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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178050
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】冷蔵庫システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20221125BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084557
(22)【出願日】2021-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】元井 啓順
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AA12
5B376CA52
(57)【要約】
【課題】冷蔵庫を運転させるプログラムの更新時に、冷蔵庫を運転させるための設定情報を更新しても、設定情報と同一のファイルに記憶されていた冷蔵庫の運転開始後に追加された情報を残すことのできる冷蔵庫システムを提供することである。
【解決手段】実施形態の冷蔵庫システムは、プログラムおよび設定情報に基づいて動作する冷蔵庫と、前記プログラムの更新に伴って前記設定情報を更新する更新設定情報を提供するサーバと、を持つ。前記冷蔵庫は、前記更新設定情報を取得する。前記冷蔵庫は、記憶された前記追加された情報を複製し、記憶された前記設定情報と前記追加された情報とを、取得した前記更新設定情報で上書きし、複製した前記追加された情報を、書き込むことを含む、または、取得した前記更新設定情報を書き込み、前記設定情報と前記追加された情報のうち、前記設定情報を、書き込んだ前記更新設定情報で上書きすることを含む処理を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムおよび設定情報に基づいて動作する冷蔵庫と、前記プログラムの更新に伴って前記設定情報を更新する更新設定情報を提供するサーバと、を備える冷蔵庫システムであって、
前記冷蔵庫は、
前記設定情報と前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報とを関連付けて第1記憶領域に記憶する記憶部と、
前記サーバから前記更新設定情報を取得する取得部と、
前記第1記憶領域に記憶された前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報を前記第1記憶領域と異なる前記記憶部の第2記憶領域に複製し、前記第1記憶領域に関連付けて記憶された前記設定情報と前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報とを、前記取得部が取得した前記更新設定情報で上書きし、前記第2記憶領域に複製した前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報を、前記第1記憶領域に書き込むことを含む第1処理を行う、または、前記取得部が取得した前記更新設定情報を前記第2記憶領域に書き込み、前記第1記憶領域に関連付けて記憶された前記設定情報と前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報のうち、前記設定情報を、前記第2記憶領域に書き込んだ前記更新設定情報で上書きすることを含む第2処理を行う処理部と、
を備える冷蔵庫システム。
【請求項2】
前記処理部が前記第1処理または前記第2処理を完了することを含む所定条件が満たされるまで、前記設定情報に基づいて前記冷蔵庫の動作を制御する制御部、
を備える請求項1に記載の冷蔵庫システム。
【請求項3】
前記処理部は、
前記第1処理を行う場合、前記制御部が前記冷蔵庫の動作を停止させた後に、前記第1記憶領域に関連付けて記憶された前記設定情報と前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報とを、前記取得部が取得した前記更新設定情報で上書きし、前記第2記憶領域に複製した前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報を、前記第1記憶領域に書き込むことを実行し、前記第2処理を行う場合、前記制御部が前記冷蔵庫の動作を停止させた後に、前記第1記憶領域に関連付けて記憶された前記設定情報と前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報のうち、前記設定情報を、前記第2記憶領域に書き込んだ前記更新設定情報で上書きすることを実行する、
請求項2に記載の冷蔵庫システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記冷蔵庫において除霜が行われるべき時機の直前の時機を特定し、
前記処理部は、
前記第1処理を行う場合、前記制御部が特定した時機に基づいて前記冷蔵庫の動作を停止させた後に、前記第1記憶領域に関連付けて記憶された前記設定情報と前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報とを、前記取得部が取得した前記更新設定情報で上書きし、前記第2記憶領域に複製した前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報を、前記第1記憶領域に書き込むことを実行し、前記第2処理を行う場合、前記制御部が特定した時機に基づいて前記冷蔵庫の動作を停止させた後に、前記第1記憶領域に関連付けて記憶された前記設定情報と前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報のうち、前記設定情報を、前記第2記憶領域に書き込んだ前記更新設定情報で上書きすることを実行する、
請求項2または請求項3に記載の冷蔵庫システム。
【請求項5】
前記処理部は
前記第1処理を行う、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の冷蔵庫システム。
【請求項6】
前記処理部は、
前記第2処理を行う、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の冷蔵庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
IoT(Internet of Things)の導入により、さまざまな家電機器がインターネットに接続されている。そのような家電機器において使用されているプログラムは、インターネットを介して更新されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-146178号公報
【特許文献2】特開2017-041180号公報
【特許文献3】特開2020-118407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、冷蔵庫を運転させるプログラムの更新時に、冷蔵庫を運転させるための設定情報を更新しても、設定情報と同一のファイルに記憶されていた冷蔵庫の運転開始後に追加された情報を残すことのできる冷蔵庫システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫システムは、プログラムおよび設定情報に基づいて動作する冷蔵庫と、前記プログラムの更新に伴って前記設定情報を更新する更新設定情報を提供するサーバと、を持つ。前記冷蔵庫は、記憶部と、取得部と、更新部と、を持つ。前記記憶部は、前記設定情報と前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報とを関連付けて第1記憶領域に記憶する。前記取得部は、前記サーバから前記更新設定情報を取得する。前記更新部は、前記第1記憶領域に記憶された前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報を前記第1記憶領域と異なる前記記憶部の第2記憶領域に複製し、前記第1記憶領域に関連付けて記憶された前記設定情報と前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報とを、前記取得部が取得した前記更新設定情報で上書きし、前記第2記憶領域に複製した前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報を、前記第1記憶領域に書き込むことを含む第1処理を行う、または、前記取得部が取得した前記更新設定情報を前記第2記憶領域に書き込み、前記第1記憶領域に関連付けて記憶された前記設定情報と前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報のうち、前記設定情報を、前記第2記憶領域に書き込んだ前記更新設定情報で上書きすることを含む第2処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の冷蔵庫システムの構成の一例を示す図。
図2】第1実施形態のサーバの構成の一例を示す図。
図3】第1実施形態の冷蔵庫の構成の一例を示す図。
図4】第1実施形態の複製部による冷蔵庫の運転開始後に追加された情報を複製する処理の概念を示す図。
図5】第1実施形態の更新部が第1ファイルを取得した第2ファイルで上書きする処理の概念を示す図。
図6】第1実施形態の更新部が行う情報を追加する処理の概念を示す図。
図7】第1実施形態の冷蔵庫システムの処理フローの一例を示す図。
図8】第2実施形態の更新部による更新設定情報を記憶部に書き込む処理の概念を示す図。
図9】第2実施形態の更新部が行う設定情報を更新設定情報に書き換える処理の概念を示す図。
図10】第2実施形態の冷蔵庫システムの処理フローの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫システムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。また、「検出」とは、対象の物理量を直接感知する場合に限定されず、対象の物理量に関連する他の物理量を直接または間接的に取得し、取得した他の物理量から対象の物理量を推定したり特定したりする場合も含み得る。また、「取得」とは、対象物そのものを直接受け取る場合に限定されず、直接受け取った物を演算や加工などを行うことによって対象物となる場合も含み得る。
【0008】
以下では、いくつかの実施形態について説明する。実施形態の冷蔵庫システムは、冷蔵庫を運転させるプログラムの更新時に、冷蔵庫を運転させるための設定情報を更新しても、設定情報と同一のファイルに記憶されていた冷蔵庫の運転開始後に追加された情報を残すことのできるシステムである。なお、冷蔵庫の運転開始後に追加された情報の例としては、エラー情報、冷蔵庫の操作パネルの設定値を示す情報など、設定情報と関連付けて管理することが望まれる情報が挙げられる。また、エラー情報の例としては、エラー内容、エラー回数などが挙げられる。
【0009】
<第1実施形態>
(冷蔵庫システムの構成)
図1は、第1実施形態の冷蔵庫システム1の構成の一例を示す図である。冷蔵庫システム1は、図1に示すように、サーバ10および冷蔵庫20を備える。
【0010】
図2は、第1実施形態のサーバ10の構成の一例を示す図である。サーバ10は、図2に示すように、記憶部101、通信部102、報知部103、および提供部104を備える。
【0011】
記憶部101は、サーバ10が行う処理に必要な種々の情報を記憶する。例えば、記憶部101は、冷蔵庫20を動作させているプログラムおよび設定情報を更新するための更新プログラムおよび更新設定情報を記憶する。
【0012】
通信部102は、インターネットNWを介して冷蔵庫20と通信する。報知部103は、更新プログラムおよび更新設定情報が存在することを、通信部102を介して冷蔵庫20に報知する。例えば、報知部103は、更新プログラムおよび更新設定情報が記憶部101に追加された場合、更新プログラムおよび更新設定情報が存在することを示す報知信号を、冷蔵庫20に送信する。
【0013】
提供部104は、記憶部101が記憶する更新プログラムおよび更新設定情報を、通信部102を介して冷蔵庫20に提供する。例えば、提供部104は、更新プログラムおよび更新設定情報のダウンロードの要求を示す要求指令を、通信部102を介して冷蔵庫20から受信した場合、更新プログラムおよび更新設定情報を、通信部102を介して冷蔵庫20に送信する。
【0014】
図3は、第1実施形態の冷蔵庫20の構成の一例を示す図である。冷蔵庫20は、図3に示すように、記憶部201、通信部202、制御部203、および更新部204(取得部の一例、処理部の一例)を備える。
【0015】
記憶部201は、冷蔵庫20が行う処理に必要な種々の情報を記憶する。例えば、記憶部201は、冷蔵庫20を動作させるプログラムおよび設定情報を記憶する。なお、記憶部201は、プログラムと設定情報を別々のファイルとして記憶している。また、記憶部201は、設定情報と同一のファイルに冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報を記憶する。ファイルにおける設定情報の記載領域と、冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報の記載領域は、予め定められている。通信部202は、インターネットNWを介してサーバ10と通信する。
【0016】
制御部203は、冷蔵庫20の動作を制御する。例えば、制御部203は、更新プログラムおよび更新設定情報が存在する場合(例えば、通信部202を介してサーバ10から報知信号を受信した場合)、記憶部201が記憶するプログラムおよび設定情報を用いた動作を停止させるとともに、記憶部201が記憶するプログラムおよび設定情報へのアクセスを禁止する制御を行う。また、制御部203は、更新部204による後述する冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報の複製が完了すると、冷蔵庫20を再起動させる。また、制御部203は、後述するように、更新部204によりプログラムおよび設定情報が更新された場合、更新後の更新プログラムおよび更新設定情報を用いて、冷蔵庫20の動作を制御する。
【0017】
更新部204は、プログラムおよび設定情報を更新プログラムおよび更新設定情報に書き替える場合、冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報を記憶部201において複製する。図4は、第1実施形態の更新部204による冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報を複製する処理の概念を示す図である。更新部204は、図4に示すように、プログラムおよび設定情報が記憶されている記憶領域とは異なる記憶領域に、冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報を複製する。
【0018】
更新部204は、冷蔵庫20が再起動すると、通信部202を介して、サーバ10から、更新プログラムおよび更新設定情報を取得する。例えば、更新部204は、要求指令をサーバ10に送信し、その要求指令に応じてサーバ10が送信した更新プログラムおよび更新設定情報を受信することにより、更新プログラムおよび更新設定情報を取得する。更新部204は、取得した更新プログラムを実行し、プログラムを更新する。また、更新部204は、取得した更新設定情報と、複製した冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報とを用いて、設定情報を更新する。例えば、設定情報と冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報とが記載されているファイルを第1ファイル、更新設定情報が記載されているファイルを第2ファイルとする。図5は、第1実施形態の更新部204が第1ファイルを取得した第2ファイルで上書きする処理の概念を示す図である。また、図6は、第1実施形態の更新部204が行う情報を追加する処理の概念を示す図である。この場合、更新部204は、図5に示すように、第1ファイルを取得した第2ファイルで上書きする。そして、更新部204は、図6に示すように、複製した冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報を、第2ファイルにおける予め定められた記載領域に書き込む。
【0019】
(冷蔵庫システムが行う処理)
次に、第1実施形態の冷蔵庫システム1が行う処理について説明する。図7は、第1実施形態の冷蔵庫システム1の処理フローの一例を示す図である。ここでは、図7に示す処理フローを参照して冷蔵庫システム1が行う処理について説明する。なお、記憶部201は、冷蔵庫20を動作させるプログラムおよび設定情報を記憶しているものとする。
【0020】
報知部103は、更新プログラムおよび更新設定情報が存在することを、通信部102を介して冷蔵庫20に報知する(ステップS1)。例えば、報知部103は、更新プログラムおよび更新設定情報が記憶部101に追加された場合、更新プログラムおよび更新設定情報が存在することを示す報知信号を、冷蔵庫20に送信する。
【0021】
制御部203は、更新プログラムおよび更新設定情報が存在する場合(例えば、通信部202を介してサーバ10から報知信号を受信した場合)、記憶部201が記憶するプログラムおよび設定情報を用いた動作を停止させるとともに、記憶部201が記憶するプログラムおよび設定情報へのアクセスを禁止する制御を行う(ステップS2)。
【0022】
更新部204は、冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報を記憶部201において複製する(ステップS3)。制御部203は、更新部204による冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報の複製が完了すると、冷蔵庫20を再起動させる(ステップS4)。
【0023】
冷蔵庫20が再起動すると、更新部204は、通信部202を介して、サーバ10から、更新プログラムおよび更新設定情報を取得する(ステップS5)。例えば、更新部204は、要求指令をサーバ10に送信し、その要求指令に応じてサーバ10が送信した更新プログラムおよび更新設定情報を受信することにより、更新プログラムおよび更新設定情報を取得する。
【0024】
更新部204は、更新部204は、取得した更新プログラムを実行し、プログラムを更新する(ステップS6)。また、更新部204は、取得した更新設定情報と、複製した冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報とを用いて、設定情報を更新する(ステップS7)。
【0025】
制御部203は、更新後の更新プログラムおよび更新設定情報を用いて、冷蔵庫20の動作を制御する(ステップS8)。
【0026】
(利点)
以上、第1実施形態の冷蔵庫システム1について説明した。プログラムおよび設定情報に基づいて動作する冷蔵庫20と、前記プログラムの更新に伴って前記設定情報を更新する更新設定情報を提供するサーバ10と、を備える冷蔵庫システム1において、前記冷蔵庫20は、記憶部201および更新部204(取得部の一例、処理部の一例)を備える。前記記憶部201は、前記設定情報と前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報とを関連付けて第1記憶領域に記憶する。前記更新部204は、前記サーバ10から前記更新設定情報を取得する。前記更新部204は、前記第1記憶領域に記憶された前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報を前記第1記憶領域と異なる前記記憶部201の第2記憶領域に複製し、前記第1記憶領域に関連付けて記憶された前記設定情報と前記冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報とを、取得した前記更新設定情報で上書きし、前記第2記憶領域に複製した前記冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報を、前記第1記憶領域に書き込むことを含む第1処理を行う。この冷蔵庫システム1により、冷蔵庫を運転させるプログラムの更新時に、冷蔵庫を運転させるための設定情報を更新しても、設定情報と同一のファイルに記憶されていた冷蔵庫の運転開始後に追加された情報を残すことができる。
【0027】
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態では、制御部203は、更新部204による冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報の複製が完了すると、冷蔵庫20を再起動させるものとして説明した。そして、冷蔵庫20が再起動すると、更新部204は、通信部202を介して、サーバ10から、更新プログラムおよび更新設定情報を取得するものとして説明した。しかしながら、第1実施形態の変形例では、制御部203は、冷蔵庫20の冷却器の除霜を行うべき時機の直前の時機を特定し、冷蔵庫20の冷却器の除霜の処理を行う直前に冷蔵庫20を再起動させるものであってもよい。そして、更新部204は、冷蔵庫20が再起動すると、通信部202を介して、サーバ10から、更新プログラムおよび更新設定情報を取得するものであってもよい。
【0028】
例えば、冷蔵庫20の冷却器に霜が付着した場合、冷却性能が低下するため、冷蔵庫20の庫内に温度検出手段を備え、制御部203は、所定の冷却運転を行ったにも関わらず、温度検出手段によって得られる温度がその所定の冷却運転を行った場合に冷却されるべき温度まで低下せず、冷却器の除霜の処理を行う直前であるか否かの判定しきい値を上回った場合、冷却器の除霜の処理を行う直前であると判定すればよい。または、例えば、冷蔵庫20がタイマーを備え、予め所定の運転時間ごとに冷却器の除霜の処理を行うことに決めておき、制御部203は、タイマーを用いてその所定の運転時間よりも少しだけ短い時間が経過したか否かを判定し、その時間が経過したと判定した場合に冷却器の除霜の処理を行う直前であると判定すればよい。
【0029】
<第2実施形態>
(冷蔵庫システムの構成)
第2実施形態の冷蔵庫システム1は、図1に示す第1実施形態の冷蔵庫システム1と同様に、サーバ10および冷蔵庫20を備える。
【0030】
サーバ10は、図2に示す第1実施形態のサーバ10と同様に、記憶部101、通信部102、報知部103、および提供部104を備える。
【0031】
冷蔵庫20は、図3に示す第1実施形態の冷蔵庫20と同様に、記憶部201、通信部202、制御部203、および更新部204を備える。なお、制御部203および更新部204が、第1実施形態と第2実施形態とで異なる。
【0032】
制御部203は、冷蔵庫20の動作を制御する。例えば、制御部203は、更新プログラムおよび更新設定情報が存在する場合(例えば、通信部202を介してサーバ10から報知信号を受信した場合)、記憶部201が記憶するプログラムおよび設定情報を用いた動作を停止させるとともに、記憶部201が記憶するプログラムおよび設定情報へのアクセスを禁止する制御を行う。また、制御部203は、更新部204による後述する取得した更新プログラムおよび更新設定情報の書き込みが完了すると、冷蔵庫20を再起動させる。また、制御部203は、更新部204によりプログラムおよび設定情報が更新された場合、更新後の更新プログラムおよび更新設定情報を用いて、冷蔵庫20の動作を制御する。
【0033】
更新部204は、更新プログラムおよび更新設定情報が存在する場合(例えば、通信部202を介してサーバ10から報知信号を受信した場合)、通信部202を介して、サーバ10から、更新プログラムおよび更新設定情報を取得する。例えば、更新部204は、更新プログラムおよび更新設定情報が存在する場合(例えば、通信部202を介してサーバ10から報知信号を受信した場合)、要求指令をサーバ10に送信し、その要求指令に応じてサーバ10が送信した更新プログラムおよび更新設定情報を受信することにより、更新プログラムおよび更新設定情報を取得する。
【0034】
更新部204は、プログラムおよび設定情報を更新プログラムおよび更新設定情報に書き替える場合、取得した更新プログラムおよび更新設定情報を記憶部201に書き込む。図8は、第2実施形態の更新部204による更新設定情報を記憶部201に書き込む処理の概念を示す図である。更新部204は、プログラムおよび設定情報が記憶されている記憶領域とは異なる記憶領域に、更新プログラムを書き込む。また、更新部204は、図8に示すように、プログラムおよび設定情報が記憶されている記憶領域とは異なる記憶領域に、更新設定情報を書き込む。
【0035】
更新部204は、冷蔵庫20が再起動すると、書き込んだ更新プログラムを実行し、プログラムを更新する。また、更新部204は、書き込んだ更新設定情報を用いて、設定情報を更新する。例えば、設定情報と冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報とが記載されているファイルを第1ファイル、更新設定情報が記載されているファイルを第2ファイルとする。図9は、第2実施形態の更新部204が行う設定情報を更新設定情報に書き換える処理の概念を示す図である。この場合、更新部204は、図9に示すように、第1ファイルにおける予め定められた設定領域の記載領域に、更新設定情報を上書きする。
【0036】
(冷蔵庫システムが行う処理)
次に、第2実施形態の冷蔵庫システム1が行う処理について説明する。図10は、第2実施形態の冷蔵庫システム1の処理フローの一例を示す図である。ここでは、図10に示す処理フローを参照して冷蔵庫システム1が行う処理について説明する。なお、記憶部201は、冷蔵庫20を動作させるプログラムおよび設定情報を記憶しているものとする。
【0037】
報知部103は、更新プログラムおよび更新設定情報が存在することを、通信部102を介して冷蔵庫20に報知する(ステップS11)。例えば、報知部103は、更新プログラムおよび更新設定情報が記憶部101に追加された場合、更新プログラムおよび更新設定情報が存在することを示す報知信号を、冷蔵庫20に送信する。
【0038】
制御部203は、更新プログラムおよび更新設定情報が存在する場合(例えば、通信部202を介してサーバ10から報知信号を受信した場合)、記憶部201が記憶するプログラムおよび設定情報を用いた動作を停止させるとともに、記憶部201が記憶するプログラムおよび設定情報へのアクセスを禁止する制御を行う(ステップS12)。
【0039】
更新プログラムおよび更新設定情報が存在する場合(例えば、通信部202を介してサーバ10から報知信号を受信した場合)、更新部204は、通信部202を介して、サーバ10から、更新プログラムおよび更新設定情報を取得する(ステップS13)。例えば、更新部204は、更新プログラムおよび更新設定情報が存在する場合(例えば、通信部202を介してサーバ10から報知信号を受信した場合)、要求指令をサーバ10に送信し、その要求指令に応じてサーバ10が送信した更新プログラムおよび更新設定情報を受信することにより、更新プログラムおよび更新設定情報を取得する。
【0040】
更新部204は、取得した更新プログラムおよび更新設定情報を記憶部201に書き込む(ステップS14)。更新部204による取得した更新プログラムおよび更新設定情報の書き込みが完了すると、制御部203は、冷蔵庫20を再起動させる(ステップS15)。冷蔵庫20が再起動すると、更新部204は、書き込んだ更新プログラムを実行し、プログラムを更新する(ステップS16)。また、更新部204は、書き込んだ更新設定情報を用いて、設定情報を更新する(ステップS17)。
【0041】
制御部203は、更新後の更新プログラムおよび更新設定情報を用いて、冷蔵庫20の動作を制御する(ステップS18)。
【0042】
(利点)
以上、第2実施形態の冷蔵庫システム1について説明した。プログラムおよび設定情報に基づいて動作する冷蔵庫20と、前記プログラムの更新に伴って前記設定情報を更新する更新設定情報を提供するサーバ10と、を備える冷蔵庫システム1において、前記冷蔵庫20は、記憶部201および更新部204(取得部の一例、処理部の一例)を備える。前記記憶部201は、前記設定情報と前記冷蔵庫の運転開始後に追加された情報とを関連付けて第1記憶領域に記憶する。前記更新部204は、前記サーバ10から前記更新設定情報を取得する。前記更新部204は、取得した前記更新設定情報を前記第2記憶領域に書き込み、前記第1記憶領域に関連付けて記憶された前記設定情報と前記冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報のうち、前記設定情報を、前記第2記憶領域に書き込んだ前記更新設定情報で上書きすることを含む第2処理を行う。この冷蔵庫システム1により、冷蔵庫を運転させるプログラムの更新時に、冷蔵庫を運転させるための設定情報を更新しても、設定情報と同一のファイルに記憶されていた冷蔵庫の運転開始後に追加された情報を残すことができる。
【0043】
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態では、制御部203は、更新部204による取得した更新プログラムおよび更新設定情報の書き込みが完了すると、冷蔵庫20を再起動させるものとして説明した。そして、冷蔵庫20が再起動すると、更新部204は、書き込んだ更新プログラムを実行し、プログラムを更新し、また、書き込んだ更新設定情報を用いて、設定情報を更新するものとして説明した。しかしながら、第2実施形態の変形例では、制御部203は、更新部204による取得した更新プログラムおよび更新設定情報の書き込みが完了した後であり、冷蔵庫20の冷却器の除霜の処理を行う直前に冷蔵庫20を再起動させるものであってもよい。そして、更新部204は、冷蔵庫20が再起動すると、書き込んだ更新プログラムを実行し、プログラムを更新し、また、書き込んだ更新設定情報を用いて、設定情報を更新するものであってもよい。
【0044】
<第3実施形態>
なお、第3実施形態では、冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報に、最初の運転開始時または生産時の設定情報の版番号を含まれるものであってもよい。そして、例えば、更新部204が、更新設定情報を書き込む度に、その書き込んだ更新設定情報の版番号を追記または上書きするものであってもよい。これにより、冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報には、更新設定情報の版番号が残り、冷蔵庫20の運転開始後に追加された情報が更新設定情報と照らし合わせて更新されたという履歴になる。
【0045】
なお、本発明の別の実施形態では、サーバ10の機能の一部または全部を冷蔵庫20が備えるものであってもよい。
【0046】
なお、本発明の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0047】
本発明の実施形態について説明したが、上述のサーバ10、冷蔵庫20、その他の制御装置は内部に、コンピュータ装置を有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
【0048】
コンピュータ5は、CPU6(ベクトルプロセッサを含む)、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述のサーバ10、冷蔵庫20、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0049】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0050】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータ装置にすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…冷蔵庫システム、5…コンピュータ、6…CPU、7…メインメモリ、8…ストレージ、9…インターフェース、10…サーバ、20…冷蔵庫、101、201…記憶部、102、202…通信部、103…報知部、104…提供部、203…制御部、204…更新部。
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