標温度に調節する空調設備で構成されてもよく、例えば、室内機及び室外機を有するエアコンディショナで構成されてもよい。
【0015】
目標湿度は、例えば、居室10の温度が一定に調節された状態を前提として、相対湿度により表される。また、目標湿度は、建築物衛生法で定められる空気環境管理基準、すなわち、相対湿度40~70%RHの範囲内にて湿度制御装置6Aにより設定される。その際、目標湿度は、調湿設備2の目標とする相対湿度(例えば、相対湿度「60%RH」)として設定されてもよいし、基準となる相対湿度(例えば、「55%RH」)が、操作盤21にて設定されている場合には、その基準の相対湿度(例えば、「55%RH」)に対する補正量(例えば、「+5%RH」)として設定されてもよい。
【0016】
皮脂量測定装置3は、例えば、居室10の入口に設置されて、利用者Uの顔や腕等の皮膚部分における皮脂量を測定する装置である。皮脂量測定装置3は、皮脂量の測定方式に応じた皮脂量センサ30と、皮脂量センサ30による測定結果を含む各種の情報を表示する表示部31とを備える。皮脂量の測定方式は、例えば、光学的な手法や画像処理による手法等の任意の測定方式を採用可能である。また、皮脂量測定装置3は、利用者Uが顔や腕を接近させて皮脂量を測定する据置型でもよいし、利用者Uが手持ちの測定用プローブを顔や腕に接近させて皮脂量を測定するハンディ型でもよい。
【0017】
入退室管理装置4は、例えば、居室10の入口に設置されて、利用者Uの入退室を管理する。入退室管理装置4は、居室10に入室又は退室する利用者Uの利用者識別子を、例えば、指紋認証、顔認証、IDカード等の任意の識別方式により取得するとともに、その入室日時又は退室日時を取得する。なお、入退室管理装置4は、皮脂量測定装置3と一体の装置として構成されていてもよい。
【0018】
利用者端末装置5は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット等の携帯可能な装置で構成され、各種のアプリがインストール可能である。利用者端末装置5は、例えば、肌診断用アプリがインストールされて、カメラ等の撮像部で利用者Uの顔を撮像した画像を解析することで、皮脂量を含む肌情報を測定する皮脂量測定機能を有する。利用者端末装置5は、皮脂量測定機能により測定した利用者Uの皮脂量を湿度制御装置6Aに送信する。その際、利用者端末装置5は、利用者Uによる送信操作に応じて皮脂量を送信するようにしてもよいし、湿度制御装置6Aからの送信要求を受信したときに、当該送信要求に対する応答として皮脂量を送信するようにしてもよい。
【0019】
なお、利用者Uの皮脂量は、皮脂量測定装置3及び利用者端末装置5のいずれかで測定されればよい。そのため、例えば、利用者Uが、利用者端末装置5を所持していなかったり、皮脂量測定機能を有する利用者端末装置5を所持していなかったりする場合には、皮脂量測定装置3にて皮脂量を測定すればよい。
【0020】
湿度制御装置6Aは、皮脂量測定装置3又は利用者端末装置5により測定された利用者Uの皮脂量に基づいて目標湿度を設定することで、調湿設備2の調湿運転を制御する。湿度制御装置6Aは、例えば、汎用又は専用のコンピュータ等で構成される。なお、湿度制御装置6Aは、調湿設備2の制御盤22に組み込まれていてもよい。
【0021】
ネットワーク7は、任意の通信方式を採用すればよく、有線でもよいし、無線でもよい。
【0022】
(湿度制御装置6Aの構成)
図2は、第1の実施形態に係る湿度制御装置6Aの一例を示すブロック図である。
【0023】
湿度制御装置6Aは、HDD、SDD、メモリ等により構成される記憶部60と、CPU、MPU、GPU等のプロセッサにより構成される制御部61と、ネットワーク7との通信インターフェースである通信部62とを備える。なお、湿度制御装置6Aは、キーボード、タッチパネル等により構成される入力部と、ディスプレイ、タッチパネル、スピーカ等により構成される出力部とをさらに備えていていもよい。
【0024】
記憶部60には、湿度制御プログラム600A、及び、利用者管理情報601Aが記憶されている。
【0025】
利用者管理情報601Aは、居室10を利用する利用者Uを管理するための情報である。利用者管理情報601Aには、利用者U毎に、例えば、利用者Uの皮脂量と、利用者Uの入退室の記録とが関連付けられて登録される。なお、利用者管理情報601Aは、記憶部60に記憶される代わりに、湿度制御装置6Aと通信可能な外部の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0026】
制御部61は、湿度制御プログラム600Aを実行することにより、皮脂量取得部610、入退室記録部611、及び、目標湿度設定部612として機能する。
【0027】
皮脂量取得部610は、居室10を利用する利用者Uの皮脂量を取得する。居室10を利用する利用者Uが複数人である場合には、皮脂量取得部610は、利用者Uの皮脂量を利用者U毎に取得する。本実施形態では、皮脂量取得部610は、利用者Uが居室10に入室する際に、皮脂量測定装置3又は利用者端末装置5により測定された利用者Uの皮脂量をネットワーク7経由で受信し、利用者管理情報601Aに登録する。その際、皮脂量取得部610は、入退室記録部611と連携することで、利用者識別子に関連付けて利用者Uの皮脂量を登録する。
【0028】
入退室記録部611は、入退室管理装置4により取得された利用者Uの入室の記録(利用者識別子、入室日時)をネットワーク7経由で受信し、利用者管理情報601Aに登録する。さらに、入退室記録部611は、利用者Uが居室10に退室する際に、入退室管理装置4により取得された利用者Uの退室の記録(利用者識別子、退室日時)をネットワーク7経由で受信し、利用者管理情報601Aに登録する。
【0029】
目標湿度設定部612は、皮脂量取得部610により取得された利用者Uの皮脂量に基づいて、目標湿度を設定する。
【0030】
本実施形態では、目標湿度設定部612は、利用者管理情報601Aを参照することで、居室10に所在する各利用者Uの皮脂量と、居室10に所在する利用者Uの人数とを取得し、それらの情報に基づいて、目標湿度を設定する。例えば、利用者Uの人数が一人である場合には、目標湿度設定部612は、その利用者Uの皮脂量が皮脂量基準値よりも低い場合の目標湿度を、その利用者Uの皮脂量がその皮脂量基準値よりも高い場合の目標湿度よりも高く設定する。また、利用者Uの人数が複数人である場合には、目標湿度設定部612は、利用者U毎の皮脂量に基づいて、居室10に所在する利用者Uのうち皮脂量が皮脂量基準値よりも低い利用者Uの割合を算出し、その割合が割合基準値よりも高い場合の目標湿度を、その割合がその割合基準値よりも低い場合の目標湿度よりも高く設定する。
【0031】
なお、目標湿度設定部612による目標湿度の設定手法は、上記に例に限られず、適宜変更してもよい。例えば、目標湿度設定部612は、利用者Uの皮脂量が低くなるほど、目標湿度を段階的又は連続的に高く設定するようにしてもよいし、皮脂量が皮脂量基準値よりも低い利用者Uの割合が高くなるほど、目標湿度を段階的又は連続的に高く設定するようにしてもよい。
【0032】
また、利用者Uの人数が複数人である場合の目標湿度設定部612による目標湿度の設定手法は、上記に例に限られない。例えば、目標湿度設定部612は、利用者U毎の皮脂量に基づいて、皮脂量の最小値、最大値、平均値等の統計値を算出し、その統計値が皮脂量基準値よりも低い場合の目標湿度を、その統計値がその皮脂量基準値よりも高い場合の目標湿度よりも高く設定するようにしてもよい。
【0033】
(湿度制御装置6Aの動作)
次に、上記構成を有する空調システム1Aの動作について、湿度制御装置6Aを中心に説明する。
【0034】
図3は、第1の実施形態に係る湿度制御装置6Aの動作の一例を示すフローチャートである。
図3に示す一連の処理(湿度制御方法)は、例えば、新たな利用者Uが居室10に入室するタイミングにて、湿度制御装置6Aにより実行される。なお、
図3に示す一連の処理は、所定の時刻(例えば、9時00分等)や所定の時間間隔(例えば、3時間間隔等)にて実行されるようにしてもよいし、利用者Uの人数が所定の閾値を超えたり、その人数の変化が所定の閾値を超えたりしたときに実行されるようにしてもよく、その場合には、後述するステップS100、S101を省略すればよい。
【0035】
まず、新たな利用者Uが、居室10に入室する際、居室10の入口に設置された皮脂量測定装置3が、利用者Uの皮脂量を測定し、湿度制御装置6Aに送信する。また、居室10の入口に設置された入退室管理装置4が、新たな利用者Uの入室の記録として、利用者Uの利用者識別子及び入室日時を取得し、湿度制御装置6Aに送信する。なお、新たな利用者Uが、皮脂量測定機能を有する利用者端末装置5を所持している場合には、利用者端末装置5が、皮脂量測定機能により測定した利用者Uの皮脂量を湿度制御装置6Aに送信するようにしてもよい。
【0036】
その結果、ステップS100にて、皮脂量取得部610は、皮脂量測定装置3から利用者Uの皮脂量を受信(取得)するとともに、入退室記録部611は、入退室管理装置4から利用者Uの利用者識別子及び入室日時を受信(取得)する。
【0037】
そして、ステップS101にて、皮脂量取得部610及び入退室記録部611は、ステップS100で受信した情報(利用者識別子、皮脂量及び入室日時)を利用者管理情報601Aに登録する。
【0038】
次に、ステップS110~S119にて、目標湿度設定部612は、利用者管理情報601Aを参照することで、居室10に所在する各利用者Uの皮脂量と、居室10に所在する利用者Uの人数とを取得し、それらの情報に基づいて、目標湿度を設定する。
【0039】
具体的には、居室10に所在する利用者Uの人数が一人である場合には(S110:No)、ステップS111にて、目標湿度設定部612は、その利用者Uの皮脂量が、皮脂量基準値(例えば、20μg/cm2)よりも低いか否かを判定する。
【0040】
そして、利用者Uの皮脂量が皮脂量基準値よりも低い場合には(ステップS111:Yes)、ステップS112にて、調湿設備2の目標湿度を、第1の相対湿度R1(例えば、60%RH)に設定し、利用者Uの皮脂量が皮脂量基準値以上の場合には(ステップS111:No)、ステップS113にて、調湿設備2の目標湿度を、第1の相対湿度R1よりも低い第2の相対湿度R2(例えば、50%RH)に設定する。
【0041】
一方、居室10に所在する利用者Uの人数が複数人である場合には(S110:Yes)、ステップS114にて、目標湿度設定部612は、利用者管理情報601Aを参照し、利用者U毎の皮脂量に基づいて、居室10に所在する利用者Uのうち皮脂量が皮脂量基準値(例えば、20μg/cm2)よりも低い利用者Uの割合を算出する。
【0042】
そして、利用者Uの割合が第1の割合基準値(例えば、30%)よりも高い場合には(ステップS115:Yes)、ステップS116にて、調湿設備2の目標湿度を、第1の相対湿度R1(例えば、60%RH)に設定し、利用者Uの割合が第2の割合基準値(例えば、10%)よりも低い場合には(ステップS117:Yes)、ステップS118にて、調湿設備2の目標湿度を、第1の相対湿度R1よりも低い第2の相対湿度R2(例えば、50%RH)に設定する。
【0043】
また、利用者Uの割合が第1の割合基準値(例えば、30%)よりも低く、かつ、第2の割合基準値(例えば、10%)よりも高い場合には(ステップS115:No、かつ、S117:No)、ステップS119にて、調湿設備2の目標湿度を、第1の相対湿度R1よりも低く、第2の相対湿度R2よりも高い第3の相対湿度R3(例えば、55%RH)に設定する。
【0044】
そして、ステップS120にて、目標湿度設定部612は、ステップS110~S19にて設定した居室10の目標湿度を調湿設備2に送信する。その結果、調湿設備2の制御盤22は、湿度制御装置6から居室10の目標湿度を受信し、その目標湿度と、室内環境センサ20の検出温度及び検出湿度とに基づいて、運転モード(除湿モード又は加湿モード、強弱等)を切り替えることで、居室10の湿度が目標湿度になるように調湿運転を実行する。
【0045】
以上のように、本実施形態に係る湿度制御装置6Aは、居室10を利用する利用者Uの皮脂量に基づいて、調湿設備2に対する目標湿度を設定するので、利用者Uの肌状態に合わせた適切な室内環境が提供される。したがって、利用者Uの室内環境に対する満足度を向上させることができる。
【0046】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る空調システム1Bの一例を示す全体図である。第1の実施形態に係る空調システム1Aでは、湿度制御装置6Aが、1つの居室10を対象として、居室10の空気環境を調節する場合について説明した。これに対し、第2の実施形態に係る空調システム1Bでは、湿度制御装置6Bが、複数の居室10を対象として、各居室10に所在する利用者Uの所在位置に基づいて、各居室10の空気環境を調節する場合について説明する。なお、基本的な構成は、第1の実施と同様であるため、以下では相違点を中心に説明する。
【0047】
空調システム1Bは、各居室10の湿度を目標湿度にそれぞれ調節する複数の調湿設備2と、複数の各利用者Uがそれぞれ所持する複数の利用者端末装置5と、利用者Uの皮脂量に基づいて各調湿設備2の目標湿度をそれぞれ設定することで、調湿設備2を制御する湿度制御装置6Bと、各装置間を相互に通信可能に接続するネットワーク7とを備える。なお、空調システム1Bは、例えば、各居室10への共用通路を有する建物の入口に、皮脂量測定装置3及び入退室管理装置4を備えていてもよい。また、
図4では、2つの居室10が図示されているが、居室10の数は3つ以上でもよいし、各居室10の配置や居室10に対する調湿設備2の設置場所は、
図4の例に限定されない。
【0048】
利用者端末装置5は、第1の実施形態と同様の皮脂量測定機能を有するともに、GPS等の位置検出部により利用者端末装置5の現在位置を特定する現在位置特定機能を有する。利用者端末装置5は、皮脂量測定機能により測定した利用者Uの皮脂量と、現在位置特定機能により特定した利用者Uの現在位置とを、利用者Uの利用者識別子とともに湿度制御装置6Bに送信する。その際、利用者端末装置5は、例えば、利用者Uによる送信操作に応じて皮脂量及び現在位置を送信するようにしてもよいし、湿度制御装置6Bからの送信要求を受信したときに、当該送信要求に対する応答として皮脂量及び現在位置を送信するようにしてもよい。
【0049】
図5は、第2の実施形態に係る湿度制御装置6Bの一例を示すブロック図である。湿度制御装置6Bは、第1の実施形態と同様に、記憶部60、制御部61、及び、通信部62を備える。
【0050】
記憶部60には、湿度制御プログラム600B、利用者管理情報601B、及び、居室管理情報602が記憶されている。
【0051】
利用者管理情報601Bは、居室10を利用する利用者Uを管理するための情報である。利用者管理情報601Bには、利用者U毎に、例えば、利用者Uの皮脂量と、利用者Uが所在する居室10を示す所在位置とが関連付けられて登録される。
【0052】
居室管理情報602は、居室10を管理するための情報である。居室管理情報602には、居室10毎に、例えば、目標温度と、目標湿度と、居室10が有する室内空間の範囲とが関連付けられて登録される。
【0053】
制御部61は、湿度制御プログラム600Bを実行することにより、皮脂量取得部610、目標湿度設定部612、所在位置取得部613、及び、報知情報生成部614として機能する。
【0054】
皮脂量取得部610は、利用者Uの皮脂量を利用者U毎に取得する。本実施形態では、皮脂量取得部610は、利用者端末装置5により測定された利用者Uの皮脂量をネットワーク7経由で受信し、利用者管理情報601Bに登録する。
【0055】
所在位置取得部613は、利用者端末装置5により取得された利用者Uの現在位置をネットワーク7経由で受信し、利用者Uの現在位置から利用者Uの所在位置を特定し、利用者管理情報601Bに登録する。所在位置取得部613は、例えば、居室管理情報602に登録された居室10の範囲を参照することで、利用者Uの現在位置がいずれの居室10の範囲内に含まれているかを特定することで、利用者Uが所在する居室10を示す所在位置を取得する。
【0056】
目標湿度設定部612は、皮脂量取得部610により取得された利用者U毎の皮脂量と、所在位置取得部613により取得された利用者U毎の所在位置とに基づいて、目標湿度を居室10毎に設定する。
【0057】
本実施形態では、目標湿度設定部612は、利用者管理情報601Bを参照することで、利用者U毎の皮脂量及び所在位置を取得し、各居室10にそれぞれ所在する各利用者Uの皮脂量と、各居室10に所在する利用者Uの人数とに基づいて、目標湿度を居室10毎に設定する。例えば、目標湿度設定部612は、利用者U毎の皮脂量及び所在位置に基づいて、居室10に所在する利用者Uのうち皮脂量が皮脂量基準値よりも低い利用者Uの割合を居室10毎に算出し、その割合が高い居室10に対する目標湿度を、その割合が低い居室10に対する目標湿度よりも高く設定する。そして、目標湿度設定部612は、居室10毎の目標湿度を、居室管理情報602に登録する。なお、具体的な目標湿度の設定手法については、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0058】
報知情報生成部614は、皮脂量取得部610により利用者Uの皮脂量が新たに取得されたとき、複数の居室10のうち当該皮脂量に応じた居室10を当該利用者Uに報知する報知情報を生成する。例えば、報知情報生成部614は、新たな利用者Uが建物の入口から建物内に入り、当該利用者Uの皮脂量が新たに取得されたときや、居室10内にすでに所在する利用者Uの皮脂量が新たに取得されたときに、当該利用者Uの皮脂量が皮脂量基準値よりも低いか否かを判定する。そして、報知情報生成部614は、当該利用者Uの皮脂量が皮脂量基準値よりも低い場合には、居室管理情報602を参照し、目標湿度が高く設定された居室10に入室又は移動するように報知する報知情報を生成し、その報知情報を当該利用者Uが所持する利用者端末装置5に送信する。
【0059】
(湿度制御装置6Bの動作)
次に、上記構成を有する空調システム1Bの動作について、湿度制御装置6Bを中心に説明する。
【0060】
図6は、第2の実施形態に係る湿度制御装置6Bの動作の一例を示すフローチャートである。
図6に示す一連の処理(湿度制御方法)は、例えば、新たな利用者Uがいずれかの居室10に入室するタイミングにて湿度制御装置6Bにより実行される。なお、
図6に示す一連の処理は、第1の実施形態と同様に、所定の時刻や所定の時間間隔にて実行されるようにしてもよいし、利用者Uの人数が所定の閾値を超えたり、その人数の変化が所定の閾値を超えたりしたときに実行されるようにしてもよく、その場合には、後述するステップS200、S201、S220を省略すればよい。
【0061】
まず、新たな利用者Uが、いずれかの居室10に入室する際、新たな利用者Uにより所持された利用者端末装置5が、皮脂量測定機能により測定した皮脂量を、利用者Uの利用者識別子とともに湿度制御装置6Bに送信する。その結果、ステップS200にて、皮脂量取得部610は、皮脂量測定装置3から利用者Uの利用者識別子及び皮脂量を受信(取得)する。
【0062】
そして、ステップS201にて、皮脂量取得部610は、ステップS200で受信した情報(利用者識別子及び皮脂量)を利用者管理情報601Bに登録する。
【0063】
次に、ステップS202にて、いずれかの居室10に入室済みの利用者Uにより所持された利用者端末装置5が、皮脂量測定機能により測定した利用者Uの皮脂量と、現在位置特定機能により特定した利用者Uの現在位置とを、利用者Uの利用者識別子とともに湿度制御装置6Bに送信することで、皮脂量取得部610及び所在位置取得部613は、利用者端末装置5から利用者Uの利用者識別子、皮脂量及び現在位置を受信する。なお、前回の送受信時から皮脂量及び現在位置に変化がない場合には、上記の送受信は省略されてもよい。
【0064】
そして、ステップS203にて、皮脂量取得部610は、ステップS220で受信した情報(利用者識別子、皮脂量及び現在位置)に基づいて、利用者管理情報601Bに登録済みの情報(利用者識別子、皮脂量及び所在位置)を利用者U毎に更新する。
【0065】
次に、ステップS210~S216にて、目標湿度設定部612は、利用者管理情報601Bを参照することで、利用者U毎の皮脂量及び所在位置を取得し、各居室10にそれぞれ所在する各利用者Uの皮脂量と、各居室10に所在する利用者Uの人数とに基づいて、目標湿度を居室10毎に設定する。
【0066】
具体的には、ステップS210にて、目標湿度設定部612は、利用者U毎の皮脂量及び所在位置に基づいて、居室10に所在する利用者Uのうち皮脂量が皮脂量基準値(例えば、20μg/cm2)よりも低い利用者Uの割合を居室10毎に算出する。
【0067】
次に、ステップS211A、S211Bにて、目標湿度設定部612は、居室10単位でのループ処理を実行する。すなわち、ステップS211AとステップS211Bに囲まれたステップS212~S216を居室10毎に繰り返し実行することで、目標湿度を居室10毎に設定する。
【0068】
目標湿度設定部612は、居室10毎の割合に基づいて、利用者Uの割合が第1の割合基準値(例えば、30%)よりも高い場合には(ステップS212:Yes)、ステップS213にて、調湿設備2の目標湿度を、第1の相対湿度R1(例えば、60%RH)に設定し、利用者Uの割合が第2の割合基準値(例えば、10%)よりも低い場合には(ステップS214:Yes)、ステップS215にて、調湿設備2の目標湿度を、第1の相対湿度R1よりも低い第2の相対湿度R2(例えば、50%RH)に設定する。
【0069】
また、利用者Uの割合が第1の割合基準値(例えば、30%)よりも低く、かつ、第2の割合基準値(例えば、10%)よりも高い場合には(ステップS212:No、かつ、S214:No)、ステップS216にて、調湿設備2の目標湿度を、第1の相対湿度R1よりも低く、第2の相対湿度R2よりも高い第3の相対湿度R3(例えば、55%RH)に設定する。
【0070】
次に、ステップS220にて、目標湿度設定部612は、ステップS210~S216にて設定した居室10毎の目標湿度を居室管理情報602に登録する。
【0071】
次に、ステップS230にて、報知情報生成部614は、居室管理情報602を参照し、ステップS200で受信した新たな利用者Uの皮脂量に応じた居室10を当該利用者Uに報知する報知情報を生成する。例えば、新たな利用者Uの皮脂量が、皮脂量基準値よりも低い場合には、目標湿度が高く設定された居室10に入室するように報知する報知情報を生成する。そして、報知情報生成部614は、その報知情報を、その利用者Uが所持する利用者端末装置5に送信する。利用者端末装置5は、その報知情報を、例えば、画面や音声で出力することにより、利用者Uは、自己に適した居室10を把握することができる。
【0072】
そして、ステップS240にて、目標湿度設定部612は、居室管理情報602を参照し、居室10毎の目標湿度を、各居室10の室内環境を調節する複数の調湿設備2にそれぞれ送信する。その結果、各調湿設備2の制御盤22は、湿度制御装置6から居室10毎の目標湿度をそれぞれ受信し、その目標湿度と、室内環境センサ20の検出温度及び検出湿度とに基づいて、運転モード(除湿モード又は加湿モード、強弱等)を切り替えることで、各居室10の湿度が目標湿度になるように調湿運転を実行する。
【0073】
以上のように、本実施形態に係る湿度制御装置6Bは、各居室10を利用する利用者Uの皮脂量に基づいて、調湿設備2に対する目標湿度を居室10毎に設定するので、利用者Uの肌状態に合わせた適切な室内環境が提供される。したがって、利用者Uの室内環境に対する満足度を向上させることができる。
【0074】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0075】
例えば、上記実施形態では、皮脂量取得部610は、皮脂量測定装置3や利用者端末装置5により測定された利用者Uの皮脂量を取得するものとして説明したが、皮脂量を取得する方法はこれらに限られない。例えば、居室10にPTZ(パン・チルト・ズーム)機能を有するカメラを設置し、そのカメラにより撮像された画像に基づいて居室10に所在する利用者Uの顔を認識し、利用者Uの皮脂量を測定することで、皮脂量取得部610は、その測定結果として、利用者Uの皮脂量を取得するようにしてもよい。その際、居室10に設置されたカメラは、利用者Uの所在位置を検出する機能を兼用するものでもよい。
【0076】
また、上記実施形態(特に
図3、
図6の例)では、目標湿度設定部612は、皮脂量が皮脂量基準値よりも低い利用者Uの割合と、第1及び第2の割合基準値との比較に基づいて、目標湿度を、例えば、3段階の値(第1乃至第3の相対湿度R1~R3)に固定的に設定するものとして説明したが、目標湿度設定部612による目標湿度の設定手法は、上記に例に限られない。例えば、目標湿度設定部612は、割合基準値をより細かく区分することで、目標湿度をより細かく段階的に設定するようにしてもよいし、特定の区間(例えば、第1の割合基準値と第2の割合基準値との間)については、割合に応じて目標湿度を線形的に増減させるようにしてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、目標湿度設定部612が用いる皮脂量基準値、割合基準値、及び、第1乃至第3の相対湿度R1~R3の値は、予め定められたものとして説明したが、これらのうち少なくとも1つの値は適宜変更してもよく、例えば、居室10の管理者により手動で変更されてもよいし、目標湿度設定部612により自動的に変更されてもよい。
【0078】
第1の変更手法としては、例えば、利用者端末装置5の肌診断用アプリにて皮脂量の測定を利用者Uに適宜通知したり、居室10に設置されたカメラで利用者Uの皮脂量を繰り返し測定したりすることで、皮脂量取得部610が、居室10に所在する利用者Uの皮脂量を時間間隔を空けて取得可能である場合には、目標湿度設定部612は、その皮脂量の経時変化に基づいて、皮脂量基準値、割合基準値、及び、第1乃至第3の相対湿度R1~R3の少なくとも1つの値を変更する手法が挙げられる。例えば、目標湿度設定部612は、目標湿度を設定した状態の居室10に所在する利用者Uの皮脂量の経時変化に基づいて目標湿度を再設定するものであり、経時変化としてその利用者Uの皮脂量が下降した場合には、目標湿度を高く設定し、経時変化としてその利用者Uの皮脂量が上昇した場合には、目標湿度を低く設定するようにしてもよい。ここでの利用者Uは、居室10に所在する一部(例えば、皮脂量が皮脂量基準値よりも低い利用者U)でもよいし、全員でもよい。なお、利用者Uが複数人の場合には、皮脂量の経時変化としては、皮脂量の平均値の経時変化を用いればよい。
【0079】
したがって、上記実施形態では、目標湿度設定部612が、例えば、第1の時刻にて取得された利用者Uの皮脂量に基づいて、目標湿度を第1の相対湿度R1(60%RH)に設定し、調湿設備2による調湿運転が実行された状態で所定の時間が経過した第2の時刻における利用者Uの皮脂量が下降した場合には、第1の相対湿度R1を「3%」だけ高く変更し、反対に上昇した場合には、第1の相対湿度R1を「3%」だけ低く変更するようにすればよい。
【0080】
第2の変更手法としては、例えば、目標湿度設定部612が、利用者端末装置5を介して室内環境の快適度や肌の状態変化等に関するアンケートを利用者Uに対して実施し、各利用者Uの皮脂量とアンケート結果との相関関係を統計手法や機械学習手法にて解析することで、皮脂量基準値、割合基準値、及び、第1乃至第3の相対湿度R1~R3の少なくとも1つの値を変更する手法が挙げられる。例えば、目標湿度設定部612が、上記実施形態のように、皮脂量基準値(20μg/cm2)、第1の割合基準値(30%)、第2の割合基準値(10%)、第1の相対湿度R1(60%RH)、第2の相対湿度R2(50%RH)、第3の相対湿度R3(55%RH)を用いたときに、利用者Uのアンケート結果として、「乾燥していて、不満」が得られた場合には、目標湿度設定部612は、皮脂量基準値を30μg/cm2に増加させる、第1の割合基準値を20%に減少させる、又は、第1の相対湿度R1を65%RHに増加させるようにすればよい。
【0081】
また、上記実施形態では、湿度制御プログラム600A、600Bは、記憶部60に記憶されたものとして説明したが、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、湿度制御プログラム600A、600Bは、ネットワーク7に接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク7経由でダウンロードさせることにより提供されてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1A、1B…空調システム、2…調湿設備、3…皮脂量測定装置、4…入退室管理装置、
5…利用者端末装置、6A、6B…湿度制御装置、7…ネットワーク、
10…居室、20…室内環境センサ、21…操作盤、22…制御盤、
30…皮脂量センサ、31…表示部、60…記憶部、61…制御部、62…通信部、
600A、600B…湿度制御プログラム、601A、601B…利用者管理情報、
602…居室管理情報、610…皮脂量取得部、611…入退室記録部、
612…目標湿度設定部、613…所在位置取得部、614…報知情報生成部、
U…利用者