(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178151
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】作業台
(51)【国際特許分類】
E04G 1/32 20060101AFI20221125BHJP
E06C 1/39 20060101ALI20221125BHJP
B25H 1/16 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
E04G1/32 A
E06C1/39 A
B25H1/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084724
(22)【出願日】2021-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000136170
【氏名又は名称】株式会社ピカコーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】特許業務法人安田岡本特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松生 真
【テーマコード(参考)】
2E044
3C012
【Fターム(参考)】
2E044AA06
2E044EC03
2E044EC09
2E044EC10
3C012BE01
(57)【要約】
【課題】 支柱を上下反転使用して、作業台を天場高姿勢と天場低姿勢に変更できるようにする。
【解決手段】 互いに連結されて四角配置された4本の支柱3と、4本の支柱3に嵌合する4つの支柱孔4を有する矩形状の天場5とを有しており、前記支柱3に天場5を嵌合した際に支柱3の一端から短い距離の位置で止める第1ストッパ部7と、前記支柱3を上下反転して天場5を嵌合した際に支柱3の他端から前記短い距離の位置より長い長い距離の位置で止める第2ストッパ部8とを設けている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連結された3本以上の支柱(3)と、各支柱(3)に嵌合する支柱孔(4)を有する天場(5)とを有しており、前記支柱(3)に天場(5)を嵌合した際に支柱(3)の一端から短い距離の位置で止める第1ストッパ部(7)と、前記支柱(3)を上下反転して天場(5)を嵌合した際に支柱(3)の他端から長い距離の位置で止める第2ストッパ部(8)とを設けていることを特徴とする作業台。
【請求項2】
互いに連結されて四角配置された4本の支柱(3)と、4本の支柱(3)に嵌合する4つの支柱孔(4)を有する矩形状の天場(5)とを有しており、前記支柱(3)に天場(5)を嵌合した際に支柱(3)の一端から短い距離の位置で止める第1ストッパ部(7)と、前記支柱(3)を上下反転して天場(5)を嵌合した際に支柱(3)の他端から前記短い距離の位置より長い長い距離の位置で止める第2ストッパ部(8)とを設けていることを特徴とする作業台。
【請求項3】
前記4本の支柱(3)は、2本の支柱(3)を連結杆(9)の両端に固定し、2本の連結杆(9)を中央で交差して縦軸(10)を介して回動可能に連結していることを特徴とする請求項2に記載の作業台。
【請求項4】
前記2本の連結杆(9)の一方には、他方と当接して互いの交差角度を設定する当たり(12)を設けていることを特徴とする請求項3に記載の作業台。
【請求項5】
前記第1ストッパ部(7)と第2ストッパ部(8)とは、それぞれ別個の部材を支柱(3)に固定して、または、上下端部を有する1個の部材を支柱(3)に固定して形成していることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の作業台。
【請求項6】
前記支柱(3)は上下端に接地用の接地部材(13)を設けていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の作業台。
【請求項7】
前記天場(5)は内部が支柱孔(4)となるパイプ(14)を固定しており、パイプ(14)の長さは支柱(3)の一端から第1ストッパ部(7)までの距離より長くかつ継ぎ足す支柱(3)の端部に嵌合可能な長さであることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の作業台。
【請求項8】
前記パイプ(14)の少なくとも1本には、嵌合した支柱(3)に押圧して振れ止めをする振れ止めノブ(15)を設けていることを特徴とする請求項7に記載の作業台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天場の高さを変更可能にした作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
1台で高低2段の作業高さが得られる作業台として、特許文献1に記載されたものがある 。
この作業台は、4角にそれぞれ支柱を配置しかつ4本の支柱を連結材で連結した基台と、この基台の4本の支柱の内側に上下伸縮移動自在に挿入された脚材を踏み板の4角に設けた踏台とを備えており、前記基台の支柱と踏台の脚材との間に、踏台の4本の脚材を基台の4本の支柱に対応させる第1姿勢で、4本の脚材を4本の支柱の下部まで挿入可能にする収縮手段と、前記第1姿勢から踏台を基台から上方へ離脱しかつ水平回転した第2姿勢で、4本の脚材の下部を対応する4本の支柱の上部に挿入状態で保持可能にする伸長手段とを有する(請求項1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術は、踏台を第1姿勢と第2姿勢とに切り替えることによって、高低2段の作業高さが得られるが、基台に4本の支柱を必要とし、踏み板に4本の脚材を必要とし、踏台の4本の脚材を基台の4本の支柱に対応させたり、4本の脚材の下部を対応する4本の支柱の上部に挿入状態で保持したりしなければならないので、構造が複雑であり、支柱を強固なものにし難くなっている。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした作業台を提供することを目的とする。
本発明は、支柱を上下反転使用して、天場の高さを変更できるようにした作業台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における課題解決のための具体的手段は、互いに連結された3本以上の支柱3と、各支柱3に嵌合する支柱孔4を有する天場5とを有しており、前記支柱3に天場5を嵌合した際に支柱3の一端から短い距離の位置で止める第1ストッパ部7と、前記支柱3を上下反転して天場5を嵌合した際に支柱3の他端から長い距離の位置で止める第2ストッパ部8とを設けていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、支柱3に嵌合した天場5の高さと、支柱3を上下反転して支柱3に嵌合した天場5の高さとを異ならせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図9】天場高姿勢の作業台に天場低姿勢の作業台を継ぎ足し載置した正面図である。
【
図10】天場高姿勢の作業台に天場低姿勢の作業台を継ぎ足し載置する分解正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、9、10において、天場高姿勢Hの作業台1に天場低姿勢Lの作業台1を継ぎ足し載置する実施形態を例示している。
図1~6において、天場高姿勢Hの作業台1は、2本の支柱3を連結杆9の両端に固定し、2本の連結杆9を中央で交差して縦軸10を介して回動可能に連結して、互いに連結されて四角配置された4本の支柱3を構成しており、この4本の支柱3に矩形状の天場5を嵌合している。
【0010】
前記各支柱3は、パイプ材又は中実棒材で形成され、上下端にゴム又は合成樹脂製の接地部材13を装着している。この各支柱3の上下中途部には、2個の円弧状の金属片16をリベット又は溶接等により固定して、
図1の上側金属片16aの上端部で第1ストッパ部7を形成し、下側金属片16bの下端部で第2ストッパ部8を形成している。
なお、2個の円弧状の金属片16は1個でもよく、1個の金属片16の両端で第1ストッパ部7と第2ストッパ部8とを形成してもよい。
【0011】
前記連結杆9は、4本の支柱3の内の2本を連結するものは1本の帯板9aで形成され、他の2本を連結するものは前記帯板9aを上下から挟むように細長い棒材9bが使用されており、上下の細長い棒材9bは両端部が連結材9cによって連結されている。
縦軸10は帯板9aと上下細長い棒材9bの長手方向中央を貫通しており、4本の支柱3を展開して四角配置する状態から折り畳めるようになっている。
【0012】
前記細長い棒材9bには縦軸10の近傍に当たり12が設けられている。この当たり12は断面くの字形状又はへの字形状の金属板であり、くの字の一辺が細長い棒材9bに固着され、くの字の他辺が支柱展開時に前記帯板9aに当接可能になっており、支柱展開して当たり12が帯板9aに当接すると、2本の連結杆9(9a、9b)は直交し、4本の支柱3は正四角形に展開配置されることになる。
【0013】
前記天場5は、2本の広幅材5aの両端同士を狭幅材5bで連結して正方形枠を形成し、正方形枠の内部に台板5cを固定して正方形台に形成しており、広幅材5a、狭幅材5b及び台板5cは、角パイプ材、四角棒材、溝型鋼等が用いられている。
前記広幅材5aの両端部にはパイプ14が上下方向に貫通しており、パイプ14の内部が支柱3に嵌合する支柱孔4となっている。
【0014】
パイプ14はその上端が広幅材5aの上面と略一致されており、下部は広幅材5aから下方に突出していて、支柱3に嵌合した際に第1ストッパ部7あるいは第2ストッパ部8と当接可能になっている。
このパイプ14の長さは、支柱3の一端から第1ストッパ部7までの距離より長く、おおよそ2倍になっており、パイプ14は支柱3の上部に嵌合して第1ストッパ部7に当接した状態で、上から継ぎ足す支柱3の下端部に嵌合可能な長さである。
【0015】
前記天場5の4隅のパイプ14の内の少なくとも1本(実施形態では2本)には、振れ止めノブ15が螺合されている。この振れ止めノブ15はパイプ14が嵌合した支柱3を押圧して、天場5の振れ止めをする。
作業台1は、2本の支柱3を帯板9aの両端に固着したものと、2本の支柱3を細長い棒材9bの両端に固着したものとを形成し、2本の細長い棒材9bの間隙に帯板9aを挿通して交差させ、その交差点に縦軸10を貫通して連結し、
図5A及び
図5Bの折り畳み状態に組み立てる。この折り畳み状態から展開して4本の支柱3を四角配置すると、4本の支柱3の上端は天場5の4隅のパイプ14に対向することになり、天場5の4隅の支柱孔4が支柱3に嵌合可能になる。
【0016】
図1の下図、
図2、3では、支柱3は第1ストッパ部7が第2ストッパ部8より上位にあるので、天場5を嵌合してパイプ14下端を第1ストッパ部7に当接すると、天場5は支柱3の上端より上位となり、天場高姿勢Hの作業台1となる。
図1の上図、
図7、8では、支柱3は上下反転されて、第2ストッパ部8が第1ストッ
パ部7より上位になり、天場5を嵌合してパイプ14下端を第2ストッパ部8に当接すると、天場5は支柱3の上端(反転前の下端)より下位となり、天場低姿勢Lの作業台1となる。
【0017】
前記天場高姿勢Hの作業台1は、パイプ14の下半分が支柱3の上端に嵌合しており、パイプ14の上半分には支柱孔4が開口されたままであり、この支柱孔4に天場低姿勢Lの作業台1の支柱3の下端(反転前の上端)を挿入することができる(
図1、9、10に示す)。また、前記天場高姿勢Hの作業台1の支柱孔4に別の天場高姿勢Hの作業台1の支柱3の下端を挿入することもできる。
【0018】
即ち、1台の作業台1は、天場5の高さが異なる天場高姿勢Hと天場低姿勢Lの2種類に変更することができ、2台の作業台1が有れば、積み重ねが可能であり、4種類の天場5高さを設定することができる。
前記天場5は正四角形以外に、長方形に形成することもでき、その場合は、4本の支柱3が4つの支柱孔4に対向できるように、当たり12で2本の連結杆9の交差角度を設定する。
【0019】
前記天場5は三角形、五角形、六角形等でもよく、各隅部に支柱孔4を形成し、各支柱孔4に対向する本数の支柱3を立て、支柱同士を互いに連結し、各支柱3にその上端から短距離の位置に第1ストッパ部7を形成し、その下端から長距離の位置に第2ストッパ部8を形成すればよい。
前述した実施形態においては、互いに連結された3本以上の支柱3と、各支柱3に嵌合する支柱孔4を有する天場5とを有しており、前記支柱3に天場5を嵌合した際に支柱3の一端から短い距離の位置で止める第1ストッパ部7と、前記支柱3を上下反転して天場5を嵌合した際に支柱3の他端から長い距離の位置で止める第2ストッパ部8とを設けている。
【0020】
この構成によって、支柱3に嵌合した天場5の高さと、支柱3を上下反転して支柱3に嵌合した天場5の高さとを異ならせて、作業台1を天場高姿勢Hと天場低姿勢Lとにすることができる。
また、前記実施形態においては、互いに連結されて四角配置された4本の支柱3と、4本の支柱3に嵌合する4つの支柱孔4を有する矩形状の天場5とを有しており、前記支柱3に天場5を嵌合した際に支柱3の一端から短い距離の位置で止める第1ストッパ部7と、前記支柱3を上下反転して天場5を嵌合した際に支柱3の他端から前記短い距離の位置より長い長い距離の位置で止める第2ストッパ部8とを設けている。
【0021】
この構成によって、4本の支柱3に嵌合した天場5の第1ストッパ部7による高さと、支柱3を上下反転して支柱3に嵌合した天場5の第2ストッパ部8による高さとを異ならせて、作業台1を天場高姿勢Hと天場低姿勢Lとにすることができる。
また、前記実施形態においては、4本の支柱3は、2本の支柱3を連結杆9の両端に固定し、2本の連結杆9を中央で交差して縦軸10を介して回動可能に連結している。
【0022】
この構成によって、天場5を外したとき、4本の支柱3を折り畳んでおくことができる。
また、前記実施形態においては、2本の連結杆9の一方には、他方と当接して互いの交差角度を設定する当たり12を設けている。
この構成によって、折り畳んだ4本の支柱3を展開したとき、4本の支柱3の配置を適正にすることができる。
【0023】
さらに、前記実施形態においては、第1ストッパ部7と第2ストッパ部8とは、それぞれ別個の部材を支柱3に固定して、または、上下端部を有する1個の部材を支柱3に固定して形成している。
この構成によって、2つのストッパ部7、8を簡単に構成することができる。
さらに、前記実施形態においては、支柱3は上下端に接地用の接地部材13を設けている。
【0024】
この構成によって、支柱3の上下端の接地を良好にできる。
さらにまた、前記実施形態においては、天場5は内部が支柱孔4となるパイプ14を固
定しており、パイプ14の長さは支柱3の一端から第1ストッパ部7までの距離より長くかつ継ぎ足す支柱3の端部に嵌合可能な長さである。
この構成によって、天場高姿勢Hの作業台1の上にさらに作業台1を積み重ねることができる。
【0025】
さらにまた、前記実施形態においては、パイプ14の少なくとも1本には、嵌合した支柱3に押圧して振れ止めをする振れ止めノブ15を設けている。
この構成によって、支柱3に対して天場5の振れ止めをするできる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
【0026】
例えば、前記天場5は多角形の1枚板で形成することもでき、作業台1の積み重ねをしない場合は、パイプ14を割愛して、支柱孔4を穿孔するだけでもよい。
連結杆9は、細長い棒材9bを使用せずに、2本ともに帯板9aを使用してもよい。また、連結杆9同士を固着してもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 作業台
3 支柱
4 支柱孔
5 天場
5a 広幅材
5b 狭幅材
5c 台板
7 第1ストッパ部
8 第2ストッパ部
9 連結杆
9a 帯板
9b 棒材
9c 連結材
10 縦軸
13 接地部材
14 パイプ
15 振り止めノブ
16 金属片
16a 上側金属片
16b 下側金属片
H 天場高姿勢
L 天場低姿勢