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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178143
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20221125BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20221125BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084711
(22)【出願日】2021-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】右田 恵里華
(72)【発明者】
【氏名】堀 一夫
(72)【発明者】
【氏名】上田 祐史
(72)【発明者】
【氏名】玉井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】熊澤 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】神田 陽悦
(72)【発明者】
【氏名】村上 峻一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】繁閑を考慮した最適な工程をオペレータに示すことができる端末プログラムを提供する。
【解決手段】工程表作成画面において、「繁閑自動調整」アイコンが選択されると、端末プログラムは、入力画面をディスプレイに表示させる。支店端末のオペレータは、支店において施工能力が低い工事種を、「基礎工事」や「建方工事」や「内装工事」や「仕上工事」の工事種のうちから選択し、選択した工事種の工事開始日の希望日の範囲を入力する。端末プログラムは、入力された希望日の範囲の日付ごとに工程(仮工程)を決定し、決定した仮工程での繁閑値を算出する。端末プログラムは、繁閑値が小さい5つの仮工程を選択候補として表示する。オペレータは、表示された候補から1つの候補を選択する。端末プログラムは、オペレータが選択した候補に基づいて工程表作成画面を更新する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムを記憶するメモリと、
上記プログラムを実行するコンピュータと、
情報の入力を受け付ける受付インタフェースと、
入力された画像データが示す画面を表示するディスプレイと、を備えており、
上記コンピュータは、
上記受付インタフェースを通じて特定情報の入力を受け付ける第1受付処理と、
受け付けた上記特定情報が示す邸情報を取得する第1取得処理と、
指定アイコンを含む受付画面を上記ディスプレイに表示させる第1表示処理と、
上記受付画面において上記指定アイコンの選択を上記受付インタフェースを通じて受け付けたことに基づいて、入力画面を上記ディスプレイに表示させる第2表示処理と、
上記入力画面において上記受付インタフェースを通じて入力された情報であって、工事開始日の希望範囲を取得する第2取得処理と、
取得した上記希望範囲内の工事開始日毎の繁閑値を取得する繁閑値取得処理と、
工事開始日毎の上記各繁閑値に基づいて、工事開始日となる複数の日付を特定日付として特定する特定処理と、
複数の上記特定日付及び上記繁閑値を有する候補日選択画面を上記ディスプレイに表示する第3表示処理と、
上記候補日選択画面において表示された上記特定日付が示す一の候補の選択を上記受付インタフェースを通じて受け付ける第2受付処理と、
受け付けた上記特定日付を変更工事開始日として含む変更工程画面を上記ディスプレイに表示させる変更表示処理と、を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
上記コンピュータは、
上記第2取得処理において、邸の工事における各工事の種類を示す工事種をさらに取得し、
上記繁閑値は、取得した上記工事種に対する繁閑値である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記コンピュータは、
上記第2取得処理において、複数の上記工事種と、当該工事種毎の上記希望範囲と、を受け付け可能であり、
上記第3表示処理において、受け付けた上記工事種毎に、複数の上記特定日付及び上記繁閑値を上記候補日選択画面において上記ディスプレイに表示する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記コンピュータは、
上記第2受付処理において、一の上記工事種に対する複数の上記候補から一の当該候補が選択されたことに基づいて、選択された当該候補が示す上記特定日付を当該工事種の工事開始日とした場合に、他の上記工事種に対する複数の上記候補のうち、工事の実行が可能な当該候補を上記邸情報に基づいて特定し、特定した当該候補のみの選択を受け付ける、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記コンピュータは、
上記第2受付処理において、一の上記工事種に対する複数の上記候補から一の当該候補が選択されたことに基づいて、選択された当該候補が示す上記特定日付を当該工事種の工事開始日とした場合の他の上記工事種の工事開始日の範囲を上記邸情報に基づいて特定し、特定した範囲内の工事開始日毎の当該各繁閑値に基づいて、当該他の工事種の工事開始日となる複数の上記特定日付を再度特定し、再度特定した当該特定日付及び上記繁閑値を有する複数の変更候補を、当該他の工事種の上記候補に代えて上記候補日選択画面に表示させる、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記繁閑値取得処理は、
上記受付インタフェースを通じて施工能力値及び工事量を取得する処理と、
上記希望範囲内の一の工事開始日を決定し、当該一の工事開始日での工事の工程である仮工程を上記邸情報に基づいて特定する処理と、
特定した上記仮工程に基づいて、上記施工能力値に対する上記工事量の比率である上記繁閑値として算出する処理と、を含む、請求項1から5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
上記繁閑値取得処理は、
算出した上記繁閑値が閾値を超えることに基づいて当該繁閑値を上記メモリに記憶させず、算出した上記繁閑値が上記閾値を超えないことに基づいて上記工事開始日と対応付けて上記メモリに記憶させ、
上記コンピュータは、
上記特定処理において、上記メモリに記憶された上記繁閑値に基づいて上記工事開始日を特定する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
上記特定処理は、上記繁閑値が小さい順に、所定の個数だけ上記工事開始日を特定する処理である、請求項6又は7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
上記入力画面は、
上記希望範囲の入力を受け付けるテキストボックス或いはメニューであって、工事種毎に表示される入力オブジェクトを含む、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
上記第2受付処理は、初期工事開始日を取得する処理を含んでおり、
上記受付画面は、上記邸情報及び上記初期工事開始日に基づいて特定された初期工程を含む、請求項1から9のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項11】
上記受付画面及び上記変更工程画面は、上記繁閑値に基づいて上記コンピュータが生成した繁閑オブジェクトをさらに有する、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
上記受付インタフェースは、入力を受け付ける入力インタフェースと、通信インタフェースとを含んでおり、
上記第1受付処理は、上記入力インタフェースを通じて上記特定情報を受け付ける処理であり、
上記第1取得処理は、上記通信インタフェースを通じて管理サーバから上記邸情報を受信する処理を含んでおり、
上記繁閑値取得処理は、
上記通信インタフェースを通じて日付毎に施工能力値及び工事量を取得する処理と、
上記希望範囲、上記施工能力値、及び上記工事量に基づいて上記繁閑値を算出する処理と、を含む、請求項1から11のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項13】
上記メモリ及び上記コンピュータの一部であるサーバメモリ及びサーバコンピュータを有する管理サーバと、
上記メモリ及び上記コンピュータの他部である端末メモリ及び端末コンピュータを有する端末装置と、を備え、
上記プログラムは、上記サーバメモリに記憶されたサーバプログラムと、上記端末メモリに記憶された端末プログラムと、を有する、請求項1から11のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項14】
メモリ、受付インタフェース、及びディスプレイを有する情報処理装置のコンピュータによって実行されるプログラムであって、
上記受付インタフェースを通じて特定情報の入力を受け付ける第1受付処理と、
受け付けた上記特定情報が示す邸情報を取得する第1取得処理と、
指定アイコンを含む受付画面を上記ディスプレイに表示させる第1表示処理と、
上記受付画面において上記指定アイコンの選択を上記受付インタフェースを通じて受け付けたことに基づいて、入力画面を上記ディスプレイに表示させる第2表示処理と、
上記入力画面において上記受付インタフェースを通じて入力された情報であって、工事開始日の希望範囲を取得する第2取得処理と、
取得した上記希望範囲内の工事開始日毎の繁閑値を取得する繁閑値取得処理と、
工事開始日毎の上記各繁閑値に基づいて、工事開始日となる複数の日付を特定日付として特定する特定処理と、
複数の上記特定日付及び上記繁閑値を有する候補日選択画面を上記ディスプレイに表示する第3表示処理と、
上記候補日選択画面において表示された上記特定日付が示す一の候補の選択を上記受付インタフェースを通じて受け付ける第2受付処理と、
受け付けた上記特定日付を変更工事開始日として含む変更工程画面を上記ディスプレイに表示させる変更表示処理と、を実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、邸の工事開始日や工事期間等を示す工程表をディスプレイに表示させる情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、邸毎に工期を算出する工程管理システムを開示する。この工程管理システムは、演算手段及び物件数量データベースを備える。物件数量データベースは、邸名と、工事種(工事内容)と、工事量とを対応付けて格納している。演算手段は、工事量から工事日数を算出し、各工事種の工事日数を積算して工期を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-267488
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された工程管理システムでは、最短の工期をオペレータに示すことができる。しかしながら、当該工程管理システムでは、邸の工事を行う職方(工務店等)における作業量の多寡(繁閑)を考慮した最適な工程をオペレータに示すことはできない。すなわち、特許文献1に開示された工程管理システムでは、オペレータは、工程をどのように変更すれば職方の負担が軽減するか知ることはできない。
【0005】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、繁閑を考慮した最適な工事開始日をオペレータに認識させることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る情報処理装置は、プログラムを記憶するメモリと、上記プログラムを実行するコンピュータと、情報の入力を受け付ける受付インタフェースと、入力された画像データが示す画面を表示するディスプレイと、を備える。上記コンピュータは、上記受付インタフェースを通じて特定情報の入力を受け付ける第1受付処理と、受け付けた上記特定情報が示す邸情報を取得する第1取得処理と、指定アイコンを含む受付画面を上記ディスプレイに表示させる第1表示処理と、上記受付画面において上記指定アイコンの選択を上記受付インタフェースを通じて受け付けたことに基づいて、入力画面を上記ディスプレイに表示させる第2表示処理と、上記入力画面において上記受付インタフェースを通じて入力された情報であって、工事開始日の希望範囲を取得する第2取得処理と、取得した上記希望範囲内の工事開始日毎の繁閑値を取得する繁閑値取得処理と、工事開始日毎の上記各繁閑値に基づいて、工事開始日となる複数の日付を特定日付として特定する特定処理と、複数の上記特定日付及び上記繁閑値を有する候補日選択画面を上記ディスプレイに表示する第3表示処理と、上記候補日選択画面において表示された上記特定日付が示す一の候補の選択を上記受付インタフェースを通じて受け付ける第2受付処理と、受け付けた上記特定日付を変更工事開始日として含む変更工程画面を上記ディスプレイに表示させる変更表示処理と、を実行する。
【0007】
受付画面においてオペレータが指定アイコンを選択すると、入力画面がディスプレイに表示される。オペレータが、入力画面において工事開始日の希望範囲を入力すると、コンピュータは、指定された工事開始日の希望範囲内の工事開始日毎の繁閑値を取得し、取得した繁閑値に基づいて複数の候補を特定し、特定した候補を示す候補日選択画面をディスプレイに表示させる。各候補は、特定日付及び繁閑値を含む。コンピュータは、候補日選択画面において表示された複数の候補からオペレータが選択した一の候補の特定日付を変更工事開始日として含む変更工程画面をディスプレイに表示させる。
【0008】
(2) 上記コンピュータは、上記第2取得処理において、邸の工事における各工事の種類を示す工事種をさらに取得し、上記繁閑値は、取得した上記工事種に対する繁閑値であってもよい。
【0009】
この構成によれば、オペレータが指定した希望範囲において、オペレータが指定した工事種の工事開始日の複数の候補がディスプレイに表示される。例えば、オペレータは、職方の数が最も少ない工事種を指定することにより、邸の施工において最も工期の設定が難しい工事種について、工事開始日の複数の候補を知ることができる。また、候補日選択画面に表示される繁閑値は、オペレータが指定した工事種についての繁閑値であるから、オペレータは、指定した工事種についての繁閑を抑えて邸の工期を決定することができる。
【0010】
(3) 上記コンピュータは、上記第2取得処理において、複数の上記工事種と、当該工事種毎の上記希望範囲と、を受け付け可能であり、上記第3表示処理において、受け付けた上記工事種毎に、複数の上記特定日付及び上記繁閑値を上記候補日選択画面において上記ディスプレイに表示してもよい。
【0011】
この構成によれば、工事種毎に複数の候補がディスプレイに表示される。例えば、オペレータは、職方(工務店)の数が少ない2つの工事種を指定して、工事種毎に複数の候補を知ることができる。
【0012】
(4) 上記コンピュータは、上記第2受付処理において、一の上記工事種に対する複数の上記候補から一の当該候補が選択されたことに基づいて、選択された当該候補が示す上記特定日付を当該工事種の工事開始日とした場合に、他の上記工事種に対する複数の上記候補のうち、工事の実行が可能な当該候補を上記邸情報に基づいて特定し、特定した当該候補のみの選択を受け付けてもよい。
【0013】
この構成によれば、工事の実行が可能な候補のみの選択が可能であり、工事の実行が不可能な候補の選択が制限されるから、工事の実行が不可能な候補をオペレータが誤って選択してしまうことが防止される。
【0014】
(5) 上記コンピュータは、上記第2受付処理において、一の上記工事種に対する複数の上記候補から一の当該候補が選択されたことに基づいて、選択された当該候補が示す上記特定日付を当該工事種の工事開始日とした場合の他の上記工事種の工事開始日の範囲を上記邸情報に基づいて特定し、特定した範囲内の工事開始日毎の当該各繁閑値に基づいて、当該他の工事種の工事開始日となる複数の上記特定日付を再度特定し、再度特定した当該特定日付及び上記繁閑値を有する複数の変更候補を、当該他の工事種の上記候補に代えて上記候補日選択画面に表示させてもよい。
【0015】
この構成によれば、オペレータが一の工事種に対して表示された複数の候補から一の候補を選択すると、他の工事種の候補が、邸の工事を実行可能な範囲の変更候補に変更される。したがって、工事の実行が不可能な候補をオペレータが誤って選択してしまうことが防止される。
【0016】
(6) 上記繁閑値取得処理は、上記受付インタフェースを通じて施工能力値及び工事量を取得する処理と、上記希望範囲内の一の工事開始日を決定し、当該一の工事開始日での工事の工程である仮工程を上記邸情報に基づいて特定する処理と、特定した上記仮工程に基づいて、上記施工能力値に対する上記工事量の比率である上記繁閑値として算出する処理と、を含んでいてもよい。
【0017】
この構成によれば、オペレータが指定した希望範囲内の各工事開始日の繁閑を、比較が容易な数値によって表すことができる。
【0018】
(7) 上記繁閑値取得処理は、算出した上記繁閑値が閾値を超えることに基づいて当該繁閑値を上記メモリに記憶させず、算出した上記繁閑値が上記閾値を超えないことに基づいて上記工事開始日と対応付けて上記メモリに記憶させ、上記コンピュータは、上記特定処理において、上記メモリに記憶された上記繁閑値に基づいて上記工事開始日を特定してもよい。
【0019】
この構成によれば、メモリにおける使用容量を低減することができる。
【0020】
(8) 上記特定処理は、上記繁閑値が小さい順に、所定の個数だけ上記工事開始日を特定する処理であってもよい。
【0021】
(9) 上記入力画面は、上記希望範囲の入力を受け付けるテキストボックス或いはメニューであって、工事種毎に表示される入力オブジェクトを含んでいてもよい。
【0022】
(10) 上記受付処理は、初期工事開始日を取得する処理を含んでおり、上記受付画面は、上記邸情報及び上記初期工事開始日に基づいて特定された初期工程を含んでいてもよい。
【0023】
オペレータは、受付画面に表示された初期工程を参考にして指定アイコンを選択し、工事開始日の希望範囲を入力する。
【0024】
(11) 上記受付画面及び上記変更工程画面は、上記繁閑値に基づいて上記コンピュータが生成した繁閑オブジェクトをさらに有していてもよい。
【0025】
受付画面及び変更工程画面は、繁閑値を示す繁閑オブジェクトを有するので、邸の工程と繁閑とを対応付けてオペレータに認識させることができる。オペレータは、視認した繁閑オブジェクトが示す繁閑に基づいて、指定オブジェクトを選択するか否かを判断する。
【0026】
(12) 上記受付インタフェースは、入力を受け付ける入力インタフェースと、通信インタフェースとを含んでおり、上記第1受付処理は、上記入力インタフェースを通じて上記特定情報を受け付ける処理であり、上記第1取得処理は、上記通信インタフェースを通じて管理サーバから上記邸情報を受信する処理を含んでおり、上記繁閑値取得処理は、上記通信インタフェースを通じて日付毎に施工能力値及び工事量を取得する処理と、上記希望範囲、上記施工能力値、及び上記工事量に基づいて上記繁閑値を算出する処理と、を含んでいてもよい。
【0027】
この構成によれば、情報処理装置は、邸情報、施工能力値、及び工事量を管理サーバから受信して繁閑値を算出し、変更工事開始日を含む変更工程画面をディスプレイに表示させる。すなわち、邸情報、施工能力値、及び工事量を管理する既存の管理サーバの仕様を変更せずに、変更工程画面をディスプレイに表示させることができる。
【0028】
(13) 上記メモリ及び上記コンピュータの一部であるサーバメモリ及びサーバコンピュータを有する管理サーバと、上記メモリ及び上記コンピュータの他部である端末メモリ及び端末コンピュータを有する端末装置と、を備え、上記プログラムは、上記サーバメモリに記憶されたサーバプログラムと、上記端末メモリに記憶された端末プログラムと、を有していてもよい。
【0029】
本発明は、管理サーバと端末装置とを備える情報処理装置、すなわち管理システムとして実現されてもよい。
【0030】
(14) 本発明に係るプログラムは、メモリ、受付インタフェース、及びディスプレイを有する情報処理装置のコンピュータによって実行されるプログラムであって、上記受付インタフェースを通じて特定情報の入力を受け付ける第1受付処理と、受け付けた上記特定情報が示す邸情報を取得する第1取得処理と、指定アイコンを含む受付画面を上記ディスプレイに表示させる第1表示処理と、上記受付画面において上記指定アイコンの選択を上記受付インタフェースを通じて受け付けたことに基づいて、入力画面を上記ディスプレイに表示させる第2表示処理と、上記入力画面において上記受付インタフェースを通じて入力された情報であって、工事開始日の希望範囲を取得する第2取得処理と、取得した上記希望範囲内の工事開始日毎の繁閑値を取得する繁閑値取得処理と、工事開始日毎の上記各繁閑値に基づいて、工事開始日となる複数の日付を特定日付として特定する特定処理と、複数の上記特定日付及び上記繁閑値を有する候補日選択画面を上記ディスプレイに表示する第3表示処理と、上記候補日選択画面において表示された上記特定日付が示す一の候補の選択を上記受付インタフェースを通じて受け付ける第2受付処理と、受け付けた上記特定日付を変更工事開始日として含む変更工程画面を上記ディスプレイに表示させる変更表示処理と、を実行する。
【0031】
本発明は、プログラムとして捉えることもできる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る情報処理送装置は、繁閑を考慮した最適な工事開始日をオペレータに認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明に係る管理システム100を示す構成図である。
図2図2は、支店管理サーバ11及び支店端末12の機能ブロック図である。
図3図3(A)は、工務店管理データベースを示す図であり、図3(B)は、施工能力値表を示す図である。
図4図4は、邸管理データベースを示す図である。
図5図5は、工事量管理データベースを示す図である。
図6図6は、工程表作成画面を示す図である。
図7図7は、入力画面を示す図である。
図8図8は、端末プログラム68及びサーバプログラム58が実行する処理を示すフローチャートである。
図9図9は、第1実施形態における候補日選択画面データ生成処理を示すフローチャートである。
図10図10(A)は、第1実施形態における候補日選択画面を示す図であり、図10(B)は、一部がグレー表示された状態の候補日選択画面を示す図である。
図11図11は、更新後の工程表作成画面を示す図である。
図12図12は、第2実施形態における候補日選択画面データ生成処理を示すフローチャートである。
図13図13は、第2実施形態における候補日選択画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、図8及び図9に示される処理は、本発明の要旨を変更しない範囲で順序を適宜変更されてもよいし、一部の処理が省略してもよいし、他の処理が付加されてもよい。
【0035】
[第1実施形態]
図1に示される管理システム100は、住宅などの建築物の建築を行う建築事業者に導入されるシステムである。管理システム100は、建築事業者の担当者が建築物の工期を決定する際に用いられる。すなわち、管理システム100は、担当者による工期の決定をサポートするシステムである。管理システム100は、例えば、後述の端末プログラム68(図2)を既存の管理システムに使用することによって実現される。すなわち、本実施形態では、管理システム用に開発されたアプリケーションプログラムである端末プログラム68、及び端末プログラム68が使用される支店端末12(図2)、及び支店端末12を含む管理システム100について説明する。端末プログラム68は、本発明のプログラムの一例である。
【0036】
以下では、建築事業者に建築を依頼する者を「顧客」と記載し、顧客が建築を依頼する建築物を「邸」と記載し、工期を決定する担当者を、支店端末12を操作する「オペレータ」と記載して説明する。
【0037】
管理システム100は、インターネット9に接続された複数の支店ネットワーク10、CADネットワーク20、及び複数の工務店端末30によって構築されている。支店ネットワーク10は、建築事業者の各支店にそれぞれ設置されるネットワークである。CADネットワーク20は、建築事業者の設計部門に設置されるネットワークである。工務店端末30は、建築事業者と提携する工務店等(職方)に設置される端末装置である。工務店等とは、基礎工事、建方工事、内装工事、仕上工事を行う事業者や個人を意味する。なお、工務店端末30は、管理システム100において必須の構成ではなく、管理システム100は、工務店端末30を含まない構成とすることもできる。
【0038】
工務店端末30は、例えばパーソナルコンピュータである。工務店端末30は、中央演算処理装置であるCPUと、メモリと、マウスやキーボードなどである入力装置と、ディスプレイと、を備える。当該メモリは、工務店アプリケーションプログラム(以下、工務店アプリと記載する)を記憶する。
【0039】
工務店の担当者は、入力装置及び工務店アプリを用いて、職人の氏名などの情報を工務店端末30に入力する。入力された情報は、メモリに記憶される。工務店端末30は、ルータなどの不図示のゲートウェイ装置を介してインターネット9と接続されている。工務店アプリは、メモリに記憶された情報である工務店情報や工事関連情報を、インターネット9を通じて送信する。送信された工務店情報や工事関連情報は、直接或いは間接的に、後述の支店管理サーバ11が受信する。支店管理サーバ11は、受信した工務店情報や工事関連情報を工務店管理データベース(図3(A))や工事量管理データベース(図5)に登録する。詳しくは後述する。
【0040】
CADネットワーク20は、CADサーバ21と、複数のCAD端末22とを備える。CAD端末22は、例えばパーソナルコンピュータである。CADサーバ21と、複数のCAD端末22とは、LANケーブルや、Wi-Fi等の無線LANなどによって相互に通信可能に接続されている。設計者は、CAD端末22を用いて邸の設計を行う。邸の設計によって生成された設計情報は、CADサーバ21に送信される。CADサーバ21は、取得した設計情報を設計データベースに登録する。
【0041】
設計情報は、基礎の長さなど、基礎工事の工事量を算出するための情報を含む。また、設計情報は、柱や梁の数や邸の延べ床面積など、建方工事の工事量を算出するための情報を含む。また、設計情報は、壁の面積や邸の延べ床面積など、内装工事の工事量を算出するための情報を含む。また、設計情報は、邸の延べ床面積など、仕上工事の工事量を算出するための情報を含む。
【0042】
CADサーバ21は、不図示のゲートウェイ装置を介してインターネット9と接続されている。CADサーバ21は、要求に応じて、設計情報をインターネット9を通じて送信する。送信された設計情報は、直接或いは間接的に、後述の支店管理サーバ11に取得される。支店管理サーバ11は、取得した設計情報に基づいて、邸管理データベース(図4)を更新する。詳しくは後述する。
【0043】
支店ネットワーク10は、支店管理サーバ11と、複数の支店端末12とを備える。支店端末12は、パーソナルコンピュータやタブレットなどである。支店管理サーバ11と、複数の支店端末12とは、LANケーブルや、Wi-Fi等の無線LANなどによって相互に通信可能に接続されている。以下、支店管理サーバ11及び支店端末12について詳しく説明する。
【0044】
図2に示されるように、支店管理サーバ11は、中央演算処理装置であるサーバCPU51と、サーバメモリ52と、通信バス53と、第1通信インタフェース54と、第2通信インタフェース55とを有する。なお、図2では、「インタフェース」を「I/F」と省略している。支店管理サーバ11は、本発明の管理サーバの一例である。サーバCPU51は、本発明のサーバコンピュータの一例である。
【0045】
第1通信インタフェース54は、LANケーブルや無線LANによって支店端末12と有線或いは無線接続されるインタフェースである。第2通信インタフェース55は、不図示のゲートウェイ装置を介してインターネット9と接続されるインタフェースである。
【0046】
通信バス53は、サーバCPU51、サーバメモリ52、第1通信インタフェース54、及び第2通信インタフェース55を接続されている。すなわち、サーバCPU51は、通信バス53を通じて、サーバメモリ52から情報やデータを読み出すことができ、情報やデータをサーバメモリ52に記憶させることができ、第1通信インタフェース54及び第2通信インタフェース55を通じて情報やデータを送受信することができる。
【0047】
サーバメモリ52は、オペレーションシステムであるサーバOS57と、サーバプログラム58と、工務店管理データベースと、施工能力値表と、邸管理データベースと、工事量管理データベースとを記憶する。
【0048】
サーバプログラム58は、第2通信インタフェース55を通じて各工務店端末30から工務店情報や工事関連情報を収集する処理を行う。詳しく説明すると、支店管理サーバ11は、URLをインターネット9上に公開するウェブサーバである。工務店端末30の工務店アプリは、当該URL宛に、工務店情報や工事関連情報を含むHTTPリクエストを送信する。サーバプログラム58は、受信したHTTPリクエストに含まれる工務店情報や工事関連情報を取得する。なお、支店管理サーバ11は、ウェブサーバでなくてもよい。その場合、工務店端末30から工務店情報や工事関連情報を収集する中間サーバが設置される。当該中間サーバは、ウェブサーバである。工務店端末30の工務店アプリは、工務店情報や工事関連情報を含むHTTPリクエストを、中間サーバがインターネット9上に公開するURL宛に送信し、工務店情報や工事関連情報を中間サーバにアップする。サーバプログラム58は、当該URL宛に、工務店情報や工事関連情報の返信を要求するHTTPリクエストを送信し、中間サーバが返信したHTTPレスポンスを受信する。サーバプログラム58は、受信したHTTPレスポンスに含まれる工務店情報や工事関連情報を取得する。
【0049】
また、サーバプログラム58は、第2通信インタフェース55を通じてCADサーバ21から設計情報を収集する処理を行う。サーバプログラム58が設計情報を収集する処理については後述する。
【0050】
サーバプログラム58は、収集した工務店情報や工事関連情報や設計情報に基づいて、工務店管理データベース、施工能力値表、工事量管理データベース、及び邸管理データベースを更新する処理を行う。以下、工務店管理データベース、施工能力値表、工事量管理データベース、及び邸管理データベースについて詳しく説明する。
【0051】
図3(A)に示される工務店管理データベースは、各工務店の基本情報がそれぞれ登録されるデータベースである。工務店管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を有する。カラムは、項目「工務店名」、「工務店ID」、「職人氏名」、「職人ID」、「基礎」、「建方」、「内装」、「仕上」、「工賃」、「基礎施工能力値」、「建方施工能力値」、「内装施工能力値」、「仕上施工能力値」等の項目名を付されている。なお、図3(A)では、「建方」、「仕上」、「内装施工能力値」、「仕上施工能力値」の図示が省略されている。
【0052】
項目「工務店名」は、提携する工務店等(職方)の名称を示す。項目「工務店ID」は、各工務店等を個別に識別する識別情報を示す。項目「職人氏名」は、工務店等に所属する職人の氏名を示す。項目「職人ID」は、各職人を個別に識別する識別情報を示す。
【0053】
項目「基礎」、「建方」、「内装」、「仕上」が付された各カラムは、2つのサブカラム(列)をそれぞれ有する。2つのサブカラムは、サブ項目「技能フラグ」、「掛率」をそれぞれ付されている。サブ項目「技能フラグ」が付されたサブカラムのフィールドは、「ON」或いは「OFF」を登録される。「ON」は、職人が基礎或いは建方或いは内装或いは仕上の技能を有することを示し、「OFF」は、職人が基礎或いは建方或いは内装或いは仕上の技能を有さないことを示す。サブ項目「掛率」が付されたサブカラムの各フィールドは、掛率を示す数値が登録される。例えば、掛率「1」を基準として、優秀な技能を有する職人の掛率は、「1」よりも大きい「1.15」や「1.20」とされる。詳しく説明すると、例えば基礎の施工の場合、施工する基礎の長さが1日あたり「A」メートルであることを基準とし、職人が1日に施工可能な基礎の長さが「B」メートルである場合、当該職人の掛率は、B/Aとされる。或いは、内装の場合、施工する内装の面積が1日あたり「C」平方メートルであることを基準とし、職人が1日に施工可能な内装の面積が「D」平方メートルである場合、当該職人の掛率は、D/Cとされる。すなわち、掛率は、基準値を用いて職人の作業効率を規格化した数値である。
【0054】
項目「工賃」は、職人の単位時間当たりに必要な費用を示す。項目「基礎施工能力値」、は、工務店における基礎の施工能力値の上限(最大値)を示す。「建方施工能力値」や「内装施工能力値」や「仕上施工能力値」についても同様である。例えば、工務店が単位時間当たりに施工可能な基礎の長さや延べ床面積の最大値が、項目「基礎施工能力値」や「建方施工能力値」や「内装施工能力値」や「仕上施工能力値」が付されたカラムのフィールドに登録される。単位時間は、1時間や1日などである。
【0055】
工務店管理データベースでは、工務店等毎にレコードが生成される。各レコードは、工務店IDによって個々に識別される。
【0056】
各レコードは、複数のサブレコードを有する。サブレコードは、職人毎に生成される職人レコードや、総計や平均や施工能力値が登録される総計レコードなどである。例えば、項目「基礎」のサブ項目「技能フラグ」が付されたサブカラムのフィールドには、職人の総計(総人数)が登録される。各サブレコードは、職人氏名や職人IDによって個々に識別される。なお、総計レコードには、「AAA000」や「BBB000」などの特定のIDが付されて職人レコードと識別される。
【0057】
サーバプログラム58による工務店管理データベースの登録更新処理について説明する。サーバプログラム58は、工務店ID、職人氏名、職人ID、基礎、建方、内装、仕上、及び工賃などを含む工務店情報を工務店端末30からインターネット9を通じて取得する。なお、工務店情報や工事関連情報は、オペレータによって支店管理サーバ11に直接入力されてもよい。すなわち、管理システム100は、工務店端末30を備えていなくてもよい。
【0058】
サーバプログラム58は、取得した工務店情報が含む工務店IDと一致する工務店IDを有するレコードを、更新対象のレコードとして特定する。また、サーバプログラム58は、取得した工務店情報が含む職人IDと一致する職人IDを有するサブレコードを、更新対象のサブレコードとして特定する。そして、サーバプログラム58は、更新対象として特定したサブレコードの各フィールドの数値等を、工務店情報に含まれる数値等で更新する。なお、工務店情報が、新規に登録された職人名や職人IDを含む場合、サーバプログラム58は、更新対象として特定したレコードに新たなサブレコードを生成し、工務店情報に含まれる数値等を登録する。
【0059】
次に、サーバプログラム58は、更新対象として特定したレコードのサブレコードである総計レコードの更新を行う。例えば、サーバプログラム58は、技能フラグの「ON」の個数を算出し、算出値を項目「基礎」のサブ項目「技能フラグ」が付されたサブカラムのフィールドに登録する。そして、サーバプログラム58は、登録された工務店情報や、算出値に基づいて、工務店の施工能力値の最大値を算出し、算出した最大値を、項目「基礎施工能力値」や「建方施工能力値」や「内装施工能力値」や「仕上施工能力値」が付されたカラムのフィールドに登録する。図3(A)に示す例では、工務店ID「AAA」の工務店の基礎施工能力値として「300」が登録されている。なお、基礎施工能力値や「建方施工能力値」や「内装施工能力値」や「仕上施工能力値」は、職人毎にも算出され、職人毎に登録されていてもよい。
【0060】
なお、図3(A)に示される工務店管理データベースは一例であって、工務店管理データベースは、図3(A)に示された項目以外の項目を有していてもよいし、図3(A)に示された項目の一部を有していなくてもよい。
【0061】
図3(B)に示される施工能力値表は、「基礎」、「建方」、「内装」、「仕上」の各工事種と施工能力値とを対応付けた表である。例えば図3(B)に示す例では、施工能力値表は、支店における「基礎」の施工能力値が「8000」であることを示す。
【0062】
サーバプログラム58は、工務店管理データベースに登録された施工能力値を、「基礎」、「建方」、「内装」、「仕上」の各工事種毎に加算し、加算によって得られた施工能力値を、支店の施工能力値として施工能力値表に登録する。
【0063】
図4に示される邸管理データベースは、邸の工事の工程を管理するデータベースである。邸管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を有する。カラムは、項目「邸ID」、「顧客名」、「契約日」、「契約物件No」、「基礎」、「建方」、「内装」、「仕上」を付されている。
【0064】
項目「邸ID」は、邸を個別に識別する識別情報である邸IDを示す。項目「顧客名」は、邸IDで識別される邸の建築を依頼した顧客の氏名を示す。項目「契約日」は、邸の建築の契約を行った日付を示す。項目「契約物件No」は、契約を個々に識別する識別情報を示す。
【0065】
項目「基礎」は、基礎工事を示す。項目「基礎」が付されたカラムは、第1サブ項目「第1細目」、「第2細目」等を付された複数の第1サブカラムを有する。第1サブ項目「第1細目」や「第2細目」は、基礎工事における細分化された工事を示す。第1サブ項目「第1細目」は、例えば、配筋を含む型枠の設置工事を示す。第1サブ項目「第2細目」は、例えば、基礎の打設を示す。
【0066】
第1サブ項目「第1細目」が付されたカラムは、第2サブ項目「工事開始日」、「工事終了日」、「工事量」、「基準工事期間」を付された複数の第2サブカラムを有する。第2サブ項目「工事開始日」が付された第2サブカラムのフィールドには、第1細目が示す工事の開始の予定日が登録される。第2サブ項目「工事終了日」が付された第2サブカラムのフィールドには、第1細目が示す工事の終了の予定日が登録される。第2サブ項目「工事量」が付された第2サブカラムのフィールドには、第1細目が示す工事の工事量が登録される。工事量は、第1細目が型枠の設置工事である場合、例えば基礎の長さに応じた数値である。第2サブ項目「基準工事期間」が付された第2サブカラムのフィールドには、第1細目が示す工事の基準工事期間が登録される。基準工事期間は、例えば、掛率「1.00」の所定人数の職人が工事を完了させるのに必要な期間である。例えば基礎の施工において、掛率「1.00」の職人の1日(8時間)の施工能力値が「15」であって、所定人数が「3」人である場合、工事量「135」メートルの基礎工事の基準工事期間は「3」日である。なお、基礎の場合の施工能力値の単位は、例えば「m/人・日」である。同様に、内装の施工において、掛率「1.00」の職人の1日(8時間)の施工能力値が「15」であって、所定人数が「3」人である場合、工事量「135」平方メートルの内装工事の基準工事期間は「3」日である。なお、内装の場合の施工能力値の単位は、例えば「m・m/人・日」である。建方や仕上についても同様である。ただし、施工能力値の単位はこれらに限られない。
【0067】
同様に、第1サブ項目「第2細目」が付されたカラムは、第2サブ項目「工事開始日」、「工事終了日」、「工事量」、「基準工事期間」を付された複数の第2サブカラムを有する。第2サブ項目「工事開始日」、「工事終了日」、「工事量」、「基準工事期間」が付された第2サブカラムのフィールドには、上述と同様に工事開始の予定日、工事終了の予定日、工事量、及び基準工事期間が登録される。
【0068】
項目「建方」は、建方工事を示す。項目「建方」が付されたカラムは、第1サブ項目「第1細目」、「第2細目」等を付された複数の第1サブカラムを有する。図4では、項目「建方」の第1サブ項目「第2細目」の図示が省略されている。第1サブ項目「第1細目」や「第2細目」は、建方工事における細分化された工事を示す。サブ項目「第1細目」は、例えば、柱の設置工事を示す。サブ項目「第2細目」は、例えば、梁の設置工事を示す。
【0069】
項目「建方」の第1サブ項目「第1細目」、「第2細目」が付されたカラムは、第2サブ項目「工事開始日」、「工事終了日」、「工事量」、「基準工事期間」を付された複数の第2サブカラムを有する。第2サブ項目「工事開始日」、「工事終了日」、「工事量」、「基準工事期間」が付された第2サブカラムのフィールドには、上述と同様に工事開始の予定日、工事終了の予定日、工事量、及び基準工事期間が登録される。
【0070】
項目「内装」は、内装工事を示す。項目「内装」が付されたカラムは、第1サブ項目「第1細目」、「第2細目」等を付された複数の第1サブカラムを有する。図4では、項目「内装」の第1サブ項目「第2細目」の図示が省略されている。第1サブ項目「第1細目」や「第2細目」は、内装工事における細分化された工事を示す。第1サブ項目「第1細目」は、例えば、床や天井の設置工事を示す。第1サブ項目「第2細目」は、例えば、壁の設置工事を示す。
【0071】
項目「内装」の第1サブ項目「第1細目」、「第2細目」が付されたカラムは、第2サブ項目「工事開始日」、「工事終了日」、「工事量」、「基準工事期間」を付された複数の第2サブカラムを有する。第2サブ項目「工事開始日」、「工事終了日」、「工事量」、「基準工事期間」が付された第2サブカラムのフィールドには、上述と同様に工事開始の予定日、工事終了の予定日、工事量、及び基準工事期間が登録される。
【0072】
項目「仕上」は、仕上工事を示す。項目「仕上」が付されたカラムは、第1サブ項目「第1細目」、「第2細目」等を付された複数の第1サブカラムを有する。図4では、項目「仕上」の第1サブ項目「第2細目」の図示が省略されている。第1サブ項目「第1細目」や「第2細目」は、仕上工事における細分化された工事を示す。第1サブ項目「第1細目」は、例えば、壁紙の貼付工事を示す。第1サブ項目「第2細目」は、例えば、化粧部材の設置工事を示す。
【0073】
項目「仕上」の第1サブ項目「第1細目」、「第2細目」が付されたカラムは、第2サブ項目「工事開始日」、「工事終了日」、「工事量」、「基準工事期間」を付された複数の第2サブカラムを有する。第2サブ項目「工事開始日」、「工事終了日」、「工事量」、「基準工事期間」が付された第2サブカラムのフィールドには、上述と同様に工事開始の予定日、工事終了の予定日、工事量、及び基準工事期間が登録される。
【0074】
邸管理データベースでは、邸毎にレコードが生成される。各レコードは、邸IDや契約物件Noによって個々に識別される。
【0075】
サーバプログラム58による邸管理データベースの登録更新処理について説明する。オペレータ(支店の担当者)は、顧客と建築の契約を締結すると、支店端末12に顧客名等を入力する。支店端末12は、顧客名等を含む契約情報を支店管理サーバ11に送信する。サーバプログラム58は、契約情報を受信したことに基づいて、邸管理データベースに新たなレコードを生成し、生成したレコードに、今日の日付を契約日として登録する。また、サーバプログラム58は、契約物件Noを生成し、生成した契約物件No及び顧客名を生成したレコードに登録する。
【0076】
顧客と契約を締結した支店から設計部門に邸の設計依頼がされる。設計の依頼は、例えば支店管理サーバ11によって行われる。設計部門において、CAD端末22を用いて邸の設計が行われる。CAD端末22で生成された設計情報は、CADサーバ21によって収集される。CADサーバ21は、収集した設計情報に邸IDを付して設計データベースに登録する。また、邸IDと対応付けて、支店から通知された契約物件Noを対応付けて登録する。なお、契約物件Noが邸IDとされてもよい。
【0077】
支店管理サーバ11のサーバプログラム58は、インターネット9を通じて設計情報、邸ID、及び契約物件Noを取得する。例えば、CADサーバ21が、インターネット9上にURLを公開するウェブサーバである場合、サーバプログラム58は、インターネット9を通じて、設計情報を返信することを要求するリクエストをCADサーバ21宛に送信する。そして、サーバプログラム58は、CADサーバ21が返信したレスポンスを受信し、受信したレスポンスに含まれる設計情報、邸ID、及び契約物件Noを取得する。
【0078】
サーバプログラム58は、取得した契約物件Noと一致する契約物件Noを有するレコードを邸管理データベースにおいて特定する。次に、サーバプログラム58は、取得した設計情報に含まれる邸IDや、基礎の長さや、柱や梁の本数や、壁の面積や、延べ床面積等に基づいて、第1細目や第2細目等の各細目における工事量を算出する。また、サーバプログラム58は、算出した工事量に基づいて、基準工事期間を算出する。サーバプログラム58は、算出した工事量及び基準工事期間を、特定したレコードの各フィールドにそれぞれ登録する。工事量の単位は、例えば必要人工数である。
【0079】
なお、工事量や基準工事期間は、CADサーバ21において算出され、設計データベースに登録されていてもよい。その場合、支店管理サーバ11のサーバプログラム58は、CADサーバ21から取得したレスポンスに含まれる工事量及び基準工事期間を邸管理データベースに登録する。
【0080】
オペレータ(支店の担当者)は、邸の設計がされた後、支店端末12のディスプレイ67(図2)に表示された繁閑情報を確認するとともに顧客の意見を聴き、工程を決定する。支店端末12において決定された工程は、支店管理サーバ11に送信される。支店管理サーバ11のサーバプログラム58は、取得した工程を邸管理データベースに登録する。図4に示す邸管理データベースにおいて、邸ID「A101」で識別される邸(レコード)は、工程(工事開始日及び工事終了日)の登録後の状態を示しており、邸ID「A104」で識別される邸(レコード)は、工程(工事開始日及び工事終了日)の登録前の状態を示している。
【0081】
邸管理データベースにおいて工程の登録がされると、邸の工事の依頼(発注)が支店から工務店にされる。工務店では、当該依頼を受注したことに基づいて、担当する工事に従事する職人の氏名や人数などを含む工事関連情報を工務店端末30に入力する。工務店端末30は、入力された工事関連情報を含むHTTPリクエストを支店管理サーバ11宛にインターネット9を通じて送信する。
【0082】
図5に示される工事量管理データベースは、支店における総工事量を日付毎及び工事種毎に管理するデータベースである。
【0083】
工事量管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を有する。カラムは、項目「日付」、「工務店名」、「基礎」、「建方」、「内装」、「仕上」を付されている。
【0084】
項目「日付」は、サブ項目「年」、「月」、「日」を付された3つのサブカラムを有する。サブ項目「年」が付されたサブカラムには、例えば西暦の数値が登録され、サブ項目「月」が付されたサブカラムには、11月などの月を示す「11」などの数値が登録され、サブ項目「日」が付されたサブカラムには、20日などの日を示す「20」などの数値が登録される。
【0085】
項目「工務店名」は、提携する工務店の名称を示す。項目「基礎」は、基礎工事を示す。項目「建方」は、建方工事を示す。項目「内装」は、内装工事を示す。項目「仕上」は、仕上工事を示す。
【0086】
工事量管理データベースでは、日付毎に複数のレコードが生成される。複数のレコードは、工務店等毎に生成される工務店レコードと、総工事量が登録される総計レコードとを含む。
【0087】
サーバプログラム58による工事量管理データベースの登録処理について説明する。サーバプログラム58は、項目「日付」が付されたカラムのフィールドに日付を示す数値を登録した複数の新たなレコードを生成する。具体的には、サーバプログラム58は、工務店管理データベースに登録された工務店等と同数の工務店レコードと、総計レコードとを生成する。サーバプログラム58は、生成した各工務店レコードのフィールドであって、項目「工務店名」が付されたカラムのフィールドに、工務店管理データベースに登録された工務店名を登録する。なお、図5に示される工事量管理データベースに登録された「工務店A」は基礎を行う工務店等であり、「工務店B」は内装を行う工務店等である。
【0088】
サーバプログラム58は、工務店レコードの各フィールドに、邸管理データベースに基づいて算出した工事量を登録する。詳しく説明すると、上述したように邸管理データベースには、工事種毎の工事開始予定日及び工事終了予定日が登録されている。サーバプログラム58は、新たに生成したレコードの日付が、工事開始予定日及び工事終了予定日が示す期間に含まれるレコード、邸、工事種、及び工事量を邸管理データベースにおいて特定する。また、サーバプログラム58は、特定した邸における特定した工事種を担当する工務店名を発注履歴等から特定する。サーバプログラム58は、特定した工事種の工事量を積算し、その積算値を、特定した工務店名と同一の工務店名を有する工事量管理データベース上のレコードのフィールドに登録する。なお、工事量を工務店毎に管理しない場合、サーバプログラム58は、邸管理データベースから算出した工事種毎の工事量の総計のみを工事量管理データベースに登録してもよい。
【0089】
次に、サーバプログラム58は、各工務店レコードの工事量を加算して工事量の総計を算出する。サーバプログラム58は、算出した工事量の総計を、総計レコードのフィールドに登録する。
【0090】
なお、図3から図5に示される工務店管理データベース、施工能力値表、邸管理データベース、及び工事量管理データベースは一例であって、他の構成の表やデータベース等がサーバメモリ52に記憶されていてもよい。具体的には、支店端末12の後述の端末プログラム68が繁閑値を算出可能なように、また最適な工程を特定可能なように、日付毎及び工事種毎の工事量、支店の施工能力値、及び基準工事期間がサーバメモリ52に記憶されていればよい。
【0091】
図2に示されるように、支店端末12は、中央演算処理装置である端末CPU61、端末メモリ62、通信バス63、通信インタフェース64、入力インタフェース65、入力装置66、及びディスプレイ67を備える。端末CPU61は、本発明のコンピュータの一例である。通信インタフェース64及び入力インタフェース65は、本発明の受付インタフェースの一例である。端末CPU61は、本発明の端末コンピュータの一例である。支店端末12は、本発明の情報処理装置の一例である。
【0092】
通信インタフェース64は、支店管理サーバ11の第1通信インタフェース54と有線或いは無線接続されている。入力装置66は、キーボードや、マウスや、音声入力用のマイクロフォンや、ディスプレイ67に重畳されるタッチセンサなどである。
【0093】
通信バス63は、端末CPU61、端末メモリ62、通信インタフェース64、入力装置66、及びディスプレイ67を接続されている。すなわち、端末CPU61は、通信バス63を通じて、端末メモリ62から情報やデータを読み出すことができ、情報やデータを端末メモリ62に記憶させることができ、情報やデータを通信インタフェース64を通じて送受信することができ、入力装置66から入力された情報やデータを取得することができ、画面データをディスプレイ67に出力してディスプレイ67に画面を表示させることができる。
【0094】
端末メモリ62は、オペレーティングシステムである端末OS67と、アプリケーションプログラムである端末プログラム68と、複数の基本画面データと、を記憶する。端末メモリ62は、本発明のメモリの一例である。
【0095】
基本画面データは、端末プログラム68が工程表作成画面(図6)や入力画面(図7)や候補日選択画面(図10(A))を生成する基本データである。例えば、端末プログラム68は、工程表作成画面の基本画面データの入力フィールドに工事開始日や工事終了日等を入力することにより、工程表作成画面を生成する。工程表作成画面や入力画面については後述する。なお、基本画面データは、端末プログラム68の一部として端末メモリ62に記憶されていてもよい。
【0096】
端末プログラム68は、工程表作成画面をディスプレイ67に表示させ、オペレータ(支店の担当者)による邸の工程の決定をサポートする処理を行う。図8及び図9を参照して、端末プログラム68が実行する処理について説明する。
【0097】
オペレータ(支店の担当者)は、支店端末12の端末プログラム68を起動させる。起動された端末プログラム68は、アイコン等を含む初期画面をディスプレイ67に表示させる。オペレータは、アイコンの選択等を行う。図8に示されるように、端末プログラム68は、アイコンが選択されたことに基づいて、工程表作成画面(図6)をディスプレイ67に表示させる(S11)。ステップS11において表示される工程表作成画面(図6)では、契約物件Noや、工事開始日や工事終了日を示す日付等が非表示とされた状態である。以下、工程表作成画面について詳しく説明する。
【0098】
図6に示されるように、工程表作成画面は、「契約物件No」の文字と、当該文字の隣に配置されたテキストボックス71とを有する。テキストボックス71には、オペレータによって契約物件Noが入力される。
【0099】
また、工程表作成画面は、「契約日」の文字と、当該文字の隣に配置された日付とを有する。
【0100】
また、工程表作成画面は、「人数・掛率」の文字と、「作業者設定」の文字と、「基礎」の文字と、「基礎」の文字の隣に配置された「人数」の文字と、「人数」の文字の下に配置されたテキストボックス72と、「掛率」の文字と、「掛率」の文字の下に配置されたテキストボックス73とを有する。図示例では、端末プログラム68は、「人数」のデフォルト値として「2」をテキストボックス72に表示し、「掛率」のデフォルト値として「1.00」をテキストボックス73に表示している。オペレータは、必要に応じて、テキストボックス72やテキストボックス73に表示された数値を変更する。
【0101】
また、工程表作成画面は、「建方」の文字と、「建方」の文字の隣に配置された「人数」の文字と、「人数」の文字の下に配置されたテキストボックス74と、「掛率」の文字と、「掛率」の文字の下に配置されたテキストボックス75とを有する。オペレータは、必要に応じて、テキストボックス74やテキストボックス75に表示された数値を変更する。
【0102】
また、工程表作成画面は、「内装」の文字と、「内装」の文字の隣に配置された「人数」の文字と、「人数」の文字の下に配置されたテキストボックス76と、「掛率」の文字と、「掛率」の文字の下に配置されたテキストボックス77とを有する。オペレータは、必要に応じて、テキストボックス76やテキストボックス77に表示された数値を変更する。
【0103】
また、工程表作成画面は、「仕上」の文字と、「仕上」の文字の隣に配置された「人数」の文字と、「人数」の文字の下に配置されたテキストボックス78と、「掛率」の文字と、「掛率」の文字の下に配置されたテキストボックス79とを有する。オペレータは、必要に応じて、テキストボックス78やテキストボックス79に表示された数値を変更する。
【0104】
また、工程表作成画面は、「基礎養生期間(日数)設定」の文字と、当該文字の下に配置された「基礎」の文字と、当該「基礎」の文字の隣に配置されたテキストボックス81とを有する。図6に示す例では、デフォルト値である「6」の文字がテキストボックス81に表示されている。オペレータは、必要に応じて、テキストボックス81に表示された数値を変更する。
【0105】
また、工程表作成画面は、「内装工事(1階)開始日」の文字と、当該文字の下に配置された「躯体・防水検査」の文字と、「躯体・防水検査」の文字の隣に配置されたテキストボックス82とを有する。図6に示す例では、デフォルト値である「2」の文字がテキストボックス82に表示されている。オペレータは、必要に応じて、テキストボックス82に表示された数値を変更する。
【0106】
また、工程表作成画面は、「繁閑自動調整」アイコン83、「工事力設定」アイコン84、及び「再計算」アイコン85を有する。「繁閑自動調整」アイコン83は、支店における繁閑が適切になるように邸の工程を端末プログラム68に調整することを指示するアイコンである。なお、「工事力設定」アイコン84及び「再計算」アイコン85が選択された場合に端末プログラム68が実行する処理の詳細については、説明を省略する。
【0107】
また、工程表作成画面は、工程表86を有する。工程表86は、複数の行及び列を有する。具体的には、工程表作成画面は、項目が表示される項目行90を有する。項目行90は、「開始日」、「工事日数」、「再計算」の文字、及び月日を示す数値を有する。
【0108】
また、工程表86は、基礎の繁閑を示す基礎繁閑オブジェクト101、102、103が表示される第1行91と、「基礎」の文字を含む第2行92とを有する。基礎繁閑オブジェクト101、102、103は、基礎の工事における支店の繁閑を示すオブジェクトである。例えば、基礎繁閑オブジェクト101は、後述の繁閑値が90%未満であることを示し、基礎繁閑オブジェクト102は、繁閑値が90%以上110%未満であることを示し、基礎繁閑オブジェクト103は、繁閑値が110%以上であることを示す。基礎繁閑オブジェクト101と、基礎繁閑オブジェクト102と、基礎繁閑オブジェクト103とは、例えば異なる色で表示されたバーである。基礎繁閑オブジェクト101、102、103は、基礎における繁閑をオペレータに容易に認識させる。一方、第2行92は、基礎の工事開始日及び工事終了日と、工事日数と、基礎工事期間バー141とを有する。基礎工事期間バー141は、基礎の工事の日数に応じた長さのバーである。なお、第2行92は、基礎について再計算を行うか否かの選択を受け付けるチェックボックスを有している。チェックボックスについての説明は省略する。
【0109】
また、工程表86は、建方の繁閑を示す建方繁閑オブジェクト111、112、113が表示される第3行93と、「建方」の文字を含む第4行94とを有する。建方繁閑オブジェクト111、112、113は、建方工事における支店の繁閑を示すオブジェクトである。例えば、建方繁閑オブジェクト111は、繁閑値が90%未満であることを示し、建方繁閑オブジェクト112は、繁閑値が90%以上110%未満であることを示し、建方繁閑オブジェクト113は、繁閑値が110%以上であることを示す。建方繁閑オブジェクト111と、建方繁閑オブジェクト112と、建方繁閑オブジェクト113とは、例えば異なる色で表示されたバーである。一方、第4行94は、建方の工事開始日及び工事終了日と、工事日数と、建方工事期間バー142とを有する。建方工事期間バー142は、建方工事の日数に応じた長さのバーである。
【0110】
また、工程表86は、内装の繁閑を示す内装繁閑オブジェクト121、122、123が表示される第5行95と、「内装」の文字を含む第6行96とを有する。内装繁閑オブジェクト121、122、123は、内装の工事における支店の繁閑を示すオブジェクトである。例えば、内装繁閑オブジェクト121は、繁閑値が90%未満であることを示し、内装繁閑オブジェクト122は、繁閑値が90%以上110%未満であることを示し、内装繁閑オブジェクト123は、繁閑値が110%以上であることを示す。内装繁閑オブジェクト121と、内装繁閑オブジェクト122と、内装繁閑オブジェクト123とは、例えば異なる色で表示されたバーである。一方、第6行96は、内装の工事開始日及び工事終了日と、工事日数と、内装工事期間バー143とを有する。内装工事期間バー143は、内装工事の日数に応じた長さのバーである。
【0111】
また、工程表86は、仕上の繁閑を示す仕上繁閑オブジェクト131、132、133が表示される第7行97と、「仕上」の文字を含む第8行98とを有する。仕上繁閑オブジェクト131、132、133は、仕上の工事における支店の繁閑を示すオブジェクトである。例えば、仕上繁閑オブジェクト131は、繁閑値が90%未満であることを示し、仕上繁閑オブジェクト132は、繁閑値が90%以上110%未満であることを示し、仕上繁閑オブジェクト133は、繁閑値が110%以上であることを示す。仕上繁閑オブジェクト131と、仕上繁閑オブジェクト132と、仕上繁閑オブジェクト133とは、例えば異なる色で表示されたバーである。一方、第8行98は、仕上の工事開始日及び工事終了日と、工事日数と、仕上工事期間バー144とを有する。仕上工事期間バー144は、仕上工事の日数に応じた長さのバーである。なお、以下では、繁閑オブジェクト101、102、103、111、112、113、121、122、123、131、132、133を、繁閑オブジェクト101等とも記載して説明する。
【0112】
また、工程表86は、「総合検査」の文字、検査日を示す日付と、検査日数と、検査期間バー145とを有する第9行99を備える。検査期間バー145は、検査の日数に応じた長さのバーである。
【0113】
また、工程表作成画面は、「戻る」アイコン151、「削除」アイコン152、及び「更新」アイコン153を有する。「戻る」アイコン151は、前画面に戻ることを指示するアイコンである。「削除」アイコン152は、テキストボックス71等に入力された文字や数値を削除することを指示するアイコンである。「更新」アイコン153は、表示されている内容を支店管理サーバ11に送信して邸管理データベースに登録することを指示するアイコンである。
【0114】
端末プログラム68が「繁閑自動調整」アイコン83を含む工程表作成画面をディスプレイ67に表示させるステップS11の処理は、本発明の第1表示処理の一例であり、「繁閑自動調整」アイコン83は、本発明の指定アイコンの一例であり、工程表作成画面は、本発明の受付画面の一例である。
【0115】
図8に示されるように、端末プログラム68は、工程表作成画面において契約物件Noの入力を受け付ける(S12)。端末プログラム68は、受け付けた契約物件No、及び工事量等の返信を要求する要求情報を含むリクエストを、通信インタフェース64を通じて支店管理サーバ11に送信する(S13)。要求情報によって要求する情報は、契約物件Noが示す邸の工事量及び基準工事期間(図4)、支店の施工能力値(図3(B))、現在の日付以降の工事量の総計(図5)を含む。契約物件Noは、本発明の特定情報の一例であり、特定情報である契約物件Noの入力を受け付けるステップS12の処理は、本発明の第1受付処理の一例である。なお、特定情報は、契約物件Noの他、顧客名や、顧客IDや、邸IDなど、邸を特定可能な情報であれば、どのような情報であってもよい。
【0116】
支店管理サーバ11のサーバプログラム58は、契約物件No及び要求情報を含むリクエストを、第1通信インタフェース54を通じて受信する(S13)。サーバプログラム58は、受信した契約物件Noと一致する契約物件Noを有するレコードを邸管理データベース(図4)において特定する。サーバプログラム58は、特定したレコードに登録された「基礎」、「建方」、「内装」、「仕上」における工事量や基準工事期間を取得する(S14)。また、サーバプログラム58は、現在(今日)の日付以降の工事量の総計を工事量管理データベースから取得する。また、サーバプログラム58は、支店の施工能力値を、施工能力値表(図3(B))から取得する。サーバプログラム58は、取得した工事量及び基準工事期間や、工事量の総計や、施工能力値を含むレスポンスを、第1通信インタフェース54を通じて支店端末12に返信する(S15)。
【0117】
支店端末12の端末プログラム68は、支店管理サーバ11が送信したレスポンスを、通信インタフェース64を通じて受信する(S15)。端末プログラム68は、現在(今日)の日付と、受信したレスポンスとを用いて、工程表作成画面を更新する(S16)。具体的には、端末プログラム68は、今日の日付と、受信したレスポンスに含まれる基準工事期間とに基づいて、「基礎」、「建方」、「内装」、「仕上」のそれぞれについて工事開始日及び工事終了日を決定する。例えば、端末プログラム68は、今日の日付から2週間後を基礎の工事開始日に決定し、決定した基礎の工事開始日と、基準工事期間とに基づいて、基礎の工事終了日、建方の工事開始日及び工事終了日、内装の工事開始日及び工事終了日、仕上の工事開始日及び工事終了日を決定する。端末プログラム68が、今日の日付と、基準工事期間とに基づいて、「基礎」、「建方」、「内装」、「仕上」のそれぞれについて工事開始日及び工事終了日を決定する処理は、本発明の「初期工事開始日を取得する処理」の一例である。決定された工事開始日は、初期工事開始日の一例である。決定された工事開始日及び工事終了日が示す邸の工程は、本発明の初期工程の一例である。
【0118】
次に、端末プログラム68は、レスポンスに含まれる支店の施工能力値及び工事量の総計に基づいて、日付毎及び「基礎」、「建方」、「内装」、「仕上」の工事種毎に繁閑値を算出する。具体的には、端末プログラム68は、日付毎の各工事種の工事量の総計を、工事種毎の施工能力値で除して100を乗じた値(%)を繁閑値として算出する。すなわち、繁閑値は、施工能力値に対する工事量の総計の割合(%表示)である。100%を超える繁閑値は、支店の通常の施工能力値を超える工事が予定されていることを示す。端末プログラム68は、算出した繁閑値に基づいて、日付毎に繁閑オブジェクト101等を生成する。端末プログラム68は、決定した工事開始日及び工事終了日と、受信したレスポンスに含まれる基準工事期間(工事日数)と、生成した繁閑オブジェクト101等とを工程表作成画面に表示させる。端末プログラム68が、工事量や基準工事期間等を含むレスポンスを受信するステップS15の処理は、本発明の第1取得処理の一例であり、受信する工事量や基準工事期間等は、本発明の邸情報の一例である。
【0119】
端末プログラム68は、工程表作成画面において「繁閑自動調整」アイコン83等のアイコンが選択されるまで待機する。オペレータは、表示された繁閑オブジェクト101等を参照して、表示された工程での邸の工事が適切であるか否かを判断する。図6に示す例では、オペレータは、繁閑値が110%以上で表示される繁閑オブジェクト123が表示されている期間と内装工事の工事期間を示す内装工事期間バー143とが重複しており、また、繁閑値が110%以上で表示される繁閑オブジェクト133が表示されている期間と仕上工事の工事期間を示す仕上工事期間バー144とが重複していることに基づいて、表示された工程での邸の工事が適切でないと判断する。オペレータは、表示された工程での邸の工事が適切でないと判断すると、入力装置66を用いて「繁閑自動調整」アイコン83を選択する。
【0120】
図8に示されるように、支店端末12の端末プログラム68は、「繁閑自動調整」アイコン83の選択を受け付ける(S17)と、入力画面(図7)をディスプレイ67に表示させる(S18)。端末プログラム68が入力画面をディスプレイ67に表示させるステップS18の処理は、本発明の第2表示処理の一例である。
【0121】
図7に示される入力画面は、例えば、工程表作成画面に重ねて表示されるポップアップ画面である。ただし、入力画面は、工程表作成画面に代えてディスプレイ67に表示されてもよい。入力画面は、基礎工事の工事開始日の希望日の範囲の入力を受け付けるテキストボックス161、162と、建方工事の工事開始日の希望日の範囲の入力を受け付けるテキストボックス163、164と、内装工事の工事開始日の希望日の範囲の入力を受け付けるテキストボックス165、166と、仕上工事の工事開始日の希望日の範囲の入力を受け付けるテキストボックス167、168と、を有する。また、入力画面は、「戻る」アイコン171及び「実行」アイコン172を有する。「戻る」アイコン171は、工程表作成画面に戻ることを指示するアイコンである。「実行」アイコン172は、テキストボックス161等に入力した日付で入力を確定することを指示するアイコンである。
【0122】
なお、入力画面は、テキストボックス161等に代えて、カレンダコントロールを含むコンテキストボックスや、日付を選択可能なプルダウンメニューを有していてもよい。テキストボックス161等或いはコンテキストボックスは、本発明のテキストボックスの一例であり、プルダウンメニューは、本発明のメニューの一例である。
【0123】
オペレータは、繁閑オブジェクト101等及び顧客の意見に基づいて、また、所属する支店の状況を勘案して、工事開始日の希望日の範囲の入力を行う。例えば、オペレータは、所属する支店において、「基礎」、「建方」、「内装」、「仕上」のうち、提携する工務店等の数が少ない等の理由によって支店の施工能力が低い工事種を選択し、選択した工事種について、工事開始日の希望日の範囲を入力する。図7に示す例では、内装工事について、「21/01/11」から「21/02/15」までの希望日の範囲が入力され、仕上工事について、「21/03/01」から「21/04/15」までの希望日の範囲が入力されている。
【0124】
オペレータは、工事開始日の希望日の範囲の入力を行った後、入力装置66を用いて、「実行」アイコン172を選択する。
【0125】
なお、端末プログラム68は、入力された希望日の範囲が、表示している最短の工事開始日よりも前の日付を含む場合、エラー画面をポップアップ表示してもよい。例えば、内装工事について、「21/01/08」から「21/02/15」までの希望日の範囲が入力された場合、端末プログラム68は、エラー画面をポップアップ表示する。
【0126】
図8に示されるように、支店端末12の端末プログラム68は、「実行」アイコン172の選択を受け付けたことに基づいて、工事開始日の希望日の範囲と、希望日の範囲の入力を受け付けた工事種とを取得する(S19)。端末プログラム68が工事開始日の希望日の範囲と工事種とを取得するステップS19の処理は、本発明の第2取得処理の一例である。
【0127】
端末プログラム68は、取得した工事種及び工事開始日の希望日の範囲に基づいて、工程表作成画面の工程(工事開始日及び工事終了日)を更新するための更新データを生成する候補日選択画面データ生成処理を実行する(S20)。
【0128】
図9を参照して、候補日選択画面データ生成処理について説明する。まず、端末プログラム68は、最初の工事種を特定する(S31)。例えば、端末プログラム68は、最初の工事種として、「基礎」を特定する。次に、端末プログラム68は、特定した最初の工事種について、工事開始日の希望日の範囲が入力されているか否かを判断する(S32)。端末プログラム68は、工事開始の希望日の範囲が入力されていないと判断すると(S32:No)、次の工事種を特定する(S33)。例えば、端末プログラム68は、「基礎」の次の工事種として「建方」を特定する。そして、端末プログラム68は、特定した次の工事種について、工事開始日の希望日の範囲が入力されているか否かを判断する(S32)。
【0129】
端末プログラム68は、工事開始の希望日の範囲が入力されていると判断すると(S32:Yes)、入力されている希望日の範囲の初日の日付(図7に示す例ではテキストボックス165に入力された日付)を、端末メモリ62に記憶させる(S34)。
【0130】
次に、端末プログラム68は、ステップS15で受信したレスポンスに含まれる基準工事期間に基づいて、端末メモリ62に記憶された日付を、特定した工事種の工事開始日とした場合の工事終了日を特定する(S35)。
【0131】
端末プログラム68は、ステップS15で受信したレスポンスに含まれる施工能力値と、特定した工事開始日から工事終了日までの期間における当該工事種の工事量の総計とに基づいて、上述と同様にして、日毎の繁閑値を算出し、算出した日毎の繁閑値の平均値を算出する(S36)。すなわち、ステップS36で算出する繁閑値は、ステップS31或いはS33で特定した工事種の繁閑値である。
【0132】
端末プログラム68は、算出した繁閑値が、端末メモリ62に予め記憶された閾値未満であるか否かを判断する(S37)。閾値は、例えば120(%)である。端末プログラム68は、算出した繁閑値が閾値未満であると判断すると(S37:Yes)、ステップS34で端末メモリ62に記憶させた「日付」と、ステップS31或いはS33で特定した工事種と、繁閑値とを対応付けて端末メモリ62に記憶させる(S38)。一方、端末プログラム68は、算出した繁閑値が閾値以上であると判断すると(S37:No)、ステップS38の処理をスキップする。すなわち、閾値(120%)未満の繁閑値が日付と対応付けて端末メモリ62に記憶される。
【0133】
なお、特定した工事種の繁閑値の平均値が閾値未満であるか否かの判断に加え、日ごとの繁閑値についても閾値未満であるか否かが判断されてもよい。すなわち、工事種における繁閑値の平均値が閾値未満であっても、繁閑値が閾値以上となる日があれば、候補から除外される。
【0134】
或いは、ステップS36において、繁閑値が旬ごとに算出され、特定した工事種における繁閑値の平均値が閾値未満であるか否かの判断に加え、当該旬ごとの繁閑値についても閾値未満であるか否かが判断されてもよい。すなわち、工事種における繁閑値の平均値が閾値未満であっても、旬の繁閑値が閾値以上である場合、候補から除外される。
【0135】
端末プログラム68は、ステップS38の処理の実行後、或いは算出した繁閑値が閾値以上である場合(S37:No)、ステップS39の処理を実行する。具体的には、端末プログラム68は、端末メモリ62に記憶された日付が、工事開始日の希望日の範囲の最終日(図7に示される例ではテキストボックス166に入力された日付)と一致するか否かを判断する(S39)。端末プログラム68は、端末メモリ62に記憶された日付が、当該最終日と一致しないと判断すると(S39:No)、端末メモリ62に記憶された日付をその翌日に変更し(S40)、ステップS35以降の処理を再度実行する。ステップS35からS40までの処理が繰り返し実行されることにより、工事開始日の希望日の範囲の各工事開始日について繁閑値が算出され、算出された繁閑値のうち、閾値未満の繁閑値が工事開始日と対応付けて端末メモリ62に記憶される。工事開始日の希望日の範囲の工事開始日毎に繁閑値を算出して取得するステップS34からS40の処理は、本発明の繁閑値取得処理の一例である。
【0136】
端末プログラム68は、端末メモリ62に記憶された日付が、工事開始日の希望日の範囲の最終日と一致すると判断すると(S39:Yes)、端末メモリ62に記憶された繁閑値が小さい順に5つの繁閑値を特定し、特定した繁閑値と対応付けられた5つの「日付」を特定する(S41)。端末プログラム68は、特定した繁閑値及び日付を端末メモリ62に記憶させる。ステップS41で特定される5つの「日付」は、本発明の特定日付の一例である。ステップS41は、本発明の特定処理の一例である。
【0137】
次に、端末プログラム68は、ステップS31或いはS33で特定した工事種が最後の工事種であるか否かを判断する(S42)。例えば、端末プログラム68は、ステップS31或いはS33で特定した工事種が「仕上工事」であるか否かを判断する。端末プログラム68は、ステップS31或いはS33で特定した工事種が最後の工事種でないと判断すると(S42:No)、次の工事種を特定し(S33)、ステップS32以降の処理を再度実行する。すなわち、入力画面(図7)においてオペレータが工事開始の希望日の範囲を入力した工事種に対して、5つの「日付」及び「繁閑値」がそれぞれ特定される。
【0138】
端末プログラム68は、ステップS33で特定した工事種が最後の工事種であると判断すると(S42:Yes)、特定した5つの「日付」及び「繁閑値」と「工事種」とを用いて候補日選択画面(図10(A))を示す候補日選択画面データを生成する(S43)。具体的には、端末プログラム68は、端末メモリ62に予め記憶された基本画面データの特定の入力フィールドに5つの「日付」及び「繁閑値」を入力することにより、候補日選択画面データを生成する。
【0139】
端末プログラム68は、ステップS43の処理の実行後(リターン)、図8に示すように、生成した候補日選択画面データをディスプレイ67に入力して、候補日選択画面(図10(A))をディスプレイ67に表示させる(S21)。図10(A)に示される候補日選択画面は、例えばポップアップ画面である。ステップS21の処理は、本発明の第3表示処理の一例である。
【0140】
候補日選択画面は、候補日選択表180と、「更新」アイコン181と、「実行」アイコン182と、「戻る」アイコン183とを有する。「戻る」アイコン183は、前画面である入力画面に戻ることの指示を受け付けるアイコンである。
【0141】
候補日選択表180は、複数の行及び複数の列を有する。複数の行は、項目行及び工事種行を有する。項目行は、列に付される項目名「候補日1」、「候補日2」、「候補日3」、「候補日4」、「候補日5」が登録されている行である。工事種行は、「基礎」、「建方」、「内装」、「仕上」の各工事種を示す。各工事種は、繁閑値を示す第1行、工事開始日を示す第2行、及びチェックボックスが表示される第3行をそれぞれ有する。
【0142】
各工事種の第1行に表示される5つの繁閑値は、ステップS41(図9)で特定して端末メモリ62に記憶させた5つの繁閑値である。5つの繁閑値は、第1行に小さい順に表示される。各工事種の第2行に表示される5つの日付は、ステップS41で繁閑値と対応付けて端末メモリ62に記憶された日付である。
【0143】
なお、入力画面(図7)において工事開始日の希望日の範囲を入力していない工事種については、繁閑値、工事開始日、及びチェックボックスは表示されない。
【0144】
オペレータは、候補日選択画面において、一のチェックボックスを選択し、次いで「更新」アイコン181を選択する。例えば、オペレータは、最も小さい繁閑値のチェックボックスを選択(チェック)する。或いは、オペレータは、最も早い工事開始日のチェックボックスを選択する。さらに或いは、オペレータは、繁閑値と工事開始日のバランスが最も良い候補日のチェックボックスを選択する。
【0145】
端末プログラム68は、候補日選択画面において、「更新」アイコン181が選択されたか「実行」アイコン182が選択されたかを判断する(S22)。端末プログラム68は、「更新」アイコン181が選択されたと判断すると(S22:「更新」アイコン)、工程確認処理を実行する(S23)。具体的には、端末プログラム68は、選択されたチェックボックスと対応する工事種及び工事開始日を特定し、特定した工事種及び工事開始日に基づいて工程(仮工程)を特定する。端末プログラム68は、特定した仮工程における各工事種の工事開始日を特定する。特定される工事開始日は、各工事種において最も早い工事開始日を示す。すなわち、端末プログラム68が特定した各工事種の工事開始日よりも前の日付で当該工事種の工事を開始することはできない。端末プログラム68は、候補日選択画面(図10(A))において、オペレータが選択できない候補のチェックボックスを選択不可にする(S21)。例えば、端末プログラム68は、オペレータが選択できない候補のチェックボックスを非表示にし、或いはオペレータが選択できない候補をグレー表示にする。
【0146】
例えば、オペレータが、「内装」において繁閑値「80%」のチェックボックスを選択した場合、「内装」の工事期間が48日間であるとすると、「仕上」の最も早い工事開始日は、「21/01/21」から48日間で、「21/03/10」となる。そうすると、候補日選択画面(図10(A))に表示された「仕上」の5つの候補日のうち、工事開始日が「21/03/10」より前の「候補日2」及び「候補日5」は、図10(B)に示されるように、グレー表示になる。或いは、「候補日2」及び「候補日5」のチェックボックスが非表示になる。なお、「48日間」を実日数として最も早い工事開始日が算出されてもよいし、「48日間」を実日数から休日を除いた営業日数として、最も早い工事開始日が算出されてもよい。
【0147】
オペレータは、例えば「仕上」について選択可能な候補日がない場合や、邸の工期が長くなり過ぎると判断した場合、「内装」において選択する候補日を変えて、「更新」アイコンを再度選択する。
【0148】
なお、候補日選択画面(図10(A))は、「更新」アイコン181を有していなくてもよい。その場合、端末プログラム68は、チェックボックスがチェックされたことに基いて、上述の工程確認処理を実行する。すなわち、チェックボックスがチェックされると、他の工事種のチェックボックスのうち、オペレータが選択できない候補日のチェックボックスが非表示或いはグレー表示にされる。
【0149】
オペレータは、「仕上」の各候補日のうち、グレー表示でなく通常表示された一の候補日のチェックボックスを選択し、次いで「実行」アイコン182を選択する。例えば、オペレータは、繁閑値「90%」のチェックボックスを選択した後、「実行」アイコン182を選択する。
【0150】
図8に示されるように、端末プログラム68は、ステップS22において「実行」アイコン182が選択されたと判断すると(S22:「実行」アイコン)、チェックボックスにチェックがされた工事種及び工事開始日を取得する(S24)。ステップS24の処理は、第2受付処理の一例である。
【0151】
端末プログラム68は、取得した工事種及び工事開始日に基づいて、当該工事種の工事終了日や、他の工事種の工事開始日及び終了日を決定する(S25)。すなわち、端末プログラム68は、邸の工程を決定する。
【0152】
なお、図7に示す入力画面においてオペレータが「基礎工事」や「建方工事」の工事開始日の希望日の範囲を入力した場合、オペレータは、図10(A)に示される候補日選択画面において、「基礎」や「建方」についてもチェックボックスをチェックして候補日を選択し、「更新」アイコン181を選択する。端末プログラム68は、上述と同様にして、オペレータがチェックした工事種の仮工程を決定する。
【0153】
端末プログラム68は、決定した工程に基づいて、工程表作成画面を更新する(S26)。工程表作成画面を更新するステップS26の処理は、本発明の変更表示処理の一例であり、更新された工程表作成画面は、本発明の変更工程画面の一例である。
【0154】
図11は、更新された工程表作成画面を示す。更新された工程表作成画面では、内装工事の工程を示す内装工事期間バー143が、110%以上の繁閑値を示す内装繁閑オブジェクト123と重複しておらず、かつ、仕上工事の工程を示す仕上工事期間バー144が、110%以上の繁閑値を示す仕上繁閑オブジェクト133と重複していない。
【0155】
オペレータは、工程を再度変更する場合、「繁閑自動調整」アイコン83を再度選択する。或いは、オペレータは、工事に従事する職人の「人数」や「掛率」を変更するなどの微調整を行う。オペレータは、変更した工程或いは微調整した工程で問題が無いと判断すると、入力装置66を用いて、工程表作成画面(図11)の「更新」アイコン153を選択する。
【0156】
端末プログラム68は、「更新」アイコン153の選択を受け付けると(S27)、通信インタフェース64を通じて工程情報を支店管理サーバ11に送信する(S28)。工程情報は、ステップS25で特定した各工事種の工事開始日及び工事終了日と、契約物件No(或いは邸ID)を含む。
【0157】
支店管理サーバ11のサーバプログラム58は、支店端末12が送信した工程情報を、第1通信インタフェース54を通じて受信する(S28)。サーバプログラム58は、受信した契約物件Noと一致する契約物件Noを有するレコードを邸管理データベースにおいて特定する。サーバプログラム58は、特定したレコードのフィールドに、工程情報が示す各工事種の工事開始日及び工事終了日を登録する(S29)。
【0158】
サーバプログラム58は、発注指示を受け付けたことに基づいて、第2通信インタフェース55を通じて工務店端末30に対して発注情報を送信する(S30)。例えば、工務店端末30が定期的に支店管理サーバ11に送信するHTTPリクエストに対するHTTPレスポンスを用いて、発注情報を工務店端末30に送信する。発注情報は、例えば、当該工務店が担当する工事種についての工事開始日及び工事終了日や基礎の長さなどの情報を含む。
【0159】
なお、フローチャートには示されていないが、工務店等の担当者は、発注を受注したことに基づいて、当該発注に従事する職人や人数等を決定し、決定した事項を含む工事関連情報を支店管理サーバ11宛に送信する。支店管理サーバ11は、工事関連情報を受信したことに基づいて工事量管理データベース(図5)を更新する。
【0160】
[第1実施形態の作用効果]
本実施形態では、端末プログラム68は、繁閑を考慮した最適な工程をオペレータに示すことができる。すなわち、端末プログラム68は、オペレータによる邸の工程の決定を適切にサポートすることができる。
【0161】
また、本実施形態では、端末プログラム68は、候補日選択画面において複数の候補日を表示してオペレータに候補日を選択させるから、オペレータに選択の機会を与えない場合よりも、オペレータによる工程の決定の自由度が高くなる。
【0162】
また、本実施形態では、オペレータが工事開始日の希望日の範囲を入力した工事種に対して、工事開始日の複数の候補がディスプレイに表示される。したがって、オペレータは、支店において施工能力が低いために工期の設定が難しい工事種について、工事開始日の複数の候補を知ることができる。
【0163】
また、本実施形態では、端末プログラム68は、邸の工事全体の繁閑値ではなく、工事開始日の希望日の範囲が入力された工事種についての繁閑値を算出し(S36)、算出した繁閑値を候補日選択画面(図10(A))に表示させる(S21)。したがって、オペレータは、支店において施工能力が低い工事種についての繁閑値を抑えて邸の工期を決定することができる。
【0164】
また、本実施形態では、工事種毎に複数の候補がディスプレイに表示される。したがって、オペレータは、支店における施工能力が低い複数の工事種を指定して、工事種毎に複数の候補日を知ることができる。
【0165】
また、本実施形態では、オペレータがチェックを行って指定した一の工事種の候補日から、他の工事種についての5つの候補日のうち、工事を実行できない候補日を選択不可として、候補日選択画面を更新する(S23、S21)。したがって、工事を実行できない候補日をオペレータが誤って選択することが防止される。
【0166】
また、本実施形態では、端末プログラム68は、入力画面(図7)においてオペレータが入力した工事種の工事開始日に基づいて仮工程を決定し(S35)、決定した仮工程における支店の施工能力及び工事量に基づいて繁閑値を算出する(S36)。そして、端末プログラム68は、算出した繁閑値を候補日選択画面(図10(A))に表示する。したがって、オペレータが指定した工事種についての繁閑を、比較が容易な数値によって表すことができる。
【0167】
また、本実施形態では、端末プログラム68は、候補日選択画面データ生成処理(図9)において、繁閑値が閾値以上である場合(S37:No)、ステップS38をスキップして、ステップS35で特定した仮工程を候補から除外する。したがって、繁閑値が閾値未満であるか否かに拘わらずステップS38を実行する場合に比べ、候補日選択画面データ生成処理の実行が速くなり、かつ端末メモリ62の使用容量を低減することができる。
【0168】
また、本実施形態では、端末プログラム68は、S16(図8)において、現在(今日)の日付に基づいて特定した初期工程で工程表作成画面を更新する。したがって、初期工程を表示しない場合に比べ、オペレータが「繁閑自動調整」アイコン83を選択するか否かの判断を容易にさせることができる。すなわち、初期工程が工程表作成画面に表示されることにより、オペレータにおける端末プログラム68の使い勝手が良くなる。
【0169】
また、本実施形態では、各工事種の工程とともに、各工事種についての繁閑を示す繁閑オブジェクト101等が工程表作成画面に表示される。したがって、繁閑オブジェクト101等が表示されない場合に比べ、オペレータが「繁閑自動調整」アイコン83を選択するか否かの判断を容易にさせることができる。すなわち、繁閑オブジェクト101等が工程表作成画面に表示されることにより、オペレータにおける端末プログラム68の使い勝手が良くなる。
【0170】
また、本実施形態では、サーバプログラム58ではなく、端末プログラム68において繁閑値の算出(S36)や、「日付」の特定(S41)や、候補日選択画面データの生成(S43)が行われる。すなわち、サーバプログラム58は、端末プログラム68の要求に応じて工事量や基準工事期間や施工能力値や工事量の総計を返信するだけでよい。したがって、端末プログラム68の要求に応じて工事量や基準工事期間や施工能力値や工事量の総計を返信することが可能な既存のサーバプログラムを管理システム100に用いることができる。なお、既存のサーバプログラムが、工事量や基準工事期間等の特定を実行しない仕様の場合、工事量や基準工事期間は、端末プログラム68が特定してもよい。その場合、端末プログラム68は、基礎の長さや延べ床面積等の設計情報を支店管理サーバ11に要求する。端末プログラム68は、支店管理サーバ11が返信した設計情報に基づいて、工事量や基準工事期間を特定する。
【0171】
[第2実施形態]
上述の第1実施形態では、工事種毎に5つの候補が表示される例(図10(A))を説明した。本実施形態では、図13に示されるように、工事種毎ではなく、邸の全体の工程として、5つの候補が表示される例を説明する。
【0172】
本実施形態では、以下で説明する構成及び処理以外の構成及び処理は、第1実施形態で説明した構成及び処理と同じである。第1実施形態と同一の構成及び処理には、第1実施形態と同一の符号及びステップ番号を付して説明の一部を省略する。
【0173】
支店端末12の端末メモリ62が記憶する基本画面データ(図2)は、図10(A)に示される候補日選択画面を生成するための画面データに代えて、図13に示される候補日選択画面を生成するための画面データを記憶する。図13に示される候補日選択画面については後述する。
【0174】
支店端末12の端末プログラム68は、第1実施形態と同様に、図8に示される処理を実行する。端末プログラム68は、ステップS20において、図9に示される候補日選択画面データ生成処理に代えて、図12に示される候補日選択画面データ生成処理を実行する。すなわち、端末プログラム68は、図10(A)に示される候補日選択画面を示す候補日選択画面データではなく、図13に示される候補日選択画面を示す候補日選択画面データを生成する。
【0175】
図12に示されるように、端末プログラム68は、第1実施形態と同様にステップS31からS34の処理を実行する。すなわち、端末プログラム68は、オペレータが工事開始日の希望日の範囲を入力した工事種を特定し、特定した工事種の希望日の範囲の初日を端末メモリ62に記憶させる。
【0176】
次に、端末プログラム68は、端末メモリに62に記憶された日付と、ステップS15で取得した各工事種の基準工事期間とに基づいて、他の工事種の工事開始日及び工事終了日を特定する。すなわち、端末プログラム68は、邸の工程(仮工程)を特定する(S51)。端末プログラム68は、特定した仮工程と、ステップS15で取得した施工能力値及び工事量とに基づいて、日ごとの繁閑値を算出し、算出した日ごとの繁閑値の平均値を、邸の工程についての全体の繁閑値として算出する(S52)。
【0177】
端末プログラム68は、算出した繁閑値が、端末メモリ62に予め記憶された閾値未満であるか否かを判断する(S37)。閾値は、例えば120(%)である。端末プログラム68は、算出した繁閑値が閾値未満であると判断すると(S37:Yes)、ステップS51で特定した「仮工程」と、算出した「繁閑値」とを対応付けて端末メモリ62に記憶させる(S53)。一方、端末プログラム68は、算出した繁閑値が閾値以上であると判断すると(S37:No)、ステップS53の処理をスキップする。すなわち、閾値(120%)未満の繁閑値が仮工程と対応付けて端末メモリ62に記憶される。
【0178】
なお、邸の工程全体の繁閑値が閾値未満であるか否かの判断に加え、日ごとの繁閑値についても閾値未満であるか否かが判断されてもよい。すなわち、全体の繁閑値が閾値未満であっても、繁閑値が閾値以上となる日があれば、候補から除外される。
【0179】
或いは、ステップS52において、繁閑値が旬ごとに算出され、全体の繁閑値が閾値未満であるか否かの判断に加え、当該旬ごとの繁閑値についても閾値未満であるか否かが判断されてもよい。すなわち、邸の工程における全体の繁閑値が閾値未満であっても、旬の繁閑値が閾値以上である場合、候補から除外される。
【0180】
端末プログラム68は、ステップS53の処理の実行後、或いは算出した繁閑値が閾値以上である場合(S37:No)、ステップS39の処理を実行する。具体的には、端末プログラム68は、ステップS34で端末メモリ62に記憶された日付が、工事開始日の希望日の範囲の最終日と一致するか否かを判断する(S39)。端末プログラム68は、端末メモリ62に記憶された日付が、当該最終日と一致しないと判断すると(S39:No)、端末メモリ62に記憶された日付をその翌日に変更し(S40)、ステップS51以降の処理を再度実行する。ステップS51からS40までの処理が繰り返し実行されることにより、工事開始日の希望日の範囲の各日付について仮工程が特定され、特定された仮工程が繁閑値と対応付けられて端末メモリ62に記憶される。仮工程毎に繁閑値を算出して取得するステップS51、S52、S53の処理は、本発明の繁閑値取得処理の一例である。
【0181】
次に、端末プログラム68は、ステップS31或いはS33で特定した工事種が最後の工事種であるか否かを判断する(S54)。例えば、端末プログラム68は、ステップS31或いはS33で特定した工事種が最後の工事種(例えば仕上工事)であるか否かを判断する。端末プログラム68は、ステップS31或いはS33で特定した工事種が最後の工事種でないと判断すると(S54:No)、次の工事種を特定し(S33)、ステップS32以降の処理を再度実行する。
【0182】
端末プログラム68は、ステップS31或いはS33で特定した工事種が最後の工事種であると判断すると(S54:Yes)、端末メモリ62に記憶された繁閑値が小さい順に5つの繁閑値を特定し、特定した繁閑値と対応付けられた5つの「仮工程」を特定する(S55)。端末プログラム68は、特定した繁閑値及び仮工程を端末メモリ62に記憶させる。ステップS55で特定される5つの「仮工程」によって特定される邸の工事開始日や各工事種の工事開始日は、本発明の特定日付の一例である。ステップS55は、本発明の特定処理の一例である。
【0183】
端末プログラム68は、特定した5つの「仮工程」及び「繁閑値」を用いて候補日選択画面(図13)を示す候補日選択画面データを生成する(S56)。具体的には、端末プログラム68は、端末メモリ62に予め記憶された基本画面データの特定の入力フィールドに、5つの仮工程によって特定される工事開始日及び工事終了日と、繁閑値とを入力することにより、候補日選択画面データを生成する。
【0184】
図13を参照して、候補日選択画面について説明する。候補日選択画面は、候補日選択表190と、「実行」アイコン192と、「戻る」アイコン193とを有する。「戻る」アイコン193は、前画面である入力画面に戻ることの指示を受け付けるアイコンである。
【0185】
候補日選択表190は、複数の行及び列を有する。複数の列は、「基礎工事開始」などの各行の項目名を示す項目列と、「候補日1」、「候補日2」、「候補日3」、「候補日4」、「候補日5」の各候補日における閾値や工事開始日などを表示する5つの候補日列とである。複数の行は、「候補日1」等の各列の項目名を示す項目行と、「繁閑値」、「基礎工事開始」、「基礎工事完了」、「建方工事開始」、「建方工事完了」、「内装工事開始」、「内装工事完了」、「仕上工事開始」、「仕上工事完了」の項目名がそれぞれ付された9個の行と、チェックボックスが表示された1つの行とである。
【0186】
「候補日1」の列には、ステップS55において特定された繁閑値のうちの最も小さい繁閑値と、当該繁閑値と対応付けられた仮工程(各工事種の工事開始日及び工事完了日)とが表示される。「候補日2」の列には、次に小さい繁閑値と、当該繁閑値と対応付けられた仮工程とが表示される。「候補日3」の列には、次に小さい繁閑値と、当該繁閑値と対応付けられた仮工程とが表示される。「候補日4」の列には、次に小さい繁閑値と、当該繁閑値と対応付けられた仮工程とが表示される。「候補日5」の列には、最も大きい繁閑値と、当該繁閑値と対応付けられた仮工程とが表示される。
【0187】
オペレータは、表示された繁閑値及び工程に基づいて、5つの候補から1つの候補を選択し、選択した候補と対応付けられたチェックボックスをチェックして、「実行」アイコン192を選択する。或いは、オペレータは、表示された5つの候補のいずれも選択するのに適当でないと判断すると、「戻る」アイコン193を選択する。図8のフローチャートには示されていないが、端末プログラム68は、「戻る」アイコン193が選択されたと判断すると、ステップS18以降の処理を再度実行する。すなわち、入力画面をディスプレイ67に表示させて、工事開始日の希望日の範囲の入力を再度受け付ける。
【0188】
端末プログラム68は、「実行」アイコン192が選択されたと判断すると(S22:「実行」アイコン)、図8のステップS24、S25に代えて以下の処理を実行する。すなわち、端末プログラム68は、チェックボックスで指定された候補の工程を特定し、特定した工程に対して、各工事種の繁閑値を第1実施形態と同様にして算出する処理を実行する。この処理は、本発明の第2受付処理の一例である。
【0189】
端末プログラム68は、算出した各工事種の繁閑値と、特定した仮工程とを用いて、工程表作成画面(図6)を更新する(S26)。端末プログラム68は、ステップS26の実行後、第1実施形態と同様にしてステップS27以降の処理を実行して処理を終了する(END)。
【0190】
[第2実施形態の作用効果]
本実施形態では、端末プログラム68は、繁閑を考慮した最適な工程をオペレータに示すことができる。すなわち、端末プログラム68は、オペレータによる邸の工程の決定を適切にサポートすることができる。
【0191】
また、本実施形態では、端末プログラム68は、候補日選択画面において複数の候補日を表示してオペレータに候補日を選択させるから、オペレータに選択の機会を与えない場合よりも、オペレータによる工程の決定の自由度が高くなる。
【0192】
また、本実施形態では、端末プログラム68は、算出した繁閑値を候補日選択画面(図10)に表示する。したがって、比較が容易な数値によって繁閑を表すことができる。
【0193】
また、本実施形態では、端末プログラム68は、候補日選択画面データ生成処理(図12)において、繁閑値が閾値以上である場合、ステップS53をスキップして、ステップS51で特定した仮工程を候補から除外する。したがって、繁閑値が閾値未満であるか否かに拘わらずステップS53を実行する場合に比べ、候補日選択画面データ生成処理の実行が速くなり、かつ端末メモリ62の使用容量を低減することができる。
【0194】
また、本実施形態では、端末プログラム68は、S16(図8)において、現在(今日)の日付に基づいて特定した初期工程で工程表作成画面を更新する。したがって、初期工程を表示しない場合に比べ、オペレータが「繁閑自動調整」アイコン83を選択するか否かの判断を容易にさせることができる。すなわち、初期工程が工程表作成画面に表示されることにより、オペレータにおける端末プログラム68の使い勝手が良くなる。
【0195】
また、本実施形態では、各工事種の工程とともに、各工事種についての繁閑を示す繁閑オブジェクト101等が工程表作成画面に表示される。したがって、繁閑オブジェクト101等が表示されない場合に比べ、オペレータが「繁閑自動調整」アイコン83を選択するか否かの判断を容易にさせることができる。すなわち、繁閑オブジェクト101等が工程表作成画面に表示されることにより、オペレータにおける端末プログラム68の使い勝手が良くなる。
【0196】
また、本実施形態では、サーバプログラム58ではなく、端末プログラム68において繁閑値の算出(S52)や、「仮工程」の特定(S51)や、候補日選択画面データの生成(S56)が行われる。すなわち、サーバプログラム58は、端末プログラム68の要求に応じて工事量や基準工事期間や施工能力値や工事量の総計を返信するだけでよい。したがって、端末プログラム68の要求に応じて工事量や基準工事期間や施工能力値や工事量の総計を返信することが可能な既存のサーバプログラム58を管理システム100に用いることができる。なお、既存のサーバプログラムが、工事量や基準工事期間等の特定を実行しない仕様の場合、工事量や基準工事期間は、端末プログラム68が特定してもよい。その場合、端末プログラム68は、基礎の長さや延べ床面積等の設計情報を支店管理サーバ11に要求する。端末プログラム68は、支店管理サーバ11が返信した設計情報に基づいて、工事量や基準工事期間を特定する。
【0197】
[変形例]
上述の第1実施形態では、入力画面(図7)において、2以上の工事種に対して工事開始の希望日の範囲が入力された場合、端末プログラム68は、各工事種について最適日付を特定し、最も小さい繁閑値と対応付けられた最適日付を、最適工程を特定するための最適日付に採用する例を説明した。本変形例では、2以上の工事種に対して工事開始の希望日の範囲が入力された場合における最適工程の特定の他の例を説明する。
【0198】
端末プログラム68は、一の工事種について工事開始の希望日の範囲が入力されたことに基づいて、他の工事種について、工事開始の希望日の範囲の入力制限を行う。例えば、端末プログラム68は、上述と同様にして、入力された工事開始の希望日の範囲に基づいて最適日付を特定し、特定した最適日付に基づいて、他の工事種について、工事開始の希望日の範囲の入力可能範囲を特定する。端末プログラム68は、例えば、入力可能範囲から外れた日付がテキストボックス161等に入力されたと判断すると、エラー画面をポップアップ表示する。或いは、端末プログラム68は、例えば特定した入力可能範囲を、テキストボックス161等にグレー表示する。
【0199】
オペレータは、まず、所属する支店において施工能力値が最も低い工事種を選択して、工事開始日の希望日の範囲を入力する。次に、オペレータは、所属する支店において施工能力値が次に低い工事種を選択して、工事開始日の希望日の範囲を、上述の入力可能範囲内で入力する。そして、オペレータは、「実行」アイコン172を選択する。
【0200】
本変形例では、オペレータは、まず、所属する支店において施工能力値が最も低い工事種について工事開始日の希望日の範囲を入力し、次いで、施工能力値が次に低い工事種について工事開始日の希望日の範囲を入力すればよいから、優先すべき工事種をオペレータが指定する操作の手間が省かれる。すなわち、オペレータにおける端末プログラム68の使い勝手が良くなる。
【0201】
また、本変形例では、端末プログラム68は、オペレータの入力を制限することにより、工程を特定できない希望日の範囲が誤って入力されることを防止することができる。
【0202】
[その他の変形例]
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、繁閑値が閾値未満である場合にのみステップS38或いはS53の処理が実行される例を説明した。しかしながら、繁閑値が閾値未満であるか否かに拘わらず、ステップS38の処理が実行されてもよい。
【0203】
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、繁閑値が小さい順に5つの「日付」(工事開始日)或いは「仮工程」が特定される例を説明した。しかしながら、繁閑値が小さい順に2乃至4或いは6以上の「日付」或いは「仮工程」が特定されてもよい。
【0204】
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、支店端末12に使用されるアプリケーションプログラム(端末プログラム68)を新たに開発して、サーバプログラム58については既存のプログラムを使用する例を説明した。しかしながら、端末プログラム68及びサーバプログラム58の両方のプログラムを新たに開発してもよい。その場合、上述したサーバプログラム58が実行する処理の一部が端末プログラム68で実行されてもよいし、端末プログラム68が実行する処理の一部がサーバプログラム58で実行されてもよい。この場合、端末プログラム68及びサーバプログラム58が、本発明のプログラムの一例であり、端末メモリ62及びサーバメモリ52が本発明のメモリの一例であり、端末CPU61及びサーバCPU51が本発明のコンピュータの一例であり、支店管理サーバ11及び支店端末12が本発明の情報処理装置の一例である。
【0205】
各支店に設置された支店管理サーバ11やCADサーバ21を統括する統括サーバが本社などに設置されていてもよい。統括サーバは、CADサーバ21や各支店の支店管理サーバ11などから情報を収集し、自身のメモリに記憶された工務店管理データベース(図3(A))や、施工能力値(図3(B))や、邸管理データベース(図4)や、工事量管理データベース(図5)を管理する。統括サーバは、各支店の支店管理サーバ11が中継した各支店の支店端末12からの要求に応じて返信を行う。すなわち、統括サーバは、各支店の支店管理サーバ11がそれぞれ実行する処理を一括して行う。この場合、各支店管理サーバ11は、支店端末12からの要求を統括サーバに中継する中継サーバとして機能する。統括サーバが用いられる場合、各支店の支店ネットワーク10及びCADネットワーク20は、統括サーバによって管理された1つのネットワークを構築する。
【0206】
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、繁閑値が、施工能力値に対する工事量の総計の割合(%表示)である例を説明した。しかしながら、繁閑値は、繁閑を示す数値であれば、どのように規定(定義)されてもよい。例えば、繁閑値は、施工能力値から工事量の総計を減じた値であってもよい。正の当該繁閑値は、邸の施工に余裕があること、及びどれくらいの余裕があるかを示し、負の当該繁閑値は、邸の施工に余裕がないこと、及びどれくらい余裕がないかを示す。
【0207】
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、繁閑を示すオブジェクトとして繁閑オブジェクト101等が工程表作成画面に表示される例を説明した。しかしながら、繁閑オブジェクト101等に代えて、或いは繁閑オブジェクト101等とともに、繁閑値が工程表作成画面に表示されてもよい。表示される繁閑値は、本発明の繁閑オブジェクトの一例である。
【0208】
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、繁閑オブジェクト101等がバーである例を説明した。しかしながら、繁閑オブジェクト101等は、バー以外であってもよい。例えば、繁閑値が90%未満であることを示す繁閑オブジェクト101に代えて、笑顔の表情の顔オブジェクトが表示され、繁閑値が90%以上110%未満であることを示す繁閑オブジェクト102に代えて、通常の表情の顔オブジェクトが表示され、繁閑値が110%以上であることを示す繁閑オブジェクト103に代えて、泣き顔の表情の顔オブジェクトが表示されてもよい。
【0209】
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、ステップS16(図8)で更新される工程表作成画面と、ステップS21で更新される工程表作成画面との両方において、繁閑オブジェクト101等が表示される例を説明した。しかしながら、繁閑オブジェクト101等は、ステップS16で更新される工程表作成画面と、ステップS21で更新される工程表作成画面とのいずれか一方のみに表示されていてもよい。
【0210】
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、工程を決定するために工程表作成画面に表示された邸の工事量を加えない工事量を用いて繁閑値が算出される例を説明した。しかしながら、端末プログラム68は、工程表作成画面に表示されている邸の工事量を加算した工事量を用いて繁閑値を算出してもよい。
【0211】
上述の実施形態では、サーバプログラム58が、支店端末12から工程を取得して(S28)、邸管理データベース(図4)に工程を登録する(S29)例を説明した。しかしながら、サーバプログラム58は、工務店端末30から工程を取得して邸管理データベースに登録してもよい。例えば、工務店端末30は、受注した工事の工程を含む工事関連情報を支店管理サーバ11に送信する。支店管理サーバ11のサーバプログラム58は、工務店端末30が送信した工事関連情報に含まれる工程を邸管理データベースに登録する。すなわち、邸管理データベースへの工程の登録は、工務店等での受注の確認後に行われてもよい。
【符号の説明】
【0212】
10・・・支店ネットワーク
11・・・支店管理サーバ
12・・・支店端末(情報処理装置)
20・・・CADネットワーク
21・・・CADサーバ
22・・・CAD端末
30・・・工務店端末
51・・・サーバCPU(サーバコンピュータ)
52・・・サーバメモリ
58・・・サーバプログラム
61・・・端末CPU(端末コンピュータ)
62・・・端末メモリ
64・・・通信インタフェース
65・・・入力インタフェース
66・・・入力装置
67・・・ディスプレイ
83・・・「繁閑自動調整」アイコン(指定アイコン)
86・・・工程表
100・・・管理システム
101、102、103・・・基礎繁閑オブジェクト
111、112、113・・・建方繁閑オブジェクト
121、122、123・・・内装繁閑オブジェクト
131、132、133・・・仕上繁閑オブジェクト
153・・・「更新」アイコン
161~168・・・テキストボックス
172・・・「実行」アイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13