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特開2022-178025情報伝送システム、情報伝送方法および基地局プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178025
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】情報伝送システム、情報伝送方法および基地局プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20221125BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20221125BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20221125BHJP
   H04W 28/02 20090101ALI20221125BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W4/70
H04W84/10 110
H04W28/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084513
(22)【出願日】2021-05-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲鶴▼見康平及び安達宏一、「LoRaWANにおけるパケット型インデックス変調方式」、令和2年度 電気通信大学 情報理工学域II類 情報通信工学プログラム 卒業論文発表会 AWCC安達研究室予稿、令和3年2月8日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲鶴▼見康平、蕪木碧仁、安達宏一、田久修、太田真衣及び藤井威生、「パケット型インデックス変調におけるクロックドリフト補償法」、2021年 電子情報通信学会総合大会通信講演論文集1、B-5-135、411頁、電子情報通信学会、令和3年3月9日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 安達宏一、▲鶴▼見康平、蕪木碧仁、田久修、太田真衣及び藤井威生、「パケット型インデックス変調を用いるLoRaWANの実装評価」、2021年 電子情報通信学会総合大会通信講演論文集1、B-5-136、412頁、電子情報通信学会、令和3年3月9日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度 総務省「環境ダイナミクスを活用したフレキシブルLPWAの研究開発」委託研究 産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】安達 宏一
(72)【発明者】
【氏名】▲鶴▼見 康平
(72)【発明者】
【氏名】蕪木 碧仁
(72)【発明者】
【氏名】藤井 威生
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB27
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE72
5K067HH22
(57)【要約】
【課題】安価な端末を用いて効率的な情報伝送を行う。
【解決手段】クロックドリフト推定部(313)は、過去に端末(2)から別のパケット(Pj)を受信した過去受信時刻(tr,j)と、過去受信時刻を含む過去時間フレームにおける端末と基地局(3)との時刻ずれを表す過去クロックドリフト(Td,j)とに基づいて、端末から最新のパケット(Pi)を受信した最新受信時刻(tr,i)を含む最新時間フレームにおける時刻ずれを表す最新クロックドリフト(Td,i)を推定する。送信インデックス検出部(314)は、最新受信時刻と、最新クロックドリフトとに基づいて時間スロットインデックス(q)を検出する。情報結合部(315)は、時間スロットインデックスを用いて復元した第1データ(D1)と、パケットを復調して得られた第2データ(D2)とを結合して送信データ(D0)を復元する。
【選択図】図4B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1周期の長さを有する時間フレームごとにパケットを送信する端末と、
前記パケットを受信する基地局と
を備え、
前記端末は、
送信データを分割して第1データと第2データとを生成する情報分割部と、
前記第1データを符号化して、前記時間フレームを分割した複数の時間スロットのいずれかを表す時間スロットインデックスを生成する送信パラメータ決定部と、
前記第2データが表す情報を変調した前記パケットを、前記時間スロットインデックスが表す時間スロットの間に送信する送信部と
を備え、
前記基地局は、
過去に前記端末から別のパケットを受信した過去受信時刻と、前記過去受信時刻を含む過去時間フレームにおける前記端末と前記基地局との時刻ずれを表す過去クロックドリフトとに基づいて、前記端末から最新の前記パケットを受信した最新受信時刻を含む最新時間フレームにおける前記時刻ずれを表す最新クロックドリフトを推定するクロックドリフト推定部と、
前記最新受信時刻と、前記最新クロックドリフトとに基づいて前記時間スロットインデックスを検出する送信インデックス検出部と、
前記時間スロットインデックスを用いて復元した前記第1データと、前記パケットを復調して得られた前記第2データとを結合して前記送信データを復元する情報結合部と
を備える
情報伝送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報伝送システムにおいて、
前記クロックドリフト推定部は、
前記過去受信時刻と、前記過去クロックドリフトと、前記最新受信時刻とに基づいて、前記過去時間フレームから前記最新時間フレームまでの前記時刻ずれの変化量を表す最新クロックドリフト変化量を推定し、
前記過去クロックドリフトに前記最新クロックドリフト変化量を加算して前記最新クロックドリフトを推定する
情報伝送システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報伝送システムにおいて、
前記クロックドリフト推定部は、
前記時間スロットインデックスと、前記最新受信時刻とに基づいて前記最新時間フレームの開始時刻を表す最新時間フレーム開始時刻を推定し、
前記過去クロックドリフトと、前記最新時間フレーム開始時刻とに基づいて前記最新クロックドリフトの推定値を更新する
情報伝送システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報伝送システムにおいて、
前記送信部は、前記時間スロットの開始時刻から所定の遅延時間が経過した時刻に前記パケットの送信を開始し、
前記遅延時間は、前記時間スロットの長さから、前記パケットの送信時間の長さを引き算した時間差より短く、
前記クロックドリフト推定部は、前記遅延時間にさらに基づいて、前記最新時間フレーム開始時刻を推定する
情報伝送システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報伝送システムにおいて、
前記送信部は、
前記基地局が把握している第1時間フレームの、前記基地局が把握している第1時間スロットインデックスが表す時間スロットに、第1初期化パケットの送信を行い、
前記基地局が把握している第2時間フレームの、前記基地局が把握している第2時間スロットインデックスが表す時間スロットに、第2初期化パケットの送信を行い、
前記基地局は、
前記第1初期化パケットを受信した第1受信時刻と、前記第2初期化パケットを受信した第2受信時刻とに基づいて、前記過去クロックドリフトを初期化する初期化部
をさらに備える
情報伝送システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報伝送システムにおいて、
前記初期化部は、前記過去クロックドリフトが所定の閾値より大きいとき、前記第1初期化パケットと前記第2初期化パケットとの送信を前記送信部に要求する要求信号を送信する
情報伝送システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の情報伝送システムにおいて、
前記送信部は、前記第1初期化パケットを送信した前記第1受信時刻から所定の期間が経過したとき、前記第1初期化パケットの前記送信と、前記第2初期化パケットの前記送信とを行う
情報伝送システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の情報伝送システムにおいて、
前記送信パラメータ決定部は、前記第1データを符号化して、複数の周波数チャネルのうちの、前記パケットの送信に使用する周波数チャネルを表す周波数チャネルインデックスをさらに生成し、
前記送信インデックス検出部は、前記パケットを受信した周波数チャネルに基づいて、前記周波数チャネルインデックスをさらに検出し、
前記情報結合部は、前記周波数チャネルインデックスをさらに用いて前記第2データを復元する
情報伝送システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の情報伝送システムにおいて、
前記端末を含む複数の前記端末を備え、
前記複数の端末は、互いに独立にパケットを送信し、
前記基地局は、前記複数の端末のそれぞれから前記パケットを受信する
情報伝送システム。
【請求項10】
端末が、第1周期の長さを有する時間フレームごとにパケットを送信することと、
基地局が、前記パケットを受信することと
を含み、
前記送信することは、
送信データを分割して第1データと第2データとを生成することと、
前記第1データを符号化して、前記時間フレームを分割した複数の時間スロットのいずれかを表す時間スロットインデックスを生成することと、
前記第2データを表す情報を変調した前記パケットを、前記時間スロットインデックスが表す時間スロットの間に送信することと
を含み、
前記受信することは、
過去に前記端末から他のパケットを受信した過去受信時刻と、前記過去受信時刻を含む過去時間フレームにおける前記端末と前記基地局との時刻ずれを表す過去クロックドリフトとに基づいて、前記端末から最新の前記パケットを受信した最新受信時刻を含む最新時間フレームにおける前記時刻ずれを表す最新クロックドリフトを推定することと、
前記最新受信時刻と、前記最新クロックドリフトとに基づいて前記時間スロットインデックスを検出することと、
前記時間スロットインデックスを用いて復元した前記第1データと、前記パケットを復調して得られた前記第2データとを結合して前記送信データを復元することと
を含む
情報伝送方法。
【請求項11】
端末が送信データを送信するために第1周期の長さを有する時間フレームごとに送信するパケットを受信する基地局の処理を、前記基地局の演算装置が実行することによって実現するための基地局プログラムであって、
前記処理は、
過去に前記端末から他のパケットを受信した過去受信時刻と、前記過去受信時刻を含む過去時間フレームにおける前記端末と前記基地局との時刻ずれを表す過去クロックドリフトとに基づいて、前記端末から最新の前記パケットを受信した最新受信時刻を含む最新時間フレームにおける前記時刻ずれを表す最新クロックドリフトを推定することと、
前記最新受信時刻と、前記最新クロックドリフトとに基づいて、前記時間フレームを分割した複数の時間スロットのうちの前記パケットを送信した時間スロットを表す時間スロットインデックスを検出することと、
前記時間スロットインデックスを用いて復元した第1データと、前記パケットを復調して得られた第2データとを結合して前記送信データを復元することと
を含む
基地局プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報伝送システム、情報伝送方法および基地局プログラムに関し、例えば、無線通信を行う端末および基地局を用いる情報伝送システムと、この情報伝送システムが用いる情報伝送方法と、この基地局が用いる基地局プログラムとに関する。
【背景技術】
【0002】
多数のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)端末から、それぞれ比較的少量のデータを、単独の基地局へ伝送する需要がある。例えば、それぞれの端末がセンサ装置で検出したセンサデータを基地局やゲートウェイなどに集約することで、それぞれのセンサデータのデータ量は比較的少なくても、集約した基地局では有意な統計的データが得られる。
【0003】
このようなIoT端末は、消費電力が少なく、かつ、長距離の伝送が可能である必要がある。そこで、LPWA(Low Power Wide Area:省電力広域)無線通信の規格として、LoRaWAN(Long Range Wide Area Network)などが開発されている。LoRaWANは、簡易なMAC(Medium Access Control:メディアアクセス制御)層アクセスプロトコルを利用し、低消費電力で長距離伝送が可能であることが知られている。
【0004】
その一方で、LoRaWANで複数の端末がそれぞれのパケットを基地局などに送信するとき、次のような課題が発生し得る。
【0005】
複数の端末が互いに独立にパケットを送信するとき、2つ以上のパケットが同時に送信されるパケット衝突が発生し得る。このとき、PDR(Packet Delivery Rate:パケット配信率)が低下する。
【0006】
DC(Duty Cycle:送信比率)による送信時間に制約がある。言い換えれば、伝送容量を拡大するために送信パケットの数を所定の閾値より増やすことが困難または不可能である。
【0007】
一般的に、各端末がパケット情報を送信してから次のパケット情報を送信するまでの時間間隔が比較的大きい。
【0008】
安価な端末は、基地局との時刻合わせを行うための構成を有していない場合があり、端末と基地局との間でクロックドリフトが蓄積される場合がある。
【0009】
上記に関連して、非特許文献1(LoRa Alliance,Inc.、“LoRaWAN(TM) 1.0.3 Specification”、2018年、インターネット<URL:https://lora-alliance.org/sites/default/files/2018-07/lorawan1.0.3.pdf>)には、LoRaWANの仕様書第1.0.3版が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】LoRa Alliance,Inc.、“LoRaWAN(TM) 1.0.3 Specification”、2018年、インターネット<URL:https://lora-alliance.org/sites/default/files/2018-07/lorawan1.0.3.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記状況に鑑み、本開示は、安価な端末を用いて効率的な情報伝送を行うことができる情報伝送システム、情報伝送方法および基地局プログラムを提供することを目的の1つとする。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0013】
一実施の形態によれば、情報伝送システム(1)は、端末(2)と、基地局(3)とを備える。端末(2)は、第1周期の長さ(Tframe)を有する時間フレームごとにパケット(Pi)を送信する。基地局(3)は、パケット(Pi)を受信する。端末(2)は、情報分割部(211)と、送信パラメータ決定部(212)と、送信部(215)とを備える。情報分割部(211)は、送信データ(D0)を分割して第1データ(D1)と第2データ(D2)とを生成する。送信パラメータ決定部(212)は、第1データ(D1)を符号化して、時間フレームを分割した複数の時間スロットのいずれかを表す時間スロットインデックス(q)を生成する。送信部(215)は、第2データ(D2)が表す情報を変調したパケット(Pi)を、時間スロットインデックス(q)が表す時間スロットの間に送信する。基地局(3)は、クロックドリフト推定部(313)と、送信インデックス検出部(314)と、情報結合部(315)とを備える。クロックドリフト推定部(313)は、過去に端末(2)から別のパケット(Pj)を受信した過去受信時刻(tr,j)と、過去受信時刻(tr,j)を含む過去時間フレームにおける端末(2)と基地局(3)との時刻ずれを表す過去クロックドリフト(Td,j)とに基づいて、端末(2)から最新のパケット(Pi)を受信した最新受信時刻(tr,i)を含む最新時間フレームにおける時刻ずれを表す最新クロックドリフト(Td,i)を推定する。送信インデックス検出部(314)は、最新受信時刻(tr,i)と、最新クロックドリフト(Td,i)とに基づいて時間スロットインデックス(q)を検出する。情報結合部(315)は、時間スロットインデックス(q)を用いて復元した第1データ(D1)と、パケットを復調して得られた第2データ(D2)とを結合して送信データ(D0)を復元する。
【0014】
一実施の形態によれば、情報伝送方法は、端末(2)が、第1周期の長さ(Tframe)を有する時間フレームごとにパケット(Pi)を送信すること(S03~S07)と、基地局(3)が、パケット(Pi)を受信すること(S08~S12)とを含む。送信すること(S03~S07)は、送信データ(D0)を分割して第1データ(D1)と第2データ(D2)とを生成すること(S04)と、第1データ(D1)を符号化して、時間フレームを分割した複数の時間スロットのいずれかを表す時間スロットインデックス(q)を生成すること(S05)と、第2データ(D2)を表す情報を変調したパケット(Pi)を、時間スロットインデックス(q)が表す時間スロットの間に送信すること(S07)とを含む。受信すること(S08~S12)は、過去に端末(2)から他のパケット(Pj)を受信した過去受信時刻(tr,j)と、過去受信時刻(tr,j)を含む過去時間フレームにおける端末(2)と基地局(3)との時刻ずれを表す過去クロックドリフト(Td,j)とに基づいて、端末(2)から最新のパケット(Pi)を受信した最新受信時刻(tr,i)を含む最新時間フレームにおける時刻ずれを表す最新クロックドリフト(Td,i)を推定すること(S09)と、最新受信時刻(tr,i)と、最新クロックドリフト(Td,i)とに基づいて時間スロットインデックス(q)を検出すること(S10)と、時間スロットインデックス(q)を用いて復元した第1データ(D1)と、パケット(Pi)を復調して得られた第2データ(D2)とを結合して送信データ(D0)を復元すること(S12)とを含む。
【0015】
一実施の形態によれば、基地局プログラム(321)は、端末(2)が送信データ(D0)を送信するために第1周期の長さ(Tframe)を有する時間フレームごとに送信するパケット(Pi)を受信する基地局(3)の処理を、基地局(3)の演算装置(31)が実行することによって実現するための基地局プログラム(321)である。この処理は、過去に端末(2)から他のパケット(Pj)を受信した過去受信時刻(tr,j)と、過去受信時刻(tr,j)を含む過去時間フレームにおける端末(2)と基地局(3)との時刻ずれを表す過去クロックドリフト(Td,j)とに基づいて、端末(2)から最新のパケット(Pi)を受信した最新受信時刻(tr,i)を含む最新時間フレームにおける時刻ずれを表す最新クロックドリフト(Td,i)を推定すること(S09)と、最新受信時刻(tr,i)と、最新クロックドリフト(Td,i)とに基づいて、時間フレームを分割した複数の時間スロットのうちのパケット(Pi)を送信した時間スロットを表す時間スロットインデックス(q)を検出すること(S10)と、時間スロットインデックス(q)を用いて復元した第1データ(D1)と、パケット(Pi)を復調して得られた第2データ(D2)とを結合して送信データ(D0)を復元すること(S12)とを含む。
【発明の効果】
【0016】
一実施の形態によれば、情報伝送システム、情報伝送方法および基地局プログラムは、安価な端末を用いて効率的な情報伝送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、一実施の形態による情報伝送システムの一構成例を示す図である。
図2図2は、一実施の形態による端末の一構成例を示すブロック回路図である。
図3図3は、一実施の形態による基地局の一構成例を示すブロック回路図である。
図4A図4Aは、一実施の形態による情報伝送方法の一構成例を示すフローチャートの一部である。
図4B図4Bは、一実施の形態による情報伝送方法の一構成例を示すフローチャートの一部である。
図5図5は、パケット型インデックス変調について説明するための図である。
図6A図6Aは、一実施の形態による端末の一動作例を示す図である。
図6B図6Bは、一実施の形態による基地局の一動作例を示す図である。
図7図7は、基地局による時間スロットインデックスの検出について説明するための図である。
図8図8は、端末と基地局との時刻ずれについて説明するための図である。
図9図9は、クロックドリフトによる時間スロットインデックスの誤検出について説明するための図である。
図10A図10Aは、一実施の形態による端末と基地局とのクロックドリフトの観測値の分布の一例を示すグラフである。
図10B図10Bは、一実施の形態による端末と基地局とのクロックドリフトの観測値の分布の一例を示すグラフである。
図10C図10Cは、一実施の形態による端末と基地局とのクロックドリフトの観測値の分布の一例を示すグラフである。
図10D図10Dは、一実施の形態による端末と基地局とのクロックドリフトの観測値の分布の一例を示すグラフである。
図10E図10Eは、一実施の形態による端末と基地局とのクロックドリフトの観測値の分布の一例を示すグラフである。
図10F図10Fは、一実施の形態による端末と基地局とのクロックドリフトの観測値の分布の一例を示すグラフである。
図11図11は、一実施の形態による端末におけるクロックドリフトの観測値の時間変化の一例を示すグラフである。
図12図12は、一実施の形態による情報伝送方法の一構成例を部分的に示すフローチャートである。
図13A図13Aは、一実施の形態による情報伝送システムのシミュレーション結果の一例を示すグラフである。
図13B図13Bは、一実施の形態による情報伝送システムのシミュレーション結果の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面を参照して、本発明による情報伝送システム、情報伝送方法および基地局プログラムを実施するための形態を以下に説明する。
【0019】
(第1実施の形態)
図1に示すように、一実施の形態による情報伝送システム1は、複数の端末2A、2B、2C、2Dと、基地局3とを備える。端末2A、2B、2C、2Dを区別しないとき、これらを端末2と総称する。
【0020】
それぞれの端末2は、互いに独立して情報を送信する。言い換えれば、それぞれの端末2は情報を送信するときに互いに同期しない。基地局3は、端末2から送信された情報を受信する。
【0021】
図2に示すように、一実施の形態による端末2は、バス20と、演算装置21と、記憶装置22と、通信装置23と、センサ装置24とを備える。演算装置21、記憶装置22、通信装置23およびセンサ装置24は、バス20を介して通信可能に接続されている。
【0022】
演算装置21は、データ生成部210と、情報分割部211と、送信パラメータ決定部212と、変調部213と、パケット生成部214と、送信部215と、初期化部216と、受信部217とを備える。記憶装置22は、端末2を識別するための端末IDを表す端末ID情報と、演算装置21によって実行されるための端末プログラム221とを格納している。複数の端末2のそれぞれの端末IDは、互いに異なる。端末プログラム221は、外部の記録媒体220から読み出されて記憶装置22に格納されていてもよい。記録媒体220は、非一時的で有形の媒体(non-transitory and tangible media)であってもよい。
【0023】
演算装置21は、端末プログラム221を記憶装置22から読み出して実行することにより、データ生成部210、情報分割部211、送信パラメータ決定部212、変調部213、パケット生成部214、送信部215、初期化部216および受信部217の機能をそれぞれ実現する。言い換えれば、データ生成部210、情報分割部211、送信パラメータ決定部212、変調部213、パケット生成部214、送信部215、初期化部216および受信部217のそれぞれは、図2では便宜上、演算装置21の構成要素として示されているが、演算装置21と端末プログラム221が協働して所定の機能を実現する機能部である。これらの機能の詳細については後述する。
【0024】
通信装置23は、基地局3との間で無線通信を行う。通信装置23は、基地局3が受信するためのパケット情報を送信部215の制御下で送信し、また、基地局3から送信される要求信号などの信号を受信部217の制御下で受信する。記憶装置22に格納されている端末プログラム221は、通信装置23によって基地局3または他の外部装置から受信されたものであってもよい。
【0025】
センサ装置24は、周囲の状態を表す所望のパラメータを計測し、この計測の結果を表す測定データを出力する。一例として、センサ装置24は、周囲の気温を測定する気温センサ、周囲の湿度を測定する湿度センサ、周囲の二酸化炭素濃度を測定する二酸化炭素濃度センサ、などであってもよい。
【0026】
図3に示すように、一実施の形態による基地局3は、バス30と、演算装置31と、記憶装置32と、通信装置33とを備えている。演算装置31、記憶装置32および通信装置33は、バス30を介して通信可能に接続されている。
【0027】
演算装置31は、受信部310と、復調部311と、クロックドリフト推定部313と、送信インデックス検出部314と、情報結合部315と、初期化部316と、送信部317とを備えている。記憶装置32は、演算装置31によって実行されるための基地局プログラム321を格納している。基地局プログラム321は、外部の記録媒体320から読み出されて記憶装置32に格納されていてもよい。記録媒体320は、非一時的で有形の媒体(non-transitory and tangible media)であってもよい。
【0028】
演算装置31は、基地局プログラム321を記憶装置32から読み出して実行することにより、受信部310、復調部311、クロックドリフト推定部313、送信インデックス検出部314、情報結合部315、初期化部316および送信部317の機能を実現する。言い換えれば、受信部310、復調部311、クロックドリフト推定部313、送信インデックス検出部314、情報結合部315、初期化部316および送信部317のそれぞれは、図3では便宜上、演算装置31の構成要素として示されているが、演算装置31と基地局プログラム321が協働して所定の機能を実現する機能部である。これらの機能の詳細については後述する。
【0029】
通信装置33は、端末2との間で無線通信を行う。通信装置33は、端末2から送信されるパケット情報を受信部310の制御下で受信し、また、端末2に要求信号などの信号を送信部317の制御下で送信する。記憶装置32に格納されている基地局プログラム321は、通信装置33によって他の外部装置から受信されたものであってもよい。
【0030】
図4Aおよび図4Bのフローチャートを参照して、一実施の形態による情報伝送方法の一構成例について説明する。一実施の形態による情報伝送方法を説明することで、一実施の形態による情報伝送システム1の一動作例を説明する。図4Aおよび図4Bのフローチャートのうち、基地局3が行う処理は、基地局3の演算装置31が基地局プログラム321を実行することによって実現される。図4Aおよび図4Bのフローチャートのうち、図4Aに示した部分では、主に、端末2が送信データをPLIM(Packet-Level Index Modulation:パケット型インデックス変調)方式で送信する動作について説明する。また、図4Bに示した部分では、主に、基地局3が送信データをPLIM方式で受信する動作について説明する。ここで、PLIM方式とは、送信データの一部を表す情報を含むパケットを、送信データの別の一部に一対一対応する送信パラメータで送受信することによって、単にパケットを送受信するだけの通信方式と比較して、送信パラメータの分だけ追加の情報を同時に送受信することができる通信方式である。PLIM方式は、LPWAN(省電力広域ネットワーク)の一種であるLoRaWAN(Long Range Wide Area Network)に、既存の通信規格を変更することなく適用可能である。
【0031】
図4Aおよび図4Bのフローチャートが開始すると、ステップS01が実行される。図4AのステップS01において、端末2の初期化部216は、前回の初期化から所定の期間が経過したかどうかを判定する。より具体的には、端末2の演算装置21が端末プログラム221を実行することによって、初期化部216の機能が実現する。ここで、初期化とは、端末2と基地局3との時刻ずれの初期化である。端末2が起動して初めてステップS01を実行する場合には、ステップS01の後にステップS02を実行する。端末2の初期化部216が、後述するステップS02で時刻ずれの初期化を過去に行っており、かつ、それから所定の期間が経過している場合(YES)にも、ステップS01の後にステップS02を実行する。端末2が時刻ずれの初期化を過去に行っており、かつ、それから所定の期間が経過していない場合(NO)には、ステップS01の後にステップS03を実行する。ここで、所定の期間は、例えば、24時間である。この場合、端末2は24時間ごとにステップS02を実行して時刻ずれの初期化を行う。
【0032】
図4AのステップS02において、端末2の初期化部216と、基地局3の初期化部316は、端末2と基地局3との時刻ずれを初期化する。より具体的には、端末2の演算装置21が端末プログラム221を実行することによって端末2の初期化部216の機能が実現し、基地局3の演算装置31が基地局プログラム321を実行することによって基地局3の初期化部316の機能が実現する。端末2の時間は端末2のクロック回路で決定され、基地局3の時間は基地局3のクロック回路で決定されるので、端末2の時間と基地局3の時間との間に時刻ずれが生じる場合がある。基地局3が端末2との時刻ずれを把握することによって、その後の通信の精度を向上させることができる。
【0033】
端末2の初期化部216は、所定の第1の送信時刻に、初期化のための第1のパケットを送信する。端末2の初期化部216は、さらに、所定の第2の送信時刻に、初期化のための第2のパケットを送信する。基地局3の初期化部316は、第1のパケットを受信した第1受信時刻と、第2のパケットを受信した第2受信時刻とを用いて、端末2と基地局3との時刻ずれを検出して記憶装置32に格納する。ここで、基地局3は、第1の送信時刻と第2の送信時刻とを予め把握している。より具体的には、図5に示すように、本実施の形態では時間を複数の時間フレームに区切り、さらに、それぞれの時間フレームを複数の時間スロットに区切る。一例として、時間フレームの周期Tframeは30秒であり、時間スロットの長さTslotは7.5秒である。別の一例として、時間フレームの周期Tframeは30秒であるとき、時間スロットの長さTslotは1秒であってもよい。また、端末2は、時間フレームごとにパケットを送信する。端末2と基地局3は、どの時間フレームのどの時間スロットに第1のパケットを送受信し、どの時間フレームのどの時間スロットに第2のパケットを送受信するかを表す情報を、予め共有している。言い換えれば、基地局3は、第1の送信時刻と第2の送信時刻とを予め把握している。
【0034】
端末2と基地局3との時刻ずれは、時間の経過に伴って蓄積して変化する。ある時刻まで蓄積した時刻ずれは、その時刻におけるクロックドリフトと呼ばれる。第1の受信時刻と第2の受信時刻とは、後述するステップS09でクロックドリフトを推定するときに利用される。
【0035】
なお、パケットが端末2から基地局3まで伝達する時間は無視する。言い換えれば、第1の送信時刻から第1の受信時刻までの時間差と、第2の送信時刻から第2の受信時刻までの時間差は、時間フレームと時間スロットとに対して十分に短いので無視できる。
【0036】
本実施の形態によれば、時刻ずれを初期化するときに端末2が時刻合わせを行わないことに注目されたい。端末2は予め決められた時刻にパケットを送信するだけであり、端末2は時刻合わせの機能を有しなくてもよいので、より安価な端末2を使用することができる。また、時刻ずれを初期化するときに基地局3も時刻合わせを行わないことに注目されたい。基地局3は複数の端末2のそれぞれと時刻ずれの初期化を行うことで、1つのクロック回路を用いて複数の端末2との時刻ずれをそれぞれ把握することができる。ステップS02の後、ステップS03が実行される。
【0037】
図4AのステップS03において、端末2のデータ生成部210が、基地局3に送信する送信データD0を生成する。図6Aに示すように、送信データD0のビット数はBplimである。より具体的には、端末2の演算装置21が端末プログラム221を実行することによってデータ生成部210の機能が実現する。データ生成部210は、センサ装置24を制御して測定データを取得し、測定データを変換してデジタルデータである送信データD0を生成する。送信データD0は、端末2の端末IDを表す端末ID情報をさらに含んでいてもよい。ステップS03の後、ステップS04が実行される。
【0038】
図4AのステップS04において、端末2の情報分割部211が送信データD0を分割する。より具体的には、端末2の演算装置21が端末プログラム221を実行することによって情報分割部211の機能が実現する。図6Aに示すように、情報分割部211は、送信データD0を分割して第1データD1と第2データD2とを生成する。第1データD1のビット数はBpiであり、第2データD2のビット数はBplである。ここで、Bplim=Bpi+Bplである。図5Aの例では、送信データD0のうち、上位Bpiビットの部分を第1データD1とし、下位Bplビットの部分を第2データD2としているが、本実施の形態はこの例に限定されない。ステップS04の後、ステップS05が実行される。
【0039】
図4AのステップS05において、端末2の送信パラメータ決定部212が、パケットの送信に用いる送信パラメータを決定する。より具体的には、端末2の演算装置21が端末プログラム221を実行することによって送信パラメータ決定部212の機能が実現する。送信パラメータには、送信を行う送信時刻を表すパラメータと、送信に用いる周波数チャネルを表すパラメータとが含まれる。送信パラメータ決定部212は、送信時刻を表すパラメータとして、パケットを送信する時間フレームの時間スロットを表す時間スロットインデックスを決定する。また、送信パラメータ決定部212は、周波数チャネルを表すパラメータとして、複数の周波数チャネルのうちの、パケットの送信に使用する周波数チャネルを表す周波数チャネルインデックスを決定する。
【0040】
周波数チャネルインデックスは、所定のビット数のバイナリ値として表現できる。図5の例では、周波数f4から周波数f5までの第1の周波数チャネルの周波数チャネルインデックスは「00」である。同様に、周波数f3から周波数f4までの第2の周波数チャネルの周波数チャネルインデックスは「01」であり、周波数f2から周波数f3までの第3の周波数チャネルの周波数チャネルインデックスは「10」であり、周波数f1から周波数f2までの第4の周波数チャネルの周波数チャネルインデックスは「11」である。
【0041】
時間スロットインデックスは、所定のビット数のバイナリ値として表現できる。図5の例では、時刻t10から時刻t20まで(または、時刻t20から時刻t30まで)の時間フレームのうち、時刻t10から時刻t11まで(または、時刻t20から時刻t21まで)の第1の時間スロットの時間スロットインデックスは「00」である。同様に、時刻t11から時刻t12まで(または、時刻t21から時刻t22まで)の第2の時間スロットの時間スロットインデックスは「01」であり、時刻t12から時刻t13まで(または、時刻t22から時刻t23まで)の第3の時間スロットの時間スロットインデックスは「10」であり、時刻t13から時刻t20まで(または、時刻t23から時刻t30まで)の第4の時間スロットの時間スロットインデックスは「11」である。
【0042】
送信パラメータ決定部212は、第1データD1を符号化して時間スロットインデックスと周波数チャネルインデックスとを生成する。一例として、第1データD1をさらに分割して、上位ビットの部分を周波数チャネルインデックスとして用い、残る下位ビットの部分を時間スロットインデックスとして用いる。図6Aの例では、第1のパケットP1に対応付けられた第1データD1は「0100」である。このうち、上位2ビットの部分「01」は第2の周波数チャネルを表す周波数チャネルインデックスとして用いられ、残る下位2ビットの部分「00」は第1の時間スロットを表す時間スロットインデックスとして用いられる。同様に、第2のパケットP2に対応付けられた第1データD1は「1001」であり、その上位2ビットの部分「10」は周波数チャネルインデックスとして用いられ、下位2ビットの部分「01」は時間スロットインデックスとして用いられる。ステップS05の後、ステップS06が実行される。
【0043】
図4AのステップS06において、端末2の変調部213とパケット生成部214とは、第2データD2が表す情報を含むパケットを生成する。より具体的には、端末2の演算装置21が端末プログラム221を実行することによって変調部213の機能とパケット生成部214の機能とが実現する。まず、変調部213が、第2データD2を変調して所定の信号シンボルを生成する。この変調は、例えば、CSS(Chirp Spread Spectrum:チャープスペクトラム拡散)変調であってもよい。CSS変調では、所定のビット数のバイナリデータを1つのチャープ信号シンボルに変換する。CSS復調では、CSS変調の逆変換を行う。以降、1つのチャープ信号シンボルで表すことのできる情報量のビット数を拡散率Sと記す。次に、端末2のパケット生成部214は、変調された第2データD2から、第2データD2が表す情報を含むパケットを生成する。ステップS06の後、ステップS07が実行される。
【0044】
図4AのステップS07において、端末2の送信部215は、パケットを送信する。より具体的には、端末2の演算装置21が端末プログラム221を実行することによって送信部215の機能を実現する。送信部215は、通信装置23を制御して、時間スロットインデックスが表す時間スロットの間に、周波数チャネルインデックスが表す周波数チャネルで、パケットを送信する。ステップS07の後、図4BのステップS08が実行される。
【0045】
図4BのステップS08において、基地局3の受信部310は、図6Bに示すように、パケットを受信する。より具体的には、基地局3の演算装置31が基地局プログラム321を実行することによって受信部310の機能を実現する。受信部310は、通信装置33を制御してパケットを受信し、受信したパケットを記憶装置32に格納する。このとき、受信部310は、さらに、パケットを受信した受信時刻と周波数チャネルとを検出し、パケットに対応付けて記憶装置32に格納する。ステップS08の後、ステップS09が実行される。
【0046】
図4BのステップS09において、基地局3のクロックドリフト推定部313は、クロックドリフトを推定する。より具体的には、基地局3の演算装置31が基地局プログラム321を実行することによってクロックドリフト推定部313の機能を実現する。クロックドリフト推定部313は、最新のパケットを受信した最新受信時刻を含む最新時間フレームにおける、端末2と基地局3との時刻ずれを表すクロックドリフトを推定する。クロックドリフトを推定することは、端末2からパケットが送信された送信時間スロットインデックスを、後述する基地局3の送信インデックス検出部314が正しく検出するために必要である。
【0047】
最も簡単な例として、端末2のクロックと基地局3のクロックとが完全に同期されていてクロックドリフトが無い場合について説明する。図7に示すように、端末2の基準時刻は、端末2が第1の初期化用パケットPを送信した時刻TT0である。基地局3の基準時刻は、基地局3が第1の初期化用パケットPを受信した時刻TR0である。端末2から基地局3までの伝送遅延を無視すると、端末2の基準時刻TT0と基地局3の基準時刻TR0とは同じ時刻である。さらに、端末2のクロックと基地局3のクロックとは同じ速度で進むと、任意の整数jにおいて、端末2のクロックにおける基準時刻TT0からj番目の時間フレームの開始時刻TTjと、基地局3のクロックにおける基準時刻TR0からj番目の時間フレームの開始時刻TRjとは、同じ時刻である。このような場合は、基地局3がj番目のパケットを受信した時刻tと、時間フレームの長さTframeと、時間スロットの長さTslotとに基づいて推定される、j番目のパケットPが送信された時間スロットの時間スロットインデックスq^(正確には、ハット記号「^」は「q」の上にある)は、端末2がj番目のパケットPを送信した送信時間スロットの時間スロットインデックスqに等しい。このとき、j番目の時間フレームの開始時刻TTjから送信時間スロットの開始時刻までの時間は、時間スロットの長さTslotの時間スロットインデックスq倍である。その後も、任意の整数iにおいて、端末2のクロックにおける基準時刻TT0からi番目の時間フレームの開始時刻TTiと、基地局3のクロックにおける基準時刻TR0からi番目の時間フレームの開始時刻TRiとは同じ時刻であり、基地局3は、i番目のパケットPが送信された送信時間スロットの時間スロットインデックスを正確に推定できる。
【0048】
次に、クロックドリフトがある場合について説明する。端末2のクロックが基地局3のクロックより速く進むとき、端末2の時間フレームの長さは、図8に示すように、基地局3の時間フレームの長さTframeより短い。この差を時間差ΔTd,1と呼ぶ。端末2のクロックが基地局3のクロックより速く進むとき、端末2と基地局3との時刻ずれは、時間の経過に伴い蓄積されて増加する。蓄積された時刻ずれをクロックドリフトと呼ぶ。なお、端末2と基地局3との時刻ずれの時間の経過に伴う変化が一次関数にほぼ近似できる。このことについては、後述する。
【0049】
図8の例では、端末2のクロックにおける基準時刻TT0に開始する第1の時間フレームが終了する時刻TT1は、基地局3のクロックにおける基準時刻TR0に開始する第1の時間フレームが終了する時刻TR1より、時間差ΔTd,1だけ遅れている。同様に、端末2のクロックにおける時刻TT1に開始する第2の時間フレームが終了する時刻TT2は、基地局3のクロックにおける時刻TR1に開始する第2の時間フレームが終了する時刻TR2より、時間差ΔTd,2だけ遅れている。このとき、時間差ΔTd,2の長さは、時間差ΔTd,1のおよそ2倍の長さである。さらに、端末2のクロックにおける時刻TT2に開始する第3の時間フレームが終了する時刻TT3は、基地局3のクロックにおける時刻TR2に開始する第3の時間フレームが終了する時刻TR3より、時間差ΔTd,3だけ遅れている。このとき、時間差ΔTd,3の長さは、時間差ΔTd,1のおよそ3倍の長さである。なお、端末2のクロックが基地局3のクロックより遅く進むときも、端末2と基地局3との時刻ずれは、時間の経過に伴い蓄積されて増加する。
【0050】
クロックドリフトが増加すると、基地局3の送信インデックス検出部314が、端末2の送信部215がパケットを送信した時間スロットの時間スロットインデックスとは異なる送信時間スロットインデックスを検出する場合があることについて説明する。任意の整数iにおいて、基準時刻TR0(または基準時刻TT0)から時間フレームをi回繰り返したときに蓄積されているクロックドリフトは、時間差ΔTd,1のi倍である。このクロックドリフトが時間スロットの長さを超えているとき、基地局3の送信インデックス検出部314が検出する時間スロットインデックスは、本来の時間スロットインデックスとは異なる場合がある。図9は、基地局3のクロックにおいて時刻TRiに開始する時間フレームに送受信されたi番目のパケットPの時間スロットインデックスについて、基地局3の送信インデックス検出部314が検出した値が、本来の値から1ずれた場合の例を示している。なお、検出された時間スロットインデックスの、本来の時間スロットインデックスからのずれは、その後、拡大することはあっても縮小することは無い。これは、端末2と基地局3との時刻ずれの時間の経過に伴う変化が一次関数にほぼ近似できるからである。
【0051】
図10A図10Fおよび図11を参照して、端末2と基地局3との時刻ずれの時間の経過に伴う変化が一次関数にほぼ近似できることについて説明する。図10A図10Fは、6台の端末2と、同一の基地局3とのクロックドリフトの観測値の分布の一例をそれぞれ示すグラフである。これらのグラフにおいて、横軸はクロックドリフトを表し、縦軸は分布の強度を表している。いずれの端末2も、基地局3とのクロックドリフトが、分散値がかなり小さい正規分布に近似できることが確認された。このことは、時間の経過に伴うクロックドリフトの変化が、一次関数に近似できることを示している。図11は、これら6台の端末2のそれぞれにおける、クロックドリフトの観測値の時間変化の一例を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は時間を表し、縦軸はクロックドリフトの累積値を表す。図11のグラフは、グラフG11~G16を含んでいる。グラフG11は、図10Bの端末2に対応する。グラフG12は、図10Cの端末2に対応する。グラフG13は、図10Fの端末2に対応する。グラフG14は、図10Aの端末2に対応する。グラフG15は、図10Dの端末2に対応する。グラフG16は、図10Eの端末2に対応する。グラフG11~G16はいずれもほぼ線形であることも、時間の経過に伴うクロックドリフトの変化が一次関数に近似できることを示している。
【0052】
このように、PLIM方式では、時間スロットインデックスが送信データの一部を表しているので、検出した時間スロットインデックスの値が本来の値からずれすぎた場合には、送信データD0の伝送が正確に行われない可能性がある。このような事態を抑制するために、一方では端末2の送信部215がパケットを送信するときに時刻スロットの開始時刻から所定の遅延時間Toffsetを設け、他方では基地局3のクロックドリフト推定部313がクロックドリフトを推定する。
【0053】
遅延時間Toffsetについて説明する。図5に示すように、時間スロットの長さTslotは、端末2の送信部215がパケットを送信するためにかかる送信時間Tpcktより長く設定されている。このとき、時間スロットの開始時刻と、パケットの送信を開始する時刻との間に、時間スロットの長さTslotから送信時間Tpcktを引き算した時間以下の遅延時間Toffsetを設けることができる。こうすることによって、遅延時間Toffsetの分だけクロックドリフトの影響を吸収することができる。なお、クロックドリフトの正負に関わらず影響を吸収するために、パケットの送信を終了する時刻から時間スロットの終了時刻までに別の遅延時間を設けてもよい。一例として、遅延時間Toffsetは、時間スロットの長さTslotから送信時間Tpcktを引き算した時間の半分であってもよい。基地局3は、遅延時間Toffsetを予め把握している。
【0054】
クロックドリフトの推定について説明する。図4BのステップS09において端末2のクロックドリフト推定部313がクロックドリフトを推定するとき、図12のフローチャートが実行される。図12のフローチャートが開始すると、ステップS091が実行される。
【0055】
ステップS091において、クロックドリフト推定部313は、クロックドリフト変化量T^c,i(正確には、ハット記号「^」は「T」の上にある)を推定する。ここで、クロックドリフト変化量T^c,iとは、過去に第jパケットを受信した受信時刻tr,jを含む第j時間フレームから、最新の第iパケットを受信した受信時刻tr,iを含む第i時間フレームまでにクロックドリフトが変化した量である。ここで、jおよびiは任意の整数であり、j<iを満たしている。
【0056】
クロックドリフト変化量T^c,iは、以下の「数1」式で推定される。
【数1】
ここで、「T^c,i」はクロックドリフト変化量であり、「T^d,j」は過去に第jパケットを受信した受信時刻tr,jを含む第j時間フレームにおけるクロックドリフトであり、「tr,j」は過去に第jパケットを受信した受信時刻であり、「T」は基地局3のクロックにおける基準時刻であり、「tr,i」は最新の第iパケットを受信した受信時刻である。
【0057】
ステップS091の後、ステップS092が実行される。ステップS092において、クロックドリフト推定部313は、時間スロットインデックスq^(正確には、ハット記号「^」は「q」の上にある)を推定する。ここで、時間スロットインデックスq^は、最新の第iパケットを受信した受信時刻tr,iを含む時間スロットを表す時間スロットインデックスである。
【0058】
時間スロットインデックスq^は、以下の「数2」式で推定される。
【数2】
ここで、「q^」は時間スロットインデックスであり、「max」はカッコ内の要素の最大値を選択する関数であり、「min」はカッコ内の要素の最小値を選択する関数であり、「qmax」は1つの時間フレームに含まれる時間スロットの総数であり、「tr,i」は最新の第iパケットを受信した受信時刻であり、「i」は基準時刻T以降に送受信されたパケットの番号であり、「Tframe」は時間フレームの長さであり、「T^d,j」は過去に第jパケットを受信した受信時刻tr,jを含む第j時間フレームにおけるクロックドリフトであり、「T^c,i」は第j時間フレームから第i時間フレームまでにクロックドリフトが変化した量であり、「T」は基地局3のクロックにおける基準時刻であり、「Tslot」は時間スロットの長さである。
【0059】
ステップS092の後、ステップS093が実行される。ステップS093において、クロックドリフト推定部313は、時間フレームの開始時刻T^(正確には、ハット記号「^」は「T」の上にある)を算出する。ここで、時間フレームの開始時刻T^は、最新の第iパケットを受信した受信時刻tr,iを含む第i時間フレームの開始時刻である。
【0060】
時間フレームの開始時刻T^は、以下の「数3」式で推定される。
【数3】
ここで、「T^」は第i時間フレームの開始時刻であり、「Tr,i」は第iパケットを受信した受信時刻であり、「q^」は受信時刻tr,iを含む時間スロットを表す時間スロットインデックスであり、「Tslot」は時間スロットの長さであり、「Toffset」は時間スロットの開始時刻から第iパケットの送信を開始した時刻までの遅延時間である。
【0061】
ステップS093の後、ステップS094が実行される。ステップS094において、クロックドリフト推定部313は、クロックドリフトの推定値T^d,iを更新する。ここで、クロックドリフトの推定値T^d,iは、第i時間フレームにおけるクロックドリフトの推定値であって、次のパケットが受信されたときに、次に実行されるステップS091で過去のクロックドリフトの推定値として利用される。
【0062】
クロックドリフトの推定値T^d,iは、以下の「数4」式で算出される。
【数4】
ここで、「T^d,i」は第i時間フレームにおけるクロックドリフトの推定値であり、「T^d,j」は第j時間フレームにおけるクロックドリフトの推定値であり、「T^」は第i時間フレームの開始時刻であり、「T^」は第j時間フレームの開始時刻であり、「i」および「j」はそれぞれ基準時刻T以降に送受信されたパケットの番号であり、「Tframe」は時間フレームの長さである。
【0063】
ステップS094が終了すると、図4BのステップS09も終了し、その後、ステップS10が実行される。
【0064】
図4BのステップS10において、基地局3の送信インデックス検出部314は、送信インデックスを検出する。より具体的には、基地局3の演算装置31が基地局プログラム321を実行することによって送信インデックス検出部314の機能を実現する。送信インデックス検出部314は、ステップS08で検出した周波数チャネルと、図12のステップS092で推定した時間スロットインデックスとを逆変換して、第1データD1を復元する。図6Bに示すように、復元された第1データD1のビット数は、Bpiである。ステップS10の後、ステップS11が実行される。
【0065】
図4BのステップS11において、基地局3の復調部311は、パケットを復調する。より具体的には、基地局3の演算装置31が基地局プログラム321を実行することによって復調部311の機能を実現する。復調部311は、ステップS08で受信したパケットを復調して第2データD2を復元する。図6Bに示すように、復元された第2データD2のビット数は、Bplである。ステップS11の後、ステップS12が実行される。
【0066】
図4BのステップS12において、基地局3の情報結合部315は、送信データD0を復元する。より具体的には、基地局3の演算装置31が基地局プログラム321を実行することによって情報結合部315の機能を実現する。情報結合部315は、ステップS10で復元した第1データD1と、ステップS11で復元した第2データD2とを結合して送信データD0を復元する。図6Bに示すように、復元された送信データD0のビット数は、Bplimである。ここで、Bplim=Bpi+Bplである。復元された送信データD0は、記憶装置32に格納される。ステップS12の後、ステップS13が実行される。
【0067】
図4BのステップS13において、基地局3のクロックドリフト推定部313は、ステップS09で推定したクロックドリフトが所定の閾値を超えたかどうかを判定する。より具体的には、基地局3の演算装置31が基地局プログラム321を実行することによってクロックドリフト推定部313の機能を実現する。クロックドリフトが閾値を超えた場合(YES)には、次のパケットを受信する前に、時刻ずれの初期化を再度実行するために、処理はステップS02に進む。ここで、基地局3の初期化部316は、端末2に初期化用パケットの送信を要求する要求信号を生成し、送信部317は通信装置33を制御して要求信号を端末2に送信する。この要求信号には、初期化用パケットの送信を要求する端末2を表す端末IDを表す情報が含まれていてもよい。また、この要求信号には、初期化用パケットを送信する時間フレームと時間スロットとを指定する情報とが含まれていてもよい。端末2の受信部217は、基地局3からの要求信号を、通信装置23を制御して受信する。端末2の初期化部216は、要求信号の内容に応じて、ステップS02において時刻ずれの初期化を実行する。反対に、クロックドリフトが閾値を超えていない場合(NO)には、次のパケットを受信する前に、前回の初期化から所定の期間が経過したかどうかを判定するために、処理はステップS01に進む。
【0068】
一実施の形態による情報伝送システム1は、以上に説明したような情報伝送方法を実現することによって、時刻合わせの機能を備えない安価な端末2を用いて、PLIM方式による効率的な情報伝送を行うことができる。
【0069】
図13Aおよび図13Bを参照して、一実施の形態による情報伝送システム1のシミュレーション結果の一例について説明する。図13Aは、端末2と基地局3との時刻ずれの分布において平均μ=-1.36×10-3、分散σ=1.98×10-10の場合のシミュレーション結果である。図13Bは、端末2と基地局3との時刻ずれの分布において平均μ=-0.28×10-3、分散σ=1.12×10-10の場合のシミュレーション結果である。
【0070】
図13Aは、グラフG21、G22、G23、G24を含んでおり、これらのグラフに共通して、横軸は時刻Tからの経過時間を示しており、縦軸は時間スロットインデックスの検出誤り確率を示している。ただし、グラフG21とグラフG22とは重なっている。グラフG21は、一実施の形態による情報伝送方法を用いた場合のシミュレーション結果の一例を示しており、時間フレームの長さTframeが30秒であり、時間フレームごとの時間スロットの総数が16である場合における時間スロットインデックスの検出誤り確率はゼロであった。グラフG22は、一実施の形態による情報伝送方法を用いた場合のシミュレーション結果の一例を示しており、時間フレームの長さTframeが130秒であり、時間フレームごとの時間スロットの総数が128である場合における時間スロットインデックスの検出誤り確率はゼロであった。グラフG23は、一実施の形態による情報伝送方法を用いなかった場合のシミュレーション結果の一例を示しており、時間フレームの長さTframeが30秒であり、時間フレームごとの時間スロットの総数が16である場合における時間スロットインデックスの検出誤り確率は急速に上昇して約0.9に集束した。グラフG24は、一実施の形態による情報伝送方法を用いなかった場合のシミュレーション結果の一例を示しており、時間フレームの長さTframeが130秒であり、時間フレームごとの時間スロットの総数が128である場合における時間スロットインデックスの検出誤り確率は急速に上昇して約1.0に集束した。
【0071】
図13Bは、グラフG25、G26、G27、G28を含んでおり、これらのグラフに共通して、横軸は時刻Tからの経過時間を示しており、縦軸は時間スロットインデックスの検出誤り確率を示している。ただし、グラフG25とグラフG26とは重なっている。グラフG25は、一実施の形態による情報伝送方法を用いた場合のシミュレーション結果の一例を示しており、時間フレームの長さTframeが30秒であり、時間フレームごとの時間スロットの総数が16である場合における時間スロットインデックスの検出誤り確率はゼロであった。グラフG26は、一実施の形態による情報伝送方法を用いた場合のシミュレーション結果の一例を示しており、時間フレームの長さTframeが130秒であり、時間フレームごとの時間スロットの総数が128である場合における時間スロットインデックスの検出誤り確率はゼロであった。グラフG27は、一実施の形態による情報伝送方法を用いなかった場合のシミュレーション結果の一例を示しており、時間フレームの長さTframeが30秒であり、時間フレームごとの時間スロットの総数が16である場合における時間スロットインデックスの検出誤り確率は急速に上昇して約0.9に集束した。グラフG28は、一実施の形態による情報伝送方法を用いなかった場合のシミュレーション結果の一例を示しており、時間フレームの長さTframeが130秒であり、時間フレームごとの時間スロットの総数が128である場合における時間スロットインデックスの検出誤り確率は急速に上昇して約1.0に集束した。
【0072】
図13Aおよび図13Bに示したシミュレーション結果から、一実施の形態による情報伝送システム1および情報伝送方法の効果が確認された。
【0073】
上記に説明した一実施の形態では、図4Aのフローチャートに示したように、送信パラメータを決定した後にパケットを生成した。しかし、図6Aに示したように、送信パラメータの決定と、パケットの生成とは並列に実行されてもよいし、パケットを生成した後に送信パラメータを決定してもよい。
【0074】
上記に説明した一実施の形態では、図4Bのフローチャートに示したように、送信インデックスを検出した後にパケットを復調した。しかし、図6Bに示したように、送信インデックスの検出と、パケットの復調とは並列に実行されてもよいし、パケットを復調した後に送信インデックスを検出してもよい。
【0075】
以上、発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、実施の形態に説明したそれぞれの特徴は、技術的に矛盾しない範囲で自由に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 情報伝送システム
2、2A~2D 端末
20 バス
21 演算装置
210 データ生成部
211 情報分割部
212 送信パラメータ決定部
213 変調部
214 パケット生成部
215 送信部
216 初期化部
217 受信部
22 記憶装置
220 記録媒体
221 端末プログラム
23 通信装置
24 センサ装置
3 基地局
30 バス
31 演算装置
310 受信部
311 復調部
313 クロックドリフト推定部
314 送信インデックス検出部
315 情報結合部
316 初期化部
317 送信部
32 記憶装置
320 記録媒体
321 基地局プログラム
33 通信装置
plim、Bpi、Bpl ビット数
D0 送信データ
D1 第1データ
D2 第2データ
ΔTd,1~ΔTd,3 時間差
f1~f5 周波数
G11~G16、G21~G28 グラフ
初期化用パケット
P1、P2、P、P パケット
時間スロットインデックス
q^ 時間スロットインデックスの推定値
t10~t13、t20~t23、t30 時刻
frame 時間フレームの長さ(周期)
pckt 送信時間
slot 時間スロットの長さ
R0、TT0 基準時刻
R1~TR3、TRi~TRi+3、TRj 時間フレームの開始時刻
T1~TT3、TTi~TTi+3、TTj 時間フレームの開始時刻
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11
図12
図13A
図13B