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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178355
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】キー摩耗検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 13/022 20190101AFI20221125BHJP
【FI】
G01M13/022
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085103
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山盛 拓人
(72)【発明者】
【氏名】大橋 勉
【テーマコード(参考)】
2G024
【Fターム(参考)】
2G024AB12
2G024BA21
2G024CA12
2G024DA06
2G024DA09
2G024FA02
2G024FA06
2G024FA14
(57)【要約】
【課題】動力伝達装置の運転中に動力伝達系統のキーの摩耗の度合を検知可能にしたキー摩耗検出装置を提供する。
【解決手段】キー摩耗検出装置は、サーボモータ2の回転軸と駆動プーリとをキー部材により機械的に連結する。キー部材は、回転軸に形成される第1溝に一端が嵌合し、駆動プーリの内周壁に形成される第2溝に他端が嵌合する。正転、逆転、停止を繰り返すサーボモータ2に作用する負荷をサーボドライバ51が検出し、この検出した負荷信号をプログラマブルロジックコントローラPLC52を経由してパーソナルコンピュータPC53に出力し、PC53が検出トルク値を演算し処理し判定する。PC53は、入力した検出トルク値を検出し、検出トルク値が基準値を超えているか否かを判別し、検出トルク値が基準値を超えているとき、摩耗が異常であると判別し、異常摩耗であることを発報表示する。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動モータ(2)の回転軸(3)と、
前記回転軸と同期して回転する回転体(10)と、
前記回転体に負荷をかける負荷手段(20)と、
前記回転軸に形成される第1溝(5)に一端(31)が嵌合し、前記回転体に形成される第2溝(12)に他端(32)が嵌合するキー部材(30)と、
前記駆動モータの出力するするトルク値を検出するトルク検出手段(51)と、
前記トルク検出手段の検出した検出トルク値に基づいてキー摩耗の程度を判定するキー摩耗判定手段(53)と、を備えるキー摩耗検出装置。
【請求項2】
前記キー部材は、前記一端が、前記回転軸の外周壁(4)に形成される前記第1溝に嵌合し、前記他端が、前記回転体の内周壁(11)に形成される前記第2溝に嵌合する請求項1に記載のキー摩耗検出装置。
【請求項3】
前記負荷手段は、歯車装置である請求項1または2に記載のキー摩耗検出装置。
【請求項4】
前記負荷手段は、カム装置である請求項1または2に記載のキー摩耗検出装置。
【請求項5】
前記負荷手段は、ベルト伝動装置である請求項1または2に記載のキー摩耗検出装置。製造装置。
【請求項6】
前記キー摩耗判定手段は、検出トルク値のピーク値と基準値とを比較し、前記ピーク値が前記基準値を上回るときキー摩耗と判定することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のキー摩耗検出装置。
【請求項7】
前記キー摩耗判定手段は、前記駆動モータの正転、停止、逆転、停止の1サイクルにおける検出トルク値の推移に基づいて、検出トルク値のピーク値と基準値とを比較し、前記ピーク値が前記基準値を上回るときキー摩耗と判定することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のキー摩耗検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸と回転体との連結部に用いるキーの摩耗を検出するキー摩耗検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の動力伝達装置では、ベルトや歯車などの回転体と、この回転体に動力を伝達する回転軸との連結部に機械要素としてキーを用いることが知られている。
キーは、駆動側の回転軸の外壁に形成される溝と、従動側の回転体に形成される溝の両方の溝に嵌合し、周方向のすべりを抑止し、駆動側の回転軸の回転力を従動側に確実に伝達する役割がある。
【0003】
しかしながら、このキーは機械的摩耗により要素の交換を必要とする。この摩耗の程度を動力伝達装置の運転中に外観から点検し目視により確認することはできない。
このため、動力伝達装置の運転中、停止を必要とする時期やタイミングを目視で認知することは困難であった。
【0004】
駆動モータの正転、逆転の繰り返しにより連結部のキーは機械的に摩耗する。このキー構造を用いた機械又は設備では、経年変化によりキーの摩耗度合が大きくなった時に部品交換のため動力伝達装置を停止する必要があった。
【0005】
特許文献1の装置は、動力装置の運転中にキーの摩耗量を検出することを目的とするものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-172668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、キーの摩耗の有無及び摩耗量を検知しようとすると、動力伝達装置の設備を停止し、キーの摩耗量を点検し調査するしかなかった。そのため、設備停止に伴う長時間の作業停止を要することにより設備稼働率の低下を招いた。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、動力伝達装置の運転中に、設備を停止することなく、動力伝達系統のキーの摩耗の度合を検知可能にしたキー摩耗検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のキー摩耗検出装置は、駆動モータ(2)の回転軸(3)と、前記回転軸と同期して回転する回転体(10)と、前記回転体に負荷をかける負荷手段(20)と、前記回転軸に形成される第1溝(5)に一端(31)が嵌合し、前記回転体に形成される第2溝(12)に他端(32)が嵌合するキー部材(30)と、前記駆動モータの出力するするトルク値を検出するトルク検出手段(51)と、前記トルク検出手段の検出した検出トルク値に基づいてキー摩耗の程度を判定するキー摩耗判定手段(53)と、を備える構成を採用する。
【0010】
前記キー部材は、例えば、前記一端が、前記回転軸の外周壁(4)に形成される前記第1溝に嵌合し、前記他端が、前記回転体の内周壁(11)に形成される前記第2溝に嵌合する。
前記負荷手段は、歯車装置、カム装置、ベルト伝動装置のいずれか一つの手段を採用してもよい。また負荷手段は、これらの装置に限られるものでもない。
【0011】
一般に、歯車装置、カム装置、ベルト伝動装置などの動力伝達装置を稼働する場合、駆動モータの回転軸と回転体とを機械的に連結するキー部材は、動力伝達のオンオフを繰り返す度に機械的結合する箇所で摩耗量が増大する。
【0012】
この摩耗量の大きさの程度の結果は、トルク検出手段の検出トルク値に基づいてキー摩耗量判定手段が信号を出力する。
キー摩耗量判定手段の出力結果に基づいて、操作者はキー部材の摩耗の程度を知ることができる。
【0013】
したがって、操作者は、キー部材の摩耗の程度について、動力伝達装置を備えた機械設備を運転しながら、摩耗検知することができる。キー部材の摩耗の程度についてキー部材の所在する現地の現場で調査をしなくてもキー部材の現実の物理的な摩耗の程度を知り得るため、操作者は、このキー摩耗判定手段の結果に基づいてキー部材の交換の要不要を判定することができる。
【0014】
このため、機械設備が故障する前にキー部材を交換することによって、故障回数を減らし、運転する設備又は機械の稼働率の低下を防止することができる。設備や機械の運転を停止せずとも運転しながら摩耗検知をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一実施形態の斜視図。
図2】本発明の第一実施形態の模式的断面図。
図3】本発明の第一実施形態による装置の実験データを示す図であって、キー摩耗量、検出トルク値、モータ動作の関係を示す特性図。
図4図3との関係において動作状態と動作イメージを示す模式図。
図5】本発明の第一実施形態による装置の実験データを示す図であって、キー摩耗量と検出トルク値の関係を示す特性図。
図6】本発明の第一実施形態による装置の検出トルク値とキー部材、回転軸、回転体の位置関係の相違における想定事象説明図。
図7】本発明の第一実施形態による装置のブロック図。
図8】本発明の第一実施形態による装置のフローチャート。
図9】キー部材の摩耗量の経時変化を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第一実施形態)
【0017】
第一実施形態は、本発明のキー摩耗検出装置をベルト伝動装置に適用したものである。
図1は本発明を適用したキー摩耗検出装置の機械部分を示す。このキー摩耗検出装置は、ベルト伝動装置の駆動プーリと駆動モータの回転軸を連結するキー構造に適用した実施形態を示す。
【0018】
図1に示すように、フレーム1に取り付けられた駆動モータとしてのサーボモータ2の回転軸3と回転体としての駆動プーリ10がキー構造により連結されている。駆動プーリ10に巻き掛けられるベルト20は、ベンドプーリ41、42を経由して図示しないテールプーリに巻き掛けられる。このベルト20の駆動によって図示しない従動プーリ側に負荷手段としての例えば送り機構が設けられる。この送り機構の動作によって例えば図示しないパレットの搬出と搬入が行われる。
【0019】
図1及び図2に示すように、サーボモータ2の回転軸3の外周壁4にキー溝としての第1溝5が形成される。回転体としての駆動プーリ10は内周壁11にキー溝としての第2溝12が形成される。棒状のキー部材30の一端31は第1溝5に嵌合し、他端32は第2溝12に嵌合する。これにより、回転軸3と駆動プーリ10とが機械的に連結され、原動側の回転軸3のトルクは従動側の駆動プーリ10に伝達される。回転軸3は、正転、逆転のいずれの方向にも回転する。
【0020】
サーボモータ2は、正転、逆転、停止のいずれかの各動作を行う。図7に示すように、運転時、パーソナルコンピュータ(PC)53の指令により制御装置としてのプログラマブルロジックコントローラ(PLC)52からサーボドライバ51に指示し、サーボドライバ51の駆動信号をサーボモータ2に出力する。
【0021】
サーボドライバ51は、PLC52からの指令に追従し、サーボモータ2の出力トルク、回転速度、及び位置を制御する。PLC52は、サーボモータ2へベルト位置の目標値を出力する。このPLC52からの目標値を受ける図示しないサーボアンプは、サーボモータ2が目標値どおりに動くために必要な出力(電力)を供給する。図示しないエンコーダが実際のサーボモータ2の回転位置や速度を検出し、その電気信号をサーボアンプにフィードバック信号を返す。エンコーダがサーボモータ2からの信号を摂取し、それをサーボアンプ側に戻す。そして、PLC52の出力した目標値とフィードバック信号を比較して、その誤差がゼロに近づくように、サーボモータ2の出力を制御する。
【0022】
これにより、サーボモータ2の回転軸3と一体となって駆動プーリ10が所望の作動をする。回転軸3の正転、逆転、又は停止時に同期して駆動プーリ10が正転、逆転、又は停止する。
【0023】
ベルト伝動装置は、回転軸3と駆動プーリ10とを機械的に連結するキー部材30が、材料の劣化、部品の劣化、摩擦力の発生等により、機械的に摩耗する。
図9は、キー摩耗の仕方が異なる程度を示す、複数のキーの形状を示す模式図である。
【0024】
例えば図9にキー部材の摩耗量δを示すように、時間が経過するに従い、(A)、(B)、(C)の順に、摩耗によりキー部材30の形状が変化する。初期(A)の摩耗なしの状態から、使用時間が増大するにしたがい摩耗量δの増大が進行する。
【0025】
さらに摩耗量が増大する中間期(B)の摩耗量δ1を経て、放置すると、故障したときには、最終期(C)の摩耗量δ2(>δ1)になって運転を停止する。
【0026】
この摩耗量δの変化は、サーボモータ2の駆動力の反作用による負荷の値に影響を与える。負荷は、図1に示すベルト20から駆動プーリ10、キー部材30を経て、サーボモータ2の回転軸3に作用する。
【0027】
図7に示すように、サーボモータ2に作用する負荷をサーボドライバ51が検出し、この検出した負荷信号をPLC52を経由してPC53に出力し、PC53が検出トルク値を演算し処理し判定する。
【0028】
図8に示すように、PC53は、入力した検出トルク値を検出し(ステップS55)、検出トルク値が基準値を超えているか否かを判別し(ステップS56)、検出トルク値が基準値を超えているとき、摩耗が異常摩耗値であると判別し、異常摩耗であることを発報表示する(ステップS57)。検出トルク値が基準値を超えていないときは、前の処理に戻る。
【0029】
このようにして、サーボモータ2に作用する負荷に基づいてトルク値を分析し、操作者にキー部材30の摩耗の異常を告知する。
(実験1)
【0030】
実験1は、キー部材の摩耗量を一つの要素として変化するサーボモータにかかる負荷について、動作期間:2秒、この動作期間における検出トルク値の出力の推移を比較した。
サーボモータのトルク実験結果について1サイクルの生波形を図3に示す。図3は、キー摩耗量の異なる各実験例1から4について、検出トルク値の推移を示す。
【0031】
実験条件は、実験例1から実験例4について、負荷60kg、ベルト張力320Nを共通にした。実験例1から実験例4について、キー部材の摩耗量δ(mm)を変数とした。
実験例1:摩耗量δ=0、
実験例2:摩耗量δ=0.1、
実験例3:摩耗量δ=0.2、
実験例4:摩耗量δ=0.5、とした。
【0032】
実験例1から実験例4について、停止、正転、停止、逆転を2秒間で行うことを1サイクルとした。
【0033】
検出トルク値について、停止期間A、正転期間B、停止期間C、逆転期間Dに区分し、分析した。検出トルク値の波形は、図3に示すとおりである。
各実験例について、動作期間2秒における回転軸と回転体と駆動プーリの回転位置のイメージは図4に示すとおりである。
【0034】
図4に示すA、B、C、及びDは、図3に示す停止期間A、正転期間B、停止期間C、逆転期間Dの期間中における動作状態の一瞬間イメージを示している。
(実験2)
【0035】
実験2は、実験1で行った実験データに基づいて検出トルクのピーク値を対比した。
図5は、図3に示すグラフを実験例毎に抜き出した実験データを示す。
【0036】
サーボモータの正転時、検出トルク値のピークを実験例1から実験例4について、順に、山(正)のピーク35、36、37、38とする。
サーボモータの逆転時、検出トルク値のピークを実験例1から実験例4について、順に、谷(負)のピーク55、56、57、58とする。
【0037】
これらのピーク値がそれぞれ山又は谷の基準値を上回るか下回るかによって正常、異常を判別した。
分析の結果、実験例1から実験例4を対比すると、キー摩耗量の増加に伴い正転、逆転共に回転時の加速途中の山又は谷(正又は負)のピークが増加する。
【0038】
このとき、正転時、逆転時ともに、回転軸と駆動プーリとの間でスリップした時にトルクのピークが発生することが判る。
正転時スリップしたとき、符号35、36、37、38で示すトルクの山のピーク値、でスリップが発生し、逆転時スリップしたとき、符号55、56、57、58で示す谷のトルクのピーク値でスリップが発生する。
【0039】
想定事象を模式図で示すと、図6に示すとおりである。検出トルク値が最大静止摩擦力に相当するトルクを超えたときスリップを生じる。
図6において、Aは一体回転するとき、Bは検出トルク値が最大静止摩擦力に相当するトルク値以下のとき、Cは検出トルク値が最大静止摩擦力に相当するトルクを超えたスリップ発生のとき、Dはキー部材の嵌合維持により一体回転しているときの、回転軸、キー部材、及び、駆動プーリの各位置と相対位置関係を示す。
【0040】
図6Aは、回転軸が時計方向に回転すると、キー部材を経由して駆動プーリが回転軸と一体に回転方向に回る。
図6Bは、回転軸が時計方向に回るとき摩擦力に相当するトルクが検出トルクよりも大きい場合一体に回転する。
図6Cは、検出トルクが摩擦力相当トルクよりも大きくなると、回転軸が時計方向に回転するトルクが、負荷手段からの駆動プーリを制止しようとする摩擦力相当トルクよりも大きいから回転軸がスリップする。
図6Dは、スリップするが、キーによる連結により回転軸と駆動プーリとは一体に回転する。
【0041】
正転開始の加速途中に正のトルク値のピーク値をとる。逆転開始時の加速途中にトルク値の負のピーク値をとる。実験例1、2、3、4のいずれの実験例についても正転加速途中、逆転加速途中に検出トルク値にピーク値をとる。
【0042】
キー摩耗量が大きくなるにしたがい検出トルク値は大きくなることが判る。検出トルク値の基準検出トルク値を特定した。
【0043】
本実施形態では、検出トルク値が特定基準値を超えたとき、摩耗についての異常値の発報要と判定する。
【0044】
本実施形態によると、キー構造を備えた動力伝達装置においては機械設備を運転しながらキー摩耗検知が可能になるという効果がある。
本発明では、検出トルク値の分析結果に基づいて、キー部材の異状を告知することができる。
(他の実施形態)
【0045】
上記第1実施形態の判定は、駆動モータの正転、停止、逆転、停止の1サイクルにおける検出トルク値の推移に基づいて行ったが、本発明の判定は、これに限らず、上記の複数サイクルにおける検出トルク値の推移に基づいて行うこともできる。
本発明の分析の結果の判定については、図8に示すフローチャートに限定されるものでない。
【0046】
判定は、上記正転時の山のピーク値と基準値の比較、逆転時の谷のピーク値と基準値の比較の例を示したが、本発明では、山のピーク値と谷のピーク値のいずれか一方が基準値を超えたことが検出されたとき、あるいは両方が基準値を超えたことが検出されたとき、異状を告知するようにしてもよい。
【0047】
また本発明では、判定は、ピーク値の選択あるいは、検出トルク波形の特性が基準から外れたことで決めるようにしてもよい。
【0048】
上記第一実施形態は、ベルト伝動装置モータ回転軸と回転体としての駆動プーリとを連結するキー構造に適用したが、本発明は他の形態のキー構造をもつ動力伝達装置に適用することができる。
【0049】
他の実施形態として、プーリに代えて、回転軸にキー部材を用いて連結される回転体であれば、実施形態は限定されない。回転体は、例えば、歯車、その他の動力伝達用の回転体であってもよい。
【0050】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0051】
2 サーボモータ(駆動モータ)、
3 回転軸、
4 外周壁、
5 第1溝、
10 駆動プーリ(回転体)、
11 内周壁、
12 第2溝、
20 ベルト(負荷手段)、
30 キー部材、
31 一端、
32 他端、
41 ベンドプーリ、
42 ベンドプーリ、
50 サーボモータ、
51 サーボドライバ(トルク検出手段)、
52 プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、
53 パーソナルコンピュータ(PC)(キー摩耗判定手段)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9