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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017813
(43)【公開日】2022-01-26
(54)【発明の名称】検流器と流体注入装置
(51)【国際特許分類】
   G01P 13/00 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
G01P13/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020120589
(22)【出願日】2020-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】592146520
【氏名又は名称】株式会社磯村
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】塩沢 真一
(72)【発明者】
【氏名】土井 啓登
【テーマコード(参考)】
2F034
【Fターム(参考)】
2F034AA03
2F034CA05
2F034CA08
(57)【要約】
【課題】 検流精度の向上を図ることができる検流器と流体注入装置を提供すること。
【解決手段】
流体が流通する管路と、上記管路に設置された圧力センサと、を具備したものであり、上記圧力センサによって上記管路を流通する流体の圧力変化を検出して検流を行うようにすることで、フロートを使用した場合に懸念される上記フロートの動作不良等の様々な理由に起因した誤動作の影響を受けることなく流体の流通の有無を確実に検出することができ、検流精度の向上を図ることができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流通する管路と、
上記管路に設置された圧力センサと、
を具備したことを特徴とする検流器。
【請求項2】
請求項1記載の検流器において、
上記管路の上記圧力センサによる圧力検出位置の二次側には上記圧力検出位置における圧力変化を増幅させる弁が設けられていることを特徴とする検流器。
【請求項3】
請求項2記載の検流器において、
上記弁は、ハウジングと、上記ハウジング内の上流側に設けられたバルブシートと、上記ハウジング内に収容された弁体と上記弁体を上記バルブシート側に付勢する弾性部材と、からなり、
上記流体の圧力により上記弾性部材の弾性力に抗して上記弁体が上記バルブシートから離間する方向に移動されて上記流体が上記弁内を通過できるようになっていることを特徴とする検流器。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れかに記載の検流器において、
上記管路の上記圧力センサによる圧力検出位置の一次側にはフロートが設置されていることを特徴とする検流器。
【請求項5】
流体を吸引・吐出するポンプと、
上記ポンプの吐出側に設置された請求項1~請求項4の何れかに記載の検流器と、
を具備したことを特徴とする流体注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、次亜塩素酸ソーダ等の流体を注入する流体注入装置に併設される検流器と流体注入装置に係り、特に、検流精度の向上を図ることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の検流器の構成を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。この特許文献1に記載されている検流器は概略次のような構成になっている。まず、管路があり、この管路には絞り部が設けられている。上記絞り部にはフロートが昇降可能な状態で内装されている。上記フロートは管路内の流体の流れによって昇降する。又、上記管路の外側には光学センサが取り付けられていて、この光学センサによって上記フロートが浮上しているか否か、すなわち、流体の流れの有無を検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-278777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
まず、フロートの動きに大きく左右されてしまうという問題があった。すなわち、フロートにより光路が遮蔽されるか否かによって検流する構成であり、フロートの動作が正確であることが前提になる。ところが、管路及びフロートへの汚れやエアの付着等に起因して、フロートの正常な動作が損なわれてしまうことがある。例えば、流体の流れがないにもかかわらず、フロートが上記したような現象によって浮上したままの状態になってしまい、その結果、光路が遮蔽されず流体の流れが有るといった誤検出になってしまう。
【0005】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、フロートの動きに左右されることなく正確に検流することを可能とし、検流精度の向上を図ることができる検流器とそのような検流器を併設した流体注入装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による検流器は、流体が流通する管路と、上記管路に設置された圧力センサと、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2による検流器は、請求項1記載の検流器において、上記管路の上記圧力センサによる圧力検出位置の二次側には上記圧力検出位置における圧力変化を増幅させる弁が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項3による検流器は、請求項2記載の検流器において、上記弁はハウジングと上記ハウジング内の上流側に設けられたバルブシートと上記ハウジング内に収容された弁体と上記弁体を上記バルブシート側に付勢する弾性部材とからなり、上記流体の圧力により上記弾性部材の弾性力に抗して上記弁体が上記バルブシートから離間する方向に移動されて上記流体が上記弁内を通過できるようになっていることを特徴とするものである。
又、請求項4による検流器は、請求項1~請求項3の何れかに記載の検流器において、上記管路の上記圧力センサによる圧力検出位置の一次側にはフロートが設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項5による流体注入装置は、流体を吸引・吐出するポンプと、上記ポンプの吐出側に設置された請求項1~請求項4の何れかに記載の検流器と、を具備したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
以上述べたように本発明の請求項1による検流器によると、流体が流通する管路と、上記管路に設置された圧力センサと、を具備したので、検流精度の向上を図ることができる。
又、請求項2による検流器によると、請求項1記載の検流器において、上記管路の上記圧力センサによる圧力検出位置の二次側には上記圧力検出位置における圧力変化を増幅させる弁が設けられているので、検流精度をさらに高めることができる。
又、請求項3による検流器は、請求項2記載の検流器において、上記弁はハウジングと上記ハウジング内の上流側に設けられたバルブシートと上記ハウジング内に収容された弁体と上記弁体を上記バルブシート側に付勢する弾性部材とからなり、上記流体の圧力により上記弾性部材の弾性力に抗して上記弁体が上記バルブシートから離間する方向に移動されて上記流体が上記弁内を通過できるようになっているため、上記検流器内の圧力検出位置における流体の圧力の変化量を物理的に増幅することができ、これにより圧力検出の精度ひいては検流精度の精度を向上させることができる。
又、請求項4による検流器によると、請求項1~請求項3の何れかに記載の検流器において、上記管路の上記圧力センサによる圧力検出位置の一次側にはフロートが設置されているので、目視によっても検流を行うことができる。
又、請求項5による流体注入装置によると、流体を吸引・吐出するポンプと、上記ポンプの吐出側に設置された請求項1~請求項4の何れかに記載の検流器と、を具備したので、検流精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、要部を部分的に断面として示す流体注入装置の正面図である。
図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1のII-II断面図である。
図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1のIII-III断面図である。
図4】本発明の第2の実施の形態を示す図で、要部を部分的に断面として示す流体注入装置の正面図である。
図5】本発明の第2の実施の形態を示す図で、図4のV-V断面図である。
図6】本発明の第2の実施の形態を示す図で、プランジャによるポンプ作用を動作順に説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1乃至図3を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、この第1の実施の形態による流体注入装置1は、ポンプ3と検流器5とから構成されている。
【0010】
上記ポンプ3には、図1及び図2に示すように、ベース7がある。このベース7の図中上側にはインダクションモータ13が設置されている。上記インダクションモータ13にはギヤヘッド(減速機)15が連結されている。上記インダクションモータ13の図示しない出力軸は上記ギヤヘッド15の図示しない入力軸に連結されている。上記ギヤヘッド15の出力軸17にはカム19が偏心された状態で固定されている。上記カム19の外周側にはハウジング21が上下動可能に取り付けられている。上記ギヤヘッド15の出力軸17が回転することにより上記カム19が回転し、それによって、上記ハウジング21が上下動する。また、上記ハウジング21の下端には止めねじ23及びロックナット25を介してリングボール27が連結されている。
【0011】
一方、上記ベース7の図中下側には複数本のボルト31によってボディ33が固定されている。上記ボディ33の中心部であって上部にはグランドナット35が螺合により固定されており、このグランドナット35は上記ベース7を貫通して図中上方に突出されていて、その内周側にはスリーブ37が内装されている。
【0012】
又、上記ボディ33の中心部であって下部には外パイプ41が取り付けられている。上記外パイプ41の内周側には中パイプ43が同軸状に設置されている。上記中パイプ43の内周側にはロッド45が上下動可能に内装されている。上記ロッド45の上端は既に説明したリングボール27に連結されている。上記ハウジング21が上下方向に往復動することにより上記リングボール27を介して上記ロッド45が上下方向に往復動する。
【0013】
上記外パイプ41の下端にはフランジ55に固定ねじ57によって固定されたポンプヘッド53が連結されている。上記ポンプヘッド53内にはスリーブ58が内装されていて、このスリーブ58の内周側にはプランジャ59が上下方向に往復動可能に内装されている。上記プランジャ59の上端は上記ロッド45の下端に連結されている。上記ハウジング21が上下方向に往復動することにより上記リングボール27を介して上記ロッド45が上下方向に往復動し、さらに、上記プランジャ59が上下方向に往復動する。
【0014】
上記ポンプヘッド53の下方にはストレーナボディ61が連結されていて、このストレーナボディ61にはエレメント63が外装されている。また、上記ポンプヘッド53には吸込流路65が形成されていて、この吸込流路65の先端部にはボールチャッキ67が設置されている。上記エレメント63を介して吸い込まれた薬液は上記ボールチャッキ67を介して吸込流路65内に吸い込まれる。
【0015】
上記ポンプヘッド53には吐出流路71が形成されていて、この吐出流路71内には別のボールチャッキ73が設置されている。上記吐出流路71の吐出口には送液パイプ74がバルブ押さえ75を介して連結されている。上記送液パイプ74は上記フランジ55の貫通孔77を通り、上記外パイプ41に取り付けられたパイプ振れ止め79の貫通孔81を通って図2中上方に延長されている。
【0016】
上記ボディ33には貫通孔91が形成されていて、上記送液パイプ74の上端部は上記貫通孔91内に挿し込まれている。又、上記挿し込まれた送液パイプ74の先端部にはソケット93が取り付けられている。
【0017】
既に説明したベース7には送液流路101が形成されていて、上記送液パイプ74の先端は上記ソケット93を介して上記送液流路101に連通されている。上記送液流路101の先端(図1中左端)開口は閉止プラグ103によって閉塞されている。
【0018】
次に、上記検流器5の構成を説明する。まず、上記ベース7には透明な目視管105がジョイントスリーブ107を介して設置されている。上記ジョイントスリーブ107には送液流路109が形成されており、また、上記目視管105にも送液流路111が形成されている。上記送液流路101はこれら送液流路109、111と連通されている。上記送液流路111内には、図3示すように、セラミックボール製のフロート113が上下方向に移動可能に収容されている。又、上記送液流路111からは直交する方向にエア抜き流路115が分岐されていて、このエア抜き流路115の開口にはエア抜きバルブ117が取り付けられている。
【0019】
上記送液流路111の図3中下側は縮径されていて段部119が形成されており、上記送液流路111内に図3中下から上に向かう薬液の流れがある場合には上記フロート113は浮上するが、薬液の流れがない場合には上記段部119上に着座される。又、上記目視管105は、例えば、アクリル等の透明な材料からなり、上記フロート113の動きを外部から視認できる。
【0020】
図1に示すように、上記目視管105に設けられた送液流路111からは検流路121が分岐されていて、この検流路121の開口には圧力センサ123が取り付けられている。上記圧力センサ123は複数本のボルト125によって上記目視管105に固定されている。この圧力センサ123によって上記検流路121を介して送液流路111内の圧力を検出し、それによって、薬液の流通の有無を検出する。
尚、上記圧力センサ123としては様々な構成のものが考えられるが、本実施の形態の場合には、一例として、浜松光電株式会社製の型番が「KH18001MPa」のものを使用している。
【0021】
上記目視管105の図中上方には圧力変化を増幅させるための弁131が設置されている。上記弁131には上記弁131のハウジングとしての機能も有するホースソケット133があり、上記ホースソケット133には図3中上下方向に延長された送液流路135が形成されている。この送液流路135の図3中下側は拡径されて弁体収容部137が形成されている。この弁体収容部137内には弁バルブ139が設置されている。上記弁バルブ139は弁スプリング141によって図3中下側に押圧されている。上記弁バルブ139の下側にはバルブシート143が設置されている。上記弁バルブ139が上記弁スプリング141によって押圧されて上記バルブシート143に着座されると、上記送液流路135が閉塞される。上記弁バルブ139が薬液圧力によって上記弁スプリング141の弾性力に抗して図3中上側に移動すると上記送液流路135内を薬液が流れる。このような構成の弁131を既に説明した圧力センサ123による圧力検出位置の下流側に設けることにより送液流路111内の流体に所定の抵抗が付加されるようにして圧力検出位置における圧力変化を増幅する。
【0022】
上記弁131の下流側(図3中上側)にはホース151がホースナット153によって連結されている。
【0023】
次に、この第1の実施の形態による作用について説明する。
まず、インダクションモータ13によってギヤヘッド15を介してカム19が回転する。このカム19の回転によりハウジング21が上下方向に往復動する。このハウジング21の往復動によりリングボール25を介してロッド45ひいてはプランジャ59が上下方向に往復動する。
【0024】
上記プランジャ59が上昇するとボールチャッキ67が開放され、図示しないタンク内の薬液が吸込流路65内に吸い込まれる。次に、上記プランジャ59が下降すると上記ボールチャッキ67が閉塞され代わりに吐出流路71側のボールチャッキ73が開放される。それによって、吸込流路65内に吸い込まれた薬液が吐出流路71側に吐出されボールチャッキ73を通って送液パイプ74内に吐き出される。
以下、上記プランジャ59が上下方向に往復動することにより上記作用が繰り返され薬液が脈動的に吐出される。
【0025】
上記送液パイプ74内に吐出された薬液は、送液流路101、送液流路111、送液流路135を介してホース151内に送り出され、目的とする薬液注入箇所まで送液されて注入される。
【0026】
又、上記送液流路111内の圧力が検流路121を介して圧力センサ123によって検出される。送液流路111内の圧力の変化量が所定の値以上であれば薬液の流通有りと判別され、所定の値未満であれば薬液の流通なしと判別される。
【0027】
その際、上記弁131によって送液流路111内の流体に所定の抵抗が付加される構成になっているので、薬液の流通有りの場合と薬液の流通なしの場合の圧力の変化量を物理的に増幅させることができる。それによって、圧力センサ123による圧力検出の精度ひいては検流精度の精度を向上させる。
【0028】
尚、上記送液流路111内を薬液が流れるとフロート113が浮上するので目視管105の外部から視認可能である。
【0029】
次に、この第1の実施の形態による効果について説明する。
まず、検流精度の向上を図ることができる。これは圧力センサ123によって検流を行うようにしているからであり、様々な理由に起因したフロート113の誤動作に影響されることなく、薬液流通の有無を確実に検出することができる。
又、上記圧力センサ123による圧力検出位置の下流側には弁131が設けられているので、薬液流通がある場合とない場合の圧力変化を増幅することができ、それによって、上記圧力センサ123による検出精度をさらに高めることができる。
又、上記フロート113も設置されているので外部からの視認による検流も可能である。
【0030】
次に、図4及び図5を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態による流体注入装置201では、前記第1の実施の形態による流体注入装置とは異なる構成のポンプ203を採用している。
【0031】
上記ポンプ203にはベース207があり、上記ベース207の図4中上側にはカムカバ209が設置されている。上記カムカバ209の上側はモーター取付板210となっている。上記カムカバ209の図4中上側には、インダクションモータ211が設置されていて、このインダクションモータ211にはギヤヘッド(減速機)213が連結されている。上記インダクションモータ211の図示しない出力軸は上記ギヤヘッド213の図示しない入力軸に連結されている。
【0032】
上記ベース207の図4中上側であり上記カムカバ209内には、複数本のスタッドボルト215が取り付けられている。上記スタッドボルト215の上側にはベアリングホルダ217が取り付けられている。また、上記ベアリングホルダ217の図4中上側には複数本のスタッドボルト219が取り付けられていて、上記スタッドボルト219の上端(図4中上端)は上記モーター取付板210に固定されている。
【0033】
上記ベアリングホルダ217の図4中下側には上側カム221が設置されていて、上記ベース207の上側には下側カム223が設置されている。上記上側カム221の図4中下側には上側カム面225が形成されていて、この下側カム面には後述するスプラインシャフト、ロッド、プランジャを昇降させるための傾斜面、下降させるための傾斜面、回転のみを行わせるための一対の平坦面から構成されている。上記下側カム223の図4中上側には下側カム面227が形成されていて、この下側カム面227にも後述するスプラインシャフト、ロッド、プランジャを昇降させるための傾斜面、下降させるための傾斜面、回転のみを行わせるための一対の平坦面から構成されている。上記上側カム面225と上記下側カム面227の図4中上下方向の間隔は等間隔になっている。
【0034】
又、上記ベアリングホルダ217にはローラベアリング231が設置されていて上記ローラベアリング231にはスプラインナット233が設置されている。上記スプラインナット233は上記ベアリングホルダー217に対して回転可能となっている。上記スプラインナット233は上記ギヤヘッド213の出力軸239にジョイント240を介して連結されている。また、スプラインシャフト235が上記ベアリングホルダ217、上記上側カム221、上記下側カム223、及び、上記ベース207を貫通して設置されている。上記スプラインシャフト235は上記スプラインナット233に噛合していて、スプラインナット233と共に回転可能であって、且つ、図4中上下方向に往復動可能に設置されている。
【0035】
上記スプラインシャフト235にはカムフォロワ237が固定されている。上記カムフォロワ237の先端側(図4中左側)は、上記上側カム面225と上記下側カム面227の間に介挿されている。
【0036】
そして、上記インダクションモータ211によって上記ギヤヘッド213が回転され、上記ジョイント240を介して上記スプラインナット233が回転し、上記スプラインシャフト235が回転される。又、上記スプラインシャフト235は上記カムフォロワ237と上記上側カム面225及び上記下側カム面227の作用によって回転しながら上下方向に往復動される。
【0037】
上記ベース207の図4中下側には、カップリング241を介して、中空の円柱形状をなすボディパイプ243が設置されている。上記ボディパイプ243内にはロッド245が内装されている。上記ロッド245の上端は上記スプラインシャフト235の下端に連結されている。上記カップリング241の上記ロッド245が貫通する部分にはOリング247が設置されている。
【0038】
上記ボディパイプ243の先端側(図4中下側)には上記ボディパイプ243に設置されたフランジ257を介して固定されたポンプヘッド251が接続されている。上記ポンプヘッド251には吸入口253と吐出口255が設けられている。上記吸込口253にはストレーナボディ254が取り付けられている。又、上記ポンプヘッド251の先端にはプラグ256が取り付けられている。
【0039】
上記ボディパイプ243の先端側(図4中下側)から上記ポンプヘッド251内にかけてプランジャ261が内装されている。上記プランジャ261は上記ロッド245の先端側(図4中下側)にプランジャホルダ263を介して連結されていて、上記スプラインシャフト235及び上記ロッド245を介して回転するとともに上下方向に往復動する。
【0040】
上記プランジャ261の先端側(図4中下側)には回転方向に沿って所定角度範囲で切欠部265が形成されており、上記プランジャ261の回転と上下方向への往復動によって、上記吸入口253から上記切欠部265内に薬液を吸い込むとともに、該切欠部265内から上記吐出口255側に吐き出す。
【0041】
上記ポンプヘッド251の吐出口255には、バルブホルダ267を介して、前記第1の実施の形態の場合と同じ送液パイプ74が連結されている。また、上記バルブホルダ267の送液パイプ74側にはボールチャッキ269が接続されている。
尚、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
【0042】
次に、この第2の実施の形態の場合の作用を説明する。
上記ポンプ203のインダクションモータ211によってギヤヘッド213及びジョイント240を介してスプラインナット233を回転させると、上記スプラインシャフト235、ロッド245、プランジャ261が回転するとともに、上側カム面225及び下側カム面227とカムフォロワ237の作用によって、図4中上下方向に往復動する。
【0043】
以下、図6を参照して詳しく説明する。
まず、プランジャ261は状態aに示す下死点の状態にある。すなわち、プランジャ261最下点まで降下していて、且つ、切欠部265がポンプヘッド251の吸込口253と吐出口255の中間位置にある。
その状態からプランジャ261の回転のみが行われ状態bに移行する。この段階ではプランジャ261は依然として最下点まで降下しているが、切欠部265がポンプヘッド251の吸込口253側に少し向いた状態にある。この状態になると吸込口253を介して切欠部265内に薬液が流入し始める。
その状態からプランジャ261がさらに回転されると、状態c、状態dに示すように、プランジャ261か上昇していき、それによって、ポンプヘッド251内に薬液が吸い込まれていく。状態dではプランジャ261は最上点まで上昇している。
その後、プランジャ261の回転のみが行われ状態eの上死点の状態に移行する。切欠部265がポンプヘッド251の吸込口253と吐出口255の中間位置(先に説明した中間位置の反対側の中間位置)にある。ここまでの動作により薬液の吸込が完了する。
その状態からプランジャ261の回転のみが行われ状態fに移行する。この段階ではプランジャ261は依然として最上点まで上昇しているが、切欠部265がポンプヘッド251の吐出口255側に少し向いた状態にある。
その状態からプランジャ261がさらに回転されると、状態g、状態hに示すように、プランジャ261か下降していき、それによって、ポンプヘッド251内の薬液が吐出口255を介して吐き出されていく。状態hではプランジャ261は最下点まで降下している。
以下、同様の作用を繰り返すことにより薬液が上記吐出口255から脈動的に薬液が吐出される。
【0044】
検流器5における検流作用及び弁131による圧力変化増副作用は前記第1の実施の形態の場合と同じである。
【0045】
よって、前記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができるとともに、ポンプにおいて吸込口側の逆止弁が不要になるという利点がある。
【0046】
尚、本発明は前記第1の実施の形態及び第2の実施の形態に限定されるものではない。
まず、圧力センサの種類についてはこれを特に限定するものではない。
また、弁の構成については図示したものに限定されず、例えば、ダイヤフラム型のものでもよい。
また、フロートの設置は任意である。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、次亜塩素酸ソーダ等の流体を注入する流体注入装置に併設される検流器と流体注入装置に係り、特に、検流精度の向上を図ることができるように工夫したものに関し、例えば、水道水の殺菌のために次亜塩素酸ソーダを注入する流体注入装置に好適である。
【符号の説明】
【0048】
1 流体注入装置
3 ポンプ
5 検流器
123 圧力センサ
113 フロート
131 弁
201 流体注入装置
203 ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6