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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178285
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】立体言語学習具
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/06 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
G09B19/06
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021084984
(22)【出願日】2021-05-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】521219372
【氏名又は名称】川原 浩藏
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(71)【出願人】
【識別番号】520393565
【氏名又は名称】川原 浩平
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】川原浩藏
(72)【発明者】
【氏名】川原浩平
(57)【要約】
【課題】時制および時制に対応した言語を容易に学習することができるようにした立体言語学習具を提供する。
【解決手段】立体の各側面11,12,13,14に、異なる時制(現在形、過去形、未来形、完了形)が割り当てられた言語表示領域が設けられ、時制が割り当てられた言語表示領域には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文M1,M2,M3,M4とが例示されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角柱状立体(10)の各側面(11,12,13,14)に、異なる時制が割り当てられた言語表示領域が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文(M1,M2,M3,M4)とが例示されていることを特徴とする立体言語学習具。
【請求項2】
角錐状立体(20)の各側面(21,22,23,24)に、異なる時制が割り当てられた言語表示領域が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文(M1,M2,M3,M4)とが例示されていることを特徴とする立体言語学習具。
【請求項3】
円柱状立体(30)の側面(35)に、周方向に沿って異なる時制が割り当てられた複数の言語表示領域(31,32,33,34)が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域(31,32,33,34)には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文(M1,M2,M3,M4)とが例示されていることを特徴とする立体言語学習具。
【請求項4】
円錐状立体(40)の側面(45)に、周方向に沿って異なる時制が割り当てられた複数の言語表示領域(41,42,43,44)が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域(41,42,43,44)には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文(M1,M2,M3,M4)とが例示されていることを特徴とする立体言語学習具。
【請求項5】
球状立体(50)の表面(55)に、一方向に沿って異なる時制が割り当てられた複数の言語表示領域(51,52,53,54)が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域(51,52,53,54)には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文(M1,M2,M3,M4)とが例示されていることを特徴とする立体言語学習具。
【請求項6】
請求項1~4のうちいずれか一項において、
前記立体の端部に、該立体の軸線回りに回転可能な回転体(60)が設けられ、
この回転体(60)の側面には、前記立体の側面に例示されたモデル文に対応する文型が例示されていることを特徴とする立体言語学習具。
【請求項7】
請求項1または3において、
前記立体の側面にはモデル文として疑問文が例示され、
前記立体の端部には、該立体の軸線方向にスライド可能な、底面が前記立体の底面と同形のスライダ(70)が前記立体の端部に対して出没可能に設けられ、
該スライダ(70)の側面には、前記疑問文に対する回答例が表示されていることを特徴とする立体言語学習具。
【請求項8】
請求項1または2において、
前記側面のうち少なくとも一つの側面には、該一つの側面に表示された事項を覆って見えなくする閉状態と、開かれることで前記事項を見られるようにする開状態とを選択的に取り得る開閉可能なフラップ(13f、14f、23f、24f)が設けられ、
該フラップ(13f、14f、23f、24f)の表面(13f1、14f1、23f1、24f1)には、前記一つの側面に例示された時制に対応したモデル文(M3)に関する解説が表示され、
該フラップの裏面(13f2、14f2、23f2、24f2)には、前記時制において起こりうる、前記一つの側面に例示された時制に対応したモデル文(M3)とは異なるモデル文(M3’)が例示されていることを特徴とする立体言語学習具。
【請求項9】
請求項1~5のうちいずれか一項において、
前記立体言語学習具は、肯定文学習用のもの(1A)と、否定文学習用のもの(1B)と、疑問文学習用のもの(1C)とを備え、
肯定文学習用のもの(1A)の底面および/または上面(16A)には肯定文学習用のものであることを表す表示がなされ、
否定文学習用のもの(1B)の底面および/または上面(16B)には否定文学習用のものであることを表す表示がなされ、
疑問文学習用のもの(1C)の底面および/または上面(16C)には疑問文学習用のものであることを表す表示がなされていることを特徴とする立体言語学習具。
【請求項10】
請求項1~8のうちいずれか一項において、
前記立体言語学習具は、母国語で作成された母国語学習用のもの(1D)と、当該母国語を翻訳した外国語学習用のもの(1E)とを、対として備えていることを特徴とする立体言語学習具。
【請求項11】
請求項1~5のうちいずれか一項において、
前記時制が割り当てられた言語表示領域には、前期モデル文として単数形1,2,3人称の主語と、複数形1,2,3人称の主語と、割り当てられた時制を表す、前記単数形の主語に対応する動詞または助動詞または準助動詞と、前記複数形の主語に対応する動詞または助動詞または準助動詞とが、例示されていることを特徴とする立体言語学習具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体言語学習具に関するものである。より詳しくは、時制および時制に対応した言語を容易に学習することができるようにした立体言語学習具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、立体的な学習具として、例えば特許文献1に見られるように、
「出題に対する答えの確認や次の問題に移る最のめくる作業が面倒な点、カードの紛失の恐れがある点」を解決すべき課題とし(同文献0003段落)、
「柱状体をなす器具本体と、上記器具本体の各側面に設けられた暗記内容表示部とから構成された暗記補助器具であり、上記表示部は任意の一側面に出題が表示され、その答えは別の側面に表示した」暗記補助器具(同文献0004段落)
が知られている。
【0003】
しかし、この暗記補助具は、言語学習のためのものではない。したがってまた時制を思慮したものでもない。
【0004】
また、従来、例えば特許文献2に見られるように、
「元素周期表の元素番号、元素記号、名称、原子量などを立体構造体上に記すことで、学習し易くした元素周期表を提供する」ことを課題とし、
「上梁材と下梁材(土台)を18本の縦軸(桁)で連結し、元素周期表の各元素を1個の立方体で表し、立方体の4つの側面に当該元素の異なる内容を表記し、前記の各縦軸(桁)に元素周期表の各族に属する複数の立方体を緩挿して立体くるくる元素周期表を構成する」ものも知られている(同文献「要約」欄)
【0005】
しかしこのものも、言語学習のためのものではないし、したがってまた時制を思慮したものでもない。
【0006】
また、従来、例えば特許文献3に見られるように、
複数の積み木を積み重ねることで証明方を学習することができるようにした証明指導教具も知られている。
【0007】
しかしこのものも、言語学習のためのものではないし、したがってまた時制を思慮したものでもない。
また、このものは複数の積み木を積み重ねる必要があるため、使い勝手も良いとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3134150号公報
【特許文献2】実用新案登録第3175789号公報
【特許文献3】実全平02-013271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、時制および時制に対応した言語を容易に学習することができるようにした立体言語学習具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明の立体言語学習具は、
角柱状立体の各側面に、異なる時制が割り当てられた言語表示領域が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文とが例示されていることを特徴とする。
【0011】
この立体言語学習具は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
角柱状立体の各側面の言語表示領域に、異なる時制が割り当てられ、時制が割り当てられた言語表示領域には、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文とが例示されているので、この立体言語学習具を用いて言語を学習する者(例えば児童や生徒であり、この立体言語学習具の利用者)は、この立体言語学習具を手に取り、立体言語学習具を回転させることで、各側面の言語表示領域に割り当てられた時制およびその時制に対応して例示されたモデル文とを見ることができる。
つまり、時制および時制に対応したモデル文の変化を手に取って動かすことができ、これによって、時制およびモデル文の変化を三次元的かつ感覚的に習得することが可能となる。これにより、言語の文法の時制による違いをこの立体言語学習具を動かしながら明確に認識できるようになり、学習効果の改善を期待することができる。
【0012】
また上記課題を解決するために本発明の立体言語学習具は、
角錐状立体の各側面に、異なる時制が割り当てられた言語表示領域が設けられ、
時制が割り当てられた側面の言語表示領域には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文とが例示されていることを特徴とする。
このように構成すると、上述した角柱状立体の場合に得られる作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0013】
さらに、立体言語学習具が角錐状立体であるので、角錐状立体ないしその側面を矢印に見立てることができ、それによってモデル文を読み進める方向性を示すことも可能となる。
【0014】
また上記課題を解決するために本発明の立体言語学習具は、
円柱状立体の側面に、周方向に沿って異なる時制が割り当てられた複数の言語表示領域が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文とが例示されていることを特徴とする。
【0015】
この立体言語学習具は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
円柱状立体の側面に、周方向に沿って異なる時制が割り当てられた複数の言語表示領域が設けられ、時制が割り当てられた言語表示領域には、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文とが例示されているので、この立体言語学習具を用いて言語を学習する者は、この立体言語学習具を手に取り、立体言語学習具を回転させることで、円柱状立体の側面に割り当てられた言語表示領域の時制およびその時制に対応したモデル文とを見ることができる。
つまり、時制および時制に対応したモデル文の変化を手に取って動かすことができ、これによって、時制およびモデル文の変化を三次元的かつ感覚的に習得することが可能となる。これにより、言語の文法の時制による違いをこの立体言語学習具を動かしながら明確に認識できるようになり、学習効果の改善を期待することができる。
【0016】
さらに、立体言語学習具が円柱状立体であるので、円柱形の物体、例えば筆箱や空き缶、賞状入れや家の柱などの側面に上記の言語表示領域を設けることも可能となる。また、角柱、角錐に比べて側面の角がないためバッグなどに収納がしやすい、コンパクト化に向いている、という効果も得られる。また、厚紙を丸めることで作製することが可能であるので、角柱、角錐に比べて製作しやすいという効果も得られる。
【0017】
また上記課題を解決するために本発明の立体言語学習具は、
円錐状立体の側面に、周方向に沿って異なる時制が割り当てられた複数の言語表示領域が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文とが例示されていることを特徴とする。
このように構成すると、上述した円柱状立体の場合に得られる作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0018】
さらに、立体言語学習具が円錐状立体であるので、円錐状立体ないしその側面を矢印に見立てることができ、それによって文章を読み進める方向性を示すことも可能となる。
【0019】
また上記課題を解決するために本発明の立体言語学習具は、
球状立体の表面に、一方向に沿って異なる時制が割り当てられた複数の言語表示領域が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域には、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文とが例示されていることを特徴とする。
【0020】
この立体言語学習具は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
球状立体の表面には、一方向に沿って異なる時制が割り当てられた複数の言語表示領域が設けられ、時制が割り当てられた言語表示領域には、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文とが例示されているので、この立体言語学習具を用いて言語を学習する者は、この立体言語学習具を手に取り、立体言語学習具を前記一方向に沿って回転させることで、球状立体の表面に割り当てられた言語表示領域の時制およびその時制に対応したモデル文を見ることができる。
つまり、時制および時制に対応したモデル文を手に取って動かすことができ、これによって、時制およびモデル文の変化を三次元的かつ感覚的に習得することが可能となる。これにより、言語の文法の時制による違いをこの立体言語学習具を動かしながら明確に認識できるようになり、学習効果の改善を期待することができる。
【0021】
さらに、立体言語学習具が球状立体であるので、上述した他の立方体に比べて、角部分が全くなく、扱いやすい形状となっている。
【0022】
この立体言語学習具においては、
前記立体の端部に、該立体の軸線回りに回転可能な回転体が設けられ、
この回転体の側面には、前記立体の側面に例示されたモデル文に対応する文型が例示されている構成とすることができる。
このように構成すると、立体の側面に割り当てられたモデル文と文型とをセットにして学習することができる。
【0023】
この立体言語学習具においては、
前記立体の側面にはモデル文として疑問文が例示され、
前記立体の端部には、該立体の軸線方向にスライド可能な、底面が前記立体の底面と同形のスライダが前記立体の端部に対して出没可能に設けられ、
該スライダの側面には、前記疑問文に対する回答例が例示されている構成とすることができる。
このように構成すると、スライダが立体に没している時は回答例を見ることができず、スライダを突出させる(引き出す)ことで回答例を確認することができるので、各側面に例示された、時制に対応した疑問文と、その回答例とを効率的に学習することができる。
【0024】
この立体言語学習具においては、
前記側面のうち少なくとも一つの側面には、該一つの側面に表示された事項を覆って見えなくする閉状態と、開かれることで前記事項を見られるようにする開状態とを選択的に取り得る開閉可能なフラップが設けられ、
該フラップの表面には、前記一つの側面に例示された時制に対応したモデル文に関する解説が表示され、
該フラップの裏面には、前記時制において起こりうる、前記一つの側面に例示された時制に対応したモデル文とは異なるモデル文が例示されている構成とすることができる。
このように構成すると、学習者は、フラップの表面に表示された、モデル文に関する解説を読んだ後、フラップを開くことで、一つの時制において起こりうる二つの相異なるモデル文を一緒に見ることができるので、一つの時制において起こりうる二つの相異なるモデル文を効率的に学習することが可能となる。
【0025】
この立体言語学習具においては、
前記立体言語学習具は、肯定文学習用のものと、否定文学習用のものと、疑問文学習用のものとを備え、
肯定文学習用のものの底面および/または上面には肯定文学習用のものであることを表す表示がなされ、
否定文学習用のものの底面および/または上面には否定文学習用のものであることを表す表示がなされ、
疑問文学習用のものの底面および/または上面には疑問文学習用のものであることを表す表示がなされている構成とすることができる。
このように構成すると、肯定文、否定文、および疑問文を、それぞれ異なる時制に応じて学習することができるとともに、底面および/または上面に付された表示によって、適切な学習具を容易に選択することができる。
【0026】
この立体言語学習具においては、
前記立体言語学習具は、母国語で作成された母国語学習用のものと、当該母国語を翻訳した外国語で作成された外国語学習用のものとを、対として備えている構成とすることができる。
このように構成すると、
まず、母国語で作成された母国語学習用のものを用いて時制の概念やモデル文を、母国語で学習者に理解させた後、母国語学習用のものと当該母国語を翻訳した外国語学習用のものとを、両立体の側面に表示される時制を合わせて並べ、それぞれのモデル文を見比べたりさせることで、時制に応じた、母国語と外国語の基本的な文のつくりを容易に理解させることが可能となる。
【0027】
この立体言語学習具においては、
前記時制が割り当てられた言語表示領域には、前期モデル文として単数形1,2,3人称の主語と、複数形1,2,3人称の主語と、割り当てられた時制を表す、前記単数形の主語に対応する動詞または助動詞または準助動詞と、前記複数形の主語に対応する動詞または助動詞または準助動詞とが、例示されている構成とすることができる。
このように構成すると、単数形と複数形の各人称および時制に対応した動詞または助動詞または準助動詞とを同時に関連付けて学習することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明に係る立体言語学習具の実施の形態を示す図で、(a)は概略斜視図、(b)は展開図。
図2】モデル文の例を示す図。
図3】フラップおよびフラップの表示例を示す図で、(a1)は閉じられたフラップの表示例を示す図、(b1)は(a1)の左側面図、(a2)は開かれたフラップの表示例を示す図、(b2)は(a2)の左側面図。
図4】フラップおよびフラップの表示例を示す図で、(a1)は閉じられたフラップの表示例を示す図、(b1)は(a1)の左側面図、(a2)は開かれたフラップの表示例を示す図、(b2)は(a2)の左側面図。
図5】他の実施の形態を示す概略斜視図。
図6】同実施の形態のフラップおよびフラップの表示例を示す図で、(a)は開かれたフラップの表示例を示す図、(b)は(a)の左側面図。
図7】他の実施の形態を示す図で、(a)は概略斜視図、(b)は展開図。
図8】他の実施の形態を示す概略斜視図。
図9】他の実施の形態を示す概念的な斜視図。
図10】他の実施の形態を示す図で、(a)は概略正面図、(b)は右側面図、(c)は回転体60の展開図。
図11】他の実施の形態を示す図で、(a)は本体の展開図、(b)はスライダ70の展開図、(c)(d)はそれぞれ使用例を示す正面図。
図12】他の実施の形態を示す概略斜視図。
図13】他の実施の形態の使用例を示す正面図。
図14】母国語学習用のもの1Dの各表示領域に表示するモデル文の一例を示す図。
図15】母国語学習用のもの1Dの各表示領域に表示するモデル文の一例を示す図。
図16】母国語学習用のもの1Dの各表示領域に表示するモデル文の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る立体言語学習具の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0030】
図1に示す実施の形態の立体言語学習具1は、
角柱状立体10の各側面11,12,13,14に、異なる時制(図の例では、現在形、過去形、未来形、完了形)が割り当てられた言語表示領域(11,12,13,14)が設けられている。この実施の形態の場合、各側面11,12,13,14自体が、それぞれ言語表示領域を形成している。
時制が割り当てられた言語表示領域(側面)11,12,13,14には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文M1~M4とが例示されている。図示のモデル文M1~M4は少なくとも主語と動詞とを有している
【0031】
この立体言語学習具1は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
【0032】
角柱状立体10の各側面11,12,13,14に、異なる時制が割り当てられ、時制が割り当てられた側面には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文M1~M4とが表示されているので、この立体言語学習具1を用いて言語を学習する者(例えば児童や生徒であり、この立体言語学習具の利用者)は、この立体言語学習具1を手に取り、立体言語学習具1を立方体の長軸回りに(矢印R1またはR2方向に)回転させることで、各側面に割り当てられた時制およびその時制の文法を学習させるためのモデル文M1~M4とを見ることができる。
【0033】
つまり、時制および時制に対応したモデル文M1~M4の変化を手に取って動かすことができ、これによって、時制およびモデル文の変化を三次元的かつ感覚的に習得することが可能となる。これにより、言語の文法の時制による違いをこの立体言語学習具1を動かしながら明確に認識できるようになり、学習効果の改善を期待することができる。
【0034】
具体的には、例えば、図2に示すように、
【0035】
側面11には、モデル文M1の主語として単数形の1,2,3人称である「I」、「You」、「He,She」「It,Ken」「This,That等」と、複数形の1,2,3人称である「We」、「You」、「They」「Ken&Tom」「その他複数の物」とが表示され、割り当てられた時制(現在形)を表す動詞(be動詞の場合)として、前記単数形の主語に対応する動詞「am」、「are」、「is」と、前記複数形の主語に対応する動詞「are」とが、例示されている。なお、この例からも分かるように、本願において「モデル文」は「モデル文の要部」と読み替えることができる。
【0036】
同様に側面12には、モデル文M2の主語として単数形の1,2,3人称である「I」、「You」、「He,She」「It,Ken」「This,That等」と、複数形の1,2,3人称である「We」、「You」、「They」「Ken&Tom」「その他複数の物」とが表示され、割り当てられた時制(過去形)を表す動詞(be動詞の場合)として、前記単数形の主語に対応する動詞「was」、「were」、「was」と、前記複数形の主語に対応する動詞「were」とが、例示されている。
【0037】
同様に側面13には、モデル文M3の主語として単数形の1,2,3人称である「I」、「You」、「He,She」「It,Ken」「This,That等」と、複数形の1,2,3人称である「We」、「You」、「They」「Ken&Tom」「その他複数の物」とが表示され、割り当てられた時制(未来形)を表す準助動詞(be going to の場合)として、前記単数形の主語に対応する準助動詞「am going to」、「are going to」、「is going to」と、前記複数形の主語に対応する準助動詞「are going to」とが、例示されている。
【0038】
同様に側面14には、モデル文M4の主語として単数形の1,2,3人称である「I」、「You」、「He,She」「It,Ken」「This,That等」と、複数形の1,2,3人称である「We」、「You」、「They」「Ken&Tom」「その他複数の物」とが表示され、割り当てられた時制(現在完了形)を表す動詞として、前記単数形の主語に対応する「have+過去分詞」、「has+過去分詞」と、前記複数形の主語に対応する「have+過去分詞」とが、例示されている。
【0039】
このように構成すると、時制が割り当てられた言語表示領域には、主語として単数形の1,2,3人称と、複数形の1,2,3人称とが表示され、割り当てられた時制を表す動詞として、前記単数形の主語に対応する動詞と、前記複数形の主語に対応する動詞とが、例示されているので、前述したように時制および時制に対応した単語の変化を手に取って動かすことができて、時制等の変化を三次元的かつ感覚的に習得することが可能となるとともに、単数形と複数形の各人称および時制に対応した動詞を同時に関連付けて学習することが可能になる。
【0040】
前記側面のうち少なくとも一つの側面には、該一つの側面に表示された事項を覆って見えなくする閉状態と、開かれることで前記事項を見られるようにする開状態とを選択的に取り得る開閉可能なフラップが設けられた構成とすることができる。
この実施の形態では、図1(a)および、図3図4に示すように、未来形の言語表示領域である側面13と、現在完了形の言語表示領域である側面14とに、それぞれ、フラップ13f、14fが設けられている。
【0041】
該フラップ13f、14fの表面13f1、14f1には、フラップが設けられたそれぞれの側面13,14に表示された時制に関するモデル文M3,M4に関する解説C3,C4がそれぞれ表示され、
該フラップの裏面13f2,14f2には、前記時制において起こりうる、前記側面に表示された時制に対応したモデル文M3,M4とは異なるモデル文M3',M4'が例示されている。
【0042】
このように構成すると、学習者は、フラップの表面に表示された時制に関する解説C3(またはC4)を読んだ後、フラップを開くことで、一つの時制において起こりうる二つの相異なるモデル文M3,M3'(またはM4,M4')を一緒に見ることができるので、一つの時制において起こりうる二つの相異なるモデル文を効率的に学習することが可能となる。
【0043】
具体的には、例えば図3(a1)に示すように、未来形の言語表示領域である側面13に設けられたフラップ13fの表面13f1に、フラップ13fが設けられた側面13に表示された時制(未来形)に関する解説C3を表示し、
図(a2)に示すように、該フラップの裏面13f2には、前記時制において起こりうる、前記側面13に表示された時制に関するモデル文M3とは異なるモデル文M3'を例示する。
【0044】
例えばこのように構成すると、学習者は、図(a1)(b1)に示すようにフラップ13fを閉じた状態でフラップ13fの表面13f1に表示された時制に関する解説C3を読んだ後、図(a2)(b2)に示すようにフラップ13fを開いた状態で、一つの時制において起こりうる二つの相異なるモデル文M3,M3'を一緒に見ることができるので、一つの時制において起こりうる二つの相異なるモデル文を効率的に学習することが可能となる。
【0045】
また、現在完了形の言語表示領域である側面14に関しては、具体的には、例えば図4(a1)に示すように、現在完了形の言語表示領域である側面14に設けられたフラップ14fの表面14f1に、フラップ14fが設けられた側面14に表示された時制(現在完了形)に関する解説C4を表示し、
図(a2)に示すように、該フラップの裏面14f2には、前記時制において起こりうる、前記側面14に表示されたモデル文M4とは異なるモデル文M4'を例示する。
【0046】
例えばこのように構成すると、学習者は、図(a1)(b1)に示すようにフラップ14fを閉じた状態でフラップ14fの表面13f1に表示された時制に関する解説C4を読んだ後、図(a2)(b2)に示すようにフラップ14fを開いた状態で、一つの時制において起こりうる二つの相異なるモデル文M4,M4'を一緒に見ることができるので、一つの時制において起こりうる二つの相異なるモデル文を効率的に学習することが可能となる。
【0047】
図5に示す実施の形態の立体言語学習具1は、
角錐状立体20の各側面21,22,23,24に、異なる時制が割り当てられ、
時制が割り当てられた側面21,22,23,24には、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文M1~M4とが例示されている。
例示する内容は、図1に示した実施の形態と同様とすることができる(図2参照)。
【0048】
このように構成すると、上述した角柱状立体20の場合に得られる作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0049】
さらに、立体言語学習具1が角錐状立体であるので、角錐状立体ないしその側面21,22,23,24を矢印に見立てることができ、それによって文章を読み進める方向性を示すことも可能となる。
【0050】
このような角錐状立体20の立体言語学習具1においても、図1に示した実施の形態同様、側面のうち少なくとも一つの側面に、該一つの側面に表示された事項を覆って見えなくする閉状態と、開かれることで前記事項を見られるようにする開状態とを選択的に取り得る開閉可能なフラップが設けられた構成とすることができる。
【0051】
図5に示す実施の形態では、図5および図6に示すように、未来形の言語表示領域である側面23と、現在完了形の言語表示領域である側面24とに、それぞれ、フラップ23f、24fが設けられている。
【0052】
これらフラップ23f、24fの表面23f1、24f1および裏面23f2、24f2に表示する内容は、図1に示した実施の形態と同様にすることができ、図1に示した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0053】
図7に示す実施の形態の立体言語学習具1は、
円柱状立体30の側面35に、周方向に沿って異なる時制が割り当てられた複数の言語表示領域31,32,33,34が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域31,32,33,34には、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文M1~M4とが例示されている。
【0054】
この立体言語学習具1は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
【0055】
円柱状立体30の側面35に、周方向に沿って異なる時制が割り当てられた複数の言語表示領域31,32,33,34が設けられ、時制が割り当てられた言語表示領域31,32,33,34には、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文M1~M4とが例示されているので、この立体言語学習具1を用いて言語を学習する者は、この立体言語学習具1を手に取り、立体言語学習具1を軸線回り(矢印R1,R2方向に)回転させることで、円柱状立体30の側面35に割り当てられた言語表示領域31,32,33,34の時制およびその時制に対応して例示されたモデル文M1~M4とを見ることができる。
【0056】
つまり、時制および時制に対応した単語の変化等、モデル文の変化を手に取って動かすことができ、これによって、時制等の変化を三次元的かつ感覚的に習得することが可能となる。これにより、言語の文法の時制による違いをこの立体言語学習具を動かしながら明確に認識できるようになり、学習効果の改善を期待することができる。
【0057】
さらに、立体言語学習具1が円柱状立体30であるので、円柱形の物体、例えば筆箱や空き缶、賞状入れや家の柱などの側面に上記の言語表示領域を設けることも可能となる。また、角柱、角錐に比べて側面の角がないためバッグなどに収納がしやすい、コンパクト化に向いている、という効果も得られる。また、厚紙を丸めることで作製することが可能であるので、角柱、角錐に比べて製作しやすいという効果も得られる。
【0058】
言語表示領域31,32,33,34に例示する内容は、図1に示した実施の形態と同様とすることができる(図2参照)。
【0059】
図8に示す実施の形態の立体言語学習具1は、
円錐状立体40の側面45に、周方向に沿って異なる時制が割り当てられた複数の言語表示領域41,42,43,44が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域41,42,43,44には、少なくとも、主語と、割り当てられた時制を表す動詞とが、例示されている。
【0060】
このように構成すると、上述した円柱状立体の場合に得られる作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0061】
さらに、立体言語学習具が円錐状立体40であるので、円錐状立体ないしその側面を矢印に見立てることができ、それによって文章を読み進める方向性を示すことも可能となる。
【0062】
図9に示す実施の形態の立体言語学習具1は、
球状立体50の表面55に、一方向に沿って異なる時制が割り当てられた複数の言語表示領域51,52,53,54が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域51,52,53,54には、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文M1~M4とが例示されている。
なお、球状立体には、ラグビーボール形状のような楕円球体(楕円体)も含まれる。
【0063】
この立体言語学習具1は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
球状立体50の表面55には、一方向に沿って異なる時制が割り当てられた複数の言語表示領域51,52,53,54が設けられ、時制が割り当てられた言語表示領域51,52,53,54には、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文M1~M4とが例示されているので、この立体言語学習具1を用いて言語を学習する者は、この立体言語学習具1を手に取り、立体言語学習具1を一方向(例えば矢印R1,R2方向)に沿って回転させることで、球状立体50の表面に割り当てられた言語表示領域51,52,53,54の時制およびその時制に対応して例示されたモデル文M1~M4とを見ることができる。
【0064】
つまり、時制および時制に対応したモデル文の変化を手に取って動かすことができ、これによって、時制等の変化を三次元的かつ感覚的に習得することが可能となる。これにより、言語の文法の時制による違いをこの立体言語学習具を動かしながら明確に認識できるようになり、学習効果の改善を期待することができる。
【0065】
さらに、立体言語学習具が球状立体50であるので、上述した他の立方体に比べて、角部分が全くなく、扱いやすい形状となっている。
【0066】
この立体言語学習具においては、例えば図10に示すように、
立体10の端部に、該立体10の軸線回りに回転可能な回転体60が設けられ、
この回転体60の側面には、前記立体10の側面11,12,13,14に表示されたモデル文M5に対応する文型が例示されている構成とすることができる。
文型としては、第1~第5文型が表示される。側面が一つ不足するので、例えば第5文型については、前述したフラップと同様のフラップ(例えば64f)を回転体60の側面に設けて表示することができる。
【0067】
このように構成すると、立体10の側面11,12,13,14に割り当てられた時制に対応するモデル文と文型とをセットにして学習することができる。
【0068】
なお、図10では立体として角柱状立体10を例にとって説明したが、角錐状立体、円柱状立体、円錐状立体の場合でも、同様の構成を採用することができる。
【0069】
立体の端部に回転体60を回転可能に取り付ける取付構造66は、公知の適宜の構造(例えば、ねじ、リベット、嵌合等)を採用し得る。
なお、各立体や回転体は公知の適宜の材料(例えば、紙、合成樹脂、木材、これらの組み合わせ)で構成することができる。
【0070】
この立体言語学習具においては、例えば図11に示すように、
立体10の側面11,12,13,14には各時制に対応したモデル文として疑問文11b,12b,13b,14bが例示され、
前記立体10の端部には、該立体10の軸線方向(図(c)矢印X方向)にスライド可能な、底面76(図(b)が前記立体の底面16(図(a))と同形のスライダ70が前記立体10の端部に対して出没可能に設けられ、
該スライダ70の側面71,72,73,74には、前記疑問文11b,12b,13b,14bに対する回答例71c、72c、73c、74cが表示されている構成とすることができる。
【0071】
このように構成すると、例えば図(c)に示すようにスライダ70(その回答文71c等)が立体10に没している時は回答例を見ることができず、図(d)に示すようにスライダ70を突出させる(引き出す)ことで回答例を確認することができるので、各側面11,12,13,14に例示された、時制に対応したモデル文としての疑問文11b,12b,13b,14bと、その回答例71c、72c、73c、74cとを効率的に学習することができる。
【0072】
この立体言語学習具においては、例えば図12に示すように、
立体言語学習具は、肯定文学習用のもの1Aと、否定文学習用1Bのものと、疑問文学習用のもの1Cとを備え、
肯定文学習用のもの1Aの底面および/または上面16Aには肯定文学習用のものであることを表す表示(図示のものは「肯定文」)がなされ、
否定文学習用のもの1Bの底面および/または上面16Bには否定文学習用のものであることを表す表示(図示のものは「否定文」)がなされ、
疑問文学習用のもの1Cの底面および/または上面16Cには疑問文学習用のものであることを表す表示(図示のものは「疑問文」)がなされている構成とすることができる。
【0073】
このように構成すると、肯定文、否定文、および疑問文を、それぞれ異なる時制に応じて学習することができるとともに、底面および/または上面に付された表示によって、適切な学習具を容易に選択することができる。なお、この表示は底面、上面のいずれかだけに表示するようにしても良いが、底面、上面の両方に表示することが望ましい。
【0074】
この立体言語学習具においては、例えば図13に示すように、
立体言語学習具は、母国語(例えば日本語)で作成された母国語学習用のもの1Dと、当該母国語を翻訳した外国語(例えば英語)で作成された外国語学習用のもの1Eとを、対として備えている構成とすることができる。
【0075】
このように構成すると、
まず、母国語で作成された母国語学習用のもの1Dを用いて時制の概念やモデル文を、学習者に理解させた後、例えば図13に示すように、母国語で作成された母国語学習用のもの1Dと当該母国語を翻訳した外国語学習用のもの1Eとを、両立体の側面に表示される時制を合わせて並べ、モデル文の主語を比べたり動詞部分を見比べたりさせることで、時制に応じた、外国語と母国語の基本的な文のつくりを容易に理解させることが可能となる。
【0076】
図14は、母国語の例である日本語で作成された母国語学習用のもの1Dの各表示領域(例えば側面11,12,13,14)に表示する肯定文学習用のモデル文の一例を示す図である。
同じく図15は否定文学習用のモデル文の一例を示す図であり、図16は疑問文学習用のモデル文の一例を示す図である。
【0077】
外国語学習用のもの1Eの各表示領域(例えば側面11,12,13,14)に表示するモデル文については、図示しないが、翻訳する外国語の文法に則して当該外国語に翻訳したものをモデル文として用いることができる。
【0078】
以上説明したように、この立体言語学習具によれば次のような作用効果が得られる。
つまり、時制および時制に対応したモデル文や単語の変化を手に取って動かすことができ、これによって、時制等の変化を三次元的かつ感覚的に習得することが可能となる。これにより、言語の文法の時制による違いをこの立体言語学習具1を動かしながら明確に認識できるようになり、学習効果の改善を期待することができる。
【0079】
現在、他国語の文法を教えるとき、単語の順番や文の時制など、基本的に本(教科書)を使って抽象的に教えている。例えば英語を例にとると、時制や語句の変化等を文章だけで教えられても、初めて英語に触れる子供たちにとっては抽象的であり、分かりにくく、覚えにくいものになっている。
現在の教え方は文字や絵、図など2次元的に教えるので、抽象的になるという欠点がある。幼い子供にとって抽象的な概念は理解しにくく、教える側にとっても困難である。また抽象的な文法の決まりごとは、特に特徴がなく、記憶する際にも困難である。
これに対し、本発明は、言語の文法が抽象的になるという欠点を解消するために、3次元的な立体模型を用いることにより、その面を時制で分けたり、言語の順番や単語の変化を手に取って動かすことができるようにし、感覚的に習得できる構造となっている。これにより、言語の文法を物理的な物体を動かしながら明確に違いを認識できるようになる。抽象的な概念がより具体的に表現されることになって、分かりやすく、かつ覚えやすく改善されると考えられる。
【0080】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
例えば、
【0081】
図2図3に示した表示例は、英語によるものであるが、これに限らず、時制を有するあらゆる外国語に適用可能である。
また、表示例はあくまでも一例であって、時制に対応して学習させたい内容に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0082】
1: 立体言語学習具
10: 角柱状立体
11,12,13,14: 各側面(言語表示領域)
M1,M2,M3,M4: モデル文
20: 角錐状立体
21,22,23,24: 各側面
30: 円柱状立体
31,32,33,34: 言語表示領域
35: 側面
40: 円錐状立体
41,42,43,44: 言語表示領域
45: 側面
50: 球状立体
55: 表面
51,52,53,54: 言語表示領域
60: 回転体
70: スライダ
13f、14f、23f、24f: フラップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2021-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角柱状立体の各側面に、異なる時制が割り当てられた言語表示領域が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文とが例示され
前記側面のうち少なくとも一つの側面には、該一つの側面に表示された事項を覆って見えなくする閉状態と、開かれることで前記事項を見られるようにする開状態とを選択的に取り得る開閉可能なフラップが設けられ、
該フラップの表面には、前記一つの側面に例示された時制に対応したモデル文に関する解説が表示され、
該フラップの裏面には、前記時制において起こりうる、前記一つの側面に例示された時制に対応したモデル文とは異なるモデル文が例示されていることを特徴とする立体言語学習具。
【請求項2】
角錐状立体の各側面に、異なる時制が割り当てられた言語表示領域が設けられ、
時制が割り当てられた言語表示領域には、それぞれ、少なくとも、割り当てられた時制と、当該時制の文法を学習させるためのモデル文とが例示され
前記側面のうち少なくとも一つの側面には、該一つの側面に表示された事項を覆って見えなくする閉状態と、開かれることで前記事項を見られるようにする開状態とを選択的に取り得る開閉可能なフラップが設けられ、
該フラップの表面には、前記一つの側面に例示された時制に対応したモデル文に関する解説が表示され、
該フラップの裏面には、前記時制において起こりうる、前記一つの側面に例示された時制に対応したモデル文とは異なるモデル文が例示されていることを特徴とする立体言語学習具。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記立体の端部に、該立体の軸線回りに回転可能な回転体が設けられ、
この回転体の側面には、前記立体の側面に例示されたモデル文に対応する文型が例示されていることを特徴とする立体言語学習具。
【請求項4】
請求項1またはにおいて、
前記立体の側面にはモデル文として疑問文が例示され、
前記立体の端部には、該立体の軸線方向にスライド可能な、底面が前記立体の底面と同形のスライダが前記立体の端部に対して出没可能に設けられ、
該スライダの側面には、前記疑問文に対する回答例が表示されていることを特徴とする立体言語学習具。