(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178242
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】ステータ及びモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/18 20060101AFI20221125BHJP
H02K 3/38 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
H02K3/18 J
H02K3/38 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084882
(22)【出願日】2021-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】久保 裕之
(72)【発明者】
【氏名】平林 崇
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 工
(72)【発明者】
【氏名】丸山 哲矢
【テーマコード(参考)】
5H603
5H604
【Fターム(参考)】
5H603AA04
5H603AA15
5H603BB01
5H603BB07
5H603BB12
5H603CA01
5H603CA05
5H603CB04
5H603CB18
5H603CB22
5H603CB23
5H603CC04
5H603CC17
5H603CD05
5H603CD11
5H603FA24
5H604BB08
5H604BB14
5H604CC05
5H604CC14
5H604DA15
5H604DB01
5H604PB01
5H604PB02
(57)【要約】
【課題】複数の導出部の間の絶縁距離を確保しやすくすることを可能としたステータ及びモータを提供する。
【解決手段】ステータ12は、周方向に並ぶ複数のティース17を有するステータコア14と、複数のティースにそれぞれ巻回されている複数のコイル15と、を備える。複数のコイル15の各々は、被膜付き導線がティース17に巻回されてなるコイル本体部20と、コイル本体部20からステータコア14の軸方向一方側に導出されている第1導出部21と、コイル本体部20からステータコア14の軸方向他方側に導出されている第2導出部22と、を有している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に並ぶ複数のティース(17)を有するステータコア(14)と、
前記複数のティースにそれぞれ巻回されている複数のコイル(15)と、を備え、
前記複数のコイルの各々は、被膜付き導線(C)にて構成され、
前記複数のコイルの各々は、前記被膜付き導線が前記ティースに巻回されてなるコイル本体部(20)と、前記コイル本体部から前記ステータコアの軸方向一方側に導出されている第1導出部(21)と、前記コイル本体部から前記ステータコアの軸方向他方側に導出されている第2導出部(22)と、を有している、
ステータ。
【請求項2】
前記複数のコイルのうち互いに同相である一対のコイル同士を直列接続する直列接続部(31,31a,31b,31c,50)を複数備えている、
請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
全ての前記直列接続部は、前記第1導出部同士を連結するとともに、前記軸方向一方側に配置されている、
請求項2に記載のステータ。
【請求項4】
前記複数の直列接続部の各々は、周方向に隣り合う一対の前記コイル同士を直列接続している、
請求項3に記載のステータ。
【請求項5】
前記複数のコイルは、直列接続された2n個(ただし、nは2以上の整数)の同相のコイルを含み、
前記複数の直列接続部は、前記同相のコイルにおける前記第1導出部同士を直列接続するn個の第1接続部(51)と、前記同相のコイルにおける前記第2導出部同士を直列接続する(n-1)個の第2接続部(52)と、を含み、
前記第1接続部は、前記軸方向一方側に配置され、
前記第2接続部は、前記軸方向他方側に配置されている、
請求項2に記載のステータ。
【請求項6】
前記第1接続部の各々は、周方向に隣り合う前記同相のコイル同士を直列接続している、
請求項5に記載のステータ。
【請求項7】
前記直列接続部にて接続されている前記一対のコイルは、互いに別体をなす被膜付き導線にて構成され、
前記直列接続部は、前記一対のコイルを構成する各被膜付き導線とは別体をなす被膜付き導線にて構成されている、
請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のステータ。
【請求項8】
前記直列接続部にて接続されている前記一対のコイルは、互いに別体をなす被膜付き導線にて構成され、
前記直列接続部は、前記一対のコイルを構成する被膜付き導線同士が直接的に接続されて構成されている、
請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のステータ。
【請求項9】
前記直列接続部にて接続されている前記一対のコイルは、1本の被膜付き導線にて構成され、
前記直列接続部は、前記一対のコイルを構成する被膜付き導線の一部位である、
請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のステータ。
【請求項10】
前記ステータコアの前記軸方向一方側に設けられた絶縁性を有する第1バスバーホルダ(46)と、
前記第1バスバーホルダに保持された板状の第1バスバー(31c)と、を備え、
前記直列接続部は、前記第1バスバーにて構成されている、
請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のステータ。
【請求項11】
前記複数のコイルのうち互いに異相であるコイル同士を接続する中性点接続部(32)を有し、
前記中性点接続部は、前記第2導出部同士を連結するとともに、前記軸方向他方側に配置されている、
請求項2から請求項10のいずれか1項に記載のステータ。
【請求項12】
前記ステータコアの前記軸方向他方側に設けられた絶縁性を有する第2バスバーホルダ(42)と、
前記第2バスバーホルダに保持された板状の第2バスバー(32)と、を備え、
前記中性点接続部は、前記第2バスバーにて構成されている、
請求項11に記載のステータ。
【請求項13】
前記第1導出部同士の間、及び前記第2導出部同士の間の少なくとも一方を絶縁する絶縁壁(42a)を有している、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のステータ。
【請求項14】
前記コイル本体部は、前記ティースに沿って軸方向に延びる一対の軸方向コイル部(15b)と、前記一対の軸方向コイル部同士を周方向に連結するコイルエンド部(15a)と、を有し、
前記軸方向コイル部は、前記コイル本体部を構成する前記被膜付き導線が径方向に変位しつつ配置されるレーンチェンジ部(15c)を有している、
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のステータ。
【請求項15】
ステータ(12)と、前記ステータに対向するロータ(13)と、を備えるモータ(10)であって、
前記ステータは、
周方向に並ぶ複数のティース(17)を有するステータコア(14)と、
前記複数のティースにそれぞれ巻回されている複数のコイル(15)と、を備え、
前記複数のコイルの各々は、被膜付き導線(C)にて構成され、
前記複数のコイルの各々は、前記被膜付き導線が前記ティースに巻回されてなるコイル本体部(20)と、前記コイル本体部から前記ステータコアの軸方向一方側に導出されている第1導出部(21)と、前記コイル本体部から前記ステータコアの軸方向他方側に導出されている第2導出部(22)と、を有している、
モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータ及びモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載されたモータのステータは、周方向に複数並ぶティースを有するステータコアと、各ティースに巻回されているコイルとを備えている。各コイルは、被膜付き導線がティースに巻回されてなるコイル本体部と、前記被膜付き導線の一部がコイル本体部から導出されてなる導出部とを有している。導出部は、例えばコイル同士の電気的接続を図るためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、各コイルから導出される導出部の間の絶縁距離を確保しやすい構造を検討していた。本発明の目的は、複数の導出部の間の絶縁距離を確保しやすくすることを可能としたステータ及びモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するステータは、周方向に並ぶ複数のティース(17)を有するステータコア(14)と、前記複数のティースにそれぞれ巻回されている複数のコイル(15)と、を備え、前記複数のコイルの各々は、被膜付き導線(C)にて構成され、前記複数のコイルの各々は、前記被膜付き導線が前記ティースに巻回されてなるコイル本体部(20)と、前記コイル本体部から前記ステータコアの軸方向一方側に導出されている第1導出部(21)と、前記コイル本体部から前記ステータコアの軸方向他方側に導出されている第2導出部(22)と、を有している。
【0006】
上記課題を解決するモータは、ステータ(12)と、前記ステータに対向するロータ(13)と、を備えるモータ(10)であって、前記ステータは、周方向に並ぶ複数のティース(17)を有するステータコア(14)と、前記複数のティースにそれぞれ巻回されている複数のコイル(15)と、を備え、前記複数のコイルの各々は、被膜付き導線(C)にて構成され、前記複数のコイルの各々は、前記被膜付き導線が前記ティースに巻回されてなるコイル本体部(20)と、前記コイル本体部から前記ステータコアの軸方向一方側に導出されている第1導出部(21)と、前記コイル本体部から前記ステータコアの軸方向他方側に導出されている第2導出部(22)と、を有している。
【0007】
上記ステータ及びモータによれば、コイルの複数の導出部をステータコアの軸方向の一方側と他方側に分けている。このため、複数の導出部の間の絶縁距離を確保しやすくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態のモータにおける軸方向から見た模式図。
【
図7】同形態においてコイルが巻回されたティースを周方向側方から見た模式図。
【
図8】変更例におけるバスバーホルダを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、モータの一実施形態について図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。
【0010】
図1に示すように、モータ10は、ハウジング11と、ステータ12と、ロータ13とを備えている。ステータ12は、ハウジング11の内側に固定されている。ハウジング11は、例えば金属製である。ステータ12は、環状をなしている。ロータ13は、例えば、ステータ12の内側に配置されている。すなわち、モータ10は、インナロータ型のモータである。ロータ13は、ハウジング11に回転可能に支持されている。
【0011】
ステータ12は、ステータコア14と、コイル15とを備えている。ステータコア14は、磁性金属材料にて構成されている。例えば、ステータコア14は、複数枚の電磁鋼板を積層して構成されている。ステータコア14は、基部16と、複数のティース17とを有している。基部16は、環状をなしている。基部16の外周面は、例えば、ハウジング11の内周面に接している。
【0012】
ティース17は、例えば12個設けられている。各ティース17は、例えば、周方向において互いに等間隔に並んでいる。各ティース17は、基部16から径方向に沿って延びている。各ティース17は、例えば、基部16の内周面からステータコア14の中心軸線Lに向かって延びている。各ティース17は、ロータ13に対向する対向面17aを有している。本実施形態では、ティース17の径方向内側面が対向面17aを構成している。
【0013】
図5及び
図7に示すように、コイル15は、被膜付き導線Cにて構成されている。被膜付き導線Cは、導線の表面に絶縁被膜が施されてなる。コイル15は、被膜付き導線Cがティース17に巻回されてなるコイル本体部20を有している。また、コイル15は、
図2及び
図7に示すように、コイル本体部20から導出される第1導出部21を有している。また、コイル15は、コイル本体部20から導出される第2導出部22を有している。第1導出部21及び第2導出部22の各々は、コイル本体部20を構成する被膜付き導線Cの一部である。第1導出部21は、ステータコア14の軸方向一方側において導出されている。第2導出部22は、ステータコア14の軸方向他方側において導出されている。なお、ステータコア14の軸方向一方側は
図2における下側であり、ステータコア14の軸方向他方側は
図2における上側である。
【0014】
コイル本体部20は、径方向から見て各ティース17の周囲に巻回されている。コイル本体部20は、コイルエンド部15aと、軸方向コイル部15bとを有している。軸方向コイル部15bは、ティース17の周方向両側にそれぞれ位置している。各軸方向コイル部15bは、ティース17に沿って軸方向に延びている。コイルエンド部15aは、一対の軸方向コイル部15b同士を周方向に連結している。コイルエンド部15aは、ティース17の軸方向両側にそれぞれ位置している。第1導出部21は一方のコイルエンド部15aから導出され、第2導出部22は他方のコイルエンド部15aから導出されている。コイルエンド部15aとティース17の軸方向の側面との間には、図示しない絶縁部材が介在されている。当該絶縁部材は、例えば樹脂フィルムにて構成されている。
【0015】
図7に示すように、軸方向コイル部15bは、レーンチェンジ部15cを有している。レーンチェンジ部15cは、一対の軸方向コイル部15bの一方に設けられている。レーンチェンジ部15cにおいて各被膜付き導線Cは、径方向の隣のレーンに変位している。レーンチェンジ部15cが設けられていない他方の軸方向コイル部15bと、各コイルエンド部15aでは、被膜付き導線Cが径方向に変位しないように配置されている。
【0016】
なお、コイル15の成形方法としては、例えば、ティース17を模した治具にコイル15を巻き付けて成形した後、治具から外したコイル15をティース17に挿入する方法が挙げられる。また、それ以外には、例えば、ティース17にコイル15を巻き付ける方法が挙げられる。各コイル15に対して電源供給がなされると、ロータ13を回転駆動するための回転磁界がステータ12にて生じる。
【0017】
図1及び
図3に示すように、コイル15は、例えば、ティース17毎に集中巻きにて巻回されている。コイル15は、ティース17毎に設けられることから12個設けられている。12個のコイル15は、内訳として4個のU相コイル「U1」~「U4」、4個のV相コイル「V1」~「V4」、4個のW相コイル「W1」~「W4」となっている。U相コイル「U1」~「U4」には、U相駆動電流が供給される。V相コイル「V1」~「V4」には、V相駆動電流が供給される。W相コイル「W1」~「W4」には、W相駆動電流が供給される。U相駆動電流、V相駆動電流及びW相駆動電流は、互いに120°の位相差を持つ。
【0018】
コイル15は、例えば、U相コイル「U1」の配置位置から時計回り方向に、U相コイル「U2」、V相コイル「V1」、V相コイル「V2」、W相コイル「W1」、W相コイル「W2」、U相コイル「U3」、U相コイル「U4」、V相コイル「V3」、V相コイル「V4」、W相コイル「W3」、W相コイル「W4」の記載順の配置となっている。なお、各相のコイル15の配置は一例であり、モータ10の構成に応じて適宜変更可能である。
【0019】
コイル15の結線態様としては、
図4に示すように、例えば、スター結線が採用されている。
U相において、U相コイル「U1」とU相コイル「U2」とが直列接続されている。また、U相コイル「U3」とU相コイル「U4」とが直列接続されている。また、直列接続されたU相コイル「U1」「U2」とU相コイル「U3」「U4」とが並列接続されている。
【0020】
V相において、V相コイル「V1」とV相コイル「V2」とが直列接続されている。また、V相コイル「V3」とV相コイル「V4」とが直列接続されている。また、直列接続されたV相コイル「V1」「V2」とV相コイル「V3」「V4」とが並列接続されている。
【0021】
W相において、W相コイル「W1」とW相コイル「W2」とが直列接続されている。また、W相コイル「W3」とW相コイル「W4」とが直列接続されている。また、直列接続されたW相コイル「W1」「W2」とW相コイル「W3」「W4」とが並列接続されている。
【0022】
図3及び
図4に示すように、ステータ12は、複数の直列接続部31と、中性点接続部32とを備えている。
各直列接続部31は、複数のコイル15のうち互いに同相である一対のコイル15同士を直列接続している。また、各直列接続部31は、例えば、周方向に隣り合う一対のコイル15同士を直列接続している。また、直列接続部31は、同相のコイル15の第1導出部21同士を連結している。
【0023】
詳しくは、U相において、直列接続部31は、U相コイル「U1」の第1導出部21とU相コイル「U2」の第1導出部21とを直列接続している。また、直列接続部31は、U相コイル「U3」の第1導出部21とU相コイル「U4」の第1導出部21とを直列接続している。V相において、直列接続部31は、V相コイル「V1」の第1導出部21とV相コイル「V2」の第1導出部21とを直列接続している。また、直列接続部31は、V相コイル「V3」の第1導出部21とV相コイル「V4」の第1導出部21とを直列接続している。W相において、直列接続部31は、W相コイル「W1」の第1導出部21とW相コイル「W2」の第1導出部21とを直列接続している。また、直列接続部31は、W相コイル「W3」の第1導出部21とW相コイル「W4」の第1導出部21とを直列接続している。そして、全ての直列接続部31は、ステータコア14の軸方向一方側に配置されている。
【0024】
図5及び
図6に示すように、直列接続部31にて接続されている一対のコイル15は、例えば、互いに別体をなす被膜付き導線Cにて構成されている。そして、直列接続部31は、例えば、一対のコイル15を構成する各被膜付き導線Cとは別体をなす被膜付き導線にて構成されている。なお、直列接続部31を構成する被膜付き導線と、コイル15を構成する被膜付き導線Cとしては、互いに別体をなす構成であれば、断面形状、断面寸法及び材質が互いに同一である被膜付き導線を用いてもよい。または、直列接続部31を構成する被膜付き導線として、断面形状、断面寸法及び材質の少なくとも1つが被膜付き導線Cとは異なる被膜付き導線を用いてもよい。直列接続部31と第1導出部21との接続態様としては、例えば、第1導出部21と直列接続部31の各々において、絶縁被膜の一部を剥がした後、その絶縁被膜を剥がした部分を超音波溶接などによって接続する。なお、上記では、一対のコイル15の各第1導出部21、及び直列接続部31は、導線表面に絶縁被膜を有するとしているが、これに特に限らない。つまり、一対のコイル15の各第1導出部21、及び直列接続部31を、表面に絶縁被膜が施されていない導線としてもよい。この場合、例えば絶縁体からなる隔離壁などによって線間の絶縁を確保する構成とすることが望ましい。
【0025】
図3に示すように、中性点接続部32は、複数のコイル15のうち互いに異相であるコイル15同士を接続している。中性点接続部32は、例えば、導電金属板材を所定形状に打ち抜いて作製されるバスバーである。中性点接続部32は、ステータコア14の軸方向他方側に配置されている。すなわち、ステータコア14の軸方向において、中性点接続部32は、複数の直列接続部31とは反対側に配置されている。
【0026】
中性点接続部32は、第2導出部22同士を連結している。詳しくは、中性点接続部32は、U相コイル「U2」、V相コイル「V2」、W相コイル「W2」、U相コイル「U4」、V相コイル「V4」及びW相コイル「W4」の各第2導出部22を互いに接続している。
【0027】
ステータ12は、3つの電源接続部33,34,35を有している。各電源接続部33,34,35は例えばバスバーであり、それぞれ導電金属板材を所定形状に打ち抜いて作製されるものである。
【0028】
電源接続部33は、U相に対応している。すなわち、電源接続部33は、U相コイル「U1」とU相コイル「U3」の第2導出部22同士を連結している。電源接続部33は、図示しない駆動電流生成回路に電気的に接続され、同回路から電源接続部33にU相駆動電流が供給される。
【0029】
電源接続部34は、V相に対応している。すなわち、電源接続部34は、V相コイル「V1」とV相コイル「V3」の第2導出部22同士を連結している。電源接続部34は、図示しない駆動電流生成回路に電気的に接続され、同回路から電源接続部34にV相駆動電流が供給される。
【0030】
電源接続部35は、W相に対応している。すなわち、電源接続部35は、W相コイル「W1」とW相コイル「W3」の第2導出部22同士を連結している。電源接続部35は、図示しない駆動電流生成回路に電気的に接続され、同回路から電源接続部35にW相駆動電流が供給される。
【0031】
図2に示すように、ステータ12は、ステータコア14の軸方向他方側の端部において、伝熱部材41と、バスバーホルダ42とを備えている。バスバーホルダ42には、第2バスバーとしての中性点接続部32が保持されている。なお、
図1では、伝熱部材41、バスバーホルダ42及び中性点接続部32の図示を省略している。
【0032】
伝熱部材41は、コイル15で生じる熱の放出を促進するための部材である。なお、伝熱部材41とコイルエンド部15aとの間には、図示しない絶縁部材が介在されている。伝熱部材41とコイルエンド部15aとの間は、当該絶縁部材によって電気的な絶縁が図られている。なお、伝熱部材41とコイルエンド部15aとの間に配置される絶縁部材は、必ずしも必要ではない。また、コイルエンド部15aの表面には、例えばエポキシ系の樹脂などからなる含浸材を設けてもよい。
【0033】
伝熱部材41は、例えば、ステータコア14の構成材料よりも熱伝導率が高い材料にて構成されている。本実施形態では、伝熱部材41は、ステータコア14を構成する電磁鋼板よりも熱伝導率が高い材料にて構成されている。また、伝熱部材41は例えば導体からなる。伝熱部材41は、例えばアルミニウム系金属にて構成されている。
【0034】
伝熱部材41は、コイルエンド部15aにおいてティース17と対向する面とは反対側の側面に対向している。伝熱部材41とコイルエンド部15aとの間に介在される前記絶縁部材は、伝熱部材41とコイルエンド部15aの各々に接している。これにより、伝熱部材41とコイルエンド部15aとの間に絶縁部材を介在させつつも、コイルエンド部15aの熱を伝熱部材41に伝えやすくなる。伝熱部材41は、例えば、ステータコア14の軸方向の側面に固定されている。駆動電流が各コイル15に供給されると、コイル15には熱が生じる。このとき、コイル15の熱の一部は、伝熱部材41を介してステータコア14に伝わる。ステータコア14に伝わった熱はハウジング11に伝わる。そして、ハウジング11に伝わった熱は、ハウジング11からモータ10の外部に放出される。
【0035】
バスバーホルダ42は、例えば、伝熱部材41の軸方向の側面に支持されている。バスバーホルダ42は、合成樹脂などの絶縁体にて構成されている。バスバーホルダ42は、例えば、伝熱部材41と一体をなしている。すなわち、伝熱部材41とバスバーホルダ42とは、一体成形品として構成されている。なお、バスバーホルダ42は、例えば、インサート成形にて伝熱部材41に一体に形成されている。
【0036】
各コイル15の第2導出部22は、伝熱部材41側に引き出されている。また、第2導出部22は、伝熱部材41に対するコイルエンド部15a側からバスバーホルダ42側に引き出されている。
【0037】
中性点接続部32は、バスバーホルダ42からその外部に延びている延出部43を有している。延出部43には、対応するコイル15の第2導出部22が接続されている。なお、延出部43と第2導出部22との接続態様としては、例えば、第2導出部22の絶縁被膜の一部を剥がした後、その絶縁被膜を剥がした部分が延出部43に接続される。
【0038】
延出部43には、例えば、第2導出部22との接続箇所を覆う絶縁体44が設けられている。絶縁体44は、延出部43に塗布された例えばエポキシ系の樹脂などからなる。絶縁体44によって、延出部43が露出しないように構成されている。
【0039】
本実施形態では、前記各電源接続部33,34,35は、バスバーホルダ42に保持されている。中性点接続部32の延出部43と同様の図示しない延出部を有している。各電源接続部33,34,35の延出部には、対応するコイル15の第2導出部22が接続される。また、各電源接続部33,34,35の延出部と第2導出部22との接続箇所においても、前記絶縁体44と同様の絶縁体が塗布される。
【0040】
本実施形態の作用について説明する。
ステータ12は、同相のコイル15同士を直列接続する直列接続部31を全部で6つ有している。そして、6つ全ての直列接続部31が、ステータコア14の軸方向一方側に配置されている。さらに、中性点接続部32及び各相の電源接続部33,34,35は、ステータコア14の軸方向他方側に配置されている。これにより、ステータコア14の軸方向一方側において、各直列接続部31の配置スペースを確保しやすくなる。さらに、ステータコア14の軸方向他方側において、中性点接続部32及び各相の電源接続部33,34,35の配置スペースが確保しやすくなる。その結果、ステータ12を軸方向に大型化しなくても、ステータコア14の軸方向両側において、コイル15の結線部分の絶縁性を確保することが可能となる。
【0041】
本実施形態の効果について説明する。
(1)各コイル15は、コイル本体部20、第1導出部21及び第2導出部22を備える。第1導出部21は、コイル本体部20からステータコア14の軸方向一方側に導出されている。そして、第2導出部22は、コイル本体部20からステータコア14の軸方向他方側に導出されている。この構成によれば、各コイル15において、第1導出部21と第2導出部22とがステータコア14の軸方向の一方側と他方側に分けられる。このため、複数の導出部21,22の間の絶縁距離を確保しやすくすることが可能となる。
【0042】
(2)ステータ12は、複数のコイル15のうち互いに同相である一対のコイル15同士を直列接続する直列接続部31を複数備えている。この構成によれば、同相のコイル15同士を直列接続部31によって直列接続することができる。
【0043】
(3)全ての直列接続部31は、第1導出部21同士を連結するとともに、ステータコア14の軸方向一方側に配置されている。この構成によれば、全ての直列接続部31をステータコア14の軸方向一方側に配置することで、ステータコア14の軸方向他方側において、第2導出部22同士の絶縁距離を確保しやすくなる。
【0044】
(4)複数の直列接続部31の各々は、周方向に隣り合う一対のコイル15同士を直列接続している。この構成によれば、周方向における各直列接続部31の長さを短く抑えることが可能となる。これにより、モータ10の小型化及び軽量化に寄与できる。また、周方向における各直列接続部31の長さを短く抑えることで、直列接続部31同士の絶縁距離を確保しやすくなる。
【0045】
(5)直列接続部31にて接続されている一対のコイル15は、互いに別体をなす被膜付き導線にて構成されている。そして、直列接続部31は、一対のコイル15を構成する各被膜付き導線とは別体をなす被膜付き導線にて構成されている。この構成によれば、被膜付き導線からなる直列接続部31によって、第1導出部21同士を接続することができる。被膜付き導線は、導線の表面に絶縁被膜が施されている。このため、ステータコア14を軸方向一方側において、直列接続部31同士を絶縁するための絶縁体を別途設ける必要がなくなる。このため、部品点数の増加を抑制することが可能となる。さらに、当該絶縁体を設けることによるステータ12の軸方向の大型化を抑えることが可能となる。
【0046】
(6)ステータ12は、複数のコイル15のうち互いに異相であるコイル15同士を接続する中性点接続部32を有する。そして、中性点接続部32は、第2導出部22同士を連結するとともに、軸方向他方側に配置されている。この構成によれば、直列接続部31をステータコア14の軸方向一方側に配置し、中性点接続部32をステータコア14の軸方向他方側に配置することができる。これにより、直列接続部31と中性点接続部32との間の絶縁性を確保することができる。また、軸方向において、中性点接続部32が各直列接続部31とは反対側に配置されることで、ステータコア14の軸方向一方側において、複数の直列接続部31の配置スペースを確保しやすい。このため、複数の直列接続部31同士の絶縁距離をより確保しやすくなる。
【0047】
(7)ステータ12は、絶縁性を有するバスバーホルダ42と、バスバーホルダ42に保持された板状の第2バスバーとしての中性点接続部32とを備える。この構成によれば、第2バスバーとしての中性点接続部32によって、第2導出部22同士を連結することが可能となる。
【0048】
(8)コイル本体部20は、ティース17に沿って軸方向に延びる一対の軸方向コイル部15bと、一対の軸方向コイル部15b同士を周方向に連結するコイルエンド部15aと、を有している。そして、軸方向コイル部15bは、コイル本体部20を構成する被膜付き導線Cが径方向に変位しつつ配置されるレーンチェンジ部15cを有している。このように、レーンチェンジ部15cを軸方向コイル部15bに設定した場合、コイル導出部が軸方向における片側のみに設けられたステータに比べて、軸方向の両側に第1導出部21及び第2導出部22を備えるステータ12の方が、スロット内の空きスペースにコイル15の被膜付き導線Cをより多く配置することが可能となる。これにより、各コイル15の占績率の向上に寄与できる。その結果、モータ10の出力性能の向上に寄与できる。
【0049】
(9)中性点接続部32の延出部43には、第2導出部22との接続箇所を覆う絶縁体44が設けられている。この構成によれば、絶縁体44によって、延出部43が露出しないように構成されている。従って、絶縁体44によって延出部43を絶縁することが可能となる。
【0050】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、中性点接続部32及び各電源接続部33,34,35をバスバーで構成したが、これに限定されず、例えば、中性点接続部32及び各電源接続部33,34,35を被膜付き導線で構成してもよい。
【0051】
・例えば、
図8に示すように、第2導出部22同士の間を絶縁する絶縁壁42aを設けてもよい。絶縁壁42aは、例えば、バスバーホルダ42に一体に設けられている。絶縁壁42aは、第2導出部22と中性点接続部32の延出部43との接続箇所の周方向の側方に位置している。また、絶縁壁42aは、第2導出部22と電源接続部33,34,35との各接続箇所の周方向の側方に位置している。このような構成によれば、絶縁壁42aによって、第2導出部22同士を絶縁することが可能となる。上記実施形態のステータ12は、全ての直列接続部31をステータコア14の軸方向一方側に配置することで、ステータコア14の軸方向他方側において、第2導出部22同士の絶縁距離を確保しやすくなっている。すなわち、絶縁壁42aを配置するスペースを確保しやすくなっており、絶縁壁42aを無理なく設けることが可能となっている。なお、絶縁壁42aは、バスバーホルダ42とは別体をなしていてもよい。また、例えば、直列接続部31をバスバーで構成する場合、第1導出部21同士を絶縁する絶縁壁を設けてもよい。
【0052】
・直列接続部31の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、ステータ12の構成に応じて適宜変更可能である。
例えば、
図9に示すような直列接続部31aに変更してもよい。直列接続部31aは、一対のコイル15を構成する被膜付き導線C同士が直接的に接続されて構成されている。すなわち、直列接続部31aでは、第1導出部21同士が互いに接続されている。このような構成によれば、第1導出部21同士を接続するための被膜付き導線を別途用意しなくて済む。その結果、モータ10の軽量化に寄与できる。また、直列接続部31aにおける接合箇所を少なくすることができる。その結果、ステータ12の製造の簡易化に寄与できる。なお、第1導出部21同士の接続態様としては、例えば、一対の第1導出部21の各々において、絶縁被膜の一部を剥がした後、その絶縁被膜を剥がした部分を超音波溶接などによって接続する。
【0053】
また、例えば、
図10に示すような直列接続部31bに変更してもよい。同図に示す構成では、直列接続部31bにて接続されている一対のコイル15は、1本の被膜付き導線Cにて構成されている。そして、直列接続部31bは、一対のコイル15を構成する被膜付き導線Cの一部位である。すなわち、一対のコイル15は、1本の被膜付き導線Cが連続的に巻かれて構成されている。この構成によれば、第1導出部21同士を接続するための被膜付き導線を別途用意しなくて済む。その結果、モータ10の軽量化に寄与できる。また、第1導出部21同士が連結される直列接続部31bにおいて、互いに別体の被膜付き導線同士を接合する工程を不要することが可能となる。その結果、ステータ12の製造の簡易化に寄与できる。
【0054】
また、例えば、
図11に示すような直列接続部31cに変更してもよい。直列接続部31cは、例えば、導電金属板材を所定形状に打ち抜いて作製されるバスバーである。ステータコア14の軸方向一方側において、伝熱部材45と、絶縁体よりなるバスバーホルダ46が設けられている。伝熱部材45及びバスバーホルダ46は、例えば、ステータコア14の軸方向他方側に設けられる伝熱部材41及びバスバーホルダ42と同様の構成を有している。バスバーホルダ46には、第1バスバーとしての直列接続部31cが保持されている。
【0055】
図11に示す構成では、各コイル15の第1導出部21は、伝熱部材45側に引き出されている。また、第1導出部21は、伝熱部材45に対するコイルエンド部15a側からバスバーホルダ46側に引き出されている。
【0056】
直列接続部31cは、中性点接続部32と同様に延出部47を有している。延出部47は、バスバーホルダ46からその外部に延びている。延出部47には、対応するコイル15の第1導出部21が接続されている。なお、延出部47と第1導出部21との接続態様としては、例えば、第1導出部21の絶縁被膜の一部を剥がした後、その絶縁被膜を剥がした部分が延出部47に接続される。延出部47には、例えば、第1導出部21との接続箇所を覆う絶縁体48が設けられている。絶縁体48は、延出部47に塗布された例えばエポキシ系の樹脂などからなる。絶縁体48によって、延出部47が露出しないように構成されている。
図11に示すような構成によれば、バスバーで構成された複数の直列接続部31c同士を、バスバーホルダ46によって電気的に絶縁することが可能となる。
【0057】
・上記実施形態のコイル15の結線構造では、同相の4つのコイル15のうち、2つずつのコイル15を直列接続とし、それらを並列接続する構成とした。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば
図12に示すような結線構造としてもよい。同図には、U相コイル「U1」~「U4」の結線態様を例示している。4つのU相コイル「U1」~「U4」は、「U1」~「U4」の順に直列接続されている。ここで、直列接続される同相のコイル15の数は、2n個(ただし、nは2以上の整数)とする。
図12に示す構成では、直列接続される同相のコイル15の数は4個、すなわちn=2である。
【0058】
ステータ12は、複数のコイル15のうち互いに同相である一対のコイル15同士を直列接続する直列接続部50を複数備えている。複数の直列接続部50は、同相のコイル15における第1導出部21同士を直列接続するn個の第1接続部51を含んでいる。
図12の構成では、U相における第1接続部51の数は2個である。一方の第1接続部51は、U相コイル「U1」とU相コイル「U2」とを直列接続する。他方の第1接続部51は、U相コイル「U3」とU相コイル「U4」とを直列接続する。各第1接続部51は、ステータコア14の軸方向一方側に配置されている。なお、第1接続部51には、上記実施形態、つまり
図6に示す直列接続部31や、
図9~
図11に示す直列接続部31a,31b,31cと同様の構成を用いることができる。
【0059】
また、
図12に示す構成において、複数の直列接続部50は、同相のコイル15における第2導出部22同士を接続する(n-1)個の第2接続部52を含んでいる。
図12に示す構成では、第2接続部52は1個である。第2接続部52は、U相コイル「U2」とU相コイル「U3」とを直列接続している。第2接続部52は、ステータコア14の軸方向他方側に配置されている。なお、第2接続部52には、上記実施形態、つまり
図6に示す直列接続部31や、
図9~
図11に示す直列接続部31a,31b,31cと同様の構成を用いることができる。また、
図12に示す構成では、U相コイル「U1」の第2導出部22は、ステータコア14の軸方向他方側に配置される電源接続部33に接続される。また、U相コイル「U4」の第2導出部22は、ステータコア14の軸方向他方側に配置される中性点接続部32に接続される。
【0060】
図12に示すような構成によれば、n個の第1接続部51がステータコア14の軸方向一方側に配置され、(n-1)個の第2接続部52がステータコア14の軸方向他方側に配置される。これにより、直列接続される同相のコイル15の数が2n個(ただし、nは2以上の整数)であるステータ12において、ステータコア14の軸方向他方側に配置される第2接続部52の数をステータコア14の軸方向一方側に配置される第1接続部51の数よりも少なく構成できる。このため、ステータコア14の軸方向他方側において、中性点接続部32及び電源接続部33,34,35の配置スペースを確保しやすくなる。
【0061】
また、
図12に示す構成では、第1接続部51の各々は、周方向に隣り合う同相のコイル15同士を直列接続している。この構成によれば、周方向における各第1接続部51の長さを短く抑えることが可能となる。これにより、第1接続部51同士の絶縁距離を確保しやすくなる。なお、
図12に示す構成では、直列接続される同相のコイル15の数は4個、すなわちn=2としているが、これに限定されるものではなく、n≧3とした構成であってもよい。
【0062】
・上記実施形態の直列接続部31は、周方向に隣り合うコイル15の第1導出部21同士を連結するが、これに限らず、周方向に隣り合っていないコイル15の第1導出部21同士を直列接続部31で連結してもよい。
【0063】
・上記実施形態では、レーンチェンジ部15cが軸方向コイル部15bに設定されたが、これに限らず、レーンチェンジ部15cをコイルエンド部15aに設定してもよい。
・上記実施形態では、バスバーホルダ42が伝熱部材41に一体に形成されている。すなわち、バスバーホルダ42と伝熱部材41とを1つの一体部品として構成している。しかしながら、これに限定されるものではなく、バスバーホルダ42を、伝熱部材41に対して別部品として構成してもよい。この場合、バスバーホルダ42は、例えば接着剤による接着や、ねじの締結などによって、伝熱部材41に固定される。
【0064】
・ステータコア14の構成材料、及び伝熱部材41の構成材料は上記実施形態に限定されるものではなく、モータ10の構成に応じて適宜変更可能である。
・上記実施形態では、伝熱部材41をステータコア14の軸方向一方側のみに設けているが、これに限らず、ステータコア14の軸方向両側に伝熱部材41を設けてもよい。
【0065】
・コイル15の数は、上記実施形態に限定されるものではなく、モータ10の構成に応じて適宜変更可能である。
・上記実施形態のモータ10は、インナロータ型であるが、アウタロータ型のモータにも適用可能である。
【0066】
・今回開示された実施形態及び変更例はすべての点で例示であって、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。すなわち、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0067】
10 モータ、12 ステータ、13 ロータ、14 ステータコア、15 コイル、15a コイルエンド部、15b 軸方向コイル部、15c レーンチェンジ部、17 ティース、20 コイル本体部、21 第1導出部、22 第2導出部、C 被膜付き導線、31(31a,31b) 直列接続部、31c 直列接続部(第1バスバー)、32 中性点接続部(第2バスバー)、42 バスバーホルダ(第2バスバーホルダ)、42a 絶縁壁、46 バスバーホルダ(第1バスバーホルダ)、50 直列接続部、51 第1接続部、52 第2接続部。