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  • 特開-流量調整弁 図1
  • 特開-流量調整弁 図2
  • 特開-流量調整弁 図3
  • 特開-流量調整弁 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017825
(43)【公開日】2022-01-26
(54)【発明の名称】流量調整弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 37/00 20060101AFI20220119BHJP
   F16K 1/32 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
F16K37/00 F
F16K1/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020120607
(22)【出願日】2020-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(72)【発明者】
【氏名】橘高 省太
(72)【発明者】
【氏名】三谷 展弘
【テーマコード(参考)】
3H052
3H065
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA03
3H052BA31
3H052CD01
3H052DA06
3H065AA01
3H065BA07
3H065BB11
3H065CA01
(57)【要約】
【課題】ゴミの噛み込みやステムの芯ずれによる不具合の発生を素早く検知し、流量調整弁の停止やメンテナンスを行なうことができる流量調整弁を提供すること。
【解決手段】アクチュエータ4の作動によって移動するスライダ5と、このスライダ5の反アクチュエータ4側に取り付けられ、付勢部材6によって弁座23側に付勢されるとともに、先端に弁体30を形成するステム3とを備え、ステム3には、ステムに係る軸方向の荷重を検知する荷重検知手段7を配設するようにしている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディ内部に形成される流入口と流出口とを連通する流路と、
該流路に形成される弁座と、
該弁座に当接離間し、前記流路を連通遮断する弁体と、
該弁体を移動させるアクチュエータとを備える流体調整弁であって、
前記アクチュエータの作動によって移動するスライダと、
該スライダの反アクチュエータ側に取り付けられ、付勢部材によって弁座側に付勢されスライダと共に移動するとともに、先端に前記弁体を形成するステムとを備え、
前記ステムには、ステムに係る荷重を検知する荷重検知手段を配設した流量調整弁。
【請求項2】
前記荷重検知手段は、前記付勢手段とスライダ又はステム間に配設した圧力センサである請求項1に記載の流量調整弁。
【請求項3】
前記荷重検知手段は、ステム表面の適所に貼設した歪センサである請求項1に記載の流量調整弁。
【請求項4】
前記歪センサは、軸方向及び軸と直交する方向の歪を計測する複数からなる請求項3に記載の流量調整弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流量調整弁に関し、より詳しくは、ゴミの噛み込みやステムの芯ずれ等による漏れや弁体や弁座の摩耗を防止することのできる流量調整弁に関する。
【背景技術】
【0002】
流量調整弁、特に精密な流量制御が必要な電子バルブでは、弁体が弁座に着座した全閉位置を全閉検知信号から検知し、マイコン等の制御手段でモータ(例えば、ステッピングモータ)を制御し、広範囲のCv値制御を可能としている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、この種の流量調整弁は、アクチュエータの作動によって、移動するスライダと、スライダと共に移動するも、先端の弁体が着座することでその移動が停止するステムとから構成される。ステムとスライダの間には弾性体が介在し、ステムが停止した後は弾性体が圧縮され、ステムとスライダの間には反弾性体側で間隙が生じる。全閉位置の検出は、この間隙を電気的な短絡からの開放で検知することで行われている。
【0004】
また、全閉位置の検出の別の方法としては、アクチュエータとして用いるモータのトルクを検知・計測し、ステム先端の弁体が着座することによって上昇し、閾値を越えたことで全閉位置を検知する技術も公開されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平07-058444号公報
【特許文献2】国際公開第2018-199063号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の流量調整弁では、流入口の上流側に供給する流体に混入するゴミ(コンタミ)が下流側に流れないようフィルタが設けられている。しかし、フィルタを通過した微細なゴミが流路内に混入し弁座に付着することがある。また、ゴミはステムの芯ずれによって、弁体が弁座に対して片当たりし、弁座、弁体が摩耗し発生する場合もある。これらのゴミが弁座に付着すると全閉時でも漏れが発生することとなる。
【0007】
また、ステムに芯ずれが生じると全閉位置と検知されている位置までステムを下降しても確実に弁体が弁座に着座せずステムが撓んで漏れが発生する場合もある等の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゴミの噛み込みやステムの芯ずれによる不具合の発生を素早く検知し、流量調整弁の停止やメンテナンスを行なうことができる流量調整弁を提供することである。
【0009】
上記課題を解決するためになされた本発明に係る流量調整弁は、ボディ内部に形成される流入口と流出口とを連通する流路と、この流路に形成される弁座と、弁座に当接離間し、流路を連通遮断する弁体と、弁体を移動させるアクチュエータとを備える流体調整弁であって、アクチュエータの作動によって移動するスライダと、スライダの反アクチュエータ側に取り付けられ、付勢部材によって弁座側に付勢されるとともに、先端に弁体を形成するステムとを備え、このステムには、ステムに係る荷重を検知する荷重検知手段を配設するようにしている。
【0010】
この流量調整弁は、ステム先端の弁体が弁座と接することでステムに生じる荷重を検知する。ゴミの噛み込みや芯ずれによって、通常の全閉位置よりも早くステムに通常と異なる荷重を検知することができる。
【0011】
この場合において、荷重検知手段は、前記付勢手段とスライダ又はステム間に配設した圧力センサとすることができる。これにより軸方向に係る荷重を検知する。
【0012】
また、荷重検知手段は、ステム表面の適所に貼設した歪センサとすることもできる。さらに、歪センサを複数、例えば軸と平行な方向と軸と直交する方向に貼設することで、僅かなステムに荷重がかかることで生じる歪を検知する
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るバルブによれば、通常の全閉位置よりも早くステムに通常と異なる荷重を検知すると、ゴミの噛み込み等の不具合と判定し、作動を停止させ、メンテナンスを実施することができ、流体の漏れによる事故の発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る流量調整弁の全閉状態を示す一部切り欠きの正面断面図である。
図2】本発明に係る別の実施例の流量調整弁の全閉状態を示す一部切り欠きの正面断面図である。
図3】同流量調整弁の歪センサの貼設状態を示す一部切り欠きの拡大図である。
図4】本発明の実施形態で用いられる歪センサ出力を得るための例示的なブリッジ回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るバルブの好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。この実施例に記載されている構成部品の形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。また、便宜的に図面上での方向によって部材等の方向を上下左右と指称することがあるが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0016】
<実施形態1>
本発明に係る流量調整弁1の第1実施形態を、図1に示す。
【0017】
本発明に係る流量調整弁1は、ボディ2内部に形成される流入口21と流出口22とを連通する流路20と、この流路20に形成される弁座23と、弁座23に当接離間し、流路20を連通遮断する弁体30と、弁体30を移動させるアクチュエータ4とを備えている。
【0018】
そして、アクチュエータ4の作動によって移動するスライダ5と、このスライダ5の反アクチュエータ4側に取り付けられ、付勢部材6によって弁座23側に付勢されるとともに、先端に弁体30を形成するステム3とを備え、ステム3には、ステムに係る軸方向の荷重を検知する荷重検知手段7を配設するようにしている。
【0019】
荷重検知手段7は、弁体30と弁座23とが接触することでステムにかかる荷重を検知するもので、本実施形態では、付勢部材6とスライダ5との間に配設した圧力センサ71を用いている。圧力センサ71は、アクチュエータ4の作動に伴ってスライダ5が移動を始めると弁体30が弁座23に接するまで一定であるステムにかかる荷重(圧力)の変化を検知するものである。また、図示では付勢部材6とスライダ5との間に配設しているが、配設箇所は特に限定するものではなく、付勢部材6とステム3との間や、連結するステム3の間であっても構わない。
【0020】
圧力センサ71は、押圧力を測定できるものであれば、感圧センサ等、特に限定するものではないが、僅かな押圧力の増加を検知できる、例えばμNレベルの微小力を検知することのできる微小力センサを用いることが好ましい。
【0021】
[アクチュエータ]
アクチュエータ4は、弁体30を弁座23に対し当接離間するようにステム3を上下動させるものであれば特に限定するものではないが、本実施形態ではステッピングモータを採用している。アクチュエータ4のステッピングモータの回転軸41は、筒状の上部カバー40A内に備えられたスライダ5に配設されるボールねじ42と接続されている。このボールねじ42によって、ステッピングモータの回転軸41の回転運動をスライダ5の直進運動に変換する。スライダ5は筒状体で、円筒形であっても角筒形であっても構わず、ボールねじ42によって軸方向に移動するも円筒形の場合は、回転しないように規制されている。また、ボールねじ42が配設される部分と、荷重検知手段7や後述する筒状部材50が配設される部分とが連通した筒状体であっても荷重検知手段7が配設される部分で底面を有する形状であっても構わない。
【0022】
スライダ5の反アクチュエータ4側には、弁座23側に突設し、底面に貫通孔50aを有する底板51を備えた筒状部材50が配設されている。貫通孔50aには、先端に弁体30を形成するステム3が挿通されている。ステム3は、筒状部材50内に位置する鍔部3aを備え、この鍔部3aには、筒状部材50の上面に一端を当接される付勢部材6(例えばスプリング)の他端が当接し、ステム3を、弁座23側へ押圧している。これによって、鍔部3aは、通常は底板51に取り付けられている位置決め用のボルトの頭部と当接している。筒状部材50のスライダ5に対しての固定手段は特に限定するものではなく、溶接などを用いても構わないが、本実施形態では、スライダ5の下面に雌ねじ孔、筒状部材50の底板51に貫通孔設け、底板51側からボルト等の締結手段(図示省略)を用いて締結固定するようにしている。
【0023】
[ボディ]
流入口21、流出口22及びこれらを連通する流路20を形成するボディ2は、その上部に、ステム3が挿通されるボンネット43が配置される。ボンネット43は、ボンネットナット44によって固定される。ボンネット43内にはボディ2内を流通する流体が外部に漏洩することを防止する環状のシール部材が配設され、ボンネット43の上部に螺合するグランドナット45によってシール部材は固定されている。
【0024】
ボンネット43の外周面中央部には雄ねじが形成され、上部カバー40Aから延設される脚部40Bの下部に形成された内周面に雌ねじを備えた環状の取付部が螺合され、ロックナット40Cによって固定される。脚部40Bは、2本のバー形状で、上部カバー40Aと環状の取付部と一体構造、例えば鋳物構造であっても構わない。
【0025】
流路20に形成される弁座23は、ボンネット43と同心上の適所に形成されるもので、ボディ2の内部に直接形成しても構わないが、本実施形態では、ボディ2に螺合するよう外周面に雄ねじを刻設した筒状体の内周端面に形成するようにしている。これによって、弁座23のみの交換を容易としている。
【0026】
ボディ2に螺合される弁座23を形成する筒状体の適所にはOリング等のシール部材を配設し、流入口21側からの流体が流出口22側に漏洩することを防止するようにしている。
【0027】
次に、本流量制御弁の運転制御から異常検知の流れを説明する。まず、運転前の全閉位置検知から説明する。弁体30が弁座23から離間した全開状態から、アクチュエータ4を作動させ、ステム3を下降させる。
【0028】
所定距離だけステム3が下降すると、弁体30は弁座23に着座する。着座した瞬間から、さらにスライダ5が下降すると、ステム3の鍔部3aと筒状部材50の底板51に配設されるボルト頭部との間に僅かな間隙が生じる。電気的に短絡しているスライダ5とボルトとの接続が切断され、全閉位置が記録される。
【0029】
この全閉位置をアクチュエータ4(例えば、ステッピングモータ)の基本位置として流量調整弁1の運転制御行う。つまり、全開位置から全閉位置までのステップ数を制御装置(図示省略)が記憶し、開度を微調整することで細かなCv値を制御するもので、全閉位置と数ステップ違いの微小Cv値(例えば、Cv値0.00000015)に移動させたとき、ゴミの噛み込みやステム3の芯ずれがなければ、ステム3には全開位置と同様の荷重しかかかっていないはずである。しかし、ゴミの噛み込みやステム3の芯ずれが生じていた場合、全閉位置にない場合でも、弁体30と弁座23がゴミを間に介在させた状態で当接した状態と等しい状態、芯ずれが生じている場合は片当たりで弁体30と弁座23が当接した状態となり、ステム3に開状態とは異なる荷重がかかることとなる。本発明の流量調整弁1ではこの僅かな荷重の変化を荷重検知手段7である圧力センサ71で検知し、制御手段が全閉位置にないときにステム3に全閉状態と同等の荷重を検知したことをアラートによる通知や流量調整弁1又は設備全体の運転停止を行い、流量調整弁1や装置全体に生じる可能性がある損害を未然に防止するようにしている。
【0030】
<実施形態2>
本発明に係る流量調整弁の第2実施形態を、図2~4に示す。
【0031】
この流量調整弁1は、第1実施形態の荷重検知手段7の構成が異なる以外の構成は、第1実施例とどうようであり、説明は省略する。
【0032】
この流量調整弁1の荷重検知手段7は、ステム3の表面の適所に貼設した歪センサ70としている。歪センサ70の貼設位置は特に限定するものではなく、本実施形態では、付勢手段6が当接する鍔部3a直下の大径部30に貼設している。大径部30は、その他のステム3の部分と同じ材質であっても構わないが、変形しやすい剛性の低い材質、例えば、ねずみ鋳鉄(FC材)、ネパール黄銅(C4640P)、6-4黄銅(C2801),7-3黄銅(C2600)、リン青銅((C5212P)等、ヤング率が100前後の金属の他、ジュラルミン等、ヤング率が70前後のアルミニウム合金や、ヤング率が40前後のマグネシウム合金を用いることもできる。
【0033】
また、歪センサ70は、軸方向及び軸と直交する方向の歪を計測することができるように、軸方向に第1歪センサ70z、軸と直交する方向に第2歪センサ70xを貼設するようにしている。第1歪センサ70z及び第2歪センサ70xはステム3の大径部30の伸長量を第1歪センサ70z及び第2歪センサ70xの電気抵抗の変化として検出することができる。
【0034】
また、図3に示すように、第1歪センサ70zの一方の端子に接続された第1歪センサ出力端子72aと、第1歪センサ70zの他方の端子および第2歪センサ70xの一方の端子に共通に接続された歪センサ共通出力端子72cと、第2歪センサ70xの他方の端子に接続された第2歪センサ出力端子72bとが設けられている。
【0035】
第1及び第2歪センサ出力端子72a、72bおよび歪センサ共通出力端子72cは、外部基板に設けられた回路に接続されており、第1歪センサ70zおよび第2歪センサ70xを含むブリッジ回路が形成されている。このブリッジ回路において、第1歪センサ70zおよび第2歪センサ70xの抵抗値の変化を検出することができる。
【0036】
図4は、第1歪センサ70zおよび第2歪センサ70xの抵抗値変化を検出するための例示的な等価回路を示す。図4に示す等価回路において、分岐点A-D間および分岐点C-D間に設けられた抵抗R1、R2は、外部基板上に設けられた既知抵抗値の固定抵抗に対応し、分岐点A-B間に設けられた抵抗R3は、第1歪センサ70zに対応し、分岐点B-C間に設けられた抵抗R4は、第2歪センサ70xに対応する。本実施形態では、第1歪センサ70zおよび第2歪センサ70xの抵抗値と、2つの固定抵抗R1、R2の抵抗値とは同じに設定されており、例えば、いずれも120オーム又は350オームに設定されている。
【0037】
また、図4において、分岐点Aは、第1歪センサ出力端子72aに対応し、分岐点Bは、歪センサ共通出力端子72bに対応し、分岐点Cは、第2歪センサ出力端子72cに対応する。この等価回路において、分岐点A-C間に所定のブリッジ印加電圧が印加された状態で、第1歪センサ70zまたは第2歪センサ70xの抵抗値の変化は、ブリッジ出力信号(分岐点B-D間の電位差)の変化として検出される。なお、上記のように各抵抗R1~R4の大きさが同じである場合、第1および第2歪センサ70z、70xに応力が生じていない初期状態において、ブリッジ出力信号は典型的にはゼロを示す。
【0038】
第1実施形態と同様にゴミの噛み込みやステム3の芯ずれ状態で全閉位置直前までステム3が移動したときステム3に全閉状態と同様の荷重がかかる。これにより、歪センサ20が取り付けられた圧電素子はz方向に収縮するとともに、これと直交するx方向においては伸長する。このとき、第1歪センサ70zの抵抗値は、圧電素子の収縮量に対応して増加し、第2歪センサ70xの抵抗値は、圧電素子の伸長量に対応して減少する。
【0039】
そして、図4に示す等価回路では、ステム3の大径部30が収縮したとき、第2歪センサ70xにおける歪み量が増大してブリッジ出力信号が増加するとともに、第1歪センサ70zにおける歪み量が減少することによってもブリッジ出力信号が増加する。このため、ステム3に荷重が加わって変形時には、第2歪センサ70xの歪み量の増加分と、第1歪センサ70zの歪み量の減少分との合計に対応するブリッジ出力信号の変動が生じることになる。これにより、ブリッジ出力信号を増幅させることができる。
【0040】
また、上記のように第1歪センサ70zと、これに直交する第2歪センサ70xとを用いてブリッジ回路を構成することによって、温度変化による歪センサ20の抵抗値変化を補正することが可能である。これは、例えば温度が上昇することによってステム3の大径部30が膨張したとき、その膨張が、第1歪センサ70zに対してはブリッジ出力信号を増加させる要素として働くのに対して、第2歪センサ70xに対してはブリッジ出力信号を減少させる要素として働き、温度による増加要素と減少要素とが相殺されたブリッジ出力信号が得られるからである。このため、温度の変化に起因して圧電素子自体の膨張または収縮が生じているときであっても、ブリッジ出力信号への影響は低減され、ステム3にかかる荷重によって生じるの撓みを精度よく測定することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の流量調整弁は、全閉位置の検知を行い精密な流量制御を、ステッピングモータを用いて行うことができるとともに、ゴミの噛み込みやステムの芯ずれによって生じるステムの荷重の変化を検知することができるから、エアー源が設置できない設備での流体の精密な制御用として、また、カロリーメータの冷媒制御、水素燃料、圧縮天然ガス等の流量制御を行うための流量調整弁として好適に用いることができる。さらに、荷重検知手段の部品のみを用い、既設の流量調整弁の改造の用途にも用いることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 流量調整弁
2 ボディ
20 流路
21 流入口
22 流出口
23 弁座
3 ステム
30 弁体
4 アクチュエータ
5 スライダ
50 円筒部材
6 付勢手段(スプリング)
7 荷重検知手段
70 歪センサ
71 圧力センサ
図1
図2
図3
図4