(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178121
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】基板処理システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20221125BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
H01L21/304 648F
H01L21/304 648K
H01L21/304 648G
H01L21/306 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084681
(22)【出願日】2021-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 弘明
(72)【発明者】
【氏名】奥野 泰利
(72)【発明者】
【氏名】天久 賢治
(72)【発明者】
【氏名】榑林 知啓
【テーマコード(参考)】
5F043
5F157
【Fターム(参考)】
5F043DD07
5F043DD13
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE22
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB23
5F157BB24
5F157BB66
5F157CF04
5F157CF14
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5F157CF36
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF50
5F157CF60
5F157CF99
5F157DC86
5F157DC87
(57)【要約】
【課題】より高い効率で加熱された処理液を適切に基板処理装置に供給できる基板処理システムを提供する。
【解決手段】基板処理システム100は1以上の基板処理装置10とヒートポンプ装置20と加熱循環路30と処理液供給路31と処理液補充路61とを備える。基板処理装置10は、処理液を基板に供給して基板を処理する。ヒートポンプ装置20は処理液を加熱する。加熱循環路30は、ヒートポンプ装置20からの処理液をヒートポンプ装置20に戻す。処理液供給路31は加熱循環路30から分岐しており、基板処理装置10に処理液を供給する。処理液補充路61は加熱循環路30に接続され、加熱循環路30に処理液を補充する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液を基板に供給して前記基板を処理する1以上の基板処理装置と、
前記処理液を加熱するヒートポンプ装置と、
前記ヒートポンプ装置からの前記処理液を前記ヒートポンプ装置に戻す加熱循環路と、
前記加熱循環路から分岐しており、前記基板処理装置に前記処理液を供給する処理液供給路と、
前記加熱循環路に接続され、前記加熱循環路に前記処理液を補充する処理液補充路と
を備える、基板処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記処理液供給路を流れる前記処理液を加熱するヒータをさらに備える、基板処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理システムであって、
前記ヒータはヒートポンプを含む、基板処理システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の基板処理システムであって、
前記基板についての情報を受けて、前記ヒータに加熱動作を開始させる制御部をさらに備える、基板処理システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の基板処理システムであって、
前記ヒートポンプ装置は、前記加熱循環路に接続され、熱伝導性樹脂によって形成された熱交換器を含み、
前記基板処理システムは、
前記加熱循環路における冷媒の濃度を測定する冷媒濃度センサをさらに備える、基板処理システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の基板処理システムであって、
前記基板処理装置からの排液を流す排出路と、
前記排出路から供給された前記排液で前記加熱循環路を保温する保温部と
をさらに備える、基板処理システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の基板処理システムであって、
前記ヒートポンプ装置によって冷却された冷却液を前記ヒートポンプ装置に戻す冷却循環路と、
前記冷却循環路から分岐しており、前記冷却液を前記基板処理装置に供給する冷却液供給路と、
前記冷却液供給路よりも上流側かつ前記ヒートポンプ装置よりも下流側において、前記冷却循環路を流れる前記冷却液を冷却する冷却部と
をさらに備える、基板処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理システムであって、
前記基板処理装置からの排液を流す排出路と、
前記冷却循環路または前記冷却循環路から分岐した分岐路で前記排液を冷却する排液冷却部と
をさらに備える、基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工場内の多数の負荷を同時に温度調節するための温調装置が提供されている(例えば特許文献1)。この特許文献1では、温調装置は、負荷を経由する加熱側の循環配管と、負荷を経由する冷却側の循環配管と、ヒートポンプとを含む。ヒートポンプは発熱コア(熱交換器)と吸熱コア(熱交換器)とを含む。発熱コアは、加熱側の循環配管を流れる液体を加熱し、吸熱コアは、冷却側の循環配管を流れる液体を冷却する。
【0003】
発熱コアによって加熱された液体は加熱側の循環配管を流れて、負荷の加熱対象を加熱し、吸熱コアによって冷却された液体は冷却側の循環配管を流れて、負荷の冷却対象を冷却する。
【0004】
また、本開示に関連する技術として、特許文献2~5も掲示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-287865号公報
【特許文献2】特開2002-246359号公報
【特許文献3】特開平11-87300号公報
【特許文献4】特開2021-9956号公報
【特許文献5】特開2015-113523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、発熱コアから液体への熱の移動および該液体から加熱対象への熱の移動によって、加熱対象が加熱される。よって、この加熱対象として、負荷において基板に供給する処理液を採用する場合、発熱コアから液体を経由して処理液(液体)に熱が伝達されるので、効率が悪い。
【0007】
また、特許文献1では、液体が加熱側の循環配管を循環するので、循環配管中の液体の総量は一定である。もし仮に、循環配管中の液体の一部を負荷において基板に供給し、その後、外部に排出すると、基板に供給された量だけ循環配管中の液体の量が低下し、液体の不足を招き得る。この場合、いずれ、液体を適切に基板に供給できなくなる。
【0008】
そこで、本開示は、より高い効率で加熱された処理液をより適切に基板処理装置に供給できる基板処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
基板処理システムの第1の態様は、処理液を基板に供給して前記基板を処理する1以上の基板処理装置と、前記処理液を加熱するヒートポンプ装置と、前記ヒートポンプ装置からの前記処理液を前記ヒートポンプ装置に戻す加熱循環路と、前記加熱循環路から分岐しており、前記基板処理装置に前記処理液を供給する処理液供給路と、前記加熱循環路に接続され、前記加熱循環路に前記処理液を補充する処理液補充路とを備える。
【0010】
基板処理システムの第2の態様は、第1の態様にかかる基板処理システムであって、前記処理液供給路を流れる前記処理液を加熱するヒータをさらに備える。
【0011】
基板処理システムの第3の態様は、第2の態様にかかる基板処理システムであって、前記ヒータはヒートポンプを含む。
【0012】
基板処理システムの第4の態様は、第2または第3の態様にかかる基板処理システムであって、前記基板についての情報を受けて、前記ヒータに加熱動作を開始させる制御部をさらに備える。
【0013】
基板処理システムの第5の態様は、第1から第4のいずれか一つの態様にかかる基板処理システムであって、前記ヒートポンプ装置は、前記加熱循環路に接続され、熱伝導性樹脂によって形成された熱交換器を含み、前記基板処理システムは、前記加熱循環路における冷媒の濃度を測定する冷媒濃度センサをさらに備える。
【0014】
基板処理システムの第6の態様は、第1から第5のいずれか一つの態様にかかる基板処理システムであって、前記基板処理装置からの排液を流す排出路と、前記排出路から供給された前記排液で前記加熱循環路を保温する保温部とをさらに備える。
【0015】
基板処理システムの第7の態様は、第1から第6のいずれか一つの態様にかかる基板処理システムであって、前記ヒートポンプ装置によって冷却された冷却液を前記ヒートポンプ装置に戻す冷却循環路と、前記冷却循環路から分岐しており、前記冷却液を前記基板処理装置に供給する冷却液供給路と、前記冷却液供給路よりも上流側かつ前記ヒートポンプ装置よりも下流側において、前記冷却循環路を流れる前記冷却液を冷却する冷却部とをさらに備える。
【0016】
基板処理システムの第8の態様は、第7の態様にかかる基板処理システムであって、前記基板処理装置からの排液を流す排出路と、前記冷却循環路または前記冷却循環路から分岐した分岐路で前記排液を冷却する排液冷却部とをさらに備える。
【発明の効果】
【0017】
基板処理システムの第1の態様によれば、ヒートポンプ装置が処理液を加熱するので、より高い効率で処理液を加熱することができ、その処理液を基板処理装置に供給することができる。しかも、加熱循環路には、処理液補充路が接続されるので、処理液の不足も抑制できる。以上のように、高い効率で加熱された処理液を適切に基板処理装置に供給できる。
【0018】
基板処理システムの第2の態様によれば、ヒータはヒートポンプ装置よりも基板処理装置に近い位置で処理液を加熱できるので、より高い精度で温度が調整された処理液を基板処理装置に供給できる。
【0019】
基板処理システムの第3の態様によれば、基板処理システムの効率をさらに向上させることができる。
【0020】
基板処理システムの第4の態様によれば、処理液供給路を予熱することができる。
【0021】
基板処理システムの第5の態様によれば、処理液中の冷媒濃度を監視することができる。
【0022】
基板処理システムの第6の態様によれば、排液の熱を有効に利用できるので、基板処理システムの効率をさらに向上させることができる。
【0023】
基板処理システムの第7の態様によれば、ヒートポンプ装置のエネルギーを有効に利用して、基板処理装置へ供給される冷却液を冷却することができる。しかも、ヒートポンプ装置とは別の冷却部も設けられているので、ヒートポンプ装置と独立して、冷却液を冷却することができる。よって、冷却液の温度の調整範囲を広げることができる。
【0024】
基板処理システムの第8の態様によれば、排液の温度を速やかに低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第1の実施の形態にかかる基板処理システムの構成の一例を概略的に示す図である。
【
図2】基板処理装置の構成の一例を概略的に示す図である。
【
図3】変形例にかかる基板処理システムの構成の一例を概略的に示す図である。
【
図4】ヒータの開始制御の一例を示すフローチャートである。
【
図5】第2の実施の形態にかかるヒータの構成の一例を概略的に示す図である。
【
図6】第2の実施の形態にかかる基板処理システムの構成の一例を概略的に示す図である。
【
図7】処理液中の冷媒濃度の監視制御の一例を示すフローチャートである。
【
図8】第3の実施の形態にかかる基板処理システムの構成の一例を概略的に示す図である。
【
図9】基板処理装置および保温部の構成の一例を概略的に示す図である。
【
図10】排液の排出制御の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第4の実施の形態にかかる基板処理システムの構成の一例を概略的に示す図である。
【
図12】排液冷却部の構成の一例を概略的に示す図である。
【
図13】排液冷却部の構成の他の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照しながら、実施の形態について説明する。なお、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本開示の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法または数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
【0027】
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸または面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
【0028】
<第1の実施の形態>
<基板処理システムの構成>
図1は、基板処理システム100の構成の一例を概略的に示す図である。基板処理システム100は1以上の基板処理装置10とヒートポンプ装置20と加熱循環路30と処理液供給路31と処理液補充部60とを含んでいる。
【0029】
基板処理装置10は、後に詳述するように、基板Wに対する処理を行う装置である。基板Wは、例えば、半導体基板、ディスプレイ用の基板、フォトマスク用の基板、および、磁気ディスクまたは光ディスク用の基板などの種々の基板を含む。
図1の例では、基板処理システム100には複数の基板処理装置10が設けられている。
図1の例では、基板処理装置10の例として、基板処理装置10Aおよび基板処理装置10Bが示されている。基板処理装置10Aおよび基板処理装置10Bは、後述のように、基板Wに処理液を供給して、基板Wに対する処理を行う。
【0030】
ヒートポンプ装置20は、加熱循環路30を流れる処理液を加熱する装置である。加熱循環路30は、ヒートポンプ装置20によって加熱された処理液が再びヒートポンプ装置20に向かって流れる流路である。つまり、加熱循環路30は、ヒートポンプ装置20からの処理液を再びヒートポンプ装置20に戻すための循環用の流路である。
【0031】
ヒートポンプ装置20は冷媒循環路21と加熱用の熱交換器22と冷却用の熱交換器23と圧縮機24と膨張弁25とを含んでいる。冷媒循環路21は、主として配管によって構成された、冷媒を循環させる流路である。冷媒は例えば二酸化炭素冷媒またはアンモニア冷媒である。冷媒循環路21には、熱交換器22、熱交換器23、圧縮機24および膨張弁25が設けられている。
【0032】
圧縮機24は吸引口および吐出口を含み、吸引口から吸引された低温低圧の冷媒を圧縮し、圧縮後の高温高圧の冷媒を吐出口から吐出する。圧縮機24からの高温高圧の冷媒は熱交換器22に向かって冷媒循環路21を流れ、熱交換器22に流入する。
【0033】
熱交換器22は冷媒と処理液との間で熱交換を行う。具体的な構成として、熱交換器22内には、冷媒が流れる冷媒流路221と、処理液が流れる処理液流路222とが形成されている。処理液流路222の上流端は、加熱循環路30の下流端に接続され、処理液流路222の下流端は加熱循環路30の上流端に接続される。加熱循環路30は主として配管によって構成される。加熱循環路30には、不図示のポンプが設けられるとよい。ポンプは加熱循環路30において処理液を送液する。これにより、処理液が加熱循環路30および処理液流路222を流れて循環する。処理液は特に制限されないものの、例えば純水である。
【0034】
熱交換器22は、冷媒流路221を流れる冷媒と、処理液流路222を流れる処理液との間で熱交換を行う。具体的には、熱交換器22において、高温高圧の冷媒から処理液に熱が移動する。これにより、冷媒が冷却されて液化する一方で、処理液が加熱される。
【0035】
ヒートポンプ装置20によって加熱された処理液の一部は、後述のように、加熱循環路30から分岐した処理液供給路31を通じて、各基板処理装置10(具体的には、基板処理装置10Aおよび基板処理装置10B)に供給される。
【0036】
熱交換器22からの冷媒は膨張弁25に向かって冷媒循環路21を流れる。冷媒は膨張弁25において膨張する。膨張後の低温低圧の冷媒は熱交換器23に向かって冷媒循環路21を流れ、熱交換器23に流入する。
【0037】
熱交換器23内には、冷媒が流れる冷媒流路231が形成される。
図1の例では、熱交換器23内には、冷却液が流れる冷却液流路232も形成される。
図1の例では、冷却液流路232の上流端は冷却循環路40の下流端に接続されており、冷却液流路232の下流端は冷却循環路40の上流端に接続されている。冷却循環路40は、ヒートポンプ装置20によって冷却された冷却液が再びヒートポンプ装置20に向かって流れる流路である。つまり、冷却循環路40は、ヒートポンプ装置20からの冷却液を再びヒートポンプ装置20に戻すための循環用の流路である。冷却循環路40は主として配管によって構成される。冷却循環路40には、不図示のポンプが設けられるとよい。ポンプは冷却循環路40において冷却液を送液する。これにより、冷却液が冷却循環路40および冷却液流路232を流れて循環する。冷却液は特に制限されないものの、例えば純水である。
【0038】
熱交換器23は、冷媒流路231を流れる冷媒と、冷却液流路232を流れる冷却液との間で熱交換を行う。具体的には、熱交換器23において、冷却液から冷媒に熱が移動する。これにより、冷媒が加熱されて気化する一方で、冷却液が冷却される。なお、熱交換器23において冷却液から冷媒に移動する熱量は、熱交換器22において冷媒から処理液に移動する熱量と理想的には等しい。
【0039】
図1の例では、ヒートポンプ装置20によって冷却された冷却液の一部は、後述のように、冷却循環路40から分岐した冷却液供給路41を通じて、各基板処理装置(具体的には、後述の基板処理装置10Cおよび基板処理装置10D)に供給される。
【0040】
熱交換器22および熱交換器23は例えば熱伝導性樹脂によって構成される。熱伝導性樹脂としては、例えば、ポリプロピレンもしくはポリエチレンなどの樹脂を採用することができる。熱交換器22および熱交換器23を構成する材料の熱伝導率は、例えば、冷媒循環路21、加熱循環路30、冷却循環路40、処理液供給路31、冷却液供給路41(後述)および冷却液復路42(後述)のいずれかを形成する配管の材料の熱伝導率よりも高いことが望ましい。
【0041】
次に、基板処理装置10への処理液の供給側の配管系統について、より詳細に述べる。処理液供給路31は加熱循環路30から分岐した流路である。処理液は処理液供給路31を加熱循環路30から基板処理装置10に向かって流れる。つまり、処理液供給路31は基板処理装置10に処理液を供給するための流路である。処理液供給路31は主として配管によって構成され、加熱循環路30と基板処理装置10とを接続する。
図1の例では、処理液の供給対象の複数の基板処理装置10に対して、一対一で処理液供給路31が設けられている。加熱循環路30内の処理液の一部は各処理液供給路31を通じて基板処理装置10に供給される。
【0042】
基板処理装置10に供給された処理液は、後に詳述するように、排出路118を通じて外部に排出される。このように、処理液は外部に排出されるので、加熱循環路30を流れる処理液の循環量は基板処理装置10に供給された分だけ低下する。そこで、本実施の形態では、処理液補充部60が設けられている。
【0043】
処理液補充部60は加熱循環路30に処理液を供給する。これにより、加熱循環路30において処理液が補充される。
図1の例では、処理液補充部60は処理液補充路61と補充タンク62とを含んでいる。処理液補充路61は主として配管によって構成され、その下流端は加熱循環路30に接続される。より具体的な一例として、処理液補充路61の下流端は、熱交換器22よりも上流側かつ処理液供給路31の全ての上流端よりも下流側において、加熱循環路30に接続される。処理液補充路61の上流端は補充タンク62に接続される。補充タンク62は処理液を貯留する。補充タンク62からの処理液は処理液補充路61を通じて加熱循環路30に供給される。
【0044】
以上のように、処理液は熱交換器22において加熱される。熱交換器22の直後において、処理液の温度は例えば60℃から70℃程度である。そして、加熱後の処理液の一部が加熱循環路30から処理液供給路31に流入し、処理液供給路31を通じて各基板処理装置10に供給される。一方で、処理液の残りの一部は加熱循環路30をそのまま下流側に流れる。
【0045】
処理液補充部60は例えば常温の処理液を加熱循環路30に供給する。よって、加熱循環路30と処理液補充路61との合流地点よりも下流側において処理液の温度は低下する。例えば、処理液の温度は30℃程度まで低下する。そして、この低温の処理液は熱交換器22に流入し、熱交換器22において再び60℃から70℃程度まで加熱される。
【0046】
次に、基板処理装置10(具体的には、基板処理装置10Cおよび基板処理装置10D)への冷却液の供給側の配管系統について、より詳細に説明する。
図1の例では、冷却循環路40と各基板処理装置10(具体的には、基板処理装置10Cおよび基板処理装置10D)との間には、冷却液供給路41および冷却液復路42が設けられている。冷却液供給路41は主として配管によって構成され、その上流端は冷却循環路40に接続され、冷却液供給路41の下流端は基板処理装置10に接続される。冷却液復路42は主として配管によって構成され、その下流端は冷却循環路40に接続され、冷却液復路42の上流端は基板処理装置10に接続される。
図1の例では、冷却液供給路41および冷却液復路42の対が、冷却液の供給対象である基板処理装置10(例えば基板処理装置10Cおよび基板処理装置10D)にそれぞれ対応して設けられている。
【0047】
冷却循環路40内の冷却液の一部は冷却液供給路41を通じて基板処理装置10に供給される。この冷却液は、後述のように、基板処理装置10内の設備(構成要素)の冷却に利用される。つまり、冷却液が当該構成要素から熱を受け取ることで、当該構成要素を冷却する。当該構成要素を冷却した後の冷却液は冷却液復路42を通じて、再び冷却循環路40に戻る。
【0048】
図1の例では、冷却循環路40には冷却部48が設けられている。具体的には、冷却部48は、全ての冷却液供給路41の上流端よりも上流側かつ熱交換器23の下流側において、冷却循環路40に設けられている。冷却部48は、冷却循環路40を流れる冷却液を冷却する。冷却部48は例えば冷却水循環装置(いわゆるチラー)である。
【0049】
以上のように、冷却液は熱交換器23において冷却される。熱交換器23の直後において、冷却液の温度は例えば20℃程度である。冷却液は熱交換器23からの冷却部48に向かって冷却循環路40を流れ、冷却部48に流入する。冷却部48は、冷却液の温度が基板処理装置10の設備の冷却に適した温度となるように、冷却液を冷却する。冷却部48によって冷却された冷却液は冷却循環路40から各冷却液供給路41を通じて各基板処理装置10に供給されて、各基板処理装置10の設備を冷却し、各冷却液復路42を通じて冷却循環路40に戻る。そして、冷却液は熱交換器23に向かって冷却循環路40を流れ、熱交換器23に流入する。熱交換器23の直前において、冷却液の温度は例えば30℃程度である。冷却液は熱交換器23おいて再び例えば20℃程度まで冷却される。
【0050】
基板処理システム100は制御部90も含んでいる。制御部90は基板処理システム100の各種構成を制御する。例えば、制御部90は演算処理部91と記憶媒体92とを含む。演算処理部91は、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)などの処理部である。記憶媒体92は、例えば、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM(Read Only Memory)などの一時的な記憶媒体と、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM(Random Access Memory)および制御用ソフトウェアまたはデータなどを記憶しておく磁気ディスクなどである非一時的な記憶媒体とを含む。制御部90の演算処理部91が所定の処理プログラムを実行することによって、基板処理システム100の各動作機構が制御部90によって制御され、基板処理システム100における処理が進行する。なお、制御部90はその機能の実現にソフトウェアが不要な専用のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0051】
また、
図1の例では、単一の制御部90が示されているものの、各基板処理装置10およびヒートポンプ装置20などの諸構成にそれぞれ制御部90が設けられ、これらが互いに通信して基板処理システム100を制御してもよい。
【0052】
次に、基板処理装置10の内部構成の具体的な一例について説明する。
図2は、基板処理装置10の構成の一例を概略的に示す図である。
図2の例では、2種の基板処理装置10が示されている。具体的には、処理液の供給対象である基板処理装置10Aおよび基板処理装置10Bとして、基板Wに対して処理液を供給する処理装置が示されており、冷却液の供給対象である基板処理装置10Cおよび基板処理装置10Dとして、基板Wに対して熱処理を行う処理装置が示されている。
【0053】
基板処理装置10Aおよび基板処理装置10Bの各々は1以上の処理ユニット11を含み、
図2の例では、複数の処理ユニット11が示されている。
図2の例では、各処理ユニット11はチャンバ111と基板保持部112とノズル114とノズル115とガード116とを含む。
【0054】
基板保持部112はチャンバ111内に設けられ、基板Wを水平姿勢で保持する。ここでいう水平姿勢とは、基板Wの厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢である。基板Wは不図示の基板搬送部によってチャンバ111内に搬送され、基板保持部112に渡される。
図2の例では、基板保持部112は複数のチャックピン113を含んでいる。複数のチャックピン113の各々は、基板Wの周縁に接触するチャック位置と、基板Wの周縁から離れた解除位置との間で変位可能に設けられる。複数のチャックピン113がそれぞれのチャック位置に移動すると、複数のチャックピン113が基板Wを保持する。複数のチャックピン113がそれぞれの解除位置に移動すると、基板Wの保持が解除される。
【0055】
また、基板保持部112は、回転軸線Q1のまわりで基板Wを回転させるモータ(不図示)を含む。回転軸線Q1は基板Wの中心部を通り、かつ、鉛直方向に沿う軸である。このような基板保持部112はスピンチャックとも呼ばれ得る。
【0056】
ノズル114はチャンバ111内に設けられ、基板Wの上面への処理液の供給に用いられる。ノズル115はチャンバ111内に設けられ、基板Wの下面への処理液の供給に用いられる。ノズル114は基板Wの上面よりも鉛直上方に設けられ、ノズル115は基板Wの下面よりも鉛直下方に設けられる。ノズル114は基板Wの上面に向けて処理液を吐出し、ノズル115は基板Wの下面に向けて処理液を吐出する。
【0057】
ノズル114およびノズル115は処理液供給路31に接続されている。処理液供給路31は供給路31aと供給路31bと供給路31cと供給路31dとを含む。供給路31aの上流端は処理液供給路31の上流端に相当し、加熱循環路30に接続される。供給路31aは、複数の処理ユニット11にそれぞれ対応して設けられた複数の供給路31bの上流端に接続される。各供給路31bの下流端は供給路31cおよび供給路31dの上流端に接続される。供給路31cの下流端はノズル114に接続され、供給路31dの下流端はノズル115に接続される。
【0058】
供給路31cにはバルブ32が設けられている。バルブ32が開くことにより、加熱循環路30から供給路31a、供給路31bおよび供給路31cを通じてノズル114に処理液が供給され、ノズル114から基板Wの上面に処理液が吐出される。バルブ32が閉じることにより、ノズル114からの処理液の吐出が停止する。
【0059】
供給路31dにはバルブ33が設けられている。バルブ33が開くことにより、加熱循環路30から供給路31a、供給路31bおよび供給路31dを通じてノズル115に処理液が供給され、ノズル115から基板Wの下面に処理液が吐出される。バルブ33が閉じることにより、ノズル115からの処理液の吐出が停止する。
【0060】
図2の例では、供給路31bにはヒータ34が設けられている。ヒータ34は、処理液供給路31(具体的には供給路31b)を流れる処理液を加熱する。ヒータ34は、基板Wに着液する処理液の温度が所定のプロセス温度を含む所定の温度範囲内となるように、処理液を加熱する。ヒータ34は種々の方式のヒータであってよく、例えば電気抵抗式のヒータである。ヒータ34は処理液の温度を例えば10℃以上かつ20℃以下の値だけ上昇させて、処理液の温度をプロセス温度に調整する。
【0061】
基板保持部112が基板Wを回転軸線Q1のまわりで回転させた状態で、バルブ32が開くことにより、ノズル114から回転中の基板Wの上面に高温の処理液が吐出される。基板Wの上面に着液した処理液は回転に伴う遠心力を受けて基板Wの上面を広がり、基板Wの周縁から外側に飛散する。これにより、基板Wの上面を処理できる。
【0062】
また、基板保持部112が基板Wを回転軸線Q1のまわりで回転させながら、バルブ33が開くことにより、ノズル115から回転中の基板Wの下面に高温の処理液が吐出される。基板Wの下面に着液した処理液は回転に伴う遠心力を受けて基板Wの下面を広がり、基板Wの周縁から外側に飛散する。これにより、処理液で基板Wの下面を処理できる。
【0063】
ガード116は、基板保持部112を囲む筒状の形状を有しており、基板Wの周縁から飛散した処理液を受け止める。ガード116の内周面で受け止められた処理液は当該内周面に沿って流下し、カップ117で受け止められる。カップ117には、排出路118の上流端が接続されており、排出路118を通じて処理液が外部に排出される。排出路118は主として配管によって構成される。
【0064】
図2の例では、基板処理装置10Cおよび基板処理装置10Dは熱処理ユニット12を含む。
図2の例では、熱処理ユニット12はチャンバ121と基板保持部122とヒータ123とを含んでいる。基板保持部122はチャンバ121内に設けられ、基板Wを水平姿勢で保持する。基板保持部122は例えば基板Wの下面の周縁部を支持する支持台を含む。基板Wは不図示の基板搬送部によってチャンバ121内に搬送され、基板保持部122に渡される。ヒータ123はチャンバ121内に設けられ、基板保持部122によって保持された基板Wを加熱する。これにより、基板Wに対して熱処理を行うことができる。また、この熱処理により、副次的にチャンバ121の温度も上昇する。
【0065】
図2の例では、冷却液供給路41の下流端は冷却路43の上流端に接続され、冷却路43の下流端は冷却液復路42の上流端に接続される。冷却路43は主として配管により構成され、チャンバ121を囲むように配策される。具体的な一例として、冷却路43はチャンバ121の外壁に沿って設けられる。なお、冷却路43は、チャンバ121の側壁に埋設されてもよく、チャンバ121の内壁に沿って設けられてもよい。
【0066】
冷却循環路40からの処理液は、冷却液供給路41、冷却路43および冷却液復路42をこの順で流れ、再び冷却循環路40に戻る。これによれば、冷却路43において、高温のチャンバ121から低温の冷却液に熱が移動するので、チャンバ121を冷却することができる。よって、チャンバ121の材料として、耐熱性の低い材料を採用することができる。言い換えれば、耐熱性の高い材料を採用する必要がなく、チャンバ121の材料選択性を向上させることができる。
【0067】
なお、
図2の例では、冷却対象としてチャンバ121が示されているものの、必ずしもこれに限らない。基板処理装置10を構成する任意の構成要素を冷却対象として採用することができる。
【0068】
<実施の形態にかかる効果>
以上のように、基板処理システム100によれば、ヒートポンプ装置20が処理液を加熱する。ヒートポンプ装置20は高い熱効率で処理液を加熱することができるので、基板処理システム100の効率を向上させることができる。
【0069】
また、基板処理システム100によれば、加熱循環路30が設けられている。これによれば、熱交換器22によって加熱された処理液の一部を再び熱交換器22に流入させることができるので、加熱循環路30を流れる処理液の温度をより高い精度で調整することができる。
【0070】
また、上述の例では、基板処理装置10に供給された処理液は加熱循環路30に戻ることなく、排出路118を通じて外部に排出されるものの、処理液補充部60が加熱循環路30に処理液を供給する。よって、基板処理装置10への処理液の供給に伴う加熱循環路30内の処理液の循環量の低下を補うことができる。したがって、基板処理装置10に対して適切に処理液を供給し続けることができる。
【0071】
また、上述の例では、基板処理装置10の処理ユニット11の個々に対応して、ヒータ34が設けられている。つまり、ヒータ34はヒートポンプ装置20よりも各基板処理装置10のノズル114およびノズル115に近い位置に設けられる。したがって、ノズル114またはノズル115から吐出される処理液の温度を、ヒータ34によってより高い精度でプロセス温度に調整することができる。したがって、基板Wに対する処理をより適切に行うことができる。
【0072】
また、上述の例では、熱交換器22の材料として、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどの熱伝導性樹脂を採用している。このような樹脂は高純度に形成されるので、熱交換器22の処理液流路222を処理液が通過しても、熱交換器22から不純物が処理液にほとんど溶出しない。よって、基板処理装置10は清浄な処理液で基板Wを処理することができる。
【0073】
なお、必ずしも、熱交換器22の全てが当該樹脂によって構成される必要はなく、処理液流路222を構成する部分のみが当該樹脂によって構成されてもよい。
【0074】
その一方で、このような樹脂の密度は比較的に小さいので、熱交換器22内において、冷媒が冷媒流路221から処理液流路222に混入し得る。しかるに、上述の例では、冷媒として二酸化炭素冷媒またはアンモニア冷媒を採用している。二酸化炭素またはアンモニアが処理液に混入しても、これらは基板Wの処理に影響を与えにくい。よって、たとえ処理液に冷媒が混入しても、他の冷媒に比べて、基板Wに対する処理をより適切に行うことができる。
【0075】
また、上述の例では、ヒートポンプ装置20の冷却対象である冷却液が基板処理装置10Cおよび基板処理装置10Dの設備の冷却に利用される。これによれば、ヒートポンプ装置20の冷却側のエネルギーも利用することができるので、基板処理システム100の効率をさらに向上させることができる。
【0076】
ところで、ヒートポンプ装置20では、冷媒から処理液に移動する熱量と、冷却液から冷媒に移動する熱量とが互いにほぼ等しい。しかるに、上述の例では、冷却部48も設けられている。よって、この冷却部48により、冷却液の温度を、熱交換器22の直後の処理液の温度とは独立して調整することができる。よって、基板処理装置10へ供給する冷却液の温度の調整範囲を広げることができる。
【0077】
また、上述の例では、冷却部48は冷却循環路40に設けられている。この冷却部48によって冷却された冷却液は、それぞれの冷却液供給路41を通じて基板処理装置10Cおよび基板処理装置10Dに供給される。冷却液供給路41の長さは基板処理装置10Cおよび基板処理装置10Dにおいて互いに相違し得るので、冷却液の温度は基板処理装置10Cおよび基板処理装置10Dにおいてばらつき得る。よって、冷却対象(例えばチャンバ121)の温度は基板処理装置10Cおよび基板処理装置10Dごとにばらつき得る。しかしながら、冷却対象の温度は、処理液の温度に比べて、基板Wに対する処理にほとんど影響を及ぼさない。よって、冷却液の温度にばらつきが生じても、基板Wの処理には問題が生じない。
【0078】
上述の例では、冷却循環路40に冷却部48が設けられるので、基板処理装置10Cおよび基板処理装置10Dに対応して個別に冷却部48が設けられる場合に比べて、基板処理システム100の構成を簡易化でき、また、製造コストを低減させることができる。
【0079】
<変形例>
図1の例では、冷却液は、高温の処理液が供給される基板処理装置10(基板処理装置10Aおよび基板処理装置10B)とは別の基板処理装置10(基板処理装置10Cおよび基板処理装置10D)に供給される。しかしながら、必ずしもこれに限らない。例えば、基板処理装置10Aおよび基板処理装置10Bにおいて冷却を要する設備が設けられる場合には、冷却液が基板処理装置10Aおよび基板処理装置10Bに供給されてもよい。この場合、基板処理装置10Aおよび基板処理装置10Bにおいて、適宜に、冷却路43が冷却対象の設備に沿って配策されればよい。
【0080】
また、上述の例では、冷却液は基板処理装置10の設備を冷却したが、冷却液が基板Wに供給されてもよい。この場合、冷却液は処理液に相当する。
図3は、基板処理システム100の構成の一部の一例を概略的に示す図である。
図3の例では、冷却循環路40には、冷却液供給路44の上流端が接続されている。冷却液供給路44も主として配管によって構成される。冷却液は冷却液供給路44を通じて、基板処理装置10に供給される。
図3の例では、基板処理装置10はノズル1141をさらに含んでいる。ノズル1141は冷却液を基板Wの上面に吐出する。冷却液は例えば純水である。
【0081】
図3に示すように、ノズル1141は冷却液供給路44に接続されている。冷却液供給路44は供給路44aと供給路44bと供給路44cと供給路44dとを含む。供給路44aの上流端は冷却液供給路44の上流端に相当し、冷却循環路40に接続される。供給路44aは、複数の処理ユニット11に対応して設けられた複数の供給路44bの上流端に接続される。各供給路44bの下流端は供給路44cおよび供給路44dの上流端に接続される。供給路44cの下流端はノズル1141に接続され、供給路44dの下流端はノズル115に接続される。
【0082】
供給路44cにはバルブ45が設けられている。バルブ45が開くことにより、冷却循環路40から供給路44a、供給路44bおよび供給路44cを通じてノズル1141に冷却液が供給され、ノズル1141から基板Wの上面に吐出される。バルブ45が閉じることにより、ノズル1141からの冷却液の吐出が停止する。
【0083】
供給路44dにはバルブ46が設けられている。バルブ46が開くことにより、冷却循環路40から供給路44a、供給路44bおよび供給路44dを通じてノズル115に冷却液が供給され、ノズル115から基板Wの下面に冷却液が吐出される。バルブ46が閉じることにより、ノズル115からの処理液の吐出が停止する。
【0084】
冷却液は基板Wの周縁から外側に飛散され、ガード116、カップ117および排出路118を通じて外部に排出される。この場合、冷却循環路40を流れる冷却液の循環量が低下し得る。そこで、
図3の例では、基板処理システム100に冷却液補充部65が設けられている。冷却液補充部65は冷却循環路40に冷却液を供給する。
図3の例では、冷却液補充部65は冷却液補充路66と補充タンク67とを含む。冷却液補充路66は主として配管によって構成され、その下流端は冷却循環路40に接続される。具体的な一例として、冷却液補充路66の下流端は、熱交換器23よりも上流側かつ全ての冷却液供給路44よりも下流側において、冷却循環路40に接続される。冷却液補充路66の上流端は補充タンク67に接続される。補充タンク67は冷却液を貯留する。補充タンク67からの冷却液は冷却液補充路66を通じて冷却循環路40に供給される。これにより、冷却循環路40において冷却液が補充される。なお、冷却液が処理液と同じ種類の液体である場合には、補充タンク67は補充タンク62と同じタンクであってもよい。
【0085】
<ヒータ34の制御>
各処理ユニット11は、搬入された基板Wに対して処理液を供給して処理を行う。初期的には、処理液供給路31の温度は高くない。このように、低温の処理液供給路31を高温の処理液が流れると、処理液から処理液供給路31に熱が移動し、処理液の温度が低下し得る。よって、初期的には、ヒータ34の加熱動作によっても、処理液の温度をプロセス温度まで上昇できない場合もある。
【0086】
そこで、基板処理装置10の制御部90は、バルブ32およびバルブ33を開く前にヒータ34に加熱動作を開始させてもよい。
図4は、ヒータの開始制御の一例を示すフローチャートである。制御部90は、基板Wに関する情報(以下、稼働前情報と呼ぶ)を受け取ったか否かを判断する(ステップS1)。稼働前情報は、例えば、基板処理装置10に搬入される基板Wの枚数、および、基板Wに対する処理の手順を示すレシピなどの諸情報を含む。稼働前情報は、例えば、ホストコンピュータ、あるいは、基板処理装置10よりも上流側の装置から制御部90に送信され、あるいは、不図示のユーザインターフェースを介して作業員によって制御部90に入力される。
【0087】
制御部90が未だ稼働前情報を受け取っていない場合には、基板処理装置10は未だ基板Wを処理する予定がないので、再びステップS1を実行する。一方で、制御部90が稼働前情報を受け取ったときには、制御部90は基板処理装置10に属するヒータ34に加熱動作を開始させる(ステップS2)。
【0088】
以上のように、制御部90は稼働前情報の受信に応答してヒータ34の加熱動作を開始する。これによれば、ヒータ34は、基板Wに対して処理液を供給する前、より具体的には、各処理ユニット11に基板Wが搬入される前から加熱動作を開始する。よって、ヒータ34は処理液供給路31を予熱することができる。したがって、基板Wへの処理液の供給開始時においても、ヒータ34は処理液を高い精度でプロセス温度に調整することができ、処理ユニット11は基板Wに対してより適切に処理を行うことができる。
【0089】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態にかかる基板処理システム100の構成は第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態では、ヒータ34の内部構成の一例について説明する。
【0090】
図5は、第2の実施の形態にかかるヒータ34の構成の一例を概略的に示す図である。
図5の例では、ヒータ34はヒートポンプである。具体的には、ヒータ34は冷媒循環路341と加熱用の熱交換器342と冷却用の熱交換器343と圧縮機344と膨張弁345とを含む。冷媒循環路341は主として配管によって構成される。冷媒循環路341には、冷媒が流れる。冷媒は二酸化炭素冷媒またはアンモニア冷媒である。冷媒循環路341には、熱交換器342、熱交換器343、圧縮機344および膨張弁345が設けられている。これらはヒートポンプ装置20と同様であるので、ここでは繰り返しの説明を避ける。なお、熱交換器343は、冷媒と冷却液との間で熱交換を行う熱交換器であってもよく、あるいは、冷媒と外気との間で熱交換を行う熱交換器であってもよい。
【0091】
第2の実施の形態では、ヒータ34はヒートポンプであるので、高い熱効率で処理液を加熱することができる。よって、基板処理システム100の効率をさらに向上させることができる。
【0092】
<第3の実施の形態>
第1および第2の実施の形態では、冷媒として二酸化炭素冷媒またはアンモニア冷媒を採用した。これらの冷媒が処理液に混入しても、基板Wの処理に影響を与えにくい。しかしながら、処理液中の冷媒の濃度が非常に高くなると、基板Wの処理に悪影響を与えるおそれもある。また、冷媒として二酸化炭素冷媒でもなくアンモニア冷媒でもない冷媒を採用する場合には、処理液への少しの冷媒の混入でも基板Wの処理に悪影響を与えるおそれもある。
【0093】
そこで、第3の実施の形態では、処理液中の冷媒の濃度を監視できる技術を提供することを企図する。
【0094】
図6は、第3の実施の形態にかかる基板処理システム100Aの構成の一部の一例を概略的に示す図である。なお、
図6の例では、図面の煩雑を避けるために、ヒートポンプ装置20よりも冷却対象側の構成の図示を省略している。
【0095】
基板処理システム100Aは冷媒濃度センサ70の有無という点で基板処理システム100と相違する。冷媒濃度センサ70は、加熱循環路30を流れる処理液中の冷媒濃度を測定し、その測定結果を示す測定結果信号を制御部90に出力する。冷媒として二酸化炭素冷媒を採用する場合、冷媒濃度センサ70は、処理液に溶存する二酸化炭素の濃度を測定する。また、冷媒としてアンモニアを採用する場合、冷媒濃度センサ70は、処理液に溶存するアンモニアの濃度を測定する。
図6の例では、冷媒濃度センサ70は、処理液供給路31の全ての上流端よりも下流側かつ処理液補充路61の下流端よりも上流側において、加熱循環路30に設けられている。
【0096】
また、
図6の例では、基板処理システム100Aには報知部93が設けられている。報知部93は作業員に種々の情報を報知する。例えば、報知部93は、液晶表示ディスプレイなどのディスプレイ、および、スピーカの少なくともいずれか一つを含む。ディスプレイは種々の情報を表示し、スピーカは種々の情報を音声で出力する。
【0097】
制御部90は冷媒濃度センサ70の測定結果に基づいて、処理液中の冷媒濃度の監視制御を行う。
図7は、監視制御の一例を示すフローチャートである。まず、冷媒濃度センサ70が処理液中の冷媒濃度を測定する(ステップS11)。冷媒濃度センサ70は、測定した冷媒濃度を示す測定結果信号を制御部90に出力する。
【0098】
次に、制御部90は、冷媒濃度センサ70によって測定された冷媒の濃度が予め規定された冷媒基準値以上であるか否かを判断する(ステップS12)。冷媒基準値は、例えば、基板Wへの処理の悪影響の程度が許容量となるときの冷媒濃度以下の値である。冷媒の濃度が冷媒基準値未満であるときには、再びステップS11を実行する。
【0099】
冷媒の濃度が冷媒基準値以上であるときには、制御部90は報知制御および停止制御の少なくともいずれか一方を実行する。停止制御は、基板処理システム100Aを停止させる制御である。これにより、処理液への冷媒の混入に起因して基板Wの処理に不具合が生じることを回避することができる。
【0100】
報知制御は、制御部90が報知部93に報知を行わせる制御である。報知部93がディスプレイを含む場合には、ディスプレイは冷媒の濃度が冷媒基準値以上であることを示す情報を表示し、報知部93がスピーカを含む場合には、冷媒の濃度が冷媒基準値以上であることを示す情報を音声で出力する。
【0101】
作業員は当該報知に基づいて、処理液の冷媒濃度が高くなっていることを認識することができ、例えば熱交換器22の交換などの諸対応を適切に行うことができる。
【0102】
<第4の実施の形態>
図8は、第4の実施の形態にかかる基板処理システム100Bの構成の一例を示す図である。基板処理システム100Bは、保温部50の有無という点で、基板処理システム100と相違する。
【0103】
保温部50には、高温の処理液が基板処理装置10から排出路118を通じて供給される。以下では、基板処理装置10から排出路118へ流入する処理液を排液とも呼ぶ。保温部50は高温の排液の熱を用いて加熱循環路30を保温する。つまり、保温部50は加熱循環路30から外部への熱拡散を抑制する。
【0104】
図9は、基板処理装置10および保温部50の具体的な構成の一例を示す図である。
図9の例では、基板処理装置10はノズル1142をさらに含んでいる。ノズル1142は基板Wの上面に高温の処理液を供給する。ノズル1142は処理液供給路311の下流端に接続される。処理液供給路311の上流端は不図示の処理液供給源に接続される。処理液供給路311も主として配管によって構成される。処理液供給源は高温の処理液を処理液供給路311に供給する。処理液は、例えば、100℃から120℃程度のSPM(硫酸過酸化水素水)、75℃から85℃程度のSC-1(アンモニア過酸化水素水)、および、75℃から85℃程度のSC-2(塩酸過酸化水素水)の少なくともいずれかを含む。
【0105】
図9の例では、複数のガード116、複数のカップ117および複数の排出路118が設けられている。各ガード116は同軸状の筒状形状を有しており、各ガード116が昇降可能に設けられる。カップ117は複数のガード116に対応して設けられており、対応するガード116から流下する処理液を受け止める。排出路118は複数のカップ117に対応して設けられており、対応するカップ117によって受け止められた処理液を排出する。
【0106】
処理液の種類に応じたガード116が上昇した状態で、その種類の処理液が基板Wに供給されると、該処理液は基板Wの周縁から飛散してガード116で受け止められ、対応するカップ117および排出路118を通じて排出される。これにより、種類ごとに処理液を分類して排出することができる。
【0107】
ここでは、ノズル1142から吐出された処理液が、当該処理液に対応するガード116、カップ117および排出路118を通じて、保温部50に供給される。なお、保温部50に供給される排液は、ノズル1142から吐出された高温の処理液に限らず、ノズル114あるいはノズル115から吐出された高温の処理液であってもよい。
【0108】
図9の例では、保温部50はタンク51を含んでいる。タンク51には排出路118から高温の排液が供給される。これにより、タンク51内に排液が貯留される。
【0109】
図9の例では、タンク51内の排液には、加熱循環路30の一部が浸漬している。加熱循環路30の当該一部は、例えば、加熱循環路30のうち、処理液供給路31の全ての上流端よりも下流側かつ熱交換器22よりも上流側の部分の少なくとも一部である。
図9の例では、加熱循環路30の当該一部はU字形状を有しており、タンク51内の排液に浸漬する。加熱循環路30の他の部分はタンク51の上部開口を通じてタンク51の外側に延在する。
【0110】
このように加熱循環路30の一部が高温の排液に浸漬するので、高温の排液から加熱循環路30の一部に熱が移動する。つまり、加熱循環路30の一部の温度を上昇させることができる。
【0111】
以上のように、第4の実施の形態では、排出路118を通じて外部に排出される高温の排液の熱を利用して、加熱循環路30を保温する。よって、排液の熱を有効に利用することができ、基板処理システム100Bの効率をさらに向上させることができる。
【0112】
なお、
図8の例では、処理液補充部60の処理液補充路61の下流端は熱交換器22と保温部50との間において加熱循環路30に接続されている。しかしながら、必ずしもこれに限らない。処理液補充路61の下流端は、保温部50よりも上流側かつ処理液供給路31の全ての上流端よりも下流側において、加熱循環路30に接続されてもよい。
図8の例では、この処理液補充路61を二点鎖線で示している。この場合、タンク51に浸漬された加熱循環路30の一部には、より低温の処理液が流れる。なぜなら、処理液補充部60から加熱循環路30への処理液の合流により、処理液の温度が低下よって、タンク51内において排液から加熱循環路30に伝達される熱量が大きくなる。したがって、排液の熱量をさらに有効に活用することができ、基板処理システム100の効率を向上させることができる。
【0113】
次に、タンク51内の排液の排出について説明する。
図9の例では、タンク51には排出路52の上流端が接続される。排出路52は主として配管によって構成される。排出路52にはバルブ53が設けられており、バルブ53が開くことにより、タンク51内の排液が排出路52を通じて外部に排出される。バルブ53が閉じることにより、排液の排出が停止する。
【0114】
図9の例では、加熱循環路30には保温部50と熱交換器22との間において温度センサ54が設けられている。温度センサ54は加熱循環路30を流れる処理液の温度を検出し、その測定結果を示す測定結果信号を制御部90に出力する。
【0115】
ここでは、制御部90は、温度センサ54によって測定された温度に基づいて、タンク51からの排液の排出制御を行う。
図10は、排出制御の一例を示すフローチャートである。まず、温度センサ54が加熱循環路30内の処理液の温度を測定する(ステップS21)。温度センサ54は、測定した温度を示す測定結果信号を制御部90に出力する。
【0116】
次に、制御部90は、温度センサ54によって測定された温度が予め規定された温度基準値以上であるか否かを判断する(ステップS22)。温度が温度基準値よりも低いときには、再びステップS21を実行する。
【0117】
温度が温度基準値以上であるときには、制御部90はバルブ53を開く(ステップS23)。これにより、タンク51内の排液が排出路52を通じて外部に排出される。よって、タンク51内の排液の貯留量が時間の経過とともに低下する。したがって、保温部50において加熱循環路30に与えられる熱量は小さくなり、加熱循環路30の熱交換器22に流入する処理液の温度が低下する。
【0118】
以上のように、本排出制御によれば、熱交換器22に流入する処理液の温度の過剰な上昇を回避することができる。これによれば、ヒートポンプ装置20の利用率の低下を抑制することができる。
【0119】
<第5の実施の形態>
図11は、第5の実施の形態にかかる基板処理システム100Cの構成の一例を示す図である。基板処理システム100Cは排液冷却部55の有無という点で基板処理システム100Bと相違する。
【0120】
排液冷却部55には基板処理装置10からの高温の排液が供給される。排液冷却部55は当該排液を低温の冷却循環路40で冷却する。
図11の例では、排液冷却部55は、排液の流れにおいて、保温部50よりも下流側に設けられている。つまり、保温部50の排出路52の下流端は排液冷却部55に接続されており、排液は保温部50から排出路52を通じて排液冷却部55に供給される。
【0121】
図12は、排液冷却部55の構成の一例を概略的に示す図である。
図12の例では、排液冷却部55はタンク56を含む。タンク56には排液が供給される。これにより、タンク56は排液を貯留する。
図12の例では、保温部50から排出路52を通じてタンク56に排液が供給されている。保温部50では既述のように、排液から加熱循環路30に熱が移動するので、排液の温度も低下する。よって、排液冷却部55には、少し降温した排液が供給される。
【0122】
タンク56内の排液には、冷却循環路40の一部が浸漬する。冷却循環路40の当該一部は、例えば、冷却循環路40のうち、冷却液供給路41および冷却液復路42の全てのよりも下流側かつ熱交換器23よりも上流側の部分の少なくとも一部である。なお、冷却循環路40に冷却液供給路44が接続される場合には、排液に浸漬する冷却循環路40の当該一部は、例えば、冷却液供給路41、冷却液復路42および冷却液供給路44の全てよりも下流側かつ熱交換器23よりも上流側の部分の少なくとも一部である。
図12の例では、冷却循環路40の当該一部はU字形状を有しており、タンク56内の排液に浸漬する。冷却循環路40の他の部分はタンク56の上部開口を通じてタンク56の外側に延在する。
【0123】
このように冷却循環路40の当該一部がタンク56内の高温の排液に浸漬するので、排液から冷却循環路40の当該一部に熱が移動する。これにより、排液が冷却され、排液の温度がさらに低下する。
【0124】
タンク56には排出路57の上流端が接続されている。排出路57は主として配管によって構成される。排出路57にはバルブ58が設けられており、バルブ58が開くことにより、タンク56内の排液が排出路57を通じて外部に排出される。バルブ58が閉じることにより、排液の排出が停止する。
【0125】
排液冷却部55は冷却循環路40を用いて排液を冷却するので、より速やかに排液の温度を低下させることができる。よって、より低温の排液を、排出路57を通じて外部に排出することができる。例えば制御部90は、タンク56内の排液の温度が許容温度以下となったときに、バルブ58を開くとよい。
【0126】
図13は、基板処理システム100Cの構成の他の一例を概略的に示す図である。
図13の例では、排液冷却部55は、冷却循環路40から分岐した分岐路47で排液を冷却する。分岐路47は主として配管によって構成され、その上流端は冷却循環路40に接続される。具体的な一例として、分岐路47の上流端は、冷却液供給路41および冷却液復路42の全ての上流端よりも下流側かつ熱交換器23よりも上流側において、冷却循環路40に接続される。なお、冷却循環路40に冷却液供給路44が接続される場合には、分岐路47の上流端は、例えば、冷却液供給路41、冷却液復路42および冷却液供給路44の全てよりも下流側かつ熱交換器23よりも上流側において、冷却循環路40に接続される。
【0127】
図13の例では、分岐路47の一部はタンク56内の排液に浸漬している。
図13の例では、分岐路47の当該一部はU字形状を有しており、タンク56内の排液に浸漬する。分岐路47の他の部分はタンク56の上部開口を通じてタンク56の外側に延在する。
【0128】
分岐路47には、バルブ471が設けられる。バルブ471が開くことにより、冷却液の一部が冷却循環路40から分岐路47を流れて、外部に排出される。分岐路47には、低温の冷却液が流れるので、タンク56内の排液を冷却することができる。
【0129】
なお、冷却液が分岐路47を通じて排出されると、冷却循環路40を循環する冷却液の循環量が低下するので、
図3の冷却液補充部65が設けられるとよい。これにより、循環量の低下を抑制することができる。
【0130】
また、
図11の例では、保温部50および排液冷却部55の両方が設けられているものの、保温部50が設けられていなくてもよい。
【0131】
以上のように、基板処理システム100,100A~100Cは詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この基板処理システム100,100A~100Cがそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【符号の説明】
【0132】
10,10A~10D 基板処理装置
100,100A~100C 基板処理システム
118 排出路
20 ヒートポンプ装置
22 熱交換器
30 加熱循環路
31 処理液供給路
34 ヒータ
40 冷却循環路
41,44 冷却液供給路
47 分岐路
48 冷却部
50 保温部
55 排液冷却部
61 処理液補充路
70 冷媒濃度センサ
90 制御部
W 基板