(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178300
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】グリル
(51)【国際特許分類】
A47J 37/06 20060101AFI20221125BHJP
F24C 3/08 20060101ALI20221125BHJP
F24C 15/20 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
A47J37/06 366
F24C3/08 K
F24C15/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085018
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【弁理士】
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】吉野 卓己
(72)【発明者】
【氏名】中村 直司
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA02
4B040AB03
4B040CA02
4B040NA06
4B040NA20
(57)【要約】
【課題】アフターバーナを排気ダクト内に容易且つ安定して取り付けできるグリルを提供する。
【解決手段】アフターバーナ50の上面には、第1カバー60が固定される。第1カバー60の開口部69には、アフターバーナ50の炎口面55が下側から挿入される。第1カバー60の右固定部65と左固定部66は、底部材40の一対の固定部42,43に上方から固定される。これにより、アフターバーナ50を容易に排気ダクト4内の底部に固定できる。アフターバーナ50と中央傾斜面411との間には、所定の隙間が形成され、煮汁用通路として機能する。煮汁用通路は、排気ダクト内に侵入した煮汁を、中央傾斜面411に沿ってグリル庫側に通過させる。これにより、グリル装置は、第1カバー60の開口部69を介して炎口面55に煮汁が付着するのを防止できる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を収容するグリル庫と、
前記グリル庫内に設けられ、前記食材を加熱するグリルバーナと、
前記グリル庫の後部に固定され、前記後部から上方に延び、前記グリル庫内からの燃焼排気を上方へ導く排気ダクトと、
前記排気ダクト内の底部に設けられ、炎口部を上方に向けて配置し、前記炎口部に形成される火炎により前記燃焼排気中に含まれる油煙と臭気成分を加熱して減少させるアフターバーナと、
前記アフターバーナを前記排気ダクト内の前記底部に支持する支持部と
を備えたグリルにおいて、
前記排気ダクトは、
前記排気ダクトの前記底部を形成する底部材と、
下部が開口する箱状に形成され、上壁部に前記燃焼排気を外部に排出するグリル排気口を備え、前記グリル庫の前記後部に対向配置する前壁部に前記グリル庫内と連通する排気用開口を備え、開口する前記下部を下方に向けて前記底部材に上方から固定されるダクト本体と
を備え、
前記底部材は、
左右方向の両側に設けられた一対の固定部と、
前記一対の固定部の間に挟まれる中央部において後側から前側に下り傾斜し、前記排気用開口を介して前記グリル庫内に向けて配置される傾斜面と
を備え、
前記支持部は、
前記左右方向に延びる板状で且つ前記アフターバーナの上面に固定され、当該上面に設けられた前記炎口部が下側から挿入される第1開口部を備える第1カバー部と、
前記第1カバー部の左右両側に設けられ、前記一対の固定部に上方から固定される一対の固定端部と
を備え、
前記第1カバー部に固定された前記アフターバーナと前記傾斜面との間には、前記グリル排気口から前記排気ダクト内に侵入した煮汁を前記傾斜面に沿って前記グリル庫側に向けて通過させる所定の隙間が形成されたこと
を特徴とするグリル。
【請求項2】
前記支持部は、
前記左右方向に延びる板状で且つ前記第1カバー部の上面に固定され、当該上面に設けられた前記第1開口部に対応する位置に、前記炎口部を露出させる第2開口部を備える第2カバー部と、
前記第2カバー部の上面に固定され、イグナイタ電極を前記第2開口部に向けて支持する電極支持部材と
をさらに備えたこと
を特徴とする請求項1に記載のグリル。
【請求項3】
前記第2カバー部の上面に固定され、失火を検出するセンサを前記第2開口部に向けて支持するセンサ支持部材を備え、
前記第2カバー部の上面において、
前記電極支持部材は、前記第2開口部の左右両側のうち一方に設けられ、
前記センサ支持部材は、前記第2開口部の前記一方とは反対側の他方に設けられ、
前記電極支持部材及び前記センサ支持部材は、前記ダクト本体の右壁部及び左壁部の夫々の内面と当接する当接部を夫々備えたこと
を特徴とする請求項2に記載のグリル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食材を収容するグリル庫と、グリル庫内の食材を加熱するグリルバーナと、食材から発生した油煙や臭気成分をグリル庫奥部の排気用開口からグリル本体の上方へ導く排気筒と、排気ダクトに配設され且つ前記油煙や臭気成分を加熱焼失するアフターバーナとを備えたグリルが知られている(例えば、特許文献1参照)。グリル庫内の奥部には、グリル庫の底壁から上後方へ略逆L字状に延びるバーナ支持板が設けられ、排気筒は、バーナ支持板の後部から斜め後ろ上方に延びる。バーナ支持板は、グリル庫の底壁から上方へ延びる起立壁と、起立壁の上端から斜め後ろ上方へ延びる傾斜壁とを備え、該傾斜壁の略中央部にアフターバーナが設けられる。傾斜壁の略中央部には開口が設けられ、アフターバーナは、傾斜壁の下面に固定される。アフターバーナの炎口面は開口を介して、排気筒内に向けて露出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排気筒内を流れる燃焼排気をより確実に加熱する為に、アフターバーナを排気筒内に取り付けることが考えられる。その為、アフターバーナを排気筒内に容易且つ安定して取り付けることができるグリルの開発が求められる。
【0005】
本発明の目的は、アフターバーナを排気ダクト内に容易且つ安定して取り付けできるグリルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1のグリルは、食材を収容するグリル庫と、前記グリル庫内に設けられ、前記食材を加熱するグリルバーナと、前記グリル庫の後部に固定され、前記後部から上方に延び、前記グリル庫内からの燃焼排気を上方へ導く排気ダクトと、前記排気ダクト内の底部に設けられ、炎口部を上方に向けて配置し、前記炎口部に形成される火炎により前記燃焼排気中に含まれる油煙と臭気成分を加熱して減少させるアフターバーナと、前記アフターバーナを前記排気ダクト内の前記底部に支持する支持部とを備えたグリルにおいて、前記排気ダクトは、前記排気ダクトの前記底部を形成する底部材と、下部が開口する箱状に形成され、上壁部に前記燃焼排気を外部に排出するグリル排気口を備え、前記グリル庫の前記後部に対向配置する前壁部に前記グリル庫内と連通する排気用開口を備え、開口する前記下部を下方に向けて前記底部材に上方から固定されるダクト本体とを備え、前記底部材は、左右方向の両側に設けられた一対の固定部と、前記一対の固定部の間に挟まれる中央部において後側から前側に下り傾斜し、前記排気用開口を介して前記グリル庫内に向けて配置される傾斜面とを備え、前記支持部は、前記左右方向に延びる板状で且つ前記アフターバーナの上面に固定され、当該上面に設けられた前記炎口部が下側から挿入される第1開口部を備える第1カバー部と、前記第1カバー部の左右両側に設けられ、前記一対の固定部に上方から固定される一対の固定端部とを備え、前記第1カバー部に固定された前記アフターバーナと前記傾斜面との間には、前記グリル排気口から前記排気ダクト内に侵入した煮汁を前記傾斜面に沿って前記グリル庫側に向けて通過させる所定の隙間が形成されたことを特徴とする。
【0007】
請求項2のグリルの前記支持部は、前記左右方向に延びる板状で且つ前記第1カバー部の上面に固定され、当該上面に設けられた前記第1開口部に対応する位置に、前記炎口部を露出させる第2開口部を備える第2カバー部と、前記第2カバー部の上面に固定され、イグナイタ電極を前記第2開口部に向けて支持する電極支持部材とをさらに備えてもよい。
【0008】
請求項3のグリルは、前記第2カバー部の上面に固定され、失火を検出するセンサを前記第2開口部に向けて支持するセンサ支持部材を備え、前記第2カバー部の上面において、前記電極支持部材は、前記第2開口部の左右両側のうち一方に設けられ、前記センサ支持部材は、前記第2開口部の前記一方とは反対側の他方に設けられ、前記電極支持部材及び前記センサ支持部材は、前記ダクト本体の右壁部及び左壁部の夫々の内面と当接する当接部を夫々備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
請求項1のグリルによれば、アフターバーナを第1カバー部の下側から当てて炎口部を第1開口部に挿入させた状態で、底部材の左右一対の固定部に対して、第1カバー部の一対の固定端部を固定する。これにより、アフターバーナを容易に排気ダクト内の底部に容易且つ安定して固定できる。また、アフターバーナを底部材40の傾斜面の上方に支持させることができるので、そのアフターバーナと傾斜面との間に煮汁を通過させる為の所定の隙間を形成できる。
【0010】
請求項2のグリルによれば、イグナイタ電極を支持する電極支持部材が固定される第2カバーを、第1カバーの上面に固定することで、アフターバーナとイグナイタ電極をアセンブリ化できるので、グリル全体としての組立性を向上できる。
【0011】
請求項3のグリルによれば、センサを支持するセンサ支持部材が第2カバーに固定されるので、第1カバーの上面に固定することで、アフターバーナとイグナイタ電極とセンサをアセンブリ化できるので、グリル全体としての組立性をさらに向上できる。そして、電極支持部材及び前記センサ支持部材の夫々の当接部が、ダクト本体の右壁部及び左壁部の夫々の内面と当接するようになっているので、底部材に対してダクト本体を着脱する際の位置決めが容易となり、メンテナンス性も向上できる。また、ダクト本体は、左右一対の当接部により内側から支持されるので、排気ダクト全体の剛性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図8】ダクト本体30の前側を破断した排気ダクト4の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載される装置構成などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明する為に用いられるものである。
【0014】
図1~
図4を参照し、グリル装置1の構成を説明する。グリル装置1は、図示しないコンロの筐体内に取り付けられる。
図1,
図2に示すように、グリル装置1は、グリル庫2、グリル扉3、排気ダクト4等を備える。
【0015】
グリル庫2は略直方体の箱状に形成され、上壁部11、右壁部12、左壁部13(
図2参照)、底壁部14を備える。グリル庫2の前側には、正面視矩形状のグリル開口部(図示略)が設けられる。上壁部11には上火バーナ21が設けられる。上火バーナ21はグリル庫2内に向けて火炎を形成する。右壁部12内面の略中段には、下火バーナ22の右炎口部(図示略)が設けられる。左壁部13内面の略中段には、下火バーナ22の左炎口部24が設けられる。右炎口部と左炎口部24は前後方向に延び、同一高さ位置で互いに対向する。右炎口部と左炎口部24は、グリル庫2内に向けて火炎を形成する。下火バーナ22のガスの取込口221は、グリル庫2の右後方部に設けられる。
【0016】
グリル扉3はグリル庫2前側に設けられ、グリル開口部を開閉する。グリル扉3の背面下部には、支持枠16(
図2参照)が固定される。支持枠16は、焼き網(図示略)と受皿17を着脱可能に支持する。支持枠16は、グリル庫2の底壁部14上面の左右両側に設けられたレール機構(図示略)により前後方向に移動可能に支持される。それ故、グリル扉3は支持枠16と一体して手前側に引き出し可能であり、焼き網と受皿17をグリル庫2外に同時に取り出せる。
【0017】
グリル庫2の後部には、ダクト支持部10(
図1,
図4参照)が設けられる。ダクト支持部10は、一対の延設部10A,10Bを備える。延設部10Aは、右壁部12の後端部の上下方向の略中間部から後方に延びる(
図1参照)。延設部10Bは、左壁部13の後端部の上下方向の略中間部から後方に延びる(
図4参照)。一対の延設部10A,10Bには、排気ダクト4の後述の底部材40が固定される。これにより、ダクト支持部10は、排気ダクト4を下方から支持する。
【0018】
排気ダクト4はグリル庫2の後部に設けられる。排気ダクト4は、グリル庫2の後部から後側で且つ斜め上方に傾斜して延びる略角筒状に形成される。排気ダクト4の内側は、排気ダクト4の前側に位置する後述の排気用開口38(
図3,
図4参照)を介してグリル庫2内と連通する。排気ダクト4の上部には、グリル排気口39が設けられる。グリル排気口39は上方に向けて開口し、平面視左右方向に長い略矩形状に形成される。グリル庫2内からの燃焼排気は排気ダクト4内を上方に流れ、グリル排気口39から外部へ排出される。なお、排気ダクト4の具体的構造については後述する。
【0019】
図2~
図4に示すように、排気ダクト4内において、燃焼排気が流れる方向の上流側であって、排気ダクト4内の下部には、アフターバーナユニット5が設けられる。アフターバーナユニット5は、アフターバーナ50を備える。アフターバーナ50の炎口面55は、排気ダクト4内の下部において、前側から後側にかけて斜め上方に傾斜し、燃焼排気の流れに沿うように配置される。アフターバーナ50は、燃焼排気中に含まれる食材から発生した油煙や臭気成分を加熱して減少させる。なお、アフターバーナユニット5の具体的構造については後述する。
【0020】
アフターバーナユニット5の中央部分の下側には、煮汁用通路200が設けられる。煮汁用通路200は、グリル排気口39から侵入して排気ダクト4内の背面を伝って流れ落ちる煮汁をアフターバーナユニット5の下側を通過させ、グリル庫2内に案内する。なお、煮汁用通路200の構成と機能については後述する。
【0021】
排気ダクト4内において、アフターバーナ50の下流側には、整流板57が設けられる。整流板57は、平面視左右方向に長い略矩形状の金属板である。整流板57は、炎口面55の後端部付近から後側で且つ斜め上方に傾斜して設けられる。整流板57は、炎口面55上を通過する燃焼排気を、上方に位置する後述のフレームトラップ110に向けて案内する。これにより、排気ダクト4は、アフターバーナ50によって減炎減臭された燃焼排気をフレームトラップ110に向けて良好に流すことができる。
【0022】
排気ダクト4内において、アフターバーナユニット5の下流側で、且つ排気ダクト4の高さ方向略中段には、フレームトラップ110が取り付けられる。フレームトラップ110は消炎部材であり、例えばステンレス等からなるラス網等の2枚の多孔板の両端を曲げ加工し、それを上下方向に向かい合わせて直方体の筒状に形成したものである。フレームトラップ110は、前端側より後端側が低くなるように傾斜し、燃焼排気の流れる方向に相対するように取り付けられる。燃焼排気はフレームトラップ110の網を通り抜け、グリル排気口39から外部に排出される。
【0023】
排気ダクト4内において、整流板57とフレームトラップ110の間の上側には、ガイド板58が設けられる。ガイド板58は、前端側から後端側にかけて斜め上方に傾斜し、その後端部は、フレームトラップ110の前端部に配置される。ガイド板58は、グリル庫2内から排気ダクト4の上側を流れる燃焼排気をフレームトラップ110に向けて案内する。
【0024】
図5,
図6を参照し、排気ダクト4の構造を具体的に説明する。排気ダクト4は、ダクト本体30と底部材40を備え、上下方向に互いに組付けられることによって略角筒状に形成される。燃焼排気は、排気ダクト4の前側に設けられた排気用開口38から排気ダクト4内に流入し、排気ダクト4内に沿って斜め上方に流れ、排気ダクト4の後方上部に設けられたグリル排気口39から外部に排出される。
【0025】
図6に示すように、ダクト本体30は、底面側が開口された箱状に形成され、前壁部31、上壁部32、右壁部33、左壁部34、背壁部35、前方突出部36、仕切壁37を備える。前壁部31は、正面視略逆U字状に形成される。上壁部32は、前壁部31の上端部から後側で且つ斜め上方に傾斜して延び、平面視左右方向に長い略矩形状に形成される。上壁部32の上端部は上方に屈曲される。
【0026】
背壁部35は、下端部から上端部に向かって後側に傾斜しながら延び、背面視左右方向に長い略矩形状に形成される(
図4参照)。背壁部35の上端部は上方に屈曲される。上壁部32と背壁部35の間に形成される燃焼排気の通路は、下方から上方に向かうに従って前後方向の幅が狭くなる先細り状に形成される。
【0027】
右壁部33は、前壁部31、上壁部32、背壁部35の夫々の右端部の間を右側方から閉塞するように設けられる。右壁部33は、右側面視上方に向かうに従って前後方向の幅が狭くなる先細り状に形成される。右壁部33の下側の後方角部には、右側方に突出する右固定部331が設けられる。右固定部331の中央には、固定穴332が設けられる。右壁部33の下端部には、上方に向かって円弧状に形成された凹部335が設けられる。凹部335の内側には、アフターバーナ50の後述のガス流入部52が配置される。
【0028】
左壁部34は、前壁部31、上壁部32、背壁部35の夫々の左端部の間を左側方から閉塞するように設けられる。左壁部34は、左側面視上方に向かうに従って前後方向の幅が狭くなる先細り状に形成される。左壁部34の下側の後方角部にも、左側方に突出する左固定部(図示略)が設けられる。左固定部の中央には、固定穴(図示略)が設けられる。上壁部32の上端部、背壁部35の上端部、右壁部33の上端部、左壁部34の上端部に取り囲まれる内側に、矩形状のグリル排気口39が形成される。
【0029】
前方突出部36は、前壁部31の正面視略逆U字状の下端部から前方に突出して設けられ、下半分が切断された略半筒状に形成される。仕切壁37は、前方突出部36の前端部に沿って設けられ、正面視略逆U字状に形成される。仕切壁37は、グリル庫2内と排気ダクト4内とを仕切る壁である。仕切壁37の略逆U字状の下端部の内側には、排気用開口38が形成される。排気用開口38は、正面視左右方向に長い略矩形状に形成される。
【0030】
底部材40は、平面視左右方向に長い略矩形状に形成され、ダクト本体30の開口する底部に下側から閉塞するように固定される。底部材40は、底面部41、右固定部42、左固定部43、垂下部49を備え、排気ダクト4内の下部を形成する。底面部41は、底部材40の左右方向中央部に設けられる。底面部41は、中央傾斜面411、右側傾斜面412、左側傾斜面413を備える。中央傾斜面411は、底面部41の左右方向中央部に設けられ、前端側から後端側に向かって斜め上方に傾斜する。右側傾斜面412は、中央傾斜面411の右端部から右側で且つ斜め上方に傾斜する。左側傾斜面413は、中央傾斜面411の左端部から左側で且つ斜め上方に傾斜する。
【0031】
中央傾斜面411の中央には、開口部(図示略)が設けられ、その開口部を覆うようにして、センサ固定台44が固定される。センサ固定台44は側面視略三角形の箱状に形成され、前側に固定面45を備える。固定面45には、センサ支持部材81がネジ82で正面から固定される。センサ支持部材81は、棒状の温度センサ80を前方に向けて支持する。温度センサ80は前端部に検知部を備え、グリル庫2内の雰囲気温度を検知する。固定面45の中央には、挿入穴(図示略)が設けられる。挿入穴には、温度センサ80の後端側が後方に向けて挿入される(
図4参照)。温度センサ80の後端部に接続された配線801は、センサ固定台44の内側と中央傾斜面411の開口部を介して底部材40の後方に引き出される。また、中央傾斜面411の上面において、センサ固定台44の後方には、煮汁除け部46が設けられる。煮汁除け部46は平面視略V字状に形成され、リブ状に上方に突出する。センサ固定台44は、煮汁除け部46のV字状の内側に配置される。
【0032】
右固定部42は、底面部41の右端部から右側方に延出され、平面視前後方向に長い略矩形状に形成される。右固定部42の右後方角部には固定穴421が設けられ、左端部近傍で且つ前後方向の中央よりも前側には固定穴422が設けられる。右固定部42の上面後端側には、バーナ支持部423が立設される。バーナ支持部423の上端部は円弧状に形成される。左固定部43は、底面部41の左端部から左側方に延出され、平面視前後方向に長い略矩形状に形成される。左固定部43の左端部近傍で且つ前後方向の中央には固定穴431が設けられ、その右側には固定穴432が設けられる。これら右固定部42及び左固定部43が、ダクト支持部10の延設部10A,10Bに夫々ネジで固定されることによって、底部材40がグリル庫2の後部に固定される。
【0033】
図6,
図7を参照し、アフターバーナユニット5の構造を具体的に説明する。
図6に示すように、アフターバーナユニット5は、下から順に、アフターバーナ50、第1カバー60、第2カバー70、電極支持部材101、センサ支持部材201、イグナイタ電極27、失火センサ28等を備える。
【0034】
アフターバーナ50は、取込口51、ガス流入部52、本体部53、炎口面55を備える。取込口51は右方に向けて開口する略円筒状に形成される。取込口51はガスと空気を内側に取り込む。ガス流入部52は、取込口51から左方に延びる略筒状に形成される。ガス流入部52は取込口51から取り込んだガスと空気を本体部53に向けて供給する。本体部53は、平面視左右方向に長い略矩形の板状に形成される。本体部53の上面は、後述の第1カバー60を取り付ける為の取付面である。本体部53の上面において、炎口面55は、ガス流入部52の中心線から前方にずれた位置に設けられる。炎口面55は多数の炎口を備える。
【0035】
本体部53の下面側には、ガス通路部(図示略)が下方に膨出して設けられる。ガス通路部は、ガス流入部52から供給されたガスと空気を混合して拡散しながら炎口面55の各炎口に供給する。本体部53において、炎口面55の右側には固定穴531が設けられる。炎口面55の後側で且つ左右方向中央部には固定穴532が設けられる。炎口面55の左側には固定穴533が設けられる。
【0036】
第1カバー60は、平面視左右方向に長い略矩形枠状に形成される。第1カバー60は、枠部61、上側垂下部62、段部63、下側垂下部64、右固定部65、左固定部66を備える。枠部61は、平面視左右方向に長い略矩形枠状に形成され、その中央部には、平面視略左右方向に長い略矩形状の開口部69が設けられる。開口部69は、アフターバーナ50の炎口面55を内側に配置可能な大きさを有する。開口部69の後側で且つ左右方向中央よりも右側には、固定穴611が設けられる。開口部69の右側には、固定穴612が設けられる。開口部69の左側には、固定穴613が設けられる。枠部61の右前角部近傍には、係止穴67が設けられ、枠部61の左前角部近傍には、係止穴68が設けられる。
【0037】
上側垂下部62は、枠部61の前端部から下方に垂下し、正面視左右方向に長い略矩形状に形成される。上側垂下部62の左右方向中央部には、開口(図示略)が設けられる。開口は、底部材40のセンサ固定台44の固定面45から前方に突出する温度センサ80の先端部を挿通させる。段部63は、上側垂下部62の下端部から前方に突出して設けられ、平面視左右方向に長い略矩形状に形成される。段部63の左右方向中央部には、センサ配置部631が設けられる。センサ配置部631は正面視略U字状に形成された凹部であり、その底面は段部63よりも低い位置に設けられる。
【0038】
センサ配置部631には、箱状のセンサカバー85が配置される。センサカバー85は、上側垂下部62の開口(図示略)から前方に突出する温度センサ80の先端部の周囲を覆う。センサカバー85の左側部には、左方に延びる被固定部86が設けられる。被固定部86は、上側垂下部62の前面にネジ87で前方から固定される。これにより、センサカバー85は、センサ配置部631に配置された状態で上側垂下部62の前面に固定される。下側垂下部64は、段部63の前端部から下方に垂下し、正面視左右方向に長い略矩形状に形成される。
【0039】
右固定部65は、枠部61の右端部の後部から右側方に突出して設けられ、その中央には固定穴651が設けられる。左固定部66は、枠部61の左端部の後部から左側方に突出して設けられ、その中央には固定穴661が設けられる。
【0040】
第2カバー70も、第1カバー60と同様に平面視左右方向に長い略矩形枠状に形成される。第2カバー70の中央部には、平面視略左右方向に長い略矩形状の開口部71が設けられる。開口部71は、第1カバー60の開口部69と同様の大きさを有する。開口部71の右側には、固定穴72が設けられる。開口部71の左側には、固定穴73が設けられる。開口部71の後側には、丸穴74が設けられる。第2カバー70の右前角部近傍には、係止穴77が設けられ、左前角部近傍には、係止穴78が設けられる。
【0041】
電極支持部材101は、正面視開口する側を下方に向けた略コの字状に形成され、上面部102、右面部103、左面部104、固定部105、延設部106を備える。上面部102は前後方向に延び、その上面には、イグナイタ電極27がその先端側を左方に向けた状態で固定される。右面部103は上面部102の右端部から垂下する。右面部103の下端部には円弧部103Aが設けられる。円弧部103Aは上方に向けて略円弧状に湾曲する。左面部104は上面部102の左端部から垂下する。左面部104の下端部の前側には、係止片107が下方に突出して設けられる。固定部105は左面部104の下端部から左方に突出し、平面視略矩形状に形成される。固定部105の前端側には固定穴108が設けられる。延設部106は固定部105の左端部の後側から左方に延設される。延設部106の左端部には、電極対向部109が前方に突出して設けられる。電極対向部109は、イグナイタ電極27の先端部と所定ギャップを介して対向する。上記構成の電極支持部材101は、イグナイタ電極27を支持する。
【0042】
センサ支持部材201も、電極支持部材101と同様に、正面視開口する側を下方に向けた略コの字状に形成され、上面部202、右面部203、左面部204、固定部205を備える。上面部202は前後方向に延び、その上面には、失火センサ28がその先端側を右方に向けた状態で固定される。右面部203は上面部202の右端部から垂下する。固定部205は右面部203の下端部から右方に突出し、平面視略矩形状に形成される。固定部205の前端部の左側部分には、係止片207が下方に突出して設けられる。固定部205の前端側には固定穴208が設けられる。左面部204は上面部202の左端部から垂下する。上記構成のセンサ支持部材201は、失火センサ28を支持する。
【0043】
図6を参照し、アフターバーナユニット5の組み立て方法の一例を説明する。組付け作業者は、アフターバーナ50を、炎口面55を上に向けた状態で配置する。アフターバーナ50の上面に対して、第1カバー60を位置決めして配置する。このとき、第1カバー60の開口部69の内側に炎口面55を配置する。そして、ネジ99を、第1カバー60の固定穴611、アフターバーナ50の固定穴532に挿入し、反対側からナット(図示略)で固定する。これにより、アフターバーナ50の上面に第1カバー60が固定される。次いで、第1カバー60の上面に対して、第2カバー70を位置決めして配置する。このとき、第2カバー70の開口部71の内側に、第1カバー60の開口部69を介して炎口面55を配置する。さらに、第2カバー70の丸穴74の内側に、第1カバー60の上面に締結されたネジ99の頭部を配置する(
図7参照)。係止穴77,78は、第1カバー60の係止穴67,68の夫々の直上に配置される。
【0044】
次いで、第2カバー70の上面右側に電極支持部材101を配置する。このとき、電極支持部材101の係止片107を、第2カバー70の右側の係止穴77に上方から挿入する。係止片107は、第1カバー60の右側の係止穴67まで挿入される。さらに、固定穴108を、第2カバー70の固定穴73の直上に配置する。これにより、第2カバー70の上面右側に電極支持部材101が位置決めされる。イグナイタ電極27の先端部と電極対向部109は、炎口面55側に配置される。
【0045】
次いで、第2カバー70の上面左側にセンサ支持部材201を位置決めして配置する。このとき、センサ支持部材201の係止片207を、第2カバー70の左側の係止穴78に上方から挿入する。係止片207は、第1カバー60の左側の係止穴68まで挿入される。さらに、固定穴208を、第2カバー70の固定穴73の直上に配置する。これにより、第2カバー70の上面右側にセンサ支持部材201が位置決めされる。失火センサ28の先端部は、炎口面55側に配置される。
【0046】
最後に、アフターバーナ50の上面に、第1カバー60、第2カバー70、電極支持部材101及びセンサ支持部材201が積み重ねられた状態で、ネジ93を、電極支持部材101の固定穴108、第2カバー70の固定穴72、第1カバー60の固定穴612、アフターバーナ50の固定穴531に挿入し、反対側からナット(図示略)で固定する。そして、ネジ94を、センサ支持部材201の固定穴208、第2カバー70の固定穴73,第1カバー60の固定穴613、アフターバーナ50の固定穴533に挿入し、反対側からナット(図示略)で固定する。電極支持部材101の右面部103の円弧部103Aは、アフターバーナ50のガス流入部52の外周面に沿って配置される。これにより、
図7に示すように、アフターバーナユニット5が一体して組み立てられる。
【0047】
このように、本実施形態のグリル装置1は、アフターバーナ50に対して、第1カバー60,第2カバー70,電極支持部材101、及びセンサ支持部材201を固定して一つのアフターバーナユニット5とすることで、アフターバーナ50、イグナイタ電極27、及び失火センサ28をアセンブリ化できる。これにより、グリル装置1全体としての組立性を向上できる。
【0048】
図6,
図7を参照し、排気ダクト4内へのアフターバーナユニット5の組付け方法の一例を説明する。
図7に示すアフターバーナユニット5を、
図6に示す底部材40に上方から配置する。このとき、アフターバーナ50の取込口51を、右固定部42に設けられたバーナ支持部423の円弧状の上端部に配置する。さらに、第1カバー60の右固定部65と左固定部66を、底部材40の右固定部42と左固定部43に夫々位置決めして配置する。このとき、底部材40上にアフターバーナユニット5が位置決めされた状態で、ネジ95を、第1カバー60の右固定部65の固定穴651、底部材40の右固定部42の固定穴422に挿入し、反対側からナット(図示略)で固定する。ネジ96を、第1カバー60の左固定部66の固定穴661、底部材40の左固定部43の固定穴432に挿入し、反対側からナット(図示略)で固定する。これにより、アフターバーナユニット5は、底部材40の右固定部42と左固定部43の間に掛け渡されるように固定される。左右方向に長いアフターバーナユニット5の左右両端部が右固定部42と左固定部43に固定されるので、アフターバーナユニット5は、底部材40に対して安定して支持される。
【0049】
そして、アフターバーナユニット5の下面と、底部材40の底面部41の中央傾斜面411との間には、煮汁用通路200としての所定の隙間が形成されるので、排気ダクト4内においてアフターバーナユニット5を安定して支持できると共に、煮汁用通路200を容易に形成できる。
【0050】
次いで、アフターバーナユニット5が固定された底部材40に対して、ダクト本体30を上方から被せるようにして配置する。ここで、アフターバーナユニット5の電極支持部材101の右面部103の右面と、センサ支持部材201の左面部204の左面との間の距離は、ダクト本体30の右壁部33の内面(左面)と、左壁部34の内面(右面)との間の距離と略同一になっている。よって、作業者は、電極支持部材101の右面部103の右面と、センサ支持部材201の左面部204の左面に対して、ダクト本体30の右壁部33の内面と、左壁部34の内面を沿わせるようにして下方に移動する。これにより、ダクト本体30は、底部材40の所定位置に向けて自動的にガイドされる。ダクト本体30の右固定部331と左固定部(図示略)は、底部材40の右固定部42と左固定部43に精度良く位置決めされる。このとき、アフターバーナ50のガス流入部52の外周面に対して、ダクト本体30の右壁部33の凹部335が配置される。
【0051】
底部材40にダクト本体30が位置決めされた状態で、ネジ91を、ダクト本体30の右固定部331の固定穴332、底部材40の右固定部42の固定穴421に挿入し、反対側からナット(図示略)で固定する。ネジ92を、ダクト本体30の左固定部の固定穴(図示略)、底部材40の左固定部43の固定穴431に挿入し、反対側からナット(図示略)で固定する。これにより、底部材40に対してダクト本体30が固定され、内側にアフターバーナユニット5が組付けられた状態で、排気ダクト4が構成される。
【0052】
そして、
図8に示すように、ダクト本体30の右壁部33の内面(左面)は、電極支持部材101の右面部103の右面と接触し、左壁部34の内面(右面)も、センサ支持部材201の左面部204の左面と接触する。これにより、ダクト本体30は内側から、電極支持部材101及びセンサ支持部材201によって安定して支持されることから、排気ダクト4全体の剛性を向上できる。
【0053】
図4を参照し、煮汁用通路200の構造と機能を説明する。アフターバーナ50の下側と、底面部41の中央傾斜面411(
図6参照)との間には、上下方向に離間する隙間が設けられる。さらに、排気ダクト4の底部材40の垂下部49の前面と、アフターバーナユニット5の第1カバー60の下側垂下部64の背面との間には、前後方向に離間する隙間が設けられる。これらの隙間が互いに連通することにより、煮汁用通路200が形成される。煮汁用通路200の出口210は、垂下部49の下端部と、下側垂下部64の下端部との間に形成され、下方に向かって開口する。出口210は、グリル庫2内の後部で且つ下火バーナ22の左炎口部24よりも下方に配置される。
【0054】
このような排気ダクト4において、グリル排気口39から排気ダクト4内に侵入し、背壁部35を流れ落ちる煮汁は煮汁用通路200に沿って流れる。そして、中央傾斜面411(
図6参照)において、煮汁は、煮汁除け部46によりセンサ固定台44を除けるように左右両側に案内され、そのまま流れ落ちる。これにより、センサ固定台44に固定される温度センサ80に煮汁がかかるのを防止できる。このようにして、煮汁が煮汁用通路200に沿って流れることにより、グリル装置1は、煮汁をアフターバーナ50の炎口面55に接触させることなく、グリル庫2内へ流すことができる。よって、アフターバーナ50の炎口面55における炎口の詰まり及び腐食等に対する耐久性を向上できる。さらに、煮汁用通路200の出口210は、下火バーナ22の右炎口部及び左炎口部24の高さよりも低いので、出口210から流れ落ちた煮汁が下火バーナ22の右炎口部及び左炎口部24に付着するのを防止できる。
【0055】
また、出口210は、グリル庫2内に収容された受皿17の後部の上方に位置する。これにより、グリル装置1は、出口210から落ちる煮汁を受皿17で受けることができる。よって、グリル庫2の底壁部14が煮汁で汚れるのを防止できる。また、使用者は、受皿17をグリル庫2内から取り出すだけで、受皿17に落ちた煮汁を回収できるので、グリル庫2内の清掃の手間を省くことができる。
【0056】
上記説明において、グリル装置1は、本発明の「グリル」の一例である。電極支持部材101の右面部103、センサ支持部材201の左面部204は、本発明の「当接部」の一例である。第1カバー60の開口部69は、本発明の「第1開口部」の一例である。第2カバー70の開口部71は、本発明の「第2開口部」の一例である。底部材40の中央傾斜面411は、本発明の「傾斜面」の一例である。第1カバー60の右固定部65と左固定部66は、本発明の「一対の固定端部」の一例である。
【0057】
以上説明したように、本実施形態のグリル装置1は、グリル庫2、上火バーナ21、下火バーナ22、排気ダクト4、アフターバーナ50を備える。上火バーナ21と下火バーナ22はグリル庫2内に設けられる。排気ダクト4は、グリル庫2の後部から上方に延び、食材から発生した燃焼排気を上方へ導く。アフターバーナ50は、排気ダクト4内の底部側で炎口面55を上方に向けて配置される。グリル庫2の後部には、ダクト支持部10が設けられる。排気ダクト4は、底部材40とダクト本体30を備える。底部材40はダクト支持部10に支持され、排気ダクト4の底部を形成する。ダクト本体30は底面部が開口する箱状に形成され、上壁部32にグリル排気口39を備える。ダクト本体30の前壁部31には排気用開口38が設けられる。前壁部31はグリル庫2の後部に対向配置する。排気用開口38はグリル庫2内と連通する。ダクト本体30は、開口する底面部側を下方に向けて底部材40に上方から固定される。
【0058】
底部材40は、右固定部42、左固定部43、中央傾斜面411を備える。右固定部42と左固定部43は、底部材40の左右両側に設けられる。中央傾斜面411は、右固定部42と左固定部43の間に挟まれる中央部において後側から前側に下り傾斜し、排気用開口38を介してグリル庫2内に向けて配置される。アフターバーナ50の上面には、第1カバー60が固定される。第1カバー60は、左右方向に延びる板状であり、開口部69を備える。開口部69には、アフターバーナ50の炎口面55が下側から挿入される。アフターバーナ50に固定された第1カバー60の右固定部65と左固定部66は、底部材40の右固定部42と左固定部43に上方から固定される。これにより、アフターバーナ50を容易に排気ダクト4内の底部に固定できる。
【0059】
そして、アフターバーナ50と中央傾斜面411との間には、煮汁用通路200が形成される。煮汁用通路200は所定の隙間であって、グリル排気口39から排気ダクト4内に侵入した煮汁を、中央傾斜面411に沿ってグリル庫2側に通過させる。これにより、グリル装置1は、第1カバー60の開口部69を介して炎口面55に煮汁が付着するのを防止できる。
【0060】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態のグリル装置1は、コンロの筐体内に設置されるものであるが、それ単体のグリル装置であってもよい。グリル装置1は、本発明の「グリルバーナ」としての上火バーナ21と下火バーナ22を備えるが、上火バーナ21及び下火バーナ22の何れか一方のみを備えていてもよい。排気ダクト4内において、整流板57、フレームトラップ110は省略してもよい。
【0061】
上記実施形態では、底部材40の右固定部42と左固定部43に対して、アフターバーナユニット5の第1カバー60の右固定部65と左固定部66を固定するが、例えば、アフターバーナ50の左右両端部に右固定部と左固定部を設け、それらを底部材40の右固定部42と左固定部43に固定してもよい。また、第2カバー70の左右両端部に右固定部と左固定部を設け、それらを底部材40の右固定部42と左固定部43に固定してもよい。
【0062】
上記実施形態のアフターバーナユニット5は、アフターバーナ50、イグナイタ電極27、及び失火センサ28をアセンブリ化するが、イグナイタ電極27及び失火センサ28を夫々別体として、アフターバーナ50に順次固定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 グリル装置
2 グリル庫
4 排気ダクト
10 ダクト支持部
21 上火バーナ
22 下火バーナ
27 イグナイタ電極
28 失火センサ
30 ダクト本体
31 前板部
32 上板部
33 右板部
34 左板部
38 排気用開口
39 グリル排気口
40 底部材
41 底面部
42 右固定部
43 左固定部
50 アフターバーナ
55 炎口面
60 第1カバー
65 右固定部
66 左固定部
69 開口部
70 第2カバー
71 開口部
101 電極支持部材
103 右面部
200 煮汁用通路
201 センサ支持部材
204 左面部
411 中央傾斜面